JP3123871U - 段ボール包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の段ボール包装材を利用することができ、極めて簡単な構成で優れた脱臭効果あるいは吸着性能を有すると共に、外観も極めて優れている段ボール包装材を提供する。
【解決手段】段ボール面12に、炭粉末又は木・竹材を乾留して得られる液体を混入した印刷インクの転写による印刷面15を形成し、前記印刷面15が包装箱10の内面となる部分に形成されたり、前記印刷面15が被包装物のための表示部18であるように構成される。
【選択図】図1

Description

この考案は段ボール包装箱等の段ボール包装材の構造に関する。
従来、あらゆる分野における包装用資材として紙製の段ボール包装材が用いられている。この段ボール包装材は、被包装物の用途や大きさに合わせて自在に設計可能であり、軽量であるため取り扱いが容易である。また、紙製でありながら比較的高い強度を有し、例えば、果物、野菜等の生鮮食品の輸送、保管等にも多用されている。ところが、段ボール包装箱に臭いの強い食品等を収納した場合に、この臭気が外部に漏洩したり、保管や輸送時に包装箱の内部の臭気が籠もって悪臭となり、開封時に不快感を感じることもあった。
そこで、脱臭効果を備えた段ボール箱が考案されている(例えば、特許文献1参照)。この段ボール箱は、前記段ボール箱を構成する両面段ボール構造体の少なくとも中芯が、中芯用段ボール原紙と脱臭・鮮度保持性粉末とバインダーとの混合物と通気性シート体とからなるサンドイッチラミネート構造体で構成されており、中芯用段ボール原紙と通気性シート体との間に脱臭・鮮度保持性粉末が固着保持されている。
しかしながら、このようなラミネート構造体を有する段ボール箱は、全体重量が嵩み、さらに被収納物を収納したときの重量が重くなるため、取り扱いが煩雑である。また、従来公知の段ボール包装材の構成とは異なるため、生産時における工程数が増加して製造コストが高くなる等の問題があった。
実公平7−8416号公報
この考案は、このような状況に鑑み提案されたものであって、従来の段ボール包装材を利用することができ、極めて簡単な構成で優れた脱臭効果あるいは吸着性能を有すると共に、外観も極めて優れている段ボール包装材を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1の考案は、段ボール面に、炭粉末又は木・竹材を乾留して得られる液体を混入した印刷インクの転写による印刷面を形成したことを特徴とする段ボール包装材に係る。
また、請求項2の考案は、印刷面が包装箱の内面となる部分に形成された請求項1に記載の段ボール包装材に係る。
さらに、請求項3の考案は、印刷面が被包装物のための表示部である請求項1に記載の段ボール包装材に係る。
請求項1の考案に係る段ボール包装材によれば、段ボール面に、炭粉末又は木・竹材を乾留して得られる液体を混入した印刷インクの転写による印刷面を形成したため、従来公知の段ボール包装材を利用することができると共に、段ボール包装材内部の臭気を脱臭することができる。また、炭粉末を混入した印刷インクを用いることにより、前記包装箱内部に収納された野菜や果物などの食品等から放出されるエチレンガス等も吸着することができる。
請求項2の考案によれば、請求項1において、印刷面が包装箱の内面となる部分に形成されたことから、より効果的に段ボール包装箱内部の臭気を脱臭したり、炭粉末を混入した印刷インクを用いることにより、被収納物である食品等から放出されるエチレンガス等を吸着することができる。また、包装後における外観も極めて良好である。
請求項3の考案によれば、請求項1において、印刷面が被包装物のための表示部であることから、上で述べた効果に加え、印刷面に違和感がないので、外観上極めて優れている。
以下添付の図面に従ってこの考案の実施例を説明する。図1はこの考案の一実施例に係る段ボール包装箱の全体斜視図である。
図1に示すように、実施例に係る段ボール包装箱10は、段ボール面12に、炭粉末又は木・竹材を乾留して得られる液体を混入した印刷インクの転写による印刷面15が形成されている。なお、図1において、符号11は段ボール包装箱本体である。
段ボール包装箱10は、いわゆる片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボール等のダンボール板からなる従来公知の段ボール包装箱を使用することができる。ダンボール包装箱の内部には被包装物が収納され、輸送、保管等に利用される。被包装物は、食品、衣類、靴等どのようなものでもよく、特に臭気やエチレンガス等が放出される被包装物としては野菜、果物等の食品等が挙げられる。
炭粉末は、従来公知のものを使用することができる。炭の原料となる竹や木材等は特に限定されず、竹の具体例として、マダケ、モウソウチク、ハチク、マチク、セキチク、チョウシチク、タイザンチク、イマダケ、ホテイチク、シチク、リョクチク、トウチク、ナマガリタケ等が用いられる。また、木材としてはカシ、ナラ、クヌギ、赤松等の針葉樹、広葉樹などが挙げられる。
前記原料は大まかに破砕され、破砕された原料は適宜の条件で炭化され、粉末状にされる。例えば、炭化温度が約400〜700℃でロータリーキルンや炭焼き窯等で炭化される。得られた炭は、粉砕等により粉末状にされてもよいが、通常炭は、所望の形状にするために、切断、研磨等の加工が行われる。このとき、大量の炭粉末が発生するため、適宜分級等を行うことにより、このような炭粉末を有効に利用することができる。
炭は優れた吸着力を有していることが知られている。炭は多孔質であり、その表面積は、例えば竹炭の場合には、1g当たり約500〜600m2程度であり、さらには、その表面が吸着活性を有しているためであるといわれている。そのため、炭を粉末状等にして従来より脱臭剤、消臭剤、吸着材として多用されている。なお、竹炭は、木炭と比較して微細孔が多く、高い吸着性能を有しているため好ましく使用される。
木・竹材を乾留して得られる液体は、木材や竹材を乾留する際に発生する気体を公知の手法により冷却、液化して得られる刺激臭のある液体をいい、従来既知の木酢液あるいは竹酢液を用いることができる。
木酢液、竹酢液の成分は水、酢酸等であり、その他に200〜300もの化合物が含有されていることが知られている。その成分は製造方法や、諸条件に影響されるが、通常、成分の80〜90重量%が水で、残りの約10重量%が有機化合物であるとされている。他にも微量成分として、200種類以上の化合物が含有され、これらの成分が複合的に作用することにより、消臭効果や殺菌作用等があるといわれている。なお、竹酢液のpHは、約1.5〜3.5であり、木酢液はpH2.0〜3.0程度である。
印刷インクは、特に限定されず従来公知の印刷インクが用いられ、乾燥時間が短いフレキソインキ等、通常ダンボール包装箱の印刷に用いられる印刷インクが好ましく用いられる。そして、所望とする印刷インクの色調や炭粉末又は木・竹材を乾留して得られる液体の脱臭性能あるいは吸着性能等に応じて、公知の手法により印刷インクに適量混入される。
印刷面15は、ダンボール面12に、前記炭粉末又は木・竹材を乾留して得られる液体が混入された印刷インクの転写により形成される。印刷インクの転写方法は、特に限定されないが、具体的には、フレキソ印刷方法やオフセット印刷方法等がある。例えば、フレキソ印刷方法によれば、表面に樹脂凸板が形成された印刷ロールに印刷インクが塗着されて、被印刷物であるダンボール包装箱を構成するダンボール面12に印刷され、印刷面15が形成される。また、前記印刷インクが塗布されて形成される塗膜の厚みは、適宜調整することができ、例えば、脱臭効果や吸着効果を向上させる等のために、より厚く形成することも可能である。
このように、ダンボール面12に、炭粉末又は木・竹材を乾留して得られる液体を混入した印刷インクの転写による印刷面15が形成されることで、段ボール包装箱自体を特別な構造とする必要がなく、従来公知の段ボール包装箱を使用することができ、前記包装箱10内に収納された被包装物の臭気を効率よく脱臭することができる。また、前記包装箱の外部の臭気が、包装箱や被包装物に付着するのも、防ぐ効果が期待される。従来公知の脱臭剤と比較して、脱臭剤の容器が場所をとって被包装物を収納する際に邪魔になったり、輸送時等に被包装物に押圧され、被包装物を損傷させたりすることもない。また、外観上も良好である。
さらに、例えば被包装物として果物などの食品が包装される場合、果物からエチレンガスが発生すると、このエチレンガスにより果物が早期に熟し、果物が傷んだり腐ることがある。このような場合でも、炭粉末を混入した印刷インクを用いて印刷面15が形成されると、炭粉末の吸着作用により、エチレンガスが吸着されるので果物の鮮度を極力保つことができる。
また、図1に示し、請求項2の考案として規定するように、ダンボール包装箱10の印刷面15が包装箱10の内面13となる部分に形成されてもよい。この場合は、前記ダンボール包装箱10内に包装された被包装物と印刷面15が近接されるため、被包装物から発生される臭気を、より効果的に効率よく脱臭することができる。また、炭粉末を用いれば、上述のように、被包装物からエチレンガス等が発生しても、包装箱内部に籠もるガス等をより効果的に吸着することができる。
さらには、請求項3の考案として規定するように、印刷面15が被包装物のための表示部18であるように構成されてもよい(図1参照)。被包装物のための表示部18は、特に限られず、具体的には被包装物である商品名、その製造元である会社名、被包装物の重量等が挙げられる。被包装物のための表示部18として印刷面15が形成されることにより、外観上全く違和感を感じることなく、前記したような脱臭効果や吸着効果を得ることができる。
上の実施例では、段ボール包装材の例として包装箱について説明したが、この考案の段ボール包装材としては、この他に、例えばバルク包装物等の外側を覆う段ボール外被及び台板、あるいは被包装物の敷板となる段ボール台紙及び中敷き、瓶等を仕切る段ボール仕切(組仕切)などにも適用される。さらに、実用新案登録第3107381号に記載されるような段ボールからなる平板パレットにも効果的に適用することができる。
この考案の一実施例に係る段ボール包装箱の全体斜視図である。
符号の説明
10 段ボール包装箱
12 段ボール面
13 内面
15 印刷面
18 表示部

Claims (3)

  1. 段ボール面に、炭粉末又は木・竹材を乾留して得られる液体を混入した印刷インクの転写による印刷面を形成したことを特徴とする段ボール包装材。
  2. 印刷面が包装箱の内面となる部分に形成された請求項1に記載の段ボール包装材。
  3. 印刷面が被包装物のための表示部である請求項1に記載の段ボール包装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0582873U (ja) * 1992-04-16 1993-11-09 三井石油化学工業株式会社 電子レンジ加熱用食品包装袋

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