JP3123815U - 革材料等の裁断具 - Google Patents

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Abstract

【課題】革材料等を裁断する際に、裁断具の打ち込み力と引き抜き力を小さくでき、裁断具の寿命を長くすることができる革材料等の裁断具を提供することである。
【解決手段】帯状の鋼材を、裁断される革材料等の形状に対応する形態に溶接して裁断具本体2を形成し、その縁部に裁断用刃部2a〜2bを設けた革材料等の裁断具において、直線部と角部と湾曲部とを有する裁断具本体形状の、角部30ではなく直線部にてTIG溶接する構成とした。
【選択図】図1

Description

本考案は、革材料や合成皮革材料の裁断に用いられる革材料等の裁断具に関するものである。
従来より、靴革の裁断具として、シート状の革材料を、所定の靴革形状に打ち抜くものは知られている。そのような靴革100は、例えば図5に示すように、靴の甲の部分を構成する先端部分101と、該先端部分101から後方に延び靴の側部を構成する側部部分102、103とを有している。
そして、靴を製造する場合には、まず、靴革100を、図6に示すように、靴型具105の表面に装着する。それから、革材料の切断端面が見えると見栄えが悪く、また、その切断端縁部が傷み易いので、内側に折込むようにしている。その場合、先端部分101の上側の湾曲部分については、そのまま折込むと皺になるので、複数の切り込み104を入れるようにしている。
そのために、従来の裁断具においては図7に示すように、前記靴革100の先端部分101の上側の湾曲部分に対応する湾曲形状の裁断用刃部111a、111bに沿って放射状に突出する複数の切り込み用刃部112a、112bをそれぞれ設け、靴革100の裁断と同時に前記切り込み104を形成するようにしている。
前記切り込み104を形成するための切り込み用刃部112a、112bを形成するには、図8に示すような、湾曲部の所定範囲に、例えばガス溶接等により肉盛り部113を設けて、該肉盛り部113をヤスリや研削機にて研磨して刃部を形成し、最後に焼入れしている。
また、図9(a)に示すように、裁断用刃部114a、114bを備える裁断具本体114に複数個の開孔114cを設けて、該開孔に図9(b)に示す、本体部115Aと挿入部115Bを有すると共に、前記裁断用刃部114a、114bとその刃先を一致する切り込み用刃部115a、115bを備える切り込み用刃部材115を挿入して溶接し固着するとした革材料等の裁断具もある(例えば、特許文献1参照)。
そのために、裁断具を製造する際には、裁断する靴革の形状となるように複数の部材を溶接構成する必要がある。図3に示す従来の裁断具10は、裁断しようとする靴革(革材料)に対応する形状をした枠型の裁断具本体20と、該裁断具本体20の一部を相互に連結する連結部材40、41とを備えている。この裁断具本体20は、一定の高さHを有する帯状の鋼材(例えばスウェーデン鋼)を所定の形状に屈曲して形成されており、その高さ方向の上下縁部が革材料から所定形状の靴革を裁断する裁断用刃部20a、20bとなっている。
前記裁断具本体20において、靴の先端となる部分を裁断する湾曲部分21は、曲率半径の大きい湾曲部分とされている一方、靴の甲の上端縁となる部分を裁断する湾曲部分22は、曲率半径が小さい湾曲部分とされている。その湾曲部分22は、湾曲形状に沿って複数の切り込み用刃部材5が一定のピッチ間隔でもって放射状に溶接により固着されている。前記切り込み用刃部材5は、靴革の湾曲部分において、靴を製造する際に折り込むための切り込みを裁断と同時に入れるものである。この時に、連結部材40、41を溶接により固着して、裁断具10の全体強度を持たせる構成とすることもできる。
この構成の裁断具10の場合に、従来はその溶接を本体の屈曲部30(複数の部材を溶接する場合には複数箇所となる)にて行う構成としている。
登録実用第3064325号公報(第1−10頁、第2図)
帯状の鋼材を、その屈曲部にて溶接すると、その溶接部が肉厚となって、鋭利な裁断用刃部を形成することは困難である。そのために、溶接して連結した後で、ヤスリや研削機にて研磨して刃部を形成する工程であれば、研磨に要する時間が長くなり、製造効率が悪い。また、予め形成している裁断用刃部に比べて切り込み用刃部の強度が劣るという課題がある。
また、屈曲部の裁断が不良であれば、裁断する革材料等の裁断部が明瞭とはならず、裁断不良となるという問題がある。さらには、裁断する際の押圧力を高くする必要が生じると共に、打ち込んだ後の引き抜き力も強くする必要が生じる。
そのために、屈曲部にて溶接構成している従来の裁断具10を用いて革材料等を裁断すると、強く打ち込んで、強く引き抜くことになるので、刃先が痛み易くなって、その裁断回数の限界が早くきてしまう。
さらに、裁断具10を強く打ち込んで、強く引き抜くので、裁断具10の駆動力を大きくする必要が生じて不経済であり、装置の寿命も短くなるという問題が生じる。
本考案の目的は、革材料等を裁断する際に、裁断具の打ち込み力と引き抜き力を小さくでき、裁断具の寿命を長くすることができる革材料等の裁断具を提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る考案は、その縁部に裁断用刃部を設けた帯状の鋼材を、裁断される革材料等の形状に対応する形態に周回して溶接した裁断具本体を有する革材料等の裁断具であって、前記裁断具本体を、直線部と角部と湾曲部とを有する周回形状に溶接する際に、角部ではなく直線部にてTIG溶接する構成としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項1に係る考案によれば、角部を溶接せず、直線部をTIG溶接するので、溶接棒を使用せずに母材同士を溶着することができ、角部と湾曲部を有する裁断具であっても、一様な厚みの裁断具本体を形成することができる。
請求項2に係る考案は、前記裁断用刃部を前記裁断具本体の帯板状の本体部の上下縁部にそれぞれ設けると共に、溶接する際には前記裁断用刃部を溶接せず、帯板状の本体部を溶接する構成としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項2に係る考案によれば、裁断用刃部の刃先はただ突合せしただけなので、一様な形状と一様な厚みの刃先となり、刃先の革材料等への打ち込みと引き抜きが容易となる。そのために、裁断具の打ち込み力と引き抜き力を小さくでき、裁断具の寿命を長くすることができる。
請求項3に係る考案は、前記湾曲部に、裁断と同時に前記湾曲部分に切り込みを入れる切り込み刃部を有する切り込み刃部材を設けたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項3に係る考案によれば、革材料等を裁断する際に、小さな曲率の湾曲部分でも、折込みのための切り込みを裁断と同時に入れることができる。
請求項4に係る考案は、前記切り込み用刃部材を、前記裁断具本体と同質の材料で且つ前記裁断具本体の肉厚よりも薄くすると共に、前記裁断用刃部の刃先と切り込み用刃部の刃先とをほぼ一致させて、TIG溶接により前記裁断具本体に固着する構成としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項4に係る考案によれば、裁断具本体と同質の材料の切り込み用刃部をTIG溶接する構成としたので、溶接棒を使用せずに母材同士を溶着することができる。そのために、細かいピッチで多数の切り込み用刃部を溶着することができると共に、切り込み用刃部の強度を維持することができる。
請求項5に係る考案は、前記切り込み用刃部材が、薄板状の本体部と、裁断具本体に突き合わせる突き合わせ部とを備えており、前記突き合わせ部に、前記裁断具本体の裁断用刃部のテーパ面に合致する突部を配設し、前記突部を前記テーパ面に合致させた状態で、前記切り込み用刃部材の片側からTIG溶接する構成としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項5に係る考案によれば、切り込み用刃部材端面の切り込み用刃部を裁断用刃部のテーパ面に隙間なくピッタリと突き合せて、所定ピッチにて固着することができ、多数の革材料等を裁断しても裁断屑等の詰りを生じない、長期間使用可能な裁断具を得ることができる。さらに、切り込み用刃部材を裁断具本体の全高さに渡って隙間なくピッタリと突き合せて、細かいピッチでも固着することができるので、厚い革材料でも裁断可能な本革仕様の裁断具を容易に得ることができる。
本考案によれば、裁断する革材料等の形状に応じた外形をし、直線部と角部と湾曲部とを有する周回外形の縁部に裁断用刃部を備える裁断具本体の直線部をTIG溶接する構成の革材料等の裁断具としているので、角部でも一様な厚みの裁断具本体を形成することができ、刃先の革材料等への打ち込みと引き抜きが容易となる。そのために、裁断具の打ち込み力と引き抜き力を小さくでき、裁断具の耐用回数を大きくして寿命を長くすることができる。
以下、本考案に係る革材料等の裁断具の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本考案に係る革材料等の裁断具を示す斜視図であって、(a)は単純な形状の第一の実施形態を示し、(b)は複雑な形状の第二の実施形態をしめしている。
図1(a)に示す裁断具1Aは、帯状の鋼材を所定形状に折り曲げて周回して、角部30ではなく直線部で突き合わせて溶接する構成の裁断具本体2を備えている。この裁断具本体2は、一定の高さHを有する帯状の鋼材(例えばスウェーデン鋼)を所定の形状に屈曲して形成されており、その高さ方向の上下縁部に、革材料を所定形状の靴革形状に裁断する裁断用刃部2a、2bを設けている。
また、図1(b)には、より複雑な形状に折り曲げて周回された裁断具本体2を備える裁断具1Bを示しており、角部30とV型に折り込まれた屈曲部31とカーブ状折り曲げ部32とを有している。また、裁断具本体2の一部を相互に連結する連結部材4を溶接して枠体を補強する構成としている。
この構成であっても、溶接部3は裁断具本体2の直線部に設ける構成であり、角部30や屈曲部31やカーブ状折り曲げ部32では溶接しない構成である。また、溶接部3を複数箇所の直線部に設ける構成としてもよく、例えばV型の屈曲部31とカーブ状折り曲げ部32を備える中間部材の両側の二箇所を溶接する構成としてもよい。この際には、連結部材4を溶接する部分に溶接部3Aを設けることで、溶接領域を小さくして綺麗な外観を保つことが好ましい。
また、さらに複数の部材同士を溶接して一個の裁断具を構成することも可能であり、溶接箇所がさらに増加する場合もある。この場合でも、溶接部3を直線部に設けることが肝要である。
次に、溶接の仕方について図2より説明する。溶接する際には、図2(a)に示すように、単に直角に切断した切断面を突き合わせ部2Bとし、それぞれの突き合わせ部を突き合わせて溶接する。また、この際に、互いの上下縁部の裁断用刃部2a、2bをぴったり合致させ、高さを揃えた状態として溶接を行う。溶接は、図2(b)に示すような、TIG溶接機8と溶接ノズル9を用いてTIG溶接としている。
TIG溶接とは、不活性ガス(例えばアルゴンガス)雰囲気中でタングステン電極と母材間にアークを発生させて、高温で母材を溶融させるので、溶接棒を用いずに母材同士を溶着することができる。特に、本実施の形態のように、同質の帯状鋼材からなる裁断具本体2を溶接するので、突き合わせ部の部材同士が同じ温度で溶融し、溶接棒を用いずに確実に溶着することができる。そのために、溶接部3は肉盛り部を生じずに平坦とすることが可能となる。
溶接は直線部で行うので、互いに直角に切断した切断面同士をぴったりと密着して、TIG溶接を行い、母材同士を溶着するので、溶接部3の厚みは母材と同等となり、平坦な厚みの均一な裁断具とすることができる。
また、この時に、溶接する際には前記裁断用刃部2a、2bは溶接せず、帯板状の本体部2Aを溶接する構成とすれば、裁断用刃部2a,2bのテーパ面2c部に溶接不純物が付着せず段差も生じない。そのために、革材料等の裁断を行う刃部を鋭利な状態に綺麗に保つことができる。
突き合わせ部2Bをぴったり突き合わせるには、定盤等の上に裁断具本体2を載置して、それぞれの突き合わせ部2Bをぴったり突き合わせた状態で、磁力を作用させて固定することができる。この構成であれば、互いに磁性体同士である裁断具本体2が磁力により堅固に付着するので、そのままの姿勢を保って溶接することが可能である。
また、溶接は溶着強度に応じて、表裏両面に施すことも、一方の面のみに施すことも可能である。さらに、溶接部は平坦であり肉盛り部を生じないので溶接後の研磨は不要である。しかし、溶接部が薄くなれば肉盛りすることは可能である。
いずれにしても、溶接棒を用いずに母材同士を溶着するTIG溶接を用いているので、母材と同等の厚みで溶着することができる。また、溶接部を直線部に設けているので、刃先を一様な形状と一様な厚みの刃先とすることができる。角部等の刃先も、単に帯状の鋼板を曲げているだけなので、一様な形状と一様な厚みの刃先となり、裁断具全体の刃先を一様な形状と一様な厚みの刃先とすることができる。
そのために、刃先の革材料等への打ち込みと引き抜きが容易となって、裁断具の打ち込み力と引き抜き力を小さくでき、裁断具の寿命を長くすることができる。例えば、従来の角部を溶接する構成の裁断具の場合には、約1万回の裁断回数の寿命であるが、直線部を溶接する本考案に係る裁断具ではその2倍の約2万回の裁断が可能となる。
また、図3に示す裁断具10にように、靴の先端部となる湾曲部分21と靴の甲部分となる湾曲部分22を備える場合では、靴を製造する際に靴革の湾曲部分を折り込むための切り込みを入れる切り込み用刃部材5を設ける構成としている。前記切り込み用刃部材2は、切り込みを裁断と同時に入れるものであり、一回の裁断操作で、所定形状の革材料の裁断と切り込み形成が可能となっている。
この構成であっても、裁断具本体20の溶接部3B、3Cをそれぞれ直線部に設ける構成としておけば、角部30の刃先部分が肉厚とはなっておらず、一様な形状と一様な厚みの刃先となり、刃先の革材料等への打ち込みと引き抜きが容易となる。
前記裁断具本体20において、靴の先端となる部分を裁断する湾曲部分21は、曲率半径の大きい湾曲部分とされている一方、靴の甲の上端縁となる部分を裁断する湾曲部分22は、曲率半径が小さい湾曲部分とされている。その湾曲部分22は、湾曲形状に沿って複数の切り込み用刃部材5が一定のピッチ間隔でもって放射状に溶接により固着されている。前記切り込み用刃部材5は、靴革の湾曲部分において、靴を製造する際に折り込むための切り込みを裁断と同時に入れるものである。この時に、連結部材40、41を溶接により固着して、裁断具10の全体強度を持たせる構成とすることもできる。
また、裁断具本体20において、靴の外側となる部分を裁断する部分23は、靴の内側となる部分を裁断する部分24よりも長く形成されている。
切り込み用刃部材5の一例を図4に示す。図4(a)に示すように、上下縁部の両方に裁断用刃部2a、2bを備える裁断具の場合には、裁断具本体2の高さに匹敵する高さで、裁断具本体2の湾曲部分に溶接構成されており、高さ方向の上下に切り込み用刃部5a、5bが形成されている。そのために、前記切り込み用刃部5a、5bの刃先は、前記裁断用刃部2a、2bの刃先にそれぞれ合致している。
また、図4(b)に示すように、切り込み用刃部材5は、薄板状の本体部5Aと突き合わせ部5Bとを有しており、裁断具本体2に突き合わせる前記突き合わせ部5Bの上下両端に、前記裁断具本体2の裁断用刃部2a,2bのテーパ面2cに係合する突部5cをそれぞれ備えた形状である。
上記のような構成としているので、突部5cを備える突き合わせ部5Bを裁断具本体2に突き合わせて溶接する際に、切り込み用刃部材の上下両端の切り込み用刃部5a、5bを裁断用刃部のテーパ面2cに隙間なくピッタリと突き合せて固着することができる。そのために、裁断具本体側の刃部と切り込み用刃部との間に隙間が生じず、革材料等の裁断を確実に行うことができる。さらに、多数の革材料等を裁断しても裁断屑等の詰りを生じない、長期間使用可能な裁断具とすることができる。
さらに、図4(c)に示すように、TIG溶接機6により、突き合わせ部5Bの片側から溶接ノズル7を介して、裁断具本体2と切り込み用刃部材5とをTIG溶接して固着する構成としたので、溶接棒を用いずに母材同士を溶着することができる。
そのために、溶着部8に肉盛り部は生じずに平坦であり、さらに、前記切り込み用刃部材5を1枚毎に順次溶着していく構成としているので、前記切り込み用刃部材5の配列ピッチPを細かくすることができる。
本実施の形態においては、裁断具本体2と同質の材料で且つ前記本体の肉厚Dよりも薄い肉厚dの多数の切り込み用刃部材5を、溶接棒を用いずにTIG溶接により固着する構成としており、例えば、裁断具本体2の肉厚Dを2mmとし、該裁断具本体2に溶着する切り込み用刃部材5の肉厚dを1.1mmとしている。これは、高温状態にてTIG溶接する際に、前記切り込み用刃部材5の肉厚が1.0mm以下では、薄すぎて孔が空いたりして溶着不良を生じるからである。前記のように肉厚1.1mmの切り込み用刃部材5を採用することで、孔が空くこともなく溶着不良を生じずに、TIG溶接可能となる。
前記肉厚1.1mmの切り込み用刃部材5は、肉厚2mmの裁断具本体と同質の鋼材を削って薄くした板材から打ち抜き構成としている。そのために、前記裁断用刃部と切り込み用刃部とが同質であるので、刃先の強度が同等となる。また、薄くした板材を打ち抜いて製造することができるので、所定寸法で所定形状の切り込み用刃部材を容易に製造することができる。
上記のように、裁断具本体2と同質の鋼材の切り込み用刃部材5としているので、切り込み用刃部材5の強度を維持することができる。また、切り込み用刃部材5の肉厚dを1.1mmとしているので、前記配列ピッチPを1.5mmまで小さくすることができ、細かいピッチで多数の切り込み用刃部材5を1枚毎に順次、裁断具本体2に溶着していくことができる。
そのために、従来では2.5mm程度のピッチであったものが、2mm以下とすることができ、さらに1.5mm程度にまで接近して多数の切り込み用刃部材5を溶着することができるので、本考案に係る裁断具1は、革材料等を裁断する際に、さらに小さな曲率の湾曲部分であっても、折込みのための切り込みを裁断と同時に入れることができる。
上記のように溶接棒を用いずに母材同士を溶着するTIG溶接構成としているので、溶着部10Aは肉盛りされておらず、ただ、裁断具本体2と切り込み用刃部材5とが溶着されているだけである。そのために、TIG溶接後の研磨作業等が不要となるので、容易にまた低コストで裁断具を製造することができる。
該切り込み用刃部材5を、裁断具本体2の高さHにほぼ匹敵する高さとし、上側の裁断用刃部2aと下側の裁断用刃部2bとに至る高さの切り込み用刃部材5を配設する構成としているので、上下の裁断用刃部で交互に裁断することができ、厚みのある本革製品でも裁断可能な裁断具を構成することができる。
この時に、裁断具本体2に設けられる上側縁部の裁断用刃部2aと下側縁部の裁断用刃部2bとのそれぞれのテーパ面2cに合致する突部を備えた形状の切り込み用刃部材5としているので、裁断用刃部2a、2bの刃先と切り込み用刃部5a、5bの刃先とを隙間なくピッタリと合致させることができる。そのために、革材料等の裁断を確実に行うことができ、さらに、多数の革材料等を裁断しても裁断屑等の詰りを生じない、長期間使用可能な裁断具とすることができることは前述した通りである。
上記で説明した実施例は、いずれも裁断具本体の上下縁部の両方にそれぞれ裁断用刃部を設けた例であるが、一方の縁部に裁断用刃部を設けた形状の裁断具にも本考案を適用することができる。この場合でも、裁断用刃部と切り込み用刃部との刃先を一致させて、切り込み用刃部材を溶着する際に、切り込み用刃部材に設ける突部と裁断用刃部のテーパ面とを合致させて突き合わせて、切り込み用刃部材の片側からTIG溶接を行う構成とすればよい。
上記したように本考案によれば、革材料等の湾曲部分に対応する湾曲形状の裁断用刃部を備え、直線部と角部と湾曲部とを有する裁断具本体の直線部をTIG溶接して固着する構成の革材料等の裁断具としているので、一様な厚みの裁断具本体を形成することができ、刃先の革材料等への打ち込みと引き抜きが容易となる。そのために、裁断具の打ち込み力と引き抜き力を小さくでき、裁断具の寿命を長くすることができる。
さらに、細かいピッチで配列して切り込み用刃部材を溶着可能であり、革材料等を裁断する際に、小さな曲率の湾曲部を裁断して、折込みのための切り込みを入れることが可能であると共に、強度に優れた切り込み用刃部を備える革材料等の裁断具を低コストで製造することができる。
本考案に係る革材料等の裁断具を示す斜視図であり、(a)は単純な形状の第一の実施形態を示し、(b)は複雑な形状の第二の実施形態を示している。 溶接部の概略説明図であり、(a)は突き合わせるところを示す斜視図であり、(b)は溶接しているところを示す斜視図である。 切り込み用刃部材を備える裁断具を示す斜視図である。 裁断具本体と切り込み用刃部材との溶着状態を示しており、(a)は一部拡大斜視図であり、(b)は断面図であり、(c)は正面図である。 裁断具にて裁断される靴革の説明図である。 従来の靴の製造方法の説明図である。 従来の裁断具の斜視図である。 裁断具の切り込み用刃部の製造方法の説明図である。 従来の別の裁断具を示しており、(a)は裁断具本体の構成例を示し、(b)は前記裁断具本体に固着する切り込み用刃部材の側面図を示している。
符号の説明
1A、1B 裁断具
2 裁断具本体
2a、2b 裁断用刃部
3 溶接部
5 切り込み用刃部材
5a、5b 切り込み用刃部
6 TIG溶接機
30 角部
D (裁断具本体の)肉厚
d (切り込み用刃部材の)肉厚

Claims (5)

  1. その縁部に裁断用刃部を設けた帯状の鋼材を、裁断される革材料等の形状に対応する形態に周回して溶接した裁断具本体を有する革材料等の裁断具であって、
    前記裁断具本体を、直線部と角部と湾曲部とを有する周回形状に溶接する際に、角部ではなく直線部にてTIG溶接する構成としたことを特徴とする革材料等の裁断具。
  2. 前記裁断用刃部を前記裁断具本体の帯板状の本体部の上下縁部にそれぞれ設けると共に、溶接する際には前記裁断用刃部は溶接せず、帯板状の本体部を溶接する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の革材料等の裁断具。
  3. 前記湾曲部に、裁断と同時に前記湾曲部分に切り込みを入れる切り込み刃部を有する切り込み刃部材を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の革材料等の裁断具。
  4. 前記切り込み用刃部材を、前記裁断具本体と同質の材料で且つ前記裁断具本体の肉厚よりも薄くすると共に、前記裁断用刃部の刃先と切り込み用刃部の刃先とをほぼ一致させて、TIG溶接により前記裁断具本体に固着する構成としたことを特徴とする請求項3に記載の革材料等の裁断具。
  5. 前記切り込み用刃部材が、薄板状の本体部と、裁断具本体に突き合わせる突き合わせ部とを備えており、前記突き合わせ部に、前記裁断具本体の裁断用刃部のテーパ面に合致する突部を配設し、前記突部を前記テーパ面に合致させた状態で、前記切り込み用刃部材の片側からTIG溶接する構成としたことを特徴とする請求項4に記載の革材料等の裁断具。
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