JP3123534B2 - 論理回路 - Google Patents

論理回路

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JP3123534B2
JP3123534B2 JP11040687A JP4068799A JP3123534B2 JP 3123534 B2 JP3123534 B2 JP 3123534B2 JP 11040687 A JP11040687 A JP 11040687A JP 4068799 A JP4068799 A JP 4068799A JP 3123534 B2 JP3123534 B2 JP 3123534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は論理回路に係り、特
にMIS・FET(金属絶縁半導体型電界効果トランジ
スタ)により構成される論理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、MIS集積回路の設計において
は、消費電力削減技術が注目されている。これは主に、
近年におけるデバイスの高速化により発熱の問題が顕著
となってきたこと、及び携帯機器の発達とが関連してい
る。
【0003】すなわち、デバイスの高速化により動作周
波数が高くなれば、スイッチング回数もこれに伴って増
加し、その結果消費電力が増加して発熱量も大きくなっ
てしまう。このような発熱量の大きいデバイスに対して
は放熱及び冷却の技術が必要となり、これらがデバイス
の製造コストを高くする要因となる。したがって、コス
ト削減のためには、放熱装置または冷却装置を不要とす
ればよく、そのためにはMIS集積回路の消費電力を削
減する必要がある。
【0004】一方、携帯機器の発達については、近年様
々な携帯機器が普及しているが、小型軽量化が厳しく要
求されるため、通常MIS集積回路により携帯機器に必
要な回路が構成されており、また、これら携帯機器の電
源は電池である。したがって、携帯機器に搭載されるM
IS集積回路の消費電力の増大は、そのまま電池の駆動
時間の短縮につながってしまう。
【0005】したがって、電池の駆動時間を延ばすため
には、やはりMIS集積回路の消費電力を削減する必要
がある。また、電池の駆動時間を延ばす必要がない場合
は、電池の容量を小さくできるので、携帯機器のサイズ
も小さくできる。
【0006】以上の様な事情により、MIS集積回路の
設計においては、消費電力を削減する技術は近年特に重
要性を増してきている。
【0007】集積回路の消費電力を削減する技術として
従来から様々な方法が提案されているが、その中でも電
源電圧を下げ、低電圧で動作させる方法は最も効果的な
方法の一つである。しかしながら、電源電圧を下げると
MIS集積回路を構成するMIS・FETのスイッチン
グ速度が低下するという新たな問題が発生してしまう。
このため、MIS・FETのスイッチング速度を低下さ
せることなく電源電圧を下げる方法として、MIS・F
ETのしきい値Vtの絶対値を下げる方法が提案されて
いる。例えば、電源電圧が5Vのデバイスであれば、し
きい値Vtの絶対値は0.7V程度であるが、電源電圧
が1.8V〜2.0V程度まで下げられている場合に
は、MIS・FETのスイッチング速度の低下を防止す
べくしきい値Vtの絶対値も0.3V〜0.4V程度に
まで下げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、しきい値V
tの絶対値を下げると、MIS・FETがオフしている
時のリーク電流が増大して、MIS・FETにより構成
されている論理回路の消費電流が逆に増大するという問
題が生じてしまう。この場合、デバイスの製造プロセス
依存もあるが、一般的にはリーク電流はMIS・FET
のしきい値Vtの絶対値が140mV変化すると、約1
00倍変化する。したがって、しきい値Vtの絶対値が
0.7Vのものを0.4Vに下げると、1万倍リーク電
流が増大することになる。このように、電源電圧を下げ
ることにより折角消費電力の低減を図っても、その効果
が十分に発揮されないという問題がある。
【0009】この問題を解決すべく、MIS・FETに
より構成される論理回路の動作時と待機時とで、MIS
・FETの基板電位とソース電位との差電位を制御し
て、MIS・FETのオフ時のリーク電流を低減させる
技術が特開平6−21443号公報、並びに特開平9−
55470号公報に記載されている。
【0010】しかし、これら公報に記載された技術によ
れば、論理回路が非活性状態にあるとき、すなわち待機
時のリーク電流は削減されるものの、論理回路が活性状
態にあるとき、すなわち動作時においてはリーク電流が
依然流れ続けるため、動作時における消費電力の削減効
果が全くない。そのため、全体として消費電力の削減効
果が低く、特に非活性状態が少ない論理回路(動作率の
高い論理回路)では、消費電力の削減効果は期待できな
い。
【0011】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
論理回路の活性状態・非活性状態にかかわらず、常時リ
ーク電流の小さいMIS・FETを用いた論理回路を提
供することを目的とする。
【0012】また、本発明の他の目的は、MIS・FE
Tのオフの時とオンの時とでしきい値Vtの絶対値を可
変制御することにより、論理回路の動作が論理出力の変
化遷移時とその前後の僅かな時間を除き、不要なリーク
電流の発生を抑圧し得る論理回路を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、論理回路の安定状態に応じて、論理回路を
構成する各トランジスタの基板電位を変化させるもので
ある。すなわち、本発明による論理回路は、第1の電源
端子と出力端子との間にに接続された一導電型の第1の
トランジスタと、第2の電源端子と出力端子との間に接
続された逆導電型の第2のトランジスタと、第1及び第
2のトランジスタの制御端子に入力信号を供給する手段
と、入力信号及び出力端子に現れる信号に応答して第1
のトランジスタの基板電位を制御する第1の基板電位制
御手段と、入力信号及び出力端子に現れる信号に応答し
て第2のトランジスタの基板電位を制御する第2の基板
電位制御手段とを備えている。
【0014】また、本発明による論理回路は、第1の電
源端子と出力端子との間に接続された一導電型の第1の
トランジスタと、第2の電源端子と出力端子との間に接
続された逆導電型の第2のトランジスタと、第1及び第
2のトランジスタの制卸端子に入力信号を供給する手段
と、入力信号に応答して第1のトランジスタが導通状態
となり第2のトランジスタが非導通状態となっている場
合には第2のトランジスタの基板に第2のトランジスタ
のソース電位とは異なる電位を供給する第1の基板電位
制御手段と、入力信号に応答して第1のトランジスタが
非導通状態となり第2のトランジスタが導通状態となっ
ている場合には第1のトランジスタの基板に第1のトラ
ンジスタのソース電位とは異なる電位を供給する第2の
基板電位制御手段とを備えている。
【0015】さらに、本発明による論理回路は、第1の
電源端子と出力端子との間に接続された一導電型の第1
のトランジスタと、第2の電源端子と出力端子との間に
接続された逆導電型の第2のトランジスタと、出力端子
の電位が第1の電源端子の電位となっている場合には第
2のトランジスタの基板に第2の電源端子の電位とは異
なる電位を供給する第1の基板電位制御手段と、出力端
子の電位が第2の電源端子の電位となっている場合には
第1のトランジスタの基板に第1の電源端子の電位とは
異なる電位を供給する第2の基板電位制御手段とを備え
ている。
【0016】また、本発明は、上記の目的を達成するた
め、第1の電源端子と出力端子との間に接続された一導
電型の第1のトランジスタと、第1の電源端子と第1の
トランジスタの基板との間に接続された第1の導電型の
第2のトランジスタと、第1及び第2のトランジスタの
ゲートに入力信号をそれぞれ供給する手段と、第1のト
ランジスタの基板と第2の電源端子との間に接続され、
ゲートが出力端子に接続された、一導電型の第3のトラ
ンジスタと、第1のトランジスタ及び出力端子との接続
点と第3の電源端子との間に接続されたインピーダンス
素子とを有することを特徴とする。
【0017】また、本発明は、上記の目的を達成するた
め、第1の電源端子と出力端子との間に直列に接続され
た、一導電型のN個(ただし、Nは2以上の整数)の第
1のトランジスタと、第1の電源端子とN個の第1のト
ランジスタの各基板との間に直列に接続された一導電型
のN個の第2のトランジスタと、N個の第1及び第2の
トランジスタの各1個ずつを一組としたとき、同じ組の
第1及び第2のトランジスタのゲートには同一の入力信
号を供給し、異なる組の第1及び第2のトランジスタの
ゲートには異なる入力信号を供給する入力手段と、N個
の第1のトランジスタの各基板と第2の電源端子との間
に接続され、ゲートが出力端子に接続された、一導電型
の単一の第3のトランジスタと、第1のトランジスタ及
び出力端子との接続点と第3の電源端子との間に接続さ
れたインピーダンス素子とを有する構成としたものであ
る。
【0018】また、本発明は上記の目的を達成するた
め、第1の電源端子と出力端子との間に並列に接続され
た、一導電型のN個(ただし、Nは2以上の整数)の第
1のトランジスタと、第1の電源端子とN個の第1のト
ランジスタの各基板との間に並列に接続された一導電型
のN個の第2のトランジスタと、N個の第1及び第2の
トランジスタの各1個ずつを一組としたとき、同じ組の
第1及び第2のトランジスタのゲートには同一の入力信
号を供給し、異なる組の第1及び第2のトランジスタの
ゲートには異なる入力信号を供給する入力手段と、N個
の第1のトランジスタの各基板と第2の電源端子との間
に接続され、ゲートが出力端子に接続された、一導電型
の単一の第3のトランジスタと、第1のトランジスタ及
び出力端子との接続点と第3の電源端子との間に接続さ
れたインピーダンス素子とを有する構成としたものであ
る。
【0019】更に、本発明は上記の目的を達成するた
め、第1の電源端子と出力端子との間に、ソース並びに
ドレインがそれぞれ並列又はそれぞれ相互に直列接続さ
れ、又は並列接続と相互に直列接続の混合された構成
の、同一導電型の論理をとる複数のトランジスタと、第
2の電源端子と出力端子との間に接続されており、論理
をとる複数のトランジスタのゲートへの入力信号によ
り、出力端子と第1の電源端子との間に論理をとる複数
のトランジスタを通して電流パスが形成されるときは、
論理をとる複数のトランジスタの各基板電位を、そのし
きい値電圧の絶対値がソース電位とほぼ等しくなるよう
に制御し、出力端子と第1の電源端子との間に電流パス
が形成されていないときは、論理をとる複数のトランジ
スタの各基板電位を、そのしきい値電圧の絶対値がソー
ス電位と基板電位が等しいときよりも大きくなるように
制御するスイッチ回路と、論理をとる複数のトランジス
タ及び出力端子との接続点と第3の電源端子との間に接
続されたインピーダンス素子とを有することを特徴とす
る。
【0020】以上の本発明では、電源端子と出力端子間
で論理をとるトランジスタを通して電流パスが形成され
ているときの、論理をとるトランジスタのしきい値電圧
の絶対値は、通常値の絶対値にほぼ等しくし、上記の電
流パスが形成されていないときの論理をとるトランジス
タのしきい値電圧の絶対値は通常値よりも大きくするこ
とができるように、論理をとるトランジスタの基板電位
を制御することができる。
【0021】すなわち、本発明による論理回路は、これ
を構成する論理をとるトランジスタ(MIS・FET)
への基板電位として与えるべき電位を各々論理入力と出
力のそれぞれのレベルから判定して、論理をとるトラン
ジスタがオフ時にはしきい値Vtの絶対値を大きくして
リーク電流を減少させ、オン時にはしきい値Vtの絶対
値を小さくしてドライブ電流を十分に流すように、しき
い値Vtの絶対値を能動的に制御するのである。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の各実施の形態につ
いて、図面と共に説明する。図1は本発明になる論理回
路の第1の実施の形態の回路図を示す。この第1の実施
の形態の論理回路100は、インバータ論理回路を構成
している。
【0023】説明に先立ち、論理回路100及び後述す
る各実施の形態の論理回路において用いている各トラン
ジスタはその構造上、異種の基板電位をそれぞれとり得
るものとする。さらに、各トランジスタは全てエンハン
スメント型であるものとする。また、かかる論理回路1
00及び後述する各実施の形態の論理回路は、半導体基
板上に集積されている。また、本発明の実施の形態の論
理回路が適用される半導体装置は特に限定されない。す
なわち、マイクロコンピュータであってもよいし、メモ
リであってもよい。また、ASIC(特定用途IC)で
あってもよい。
【0024】図1に示すように、論理回路100は通常
のインバータ回路と同様、第1の高位側電源VDD11
と第1の低位側電源GND11との間に接続されたPチ
ャンネル型MISトランジスタMP11及びNチャンネ
ル型MISトランジスタMN11を備える他、基板電位
制御回路10及び20を有している。基板電位制御回路
10は、Nチャンネル型MISトランジスタMN11の
基板電位を制御する回路であり、基板電位制御回路20
は、Pチャンネル型MISトランジスタMP11の基板
電位を制御する回路である。
【0025】詳細に説明すると、基板電位制御回路10
は、第1の低位側電源GND11とNチャンネル型MI
SトランジスタMN11の基板との間に接続されたNチ
ャンネル型MISトランジスタMN12と、第2の低位
側電源GND12とNチャンネル型MISトランジスタ
MN11の基板との間に接続されたNチャンネル型MI
SトランジスタMN13とからなり、Nチャンネル型M
ISトランジスタMN12のゲートは入力端子IN11
に、Nチャンネル型MISトランジスタMN13のゲー
トは出力端子OUT11に接続されている。ここで、第
2の低位側電源GND12は、第1の低位側電源GND
11よりも低い電位である。
【0026】一方、基板電位制御回路20は、第1の高
位側電源VDD11とPチャンネル型MISトランジス
タMP11の基板との間に接続されたPチャンネル型M
ISトランジスタMP12と、第2の高位側電源VDD
12とPチャンネル型MISトランジスタMP11の基
板との間に接続されたPチャンネル型MISトランジス
タMP13とからなり、Pチャンネル型MISトランジ
スタMP12のゲートは入力端子IN11に、Pチャン
ネル型MISトランジスタMP13のゲートは出力端子
OUT11に接続されている。ここで、第2の高位側電
源VDD12は、第1の高位側電源VDD11よりも高
い電位である。
【0027】第1の低位側電源GND11や第1の高位
側電源VDD11は、特に限定されないが、半導体装置
の内部で生成される内部電源であり、これらの内部電源
を用いて、第2の低位側電源GND12は図4に示す回
路により、第2の高位側電源VDD12は図5に示す回
路により生成することができる。図4に示す回路も図5
に示す回路も、論理回路100が形成されている半導体
基板上に集積されている。
【0028】図4に示す回路は、入力端子IN4に負論
理のパルスを供給することにより、第1の低位側電源G
ND11よりもトランジスタのしきい値の絶対値1段分
低い第2の低位側電源GND12を生成し、図5に示す
回路は、入力端子IN5に正論理のパルスを供給するこ
とにより、第1の高位側電源VDD11よりもトランジ
スタのしきい値の絶対値1段分高い第2の高位側電源V
DD12を生成する。
【0029】また、論理回路100の動作により、第2
の低位側電源GND12の電位が上昇すれば、入力端子
IN4に負論理のパルスを供給してこれを再び低下さ
せ、第2の高位側電源VDD12の電位が低下すれば、
入力端子IN5に正論理のパルスを供給してこれを再び
上昇させればよい。
【0030】なお、図4に示した回路は、第2の低位側
電源GND12を生成するための回路の一例であり、同
様に図5に示した回路は、第2の高位側電源VDD12
を生成するための回路の一例であって、本発明において
用いる第2の低位側電源GND12や第2の高位側電源
VDD12の生成がこれら回路に限定されるものではな
く、他の回路を用いてもよい。また、半導体装置外部か
ら直接これら電源の供給を受けてもよい。
【0031】次に、論理回路100の動作について説明
する。まず、入力端子IN11のレベルが第1の高位側
電源VDD11とほぼ同じ場合、すなわちハイレベルの
信号が入力されると、トランジスタMN11並びにMN
12はオン状態、トランジスタMP11並びにMP12
はオフ状態となる。これにより、トランジスタMP11
のソース電位は、第1の高位側電源VDD1とほぼ同じ
電位となる。Nチャンネル型MISトランジスタMN1
1のオン状態により、そのソース電位及び出力端子OU
T11は第1の低位側電源GND11とほぼ同じ低レベ
ルの出力となるので、トランジスタMP13はオン状
態、一方トランジスタMN13はオフ状態となる。
【0032】これにより、節点N11の電位、すなわち
トランジスタMP11の基板電位は、第2の高位側電源
VDD12とほぼ同じ電位となる一方、節点N12の電
位、すなわちトランジスタMN11の基板電位は第1の
低位側電源GND11とほぼ同じ電位となる。
【0033】したがって、トランジスタMP11はソー
ス電位より基板電位が高い状態となり、そのVtは基板
バイアス効果により通常値(この場合の通常とは、ソー
ス電位と基板電位が同じ場合のVtの絶対値を示し、こ
のVtの絶対値の通常値を特にVt0とする)より絶対
値が大きくなって、そのリーク電流は小さくなる。
【0034】一方、論理をとるNチャンネル型MISト
ランジスタMN11は、基板バイアスにソース電位と同
じ第1の低位側電源GND11の電圧が与えられるた
め、そのVtの値はVt0となっており、そのドレイン
電流を十分に供給可能な状態となっている。この状態で
系は第1の安定状態となる。
【0035】次に、入力端子IN11の電位が降下して
第1の低位側電源GND11とほぼ同じ電位、すなわち
ローレベルに変化すると、論理回路100には次の変化
が起こる。まず、トランジスタMP12のVtはVt0
であり、MP11より基板バイアス効果によるVtの変
化が小さいので、入力端子IN11の電位降下に伴って
最初にオフからオンへと状態遷移する。次に、入力端子
IN11のさらなる電位降下によりトランジスタMP1
1がオフからオンヘと状態遷移する。ほぼ同時に、トラ
ンジスタMN11並びにMN12がオンからオフヘと状
態遷移する。以上により、出力端子OUT11のレベル
は上昇する。出力端子OUT11の出力レベルの上昇
は、トランジスタMP13をオンからオフヘと状態遷移
させ、トランジスタMN13をオフからオンヘと状態遷
移させる。
【0036】総じて、トランジスタMP11はトランジ
スタMP12のオン動作により、基板電位が第1の高位
側電源VDD11のレベルとほぼ同じとなり、Vtの絶
対値がほぼVt0と同じ値になる。一方、トランジスタ
MN11はトランジスタMN13のオン動作により基板
電位が第2の低位側電源GND12のレベルとほぼ同じ
となり、そのVtが大きくなり、結果としてリーク電流
は小さくなる。この状態で系は第2の安定状態となる。
【0037】次に、再び入力端子IN11の電位が上昇
して第1の高位側電源VDD11とほぼ同じ電位になる
と、論理回路100には次の変化が起こる。すなわち、
トランジスタMN12はVtがほぼVt0と同じであ
り、トランジスタMN11より基板バイアス効果による
Vtの変化が小さいので、入力端子IN11の電位上昇
に従い最初にオフからオンへと状態遷移する。次に入力
端子IN11のさらなる電位上昇によりトランジスタM
N11がオフからオンヘと状態遷移する。次にトランジ
スタMP11並びにMP12がオンからオフへと状態遷
移する。以上により、出力端子OUT11のレベルは降
下する。この出力端子OUT11の出力レベル降下を受
けて、トランジスタMN13オンからオフへと遷移し、
トランジスタMP13はオフからオンへと状態遷移す
る。
【0038】総じてトランジスタMN11はトランジス
タMN12のオン動作により、基板電位が第1の低位側
電源GND11のレベルとほぼ同じとなり、Vtの絶対
値がVt0の絶対値とほぼ同じ値になる。一方、トラン
ジスタMP11はトランジスタMP13のオン動作によ
り、基板電位が第2の高位側電源VDD12のレベルと
ほぼ同じとなり、そのVtの絶対値はVt0の絶対値よ
り大きくなり、結果としてリーク電流が小さくなる。こ
れで系は第1の安定状態へと戻る。以下、入力端子IN
11の入力レベル変動に対して、本論理回路は以上の2
つの安定状態を交互に繰り返し行う。
【0039】このように、論理回路100は、入力信号
及び出力信号のレベルに応じて、インバータ回路を構成
するNチャンネル型MISトランジスタMN11及びP
チャンネル型MISトランジスタMP11の基板電位を
制御し、オンしている側のトランジスタのしきい値Vt
の絶対値を変えることなく、オフしている側のトランジ
スタのしきい値Vtの絶対値を大きくしているので、電
源電圧を低くしてもリーク電流が増えることがなく、か
つ高速動作が担保される。
【0040】より具体的には、第1の高位側電源VDD
11を2.0V、第1の低位側電源GND11を0Vと
すると、第2の高位側電源VDD12を2.3V〜2.
4V、第2の低位側電源GND12を−0.3V〜−
0.4Vに設定することにより、リーク電流の増加を防
止できる。但し、これらの電圧値は、本実施の形態の好
ましい一例であって、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0041】上述のとおり、第1の高位側電源VDD1
1と第2の高位側電源VDD12との電位差、及び第1
の低位側電源GND11と第2の低位側電源GND12
との電位差である0.3V〜0.4Vは、トランジスタ
のしきい値電圧Vtの絶対値である。すなわち、本実施
の形態の如く、電源電圧を2.0Vまで下げ消費電力を
低減を図る場合、スイッチング速度の低下を防止すべく
トランジスタのしきい値電圧の絶対値が0.3V〜0.
4V程度にまで下げられていることを意味する。
【0042】以上のように、論理回路100によれば、
従来のようにスイッチング速度の低下を防止すべく、ト
ランジスタのしきい値電圧の絶対値を下げても、これに
伴ってリーク電流が増大することがなく、したがって、
消費電力の低減と高速動作とを両立することが可能とな
る。このため、論理回路100を動作周波数の高いデバ
イスに使用した場合は、発熱量が低減することから、放
熱装置や冷却装置が不要若しくは簡単となり、全体的な
コストを削減することができる。一方、論理回路100
を電池駆動による携帯機器に使用した場合は、消費電力
が低減することから、電池の駆動時間を延ばすことがで
きる。
【0043】なお、本実施の形態の論理回路100を用
いると、論理動作に必要な2つのトランジスタ、すなわ
ちPチャンネル型MISトランジスタMP11とNチャ
ンネル型MISトランジスタMN11の他に、4つのト
ランジスタが必要となり、面積的にやや不利となるが、
本実施の形態による上記効果はこれを補って余りあるも
のである。
【0044】すなわち、論理動作に必要なトランジスタ
のサイズを、例えばL=0.25μm、W=5μmとす
れば、他の4つのトランジスタMP12、MP13、M
N12、MN13のサイズはその1/4から1/5もあ
れば十分である。つまり、これら4つのトランジスタの
サイズは、L=0.25μm、W=1μm程度でよく、
したがって極端に面積が増大することはない。しかも、
電源電圧を下げ、低電圧で動作されることに伴って、ト
ランジスタのしきい値Vtの絶対値を0.4V程度まで
下げている場合、トランジスタのリーク電流は極めて大
きく、例えば、ここからさらにしきい値の絶対値を0.
1V下げればリーク電流は約100倍にも増大してしま
う。したがって、より低電圧での動作が求められ、これ
に伴ってトランジスタのしきい値Vtの絶対値をより下
げる必要があればあるほど、本発明の効果は顕著とな
る。
【0045】なお、第2の低位側電源GND12や第2
の高位側電源VDD12を生成する回路の消費電力も極
めて小さく抑えることができる。これは、第2の低位側
電源GND12や第2の高位側電源VDD12の供給先
が、トランジスタの基板であり、これを駆動するのに大
きな電力は必要ないからである。したがって、第2の低
位側電源GND12や第2の高位側電源VDD12を生
成する回路として、図4及び図5に示す回路を使用した
場合も、それほど頻繁に入力端子IN4やIN5にパル
スを供給する必要はない。
【0046】次に、本発明の第2の実施の形態による論
理回路200について図2を参照して説明する。本実施
の形態による論理回路200は、2入力NAND論理回
路であり、半導体基板上に集積されている。
【0047】図2に示すように、論理回路200は通常
の2入力NAND論理回路と同様、第1の高位側電源V
DD21と出力端子OUT21との間に並列に接続され
たPチャンネル型MISトランジスタMP22、MP2
4と、第1の低位側電源GND21と出力端子OUT2
1との間に直列に接続されたNチャンネル型MISトラ
ンジスタMN21、MN22とを備える他、基板電位制
御回路30及び40を有している。基板電位制御回路3
0は、Nチャンネル型MISトランジスタMN21、M
N22の基板電位を制御する回路であり、基板電位制御
回路40は、Pチャンネル型MISトランジスタMP2
2、MP24の基板電位を制御する回路である。
【0048】詳細に説明すると、基板電位制御回路30
は、第1の低位側電源GND21とNチャンネル型MI
SトランジスタMN21、MN22の基板との間に直列
に接続されたNチャンネル型MISトランジスタMN2
3、MN24と、第2の低位側電源GND22とNチャ
ンネル型MISトランジスタMN21、MN22の基板
との間に接続されたNチャンネル型MISトランジスタ
MN25とからなる。Nチャンネル型MISトランジス
タMN23のゲートは入力端子IN21に、Nチャンネ
ル型MISトランジスタMN24のゲートは入力端子I
N22に、Nチャンネル型MISトランジスタMN25
のゲートは出力端子OUT21に接続されている。ここ
で、第2の低位側電源GND22は、第1の低位側電源
GND21よりも低い電位である。
【0049】一方、基板電位制御回路40は、第1の高
位側電源VDD21とPチャンネル型MISトランジス
タMP22、MP24の基板との間に並列に接続された
Pチャンネル型MISトランジスタMP21、MP23
と、第2の高位側電源VDD22とPチャンネル型MI
SトランジスタMP22、MP24の基板との間に接続
されたPチャンネル型MISトランジスタMP25とか
らなり、Pチャンネル型MISトランジスタMP21の
ゲートは入力端子IN21に、Pチャンネル型MISト
ランジスタMP23のゲートは入力端子IN22に、P
チャンネル型MISトランジスタMP25のゲートは出
力端子OUT21に接続されている。ここで、第2の高
位側電源VDD22は、第1の高位側電源VDD21よ
りも高い電位である。これら第2の低位側電源GND2
2や第2の高位側電源VDD22も、図4及び図5に示
す回路により生成することかできる。
【0050】このように、第2の実施の形態の論理回路
200は、入力端子IN21、IN22からの2つの入
力に対応して、Pチャンネル型MISトランジスタが並
列に、Nチャンネル型MISトランジスタが直列に接続
されている。これに伴い、論理をとるトランジスタの基
板電位を制御するトランジスタの接続も、論理をとるト
ランジスタの接続に合わせて、これが並列接続されてい
る側にあっては並列接続され、直列接続されている側に
あっては直列接続されている。
【0051】次に、本実施の形態による論理回路200
の動作について説明する。まず、入力端子IN21、I
N22に第1の高位側電源VDD21とほぼ同じ電位が
供給されている場合を考える。入力端子IN21、IN
22に供給される入力信号レベルを受けて、論理をとる
Pチャンネル型MISトランジスタMP22、並びにM
P24はそれぞれオフ状態、一方論理をとるNチャンネ
ル型MISトランジスタMN21並びにMN22はそれ
ぞれオン状態となる。以上により出力端子OUT21
は、論理をとるNチャンネル型MISトランジスタMN
21並びにMN22による導電パスにより負荷電流をシ
ンクして、ほぼ第1の低位側電源GND21と同じレベ
ルまで電位が低下する。
【0052】一方、入力端子IN21、IN22の高レ
ベルにより、論理をとるPチャンネル型MISトランジ
スタMP22、MP24の基板電位を供給するPチャン
ネル型MISトランジスタMP21、MP23は各々オ
フ状態、Pチャンネル型MISトランジスタMP25は
出力端子OUT21の低レベル信号をゲートに受けてオ
ン状態となっている。これらにより論理をとるPチャン
ネル型MISトランジスタMP22、MP24のVtの
絶対値はVt0の絶対値より大きくなりリーク電流が削
減される。
【0053】論理をとるNチャンネル型MISトランジ
スタMN21、MN22の基板電位に着目すると、入力
端子IN21、IN22の高レベル入力を受けてNチャ
ンネル型MISトランジスタMN23、MN24はいず
れもオン状態、出力端子OUT21の低レベルを受けて
Nチャンネル型MISトランジスタMN25はオフ状態
となっている。これらにより、論理をとるNチャンネル
型MISトランジスタMN21、MN22のVtの絶対
値は各々の基板電位が第1の低位側電源GND21の電
位と同じとなり、低くなる。したがって、論理をとるN
チャンネル型MISトランジスタMN21、MN22は
十分に負荷電流をシンクすることができる。この状態で
系は第1の安定状態となっている。
【0054】次に、入力端子IN21の入力電位が第1
の低位側電源GND21のレベルに近くなるように降下
すると、Pチャンネル型MISトランジスタMP21が
オフからオンヘと状態遷移する。これを受けてPチャン
ネル型MISトランジスタMP22、MP24の基板電
位は、第2の高位側電源VDD22と第1の高位側電源
VDD21の中間電位となる。さらに、論理をとるPチ
ャンネル型MISトランジスタMP22はオフからオン
へと状態遷移する。一方論理をとるNチャンネル型MI
SトランジスタMN21はオンからオフへと状態遷移す
るので、論理をとるNチャンネル型MISトランジスタ
MN21、MN22の導通パスはなくなる。なお、論理
をとるPチャンネル型MISトランジスタMP24はオ
フの状態のままである。
【0055】以上により、出力端子OUT21には論理
をとるPチャンネル型MISトランジスタMP22より
第1の高位側電源VDD21からのソース電流が供給さ
れる。これにより出力端子OUT21のレベルが上昇す
ると、Pチャンネル型MISトランジスタMP25はオ
ンからオフへと状態遷移する。総じて論理をとるPチャ
ンネル型MISトランジスタMP22、MP24の基板
電位には第1の高位側電源VDD21の電位がトランジ
スタMP21を通して供給され、論理をとるPチャンネ
ル型MISトランジスタのVtの絶対値はほぽVt0に
等しくなる。
【0056】一方、Nチャンネル型MISトランジスタ
MN23はオフ状態、MN24はオン状態、MN25は
オン状態となる。これらにより論理をとるNチャンネル
型MISトランジスタMN21、MN22の基板電位は
第2の低位側電源GND22のレベルがトランジスタM
N25を通して供給され、トランジスタMN21、MN
22のしきい値Vtの絶対値が、それぞれVt0の絶対
値より大きくなる。このため論理をとるNチャンネル型
MISトランジスタMN21、MN22のリーク電流が
低減される。この状態で系は第2の安定状態となる。
【0057】さらに、入力端子IN22の入力電位が第
1の低位側電源GND21のレベルに近くなるように降
下すると、Pチャンネル型MISトランジスタMP24
がオフからオン状態へと状態遷移する。すでにオン状態
にある、論理をとるPチャンネル型MISトランジスタ
MP22と共に、出力端子OUT21へ負荷電流を供給
する。
【0058】一方、論理をとるNチャンネル型MISト
ランジスタMN22は入力端子IN22の信号変化をゲ
ートに受けて、オンからオフへと状態遷移する。すでに
オフ状態にある、論理をとるNチャンネル型MISトラ
ンジスタMN21と併せて、さらにリーク電流が削減さ
れることとなる。論理をとる各MISトランジスタのV
tは先の状態のままを維持しており、Pチャンネル型M
ISトランジスタMP22、MP24のVtの絶対値は
Vt0の値に等しく、Nチャンネル型MISトランジス
タMN21、MN22の絶対値の値はVt0より大きい
ままである。この状態で論理回路200は第3の安定状
態となる。
【0059】次に、入力端子IN21のレベルが上昇し
て第1の高位側電源VDD21のレベルへと上昇する
と、まずNチャンネル型MISトランジスタMN23が
オフからオンヘと状態遷移する。しかしながら、論理を
とるNチャンネル型MISトランジスタMN21、MN
22の基板電位は、第2の低位側電源GND22のレベ
ルのままであり、それらのVtの絶対値はVt0の絶対
値より大きいままである。入力端子IN21のレベル上
昇を受けて、論理をとるNチャンネル型MISトランジ
スタMN21はオフからオンへと状態遷移する。
【0060】同時に、論理をとるPチャンネル型MIS
トランジスタMP22とPチャンネル型MISトランジ
スタMP21は、それぞれオンからオフへと状態遷移す
る。これら以外の各々のトランジスタは先の状態のまま
であり、論理をとるPチャンネル型MISトランジスタ
MP24並びにPチャンネル型MISトランジスタMP
23は共にオン状態、論理をとるNチャンネル型MIS
トランジスタMN22並びに、Nチャンネル型MISト
ランジスタMN24は共にオフ状態、出力端子OUT2
1は第1の高位側電源VDD21のレベルとほぼ同じ高
レベルを出力している。これを受けて、Pチャンネル型
MISトランジスタMP25はオフ状態、Nチャンネル
型MISトランジスタMN25はオンの状態にある。
【0061】したがって、論理をとるPチャンネル型M
ISトランジスタMP22、MP24のVtの絶対値
は、共にVt0の絶対値に等しく、論理をとるNチャン
ネル型MISトランジスタMN21、MN22のVtの
絶対値は、それぞれVt0の絶対値より大きい。このた
め論理をとるNチャンネル型MISトランジスタMN2
1、MN22のリーク電流は小さく抑えられている。こ
の状態で系は第4の安定状態となっている。
【0062】次に入力端子IN22のレべルが上昇して
第1の高位側電源VDD21の電位まで上昇すると、論
理をとるNチャンネル型MISトランジスタMN22は
オフからオン状態へと遷移する。同時に論理をとるPチ
ャンネル型MISトランジスタMP24はオンからオフ
ヘと状態が遷移する。Pチャンネル型MISトランジス
タMP23はオンからオフ状態へと遷移する。Nチャン
ネル型MISトランジスタMN24はオフからオンヘと
状態遷移する。その他のトランジスタは各々先の状態を
維持しており、論理をとるPチャンネル型MISトラン
ジスタMP22並びに、Pチャンネル型MISトランジ
スタMP21は各々オフ状態であり、論理をとるNチャ
ンネル型MISトランジスタMN21並びにNチャンネ
ル型MISトランジスタMN23は各々オンの状態であ
る。
【0063】以上を受けて、出力端子OUT21は論理
をとるNチャンネル型MISトランジスタMN21、M
N22がオン状態にあり、論理をとるPチャンネル型M
ISトランジスタMP22並びにMP24がオフ状態で
あることから、出力端子OUT21から負荷電流をシン
クして出力レベルか第1の低位側電源GND21のレベ
ルまで低下する。この出力端子OUT21の出力レベル
低下を受けてPチャンネル型MISトランジスタMP2
5はオフからオンへと状態遷移し、Nチャンネル型MI
SトランジスタMN25はオンからオフへと状態遷移す
る。このため、論理をとるPチャンネル型MISトラン
ジスタMP22、MP24の基板電位は第2の高位側電
源VDD22のレベルとなり、それぞれVtの絶対値は
Vt0の絶対値より大きくなり、リーク電流が減少す
る。
【0064】一方、論理をとるNチャンネル型MISト
ランジスタMN21、MN22の基板には第1の低位側
電源GND21のレベルが、トランジスタMN24を通
して供給されて、そのVtの絶対値はVt0の絶対値と
ほぼ同じとなり、十分に負荷電流をシンクすることがで
きる。この状態で、系は当初の状態に戻り第1の安定状
態となる。
【0065】このように、第2の実施の形態の論理回路
200によっても、前述の論理回路100と同様、論理
回路の動作速度を損なうことなく、リーク電流を削減で
きることが分かる。
【0066】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図3は本発明になる論理回路の第3の実施の
形態の回路図を示す。この第3の実施の形態の論理回路
300は、2入力NOR論理回路を構成しており、第1
の入力端子IN31は論理をとる第1のNチャンネル型
MISトランジスタMN31のゲートと、論理をとる第
2のPチャンネル型MISトランジスタMP32のゲー
トと、基板電位制御回路60にそれぞれ接続され、第2
の入力端子IN32は論理をとる第2のNチャンネル型
MISトランジスタMN32のゲートと、論理をとる第
1のPチャンネル型MISトランジスタMP31のゲー
トと、基板電位制御回路50にそれぞれ接続されてい
る。
【0067】この実施の形態の動作の説明は、前記図1
及び図2の実施の形態の説明から容易に類推できるので
詳細は省略するが、この実施の形態では、入力端子IN
31及びIN32が、第1の低位側電源GND31とほ
ぼ同じ電位、すなわちローレベルであるときは、トラン
ジスタMP31、MP32がそれぞれオン状態、トラン
ジスタMN31及びMN32がそれぞれオフ状態とさ
れ、出力端子OUT31には第1の高位側電源VDD3
1とほぼ同じ電位、すなわちハイレベルが出力される。
これにより、基板電位制御回路50によりオフ状態のト
ランジスタMN31及びMN32の基板電位が第2の低
位側電源GND32にほぼ等しい値とされるため、トラ
ンジスタMN31及びMN32のしきい値Vtの絶対値
がVt0の絶対値よりも大きくされ、リーク電流が抑制
される。
【0068】また、このとき、基板電位制御回路60に
よりオン状態のトランジスタMP31及びMP32の基
板電位が、それらのソース電位である第1の高位側電源
VDD31にほぼ等しい値とされるため、それらのしき
い値Vtの絶対値がVt0の絶対値と等しくされる。
【0069】また、入力端子IN31及びIN32のい
ずれか一方、又は両方の電位が、第1の高位側電源VD
D31とほぼ同じ電位、すなわちハイレベルであるとき
は、トランジスタMP31及びMP32の一方又は両方
がオフ状態、トランジスタMN31及びMN32の一方
又は両方がオン状態とされ、出力端子OUT31には第
1の低位側電源GND31とほぼ同じ電位、すなわちロ
ーレベルが出力される。このとき、オンしているトラン
ジスタのしきい値Vtの絶対値はVt0の絶対値に制御
され、かつ、オフしているトランジスタのしきい値Vt
の絶対値が大きくなるように、基板電位制御回路50及
び60により、論理をとる各トランジスタの基板電位が
制御されるので、電源電圧を低くしてもリーク電流が増
えることがなく、かつ、高速動作が担保される。
【0070】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。図6は本発明になる論理回路の第4の実施の
形態の回路図を示す。同図において、この実施の形態の
論理回路400はインバータ回路を構成しており、第1
のNチャンネル型MISトランジスタMN41は、ゲー
トが入力端子IN41に接続され、ソースが第1の低位
側電源GND41に接続され、ドレインが出力端子OU
T41に接続されると共に抵抗R1を介して高位側電源
VDD41に接続され、基板が節点N41に接続されて
いる。第2のNチャンネル型MISトランジスタMN4
2は、ゲートが入力端子IN41に接続され、ソースと
基板が第1の低位側電源GND41に接続され、ドレイ
ンが節点N41に接続されている。更に、第3のNチャ
ンネル型MISトランジスタMN43は、ゲートが出力
端子OUT41に接続され、ソースと基板が第2の低位
側電源GND42に接続され、ドレインが節点N41に
接続されている。
【0071】次に、本実施の形態の論理回路400の回
路動作を説明する。ここでは、第2の低位側電源GND
42の電位が、第1の低位側電源GND41のそれより
低い電位である場合について説明する。
【0072】まず、入力端子IN41のレベルが高位側
電源VDD41の電位とほぼ同じ場合(ハイレベルの信
号入力時)は、トランジスタMN41並びにMN42は
オン状態となり、また、このとき出力端子OUT41
は、オン状態にあるトランジスタMN41により、GN
D41に短絡された状態となり、その電位は第1の低位
側電源GND41とほぼ同じレベル、すなわちローレベ
ルを示す。これにより、トランジスタMN43はオフ状
態となる。
【0073】また、トランジスタMN42がオンである
ことから、節点N41の電位、すなわち論理をとるNチ
ャンネル型MISトランジスタMN41の基板電位は、
トランジスタMN41のソース電位と等しい状態とな
り、トランジスタMN41のしきい値Vtの絶対値は、
基板バイアス効果により通常値である前記のVt0の絶
対値となり、そのドレイン電流を十分に供給可能な状態
となる。この状態で系は第一の安定状態となる。
【0074】次に、入力端子IN41の電位が降下して
第1の低位側電源GND41とほぼ同じ電位になると回
路に以下の変化が起こる。入力端子IN41の電位降下
に従い、トランジスタMN41並びにMN42がオンか
らオフへと状態遷移する。出力端子OUT41は抵抗R
1によるプルアップを受けて、レベルが高位側電源VD
D41方向へ上昇する。この出力端子OUT41の出力
レベル上昇を受けて、トランジスタMN43はオフから
オンへと状態遷移する。この結果、トランジスタMN4
1はトランジスタMN43のオン動作により、基板電位
が第2の低位側電源GND42のレベルとほぼ同じとな
り、そのしきい値Vtの絶対値がVt0の絶対値より大
きくなり、結果としてリーク電流は小さくなる。この状
態で系は第二の安定状態となる。
【0075】次に、再び入力端子IN41の電位が上昇
して第1の高位側電源VDD41とほぼ同じ電位にまで
上昇すると、回路に以下の変化が起こる。トランジスタ
MN42はVtがほぼVt0と同じであり、トランジス
タMN41より基板バイアス効果によるVtの変化が小
さいので、入力端子IN41の電位上昇に従い、トラン
ジスタMN42が最初にオフからオンへと状態遷移す
る。入力端子IN41のさらなる電位上昇により、続い
てトランジスタMN41がオフからオンへと状態遷移す
る。
【0076】これにより、出力端子OUT41のレベル
は第1の低電位側電源GND41のレベルに向かって降
下する。この出力端子OUT41の出力レベル降下を受
けて、トランジスタMN43がオンからオフへと状態遷
移する。その結果、トランジスタMN41は、トランジ
スタMN42を通して第1の低位側電源GND41の電
位がその基板に印加され、トランジスタMN41のしき
い値Vtの絶対値がVt0の絶対値とほぼ同じ値にな
る。こうして、系は第一の安定状態へと戻る。以下、入
力端子IN41の入力レベル変動に対して、本論理回路
は以上の2つの安定状態を交互に繰り返し行う。
【0077】このように、この実施の形態では、論理を
とるトランジスタがCMIS回路を構成していない単一
のトランジスタMN41である場合であっても、トラン
ジスタMN41がオン状態のときはそのしきい値Vtの
絶対値がVt0の絶対値とほぼ同じ値に制御して高速な
動作を行わせ、また、トランジスタMN41がオフ状態
のときはそのしきい値Vtの絶対値をVt0の絶対値よ
り大きくなるように制御することで、結果としてリーク
電流は小さくでき、消費電力を低減できる。
【0078】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。図7は本発明になる論理回路の第5の実施の
形態の回路図を示す。同図において、この論理回路50
0は2入力NAND論理回路を構成しており、その第1
のNチャンネル型MISトランジスタMN51は、ソー
スが第1の低位側電源GND51に、ゲートが入力端子
IN51に、ドレインが節点N52に、基板が節点N5
1に接続されている。第2のNチャンネル型MISトラ
ンジスタMN52は、ソースが節点N52に、ゲートが
入力端子IN52に接続され、またドレインが出力端子
OUT51に接続される一方、抵抗R2を介して高電位
側電源VDD51に接続され、更に基板が節点N51に
接続されている。
【0079】また、第3のNチャンネル型MISトラン
ジスタMN53は、ソース並びに基板が第1の低位側電
源GND51に、ゲートが入力端子IN51に、ドレイ
ンが節点N53に接続されている。第4のNチャンネル
型MISトランジスタMN54は、ソースが節点N53
に、ゲートが入力端子IN52に、ドレインが節点N5
1に、基板が第1の低位側電源GND51に接続されて
いる。第5のNチャンネル型MISトランジスタMN5
5は、ソース並びに基板が第2の低位側電源GND52
に、ゲートが出力端子OUT51に、ドレインが節点N
51に接続されている。第2の低位側電源GND52の
レベルは、第1の低位側電源GND51のレベルよりも
低レベルに設定されている。
【0080】この論理回路500は、前記インバータ回
路である論理回路400において、論理をとるトランジ
スタが2入力に対応してNチャンネル型トランジスタを
直列に変更したものである。それに従い、入力信号を検
出して各々の論理をとるトランジスタMN51、MN5
2の基板電位を選択的に与えるスイッチ・トランジスタ
の接続も論理をとるトランジスタが直列接続の場合に
は、スイッチ・トランジスタもMN53、MN54で示
すように直列接続となる。
【0081】次に、本実施の形態の論理回路500の回
路動作について説明する。まず、入力端子IN51、I
N52が共に高位側電源VDD51の電源電位とほぼ同
じ電位、すなわちハイレベルである場合について説明す
る。このときは入力端子IN51、IN52の入力信号
レベルを受けて論理をとるNチャンネル型MISトラン
ジスタMN51並びにMN52はそれぞれオン状態とな
り、出力端子OUT51を第1の低位側電源GND51
に短絡する。これにより、出力端子OUT51の電位
は、第1の低位側電源GND51の電源電位とほぼ同じ
レベルまで低下する。
【0082】論理をとるNチャンネル型MISトランジ
スタMN51並びにMN52の基板電位に着目すると、
入力端子IN51、IN52のハイレベル入力をゲート
にそれぞれ受けるNチャンネル型MISトランジスタM
N53並びにMN54はオン状態、出力端子OUT51
のローレベルをゲートに受けるNチャンネル型MISト
ランジスタMN55はオフ状態となる。
【0083】これらにより、論理をとるNチャンネル型
トランジスタMN51並びにMN52のVtの絶対値
は、各々の基板電位が第1の低位側電源GND51の電
位とほぼ同じとなり、ほぼVt0の絶対値に等しくな
る。これにより、論理をとるNチャンネル型MISトラ
ンジスタMN51、並びにMN52は十分に負荷電流を
シンクする事ができる。この状態で系は第一の安定状態
となっている。
【0084】次に、上記の状態において、入力端子IN
51及び52のうち、入力端子IN51の入力電位のみ
が第1の低位側電源GND51のレベルの近くまで降下
したものとすると、Nチャンネル型MISトランジスタ
MN51はオンからオフへ状態遷移する。Nチャンネル
型MISトランジスタMN52は、依然オン状態にある
が、Nチャンネル型MISトランジスタMN51がオフ
状態にあるため、電流経路が無くなる。これにより、出
力端子OUT51は第1の低位側電源GND51への短
絡が無くなり、プルアップ抵抗R51によりその出力レ
ベルが高位側電源VDD51の電源電位に持ち上げられ
る。
【0085】この時Nチャンネル型MISトランジスタ
MN53はオフ状態、Nチャンネル型MISトランジス
タMN54はオン状態にあるため、節点N51は第1の
低位側電源GND51へは短絡されない。出力端子OU
T51の出力レベル上昇を受けて、Nチャンネル型MI
SトランジスタMN55はオフ状態からオン状態へと遷
移する。
【0086】以上により、節点N51の電位はNチャン
ネル型MISトランジスタMN55を通して第2の低位
側電源GND52に短絡されて、そのレベルが第2の低
位側電源GND52の電源電位とほぼ等しくなる。節点
N51のレベルは、即ちNチャンネル型MISトランジ
スタMN51並びにMN52の基板電位であるから、そ
のレベル低下を受けてNチャンネル型MISトランジス
タMN51並びにMN52のしきい値Vtの絶対値がV
t0の絶対値より大きくなり、結果としてリーク電流を
削減する。これで系は第二の安定状態となる。
【0087】次に、上記の状態から入力端子IN52の
入力レベルも降下して第1の低位側電源GND51の電
源電位に等しくなるように遷移すると、Nチャンネル型
MISトランジス夕MN52はオン状態からオフ状態へ
と遷移する。このとき既にNチャンネル型MISトラン
ジスタMN51がオフ状態にあるので、出力端子OUT
51は第1の低位側電源GND51と短絡される事はな
く、プルアップ抵抗R51により、高位側電源VDD5
1の電源電位レベルに上昇したままである。
【0088】このときNチャンネル型MISトランジス
タMN54もオン状態からオフ状態へと状態遷移する
が、既にNチャンネル型MISトランジスタMN53が
オフ状態にあるので、節点N51は第1の低位側電源G
ND51とは短絡状態にない。出力端子OUT51は依
然第二の安定状態と同じ高位側電源VDD51のレベル
と同じであるから、Nチャンネル型MISトランジスタ
MN55は引き続きオン状態にあり、結果として節点N
51の電位は第2の低位側電源GND52の電源電位と
ほぼ同じレベルとなる。従って、Nチャンネル型MIS
トランジスタMN51並びにMN52のしきい値の絶対
値は、節点N51の電位が第1の低位側電源GND51
の電位より低いレベルにあるから、その基板バイアス効
果によりVt0の絶対値より大きく、リーク電流は小さ
く抑えられる。この状態で系は第3の安定状態となって
いる。
【0089】次に、入力端子51及び52のうち入力端
子IN51の入力レベルのみが上昇して高位側電源VD
D51のレベルまで上昇したものとすると、Nチャンネ
ル型MISトランジスタMN51はオフ状態からオン状
態へと遷移し、同様にNチャンネル型MISトランジス
タMN53もオフ状態よりオン状態へと状態遷移する。
しかしながら、Nチャンネル型MISトランジスタMN
52並びにMN54はオフ状態のままであり、出力端子
OUT51は第1の低位側電源GND51と短絡される
事はなく、プルアップ抵抗R51により、高位側電源V
DD51のレベルに引き上げられたままである。
【0090】従って、Nチャンネル型MISトランジス
タMN55はオン状態にあり、節点N51の電位は第2
の低位側電源GND52の電源電位にほぼ等しいレベル
となっている。すなわち、Nチャンネル型MISトラン
ジスタMN51並びにMN52のしきい値の絶対値はV
t0の絶対値より大きく、リーク電流は小さく保たれて
いる。この状態で系は第四の安定状態となっている。
【0091】次に、上記の状態から入力端子IN52の
入力信号レベルも高位側電源VDD51のレベルまで上
昇したものとすると、系は前記第一の安定状態に戻る。
以降、入力信号の変化に応じて、系は以上の4つの安定
状態のいずれかの状態に遷移することとなる。
【0092】このように、この実施の形態では、論理を
とるトランジスタがCMIS回路を構成していないトラ
ンジスタMN51及びMN52である場合であっても、
トランジスタMN51及びMN52が共にオン状態のと
きはそのしきい値Vtの絶対値がVt0の絶対値とほぼ
同じ値に制御して高速な動作を行わせ、また、トランジ
スタMN51及びMN52のいずれか一方又は両方がオ
フ状態のときはそのしきい値Vtの絶対値をVt0の絶
対値より大きくなるように制御することで、結果として
リーク電流を小さくでき、消費電力を低減できる。
【0093】次に、本発明の第6の実施の形態について
説明する。図8は本発明になる論理回路の第6の実施の
形態の回路図を示す。同図において、この実施の形態の
論理回路600は2入力NOR論理回路を構成してお
り、その第1のNチャンネル型MISトランジスタMN
61は、ソースが第1の低位側電源GND61に、ゲー
トが入力端子IN61に、ドレインが出力端子OUT6
1に、基板が節点N61に接続されている。第2のNチ
ャンネル型MISトランジスタMN62は、ソースが第
1の低位側電源GND61に、ゲートが入力端子IN6
2に接続され、またドレインが出力端子OUT61に接
続される一方、抵抗R3を介して高電位側電源VDD6
1に接続され、更に基板が節点N61に接続されてい
る。
【0094】また、第3のNチャンネル型MISトラン
ジスタMN63は、ソース並びに基板が第1の低位側電
源GND61に、ゲートが入力端子IN61に、ドレイ
ンが節点N61に接続されている。第4のNチャンネル
型MISトランジスタMN64は、ソース並びに基板が
第1の低位側電源GND61に、ゲートが入力端子IN
62に、ドレインが節点N61に接続されている。第5
のNチャンネル型MISトランジスタMN65は、ソー
ス並びに基板が第2の低位側電源GND62に、ゲート
が出力端子OUT61に、ドレインが節点N61に接続
されている。第2の低位側電源GND62のレベルは、
第1の低位側電源GND61のレベルよりも低レベルに
設定されている。
【0095】この第6の実施の形態の論理回路600
は、第4の実施の形態の論理回路400と比較して、入
力端子が2つであるため、Nチャンネル型MISトラン
ジスタMN61とMN63のペアとMN62とMN64
の各々のペアが並列に接続されたものである。
【0096】次に、本実施の形態の論理回路600の回
路動作について説明する。まず、入力端子IN61、I
N62が共に低位側電源GND61の電源電位とほぼ同
じ電位、すなわちローレベルである場合について説明す
る。このときは入力端子IN61、IN62の入力信号
レベルをゲートに受けて論理をとるNチャンネル型MI
SトランジスタMN61並びにMN62はそれぞれオフ
状態となり、出力端子OUT61を抵抗R3を介して高
電位側電源VDD61に接続する。これにより、出力端
子OUT51の電位は、高位側電源VDD61の電源電
位と同じレベルまで上昇する(すなわち、出力レベルは
ハイレベルとなる)。
【0097】上記の出力レベルがハイレベルとなること
から、トランジスタMN65がオン状態になる。また、
このときは入力端子IN61、IN62の入力信号レベ
ルをゲートに受けるNチャンネル型MISトランジスタ
MN63並びにMN64がそれぞれオフ状態となる。従
って、節点N61の電位、すなわち、トランジスタMN
61並びにMN62の各基板電位は、第2の低位側電源
GND62の電位レベルとほぼ等しくなる。これによ
り、ソース電位が第1の低位側電源GND61の電位レ
ベルであるトランジスタMN61及びMN62のしきい
値Vtの絶対値はVt0の絶対値よりも大きくなり、結
果としてリーク電流が抑圧される。この状態で系は安定
する(第一の安定状態)。
【0098】また、入力端子IN61及びIN62のう
ちの両方又はいずれか一方に、高電位側電源VDD61
の電源電位レベルにほぼ等しいハイレベルの信号が入力
された場合は、トランジスタMN61〜MN64のう
ち、そのハイレベルの入力信号がゲートに印加されるト
ランジスタがオン状態となる。
【0099】この場合は、論理をとるトランジスタMN
61及びMN62のうち、両方又はいずれか一方のトラ
ンジスタがオン状態にあるので、出力端子OUT61の
電位は第1の低位側電源GND61の電源電位にほぼ等
しいローレベルとなり、その結果、出力レベルを検出し
て第2の低位側電源GND62の電源電位レベルを、論
理をとるトランジスタMN61並びにMN62の各基板
にそれぞれ供給するスイッチトランジスタMN65はオ
フ状態となる。その結果、論理をとるトランジスタMN
61並びにMN62の基板バイアス効果によるVtの絶
対値はVt0の絶対値にほぼ等しくなり、負荷電流を十
分に供給できる。この状態で系は安定する。
【0100】以上説明したように、本発明の論理回路に
おいては、MIS・FETを用いたスタティックな論理
回路の殆どの論理回路を構成できる。
【0101】なお、本発明はこれら論理回路100、2
00、300、400、500及び600に限定され
ず、各種論理回路に応用することができることはいうま
でもない。例えば、図6〜図8ではプルアップ抵抗R1
〜R3を使用しているが、インピーダンス素子であれば
よく、抵抗に限らない。また、論理回路500及び60
0はいずれも2入力1出力の論理回路であるが、3入力
以上の複数入力1出力の構成の論理回路とすることもで
きる。この場合は、出力端子OUT51、OUT61に
ゲートが接続されるトランジスタMN55、MN65以
外のトランジスタは、入力端子数に対応して増加させれ
ばよい。更に、トランジスタの導電型は実施の形態のも
のに限定されるものではない。また、更に、論理をとる
トランジスタは、並列接続と相互に直列接続の混合され
た構成であってもよい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電源端子と出力端子間で論理をとるトランジスタを通し
て電流パスが形成されているときの、論理をとるトラン
ジスタのしきい値電圧の絶対値は、通常値の絶対値にほ
ぼ等しくし、上記の電流パスが形成されていないときの
論理をとるトランジスタのしきい値電圧の絶対値は通常
値よりも大きくすることができるように、論理をとるト
ランジスタの基板電位を制御するようにしたため、従来
のようにスイッチング速度の低下を防止すべくトランジ
スタのしきい値電圧の絶対値を下げても、論理回路の動
作中の不要なリーク電流が増大することがなく、したが
って、消費電力の低減と高速動作とを両立することがで
きる。
【0103】このため、本発明を動作周波数の高いデバ
イスに適用したときは、発熱量が低減することから、放
熱装置や冷却装置が不要若しくは簡単となり、全体的な
コストを削減することができる。一方、本発明を電池駆
動による携帯機器に適用したときは、消費電力が低減す
ることから、電池の駆動時間を延ばすことができ、電池
の寿命が従来と同程度でよい場合は、従来よりも電池の
容量を小さくできるので、携帯機器をより小型化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の回路図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の回路図である。
【図4】第2の低位側電源を生成する回路の一例を示す
回路図である。
【図5】第2の高位側電源を生成する回路の一例を示す
回路図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態の回路図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態の回路図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態の回路図である。
【符号の説明】
IN11、IN21、IN22、IN31、IN32、
IN41、IN51、IN52、IN61、IN62
入力端子 OUT11、OUT21、OUT31、OUT41、O
UT51、OUT61出力端子 VDD11、VDD21、VDD31、VDD41、V
DD51、VDD61第1の高位側電源 VDD12、VDD22、VDD32 第2の高位側電
源 GND11、GND21、GND31、GND41、G
ND51、GND61第1の低位側電源 GND12.GND22、GND32、GND42、G
ND52、GND62第2の低位側電源 MN11〜MN25、MN41〜MN43、MN51〜
MN55、MN61〜MN65 Nチャンネル型MIS
トランジスタ MP11〜MP25 Pチャンネル型MISトランジス
タ 10〜60 基板電位制御回路 100、200、300、400、500、600 論
理回路

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電源端子と出力端子との間に接続
    された一導電型の第1のトランジスタと、 第2の電源端子と前記出力端子との間に接続された逆導
    電型の第2のトランジスタと、 前記第1及び第2のトランジスタの制御端子に入力信号
    を供給する手段と、 前記入力信号及び前記出力端子に現れる信号に応答して
    前記第1のトランジスタの基板電位を制御する第1の基
    板電位制御手段と、 前記入力信号及び前記出力端子に現れる前記信号に応答
    して前記第2のトランジスタの基板電位を制御する第2
    の基板電位制御手段とを有することを特徴とする論理回
    路。
  2. 【請求項2】 第1の電源端子と出力端子との間に接続
    された一導電型の第1のトランジスタと、 第2の電源端子と前記出力端子との間に接続された逆導
    電型の第2のトランジスタと、 前記第1及び第2のトランジスタの制御端子に入力信号
    を供給する手段と、 前記入力信号に応答して前記第1のトランジスタが導通
    状態となり前記第2のトランジスタが非導通状態となっ
    ている場合には前記第2のトランジスタの基板に前記第
    2のトランジスタのソース電位とは異なる電位を供給す
    る第1の基板電位制御手段と、 前記入力信号に応答して前記第1のトランジスタが非導
    通状態となり前記第2のトランジスタが導通状態となっ
    ている場合には前記第1のトランジスタの基板に前記第
    1のトランジスタのソース電位とは異なる電位を供給す
    る第2の基板電位制御手段とを有することを特徴とする
    論理回路。
  3. 【請求項3】 前記第1の基板電位制御手段は、前記入
    力信号に応答して前記第1のトランジスタが非導通状態
    となり前記第2のトランジスタが導通状態となっている
    場合には前記第2のトランジスタの基板に前記第2のト
    ランジスタのソース電位と同じ電位を供給し、前記第2
    の基板電位制御手段は、前記入力信号に応答して前記第
    1のトランジスタが導通状態となり前記第2のトランジ
    スタが非導通状態となっている場合には前記第1のトラ
    ンジスタの基板に前記第1のトランジスタのソース電位
    と同じ電位を供給することを特徴とする請求項2記載の
    論理回路。
  4. 【請求項4】 第1の電源端子と出力端子との間に接続
    された一導電型の第1のトランジスタと、 第2の電源端子と前記出力端子との間に接続された逆導
    電型の第2のトランジスタと、 前記出力端子の電位が前記第1の電源端子の電位となっ
    ている場合には前記第2のトランジスタの基板に前記第
    2の電源端子の電位とは異なる電位を供給する第1の基
    板電位制御手段と、 前記出力端子の電位が前記第2の電源端子の電位となっ
    ている場合には前記第1のトランジスタの基板に前記第
    1の電源端子の電位とは異なる電位を供給する第2の基
    板電位制御手段とを有することを特徴とする論理回路。
  5. 【請求項5】 前記第1の電源端子の電位とは異なる電
    位とは、前記第1の電源端子の電位よりもしきい値電圧
    分高い電位であり、前記第2の電源端子の電位とは異な
    る電位とは、前記第2の電源端子の電位よりもしきい値
    電圧分低い電位であることを特徴とする請求項4記載の
    論理回路。
  6. 【請求項6】 第1の電源端子と出力端子との間に接続
    された一導電型の第1のトランジスタと、 第2の電源端子と前記出力端子との間に接続された逆導
    電型の第2のトランジスタと、 前記第1の電源端子と前記第1のトランジスタの基板と
    の間に接続された前記一導電型の第3のトランジスタ
    と、 前記第2の電源端子と前記第2のトランジスタの基板と
    の間に接続された前記逆導電型の第4のトランジスタ
    と、 前記第1、第2、第3及び第4のトランジスタのゲート
    電極に入力信号を供給する手段と、 第3の電源端子と前記第1のトランジスタの前記基板と
    の間に接続されゲート電極が前記出力端子に接続された
    前記一導電型の第5のトランジスタと、 第4の電源端子と前記第2のトランジスタの前記基板と
    の間に接続されゲート電極が前記出力端子に接続された
    前記逆導電型の第6のトランジスタとを有することを特
    徴とする論理回路。
  7. 【請求項7】 前記第3の電源端子の電位は前記第1、
    第2及び第4のいずれの電源端子の電位よりも高く、前
    記第4の電源端子の電位は前記第1、第2及び第3のい
    ずれの電源端子の電位よりも低いことを特徴とする請求
    項6記載の論理回路。
  8. 【請求項8】 第1の電源端子と出力端子との間に並列
    に接続された一導電型の第1及び第2のトランジスタ
    と、 第2の電源端子と前記出力端子との間に直列に接続され
    た逆導電型の第3及び第4のトランジスタと、 前記第1の電源端子と前記第1のトランジスタの基板及
    び前記第2のトランジスタの基板の少なくとも一方との
    間に並列に接続された前記一導電型の第5及び第6のト
    ランジスタと、 前記第2の電源端子と前記第3のトランジスタの基板及
    び前記第4のトランジスタの基板の少なくとも一方との
    間に直列に接続された前記逆導電型の第7及び第8のト
    ランジスタと、 前記第1、第3、第5及び第7のトランジスタのゲート
    電極に第1の入力信号を供給する手段と、 前記第2、第4、第6及び第8のトランジスタのゲート
    電極に第2の入力信号を供給する手段と、 第3の電源端子と前記第1のトランジスタの前記基板及
    び前記第2のトランジスタの前記基板の少なくとも一方
    との間に接続されゲート電極が前記出力端子に接続され
    た前記一導電型の第9のトランジスタと、 第4の電源端子と前記第3のトランジスタの前記基板お
    よび前記第4のトランジスタの前記基板の少なくとも一
    方との間に接続されゲート電極が前記出力端子に接続さ
    れた前記逆導電型の第10のトランジスタとを有するこ
    とを特徴とする論理回路。
  9. 【請求項9】 第1の電源端子と出力端子との間に接続
    された一導電型の第1のトランジスタと、 前記第1の電源端子と前記第1のトランジスタの基板と
    の間に接続された前記第1の導電型の第2のトランジス
    タと、 前記第1及び第2のトランジスタのゲートに入力信号を
    それぞれ供給する手段と、 前記第1のトランジスタの基板と第2の電源端子との間
    に接続され、ゲートが前記出力端子に接続された、前記
    一導電型の第3のトランジスタと、 前記第1のトランジスタ及び前記出力端子との接続点と
    第3の電源端子との間に接続されたインピーダンス素子
    とを有することを特徴とする論理回路。
  10. 【請求項10】 前記第1の電源端子の電位は、前記第
    2の電源端子の電位よりも高く、かつ、前記第3の電源
    端子の電位よりも低いことを特徴とする請求項9記載の
    論理回路。
  11. 【請求項11】 前記第1及び第2のトランジスタのゲ
    ートに入力信号を供給する手段は、前記第1の電源端子
    の電位にほぼ等しい第1の電位と、前記第3の電源端子
    の電位にほぼ等しい第2の電位のいずれか一方の電位の
    入力信号を供給することを特徴とする請求項9又は10
    記載の論理回路。
  12. 【請求項12】 第1の電源端子と出力端子との間に直
    列に接続された、一導電型のN個(ただし、Nは2以上
    の整数)の第1のトランジスタと、 前記第1の電源端子とN個の前記第1のトランジスタの
    各基板との間に直列に接続された前記一導電型のN個の
    第2のトランジスタと、 前記N個の第1及び第2のトランジスタの各1個ずつを
    一組としたとき、同じ組の該第1及び第2のトランジス
    タのゲートには同一の入力信号を供給し、異なる組の該
    第1及び第2のトランジスタのゲートには異なる入力信
    号を供給する入力手段と、 前記N個の第1のトランジスタの各基板と第2の電源端
    子との間に接続され、ゲートが前記出力端子に接続され
    た、前記一導電型の単一の第3のトランジスタと、 前記第1のトランジスタ及び前記出力端子との接続点と
    第3の電源端子との間に接続されたインピーダンス素子
    とを有することを特徴とする論理回路。
  13. 【請求項13】 第1の電源端子と出力端子との間に並
    列に接続された、一導電型のN個(ただし、Nは2以上
    の整数)の第1のトランジスタと、 前記第1の電源端子とN個の前記第1のトランジスタの
    各基板との間に並列に接続された前記一導電型のN個の
    第2のトランジスタと、 前記N個の第1及び第2のトランジスタの各1個ずつを
    一組としたとき、同じ組の該第1及び第2のトランジス
    タのゲートには同一の入力信号を供給し、異なる組の該
    第1及び第2のトランジスタのゲートには異なる入力信
    号を供給する入力手段と、 前記N個の第1のトランジスタの各基板と第2の電源端
    子との間に接続され、ゲートが前記出力端子に接続され
    た、前記一導電型の単一の第3のトランジスタと、 前記第1のトランジスタ及び前記出力端子との接続点と
    第3の電源端子との間に接続されたインピーダンス素子
    とを有することを特徴とする論理回路。
  14. 【請求項14】 前記第1の電源端子の電位は、前記第
    2の電源端子の電位よりも高く、かつ、前記第3の電源
    端子の電位よりも低いことを特徴とする請求項12又は
    13記載の論理回路。
  15. 【請求項15】 前記第1及び第2のトランジスタのゲ
    ートに入力信号を供給する入力手段は、前記第1の電源
    端子の電位にほぼ等しい第1の電位と、前記第3の電源
    端子の電位にほぼ等しい第2の電位のいずれか一方の電
    位の入力信号を、N個の入力端子を介して並列に供給す
    ることを特徴とする請求項12又は13記載の論理回
    路。
  16. 【請求項16】 第1の電源端子と出力端子との間に、
    ソース並びにドレインがそれぞれ並列又はそれぞれ相互
    に直列接続され、又は並列接続と相互に直列接続の混合
    された構成の、同一導電型の論理をとる複数のトランジ
    スタと、 第2の電源端子と前記出力端子との間に接続されてお
    り、前記論理をとる複数のトランジスタのゲートへの入
    力信号により、前記出力端子と前記第1の電源端子との
    間に前記論理をとる複数のトランジスタを通して電流パ
    スが形成されるときは、該論理をとる複数のトランジス
    タの各基板電位を、そのしきい値電圧の絶対値がソース
    電位とほぼ等しくなるように制御し、該前記出力端子と
    前記第1の電源端子との間に電流パスが形成されていな
    いときは、該論理をとる複数のトランジスタの各基板電
    位を、そのしきい値電圧の絶対値がソース電位と基板電
    位が等しいときよりも大きくなるように制御するスイッ
    チ回路と、 前記論理をとる複数のトランジスタ及び前記出力端子と
    の接続点と第3の電源端子との間に接続されたインピー
    ダンス素子とを有することを特徴とする論理回路。
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