JP3123406B2 - スチレン系二軸延伸シート及びこれを用いた成形品の製造方法 - Google Patents

スチレン系二軸延伸シート及びこれを用いた成形品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチレン系二軸延伸シ
ート及びこれを用いた成形品の製造方法に関する。更に
詳しくは圧空成形法による成形に供して透明で外観良好
な成形品を製造することのできるスチレン系二軸延伸シ
ート及びこれを用いた成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スチレン系二軸延伸シート
は、比較的成形が容易で透明性及び剛性に優れていると
ころから、食品収納用の軽量容器等の製造に供されてき
た。そして、スチレン系二軸延伸シートから食品包装用
の軽量容器等を製造するには、主として熱板加熱式圧空
成形機を用いる接触加熱式圧空成形法が用いられてい
る。この接触加熱式圧空成形法は、成型用の素材シート
を加熱された金属板に接触させて加熱・軟化させ、しか
る後に軟化された素材シートに圧空を適用して大気との
圧力差によって素材シートを成形型の表面に沿って賦形
する方法である。
【0003】一般的に、スチレン系二軸延伸シートを成
形素材シートとして用い、上記の接触加熱式圧空成形法
によって成形品を製造する場合には、成形機の加熱され
た金属板(以下、これを「面盤」という。)に素材シー
トを載置、密着させて、そのビカット軟化温度よりも1
0〜50℃高めの温度に加熱し軟化させる方法が採用さ
れる。
【0004】このような接触加熱式圧空成形法において
は、素材シートの面盤に密着させることに伴い、軟化さ
れた素材シートに面盤の表面形状が転写され、面盤の表
面が粗面である場合には、成形品の表面が荒れて外観を
損なうのみならず、透明性までも損なわれる。また、表
面平滑な面盤を用いると、素材シートへの面盤の表面形
状の転写による表面のあれは回避できるものの、かかる
面盤には素材シートを良好な状態で密着させることがで
きず、別の問題が生じる。すなわち、素材シートを面盤
状に載置、密着させる際、周囲に減圧もしくは真空を作
用させても軟化された素材シートと面盤表面との間に気
泡が閉じこめられてしまい、この気泡が介在する部分が
加熱不良となり、素材シート全体を均一温度に加熱する
ことができず、いわゆる加熱斑が生じる。
【0005】この加熱斑の発生したシートを成形する
と、成形品には成形時の伸び斑に基づく雨滴状の斑点
(レインドロップとも言う。)が生じ、得られる成形品
は極めて商品価値の劣ったものとなる。成形品表面のレ
インドロップを防ぐため、表面に特定の通気孔を設けた
面盤を用いる方法(特公昭47ー34830)、通気性
金属板よりなる面盤を用いる方法(実公昭50ー138
99、実公昭50ー13900)等が試みられている
が、これらの方法では、加熱斑の発生防止には効果があ
っても、面盤の製作が高価であるうえ面盤表面の凹凸が
転写されることに伴う前記欠点は解消されず、満足でき
る方法とは言えない。
【0006】また、前記の問題点を解決する手段とし
て、面盤の温度を精密に制御する方法が考えられる。し
かしながら、素材シートの加熱軟化特性に合わせて、良
好な成形が可能であって、かつ素材シートへの面盤表面
の転写を軽微とし、レインドロップの発生をも防ぐこと
ができるように精密に制御することは極めて困難であ
り、面盤温度の調節だけによってレインドロップがなく
透明で型再現性(型決まり)のよい成形品を効率よく製
造することはできない。
【0007】さらに、スチレン系シートの表面にジエン
ゴムを含有させたゴム変性ポリスチレンフィルムを積層
したものを用いて前記レインドロップの解消を試みた例
(特開昭57ー193321)もあるが、スチレン系シ
ート本来の透明性が損なわれ、満足のいくものとは言え
ない。また、成形品の表面荒れは、アシストプラグを用
いる間接加熱式圧空成形法においても問題となってい
た。すなわち、軟化された素材シートにアシストプラグ
を接触させるため、プラグマークと称される接触跡が残
り、成形品の商品価値を損なっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、直接加熱式
圧空成形法及び間接加熱式圧空成形法に供して好適で、
優れた透明性と改良された成形性を有するスチレン系二
軸延伸シート及びこのシートを用いた成形品の製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
上記問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、一方の
表面ポリスチレン層が、他の層を構成する特定のポリス
チレン樹脂よりも1℃以上高いビカット軟化温度を有す
るポリスチレン樹脂より構成されてなるスチレン系二軸
延伸シートが直接加熱式圧空成形法及び間接加熱式圧空
成形法に用いる成形用素材シートとして好適であること
を知得し本発明を完成したものである。
【0010】しかして、本発明の要旨とするところは、
(イ)少なくとも2層のポリスチレン層よりなり、少な
くとも一方の表面層を構成するポリスチレンが、他の層
を構成するポリスチレンよりも1℃以上高いビカット軟
化温度を有し、かつ、表面層を構成するポリスチレンの
ビカット軟化温度が98℃よりも低いことを特徴とする
スチレン系二軸延伸シート、(ロ)このスチレン二軸延
伸シートを成形素材とし、接触加熱式圧空成形法によっ
て成形品を成形する方法において、高いビカット軟化温
度を有する表面層を成形機の面盤に接触させることを特
徴とする成形品の製造方法、(ハ)このスチレン二軸延
伸シートを成形素材とし、間接加熱式圧空成形法によっ
て成形品を成形する方法において、高いビカット軟化温
度を有する表面層を成形機の面盤に接触させることを特
徴とする成形品の製造方法に存する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
シートは、少なくとも2層のポリスチレン層からなる。
本発明におけるポリスチレンとはスチレンの単独共重合
体である。また、上記ポリスチレンは、その透明性を大
きく損なわない限度において、目的に応じ合成ゴム、シ
リコンオイル、鉱物油、防曇剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、安定剤、染・顔料、無機フィラー、
抗菌剤、防黴剤、鮮度保持剤、ガス吸着剤等の添加剤を
配合したものであってもよいのは勿論である。
【0012】本発明のシートにおいては、一方の表面層
を形成しているポリスチレン層を構成する樹脂が、他の
ポリスチレン層を構成する樹脂よりも1℃以上高いビカ
ット軟化温度を有することが必要である。ここで、ビカ
ット軟化温度とは、JISK7206に準拠して測定し
た樹脂の軟化温度をいう。
【0013】上記ビカット軟化温度の差が1℃未満であ
ると、ビカット軟化温度の高い表面を面盤側もしくはア
シストプラグ側に位置させても効果がなく、成形性の良
いものとはならない。ビカット軟化温度の差が1℃以上
であると、軟化温度の高い表面層に接触させ、面盤での
気泡の閉じ込めがなく面盤の表面の転写もない温度条件
で加熱しても、他方の軟化温度が低いため、全体として
は成形適温まで加熱軟化され、型決まりが良く、透明性
の優れた成形品が得られる。本発明に係る二軸延伸シー
トは、一方の外表面ポリスチレン層が他のポリスチレン
層を構成する樹脂よりも1℃以上高いビカット軟化温度
を有するような組み合わせとなるよう2種以上のポリス
チレンを選択し、それぞれを加熱溶融してダイよりシー
ト状もしくはチューブ状に2層以上に共押出し、この共
押出しシートを延伸用原反として、従来公知の方法によ
って二軸延伸することによって製造することができる。
この場合、二軸延伸は二軸方法にそれぞれ1.5〜5
倍、好ましくは2〜4倍の延伸倍率とするのがよく、さ
らには、二軸方向にはそれぞれ均等な倍率で延伸するの
が好ましい。そして、二軸延伸する際の温度条件は、A
STM D−150に準拠して測定した配向緩和応力が
2〜15kg/cm2、好ましくは3〜10kg/cm2の範囲と
なる条件から選択するのがよい。上記配向緩和応力が2
kg/cm2未満のシートは強度が不足し、また15kg/cm2
を越えるシートは熱成形性が劣り、実用性に欠けるから
である。
【0014】また、本発明に係る二軸延伸シートは、必
ずしも上記の、いわゆる共押出し−共延伸法によって製
造されたものに限定されず、2種以上のポリスチレンを
用いて製造したそれぞれ別の二軸延伸シートを、一方の
表面層の樹脂が他の層を構成する樹脂よりも1℃以上高
いビカット軟化温度を有するよう、常法に従い積層する
方法で製造することもできる。
【0015】本発明に係るスチレン系二軸延伸シートの
厚みは特に限定されないが、一般的には0.05〜1mm
の範囲、好ましくは0.1〜0.5mmの範囲であるのが
よい。二軸延伸シートの厚みが0.1mm以下であると、
成形して得られる容器等の成形品の強度が十分でなく、
0.05mm以下であると、強度が実用的でないからであ
る。また、0.5mm以上、特に1mm以上であると、加熱
される側の表面から他方の表面に向かって大きな温度勾
配が生じ、本発明の効果が少なくなるからである。
【0016】また、ビカット軟化温度の高いポリスチレ
ン層の厚みは、シート全体の厚みの50%以下、好まし
くは30%以下とするのがよい。上記厚みが30%より
大きい場合には、この層の成形適温とビカット軟化温度
の低い他の層の成形適温とに差が生ずるため本発明の効
果を十分に発揮できず、50%より大きい場合には、こ
の傾向が顕著になるからである。
【0017】本発明に係るスチレン系二軸延伸シートに
は、これに滑り性、防曇性、帯電防止性、抗菌性、鮮度
保持性等を付与するため、シリコンオイル、防曇剤、界
面活性剤、無機フィラー、有機物粉体、抗菌剤、鮮度保
持剤等をコーティングしてもよい。さらに、美麗さを与
えるためには該シートの表面に印刷を施したり、印刷の
施された樹脂フィルムをラミネートしてもよい。この場
合、コーティング、印刷やラミネートは、ビカット軟化
温度の低い側、すなわち成形時の面盤に接触させない面
に施すのが好ましいが、シリコンオイルや界面活性剤の
コーティングはこの限りではない。塗布するコーティン
グ剤の性状によって適宜選択すればよい。
【0018】上記本発明に係るスチレン系二軸延伸シー
トを成形用原反シートとし、この原反シートから接触加
熱式圧空成形法によって成形品を成形する際には、高い
ビカット軟化温度を有する樹脂より構成された表面層を
成形機の面盤に接触させて加熱軟化させることが必要で
ある。この場合、面盤に接触している樹脂層の表面がま
ず加熱され、伝熱により他の樹脂層が成形適温に昇温し
たとき、面盤側の樹脂層表面は軟化の程度が弱いので、
シート全体としての軟化の度合いは熱成形に十分であっ
ても、面盤側の樹脂層表面に面盤の粗さが転写された
り、得られる成形品にレインドロップが発生したりする
ことがないうえ型再現性もきわめて良好である。
【0019】また、前記本発明にかかるスチレン系二軸
延伸シートを成形用原反とし、この原反からプラグアシ
スト方式の間接加熱式圧空成形法によって成形品を成形
する際には、成形機のアシストプラグと接する側に高い
ビカット軟化温度を有する樹脂より構成された表面層を
位置させることが必要である。この場合、シート全体と
しての軟化の度合いは熱成形に十分であっても、アシス
トプラグは軟化の程度の弱い高いビカット軟化温度を有
する樹脂より構成された表面層と接するので、プラグに
よる傷つきやプラグマークをほとんど残さず、商品価値
の高い成形品を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明は、次のように特別に顕著な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 (1)本発明に係る二軸延伸シートは、これを接触加熱
式圧空成形機による成形品の成形に供した場合、面盤の
粗面が転写されることがなく、透明性の優れた成形品が
得られる。 (2)本発明に係る二軸延伸シートは、これを接触加熱
式圧空成形機による成形品の成形に供した場合、面盤と
の密着面に気泡が残らず、シートの加熱斑が発生しな
い。従って伸び斑に起因する雨滴上の斑点(レインドロ
ップ)が生ぜず、商品価値の高い成形品が得られる。
【0021】(3)本発明に係る二軸延伸シートは、こ
れを接触加熱式圧空成形機による成形品の成形に供した
場合、面盤温度を高めにしてもレインドロップの発生が
抑制されるので、シートを十分に加熱することができ、
深絞り成形品の成形が容易である。 (4)本発明に係る二軸延伸シートは、プラグアシスト
方式の間接加熱式圧空成形機による成形品の成形に供し
た場合、プラグによる傷つきやプラグマークを殆ど残さ
ない。 (5)加熱温度を高めにしてもレインドロップの発生が
抑えられるので、シートの加熱時間が短縮され、従って
成形サイクルも短縮され、成形の生産性が向上する。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、こ
れらの例に限定されるものではない。 なお、以下の例
において、ビカット軟化温度の測定及び成形性の評価
は、それぞれ次の方法によった。
【0023】ビカット軟化温度の測定 JIS K7206に準拠し、熱変形試験機(東洋精機
(株)製)を用いた。 成形性の評価 下記の成形機及び成形型を用いて成形し、得られた成形
品について型決まりと雨滴斑点を調べた。 成形機:接触加熱式圧空成形機(エムハルト社製)を用
いた。面盤は、JIS B0601に準拠して測定した
10点平均粗さ(Rz)で8.5μmの表面粗さのもの
を用いた。
【0024】
【0025】型決まりの評価:成形品の、金型に対する
型再現性を目視により判定した。型再現性のよいものを
良品(判定記号○で示す)金型形状が再現できていない
ものを不良品(判定記号×で示す)とした。
【0026】雨滴状斑点の評価 成形品を肉眼で観察し、斑点のないもの及び斑点の殆ど
認められないものを良品(判定記号○で示す)、斑点が
明らかに認められるものを不良品(判定記号×で示す)
とした。また、これらの例において用いたスチレン系樹
脂は、略号と共に以下に示すとおりである。
【0027】PS1 :ポリスチレン(三菱モンサント
化成(株)製、商品名ダイヤレックスHH102)85
重量%とポリスチレン(三菱モンサント化成(株)製、
商品名ダイヤレックスHF77)15重量%とよりなる
均一組成物で、ビカット軟化温度が95.0℃のもの PS2 :ポリスチレン(三菱モンサント化成(株)
製、商品名ダイヤレックスHH102)95重量%とポ
リスチレン(三菱モンサント化成(株)製、商品名ダイ
ヤレックスHF77)5重量%とよりなる均一組成物
で、ビカット軟化温度が96.0℃のもの PS3 :ポリスチレン(三菱モンサント化成(株)
製、商品名ダイヤレックスHF77)で、ビカット軟化
温度が94.5℃のもの PS4 :ポリスチレン(三菱モンサント化成(株)
製、商品名ダイヤレックスHF102)で、ビカット軟
化温度が104.0℃のもの
【0028】実施例1〜2、比較例1 上記のスチレン系樹脂より、後記第1表に記載の2種類
の樹脂を選択し、これらの2台の押出機にて加熱溶融し
共押出しダイより2層シート状に押出し、A層およびB
層よりなる未延伸共押出しシートを調整した。ついで、
この未延伸の共押出しシートより一辺200mmの正方
形のサンプルを裁断採取し、卓上型二軸延伸機を用い、
120〜140℃の温度条件にて二軸方向にそれぞれ
2.5倍の延伸倍率で延伸して4種類の二軸延伸シート
を調整した。
【0029】上記のようにして調整したそれぞれの二軸
延伸シートについて、前記の方法に従って前記3種類の
成形型(A型、B型、C型)を用いて成形性の評価を行
った。すなわち、図1に示す構造の成形部を有する接触
加熱式圧空成形機の熱板6より加熱された後記第1表に
記載の温度に調節された面盤1の上に、二軸延伸シート
をそのB層表面が面盤に接するように位置させて裁置し
た後、周囲をクランプ枠2で囲まれた成形金型3を降下
させ、面盤1とクランプ枠2とで二軸延伸シート5を押
さえた。次いで、金型配管4から圧空(この加熱に際し
て導入される圧空を「加熱圧空」という。)を成形金型
3に穿孔された通気孔9を通して金型内のシート5の上
部に導入して、シートを面盤に密着させ、加熱(加熱温
度、時間は第1表に記載の通り。)した。その後、金型
配管4から加熱圧空を排気するとほぼ同時に熱板配管7
より面盤1に穿孔された細孔6を通して圧空(この成形
に際して導入される圧空を「成形圧空」という。)を導
入(3kg/cm2、約2秒間)してシート5を成形金型3の
表面に沿って伸張し賦形した。更に成形されたシートが
成形型内に接触し冷却硬化した後、成形圧空を熱板配管
7を通して排気し、成形金型3を上昇させ成形されたシ
ートを、図示されない打ち抜き工程に移送し、この工程
で成形されたシートより成形品を打ち抜き、成形品を得
た。
【0030】得られた成形品について、前記の基準に従
って雨滴状斑点と型決まりの評価を行った。これらの結
果を第1表に示す。なお、これらいずれの例において
も、面盤の表面がシートに転写されて透明性が損なわれ
るという現象は認められなかった。
【0031】比較例2〜3 上記の実施例に記載の例において、スチレン系樹脂とし
て前記PS1を用いた単層未延伸シートを調整したほか
は、これらの例におけると同様にして二軸延伸シートを
調整し、これを成形に供し同様の基準に従って成形性を
評価した。これらの結果を第1表に示す。なお、これら
いずれの例においても、面盤の表面がシートに転写され
て透明性が損なわれるという現象は認められなかった。
【0032】
【表1】
【0033】これらの結果より、次のことが明らかであ
る。 (1)本発明に係る二軸延伸シートは、これを接触加熱
式圧空成形機による成形品の成形に供し、軟化温度の高
い層の表面を面盤に接触させて成形した場合、深絞り成
形品を成形しても成形品に雨滴状の斑点(レインドロッ
プ)が生ぜず、商品価値の高い成形品が得られる。 (2)軟化温度の高い層と軟化温度の低いビカット軟化
温度の差が1℃未満である二軸延伸シートは、成形品に
雨滴状の斑点(レインドロップ)が生じ、実用価値のあ
る成形品を得ることができず(比較例1)、また同様
に、本発明の要件を満たさない二軸延伸シートは、深絞
り成形加工性と雨滴状の斑点(レインドロップ)の発生
防止とを同時に満足させることができない(比較例2、
3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】接触加熱式圧空成形機の成形部を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 面盤 2 クランプ枠 3 成形金型 4 金型配管 5 二軸延伸シート 6 熱板 7 熱板配管 8 面盤に穿孔された細孔 9 成形金型に穿孔された通気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 25:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2層のポリスチレン層よりな
    り、少なくとも一方の表面層を構成するポリスチレン
    が、他の層を構成するポリスチレンよりも1℃以上高い
    ビカット軟化温度を有し、かつ、表面層を構成するポリ
    スチレンのビカット軟化温度が98℃よりも低いことを
    特徴とするスチレン系二軸延伸シート。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のスチレン系二軸延伸シー
    トを成形素材とし、接触加熱式圧空成形法によって成形
    品を成形する方法において、高いビカット軟化温度を有
    する表面層を成形機の面盤に接触させることを特徴とす
    る成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のスチレン系二軸延伸シー
    トを成形素材とし、間接加熱式圧空成形法によって成形
    品を成形する方法において、高いビカット軟化温度を有
    する表面層を成形機の面盤に接触させることを特徴とす
    る成形品の製造方法。
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