JP3122504U - 道路照明灯の落下防止構造及びそれに用いられる落下防止具 - Google Patents

道路照明灯の落下防止構造及びそれに用いられる落下防止具 Download PDF

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Abstract

【課題】照明器具の落下を防止し、追加加工を必要とせず適用できる道路照明灯の落下防止構造及びそれに用いられる落下防止具を提供する。
【解決手段】道路照明灯の構造は、支柱40と、支柱40の先端に取り付けられた照明器具20と、支柱40と照明器具20とを接続するための接続管30と、落下防止具10とから構成される。この落下防止具10は、V字に形成されその両脚部が横方向に折れ曲がった開脚部爪を有しその開脚部爪が前記支柱の内径部に挿入されるV字留め具11と、一端が前記V字留め具の頂部に接続されその他端が前記照明器具の前記ネジ受け部に接続されるワイヤ13とから構成される。照明器具20が切断線B−Bで破損しても、V字留め具11の開脚部爪12が接続管30で止められるため、照明器具20の落下を防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本考案は、道路照明灯の落下防止構造及びそれに用いられる落下防止具に関する。特に、道路の振動等で照明器具が落下しようとするときにV字留め具とワイヤからなる落下防止具を用いて照明器具の落下を防止する道路照明灯の落下防止構造及びそれに用いられる落下防止具に関する。
現在、一般道路や高速道路には、図5に示すように、夜間に道路を照らすための道路照明灯が設置されている。これらの道路照明灯は、一般的に支柱40の先端部に照明器具20が取り付けられている。
従来、図5に示すような道路照明器具は、自動車が通る際に発生する地面のゆれによって起きる支柱40の振動や、地震等による支柱40の振動等によって、支柱40と照明器具20とを接続している接続部のネジ等が緩んだり、照明器具20の筐体に亀裂が入ったりすることによって、照明器具20が支柱40から落下する事故が多発して大問題となっている。
図6は、照明器具20が支柱40から落下する様子を示す図である。図6に示すように、支柱40と照明器具20の接続が外れ照明器具20が落下したり、照明器具20の筐体が途中から折れて照明器具20の先端部が落下する場合、その下を通行している通行人や車両に危害を加えるおそれがあった。
従来は、図7、図8で示すような、道路照明灯の落下防止構造及びそれに用いられる落下防止具が提案されている。図8は、従来の考案における支柱と照明器具の構造を示す概略断面図である。なお、図8においては、支柱40と接続管30の部分については、構造を単純化するために、C−C線で切断したときの端面図で表してある。
図7、図8に示される従来の道路照明灯の落下防止構造は、支柱40と、支柱40に溶接された接続管30と、接続管30内に溶接された棒26と、照明器具20と、照明器具20の内部に固定されたネジ受け部23と、照明器具20を接続管30に固定するために使用する押さえ板22と、押さえ板22を固定するボルト21と、照明器具20の内部に固着されたネジ受け部25と、ボルト24から構成されている(特許文献1)。
従来の道路照明灯の落下防止構造は、さらに、先端にリング15備え、末端にリング14を備えたワイヤ13から構成されている。ワイヤ13は、その末端が、棒26に掛けられ、リング14中にリング15を通すことで、ワイヤ13を棒26に巻き付けている。また、ワイヤ13は、その先端を、リング15をネジ受け部25にボルト24で固定することによって、照明器具20と接続される。このように、従来の道路照明灯の落下防止構造では、棒26とワイヤ13によって、照明器具20と接続管30が常に繋がっている状態になる。
したがって、ボルト21が緩み、照明器具20が支柱40から外れたとしても、また、切断線B−Bから照明器具20の筐体が折れたとしても、棒26とワイヤ13によって、照明器具20の落下を防止することができる。
実開昭62−169411号
しかしながら、特許文献1に示されるような道路照明灯の落下防止構造において、棒26は、ワイヤ13によって引っ張られ、棒26が折れてしまう場合がある。その結果、照明器具20は落下してしまう。
また、特許文献1に示すような従来の道路照明灯の落下防止構造においては、棒26を予め接続管30の内部に組み込んでおく必要がある。しかし、設置されてから20年以上になる既設の道路照明灯においては、道路照明灯の落下防止構造が設けられていないこともある。
このような既設の道路照明灯に適用するためには、従来の道路照明灯の落下防止構造においては、既設の道路照明灯の支柱40と照明器具20を接続する接続管30の内部に改めて棒26を溶接等で組み込むための追加加工が必要となり、大工事になる。
そこで、本考案は、上述の課題を鑑み、照明器具20の落下を防止でき、さらに、照明器具20の重さに耐えることができる安全な道路照明灯の落下防止構造及びそれに用いられる落下防止具を提供することを目的とする。
また、既設の道路照明器具に対しても追加加工を必要とせずに、容易に適用できる道路照明灯の落下防止構造を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本考案の第1の考案に係る道路照明灯の落下防止構造は、先端部が中空になった支柱と、支柱の先端に取り付けられた照明器具と、その外径部の一端が支柱の内径部に固着されるとともに、他端が押さえ板によって照明器具の筐体に固着され、支柱と照明器具とを接続するために使用される接続管と、照明器具の側板に固着されたネジ受け部と、V字に形成されその両脚部が横方向に折れ曲がった開脚部爪を有し、その開脚部爪が支柱の内径部に挿入されるV字留め具と、一端がV字留め具の頂部に接続され、その他端が照明器具のネジ受け部に接続されるワイヤとから構成されることを特徴とする。
好ましくは、前記ワイヤは、一端にV字留め具の頂部に接続するためのリングを備え、他端に前記照明器具の筐体に設けられたネジ受け部にボルトで固定されるリングを備えたことを特徴とする。
また、本考案の第2の考案に係る落下防止具は、両脚部が横方向に折れ曲がった開脚部爪が支柱の内径部に挿入されるV字留め具と、一端がV字留め具の頂部に接続されるリングを有し他端が照明器具の筐体に設けられたネジ受け部に接続されるリングとを有するワイヤとを備えたことを特徴とする。
好ましくは、V字留め具の開脚部爪は円弧状の円柱棒または円弧状の角柱棒で形成されることを特徴とする。
また、好ましくは、V字留め具は、弾性体で構成されていることを特徴とする。
また、好ましくは、前記ワイヤ及び前記V字留め具は、被覆材で覆われていることを特徴とする。
第1の考案に係る道路照明灯の落下防止構造によれば、V字に形成されその両脚部が横方向に折れ曲がった開脚部爪を有し、両開脚部爪の外幅が接続管の内部直径より大きく構成されているため、V字留め具が接続管をすり抜けることがない。また、V字留め具は弾性体で構成されているので、弾性によって支柱の内径部に固着されるので、V字留め具が接続管をすり抜けることがない。したがって、支柱と照明器具の接続が外れ、または照明器具の先端部が折れたとしても、V字留め具が接続管の入り口で止められ、照明器具の落下を防止することができる。
また、第1の考案においては、従来技術で使用されていた棒がV字留め具になったことで強度が増し、照明器具の重さに耐えることができる。
第2の考案にかかる落下防止具によれば、落下防止具は、両脚部が横方向に折れ曲がった開脚部爪が支柱の内径部に挿入されるV字留め具と、一端がV字留め具の頂部に接続されるリングを有し他端が照明器具の筐体に設けられたネジ受け部に接続されるリングとを有するワイヤとから構成されるので、一端のリングがV字留め具の頂部に接続されたリングを接続管に挿入し、他端のリングを照明器具に固定されたネジ受け部に接続するのみで組み込むことができる。したがって、既設の道路照明器具において、照明器具の内部にネジ受け部が固着されていれば、追加加工を必要とせず、本考案を既設の道路照明器具に容易に適用することができる。
また、第2の考案に係る道路照明灯の落下防止具によれば、開脚部爪が円弧状の円柱棒や円弧状の角柱棒で形成されているので、開脚部爪が支柱の内径部に強力に固着されるのでV字留め具がすり抜けることが無い。
さらに、第2の考案に係る道路照明灯の落下防止具によれば、ワイヤ及びV字留め具が、ビニール等の被覆材で覆われており、支柱や接続管の内壁にワイヤが接触することによる騒音を防止することができる。
実施形態.
以下、本考案の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本考案における支柱と照明器具の構造を示す斜視図であり、図2は本考案における支柱と照明器具の構造を示す概略断面図である。なお、図2においては、支柱40と接続管30の部分については、構造を単純化するために、D−D線で切断したときの端面図で表してある。図3(A)は、本考案の落下防止具の全体を示す斜視図であり、図3(B)は、本考案の落下防止具のワイヤのA−A線で切断したときの端面図である。図3(C)は、本考案において、先端が円柱棒に形成されたV字留め具の開脚部爪を示す図である。図3(D)は、本考案において、先端に円弧状の円柱棒を有するV字留め具の開脚部爪を示す図である。図3(E)は、本考案において、先端に円弧状の角柱棒を有するV字留め具の開脚部爪を示す図である。
図1に示すように、本考案における道路照明灯の構造は、先端部が中空になった支柱40と、支柱40の先端に取り付けられた照明器具20と、その外径部の一端が支柱40の内径部に固着されるとともに、他端が押さえ板によって照明器具20の筐体27に固着され、支柱40と照明器具20とを接続するために使用される接続管30と、照明器具30の筐体27に固着されたネジ受け部23と、落下防止具10とから構成される。この落下防止具10は、V字に形成されその両脚部が横方向に折れ曲がった開脚部爪を有しその開脚部爪が前記支柱の内径部に挿入されるV字留め具11と、一端が前記V字留め具の頂部に接続されその他端が前記照明器具の前記ネジ受け部に接続されるワイヤ13とから構成される。
図1に示すように、照明部20は、支柱40に溶接された接続管30の上に押さえ板22をのせて、ボルト21でネジ受け部23に締め付けることによって支柱40に固定される。落下防止具10は、V字留め具11の開脚部爪が支柱40の内径部に挿入され、V字留め具11に接続されたワイヤ13は、接続管30の内部を通り、ワイヤ13先端でリング15を図示しないワッシャーを介してボルト24でネジ受け部25に締め付けることによって、照明部20の筐体27に固定される。
落下防止具10のV字留め具11は弾性によって両開脚部爪12の幅は支柱40の内径になるように弾性変形され、支柱40の内径にしっかりと接触する。これによって、V字留め具11は、照明器具20が接続管30から外れても、接続管30をすり抜けることがないので、照明器具20が落下することはない。
リング15を固定する場所は、照明器具20の筐体に固着されたネジ受け部であれば、ネジ受け部25以外の場所に設けられたネジ受け部であっても良い。また、ワイヤ13と照明器具20の筐体27との接続方法は、リング15をネジ受け部25にボルト24で締め付ける外にも、ワイヤ13を照明器具20の筐体のどこかに設けられた孔に縛り付けたり、筐体に溶接したりして接続しても良い。
以上のように、本考案に係る道路照明器具用の落下防止構造によれば、例えば、切断線B−Bで照明器具20が折れた場合でも、V字留め具11の両開脚部爪12の幅が、接続管30の内径より大きいため、V字留め具11が接続管30をすり抜けられず、照明器具20の落下を防ぐことができる。
また、落下防止具10は、ワイヤ13に接続されたV字留め具11を道路照明器具用の方から接続管30に通すとともに、先端のリング15を照明器具20の筐体27に固着されたネジ受け部25にボルト24で締め付けるだけで組み込むことができるので、従来のどのような構造の照明器具でも、支柱と照明器具が接続管で接続されているものであれば容易に組み込むことができる。
また、落下防止具10に接続されたワイヤ13の先端は、リング15をネジ受け部25にボルト24で固定する以外に、筐体に開けられた孔にワイヤの先端部を巻き付けてもよい。
V字留め具11は、通常弾性体の円柱棒で形成されるが、楕円、四角形、六角形、八角形等の棒で形成しても良い。また、V字留め具11の円柱棒の直径は、数mm程度が好ましいが、それ以外であっても必要な強度が得られる厚さであれば良い。
図3(B)に示すように、ワイヤ13及びV字留め具11は被覆材17でコーティングしてもよい。これによって、支柱40の内壁にV字留め具11が接触し、または接続管30の内壁にワイヤ13が接触することによって発生する騒音を防ぐことができる。被覆材17は、ビニール、プラスチック、ゴム等でも良く、支柱40や、接続管30の内部壁との衝突による音を低減できる素材であれば良い。
V字留め具11の開脚部爪12は、図3(C)のように、先端が円柱棒に形成される。このような開脚部爪12の形状はV字留め具11の円柱棒を単に曲げることによって形成できるので(11a)経済的に安価に形成できるメリットがある。一方、V字留め具11の開脚部爪12は、図3(D)や図3(E)に示すように、円弧状の円柱棒12bや角柱棒12cを有する開脚部爪をV字留め具の開脚部に溶接等で融着することによって形成できる。このような開脚部爪12bや12cを用いることにより、開脚部爪が支柱40の内径部と密着するために、V字留め具がさらに接続管30からすり抜けにくくなる。
図4は、接続管を介してV字留め具11を支柱40の内径部に挿入する順序を示す図である。
図4(A)は本考案の落下防止具10のV字留め具11を接続管30の近くに持ってきた様子を示す図である。図4(B)は本考案の落下防止具10のV字留め具11を接続管30の中に半分程度まで挿入した様子を示す図である。図4(C)は本考案の落下防止具10のV字留め具11を接続管30を通り過ぎて、支柱40の内径部に挿入した様子を示す図である
図4(A)において、落下防止具10のV字留め具11の開脚部爪12は最初開いているが、図4(B)のようにV字留め具11を接続管30の中に半分程度まで挿入する段階では落下防止具10のV字留め具11の開脚部爪12は接続管30の内部壁まで弾性変形する。図4(C)に示すように、落下防止具10のV字留め具11が接続管30を通り過ぎて、支柱40の内径部に挿入された状態では、落下防止具10のV字留め具11の開脚部爪12は弾性によって開き、支柱40の内径部に押しつけられる。したがって、図2に示すように切断線B−Bで照明器具20が折れた場合でも、V字留め具11の両開脚部爪12が接続管30に引っかかり、V字留め具11に接続されるワイヤ13によって、照明器具20の落下を防ぐことができる。
本考案は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
本考案は、道路照明灯の落下防止構造及びそれに用いられる落下防止具として利用できる。
本考案における支柱と照明器具の接続構造を示す斜視図である。 本考案における支柱と照明器具の接続構造を示す側面図である。 (A)は本考案の落下防止具の全体を示す斜視図である。(B)は本考案の落下防止具のワイヤをA−A線で切断したときの断面図である。(C)は本考案のV字留め具の開脚部爪の先端の一例を示す図である。(D)は本考案のV字留め具の開脚部爪の先端の他の一例を示す図である。(E)は本考案のV字留め具の開脚部爪の先端のさらに他の一例を示す図である。 接続管を介してV字留め具を支柱の内径部に挿入する順序を示す図である。 一般的な道路照明灯を示す図である。 道路照明灯の照明器具が支柱から落下する状況を示す図である。 従来の技術の支柱と照明器具の接続構造を示す斜視図である。 従来の技術の支柱と照明器具の接続構造を示す側面図である。
符号の説明
10 落下防止具
11 V字留め具
12、12a、12b、12c、12d 開脚部爪
13 ワイヤ
14 リング
15 リング
17 被覆材
18 頂部
20 照明器具
21 ボルト
22 押さえ板
23 ネジ受け部
24 ボルト
25 ネジ受け部
26 棒
27 照明器具の筐体
30 接続管
40 支柱
A−A ワイヤの切断線
B−B 照明器具の切断線
C−C 照明器具の切断線
D−D 照明器具の切断線

Claims (7)

  1. 先端部が中空になった支柱と、
    前記支柱の先端に取り付けられた照明器具と、
    その外径部の一端が前記支柱の内径部に固着されるとともに、他端が押さえ板によって前記照明器具の筐体に固着され、前記支柱と前記照明器具とを接続するために使用される接続管と、
    前記照明器具の筐体に固着されたネジ受け部と、
    V字に形成され、その両脚部が横方向に折れ曲がった開脚部爪を有し、その開脚部爪が前記支柱の内径部に挿入されるV字留め具と、
    一端が前記V字留め具の頂部に接続され、その他端が前記照明器具の前記ネジ受け部に接続されるワイヤと、
    から構成されることを特徴とする道路照明灯の落下防止構造。
  2. 前記ワイヤは、一端にV字留め具の頂部に接続されるリングを備え、他端に前記照明器具の筐体に設けられたネジ受け部に接続されるリングを備えたことを特徴とする請求項1に記載の道路照明灯の落下防止構造。
  3. 両脚部が横方向に折れ曲がった開脚部爪が支柱の内径部に挿入されるV字留め具と、
    一端が前記V字留め具の頂部に接続されるリングを有し他端が照明器具の筐体に設けられたネジ受け部に接続されるリングとを有するワイヤと
    を備えたことを特徴とする落下防止具。
  4. 前記開脚部爪は円弧状の円柱棒で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の落下防止具。
  5. 前記開脚部爪は円弧状の角柱棒で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の落下防止具。
  6. 前記V字留め具は、弾性体で構成されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の落下防止具。
  7. 前記ワイヤ及び前記V字留め具は、被覆材で覆われていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の落下防止具。
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