JP3121898B2 - クロム水和酸化物被覆銅材料の製造方法 - Google Patents

クロム水和酸化物被覆銅材料の製造方法

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    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
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    • H05K3/282Applying non-metallic protective coatings for inhibiting the corrosion of the circuit, e.g. for preserving the solderability

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  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロム水和酸化物被覆
銅材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅箔や、銅又は銅合金からなる条又は線
等の銅材料は、一般的に表面被覆金属の拡散、均質化処
理、焼鈍処理、ひずみ取り、時効析出処理等を目的とし
て、加熱処理されている。
【0003】加熱処理に使用する熱処理炉は、バッチ炉
と連続炉に分けることができ、バッチ炉は多品種の銅材
料を同時に処理する場合や、銅材料を少量処理する場合
に適する。また連続炉は銅材料を大量処理する場合や、
品質に均一性が要求される場合に適するので、近年、品
質に均一性の要求が強い銅材料の加熱処理に多く用いら
れるようになってきている。
【0004】従来、銅材料を加熱処理するときには、銅
材料が酸化するのを防止するために、窒素、アルゴン等
の不活性ガスや、都市ガス、プロパンガス、ブタン、ケ
ロシン、アンモニウム等を燃焼又は分解し、これを精製
したガスが使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銅材料
の耐食性を高めるために銅材料の表面にクロム水和酸化
物皮膜を形成した銅材料は、上記ガス中で加熱処理する
と、銅材料の酸化は防止できても、クロム水和酸化物の
水和が破壊されるため、皮膜表面にクッラクが入って耐
食性が低下し、本来のクロム水和酸化物皮膜としての役
割を果たさなくなる。
【0006】また、銅材料が箔であり、上記皮膜を形成
させた銅箔をプリント配線板用銅箔として用いる場合に
は、該銅箔を上記ガス中で加熱処理すると、クロム水和
酸化物皮膜が変質し、耐食性が低下するとともに、クロ
ム残を生じるという問題点がある。このクロム残とは、
皮膜を形成させた銅箔を樹脂基板と接合して積層板とし
た後、これをエッチング処理したときに、該銅箔表面の
クロム水和酸化物皮膜が、エッチングした部分の樹脂基
板上に転写されて残る現象をいい、このクロム残が多い
場合には、電食が発生して回路間が短絡するという問題
点がある。
【0007】したがって、クロム水和酸化物被覆銅材料
を直接加熱処理することはできないため、従来は、予め
加熱処理した銅材料に、クロム水和酸化物処理を行わざ
るを得なかった。このことは、クロム水和酸化物被覆銅
材料の製造上、工程が煩雑になるとともに、きわめて不
経済であった。
【0008】本発明の目的は、銅材料の表面にクロム水
和酸化物皮膜を形成させた後、該皮膜を変質させること
なく加熱処理することができ、クロム水和酸化物被覆銅
材料の製造工程を簡便化できる製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、銅又は
銅合金材料の表面にクロム水和酸化物皮膜を形成させた
後、これを水蒸気の存在下に加熱することを特徴とする
クロム水和酸化物被覆銅材料の製造方法である。
【0010】本発明の第二は、銅又は銅合金材料の表面
に亜鉛、亜鉛合金、スズ又はスズ合金からなる中間層を
形成させ、該中間層の上にクロム水和酸化物皮膜を形成
させた後、これを水蒸気の存在下に加熱することを特徴
とするクロム水和酸化物被覆銅材料の製造方法である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる銅又は銅合金材料(以下、銅材料という)として
は、例えば、箔、条、線材等を挙げることができる。銅
又は銅合金材料の表面にクロム水和酸化物皮膜を形成さ
せる方法としては、公知の方法を採用することができ、
例えば、銅材料をクロム水和酸化物処理液に浸漬する方
法、クロム水和酸化物処理液中で銅材料を陰極にして通
電する電解法等を採用することができる。
【0012】クロム水和酸化物処理液としては、例えば
六価のクロムイオンを含む水溶液を挙げることができ、
具体例としては、三酸化クロム、重クロム酸ナトリウム
等を含有する水溶液を挙げることができる。クロム水和
酸化物処理液には、六価のクロムイオンのほか、亜鉛イ
オン等の金属イオン、SO4 2- 、PO4 3- 、CH3 CO
- 等のアニオンを含んでいてもよい。
【0013】本発明においては、銅材料の表面に亜鉛、
亜鉛合金、スズ又はスズ合金からなる中間層を介して上
記クロム水和酸化物皮膜を形成させるのが好ましい。
【0014】本発明に用いる亜鉛合金としては、Zn−
Cu、Zn−W、Zn−V、Zn−Tl、Zn−Sn、
Zn−Sn、Zn−Se、Zn−Sb、Zn−Pb、Z
n−Ni、Zn−Mo、Zn−Mn、Zn−In、Zn
−Fe、Zn−Ge、Zn−Ga、Zn−Co、Zn−
Cd、Zn−Au、Zn−Ag等を挙げることができ
る。
【0015】本発明に用いるスズ合金としては、Sn−
Sb、Sn−Pb、Sn−Ni、Sn−Mo、Sn−I
n、Sn−Fe、Sn−Ge、Sn−Cu、Sn−C
r、Sn−Co、Sn−Bi、Sn−Au、Sn−Ag
等を挙げることができる。
【0016】亜鉛、亜鉛合金、スズ又はスズ合金からな
る中間層を銅材料の表面に形成させる方法としては、公
知の方法でよく、例えば、亜鉛化合物又はスズ化合物、
さらには合金元素化合物を含有するめっき液を用いた電
解法で形成させることができる。
【0017】めっき液に用いる亜鉛化合物としては、硫
酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛等を挙げるこ
とができる。スズ化合物としては、スズ酸ナトリウム、
スズ酸カリウム、硫酸第一スズ、ホウフッ化第一スズ等
を挙げることができる。
【0018】中間層を形成させる電解条件としては、公
知の条件でよく、例えば、特開昭55−145396号
公報に示される条件を採用することができる。このよう
な中間層を有する銅材料を、後述する条件で加熱処理す
ることにより、銅箔の耐食性をさらに向上させることが
でき、また他の品質特性、特に、加熱処理時の耐変色性
等を向上させることができる。
【0019】本発明は、このようにして銅材料の表面に
クロム水和酸化物皮膜を形成させ、又は上記中間層を介
してクロム水和酸化物皮膜を形成させた後、水蒸気の存
在下に加熱する。
【0020】加熱温度は、銅材料に付与する特性により
一概に決定できないが、例えば付与する特性が焼鈍の場
合には、400〜600℃が好ましく、また上記中間層
の亜鉛又はスズを拡散させるための加熱処理は、250
〜350℃が好ましい。
【0021】加熱雰囲気の水蒸気の濃度は、3 vol%以
上、好ましくは10 vol%以上である。水蒸気の濃度
が、3 vol%未満のときには、クロム水和酸化物の水和
が破壊され、クロム水和酸化物皮膜が変質する場合があ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1 厚さ35μm の電解銅箔の粗面に、室温の下記電解液1
を用いて、電流密度0.2A/dm2 で5秒間めっきした。
【0023】電解液1 NiSO4 ・6H2 O 240g/l NiCl2 ・6H2 O 45g/l H3 BO3 30g/l NaH2 PO4 5g/l
【0024】次いで、電解銅箔の粗面側に、下記電解液
Aを使用して、電流密度4.5A/dm2 で5秒間めっき
し、同時に該電解銅箔の光沢面上に電流密度0.4A/dm
2 で2秒間めっきした。
【0025】電解液A ZnSO4 ・7H2 O 25g/l NaOH 70g/l
【0026】粗面の見かけ面積あたりのニッケル−リン
電着量は、0.1mg/dm2 であり、リン含有量は約6重
量%であった。また粗面の亜鉛電着量は、3.1mg/dm
2 であり、光沢面の亜鉛電着量は、0.3mg/dm2 であ
った。
【0027】次に、これを水洗後、CrO3 2g/l 含有
する常温の電解液を使用して、銅箔の粗面に、電流密度
2A/dm2 で1秒間陰極処理し、クロム水和酸化物層を形
成した。粗面側の見かけ面積あたりのクロム電着量は、
0.05mg/dm2 であった。また光沢面については、C
rO3 5g/l 及びNaOH10g/l を含有する常温の電
解液を使用して、電流密度0.2A/dm2 で2秒間陰極処
理し、クロム水和酸化物層を形成した。光沢面側のクロ
ム電着量は、0.02mg/dm2 であった。
【0028】次に、このようにクロム水和酸化物層を形
成した銅箔を、炉内の条件を温度350℃、水蒸気量1
5%に制御した6m加熱炉中を120 m/分で走行させ
て加熱処理し(炉内滞留時間:3秒)、両面に被覆した
亜鉛の拡散を行って、表面処理銅箔を作製した。
【0029】得られた表面処理銅箔について、以下に示
す耐食性試験、クロム残の測定、半田濡れ性について評
価した。
【0030】耐食性 表面処理銅箔(A4サイズ)を、40℃、相対湿度90
%に設定した恒温恒湿槽内に96時間設置し、銅箔の粗
面側及び光沢面側の変化を目視で観察し、下記の基準で
耐食性を評価した。
【0031】 ○ 銅箔の粗面側及び光沢面側に黒点変色が10個未満 △ 銅箔の粗面側及び光沢面側に黒点変色が10個以上
30個未満 × 銅箔の粗面側及び光沢面側に黒点変色が30個以上
【0032】半田濡れ性 表面処理銅箔を2.5×5cm大のテストピースに切断
し、これを3%の塩酸に5秒間浸漬した(他に半田濡れ
性の差を出すために1%の塩酸でも行った)。水洗乾燥
後、フラックス(WWロジン/イソプロピルアルコール
=3/9)を塗布し、次いで、260℃共晶半田に3秒
間浸漬して、テストピースの表面の濡れの程度を観察
し、下記の標準で半田濡れ性を評価した。
【0033】5 濡れ面積が100% 4 濡れ面積が80%以上100未満。 3 濡れ面積が50%以上80未満。 2 濡れ面積が30%以上50未満。 1 濡れ面積が30未満。
【0034】クロム残 表面処理銅箔と加熱処理前の元箔(比較)とにそれぞれ
FRー4基板をプレスして積層し、これらをエッチング
して5分間水洗した後、80℃で5分乾燥した。これら
の基板をESCAで測定し、570〜590eVの結合
エネルギーの光電子の単位時間あたりのカウント数を求
め、基板に残ったクロムを定量した。耐食性、半田濡れ
性及びクロム残の評価結果を表1に示す。
【0035】実施例2 上記電解液Aを使用し、電解銅箔の粗面に、亜鉛を3.
1mg/dm2 、光沢面に0.3mg/dm2 それぞれ電着し
た。これを水洗後、CrO3 2g/l 含有する常温の電解
液を使用して、銅箔の粗面に、陰極処理して、クロム水
和酸化物層を形成した。粗面側の見かけあたりのクロム
電着量は、0.05mg/dm2 であった。光沢面は、Cr
3 5g/l 及びNaOH10g/l を含有する常温の電解
液を使用して陰極処理し、クロム水和酸化物層を形成し
た。光沢面側のクロム電着量は、0.02mg/dm2 であ
った。
【0036】次に、このようにクロム水和酸化物層を形
成した銅箔を、炉内の条件を温度300℃、水蒸気量7
0%に制御した6m加熱炉中を12 m/分で走行させて
加熱処理し(炉内滞留時間:30秒)、両面に被覆した
亜鉛の拡散を行って、表面処理銅箔を作製した。得られ
た表面処理銅箔について、実施例1と同様にして耐食
性、半田濡れ性及びクロム残を評価した。結果を表1に
示す。
【0037】実施例3 上記電解液Aを使用し、電解銅箔の粗面に、亜鉛を3.
1mg/dm2 、光沢面に0.3mg/dm2 電着した。これを
水洗後、CrO3 5g/l 及びNaOH10g/lを含有す
る常温の電解液を使用し、銅箔の粗面及び光沢面側に、
電流密度0.2A/dm2 で2秒間陰極処理を行い、クロム
水和酸化物層を形成した。粗面側の見かけあたりのクロ
ム電着量は、0.05mg/dm2 であり、光沢面のクロム
電着量は、0.02mg/dm2 であった。
【0038】次に、このようにクロム水和酸化物層を形
成した銅箔を、炉内の条件を温度300℃、水蒸気量9
0%に制御した6m加熱炉中を12 m/分で走行させて
加熱処理し(炉内滞留時間:30秒)、両面に被覆した
亜鉛の拡散を行って、表面処理銅箔を作製した。得られ
た表面処理銅箔について、実施例1と同様にして耐食
性、半田濡れ性及びクロム残を評価した。結果を表1に
示す。
【0039】実施例4 電解銅箔の粗面に、CrO3 5g/l 及びNaOH10g/
l を含有する常温の電解液を使用し、銅箔の粗面及び光
沢面側に、陰極処理を行いクロム水和酸化物層を形成し
た。粗面側の見かけ面積あたりのクロム電着量は、0.
05mg/dm2 であり、光沢面側のクロム電着量は、0.
02mg/dm2 であった。
【0040】次に、このようにクロム水和酸化物層を形
成した銅箔を、炉内の条件を温度400℃、水蒸気量9
0%に制御した6m加熱炉中を36 m/分で走行させて
加熱処理し(炉内滞留時間:10秒)、該銅箔を焼鈍し
た。
【0041】焼鈍後の銅箔は、抗張力(以下、TSと略
す)が25.5kg/mm2 、伸び(以下、eと略す)が2
0.7%であった。(焼鈍前は、TS=32.0kg/mm
2 、e=12.4%)得られた表面処理銅箔について、
実施例1と同様にして耐食性、半田濡れ性及びクロム残
を評価した。結果を表1に示す。
【0042】比較例1 実施例1と同様にして、電解銅箔の粗面にニッケル−リ
ン0.1mg/dm2 及び亜鉛3.1mg/dm2 を電着し、光
沢面に亜鉛0.3mg/dm2 を電着した。次いで、これを
水洗後、実施例1と同様にして、銅箔の粗面及び光沢面
側に、クロム水和酸化物層を形成した。粗面側のクロム
電着量は、クロム量換算で0.05mg/dm2 であり、光
沢面側は、0.02mg/dm2 であった。
【0043】次に、このようにクロム水和酸化物層を形
成した銅箔を、炉内の条件を温度350℃に制御した6
mの窒素ガス雰囲気加熱炉中(酸素1.5%)を120
m/分で走行させて加熱処理し(炉内滞留時間:3
秒)、両面に被覆した亜鉛の拡散を行って、表面処理銅
箔を作製した。得られた表面処理銅箔について、実施例
1と同様にして耐食性、半田濡れ性及びクロム残を評価
した。結果を表1に示す。
【0044】比較例2 実施例2と同様にして、電解銅箔の粗面に、亜鉛3.1
mg/dm2 を、光沢面に亜鉛0.3mg/dm2 を電着した。
これを水洗後、実施例2と同様にして、銅箔の粗面及び
光沢面側に、クロム水和酸化物層を形成した。粗面側の
見かけ面積あたりのクロム電着量は、0.05mg/dm2
であり、光沢面側のクロム電着量は、0.02mg/dm2
であった。
【0045】次に、このようにクロム水和酸化物層を形
成した銅箔を、炉内の条件を温度300℃に制御した6
mの窒素ガス雰囲気加熱炉中(酸素1.5%)を12 m
/分で走行させて加熱処理し(炉内滞留時間:30
秒)、両面に被覆した亜鉛の拡散を行って、表面処理銅
箔を作製した。得られた表面処理銅箔について、実施例
1と同様にして耐食性、半田濡れ性及びクロム残を評価
した。結果を表1に示す。
【0046】比較例3 実施例3と同様にして、電解銅箔の粗面に、亜鉛3.1
mg/dm2 を、光沢面に0.3mg/dm2 を電着した。これ
を水洗後、実施例3と同様にして、銅箔の粗面及び光沢
面側に、クロム水和酸化物層を形成した。粗面側の見か
け面積あたりのクロム電着量は、0.05mg/dm2 であ
り、光沢面側のクロム電着量は、0.02mg/dm2 であ
った。
【0047】次に、このようにクロム水和酸化物層を形
成した銅箔を、炉内の条件を温度300℃に制御した6
mの窒素ガス雰囲気加熱炉中(酸素1.5%)を12 m
/分で走行させて加熱処理し(炉内滞留時間:30
秒)、両面に被覆した亜鉛の拡散を行って、表面処理銅
箔を作製した。得られた表面処理銅箔について、実施例
1と同様にして耐食性、半田濡れ性及びクロム残を評価
した。結果を表1に示す。
【0048】 比較例4電解銅箔の粗面に、CrO3 5g/l 及びNaO
H10g/l を含有する常温の電解液を使用し、銅箔の粗
面及び光沢面側を陰極処理してクロム水和酸化物層を形
成した。粗面側の見かけ面積あたりのクロム電着量は、
0.05mg/dm2 であり、光沢面側のクロム電着量は、
0.02mg/dm2 であった。
【0049】次に、このようにクロム水和酸化物層を形
成した銅箔を、炉内の条件を温度400℃に制御した6
m窒素ガス雰囲気加熱炉(酸素1.5%)中を36 m/
分で走行させて加熱処理し(炉内滞留時間:10秒)、
該銅箔を焼鈍した。
【0050】焼鈍後の銅箔は、TS=25.0kg/mm
2 、e=20.9%であった。(焼鈍前は、TS=3
2.0kg/mm2 、e=12.4%)得られた表面処理銅
箔について、実施例1と同様にして耐食性、半田濡れ性
及びクロム残を評価した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、本発明の方法に
より加熱処理した銅箔は、窒素中で加熱処理を行った銅
箔に比べ、耐食性、半田濡れ性及びクロム残の点で、は
るかに優れている。これは、加熱処理によっても、クロ
ム水和酸化物の水和が破壊されず、皮膜に変質、クラッ
クが起こらないことによる。
【0053】
【発明の効果】本発明によると、銅材料にクロム水和酸
化物皮膜を形成させた後に、加熱処理を行うことができ
るので、従来の方法のように銅材料を加熱処理した後に
クロム水和酸化物皮膜を形成させるという煩雑な工程を
必要とせず、処理工程が簡略化することができ、工業的
に、能率、製造コストの点で、非常に効果の大きい方法
である。また耐食性及びクロム残の点で、従来の方法で
得られた表面処理銅箔と全く遜色は見られない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 勤 栃木県今市市荊沢601番地の2 古河サ ーキットフォイル株式会社 今市事業所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅又は銅合金材料の表面にクロム水和酸
    化物皮膜を形成させた後、これを水蒸気の存在下に加熱
    することを特徴とするクロム水和酸化物被覆銅材料の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 銅又は銅合金材料の表面に亜鉛、亜鉛合
    金、スズ又はスズ合金からなる中間層を形成させ、該中
    間層の上にクロム水和酸化物皮膜を形成させた後、これ
    を水蒸気の存在下に加熱することを特徴とするクロム水
    和酸化物被覆銅材料の製造方法。 【請求項2】 水蒸気濃度が3 vol%以上である請求項
    1又は2記載のクロム水和酸化物被覆銅材料の製造方
    法。
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