JP3120866U - 耐滑性および耐経時変化性に優れた靴表底構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】靴表底構造においてミッドソールの材料としてエーテル系発泡ポリウレタンを使用するとともに、ミッドソール下部外面の滑り止め突起である各クリートが独立して傾動することのできるようにした靴表底構造を提供する。
【解決手段】中底下部における靴表底のミッドソールの下部外面に、適宜形状の多数のクリートを接地面に有するクリートソールを配置し、さらに前記クリートソール外面の各クリートの周辺に周辺溝を形成して薄肉部とした靴表面底構造において、前記ミッドソールをエーテル系の発泡ポリウレタンで構成するとともに前記クリートを2つ以上のクリートに分割した構造を有することを特徴とする靴表底構造である。
【選択図】図1
【解決手段】中底下部における靴表底のミッドソールの下部外面に、適宜形状の多数のクリートを接地面に有するクリートソールを配置し、さらに前記クリートソール外面の各クリートの周辺に周辺溝を形成して薄肉部とした靴表面底構造において、前記ミッドソールをエーテル系の発泡ポリウレタンで構成するとともに前記クリートを2つ以上のクリートに分割した構造を有することを特徴とする靴表底構造である。
【選択図】図1
Description
本考案は、靴表底構造においてミッドソールの材料としてエーテル系発泡ポリウレタンを使用するとともに、ミッドソール下部外面の滑り止め突起である各クリートが独立して傾動することのできるようにした靴表底構造に関するものであり、この構成により耐経時変化性に優れ、耐滑性に優れた靴表底構造を提供することができる。
一般に、靴表底に関してアウトソールとしては、合成ゴム、エーテル系ポリウレタン、エステル系発泡ポリウレタン等が用いられている。クッション性や耐衝撃吸収性が要求される靴においては、ミッドソールとして発泡系の合成ゴムやエステル系発泡ポリウレタン、発泡EVA等が使用されている。エステル系発泡ポリウレタンは、耐摩耗性や力学的強度特性に優れる反面、加水分解性があり耐経時変化性において劣るという問題を有していた。一方、靴表底の路面に対する滑りについては、靴表底材質と路面との摩擦係数やクリートの形状およびその配列パターンによることは無論のこと、靴表底の路面への密着性(馴染み易さ)によっても大きく左右される。そのため、合成ゴム等に比べて変形し易いエステル系発泡ポリウレタンを靴表底に採用することで靴表底の路面に対する密着性を向上させて、靴の対路面滑り性能を改善することが試みられてきた。
しかしながら、エステル系発泡ポリウレタンは前述のように加水分解性があり耐経時変化性に問題があるとともに、路面への密着性が向上し耐滑性能が改善するものの、合成ゴムに比べて耐熱、耐水、耐摩耗、耐切傷性に劣る。特にエステル系発泡ポリウレタンで構成されたクリートの接地隅部が磨耗すると、クリートによるエッジ効果が半減し、靴表底が非常に滑り易くなる等の問題があった。
しかしながら、エステル系発泡ポリウレタンは前述のように加水分解性があり耐経時変化性に問題があるとともに、路面への密着性が向上し耐滑性能が改善するものの、合成ゴムに比べて耐熱、耐水、耐摩耗、耐切傷性に劣る。特にエステル系発泡ポリウレタンで構成されたクリートの接地隅部が磨耗すると、クリートによるエッジ効果が半減し、靴表底が非常に滑り易くなる等の問題があった。
このようなことから、路面への密着性能を改善して滑りにくくし、かつ靴表底の耐熱、耐水、耐磨耗、耐切傷性をも確保するために、中底下部における靴表底にエステル系発泡ポリウレタンからなるミッドソールを介在させて、その下部表面にNBR系の合成ゴムから成るアウトソールを配置したものが提案された。これによって、幾分、靴表底の路面への密着性能が改善されはしたが、しかしなお靴表底の接地面には依然として合成ゴムが露呈しているために、靴表底の重量は重く、屈曲性に劣り、アウトソールの各クリートそれぞれが複雑な路面の凹凸に充分適応することができず、履き心地も悪く、対路面滑り性能も万全とは言い難かった。また、ミッドソールが依然エステル系発泡ポリウレタンであったために、耐経時変化性は改善されないままであった。
このため、図7、図8に示されるような、3層底の靴表底が案出された。この従来例について説明すると、中底10の下部における靴表底において、エステル系発泡ポリウレタンから成るミッドソール11を介在させ、その下部表面に合成ゴムを用いた比較的薄い足形に形成した適宜形状の多数のクリートを接地面に有するアウトソール(以下クリートソールという)12を配置し、そして該クリートソール12の各クリート12aに適合する位置に孔を穿設した足形の合成ゴム採用のフレームソール13を配置する。このとき、フレームソール13に形成した各孔に前記クリートソール12の各クリート12aを嵌合させ、前記クリート13の孔は前記クリートソール12のクリート12aよりも僅か大きく形成され、クリートと孔との間には間隙が形成されるように構成されている。前記合成ゴムはNBR系の合成ゴムであるが、柔軟性に富み、耐磨耗、耐熱、耐切傷性に優れるばかりでなく、軽量でミッドソールであるエステル系発泡ポリウレタンとの接着性も良好なものが利用される。しかも、各クリート12aと各孔との間の間隙の存在により、比較的薄く構成されたクリートソール12上に設けられた各クリート12aは、その上部内面に配置されたエステル系発泡ポリウレタンから成るミッドソール11内への比較的自由な変位が可能であり、合成ゴムとしての自身の特性が加わり、自らがあらゆる方向に傾動することが可能となる結果、各クリート3aがそれぞれ独立して全方位に対して自由に変形移動していわゆる独立懸架の挙動を示し、複雑な路面の状況に充分適合して対路面滑り性能を改善できた。
ところで、本考案者らは、前述した従来のものの性能をさらに改善するために、3層式のアウトソール構造の靴表底を採用して、各クリートが独立して傾動することができるいわゆる独立懸架性能を有しつつ、構造が簡単で、製造も容易な靴表底構造を提案している(特許文献1)。
ところで、本考案者らは、前述した従来のものの性能をさらに改善するために、3層式のアウトソール構造の靴表底を採用して、各クリートが独立して傾動することができるいわゆる独立懸架性能を有しつつ、構造が簡単で、製造も容易な靴表底構造を提案している(特許文献1)。
しかし、前記特許に開示されている靴表底構造は、クリートソールに対して、ミッドソールが相対的に柔らかいために、表底のクリート全体が埋没することがあり、耐滑性に対して十分な効果を発揮できない場合があった。また、前記特許に開示されているミッドソールは発泡ポリウレタンを使用しているものの、その発泡ポリウレタンはエステル系であるかエーテル系であるかが明示されてなく、実際にはエステル系ポリウレタンが用いられており、耐経時変化性に問題を有していた。さらに、前述のような各靴表底構造は、いずれも耐滑性に対して十分な効果を発揮できないこと、および耐経時変化性に劣ること等の問題を有していた。
そこで、本考案は、ミッドソールの材料としてこれまで使用されたことがないエーテル系発泡ポリウレタンを採用したことを特徴としており、さらに、そのようなミッドソールを有する3層底の靴底構造および特許第2140663号に記載された靴底構造において、クリートの大きさが所定値以上のもののクリートに対して該クリートを2つ以上に分割する分割溝を設けてなることを特徴としている。この分割溝付きクリート構造により、クリート埋没による接地抵抗の増加および接地面のグリップ力を向上させることができ、耐滑性をさらに向上させることができる。
このため、本考案が採用した技術解決手段は、
中底下部における靴表底のミッドソールの下部外面に、適宜形状の多数のクリートを接地面に有するクリートソールを配置し、さらに前記クリートソール外面の各クリートの周辺に周辺溝を形成して薄肉部とした靴表面底構造において、前記ミッドソールをエーテル系の発泡ポリウレタンで構成するとともに前記クリートを2つ以上のクリートに分割した構造を有することを特徴とする靴表底構造である。
また、前記ミッドソールの密度が0.45±0.1g/cm3 の範囲であり、且つ硬度がアスカーC硬度で57±10であることを特徴とする靴表底構造である。
また、前記分割されるクリートはクリートの大きさが所定値以上のクリートであることを特徴とする靴表底構造である。
また、前記分割したクリートは、靴の長手方向に対して平行及び/または直角に、かつクリート形状に合わせてそれぞれの方向への滑りの反力として機能するように配置したことを特徴とする靴表底構造である。
また、前記分割クリートは分割溝で分割され、さらに同分割溝は、幅が1〜3mm、深さが1〜5mmであることを特徴とする靴表底構造である。 また、前記クリートは、前記クリートソールと別部材で構成して固着したアウトソールであることを特徴とする靴表底構造である。
中底下部における靴表底のミッドソールの下部外面に、適宜形状の多数のクリートを接地面に有するクリートソールを配置し、さらに前記クリートソール外面の各クリートの周辺に周辺溝を形成して薄肉部とした靴表面底構造において、前記ミッドソールをエーテル系の発泡ポリウレタンで構成するとともに前記クリートを2つ以上のクリートに分割した構造を有することを特徴とする靴表底構造である。
また、前記ミッドソールの密度が0.45±0.1g/cm3 の範囲であり、且つ硬度がアスカーC硬度で57±10であることを特徴とする靴表底構造である。
また、前記分割されるクリートはクリートの大きさが所定値以上のクリートであることを特徴とする靴表底構造である。
また、前記分割したクリートは、靴の長手方向に対して平行及び/または直角に、かつクリート形状に合わせてそれぞれの方向への滑りの反力として機能するように配置したことを特徴とする靴表底構造である。
また、前記分割クリートは分割溝で分割され、さらに同分割溝は、幅が1〜3mm、深さが1〜5mmであることを特徴とする靴表底構造である。 また、前記クリートは、前記クリートソールと別部材で構成して固着したアウトソールであることを特徴とする靴表底構造である。
本考案によれば、ミッドソールをエステル系発泡ポリウレタンからエ一テル系発泡ポリウレタンに変更したことにより、耐水性、耐加水分解性に優れた耐経時変化性を持ち、その密度を0.45±0.1g/cm3 の範囲であり、且つ硬度がアスカーC硬度で57±10であるようにすることによって、クッション性、耐衝撃吸収性に優れた靴表底構造とすることができる。また、クリートの大きさが所定値以上のもののクリートに対して該クリートを2つ以上に分割する分割溝を設けることにより、クリートが接地面を捕らえやすくなり、クリート埋没を抑制し接地抵抗の増加および接地面のグリップ力を向上させることができ、耐滑性をさらに向上させることができる。
本考案によれば、多数のクリートを接地面に有するクリートソールを配置した靴表底構造において、クリートには分割溝を形成することにより、突起に乗り上げた際に容易にクリートが変形し、分割溝の角部と突起とが当たり、分割溝の角部により滑りが防止される。こうしてクリートが突起により変形した際に、突起と接触する角部が増大し、これにより耐滑性が向上することになる。
また、クリートの周囲に薄肉部を形成することにより、この薄肉部の存在が前記各クリートが独立して傾動することができるいわゆる独立懸架性能を与えることができる。また、その上部内面に配置されたエーテル系発泡ポリウレタンから成るミッドソール内への各クリートの比較的自由な変位が可能であり、合成ゴムとしてのクリート自身の特性も加えて、自らがあらゆる方向に傾動し、各クリートがそれそれ独立して全方位に対して自由に変形移動して複雑な路面の状況に充分適合して対路面滑り性能を改善するとともに、靴表底としての各種性能をも維持することができる、等の特有の作用効果を達成することができる。
本考案によれば、多数のクリートを接地面に有するクリートソールを配置した靴表底構造において、クリートには分割溝を形成することにより、突起に乗り上げた際に容易にクリートが変形し、分割溝の角部と突起とが当たり、分割溝の角部により滑りが防止される。こうしてクリートが突起により変形した際に、突起と接触する角部が増大し、これにより耐滑性が向上することになる。
また、クリートの周囲に薄肉部を形成することにより、この薄肉部の存在が前記各クリートが独立して傾動することができるいわゆる独立懸架性能を与えることができる。また、その上部内面に配置されたエーテル系発泡ポリウレタンから成るミッドソール内への各クリートの比較的自由な変位が可能であり、合成ゴムとしてのクリート自身の特性も加えて、自らがあらゆる方向に傾動し、各クリートがそれそれ独立して全方位に対して自由に変形移動して複雑な路面の状況に充分適合して対路面滑り性能を改善するとともに、靴表底としての各種性能をも維持することができる、等の特有の作用効果を達成することができる。
本考案は、ミッドソールとしてエーテル系の発泡ポリウレタンを使用し、中底下部における靴表底のミッドソールの下部外面(アウトソール)に、適宜形状の多数のクリートを接地面に有するクリートソールを配置し、さらに前記クリートソール外面の各クリートの周辺に周辺溝を形成して薄肉部とした靴表面底構造を特徴としている。また、前記クリートを2つ以上のクリートに分割したことを特徴としている。
以下本考案の第1実施例を図面に基づいて説明すると、図1は本考案の靴表底構造を有する靴の断面図、図2は同靴の底面図、図3は図1のA部拡大斜視断面図である。
図1に示される3層底の靴は、前記特許第2140663号に記載の3層底の靴底と同様に、中底1と、ミッドソール2と、合成ゴムを用いた比較的薄い足形に形成した適宜形状の多数のクリート3aを接地面に有するクリートソール3と、前記クリートソール3の各クリート3aに適合する位置に各孔を穿設した合成ゴム採用のフレームソール4とを備え、それぞれを前記ミッドソール2あるいはクリートソール3の下部外面に加硫あるいは接着により重合接着成形して構成されている。そして、本例ではミッドソールの材料として特にエーテル系発泡ポリウレタンを使用したことに特徴がある。さらに、その密度を0.45±0.1g/cm3 の範囲であり、且つ硬度がアスカーC硬度で57±10であるようにすることによって、クッション性、耐衝撃吸収性に優れた靴表底構造としている。
図1に示される3層底の靴は、前記特許第2140663号に記載の3層底の靴底と同様に、中底1と、ミッドソール2と、合成ゴムを用いた比較的薄い足形に形成した適宜形状の多数のクリート3aを接地面に有するクリートソール3と、前記クリートソール3の各クリート3aに適合する位置に各孔を穿設した合成ゴム採用のフレームソール4とを備え、それぞれを前記ミッドソール2あるいはクリートソール3の下部外面に加硫あるいは接着により重合接着成形して構成されている。そして、本例ではミッドソールの材料として特にエーテル系発泡ポリウレタンを使用したことに特徴がある。さらに、その密度を0.45±0.1g/cm3 の範囲であり、且つ硬度がアスカーC硬度で57±10であるようにすることによって、クッション性、耐衝撃吸収性に優れた靴表底構造としている。
また、図3の拡大斜視図に示すように、前記フレームソール4の孔4aは前記クリートソール3のクリート3aよりも僅か大きく形成され、クリート3aと孔4との間には間隙5が形成されるように構成されている。図中3cはクリートソール3の最薄部である。
前記合成ゴムはNBR系の合成ゴムであるが、柔軟性に富み、耐磨耗、耐熱、耐切傷性に優れるばかりでなく、軽量でミッドソールであるエーテル系発泡ポリウレタンとの接着性も良好なものが利用される。しかも、各クリート3aと各孔4aとの間の間隙5の存在により、比較的薄く構成されたクリートソール3上に設けられた各クリート3aは、その上部内面に配置されたエーテル系発泡ポリウレタンから成るミッドソール2内への比較的自由な変位が可能であり、合成ゴムとしての自身の特性が加わり、自らがあらゆる方向に傾動することが可能となっている。この結果、各クリート3aがそれぞれ独立して全方位に対して白由に変形移動していわゆる独立懸架の挙動を示し、複雑な路面の状況に充分適合して対路面滑り性能を有するようにしてある。
前記合成ゴムはNBR系の合成ゴムであるが、柔軟性に富み、耐磨耗、耐熱、耐切傷性に優れるばかりでなく、軽量でミッドソールであるエーテル系発泡ポリウレタンとの接着性も良好なものが利用される。しかも、各クリート3aと各孔4aとの間の間隙5の存在により、比較的薄く構成されたクリートソール3上に設けられた各クリート3aは、その上部内面に配置されたエーテル系発泡ポリウレタンから成るミッドソール2内への比較的自由な変位が可能であり、合成ゴムとしての自身の特性が加わり、自らがあらゆる方向に傾動することが可能となっている。この結果、各クリート3aがそれぞれ独立して全方位に対して白由に変形移動していわゆる独立懸架の挙動を示し、複雑な路面の状況に充分適合して対路面滑り性能を有するようにしてある。
さらに、本考案では、図1〜図3に示すように前記クリート3aの大きさが所定値以上のクリート3aに対して、該クリート3aを2分割以上に分割する分割溝6を有しており、またこの分割したクリートは、靴の長手方向に対して平行及び/または直角に、かつクリート形状に合わせそれぞれの方向への滑りの反力として機能するように配置してある。たとえば、クリート3aの大きさが100mm2 以上のクリートに対してクリート3aを少なくとも2つ以上に分割する分割溝6を入れる。また、分割する溝は1〜3mm、深さは1〜5mmが望ましい。さらに、分割溝6の方向は靴の長手方向に対して平行及び/または直角にいれるのが望ましいが、クリートの設計時において、当然のことながら他の方向に向いた溝とすることもできる。
このように構成された靴表底において、図6に示すように歩行中に路面上の小石等の突起Sに一部のクリート3aが乗り上げることによって、該クリート3aは前記突起Sにより図6に示すような力Fを踏み付けの反力として、クリート3aの周囲に設けられた間隙5の薄肉部によって独立して容易に変形する。また、クリート3aには分割溝6が形成されているため、さらに容易にクリート3aが容易の変形し、分割溝の角部と突起とが当たり、分割溝の角部により滑りが防止される。こうして、クリート3aが突起Sにより変形した際に、突起と接触する角部が増大し、これにより耐滑性が向上することになる。
また、クリート3aを変形させながらこのクリート3aの独立した上方への容易な変形、すなわち独立懸架作用は、前記薄肉部と中底とクリートソール3の上部内面に配置された柔軟性に富むエーテル系発泡ポリウレタンから成るミッドソールとの相乗作用の成せる技であり、それに合成ゴムとしての自身の特性が加わり、自らがあらゆる方向に傾動することが可能となる結果、各クリートがそれぞれ独立して全方位に対して自由に変形移動して複雑な路面の状況に充分適合して対路面滑り性能を改善することができる。
また、クリート3aを変形させながらこのクリート3aの独立した上方への容易な変形、すなわち独立懸架作用は、前記薄肉部と中底とクリートソール3の上部内面に配置された柔軟性に富むエーテル系発泡ポリウレタンから成るミッドソールとの相乗作用の成せる技であり、それに合成ゴムとしての自身の特性が加わり、自らがあらゆる方向に傾動することが可能となる結果、各クリートがそれぞれ独立して全方位に対して自由に変形移動して複雑な路面の状況に充分適合して対路面滑り性能を改善することができる。
次に、本考案の他の実施例を説明する。図4は第2実施例としての1層式の靴表底構造であり、クリートソールにおけるクリート11を別部材で構成して前記クリートソールに固着してアウトソールとするとともに、さらにクリートに前述したクリートを分割するための分割溝12を形成したものである。また、図5は第3実施例であり、クリートソールとフレームソールを一体化した例であり、このように形成されたクリート11にも前述したクリートを分割するための分割溝12を形成することができる。
以下の表1に本考案に係る実施例と従来例との耐滑性および耐経時変化性等の比較例を示す。測定は当時の〔労働省産業安全研究所〕発行の〔産業安全研究所技術指針、1991年3月、第16ぺ一ジ〕に示されている〔耐滑性試験〕に準拠して行った。
クリート内に溝を設置することにより耐滑性の向上がわかる。
また、耐加水分解性(湿熱劣化性)について、恒温恒湿器を用いて保存雰囲気を温度80°C、相対湿度95%調整した。この雰囲気内に、各試験片を入れて放置し、10日間経過後の強度保持率、デマッチャ屈曲試験を10万回行なった後の屈曲亀裂成長状態及び表底層間剥離試験での接着強さを調べた。
但し、雰囲気内から取り出した試験片は、室温まで放冷し、標準状態(温度23±2°C、相対湿度50±5%)で16時間以上6日以内放置してから測定した。
強度保持率は、10日間経過後の引張強さを初期の引張強さで除し、これを100倍して算出した。尚、引張強さ試験はJISK6251に従う。
デマッチャ屈曲試験は、JISK6260の屈曲き裂成長試験に従う。
表底層間剥離試験は、引張試験機によって行い、アウトソール及びミッドソールの踵先端部を各々締付具でつかみ、互いに反対方向につま先部まで剥離したとき、20mm間隔で記した位置の強度を測定し(引張速度:100mm/分)、各々の測定位置の強度をその測定位置の幅で除した値の平均を接着強さとした。
ミッドソールをエステル系発泡ポリウレタンからエーテル系発泡ポリウレタンに変更したことにより、耐経時変化性が大幅に改善されたことがわかる。
クリート内に溝を設置することにより耐滑性の向上がわかる。
また、耐加水分解性(湿熱劣化性)について、恒温恒湿器を用いて保存雰囲気を温度80°C、相対湿度95%調整した。この雰囲気内に、各試験片を入れて放置し、10日間経過後の強度保持率、デマッチャ屈曲試験を10万回行なった後の屈曲亀裂成長状態及び表底層間剥離試験での接着強さを調べた。
但し、雰囲気内から取り出した試験片は、室温まで放冷し、標準状態(温度23±2°C、相対湿度50±5%)で16時間以上6日以内放置してから測定した。
強度保持率は、10日間経過後の引張強さを初期の引張強さで除し、これを100倍して算出した。尚、引張強さ試験はJISK6251に従う。
デマッチャ屈曲試験は、JISK6260の屈曲き裂成長試験に従う。
表底層間剥離試験は、引張試験機によって行い、アウトソール及びミッドソールの踵先端部を各々締付具でつかみ、互いに反対方向につま先部まで剥離したとき、20mm間隔で記した位置の強度を測定し(引張速度:100mm/分)、各々の測定位置の強度をその測定位置の幅で除した値の平均を接着強さとした。
ミッドソールをエステル系発泡ポリウレタンからエーテル系発泡ポリウレタンに変更したことにより、耐経時変化性が大幅に改善されたことがわかる。
以上本考案について、種々の実施形態を示したが、クリートに設ける分割溝の深さ、幅、本数等は適宜変更することができることは当然であり、また全てのクリートにそれぞれのクリートに適した分割溝を形成することも可能である。
さらに、本考案はその精神また主要な特徴から逸脱することなく、他の色々な形で実施することができる。このため前述の実施例は単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。更に実用新案登録請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は全て本考案の範囲内のものである。
さらに、本考案はその精神また主要な特徴から逸脱することなく、他の色々な形で実施することができる。このため前述の実施例は単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。更に実用新案登録請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は全て本考案の範囲内のものである。
本考案はエーテル系発泡ポリウレタンをミッドソールとして採用し、クリートに分割溝を設けてなる耐経時変化性および耐滑性を有する靴表底構造に利用することができる。
1 中底
2 エーテル系発泡ポリウレタンからなるミッドソール
3 クリートソール
3a クリート
3c 最薄部
4 フレームソール
4a 孔
5 間隙
6 分割溝
2 エーテル系発泡ポリウレタンからなるミッドソール
3 クリートソール
3a クリート
3c 最薄部
4 フレームソール
4a 孔
5 間隙
6 分割溝
Claims (6)
- 中底下部における靴表底のミッドソールの下部外面に、適宜形状の多数のクリートを接地面に有するクリートソールを配置し、さらに前記クリートソール外面の各クリートの周辺に周辺溝を形成して薄肉部とした靴表面底構造において、前記ミッドソールをエーテル系の発泡ポリウレタンで構成するとともに前記クリートを2つ以上のクリートに分割した構造を有することを特徴とする靴表底構造。
- 前記ミッドソールの密度が0.45±0.1g/cm3 の範囲であり、且つ硬度がアスカーC硬度で57±10であることを特徴とする請求項1に記載の靴表底構造。
- 前記分割されるクリートはクリートの大きさが所定値以上のクリートであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の靴表底構造。
- 前記分割したクリートは、靴の長手方向に対して平行及び/または直角に、かつクリート形状に合わせてそれぞれの方向への滑りの反力として機能するように配置したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の靴表底構造。
- 前記分割クリートは分割溝で分割され、さらに同分割溝は、幅が1〜3mm、深さが1〜5mmであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の靴表底構造。
- 前記クリートは、前記クリートソールと別部材で構成して固着したアウトソールであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の靴表底構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007138947A1 (ja) * | 2006-05-25 | 2007-12-06 | Asics Corporation | スパイクシューズのソール |
JP2009022449A (ja) * | 2007-07-18 | 2009-02-05 | Taika:Kk | 緩衝パーツを具えたシューズ |
WO2015052814A1 (ja) * | 2013-10-10 | 2015-04-16 | 株式会社アシックス | 靴底 |
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2006
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