JP3120852U - 建築物の外断熱構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】躯体壁と外装材の間に断熱材を介装し、躯体壁に植設された支持ボルトに外装材を取付ける建築物の外断熱構造において、支持ボルトを補強する補強部材を提供する。
【解決手段】補強部材(27)は、支持ボルト(22)を挿通させる筒体(34)と、該筒体(34)から外方に延びる肩部(36)と該肩部(36)から躯体壁(21)に向けて延びる脚部(37)を備えた複数のブレード体(35)を一体に備えており、少なくとも肩部(36)の外側縁に沿って、刃部(36a)を形成した構成である。
【選択図】 図1

Description

本考案は、躯体壁の室外側において該躯体壁と外装材の間に断熱材を介装した建築物の外断熱構造に関する。
我国における建築物の断熱構造は、躯体壁の室内側に断熱材を敷設した「内断熱構造」が一般的であるが、躯体壁が外気温の影響を受けるため、室内の空調効率が悪い。特に、冬季には低外気温により躯体壁自体が低温になるので、室内との温度差により躯体壁の室内側が結露し、カビやダニの発生原因となるばかりか、躯体壁の耐久性を低下するという問題がある。
そこで、近年、躯体壁の室外側において該躯体壁と外装材の間に断熱材を介装した「外断熱構造」が提案されている。この外断熱構造によれば、躯体壁自体が外気温に対して断熱されているので、室内の空調効率が高く、しかも、冬季に躯体壁の結露が防止され、外気温の変化による躯体壁の収縮膨張の繰り返しによるクラックの発生からも解放され、耐久性を大幅に向上できる。
特開2000−73515号公報 特開2005−90199号公報 特開2005−220628号公報
前記特許文献1に記載された「外断熱構造」(以下、「従来技術」という。)は、図6に示すように、建物の躯体壁1に支持ボルト2の基端2aを埋設しており、躯体壁1の室外側に断熱材3を敷設した後、該断熱材3の外側に胴縁4を介して外装材5が取付けられる。支持ボルト2は補強部材6により補強されており、断熱材3を貫通した支持ボルト2の先端2bにナット7を介して胴縁4が固定され、該胴縁4にビス8を介して外装材5が固着される。
補強部材6は、支持ボルト2を挿通させる筒状の装着部9と、該装着部9から張出された複数の支持板10を備え、各支持板10は、底辺10aの先端10bから支持ボルト2の先端側に向けられたほぼ直線的な斜辺10cを形成した筋交構造とされ、底辺10aと装着部9に沿う側の一辺10dとが直角に交わる直角三角形に形成されている。尚、補強部材6は、装着部9の直径方向に2枚の支持板10を設ける場合と、該2枚の支持板10に加えて前記直径方向に直交する直径方向に更に2枚、合計4枚の支持板10を設ける場合とがある。
そこで、躯体壁1から突出した支持ボルト2に補強部材6を装着した状態で、断熱材3を敷設するため該断熱材3を室外側から躯体壁1に向けて押し付けると、図7に示すように、支持ボルト2の先端2bが断熱材3を押し広げながら進入することにより貫通孔11を形成すると共に、同様に支持板10が断熱材3を押し広げながら進入することによりスリット12を形成し、これにより支持ボルト2及び補強部材6を貫通させた状態で断熱材3が躯体壁1に敷設される。
ところが、補強部材6が複数枚の支持板10を張出状に設けているため、断熱材3の押し付け抵抗が大きく、敷設作業が困難である。即ち、支持板10の外側縁は、断熱材3の綿状の繊維を押し分けつつ進入するので、大きな抵抗を受ける。この抵抗を軽減するためには、支持板10の肉厚を可及的薄く形成する必要があるが、その場合は、後述するように強度を低下するという問題を生じる。
しかも、従来技術の場合、断熱材3が前記支持板10の進入を更に困難とする材質のもの、例えば、板状の発泡材等を使用することができず、外断熱構造を実施するための断熱材3の選択範囲が限定されるという欠点がある。
そして、支持板10が繊維質とされた断熱材3の繊維を押し分けることによりスリット12を形成しつつ進入する場合でも、綿状の繊維は復元してスリット12を閉じようとするから、従来技術のように補強部材6が底辺10aを備えた構成とされるときは、図7に示すように、斜辺10cの進入中に、スリット12の開口端12aが復元して底辺10aに引っ掛かる可能性がある。この場合、断熱材3を躯体壁1に向けて無理に強く押し付けると、断熱材3の開口端12aの近傍部分が捲り上がり、躯体壁1との間に隙間を生じて断熱効果を減じるという問題がある。
ところで、施工完了した状態で、外装材5の荷重は、胴縁4を介してそれぞれの支持ボルト2に作用する。従来技術は、補強部材6の底辺10aの先端10bから支持ボルト2の先端に向けられた直線的な斜辺10cにより筋交構造を構成しているので、支持ボルト2により前記荷重を強固に支持できると説明されている。しかしながら、従来技術の場合、支持ボルト2と補強部材6は、胴縁4を介してナット7により固着されているので、万一、該ナット7が弛んでいると、支持ボルト2と補強部材6が相互に微動可能な状態とされるので、補強部材6が所望の通りに支持ボルト2を補強せず、前記荷重に耐えず支持ボルト2が変形する可能性がある。
しかも、支持ボルト2に作用する外装材5の荷重に対して、従来技術は、補強部材6の斜辺10cによる筋交構造のために強固であると説明するが、筋交構造(ブレース構造)は、引張力と圧縮力に対してのみ対抗する構成であるから、過大な荷重fを受けると、図6に鎖線で示すように、斜辺10cが面外座屈してしまうという危険がある。特に、従来技術の場合、図6に示すように、躯体壁1に当接された先端10bから装着部9の頂端に至る補強部材6の高さhが断熱材3の厚さtに対してh>tとなるように形成され、斜辺10cが装着部9の頂端から先端10bまで長く形成されているので、面外座屈を生じ易く、しかも、上述のように断熱材3を敷設する際の抵抗を考慮して斜辺10cを薄く形成すればするほど、荷重fに耐えられないものとなる。
更に、外断熱構造の主旨は、外気温を躯体壁1に伝達させない点にあるにも関わらず、従来技術の場合、外装材5と胴縁4を経て支持ボルト2及び補強部材6に伝達される外気温は、支持ボルト2と斜辺10cを介して躯体壁1に伝達するだけでなく、装着部9を介して躯体壁1に伝達し、しかも、装着部9と斜辺10cが底辺10aで連結されているので、このような熱伝導を容易にするという問題がある。
また、従来技術の補強部材6は、金属板の曲げ加工により筒状の装着部9を形成し、金属板の打ち抜き成形により支持板10を形成した後、両者を溶接により固着するものであるから、製造が煩雑であり量産に適しないばかりか、品質にバラツキを生じるという問題がある。
本考案は、上記課題を解決し、特に、支持ボルトを補強するための補強部材に特徴を具備せしめた建築物の外断熱構造を提供するものである。
このため、本考案が第一の手段として構成したところは、躯体壁の室外側において該躯体壁と外装材の間に断熱材を介装した建築物の外断熱構造であり、躯体壁に基端を埋設した支持ボルトを補強部材により補強すると共に、該補強部材を含んで支持ボルトを断熱材に貫通させながら該断熱材を躯体壁の室外側面に押し付けることにより敷設し、該断熱材の室外側に突出する支持ボルトの先端に胴縁を介して外装材を取付ける構成において、前記補強部材は、支持ボルトを挿通させる筒体と、該筒体から外方に延びる肩部と該肩部から躯体壁に向けて延びる脚部を備えた複数のブレード体を一体に備え、脚部の先端を躯体壁の壁面に当接した状態で、支持ボルトの先端から螺挿された締結ナットを筒体に締着することにより固着されるように構成されており、更に、前記補強部材は、少なくとも肩部の外側縁に沿って、該肩部の肉厚を該外側縁に向けて次第に薄くする刃部を形成しており、断熱材を躯体壁の室外側面に向けて押し付けたとき該刃部が断熱材を切断することにより肩部を断熱材に進入させるように構成して成る点にある。
本考案において、補強部材は、肩部を筒体から下向き傾斜するように配置すると共に、脚部を筒部の軸線とほぼ平行に配置することが好ましい。
そして、躯体壁の室外側面から先端に至る支持ボルトの突出長さをLとし、躯体壁の室外側面に当接した脚部の先端から筒体の頂端の至る補強部材の高さをHとし、断熱材の厚さをTとしたとき、L>T>Hとなるように構成するのが良い。
また、補強部材は、3枚のブレード体を筒体の周方向に等間隔をあけて配置し、3枚のブレード体の脚部の先端を支持ボルトの周囲で躯体壁の室外側面に3点支持するように構成するのが望ましい。
更に、補強部材は、筒体とブレード体を一体成形しており、金属素材によるダイキャスト成形、金属素材によるロストワックス成形、硬質合成樹脂素材による射出成形のうちの何れかにより一体成形したものとすることが好ましい。
請求項1に記載の本考案によれば、補強部材27は、少なくとも肩部36の外側縁に沿って、該肩部36の肉厚を該外側縁に向けて次第に薄くする刃部36aを形成しているので、支持ボルト22に補強部材27を取付けた状態で、該補強部材27を含んで支持ボルト22を断熱材23に貫通させながら該断熱材23を躯体壁21の室外側面に敷設する際に、断熱材23を躯体壁21の室外側面に向けて押し付けるだけで、該刃部36aが断熱材23を切断しつつ肩部36を断熱材23に進入させるので、断熱材23を切り込みながら補強部材27のブレード体35の全体を断熱材23に簡単容易に進入させることができるという効果がある。
そこで、このように刃部36aにより断熱材23を切り込みながら進入する構成であるから、ブレード体35の肉厚を必要十分に厚く形成することが可能になり、荷重fに対して十分に耐える高強度を保証することができる。しかも、繊維質の断熱材23に限らず、例えば板状の発泡材等のような断熱材23を使用することも可能であり、外断熱構造を実現するための断熱材23の選択範囲が広がるという効果がある。
そして、施工完了した状態で、外装材26及び胴縁25等を介して支持ボルト22及び補強部材27に伝達する外気温は、支持ボルト22と補強部材27を介して躯体壁21に伝達することが不可避であるが、補強部材27による熱伝達は、筒体34からブレード体35の先端の座部38に至る一つの経路だけであるから、上述した筒状の装着部によるダイレクトな伝達経路を有すると共に、装着部と斜辺を相互に底辺で熱伝達可能に連結した従来技術に比較すれば、外断熱構造としての断熱効果が相当に高いものとなる。
請求項2に記載の本考案によれば、補強部材27は、肩部36を筒体34から下向き傾斜するように配置すると共に、脚部37を筒体34の軸線とほぼ平行に配置している。従って、肩部36の外側縁に沿って形成した刃部36aが適切な傾斜角を有するので、断熱材23に対する切れ味が良く、切溝36bを形成しながら断熱材23を押し付ける際の抵抗を軽減し、敷設作業を容易にする。
ところで、断熱材23を躯体壁21に向けて押し付けると、肩部36の刃部36aにより断熱材23に所定長さの切溝36bを形成した後、筒体34の軸線とほぼ平行に配置された脚部37が引き続いて前記切溝36bに進入する。従って、刃部36aにより切溝36bを形成する断熱材23の切断長さが必要最小限とされるので、この点からも断熱材23を押し付ける際の抵抗を軽減する。
しかも、脚部37は、肩部36から片持ち状に延び、脚部37の先端が支持ボルト22の周囲で自由端を構成する。即ち、上述の従来技術におけるスリットの前進を妨げる底辺のような干渉部分を有しない。従って、補強部材27を含んで支持ボルト22を貫通させた断熱材23は、繊維質の場合、復元することにより支持ボルト22と補強部材27を抱持するように充填され、躯体壁21の壁面に対しても、支持ボルト22と脚部37の先端を除く全ての面において躯体壁21に好適に接触され、断熱効果を発揮できる。
そして、施工後の状態で、外装材26の荷重は、胴縁25を介してそれぞれの支持ボルト22に作用するが、これに対して補強部材27が好適に対抗できる。補強部材27は、支持ボルト22に螺着した締結ナット39を筒体34に締着することにより該支持ボルト22と完全に一体化されているので、万一、支持具24の固定ナット28、29が弛んでも、支持ボルト22と補強部材27の相互に微動を許すことはない。そこで、支持ボルト22に一体化された補強部材27は、肩部36と脚部37を外側に屈折した「L形」ないし「へ形」のブレード体35を備えているので、上述した従来技術のような引張力と圧縮力に対してのみ対抗できる筋交構造(ブレース構造)とは異なり、引張力、圧縮力、剪断力の全てに対抗できる剛接構造(ラーメン構造)を構成し、荷重fに対して支持ボルト22を強固に支持する。
この際、請求項3に記載の本考案によれば、躯体壁21の室外側面から先端22bに至る支持ボルト22の突出長さをLとし、躯体壁21の室外側面に当接した脚部37の先端から筒体34の頂端の至る補強部材27の高さをHとし、断熱材23の厚さをTとしたとき、L>T>Hとなるように構成しているので、補強部材27のブレード体35が背の低い構成、即ち、肩部36と脚部37を含むブレード体35の全長が、上記従来技術の斜辺10cと比較して相当に短い構成とされるので、従来技術のような面外座屈を好適に防止する。
請求項4に記載の本考案によれば、補強部材は、3枚のブレード体を筒体の周方向に等間隔をあけて配置し、3枚のブレード体の脚部の先端を支持ボルトの周囲で躯体壁の室外側面に3点支持する。従って、もしも、支持ボルトの周囲で躯体壁の表面が粗面とされており、3本の脚部の先端に臨む表面が高低差を有する場合でも、補強部材を筒体により支持ボルトの軸回りに回動調整すれば、3本の脚部の先端の全てを躯体壁の表面に接支させることができる。
請求項5に記載の本考案によれば、補強部材は、筒体とブレード体を一体成形しており、金属素材によるダイキャスト成形、金属素材によるロストワックス成形、硬質合成樹脂素材による射出成形のうちの何れかにより一体成形されている。従って、従来技術のような板金と溶接により製作される補強部材に比して、高品質の補強部材を量産することが可能になる。
以下図面に基づいて本考案の好ましい実施形態を詳述する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本考案の「外断熱構造」は、建物の躯体壁21に支持ボルト22の基端22aを埋設しており、躯体壁21の室外側に断熱材23を敷設した後、該断熱材23の外側に支持具24と胴縁25を介して外装材26が取付けられる。
断熱材23は、図例の場合、ガラス繊維を主材とするグラスウールや、スラグ繊維を主材とするロックウールないしストーンウール、又はその他の繊維質材料により構成されているが、本考案において、断熱材23は、繊維質系のものに限らず、例えば板状の発泡材等のようなものを使用することも可能である。
支持ボルト22は補強部材27により補強されており、断熱材23を貫通した支持ボルト22の先端22bに固定ナット28、29を介して支持具24が固定されると共に、該支持具24にビス30を介して胴縁25が固定され、該胴縁25に外装材26が固着される。図例の場合、支持具24は、一端近傍部に貫設した長孔31により支持ボルト22の径方向に対する位置を調整自在とするように構成され、平均よりも強い風圧を受ける個所の支持金具24については、他端近傍部にナット32で固定される挿入ボルト33を断熱材23に貫通させ、該挿入ボルト33の先端を躯体壁21に当接しているが、本考案は、このような図例の構成に限定されるものでないことを諒解されたい。
補強部材27は、図2に示すように、支持ボルト22を挿通させる筒体34と、該筒体34の周方向に等間隔をあけて配置された3枚のブレード体35を一体に備えており、各ブレード体35は、筒体34から外方に向けて下向き傾斜するように延びる肩部36と、該肩部36から躯体壁21に向けて前記筒部34の軸線とほぼ平行に延びる脚部37を備えており、脚部37の先端には盤状の座部38を形成している。従って、ブレード体35は、肩部36と脚部37により外側に屈折した「L形」ないし「へ形」の形状となるように構成されている。そして、図1に示すように、躯体壁21の壁面から先端22bに至る支持ボルト22の突出長さをLとし、躯体壁21の壁面に当接した脚部37の座部38から筒体34の頂端の至る補強部材27の高さをHとし、断熱材23の厚さをTとすると、L>T>Hとなるように構成されており、更に、ブレード体35は、肩部36を筒体34の頂端よりも下方の部位から延設しているので、ブレード体35の高さは補強部材27の高さHよりも低くなるように形成されている。
それぞれのブレード体35は、外側縁に沿って該ブレード体35の肉厚を該外側縁に向けて次第に薄くする刃部を形成している。即ち、図例の場合、肩部36の外側縁に沿う刃部36aと脚部37の外側縁に沿う刃部37aを連続して形成しているが、本考案において、少なくとも肩部36の刃部36aを設けておけば良く、脚部37の刃部37aは必ずしも必須でない。
このように構成された補強部材27は、例えば亜鉛等の金属素材によるダイキャスト成形や、例えばステンレス等の金属素材によるロストワックス成形や、硬質の合成樹脂素材による射出成形の何れかにより、筒体34とブレード体35を備えた全体が一体成形されている。
そこで、第1実施形態に係る外断熱構造の施工例を説明すると、図3に示すように、躯体壁21から突出した支持ボルト22に補強部材27の筒体34を挿通させ、3枚のブレード35における脚部37の先端の座部38を躯体壁21の表面に接支させる。この際、もしも、支持ボルト22の周囲で躯体壁21の表面が粗面とされており、3本の脚部37の座部38に臨む躯体壁の表面が高低差を有する場合は、補強部材27の筒体34を支持ボルト22の軸回りに回動調整することにより、3本の脚部37の全ての座部38を躯体壁1の表面に接支させることができる。これにより、3本の脚部37が躯体壁21の表面に3点支持される。
この状態で、支持ボルト22の先端22bから螺挿された締結ナット39を筒体34に圧接しつつ締着することにより、補強部材27を支持ボルト22に一体化すると共に、支持ボルト22を躯体壁21に対して強固に3点支持する。尚、躯体壁21には多数の支持ボルト22が植設されているが、施工を行う躯体壁21の領域において全ての支持ボルト22に補強部材27を装着するのが好ましい。
次いで、補強部材27を含んで支持ボルト22を断熱材23に貫通させながら、該断熱材23を躯体壁21に向けて押し付けることにより敷設する。断熱材23を室外側から躯体壁21に向けて押し付けると、支持ボルト22の先端が断熱材23の綿状繊維を押し広げながら進入する。そこで、更に断熱材23を躯体壁21に向けて押し付けると、肩部36の刃部36aが断熱材23を切断しつつ切り込みにより切溝36bを形成しながら肩部36を断熱材23に進入させる。この際、肩部36の刃部36aは、筒体から下向きの傾斜角を有するので、断熱材に対する切れ味が良く、断熱材23の押し付け時の切断抵抗を軽減する。
切溝36bを形成しながら肩部36が断熱材23に進入した後も、断熱材23の押し付けを続けると、脚部37が引き続いて切溝36bに進入する。この際、図例のように脚部37に刃部37aを形成しておけば、先に肩部36の先端(肩部36と脚部37の屈折部分)の刃部36aで上手く切断できず切溝36bに残存した繊維質を該刃部37aで切断できるので、断熱材23の押し付け抵抗を軽減する。そして、断熱材23に補強部材27と支持ボルト22を貫通させた状態において、断熱材23は、復元することにより支持ボルト22と補強部材27を抱持するように充填され、また、支持ボルト22と脚部37の先端を除く全ての面で躯体壁21の壁面に好適に接触され、断熱効果を発揮できる。
このようにして断熱材23の敷設作業を終えた後、上述のように支持ボルト22の先端22bに支持具24を長孔31で位置調整しつつ取付けると共に挿入ボルト33により補強支持し、該支持具24に胴縁25を固着する。施工領域の全てに所定間隔をあけて胴縁25を固着した後、外装材26を取付けることにより、外断熱構造の施工を終了する。
施工完了した状態で、外装材26の荷重は、胴縁25及び支持具24を介してそれぞれの支持ボルト22に作用する。この際、補強部材27は、支持ボルト22に螺着した締結ナット39を筒体34に締着することにより該支持ボルト22と完全に一体化されているので、万一、支持具24の固定ナット28、29が弛んでも、支持ボルト22と補強部材27の相互に微動を許すことはない。従って、躯体壁21に対する補強部材27の3枚のブレード体35による強固な3点支持が可能であり、外装材26の荷重に耐える。
前述のように、ブレード体35は、刃部36aにより断熱材23を切断しつつ進入するので、肩部36及び脚部37を含むブレード体35の全体の肉厚を厚く形成することが可能であり、強度の高い補強部材27を提供することができる。
ところで、支持ボルト22に作用する外装材26の荷重fは、外側に屈折した「L形」ないし「へ形」のブレード体35を備えた補強部材27により強固に支持される。即ち、外側に屈折した肩部36と脚部37により、引張力、圧縮力、剪断力の全てに対抗する剛接構造(ラーメン構造)を構成しているので、荷重fに対して支持ボルト22を強固に支持する。しかも、上述のようなL>T>Hの構成により、ブレード体35が背の低いものとされ、脚部37を含むブレード体35の全長を比較的短く形成しているので、面外座屈を生じる虞れもない。
(第2実施形態)
図5は、本考案の第2実施形態を示している。補強部材27は、上記の第1実施形態と同様の構成及び方法で支持ボルト22に装着されている。
この第2実施形態において、支持ボルト22の先端22bには、穿孔手段41が設けられている。穿孔手段41は、円錐形又は角錐形のような尖鋭端を有しており、支持ボルト22の先端22b自体を尖鋭に形成することにより穿孔手段41を構成しても良いが、図例のように、支持ボルト22の先端22bに着脱自在に螺着される袋ナット状の部材により構成するのが好ましい。
そこで、穿孔手段41を支持ボルト22の先端22bに取付けた状態で、該断熱材23を躯体壁21に向けて押し付けると、穿孔手段41が断熱材23に貫通孔41aを形成しながら進入するので、補強部材27の筒体34を貫通孔41aに導入することにより、補強部材27を含んで支持ボルト22を断熱材23に貫通させることができる。尚、貫通後は、穿孔手段41を支持ボルト22から取外せば良い。従って、第1実施形態について説明したような繊維質の断熱材23に限らず、例えば板状の発泡材等のような断熱材23を使用するときに有利となる。
その他、補強部材27の構成や、支持ボルト22に外装材26を取付ける構成等は、図示省略しているが、上記の第1実施形態について説明したところと同様である。
本考案に係る外断熱構造の第1実施形態を示す縦断面図である。 本考案の外断熱構造を施工するために使用する補強部材の具体例を示す斜視図である。 第1実施形態における断熱材の敷設方法を示す縦断面図である。 敷設された断熱材と補強部材の関係を示す断面図である。 第2実施形態における断熱材の敷設方法を示す縦断面図である。 従来技術に係る外断熱構造を示す縦断面図である。 従来技術における断熱材の敷設方法を示す縦断面図である。
符号の説明
21 躯体壁
22 支持ボルト
22a 支持ボルトの基端
22b 支持ボルトの先端
23 断熱材
24 支持具
25 胴縁
26 外装材
27 補強部材
28、29 固定ナット
34 筒体
35 ブレード体
36 肩部
36a 刃部
36b 切溝
37 脚部
37a 刃部
38 座部
39 締結ナット

Claims (5)

  1. 躯体壁(21)の室外側において該躯体壁(21)と外装材(26)の間に断熱材(23)を介装した建築物の外断熱構造であり、躯体壁(21)に基端(22a)を埋設した支持ボルト(22)を補強部材(27)により補強すると共に、該補強部材(27)を含んで支持ボルト(22)を断熱材(23)に貫通させながら該断熱材(23)を躯体壁(21)の室外側面に押し付けることにより敷設し、該断熱材(23)の室外側に突出する支持ボルト(22)の先端(22b)に胴縁(25)を介して外装材(26)を取付ける構成において、
    前記補強部材(27)は、支持ボルト(22)を挿通させる筒体(34)と、該筒体(34)から外方に延びる肩部(36)と該肩部(36)から躯体壁(21)に向けて延びる脚部(37)を備えた複数のブレード体(35)を一体に備え、脚部(37)の先端を躯体壁(21)の壁面に当接した状態で、支持ボルト(22)の先端から螺挿された締結ナット(39)を筒体(34)に締着することにより固着されるように構成されており、
    更に、前記補強部材(27)は、少なくとも肩部(36)の外側縁に沿って、該肩部の肉厚を該外側縁に向けて次第に薄くする刃部(36a)を形成しており、断熱材(23)を躯体壁(21)の室外側面に向けて押し付けたとき該刃部(36a)が断熱材(23)を切断することにより肩部(36)を断熱材(23)に進入させるように構成して成ることを特徴とする建築物の外断熱構造。
  2. 補強部材(27)は、肩部(36)を筒体(34)から下向き傾斜するように配置すると共に、脚部(37)を筒体(34)の軸線とほぼ平行に配置して成ることを特徴とする請求項1に記載の建築物の外断熱構造。
  3. 躯体壁(21)の室外側面から先端(22b)に至る支持ボルト(22)の突出長さをLとし、躯体壁(21)の室外側面に当接した脚部(37)の先端から筒体(34)の頂端の至る補強部材(27)の高さをHとし、断熱材(23)の厚さをTとしたとき、L>T>Hとなるように構成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築物の外断熱構造。
  4. 補強部材(27)は、3枚のブレード体(35)を筒体(34)の周方向に等間隔をあけて配置し、3枚のブレード体(35)の脚部(37)の先端を支持ボルト(22)の周囲で躯体壁(21)の室外側面に3点支持するように構成して成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の建築物の外断熱構造。
  5. 補強部材(27)は、筒体(34)とブレード体(35)を、金属素材によるダイキャスト成形、金属素材によるロストワックス成形、硬質合成樹脂素材による射出成形のうちの何れかにより一体成形して成ることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の建築物の外断熱構造。
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