JP3120421B2 - 結晶化ガラス及びこれを成形してなる結晶化ガラス物品 - Google Patents
結晶化ガラス及びこれを成形してなる結晶化ガラス物品Info
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Description
を成形してなる結晶化ガラス物品に関するものである。
々の結晶によって非晶質のガラスには無いユニークな特
性を示す材料である。例えばβ−石英固溶体、β−スポ
ジュメン等の結晶を析出させると極めて低膨張の、或い
はマイナス膨張を示す結晶化ガラスが得られる。しかも
一般に結晶化ガラスは、これらの結晶の存在により、ガ
ラスに比べて高い機械的強度を有している。
化ガラスを、細棒状、細管状、薄板状等に精密加工し
て、電子部品、精密機械部品等の精密な寸法精度が要求
される製品分野に応用する試みがなされている。
る方法として、リドロー成形法と呼ばれる成形方法が知
られている。この方法は、適当な精度を有するように予
備成形されたガラス成形体を、ガラスの軟化点以上の温
度に加熱しながら延伸成形するというものであり、高精
度が要求されるガラス製品を連続的に製造する方法とし
て広く採用されている。
スと同様にリドロー成形することは以下の理由から困難
である。即ち、従来の結晶化ガラスは、耐熱性が高過ぎ
たり、加熱時に失透が生じて延伸が困難であったり、加
熱によって結晶量が変動して物性が大きく変化する等の
問題を有しているためである。そこで結晶化ガラスとな
る前のガラス、所謂原ガラスをリドロー成形することも
考えられたが、この種のガラスは加熱により結晶化し易
いように設計されているため、リドロー成形のために原
ガラスを加熱すると必然的に失透が発生し、寸法のみな
らず物性までも制御できなくなる。
は、セラミックスと同様の機械加工を余儀なくされ、非
常なコスト高になっているのが現状である。
で、リドロー成形が可能な結晶化ガラスと、これをリド
ロー成形してなる結晶化ガラス物品を提供することを目
的とする。
行った結果、結晶化ガラスがリドロー成形可能であるた
めには、加熱により軟化し易いこと、加熱しても結
晶相が安定しており、結晶量が増えたり、失透が生じた
りしないことの2点が重要であるとの知見を得、リドロ
ー成形可能な結晶化ガラス組成を特定した。
iO2 55〜72%、Al2 O316〜30%、Li2
O 1.5〜2.8%、K2 O 2.1〜10%、T
iO2 1.3〜5%、ZrO2 0〜4%、TiO2
+ZrO2 2〜9%、ZnO 1〜10%、MgO
0〜2.5%、CaO 0〜4%、BaO 0〜6%、
B2 O3 0〜7%、Na2 O 0〜4%、P2 O5
0〜0.9%、As2 O3 0〜3%、Sb2 O3 0
〜3%からなり、主結晶としてβ−石英固溶体又はβ−
スポジュメン固溶体を析出してなることを特徴とする。
ラス物品は、重量百分率でSiO255〜72%、Al2
O3 16〜30%、Li2 O 1.5〜2.8%、
K2 O 2.1〜10%、TiO2 1.3〜5%、Z
rO2 0〜4%、TiO2 +ZrO2 2〜9%、Z
nO 1〜10%、MgO 0〜2.5%、CaO0〜
4%、BaO 0〜6%、B2 O3 0〜7%、Na2
O 0〜4%、P2 O5 0〜0.9%、As2 O3
0〜3%、Sb2 O3 0〜3%からなり、主結晶とし
てβ−石英固溶体又はβ−スポジュメン固溶体を析出し
てなる結晶化ガラスの予備成形体を、軟化点以上の温度
に加熱しながら延伸成形してなることを特徴とする。
べる。
と共に結晶成分でもあり、その含有量は55〜72%、
好ましくは62〜68.5%である。SiO2 が55%
よりも少ないと均一な構造の結晶化ガラスが得られず、
72%よりも多いと結晶化ガラスの軟化点が高くなると
ともにガラス溶融時の溶融性が悪くなって不均一状態と
なるため、部分的に失透し易くなってリドロー成形性が
著しく低下する。
有量は16〜30%、好ましくは17〜24%である。
Al2 O3 が16%より少ないと結晶が粗大化する。こ
のためリドロー成形時の伸びが低下し、また結晶が表面
に突き出して失透物の発生要因となる。一方、30%よ
り多くなるとリドロー成形時に失透が発生しやすくな
る。
分であり、その含有量は1.5〜2.8%、好ましくは
1.8〜2.5%である。Li2 Oが1.5%よりも少
ないと均一な結晶化ガラスが得難く、2.8%より多く
なると結晶性が強くなり過ぎる。このため析出結晶量が
多過ぎてガラス相の割合が不充分になり軟化し難くなっ
たり、リドロー成形の過程で結晶化が進行し易くなる。
で、ガラス相の割合と軟化点に重要な影響を及ぼすもの
であり、その含有量は2.1〜10%、好ましくは2.
5〜7%である。K2 Oが2.1%未満であると結晶性
が強くなりすぎてガラス相の割合が不充分になったり、
リドロー成形時に結晶化が進行し易くなる。また結晶化
ガラスの軟化点が高くなる。一方、10%を越えると結
晶化ガラスとなり難くなる。
用する成分であり、その含有量は1.3〜5%、好まし
くは1.5〜4.5%である。TiO2 が1.3%より
少ないと結晶が粗大化してリドロー成形が困難になり、
5%より多いと異種結晶が多量に析出して所望の特性が
得られなくなる。
て作用する成分であり、その含有量は0〜4%、好まし
くは0.5〜3%である。ZrO2 が4%より多いとガ
ラスの溶融が困難になる。
%、好ましくは3〜6%である。両者の合量が2%より
も少ないと緻密な結晶が得難くなり、9%を越えるとガ
ラスが不均一になり易い。
る成分であり、その含有量は1〜10%、好ましくは2
〜6%である。ZnOが1%より少ないと結晶化ガラス
の軟化点が高くなり易く、10%より多いと結晶相の安
定性が低下する。
るとともに結晶を構成する成分であり、その含有量は0
〜2.5%、好ましくは0〜2%である。MgOが2.
5%より多いと結晶性が強くなり過ぎる。
る成分であり、その含有量は0〜4%、好ましくは0〜
2%である。CaOが4%より多いと異種結晶が多量に
析出する。
る成分であり、その含有量は0〜6%、好ましくは0〜
3%である。BaOが6%より多いと異種結晶が多量に
析出する。
せる成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0
〜4%である。B2 O3 が7%より多いと異種結晶が多
量に析出する。
であり、その含有量は0〜4%、好ましくは0〜2%で
ある。Na2 Oが4%より多いと異種結晶が多量に析出
する。
その含有量は0〜0.9%、好ましくは0〜0.7%で
ある。P2 O3 が0.9%より多くなると失透性が強く
なる。
それぞれ3%まで、好ましくはそれぞれ1.5%まで含
有させることができる。
範囲でSnO2 、PbO、Bi2 O3 等を加えることも
できる。
としてβ−石英固溶体又はβ−スポジュメン固溶体を析
出してなる低膨張結晶化ガラスである。なお析出結晶は
これら2種に限られるものではなく、所望の特性を損な
わなければガーナイト等の異種結晶が析出していても差
し支えない。
説明する。
成形されてなるものである。
%、Al2 O3 16〜30%、Li2 O 1.5〜
2.8%、K2 O 2.1〜10%、TiO2 1.3
〜5%、ZrO2 0〜4%、TiO2 +ZrO2 2
〜9%、ZnO 1〜10%、MgO 0〜2.5%、
CaO 0〜4%、BaO 0〜6%、B2 O3 0〜
7%、Na2 O 0〜4%、P2 O5 0〜0.9%、
As2 O3 0〜3%、Sb2 O3 0〜3%からな
り、主結晶としてβ−石英固溶体又はβ−スポジュメン
固溶体を析出してなる結晶化ガラスの予備成形体を用意
する。予備成形体は、予め結晶化させた結晶化ガラスを
所望の形状に成形してなるもの、又は結晶化ガラスの原
ガラスを所望の形状に成形した後、結晶化させてなるも
のの何れを使用してもよい。なお結晶化ガラスの好適な
組成範囲は重量百分率でSiO2 62〜68.5%、
Al2 O3 17〜24%、Li2 O 1.8〜2.5
%、K2 O 2.5〜7%、TiO2 1.5〜4.5
%、ZrO2 0.5〜3%、TiO2 +ZrO2 3
〜6%、ZnO 2〜6%、MgO 0〜2%、CaO
0〜2%、BaO 0〜3%、B2 O3 0〜4%、N
a2 O 0〜2%、P2 O5 0〜0.7%、As2 O
3 0〜1.5%、Sb2 O3 0〜1.5%である。
以上の温度に加熱しながら延伸成形し、さらに必要に応
じて切断等の後加工を施すことによって、本発明の結晶
化ガラス物品となる。
5)、表2は比較例(試料No.6、7)をそれぞれ示
している。
ス原料をガラス溶解窯に投入し、1650℃にて24時
間溶融した後、直径50mm、長さ500mmの円柱状
に鋳込んだ。次いでこれらのガラスを電気炉で加熱して
結晶化させた。なお結晶化は、表1及び表2に示す核形
成温度及び結晶成長温度で各々4時間加熱することによ
り行った。
ツールで研削して真円度を整え、直径400mmの予備
成形体とした。続いて図1に示すように、環状電気炉1
の上部から5mm/分の速度で予備成形体Gを連続的に
送り込み、軟化変形して下方に伸びた成形体の下端をロ
ーラー2に挟んで、直径2.5mmの細棒となるように
1280mm/分の速度で延伸し、成形性を評価した。
なお図中、gは成形された結晶化ガラス物品を示してい
る。またリドロー成形は表3及び表4に示した温度で行
った。各試料の評価結果を表3及び表4に示す。
あるNo.1〜5の各試料は、何れも良好な成形性を示
した。これに対して、比較例であるNo.6の試料は軟
化変形が不充分で延伸することができなかった。また試
料No.7は結晶粒子が粗大であり、延伸中にガラスが
切断し、また失透が著しかった。
(XRD)によって特定した。またリドロー成形性(伸
び、失透物の有無)は次のようにして評価した。伸びに
ついては、リドロー成形中に切断が生じなかったものを
良、切断したもの及び全く伸びなかったものを不良とし
た。失透物については成形後の試料の表面を目視で観察
し、失透物が認められなかったものを無、認められたも
のを有とした。
は、リドロー成形が可能であるために殆ど機械加工を行
う必要がない。このため高精度の成形品を安価で提供す
ることが可能であり、電子部品、精密機械部品等の分野
へ応用することができる。
度が高く、しかも安価に供給されるため、電子部品、精
密機械部品等に好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量百分率でSiO2 55〜72%、
Al2 O3 16〜30%、Li2 O 1.5〜2.8
%、K2 O 2.1〜10%、TiO2 1.3〜5
%、ZrO2 0〜4%、TiO2 +ZrO2 2〜9
%、ZnO 1〜10%、MgO 0〜2.5%、Ca
O 0〜4%、BaO 0〜6%、B2O3 0〜7
%、Na2 O 0〜4%、P2 O5 0〜0.9%、A
s2 O30〜3%、Sb2 O3 0〜3%からなり、主
結晶としてβ−石英固溶体又はβ−スポジュメン固溶体
を析出してなることを特徴とする結晶化ガラス。 - 【請求項2】 重量百分率でSiO2 55〜72%、
Al2 O3 16〜30%、Li2 O 1.5〜2.8
%、K2 O 2.1〜10%、TiO2 1.3〜5
%、ZrO2 0〜4%、TiO2 +ZrO2 2〜9
%、ZnO 1〜10%、MgO 0〜2.5%、Ca
O 0〜4%、BaO 0〜6%、B2O3 0〜7
%、Na2 O 0〜4%、P2 O5 0〜0.9%、A
s2 O30〜3%、Sb2 O3 0〜3%からなり、主
結晶としてβ−石英固溶体又はβ−スポジュメン固溶体
を析出してなる結晶化ガラスの予備成形体を、軟化点以
上の温度に加熱しながら延伸成形してなることを特徴と
するリドロー成形された結晶化ガラス物品。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07354419A JP3120421B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 結晶化ガラス及びこれを成形してなる結晶化ガラス物品 |
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CA002233231A CA2233231C (en) | 1995-09-26 | 1996-09-25 | Crystallizable glass, crystallized glass, crystallized glass article, and method of manufacturing the crystallized glass article |
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US09/043,608 US6060412A (en) | 1995-09-26 | 1996-09-25 | Crystalline glass, crystallized glass, crystallized glass article, and process for producing crystallized glass article |
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JPH09183629A JPH09183629A (ja) | 1997-07-15 |
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JP07354419A Expired - Fee Related JP3120421B2 (ja) | 1995-09-26 | 1995-12-28 | 結晶化ガラス及びこれを成形してなる結晶化ガラス物品 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7319934B2 (ja) | 2020-02-14 | 2023-08-02 | 株式会社アルビオン | 包装体及び包装体形成用ブランク |
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1995
- 1995-12-28 JP JP07354419A patent/JP3120421B2/ja not_active Expired - Fee Related
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