JP3120280B2 - 機械化学的研摩方法及びその装置 - Google Patents

機械化学的研摩方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェーハ(半導体
基板)の平坦化のための研摩方式に関するもので、特
に、機械化学的研摩装置において研摩に使用する研摩布
を、特性が異なる様々な種類に選択的に若しくは連続的
に使用することにより、被研摩物質の種類に対して適切
な研摩工程を進行することができ、若しくは研摩特性の
向上に適合させるための、機械化学的研摩方法及びその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、半導体素子の高集積化の傾向
によって、ウェーハ上に多層を積層する工程を通し、限
定された領域に、要望される素子を製造することによっ
て、工程を遂行するための表面の平坦化が、工程上の収
率を増加させる主なパラメータとして作用した。
【0003】それによって、ウェーハの平坦化のために
使用される代表的な方式が、機械化学的研摩(Chemical
Mechanical Polishing ;以下、CMPと称する)によ
る平坦化方式であるが、CMP装置は、キャリアにより
ウェーハを保持し、このウェーハを、研摩板(研摩テー
ブル)の上部に載せた研摩布に圧力を加えながら接触さ
せて、摩擦により研摩を行わせ、この時、研摩布に研摩
液を供給して、容易に研摩されるようになっている。
【0004】上述したごとくCMP装置は、研摩均一度
と研摩率等の向上のために、装置の構造改善と研摩方法
の変化が行われてきたが、実質的に前記の目的を達成す
るに最も重要なパラメータは、ウェーハと接触する研摩
布の構造である。以上のような理由のため、従来の研摩
布に関して、図3を参照して説明すると下記のとおりで
ある。
【0005】図3は、機械化学的研摩装置に使用される
従来の研摩布の断面構造図であり、米国特許第5,21
2,910号では、複合特性を有する物質を積層した形
態の複合研摩布を使用する、研摩布の構造及び研摩方法
に関する技術を示している。従来の研摩布の断面構造を
調べて見ると、研摩板(研摩テーブル)10の上部に
は、研摩布11が載せられており、この研摩布11は下
記のように多くの部分に分けられている。
【0006】すなわち、研摩布11は、スポンジ等の弾
性力を有する物質からなる第1層20と、この第1層2
0の上部に任意の空間29を有して分割されている固い
物質からなる第2層22と、この第2層22の上部の固
い物質からなるが研摩液の移動が行われるように構成さ
れた第3層23と、から構成されている。上記のように
構成された研摩布11を使用したウェーハの研摩工程を
調べて見ると、研摩板10の回転によって、ウェーハと
研摩布11の第3層23間に摩擦が行われ、同時に任意
の研摩液が、前記第3層23の構造的な特徴によって研
摩されるウェーハの表面に供給されつつ、研摩が進行す
るようになる。
【0007】しかし、上述したように動作する従来の研
摩方式では、ウェーハに接触される研摩布の部位が、1
種類の物質特性のみを有するようになることにより、研
摩特性の改善に限界があった。また、ウェーハに形成さ
れている膜が、研摩が進行することによって変化する場
合も、1つの特性を有する研摩布を使用するようになる
ので、ウェーハ上の様々な物質を研摩するのに適切でな
かった。
【0008】このような不適合性を克服するためには、
すなわち被研摩物質の種類により、それに合う研摩工程
を進行するためには、研摩工程の途中で研摩布を交換し
なければならず、これによって発生する作業の繁雑さ
と、作業効率の低下とが問題点として提示された。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した問題点を解消
するための本発明の目的は、機械化学的研摩装置におい
て研摩に使用する研摩布を、特性が異なる様々な種類に
選択的に若しくは連続的に使用することにより、被研摩
物質の種類に対して適切な研摩工程が進行可能で、また
研摩特性の向上に適当な機械化学的研摩方法及びその装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの本発明の特徴は、回転可能な研摩板と該研摩板上に
付着される研摩布とを備える一方、研摩対象のウェーハ
を保持し該ウェーハを研摩布に接触させつつ回転させる
キャリアを備える機械化学的研摩装置による研摩方法に
おいて、前記研摩板上に、前記研摩布として、2種類以
上、複数枚の研摩布片を、研摩度若しくは堅度によって
配列・付着する第1段階と、前記第1段階で研摩板上に
付着した研摩布片に、前記キャリアによりウェーハを回
転させつつ接触させて研摩する第2段階と、を含み、前
記第2段階を遂行する時に、研摩対象物質の性質に合わ
せ、不必要な研摩布片を支持している研摩板の部位を下
降させて、不必要な研摩布片が他の研摩布片が維持して
いる均一な高さに比して低くなるようにする段階を更に
含むことにある。
【0011】前記の目的を達成するための本発明の他の
特徴は、回転可能な研摩板と該研摩板上に付着される研
摩布とを備える一方、研摩対象のウェーハを保持し該ウ
ェーハを研摩布に接触させつつ回転させるキャリアを備
える機械化学的研摩装置において、前記研摩布は、複数
枚の研摩布片に分割されていて、各研摩布片に研摩度若
しくは堅度の異なる2種類以上の研摩布を用い、また、
前記研摩板は、前記複数枚の研摩布片に対応して複数個
の区域に分離されて、それぞれが別個の個体から構成さ
れると共に、各個体を上下動させて各区域の高さをそれ
ぞれ調整することができるスライダーを備えることにあ
る。
【0012】ここで、前記研摩板に付着された各研摩布
片の間には、研摩され汚染された物質が、容易にウェー
ハの表面から除去され得るように、小溝を付加的に備え
るとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例を示す
機械化学的研摩装置の平面図、図2は図1のb−b’
面図である。回転可能な研摩板(研摩テーブル)30が
あり、その上部には研摩布32が載せられている。
【0014】また、研摩板30の円周上の一位置におけ
る研摩布32の上方にはキャリア34があり、このキャ
リア34には、ウェーハ1を保持して回転可能なキャリ
アヘッド35が備えられ、ウェーハ1を回転させつつ研
摩布32に圧力を加えながら接触させて研摩を行わせる
ことができるようになっている。ここで、研摩布32は
複数枚の扇形の研摩布片32a,32b,・・・に分離
されており、各研摩布片には研摩度若しくは堅度の異な
る2種類以上の研摩布が用いられる。具体的には、2種
類の特性の研摩布片を交互に反復的に配置したり、多種
類の特性の研摩布片を連続的に配置したりする。
【0015】すなわち、前記研摩布32として、研摩対
象のウェーハ1の特性に従って、2種類以上、複数枚の
研摩布片を選択し、この後、前記研摩板30上に、選択
された2種類以上、複数枚の研摩布片を、研摩度若しく
は堅度によって配列・付着する。各研摩布片は均一な高
さを有するようにする。尚、前記選択段階は、ウェーハ
研摩のための複数種類の研摩布片を研摩度によって分離
する段階と、ウェーハの研摩のための複数種類の研摩布
片を堅度によって分離する段階と、両段階を通して分離
した研摩布片を研摩対象のウェーハの特性によって選択
する段階とに分けることもできる。
【0016】また、前記研摩板30に付着された各研摩
布片32a,32b,・・・の間には、研摩され汚染さ
れた物質が、容易にウェーハ1の表面から除去され得る
ように、小溝36を付加的に備えるとよい。更に、前記
研摩板30は、複数枚の研摩布片32a,32b,・・
・に対応し て複数個の区域に分離されて、それぞれが別
個の個体から構成されると共に、各個体を上下動させて
各区域の高さをそれぞれ調整することができるスライダ
ー40を備えている。
【0017】次に作用を説明する。回転可能な研摩板3
0の上部に様々な種類の研摩布片からなる研摩布32が
あり、この研摩布32の上方には、ウェーハ1を保持し
ているキャリアヘッド35があるので、このキャリアヘ
ッド35が回転することによって、ウェーハ1は研摩布
32と摩擦されつつ研摩され、また、研摩布32に供給
される研摩液が、ウェーハ1の表面を容易に研摩され得
るようにする。
【0018】このとき、前記研摩布32は多くの研摩布
片に分けられており、各研摩布片の間には、小溝36が
備えられているので、この小溝36を通じて、研摩され
汚染された物質が、容易にウェーハ1の表面から除去さ
れることによって、均一できれいに研摩され得るように
なる。また、多くの研摩布片は、相互に連続的である
か、異なる特性を有する物質からなっているので、下記
のような方法で研摩特性を向上させることができる。
【0019】第1に、研摩度を異ならせ、研摩布の表面
が荒い状態からきれいな状態に、連続的に若しくは反復
的に配列することによって、研摩率を高めると同時に研
摩均一度を向上させることができるようになる。第2
に、堅度を異ならせ、研摩布を堅い物質とやわらかい物
質とに連続的に若しくは反復的に配列することによっ
て、研摩均一度と平坦度とを同時に向上させることがで
きるようになる。
【0020】更に、前記研摩板30は、複数枚の研摩布
片32a,32b,・・・に対応して複数個の区域に分
離されて、それぞれが別個の個体から構成されると共
に、各個体を上下動させて各区域の高さをそれぞれ調整
することができるスライダー40を備えているため、次
のようにすることができる。
【0021】研摩を行う際に、不必要な研摩布片を支持
している研摩板30の部位(図2中30’)を下降させ
て、不必要な研摩布片が他の研摩布片が維持している均
一な高さに比して低くなるようにすることができ、これ
により、不必要な研摩布片を研摩工程から除外すること
ができる。よって、研摩対象物質の性質に合うように、
研摩布の物質を選択的に使用することができて、研摩特
性を向上させることができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による機械
化学的研摩方法及びその装置によれば、研摩に使用する
研摩布を、特性が異なる様々な種類に選択的に若しくは
連続的に使用することにより、被研摩物質の種類に対し
て適切な研摩工程が進行可能で、研摩特性の向上に寄与
することができるという効果が得られる。更に、不必要
な研摩布片を除外するように移動させることで、研摩対
象物質の性質に合うように、研摩布の物質を選択的に使
用することができて、研摩特性を向上させることができ
る。
【0023】また、各研摩布片間に小溝を設けること
で、研摩され汚染された物質が、容易にウェーハの表面
から除去されることによって、均一できれいに研摩され
得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す機械化学的研摩装置
の平面図
【図2】 図1のb−b’断面図
【図3】 機械化学的研摩装置に使用される従来の研摩
布の断面構造図
【符号の説明】
1 ウェーハ 30 研摩板 32 研摩布 32a,32b,・・・ 研摩布片 34 キャリア 35 キャリアヘッド 36 小溝 40 スライダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−172064(JP,A) 特開 昭61−226272(JP,A) 特開 平8−229805(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 622 B24B 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能な研摩板と該研摩板上に付着され
    る研摩布とを備える一方、研摩対象のウェーハを保持し
    該ウェーハを研摩布に接触させつつ回転させるキャリア
    を備える機械化学的研摩装置による研摩方法において、前記研摩板上に、前記研摩布として、 2種類以上、複数
    枚の研摩布片を、研摩度若しくは堅度によって配列・付
    着する第1段階と、 前記第1段階で研摩板上に付着した研摩布片に、前記キ
    ャリアによりウェーハを回転させつつ接触させて研摩す
    第2段階と、を含み、 前記第2段階を遂行する時に、研摩対象物質の性質に合
    わせ、不必要な研摩布片を支持している研摩板の部位を
    下降させて、不必要な研摩布片が他の研摩布片が維持し
    ている均一な高さに比して低くなるようにする段階を更
    に含む ことを特徴とする機械化学的研摩方法。
  2. 【請求項2】回転可能な研摩板と該研摩板上に付着され
    る研摩布とを備える一方、研摩対象のウェーハを保持し
    該ウェーハを研摩布に接触させつつ回転させるキャリア
    を備える機械化学的研摩装置において、 前記研摩布は、複数枚の研摩布片に分割されていて、各
    研摩布片に研摩度若しくは堅度の異なる2種類以上の研
    摩布を用い、 前記研摩板は、前記複数枚の研摩布片に対応して複数個
    の区域に分離されて、それぞれが別個の個体から構成さ
    れると共に、各個体を上下動させて各区域の高さをそれ
    ぞれ調整することができるスライダーを備える ことを特
    徴とする機械化学的研摩装置。
  3. 【請求項3】前記研摩板に付着された各研摩布片の間に
    は、研摩され汚染された物質が、容易にウェーハの表面
    から除去され得るように、小溝を付加的に備えることを
    特徴とする請求項2記載の機械化学的研摩装置。
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