JP3120037B2 - 水酸基含有ビニル化合物の安定化方法並びに水酸基含有ビニル化合物を含む組成物 - Google Patents

水酸基含有ビニル化合物の安定化方法並びに水酸基含有ビニル化合物を含む組成物

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JP3120037B2 JP08221491A JP22149196A JP3120037B2 JP 3120037 B2 JP3120037 B2 JP 3120037B2 JP 08221491 A JP08221491 A JP 08221491A JP 22149196 A JP22149196 A JP 22149196A JP 3120037 B2 JP3120037 B2 JP 3120037B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸基含有ビニル
化合物の安定化方法、並びに、水酸基含有ビニル化合物
を含む組成物に関するものである。より詳しくは、例え
ば貯蔵時や輸送時、製造時等における水酸基含有ビニル
化合物の変質を防止することにより、該水酸基含有ビニ
ル化合物の安定性を向上させる安定化方法、並びに、水
酸基含有ビニル化合物の安定性が向上された組成物に関
するものである。
【0002】上記の水酸基含有ビニル化合物は該水酸基
が活性であり、耐熱性を備えた活性水酸基含有重合体の
製造に供される単量体;高屈折率を有する光学材料の製
造原料;塗料、接着剤、洗剤用ビルダー、木材改質剤等
の各種化学製品の製造原料;抗癌剤、抗ウイルス剤等の
医薬品の中間体等として広範囲に用いられる有用な化合
物である。
【0003】
【従来の技術】水酸基含有ビニル化合物は、活性な水酸
基を有している単量体であり、熱に対して不安定なた
め、室温以上に加熱するだけで簡単に熱重合する。即
ち、水酸基含有ビニル化合物は、室温以上に加熱すると
該水酸基含有ビニル化合物のオリゴマーを生成し、さら
に加熱を続けると無色透明のガラス状の高分子量化合物
(重合物)となる。特に、高純度の水酸基含有ビニル化
合物は、室温での貯蔵時においても、該水酸基の反応性
に基づく重合反応を起こして高沸点の不純物を生成す
る。つまり、水酸基含有ビニル化合物は、室温で長期間
貯蔵すると、不純物を生成し、徐々に品質低下を引き起
こす。
【0004】例えば、本願発明者等は、水酸基含有ビニ
ル化合物であるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エ
ステル類の安定性について種々検討した結果、以下に示
すような知見を得た。即ち、α−(ヒドロキシメチル)
アクリル酸エステル類は、高活性なメチロール基および
二重結合を有している。このため、高純度のα−(ヒド
ロキシメチル)アクリル酸エステル類を室温で長期間貯
蔵すると、該α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エス
テル類のオリゴマーや、メチロール基が二重結合にマイ
ケル付加反応して生成したと推察される不純物、構造が
不明な不純物を徐々に生成することが判った。つまり、
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル類を室温
で長期間貯蔵すると、不純物を生成し、該α−(ヒドロ
キシメチル)アクリル酸エステル類の純度が低下すると
いう知見を得た。
【0005】一方、従来より、熱に対して不安定な化合
物の安定性を向上させる方法として、該化合物に、p−
メトキシフェノール、ハイドロキノン、フェノチアジ
ン、p−t−ブチルカテコール等の重合禁止剤を安定化
剤として添加することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱に対
して不安定な化合物に安定化剤を添加する上記従来の安
定化方法では、以下に示すような問題点を有している。
即ち、上記の安定化剤は、主に、ビニル基の熱安定性を
向上させるために使用される。従って、熱に対して不安
定な化合物が官能基としてビニル基のみを有している場
合には、その安定化効果が充分に発揮されるものの、該
化合物がビニル基以外の官能基を有している場合には、
安定化効果が充分に発揮されない。つまり、上記の安定
化剤は、その安定化効果が該化合物の構造によって左右
される。このため、上記従来の安定化方法では、安定化
剤を多量に添加したとしても、水酸基含有ビニル化合物
に対する安定化効果が充分に得られるとは言い難い。ま
た、例えば、安定化剤を多量に添加すると、水酸基含有
ビニル化合物の反応性が損なわれるという問題点も招来
する。それゆえ、水酸基含有ビニル化合物に対して好適
な安定化方法が求められている。尚、安定化剤としてハ
イドロキノンを多量に添加すると、経時変化によって化
合物が着色する。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、水酸基含有ビニル化合物の
反応性を損なうことなく、例えば貯蔵時や輸送時、製造
時等における該水酸基含有ビニル化合物の変質を防止す
ることにより、その安定性を向上させることができる安
定化方法を提供することにある。また、他の目的は、水
酸基含有ビニル化合物の安定性が向上された組成物を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
目的を達成すべく、水酸基含有ビニル化合物の安定化方
法、並びに、水酸基含有ビニル化合物の安定性が向上さ
れた組成物について鋭意検討した。その結果、水酸基含
有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、アルコールおよ
び/または水とを共存させることにより、或いは、水酸
基含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、有機酸とを
共存させることにより、水酸基含有ビニル化合物の反応
性を損なうことなく、例えば貯蔵時や輸送時、製造時等
における該水酸基含有ビニル化合物の変質を防止するこ
とができ、これにより、水酸基含有ビニル化合物の安定
性を向上させることができることを見い出し、本発明を
完成させるに至った。
【0009】即ち、請求項1記載の発明の水酸基含有ビ
ニル化合物の安定化方法は、上記の課題を解決するため
に、一般式(1)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、Rは水素原子、炭素数1〜18の
アルキル基、アリール基、または複素環基を表し、Xは
−CN基、−COR0 基または−COOR0 基を表し、
かつ、上記R0 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基、
炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、− (CH 2 ) m
1 2 基、− (CH 2 ) m + 1 2 3 ・M - 基、
または− (C 2 4 O) n 4 基を表し、上記R 1 、R
2 、R 3 で示される置換基は、それぞれ独立して炭素数
1〜8の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキル基を表
し、mは、2〜5の整数であり、M - で示される陰イオ
ンは、Cl - 、Br - 、CH 3 COO - 、HCOO -
SO 4 2- 、またはPO 4 3- を表し、上記R 4 で示される
置換基は、炭素数1〜18の直鎖状または枝分かれ鎖状
のアルキル基を表し、nは、1〜80の整数である)で
示される水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤
と、アルコールおよび/または水とを共存させることを
特徴としている。
【0012】請求項2記載の発明の水酸基含有ビニル化
合物の安定化方法は、上記の課題を解決するために、請
求項1記載の水酸基含有ビニル化合物の安定化方法にお
いて、アルコールおよび/または水を、水酸基含有ビニ
ル化合物に対して、50ppm以上共存させることを特
徴としている。
【0013】また、請求項3記載の発明の水酸基含有ビ
ニル化合物の安定化方法は、上記の課題を解決するため
に、前記一般式(1)で示される水酸基含有ビニル化合
物と、一次酸化防止剤と、有機酸とを共存させることを
特徴としている。
【0014】請求項4記載の発明の水酸基含有ビニル化
合物の安定化方法は、上記の課題を解決するために、請
求項3記載の水酸基含有ビニル化合物の安定化方法にお
いて、有機酸を、水酸基含有ビニル化合物に対して、1
0ppm以上共存させることを特徴としている。
【0015】上記の方法によれば、水酸基含有ビニル化
合物の反応性を損なうことなく、例えば貯蔵時や輸送
時、製造時等における該水酸基含有ビニル化合物の変質
を防止することができる。これにより、水酸基含有ビニ
ル化合物の安定性を向上させることができる。また、上
記の安定化方法は、水酸基含有ビニル化合物の反応性に
対して悪影響を及ぼさないので、例えば使用時に水酸基
含有ビニル化合物を精製する必要が無く、工業的に価値
が高い。
【0016】また、請求項5記載の発明の水酸基含有ビ
ニル化合物を含む組成物は、上記の課題を解決するため
に、前記一般式(1)で示される水酸基含有ビニル化合
物と、一次酸化防止剤と、アルコールおよび/または水
とを含むことを特徴としている。
【0017】請求項6記載の発明の水酸基含有ビニル化
合物を含む組成物は、上記の課題を解決するために、前
記一般式(1)で示される水酸基含有ビニル化合物と、
一次酸化防止剤と、有機酸とを含むことを特徴としてい
る。
【0018】上記の構成によれば、安定性が向上された
水酸基含有ビニル化合物を提供することができる。ま
た、上記の組成物は、水酸基含有ビニル化合物の誘導体
または重合体を製造する際に、該水酸基含有ビニル化合
物の副反応を抑制することができる。即ち、上記の組成
物は、水酸基含有ビニル化合物の反応性に対して悪影響
を及ぼさないので、例えば使用時に水酸基含有ビニル化
合物を精製する必要が無く、工業的に価値が高い。
【0019】さらに、請求項7記載の発明の水酸基含有
ビニル化合物を含む組成物は、上記の課題を解決するた
めに、請求項5または6記載の水酸基含有ビニル化合物
を含む組成物において、上記水酸基含有ビニル化合物
が、アクリル酸エステル系化合物であることを特徴とし
ている。
【0020】上記の構成によれば、安定性が向上された
アクリル酸エステル系化合物を提供することができる。
また、請求項8記載の発明の水酸基含有ビニル化合物の
安定化方法および請求項10記載の発明の水酸基含有ビ
ニル化合物を含む組成物は、上記の課題を解決するため
に、上記一次酸化防止剤が、置換フェノール、置換カテ
コール、置換ハイドロキノン、置換レゾルシンから選ば
れることを特徴としている。また、請求項9記載の発明
の水酸基含有ビニル化合物の安定化方法および請求項1
1記載の発明の水酸基含有ビニル化合物を含む組成物
は、上記の課題を解決するために、上記一次酸化防止剤
が、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−エチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノー
ル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,
2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−
6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビ
ス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、
3,3−ビス−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)エチレンエステル、テトラキス〔メチレン−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕メタン、トリエチレングリコール−ビ
ス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル
−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
ンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕;p−t−
ブチルカテコール;2−メチルハイドロキノン、2−t
−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン;
フェノチアジン;アクリル酸−〔2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5− メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニル〕、アクリル酸−〔2−{1
−(2−ヒドロキシ−3,5−ジペンチルフェニル)エ
チル}−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル〕から選ば
れる少なくとも1種であることを特徴としている。
【0021】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おける前記一般式(1)で示される水酸基含有ビニル化
合物、つまり、安定化されるべき水酸基含有ビニル化合
物は、例えば、一般式(2)
【0022】
【化6】
【0023】(式中、Xは−CN基、−COR0 基また
は−COOR0 基を表し、かつ、上記R0 後述するよ
うな置換基を表す)で示されるビニル化合物と、アルデ
ヒド系化合物とを反応させることにより容易に得られ
る。尚、水酸基含有ビニル化合物の製造方法は、特に限
定されるものではない。
【0024】上記一般式(2)で示されるビニル化合物
は、式中、Xで示される置換基が−CN基、−COR0
基または−COOR0 基で構成され、かつ、上記R0
示される置換基が水素原子または有機残基である化合物
である。つまり、上記のビニル化合物としては、Xで示
される置換基が−CN基であるアクリロニトリル、−C
OR0 基であるアルキルビニルケトン、−COOR0
であるアクリル酸エステルが挙げられる。そして、これ
ら化合物のうち、アクリル酸エステルがより好ましい。
【0025】上記R0 で示される置換基とは、具体的に
は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3
〜10のシクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜8
のヒドロキシアルキル基、− (CH2)m NR1 2 基、
− (CH2)m + 1 2 3 ・M- 基、または− (C
2 4 O) n 4 基を示す。さらに、上記R1 、R2
3 で示される置換基は、それぞれ独立して炭素数1〜
8の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキル基を表し、m
は、2〜5の整数であり、M- で示される陰イオンは、
Cl- 、Br- 、CH3 COO- 、HCOO- 、SO4
2- 、またはPO4 3- を表す。また、上記R4 で示され
る置換基は、炭素数1〜18の直鎖状または枝分かれ鎖
状のアルキル基を表し、nは、1〜80の整数である。
【0026】上記のアルキルビニルケトンとしては、具
体的には、例えば、メチルビニルケトン、エチルビニル
ケトン、イソプロピルビニルケトン、ブチルビニルケト
ン、シクロヘキシルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン、アクロレイン等が挙げられる。これらアルキルビニ
ルケトンのうち、メチルビニルケトン、およびイソプロ
ピルビニルケトンが特に好適である。
【0027】上記のアクリル酸エステルとしては、具体
的には、(a)R0 で示される置換基が水素原子である
アクリル酸; (b)R0 で示される置換基が炭素数1〜18のアルキ
ル基であるアクリル酸アルキル:例えば、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、
アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリ
ル酸−n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸ステアリル等; (c)R0 で示される置換基が炭素数3〜10のシクロ
アルキル基であるアクリル酸シクロアルキル:例えば、
アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル
等; (d)R0 で示される置換基がアリール基であるアクリ
ル酸アリール:例えば、アクリル酸フェニル、アクリル
酸−o−メトキシフェニル、アクリル酸−p−メトキシ
フェニル、アクリル酸−p−ニトロフェニル、アクリル
酸−o−メチルフェニル、アクリル酸−p−メチルフェ
ニル、アクリル酸−p−t−ブチルフェニル等; (e)R0 で示される置換基が炭素数1〜8のヒドロキ
シアルキル基であるアクリル酸ヒドロキシアルキル:例
えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−ヒドロキ
シプロピル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等; (f)R0 で示される置換基が− (CH2)m NR1 2
基であるアクリル酸アミノアルキル:例えば、アクリル
酸−N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸−N,
N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸−N,N−ジメ
チルアミノプロピル、アクリル酸−N,N−ジエチルア
ミノプロピル、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノブ
チル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノブチル、ア
クリル酸−N,N−ジメチルアミノネオペンチル、アク
リル酸−N,N−ジエチルアミノネオペンチル等; (g)R0 で示される置換基が− (CH2)m + 1
2 3 ・M- 基であるアクリル酸アミノアルキルの第4
アンモニウム化合物:例えば、アクリル酸−N,N−ジ
アルキルアミノアルキルの第4アンモニウム化合物等; (h)R0 で示される置換基が− (C2 4 O) n 4
基であるアクリル酸エステル:例えば、アクリル酸メト
キシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ラ
ウリルオキシトリオキシエチル、nが1〜80,好まし
くは3〜30のアクリル酸メトキシポリオキシエチレン
等;が挙げられる。
【0028】これらアクリル酸エステルのうち、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−2
−ヒドロキシエチル、および、アクリル酸−2−ヒドロ
キシプロピルが特に好適である。
【0029】アルデヒド系化合物としては、アルデヒド
基を含有する化合物;トリオキサン;パラアセトアルデ
ヒド;および、一般式(3) HO(CH2 O)p Y ……(3) (式中、Yは水素原子、炭素数1〜8の直鎖状または枝
分かれ鎖状のアルキル基、または炭素数3〜10のシク
ロアルキル基を表し、pは1〜100の整数を表す)で
示されるオキシメチレン化合物が挙げられる。尚、前記
一般式(3)中、Yで示される置換基が炭素数3〜10
のシクロアルキル基である場合、該シクロアルキル基
は、さらに別の置換基を含有していてもよい。
【0030】上記アルデヒド基を含有する化合物として
は、具体的には、例えば、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、
バレルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ピバリンア
ルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、シクロヘキセン
アルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、アニ
スアルデヒド、フルフラール等が挙げられる。上記のオ
キシメチレン化合物としては、具体的には、例えば、ホ
ルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの重合体(8量体〜
100量体)であるパラホルムアルデヒド等が挙げられ
る。
【0031】上記のビニル化合物およびアルデヒド系化
合物を反応させることにより、相当する水酸基含有ビニ
ル化合物、つまり、本発明にかかる前記一般式(1)で
示される水酸基含有ビニル化合物が得られる。即ち、前
記一般式(1)で示される水酸基含有ビニル化合物は、
式中、Xで示される置換基が前記と同一であり、Rで示
される置換基が水素原子または有機残基である化合物で
ある。上記Rで示される置換基とは、具体的には、水素
原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、また
は複素環基を示す。これら水酸基含有ビニル化合物とし
ては、アクリル酸エステル系化合物が特に好ましい。
尚、Rで示される置換基は、アルデヒド系化合物に由来
する置換基である。
【0032】本発明にかかる安定化方法に用いられる一
次酸化防止剤としては、具体的には、例えば、p−メト
キシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェ
ノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,4,
6−トリ−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン
ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビ
ス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、n−
オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
−ブチルフェニル)プロピオネート、3,3−ビス−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エチレン
エステル、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン、トリエチレングリコール−ビス−〔3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール
−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕等の置換フェノール;
p−t−ブチルカテコール等の置換カテコール;2−メ
チルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、
2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−
t−アミルハイドロキノン等の置換ハイドロキノン;置
換レゾルシン;フェノチアジン;アクリル酸−〔2−t
−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5
−メチルベンジル)−4−メチルフェニル〕、アクリル
酸−〔2−{1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジペンチ
ルフェニル)エチル}−4,6−ジ−t−ペンチルフェ
ニル〕等のアクリル酸エステル(置換アクリレート)等
が挙げられるが、これら例示の化合物に限定されるもの
ではない。
【0033】これら一次酸化防止剤は、単独で用いても
よく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
これら例示の化合物のうち、p−メトキシフェノール、
p−t−ブチルカテコール、およびフェノチアジンが特
に好ましい。
【0034】水酸基含有ビニル化合物に対する一次酸化
防止剤の添加量は、特に限定されるものではなく、水酸
基含有ビニル化合物の種類、用いる一次酸化防止剤の種
類、併用するアルコールおよび/または水の使用量、若
しくは、有機酸の使用量等に応じて、最適な量となるよ
うに、適宜設定すればよい。具体的には、例えば、水酸
基含有ビニル化合物に対して、一次酸化防止剤を、10
ppm〜5000ppmの範囲内、より好ましくは50
ppm〜1000ppmの範囲内、特に好ましくは10
0ppm〜500ppmの範囲内で添加すればよい。こ
れにより、一次酸化防止剤の性能を充分に発揮させるこ
とができるので、水酸基含有ビニル化合物の安定性を向
上させることができる。一次酸化防止剤の添加量が10
ppmよりも少ない場合には、不純物、特にオリゴマー
の生成を充分に抑制することができないおそれがある。
また、一次酸化防止剤の添加量を5000ppmよりも
多くしても、不純物の生成を抑制する効果のさらなる改
善は望めず、添加した一次酸化防止剤の一部が無駄にな
り、経済的に不利となるおそれがある。
【0035】本発明にかかる安定化方法に用いられるア
ルコールとしては、具体的には、例えば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、シ
クロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、メチレン
グリコール(メタンジオール)、ポリオキシメチレング
リコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピ
ルセロソルブ、メトキシメタノール、エトキシメタノー
ル等が挙げられるが、これら例示の化合物に限定される
ものではない。これらアルコールは、単独で用いてもよ
く、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。つ
まり、本発明にかかる安定化方法においては、水、少な
くとも一種類のアルコール、水と少なくとも一種類のア
ルコールとの混合物を用いることができる。
【0036】水酸基含有ビニル化合物と、アルコールお
よび/または水とを共存させる際の両者の割合、即ち、
水酸基含有ビニル化合物に対するアルコールおよび/ま
たは水の使用量は、特に限定されるものではなく、水酸
基含有ビニル化合物の種類、用いるアルコールおよび/
または水の種類や組み合わせ、併用する一次酸化防止剤
の添加量、水酸基含有ビニル化合物の使用形態等に応じ
て、最適な量となるように、適宜設定すればよい。水酸
基含有ビニル化合物に対するアルコールおよび/または
水の使用量は、具体的には、例えば、下限は50ppm
(5×10-5重量倍)がより好ましく、上限は100重
量倍がより好ましい。
【0037】そして、アルコールおよび/または水をい
わゆる添加剤として共存させ、水酸基含有ビニル化合物
を安定化させる場合には、水酸基含有ビニル化合物に対
して、アルコールおよび/または水を、より好ましくは
50ppm〜5000ppmの範囲内、特に好ましくは
100ppm〜1000ppmの範囲内で添加すればよ
い。
【0038】また、アルコールおよび/または水の溶液
として水酸基含有ビニル化合物を安定化させる場合に
は、水酸基含有ビニル化合物に対して、アルコールおよ
び/または水を、より好ましくは5000ppm(5×
10-3重量倍)を越え、100重量倍以下の範囲内、特
に好ましくは0.1重量倍〜10重量倍の範囲内で混合
すればよい。つまり、水酸基含有ビニル化合物をアルコ
ールおよび/または水の溶液とする場合には、該水酸基
含有ビニル化合物の濃度は、凡そ10重量%〜凡そ90
重量%程度が特に好ましい。
【0039】これにより、水酸基含有ビニル化合物の安
定性をより一層向上させることができる。アルコールお
よび/または水の使用量が50ppm未満の場合には、
不純物の生成を充分に抑制することができず、例えば室
温付近での貯蔵時において品質の低下が生じる等、水酸
基含有ビニル化合物の安定性を充分に向上させることが
できないおそれがある。
【0040】上記の水酸基含有ビニル化合物と、一次酸
化防止剤と、アルコールおよび/または水とを共存させ
ることにより、本発明にかかる組成物、即ち、水酸基含
有ビニル化合物を含む組成物が得られる。尚、上記の組
成物は、硫黄やチオエーテル、リン酸エステル、亜リン
酸エステル等の安定化剤を必要に応じてさらに含んでい
てもよい。これら安定化剤を添加することにより、水酸
基含有ビニル化合物の変質をより一層防止することがで
き、該水酸基含有ビニル化合物の安定性をさらに一層向
上させることができる。
【0041】水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止
剤と、アルコールおよび/または水とを共存させる方法
は、特に限定されるものではない。例えば、高純度の水
酸基含有ビニル化合物に、一次酸化防止剤と、アルコー
ルおよび/または水とを、上記例示の使用量となるよう
に添加若しくは混合してもよい。また、粗製の水酸基含
有ビニル化合物に所定量の一次酸化防止剤と、アルコー
ルおよび/または水とを添加若しくは混合した後、例え
ば製品化する際に蒸留等の精製工程を行って、水酸基含
有ビニル化合物に対する一次酸化防止剤の使用量と、ア
ルコールおよび/または水の使用量とを調整してもよ
い。
【0042】本発明にかかる安定化方法に用いられる有
機酸としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル
酸、蟻酸、酢酸、酪酸、フェノール、置換フェノール等
の一塩基酸;フタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マレ
イン酸等の二塩基酸;トリメリット酸、ピロメリット
酸、ブタンテトラカルボン酸等の多塩基酸等が挙げられ
るが、これら例示の化合物に限定されるものではない。
これら有機酸は、単独で用いてもよく、また、二種類以
上を適宜混合して用いてもよい。
【0043】水酸基含有ビニル化合物に対する有機酸の
使用量は、特に限定されるものではなく、水酸基含有ビ
ニル化合物の種類、用いる有機酸の種類、併用する一次
酸化防止剤の添加量等に応じて、最適な量となるよう
に、適宜設定すればよい。具体的には、例えば、水酸基
含有ビニル化合物に対して、有機酸を、10ppm以
上、より好ましくは10ppm〜5000ppmの範囲
内、特に好ましくは50ppm〜1000ppmの範囲
内で添加すればよい。これにより、水酸基含有ビニル化
合物の安定性をより一層向上させることができる。有機
酸の添加量が10ppm未満の場合には、不純物の生成
を充分に抑制することができず、例えば室温付近での貯
蔵時において品質の低下が生じる等、水酸基含有ビニル
化合物の安定性を充分に向上させることができないおそ
れがある。
【0044】上記の水酸基含有ビニル化合物と、一次酸
化防止剤と、有機酸とを共存させることにより、本発明
にかかる組成物、即ち、水酸基含有ビニル化合物を含む
組成物が得られる。尚、上記の組成物は、硫黄やチオエ
ーテル、リン酸エステル、亜リン酸エステル等の安定化
剤を必要に応じてさらに含んでいてもよい。これら安定
化剤を添加することにより、水酸基含有ビニル化合物の
変質をより一層防止することができ、該水酸基含有ビニ
ル化合物の安定性をさらに一層向上させることができ
る。
【0045】水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止
剤と、有機酸とを共存させる方法は、特に限定されるも
のではない。例えば、高純度の水酸基含有ビニル化合物
に、一次酸化防止剤と、有機酸とを、上記例示の添加量
となるように添加してもよい。また、粗製の水酸基含有
ビニル化合物に所定量の一次酸化防止剤と、有機酸とを
添加した後、例えば製品化する際に蒸留等の精製工程を
行って、水酸基含有ビニル化合物に対する一次酸化防止
剤の添加量と、有機酸の添加量とを調整してもよい。
尚、有機酸と、アルコールおよび/または水とを併用す
ることもできる。
【0046】さらに、水酸基含有ビニル化合物と、一次
酸化防止剤と、アルコールおよび/または水とを共存さ
せる際や、水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤
と、有機酸とを共存させる際においては、これら化合物
を取り扱う雰囲気中の酸素濃度を、1容量%〜30容量
%の範囲内、より好ましくは5容量%〜25容量%の範
囲内に調節すればよい。これにより、水酸基含有ビニル
化合物の安定性をさらに一層向上させることができる。
尚、上記化合物の取り扱いは、例えば、窒素やアルゴン
等の不活性ガスと酸素とからなる混合ガスの気流下で行
えばよいが、特に限定されるものではない。
【0047】また、水酸基含有ビニル化合物を含む組成
物を取り扱う際には、該組成物が封入等される容器の気
相部の酸素濃度を、上記例示の範囲内に調節すればよ
い。これにより、水酸基含有ビニル化合物の安定性をさ
らに一層向上させることができる。尚、気相部の酸素濃
度を調節する方法としては、具体的には、例えば、窒素
やアルゴン等の不活性ガスを容器の気相部に導入する方
法、不活性ガスと酸素とからなる混合ガスを用いて気相
部を置換する方法等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。
【0048】本発明にかかる水酸基含有ビニル化合物の
安定化方法は、以上のように、前記一般式(1)で示さ
れる水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、ア
ルコールおよび/または水とを共存させる方法である。
また、本発明にかかる水酸基含有ビニル化合物の安定化
方法は、以上のように、前記一般式(1)で示される水
酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、有機酸と
を共存させる方法である。
【0049】上記の方法によれば、水酸基含有ビニル化
合物の反応性を損なうことなく、例えば貯蔵時や輸送
時、製造時等における該水酸基含有ビニル化合物の変質
を防止することができる。これにより、水酸基含有ビニ
ル化合物の安定性を向上させることができる。また、上
記の安定化方法は、水酸基含有ビニル化合物の反応性に
対して悪影響を及ぼさないので、例えば使用時に水酸基
含有ビニル化合物を精製する必要が無く、工業的に価値
が高い。
【0050】また、本発明にかかる水酸基含有ビニル化
合物を含む組成物は、以上のように、前記一般式(1)
で示される水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤
と、アルコールおよび/または水とを含む構成である。
さらに、本発明にかかる水酸基含有ビニル化合物を含む
組成物は、以上のように、前記一般式(1)で示される
水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、有機酸
とを含む構成である。
【0051】上記の構成によれば、安定性が向上された
水酸基含有ビニル化合物を提供することができる。ま
た、上記の組成物は、水酸基含有ビニル化合物の誘導体
または重合体を製造する際に、該水酸基含有ビニル化合
物の副反応を抑制することができる。即ち、上記の組成
物は、水酸基含有ビニル化合物の反応性に対して悪影響
を及ぼさないので、例えば使用時に水酸基含有ビニル化
合物を精製する必要が無く、工業的に価値が高い。
【0052】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。
【0053】〔実施例1〕密栓することができる内容積
200mlのガラス瓶に、蒸留によって精製した水酸基
含有ビニル化合物としてのα−(ヒドロキシメチル)ア
クリル酸エチル(沸点・70℃〜72℃/5Torr;
以下、EHMAと記す)100gを入れた。次に、この
EHMAに、一次酸化防止剤としてのp−メトキシフェ
ノールを該EHMAに対して300ppmとなるように
添加すると共に、水を該EHMAに対して1000pp
mとなるように添加して組成物とした。また、ガラス瓶
の気相部の酸素濃度を21容量%に調節した。組成物の
外観性状は無色透明液であった。上記添加量をまとめて
表1に記載した。
【0054】そして、上記の組成物が入ったガラス瓶を
密栓(密閉)した後、該ガラス瓶を、温度が50±2℃
に調節された恒温槽に静置して、EHMAの経時変化、
つまり、安定性を評価した。即ち、恒温槽内に静置して
から4週間後および8週間後における組成物中のEHM
Aの残存率(重量%)を、ガスクロマトグラフィー(G
C)を用いて測定した。また、8週間後における組成物
の外観性状を目視にて確認すると共に、該組成物をゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い
て分析し、オリゴマー並びに高分子量化合物(重合物)
の生成の有無を確認した。尚、GPCの測定において
は、カラムとしてSHODEX A−802(商品名;
昭和電工株式会社製)を用い、移動相としてテトラヒド
ロフラン(THF)を用い、検出器としてUV検出器お
よびRI(示差屈折率)検出器を用いた。
【0055】その結果、4週間後および8週間後におけ
る組成物中のEHMAの残存率は、共に100重量%で
あった。また、8週間後における組成物の外観性状は無
色透明液であり、GPCのチャートには、オリゴマー並
びに高分子量化合物のピークは認められなかった。結果
を表2に記載した。
【0056】〔実施例2〕実施例1における水に代え
て、アルコールとしてのエタノールをEHMAに対して
1000ppmとなるように添加した以外は、実施例1
と同様の操作を行い、組成物とした。上記添加量をまと
めて表1に記載した。次に、この組成物を用いて実施例
1と同様の操作を行い、EHMAの安定性を評価した。
結果を表2に記載した。
【0057】〔実施例3〕実施例1における水の添加量
をEHMAに対して50ppmとなるように変更すると
共に、エタノールをEHMAに対して500ppmとな
るように添加した以外は、実施例1と同様の操作を行
い、組成物とした。上記添加量をまとめて表1に記載し
た。次に、この組成物を用いて実施例1と同様の操作を
行い、EHMAの安定性を評価した。結果を表2に記載
した。
【0058】〔実施例4〕実施例1における水の添加量
をEHMAに対して100ppmとなるように変更する
と共に、アルコールとしてのエトキシメタノールをEH
MAに対して500ppmとなるように添加した以外
は、実施例1と同様の操作を行い、組成物とした。上記
添加量をまとめて表1に記載した。次に、この組成物を
用いて実施例1と同様の操作を行い、EHMAの安定性
を評価した。結果を表2に記載した。
【0059】〔実施例5〕実施例4におけるエトキシメ
タノールに代えて、アルコールとしてのメトキシメタノ
ールをEHMAに対して500ppmとなるように添加
した以外は、実施例4と同様の操作を行い、組成物とし
た。上記添加量をまとめて表1に記載した。次に、この
組成物を用いて実施例1と同様の操作を行い、EHMA
の安定性を評価した。結果を表2に記載した。
【0060】〔実施例6〕実施例1におけるp−メトキ
シフェノールに代えて、一次酸化防止剤としてのp−t
−ブチルカテコールをEHMAに対して100ppmと
なるように添加し、かつ、水の添加量をEHMAに対し
て100ppmとなるように変更すると共に、エタノー
ルをEHMAに対して100ppmとなるように添加し
た以外は、実施例1と同様の操作を行い、組成物とし
た。また、ガラス瓶の気相部の酸素濃度を15容量%に
調節した。上記添加量をまとめて表1に記載した。次
に、この組成物を用いて実施例1と同様の操作を行い、
EHMAの安定性を評価した。結果を表2に記載した。
【0061】〔実施例7〕実施例1におけるp−メトキ
シフェノールに代えて、一次酸化防止剤としての2−t
−ブチルハイドロキノンをEHMAに対して100pp
mとなるように添加し、かつ、水の添加量をEHMAに
対して500ppmとなるように変更すると共に、アル
コールとしてのメタノールをEHMAに対して100p
pmとなるように添加した以外は、実施例1と同様の操
作を行い、組成物とした。また、ガラス瓶の気相部の酸
素濃度を7容量%に調節した。上記添加量をまとめて表
1に記載した。次に、この組成物を用いて実施例1と同
様の操作を行い、EHMAの安定性を評価した。結果を
表2に記載した。
【0062】〔実施例8〕実施例1と同様のガラス瓶
に、蒸留によって精製した水酸基含有ビニル化合物とし
てのα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(以
下、MHMAと記す)100gを入れた。次に、このM
HMAに、p−メトキシフェノールを該MHMAに対し
て500ppmとなるように添加すると共に、水を該M
HMAに対して200ppmとなるように添加し、メト
キシメタノールを該MHMAに対して100ppmとな
るように添加して組成物とした。また、ガラス瓶の気相
部の酸素濃度を21容量%に調節した。組成物の外観性
状は無色透明液であった。上記添加量をまとめて表1に
記載した。そして、この組成物を用いて実施例1と同様
の操作を行い、MHMAの安定性を評価した。結果を表
2に記載した。
【0063】〔実施例9〕実施例1と同様のガラス瓶
に、蒸留によって精製した水酸基含有ビニル化合物とし
てのα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸−n−ブチル
(以下、BHMAと記す)100gを入れた。次に、こ
のBHMAに、p−メトキシフェノールを該BHMAに
対して100ppmとなるように添加すると共に、水を
該BHMAに対して50ppmとなるように添加し、ア
ルコールとしてのn−ブタノールを該BHMAに対して
50ppmとなるように添加して組成物とした。また、
ガラス瓶の気相部の酸素濃度を21容量%に調節した。
組成物の外観性状は無色透明液であった。上記添加量を
まとめて表1に記載した。そして、この組成物を用いて
実施例1と同様の操作を行い、BHMAの安定性を評価
した。結果を表2に記載した。
【0064】〔実施例10〕実施例1と同様のガラス瓶
に、蒸留によって精製した水酸基含有ビニル化合物とし
てのα−(ヒドロキシメチル)アクリロニトリル(以
下、HMANと記す)100gを入れた。次に、このH
MANに、p−メトキシフェノールを該HMANに対し
て300ppmとなるように添加すると共に、水を該H
MANに対して1000ppmとなるように添加して組
成物とした。また、ガラス瓶の気相部の酸素濃度を21
容量%に調節した。組成物の外観性状は無色透明液であ
った。上記添加量をまとめて表1に記載した。そして、
この組成物を用いて実施例1と同様の操作を行い、HM
ANの安定性を評価した。結果を表2に記載した。
【0065】〔比較例1〕実施例1において、p−メト
キシフェノールおよび水を添加しない以外は、実施例1
と同様の操作を行い、比較用の組成物とした。つまり、
比較用の組成物としてEHMAをそのまま用いた。次
に、EHMAを用いて実施例1と同様の操作を行い、該
EHMAの安定性を評価した。結果を表2に記載した。
尚、EHMAの残存率は、4週間後に0重量%となり、
非常に不安定であった。
【0066】〔比較例2〕実施例1において、水を添加
しない以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の
組成物とした。上記添加量をまとめて表1に記載した。
次に、この比較用の組成物を用いて実施例1と同様の操
作を行い、EHMAの安定性を評価した。結果を表2に
記載した。
【0067】〔比較例3〕実施例1と同様のガラス瓶
に、EHMA100gを入れた。次に、このEHMA
に、安定化剤であるハイドロキノンを該EHMAに対し
て300ppmとなるように添加すると共に、エタノー
ルを該EHMAに対して10ppmとなるように添加し
て比較用の組成物とした。また、ガラス瓶の気相部の酸
素濃度を21容量%に調節した。比較用の組成物の外観
性状は無色透明液であった。上記添加量をまとめて表1
に記載した。そして、この比較用の組成物を用いて実施
例1と同様の操作を行い、EHMAの安定性を評価し
た。結果を表2に記載した。
【0068】〔比較例4〕実施例1と同様のガラス瓶
に、EHMA100gを入れた。次に、このEHMA
に、水を該EHMAに対して5000ppmとなるよう
に添加すると共に、エタノールを該EHMAに対して5
000ppmとなるように添加して比較用の組成物とし
た。また、ガラス瓶の気相部の酸素濃度を21容量%に
調節した。比較用の組成物の外観性状は無色透明液であ
った。上記添加量をまとめて表1に記載した。そして、
この比較用の組成物を用いて実施例1と同様の操作を行
い、EHMAの安定性を評価した。結果を表2に記載し
た。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】〔実施例11〕密栓することができる所定
容積のガラス瓶に、EHMA100gを入れた。次に、
このEHMAに、p−メトキシフェノールを該EHMA
に対して500ppmとなるように添加すると共に、水
を該EHMAに対して1重量倍(100g)となるよう
に混合して組成物とした。また、ガラス瓶の気相部の酸
素濃度を21容量%に調節した。組成物の外観性状は無
色透明液であった。上記混合量をまとめて表3に記載し
た。そして、この組成物を用いて実施例1と同様の操作
を行い、EHMAの安定性を評価した。結果を表4に記
載した。
【0072】〔実施例12〕実施例11と同様のガラス
瓶に、EHMA100gを入れた。次に、このEHMA
に、p−t−ブチルカテコールを該EHMAに対して5
00ppmとなるように添加すると共に、水を該EHM
Aに対して3重量倍(300g)となるように混合し、
エタノールを該EHMAに対して0.1重量倍(10
g)となるように混合して組成物とした。また、ガラス
瓶の気相部の酸素濃度を21容量%に調節した。組成物
の外観性状は無色透明液であった。上記混合量をまとめ
て表3に記載した。そして、この組成物を用いて実施例
1と同様の操作を行い、EHMAの安定性を評価した。
結果を表4に記載した。
【0073】〔実施例13〕実施例11における水に代
えて、エタノールを該EHMAに対して9重量倍(90
0g)となるように混合した以外は、実施例11と同様
の操作を行い、組成物とした。上記混合量をまとめて表
3に記載した。そして、この組成物を用いて実施例1と
同様の操作を行い、EHMAの安定性を評価した。結果
を表4に記載した。
【0074】〔実施例14〕実施例11と同様のガラス
瓶に、BHMA100gを入れた。次に、このBHMA
に、p−メトキシフェノールを該BHMAに対して30
0ppmとなるように添加すると共に、アルコールとし
てのプロピレングリコールをBHMAに対して1重量倍
(100g)となるように混合して組成物とした。ま
た、ガラス瓶の気相部の酸素濃度を21容量%に調節し
た。組成物の外観性状は無色透明液であった。上記混合
量をまとめて表3に記載した。そして、この組成物を用
いて実施例1と同様の操作を行い、BHMAの安定性を
評価した。結果を表4に記載した。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】〔実施例15〕実施例1と同様のガラス瓶
に、EHMA100gを入れた。次に、このEHMA
に、p−メトキシフェノールを該EHMAに対して30
0ppmとなるように添加すると共に、有機酸としての
アクリル酸を該EHMAに対して50ppmとなるよう
に添加して組成物とした。また、ガラス瓶の気相部の酸
素濃度を21容量%に調節した。組成物の外観性状は無
色透明液であった。上記添加量をまとめて表5に記載し
た。
【0078】そして、上記の組成物が入ったガラス瓶を
密栓(密閉)した後、該ガラス瓶を、温度が50±2℃
に調節された恒温槽に、直射日光を避けるようにして静
置して、EHMAの経時変化、つまり、安定性を評価し
た。即ち、上記の組成物を用いて、直射日光を避けるよ
うにしてガラス瓶を静置した以外は、実施例1と同様の
操作を行い、EHMAの安定性を評価した。結果を表6
に記載した。
【0079】〔実施例16〕実施例1と同様のガラス瓶
に、MHMA100gを入れた。次に、このMHMA
に、p−t−ブチルカテコールを該MHMAに対して3
00ppmとなるように添加すると共に、有機酸として
のアクリル酸を該MHMAに対して100ppmとなる
ように添加して組成物とした。また、ガラス瓶の気相部
の酸素濃度を21容量%に調節した。組成物の外観性状
は無色透明液であった。上記添加量をまとめて表5に記
載した。そして、この組成物を用いて実施例15と同様
の操作を行い、MHMAの安定性を評価した。結果を表
6に記載した。
【0080】〔実施例17〕実施例15におけるアクリ
ル酸に代えて、有機酸としてのマレイン酸をEHMAに
対して50ppmとなるように添加した以外は、実施例
15と同様の操作を行い、組成物とした。上記添加量を
まとめて表5に記載した。次に、この組成物を用いて実
施例15と同様の操作を行い、EHMAの安定性を評価
した。結果を表6に記載した。
【0081】〔実施例18〕実施例15におけるアクリ
ル酸に代えて、有機酸としてのフェノールをEHMAに
対して300ppmとなるように添加した以外は、実施
例15と同様の操作を行い、組成物とした。上記添加量
をまとめて表5に記載した。次に、この組成物を用いて
実施例15と同様の操作を行い、EHMAの安定性を評
価した。結果を表6に記載した。
【0082】〔実施例19〕実施例15において、さら
に、水をEHMAに対して1000ppmとなるように
添加した以外は、実施例15と同様の操作を行い、組成
物とした。上記添加量をまとめて表5に記載した。次
に、この組成物を用いて実施例15と同様の操作を行
い、EHMAの安定性を評価した。結果を表6に記載し
た。
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】表2・4・6に記載した結果から明らかな
ように、本実施例にかかる組成物は、比較例1〜4の比
較用組成物と比べて、長期間貯蔵した場合においても、
不純物の生成が抑制され、品質が維持されることが判っ
た。即ち、本実施例にかかる安定化方法によって、水酸
基含有ビニル化合物の安定性を著しく向上させることが
できることが判った。
【0086】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の水酸基含有ビニ
ル化合物の安定化方法は、以上のように、一般式(1)
【0087】
【化7】
【0088】(式中、Rは水素原子、炭素数1〜18の
アルキル基、アリール基、または複素環基を表し、Xは
−CN基、−COR0 基または−COOR0 基を表し、
かつ、上記R0 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基、
炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、− (CH 2 ) m
1 2 基、− (CH 2 ) m + 1 2 3 ・M - 基、
または− (C 2 4 O) n 4 基を表し、上記R 1 、R
2 、R 3 で示される置換基は、それぞれ独立して炭素数
1〜8の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキル基を表
し、mは、2〜5の整数であり、M - で示される陰イオ
ンは、Cl - 、Br - 、CH 3 COO - 、HCOO -
SO 4 2- 、またはPO 4 3- を表し、上記R 4 で示される
置換基は、炭素数1〜18の直鎖状または枝分かれ鎖状
のアルキル基を表し、nは、1〜80の整数である)で
示される水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤
と、アルコールおよび/または水とを共存させる方法で
ある。また、本発明の請求項2記載の水酸基含有ビニル
化合物の安定化方法は、以上のように、アルコールおよ
び/または水を、水酸基含有ビニル化合物に対して、5
0ppm以上共存させる方法である。
【0089】本発明の請求項3記載の水酸基含有ビニル
化合物の安定化方法は、以上のように、前記一般式
(1)で示される水酸基含有ビニル化合物と、一次酸化
防止剤と、有機酸とを共存させる方法である。また、本
発明の請求項4記載の水酸基含有ビニル化合物の安定化
方法は、以上のように、有機酸を、水酸基含有ビニル化
合物に対して、10ppm以上共存させる方法である。
また、本発明の請求項8記載の水酸基含有ビニル化合物
の安定化方法は、以上のように、上記一次酸化防止剤
が、置換フェノール、置換カテコール、置換ハイドロキ
ノン、置換レゾルシンから選ばれる少なくとも1種であ
る方法である。また、本発明の請求項9記載の水酸基含
有ビニル化合物の安定化方法は、以上のように、上記一
次酸化防止剤が、p−メトキシフェノール、2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t
−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジ−t−ブ
チルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノ
ール、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4
−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブ
チリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、n−オクタデシル・3−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネ
ート、3,3−ビス−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エチレンエステル、テトラキス〔メチレン
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、トリエチレングリコー
ル−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−
ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕;p
−t−ブチルカテコール;2−メチルハイドロキノン、
2−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチ
ルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキ
ノン; フェノチアジン;アクリル酸−〔2−t−ブチル
−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル
ベンジル)−4−メチルフェニル〕、アクリル酸−〔2
−{1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジペンチルフェニ
ル)エチル}−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル〕か
ら選ばれる少なくとも1種である方法である。
【0090】上記の方法によれば、水酸基含有ビニル化
合物の反応性を損なうことなく、例えば貯蔵時や輸送
時、製造時等における該水酸基含有ビニル化合物の変質
を防止することができる。これにより、水酸基含有ビニ
ル化合物の安定性を向上させることができるという効果
を奏する。また、上記の安定化方法は、水酸基含有ビニ
ル化合物の反応性に対して悪影響を及ぼさないので、例
えば使用時に水酸基含有ビニル化合物を精製する必要が
無く、工業的に価値が高い。
【0091】本発明の請求項5記載の水酸基含有ビニル
化合物を含む組成物は、以上のように、前記一般式
(1)で示されるで示される水酸基含有ビニル化合物
と、一次酸化防止剤と、アルコールおよび/または水と
を含む構成である。また、本発明の請求項6記載の水酸
基含有ビニル化合物を含む組成物は、以上のように、前
記一般式(1)で示される水酸基含有ビニル化合物と、
一次酸化防止剤と、有機酸とを含む構成である。また、
本発明の請求項10記載の水酸基含有ビニル化合物を含
む組成物は、以上のように、上記一次酸化防止剤が、置
換フェノール、置換カテコール、置換ハイドロキノン、
置換レゾルシンから選ばれる少なくとも1種である構成
である。また、本発明の請求項11記載の水酸基含有ビ
ニル化合物を含む組成物は、以上のように、上記一次酸
化防止剤が、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−エチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチル
フェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノー
ル、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチ
リデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、n−オクタデシル・3−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネ
ート、3,3−ビス−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エチレンエステル、テトラキス〔メチレン
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、トリエチレングリコー
ル−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−
ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕;p
−t−ブチルカテコール;2−メチルハイドロキノン、
2−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチ
ルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキ
ノン; フェノチアジン;アクリル酸−〔2−t−ブチル
−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル
ベンジル)−4−メチルフェニル〕、アクリル酸−〔2
−{1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジペンチルフェニ
ル)エチル}−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル〕か
ら選ばれる少なくとも1種である構成である。
【0092】上記の構成によれば、安定性が向上された
水酸基含有ビニル化合物を提供することができるという
効果を奏する。上記の組成物は、水酸基含有ビニル化合
物の反応性に対して悪影響を及ぼさないので、例えば使
用時に水酸基含有ビニル化合物を精製する必要が無く、
工業的に価値が高い。
【0093】本発明の請求項7記載の水酸基含有ビニル
化合物を含む組成物は、以上のように、上記水酸基含有
ビニル化合物が、アクリル酸エステル系化合物である構
成である。
【0094】上記の構成によれば、安定性が向上された
アクリル酸エステル系化合物を提供することができると
いう効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 59/42 C07C 59/42 67/62 67/62 69/732 69/732 Z 253/32 253/32 255/15 255/15 (56)参考文献 特開 平5−194321(JP,A) 特開 昭56−164142(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 45/86 C07B 63/04 C07C 47/263 C07C 49/24 C07C 51/50 C07C 59/42 C07C 67/62 C07C 69/732 C07C 253/32 C07C 255/15

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、
    アリール基、または複素環基を表し、Xは−CN基、−
    COR0 基または−COOR0 基を表し、かつ、上記R
    0 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3
    〜10のシクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜8
    のヒドロキシアルキル基、− (CH 2 ) m NR 1 2 基、
    − (CH 2 ) m + 1 2 3 ・M - 基、または− (C
    2 4 O) n 4 基を表し、上記R 1 、R 2 、R 3 で示
    される置換基は、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖
    状または枝分かれ鎖状のアルキル基を表し、mは、2〜
    5の整数であり、M - で示される陰イオンは、Cl -
    Br - 、CH 3 COO - 、HCOO - 、SO 4 2- 、また
    はPO 4 3- を表し、上記R 4 で示される置換基は、炭素
    数1〜18の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキル基を
    表し、nは、1〜80の整数である)で示される水酸基
    含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、アルコールお
    よび/または水とを共存させることを特徴とする水酸基
    含有ビニル化合物の安定化方法。
  2. 【請求項2】アルコールおよび/または水を、水酸基含
    有ビニル化合物に対して、50ppm以上共存させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の水酸基含有ビニル化合物
    の安定化方法。
  3. 【請求項3】一般式(1) 【化2】 (式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、
    アリール基、または複素環基を表し、Xは−CN基、−
    COR0 基または−COOR0 基を表し、かつ、上記R
    0 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3
    〜10のシクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜8
    のヒドロキシアルキル基、− (CH 2 ) m NR 1 2 基、
    − (CH 2 ) m + 1 2 3 ・M - 基、または− (C
    2 4 O) n 4 基を表し、上記R 1 、R 2 、R 3 で示
    される置換基は、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖
    状または枝分かれ鎖状のアルキル基を表し、mは、2〜
    5の整数であり、M - で示される陰イオンは、Cl -
    Br - 、CH 3 COO - 、HCOO - 、SO 4 2- 、また
    はPO 4 3- を表し、上記R 4 で示される置換基は、炭素
    数1〜18の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキル基を
    表し、nは、1〜80の整数である)で示される水酸基
    含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、有機酸とを共
    存させることを特徴とする水酸基含有ビニル化合物の安
    定化方法。
  4. 【請求項4】有機酸を、水酸基含有ビニル化合物に対し
    て、10ppm以上共存させることを特徴とする請求項
    3記載の水酸基含有ビニル化合物の安定化方法。
  5. 【請求項5】一般式(1) 【化3】 (式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、
    アリール基、または複素環基を表し、Xは−CN基、−
    COR0 基または−COOR0 基を表し、かつ、上記R
    0 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3
    〜10のシクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜8
    のヒドロキシアルキル基、− (CH 2 ) m NR 1 2 基、
    − (CH 2 ) m + 1 2 3 ・M - 基、または− (C
    2 4 O) n 4 基を表し、上記R 1 、R 2 、R 3 で示
    される置換基は、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖
    状または枝分かれ鎖状のアルキル基を表し、mは、2〜
    5の整数であり、M - で示される陰イオンは、Cl -
    Br - 、CH 3 COO - 、HCOO - 、SO 4 2- 、また
    はPO 4 3- を表し、上記R 4 で示される置換基は、炭素
    数1〜18の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキル基を
    表し、nは、1〜80の整数である)で示される水酸基
    含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、アルコールお
    よび/または水とを含むことを特徴とする組成物。
  6. 【請求項6】一般式(1) 【化4】 (式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、
    アリール基、または複素環基を表し、Xは−CN基、−
    COR0 基または−COOR0 基を表し、かつ、上記R
    0 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3
    〜10のシクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜8
    のヒドロキシアルキル基、− (CH 2 ) m NR 1 2 基、
    − (CH 2 ) m + 1 2 3 ・M - 基、または− (C
    2 4 O) n 4 基を表し、上記R 1 、R 2 、R 3 で示
    される置換基は、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖
    状または枝分かれ鎖状のアルキル基を表し、mは、2〜
    5の整数であり、M - で示される陰イオンは、Cl -
    Br - 、CH 3 COO - 、HCOO - 、SO 4 2- 、また
    はPO 4 3- を表し、上記R 4 で示される置換基は、炭素
    数1〜18の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキル基を
    表し、nは、1〜80の整数である)で示される水酸基
    含有ビニル化合物と、一次酸化防止剤と、有機酸とを含
    むことを特徴とする組成物。
  7. 【請求項7】上記水酸基含有ビニル化合物が、アクリル
    酸エステル系化合物であることを特徴とする請求項5ま
    たは6記載の組成物。
  8. 【請求項8】上記一次酸化防止剤が、置換フェノール、
    置換カテコール、置換ハイドロキノン、置換レゾルシン
    から選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし4の
    いず れかに記載の水酸基含有ビニル化合物の安定化方
    法。
  9. 【請求項9】上記一次酸化防止剤が、 p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
    −メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
    チルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、
    2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,2’−
    メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
    ル)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t
    −ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−
    (3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’
    −チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
    ル)、n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3,
    5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、3,3
    −ビス−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
    エチレンエステル、テトラキス〔メチレン−3−(3,
    5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
    オネート〕メタン、トリエチレングリコール−ビス−
    〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テ
    トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
    キシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジ
    オール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
    ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕; p−t−ブチルカテコール; 2−メチルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキ
    ノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5
    −ジ−t−アミルハイドロキノン; フェノチアジン; アクリル酸−〔2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル
    −2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチル
    フェニル〕、アクリル酸−〔2−{1−(2−ヒドロキ
    シ−3,5−ジペンチルフェニル)エチル}−4,6−
    ジ−t−ペンチルフェニル〕から選ばれる少なくとも1
    種である請求項1ないし4のいずれかに記載の水酸基含
    有ビニル化合物の安定化方法。
  10. 【請求項10】上記一次酸化防止剤が、置換フェノー
    ル、置換カテコール、置換ハイドロキノ ン、置換レゾル
    シンから選ばれる少なくとも1種である請求項5ないし
    7のいずれかに記載の組成物。
  11. 【請求項11】上記一次酸化防止剤が、 p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
    −メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
    チルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、
    2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,2’−
    メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
    ル)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t
    −ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−
    (3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’
    −チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
    ル)、n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3,
    5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、3,3
    −ビス−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
    エチレンエステル、テトラキス〔メチレン−3−(3,
    5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
    オネート〕メタン、トリエチレングリコール−ビス−
    〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テ
    トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
    キシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジ
    オール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
    ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕; p−t−ブチルカテコール; 2−メチルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキ
    ノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5
    −ジ−t−アミルハイドロキノン; フェノチアジン; アクリル酸−〔2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル
    −2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチル
    フェニル〕、アクリル酸−〔2−{1−(2−ヒドロキ
    シ−3,5−ジペンチルフェニル)エチル}−4,6−
    ジ−t−ペンチルフェニル〕から選ばれる少なくとも1
    種である請求項5ないし7のいずれかに記載の組成物。
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