JP3119919U - 難削材用穴明けドリル - Google Patents

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寿之 織田
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有限会社 織田鐵工所
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Abstract

【課題】ステンレスなどの難削材で、しかも小径となる穴明け加工を効果的に行うことができるドリルの提供。
【解決手段】ツイストドリルの先進側切り刃の長さ寸法はそのままで、後進側切り刃の長さ寸法をその凡そ2/3箇所から端縁に到る範囲を3°〜5°の逃げ角で欠損形成させる。
【選択図】図1

Description

本考案は、専らステンレス材などの難削材用に好適に使用される穴明けドリルに関する。
図2は従来に於けるツイストドリルを示すものであって、Aは正面図、Bは側面図である。該図面で1,1は一対の切り刃面、a,aは先端二番面(逃げ面)、b,bは先端三番面、c、cは二番取り面、s,sは二番取り深さであって、夫々れ左右対称に形成されるものとなされる。なお、αは先端角、βは逃げ角であり、矢印方向の回転で綺麗にカールし連続した切りくずがポケット2(溝)に沿って排出されるようになっている。
特開2002−126925 実開平06−071013号 実公昭61−013215号
上記の如き構成のツイストドリルは直径が5mm以下、とりわけ1mm以下の如く小径で、且つ対象物がステンレスの如く難削材の場合は、円滑な穴明け作業が極めて困難であり、即ち現状では即刻な切れ味低下や刃先損傷などのトラブルの発生するものとなっている。本考案者は斯有る現状に鑑み、幾多の実験結果からツイストドリルの一部刃先を特定形状に欠損形成することにより、上記問題点を解決せんとするものである。
本考案はツイストドリルの先進側切り刃の長さ寸法はそのままで、後進側切り刃の長さ寸法をその凡そ2/3箇所から端縁に到る範囲を3°〜5°の逃げ角に欠損形成したことを特徴とする。このさい、ドリル直径を5mm〜3/100mmとなしたものが、とりわけ上記課題解決に寄与する上で優れる。
請求項1記載の如くドリル先端に於ける後進側切り刃の凡そ2/3箇所から端縁に到る範囲を3°〜5°の逃げ角に欠損形成するものとなしたことは、該部に切削抵抗が収斂されるものとなり、即ち該部で左右一対の2枚刃が同時に受ける切削抵抗が後方へ向け集中して逃げるように作用することから、難削材であっても切り刃が踊ることなく円滑に直進して捩れたりすることのない適確で且つ迅速な穴明け作業を効率良く可能になすことができるのである。
本考案の上記構成は請求項2の如く、とりわけそのドリル直径が5mm〜3/100mmの如き小径で、しかも難削材に対する穿孔を行うものに於いて著効を奏するのであり、このさい削り屑が抜け易く発熱が少ないことから刃先寿命が格段に向上するものとなるのである。
図1は本考案に係るツイストドリルを示すものであって、Aは正面図、Bは側面図である。ここで1,1が一対の切り刃面、a,aが先端二番図(逃げ面)、b,bが先端三番面、c,cが二番取り面、s,sが二番取り深さ、αがドリル先端角、βがねじれ角であることは、図2で示した従来例のものと変わりがない。
本考案では上記に於いて、切り刃1,1のうち後進側の切り刃1の凡そ2/3箇所pから端縁に到る範囲を凡そ3°〜5°の逃げ角θに欠損形成pしたものとなすのである。ここで、上記θはドリル先端角α及びねじれ角βなどが、標準ドリル、強ねじドリル、弱ねじドリルなどで相違することに関連して実験した結果の数値であり、とりわけ該数値は標準ドリル(ねじれ角22°〜30°、先端角118°〜130°)の使用で著効を奏する。
本考案に於いてドリル及び又はワークを回転させ、ドリル先端をワークに押し当てると、先端の二枚刃1,1のうち本考案では後進側切り刃の端縁が一定角度に欠損、即ちその長さ寸法の凡そ2/3箇所から凡そ3°〜5°の逃げ角θで欠損形成pさせてあることにより、先端刃に対する後進刃の切削抵抗が微妙に相違されるものとなり、即ち本考案者の具体的な実験結果ではこれにより1/100〜2/100粍程度のずれ(遅れ)となって後進側切り刃が先端側切り刃の明け穴内周をガイドにして進行するのである。従って、本考案ではこれにより従来の如く刃先が踊ったりすることがなくなり、安定した穴明け作業を遂行することができるものとなるのである。
なお、本考案に於ける後進側切り刃の逃げ角による欠損形成pは切れ刃巾の寸法が前進刃のそれと比較して少し開拡したものとなるため、錐屑が抜け易く、且つ発熱が少ないものとなるのであり、従って耐久性が飛躍的に向上するものとなるのである。而して、このことはとりわけ難削材で小径穴の穴明けに優れるものとなるのであり、ドリル径としては凡そ5mm〜3/100mmのものが著効を奏する。
本考案に係るツイストドリルを示すものであって、Aは正面図、Bは側面図である。 従来に係るツイストドリルを示すものであって、Aは正面図、Bは側面図である。
符号の説明
1 切り刃
a 先端二番面
b 先端三番面
c 二番取り面
s 二番取り深さ
α 先端角
β ねじれ角
θ 逃げ角
2 ポケット

Claims (2)

  1. ツイストドリルの先進側切り刃の長さ寸法はそのままで、後進側切り刃の長さ寸法をその凡そ2/3箇所から端縁に到る範囲を3°〜5°の逃げ角で欠損形成させたことを特徴とする難削材用穴明けドリル。
  2. 直径寸法を5mm〜3/100mmとなしたことを特徴とする請求項1記載の難削材用穴明けドリル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015007475A (ja) * 2013-05-31 2015-01-15 新日鐵住金株式会社 施工性に優れたドリルねじ及びスチール構造枠
EP4410461A1 (en) 2023-02-01 2024-08-07 Subaru Corporation Drill and method of producing drilled product

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