JP3119798B2 - 油圧制御式自動変速機の制御装置 - Google Patents

油圧制御式自動変速機の制御装置

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JP3119798B2
JP3119798B2 JP07268011A JP26801195A JP3119798B2 JP 3119798 B2 JP3119798 B2 JP 3119798B2 JP 07268011 A JP07268011 A JP 07268011A JP 26801195 A JP26801195 A JP 26801195A JP 3119798 B2 JP3119798 B2 JP 3119798B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧制御式自動変
速機に関し、特に、その油圧制御装置の油圧ロスを低減
する制御を行う制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機の一形式として、その
油圧制御装置により、車両のエンジンのスロットル開度
に応じて変化するスロットル油圧と、車速に応じて変化
するガバナ油圧との平衡関係に応じて、変速機構中の複
数の摩擦係合要素に係合のための油圧を選択的に供給
し、各摩擦係合要素を係脱させて変速段を切り換えるよ
うに構成された油圧制御式の自動変速機がある。こうし
た自動変速機において、副変速機構としてオーバドライ
ブ装置を組み込んだものがあり、オーバドライブ装置の
作動を運転者のスイッチ操作で、任意に許可又は禁止す
る制御が可能なように、オーバドライブスイッチを設け
たものもある。この場合、オーバドライブスイッチが解
除されると、制御上、自動変速機のオーバドライブ変速
段への変速を禁止する処理がなされる。その結果、自動
変速機の油圧制御装置中のオーバドライブソレノイド弁
への通電が絶たれることで、該弁のドレーンポートを閉
じ、それにより回路中に生じる信号油圧によりオーバド
ライブ切換弁が切り換えられ、該切換弁を経て油圧の供
給を受けるオーバドライブ用摩擦係合要素の油圧が解放
されて、オーバドライブ装置は非作動の直結状態とな
る。
【0003】また、上記のような油圧制御式自動変速機
を搭載し、更に、車速やスロットル開度等の情報に基づ
いて燃料噴射量を電気的に制御するエンジン制御コンピ
ュータを有する車両においては、低温時のエンジンのノ
ッキング防止のため、エンジン冷却水温が所定の温度に
達しないときに、前記オーバドライブスイッチを自動的
に解除し、運転者によるオーバドライブスイッチの手動
解除操作の場合と同様に、オーバドライブ変速段への変
速を禁止する処理を行わせ、上記と同様に自動変速機の
オーバドライブソレノイド弁を非通電として、そのドレ
ーンポートを閉じさせ、オーバドライブ切換弁をロック
し、オーバドライブ装置を非作動とするものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動変速機
を搭載した車両においては、近時、より一層の燃費性能
の向上が要求されており、その対策の一つとして、エン
ジンのアイドル時の回転数を低減する対策が想起され
る。しかしながら、単にそのようにした場合、図8に示
すエンジン回転数(Ne)と自動変速機の油圧回路内の
油圧(PL )との関係からわかるように、特にアイドル
回転数以下の回転数域における油圧は、図に白抜き矢印
で示す回転数の低減量に対して、図に黒塗り矢印で示す
ように低下量が大きくなる。特に、上記従来の油圧制御
式自動変速機においては、上述のようにオーバドライブ
スイッチの解除時及び低温時のオーバドライブ変速禁止
処理時以外は、油圧制御装置中において、オーバドライ
ブソレノイド弁から常時油圧がドレーンされているた
め、アイドル回転数を下げると、必要な油圧が確保でき
なくなる可能性がある。
【0005】一般に、油圧制御装置中の油圧は、オイル
ポンプの吐出量と油圧回路からのオイル洩れとのバラン
スで維持されるものであるから、所定の油圧を確保する
には、吐出量を増すか、洩れ量を減らせばよいことにな
るが、オイルポンプの吐出量を増加させる方法は、動力
損失を増加させて逆に燃費の悪化を招く要因となる問題
があり、また、上記従来の油圧制御式自動変速機におい
て、洩れ量を減らすためにオーバドライブソレノイド弁
をオーバドライブ変速許可時のみドレーンポートを開く
形式のものに変更する対策は、そのこと単独の改変では
済まなくなり、油圧制御装置の油圧回路構成をも含めた
大規模な変更を必要とし、それに伴う大幅なコストアッ
プにつながるところから採用しがたい。
【0006】そこで、本発明は、油圧ロスの原因となる
オーバドライブソレノイド弁の制御形態をオーバドライ
ブ禁止制御を利用して改善することにより、油圧回路の
変更に伴う大幅なコストアップを招くことなく油圧ロス
を低減し、それによりアイドル回転数の低減を可能とす
ることで、燃費性能を向上させることができる油圧制御
式自動変速機の制御装置を提供することを第1の目的と
する。
【0007】次に、自動変速機の変速段は、通常、車速
及びスロットル開度に応じて設定されているため、オー
バドライブ変速段への変速領域もまた車速及びスロット
ル開度に応じて設定されている。そこで、本発明は、こ
うした従来の制御形態を利用することで、正確かつ容易
なオーバドライブ禁止制御を可能とし、更に、オーバド
ライブ領域に所定の余裕領域を加えることにより、信号
のばらつきによる作動への影響をなくし、併せてシフト
タイミングに余裕を持たせることを第2の目的とする。
【0008】また、自動変速機のシフトポジションは、
通常、“P”(パーキング)、“R”(リバース)、
“N”(ニュートラル)、“D”(ドライブ)、“2”
(エンジンブレーキ作動の第2速及び第1速)、“L”
(エンジンブレーキ作動の第1速)等の各レンジからな
り、このうちオーバドライブ変速段への変速を許可する
ポジションは“D”レンジのみである。そこで、本発明
は、こうしたレンジ選択を利用してオーバドライブ変速
段への変速を禁止することにより、容易にオーバドライ
ブ禁止制御を可能とすることを第3の目的とする。
【0009】また、前述のようにエンジン制御装置付車
両においては、低温時にオーバドライブスイッチを解除
する回路が設定されている。そこで、本発明は、こうし
た車両に搭載される油圧制御式自動変速機において、こ
のエンジン制御装置内のオーバドライブ解除回路を使用
することにより、エンジン制御装置における制御ロジッ
クの最小の変更で、安価でしかも容易にオーバドライブ
禁止制御を可能とすることを第4の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、オーバドライブ変速段を含む複数の変速
段を達成するために選択的に係脱される複数の摩擦係合
要素と、スロットル開度に応じたスロットル油圧と車速
に応じたガバナ油圧との平衡関係に応じて、前記複数の
摩擦係合要素に係合のための油圧を選択的に供給する油
圧制御装置とを備える油圧制御式自動変速機の制御装置
であって、前記油圧制御装置は、油圧排出ポートを閉じ
ることにより信号圧を発生させる電磁弁と、該電磁弁か
らの信号圧により前記複数の摩擦係合要素に含まれるオ
ーバドライブ変速段達成用の摩擦係合要素への油圧供給
を遮断して、前記オーバドライブ変速段への変速を禁止
するオーバドライブ禁止手段とを備えるものにおいて、
前記制御装置は、車両の走行状態を検出する走行状態検
出手段と、該走行状態検出手段からの信号に基づく車両
の走行状態が前記オーバドライブ変速段の領域にないと
き、前記電磁弁の油圧排出ポートを閉じるように作動さ
せる電磁弁制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】そして、前記走行状態検出手段からの信号
は、車速信号又は該車速信号とスロットル開度信号との
組合せであり、前記電磁弁制御手段は、前記走行状態検
出手段からの信号に基づく車両の走行状態が前記オーバ
ドライブ変速段の領域に所定の余裕を加えた領域にない
とき、前記電磁弁の油圧排出ポートを閉じるように作動
させる構成とすることができる。
【0012】更に、前記走行状態検出手段からの信号
は、シフトレバーのポジション信号であり、前記電磁弁
制御手段は、前記シフトレバーのポジションが前記オー
バドライブ変速段を許容するポジションにないとき、前
記電磁弁の油圧排出ポートを閉じるように作動させる構
成としてもよい。
【0013】また、前記制御装置は、前記走行状態検出
手段からの信号に基づいて燃料噴射量を電気的に制御す
るエンジン制御手段を有し、前記電磁弁制御手段は、前
記エンジン制御手段に含まれる構成としてもよい。
【0014】
【発明の作用及び効果】上記の構成よりなる本発明は、
車両走行状態がオーバドライブ領域にない領域におい
て、オーバドライブ変速段への変速を禁止する領域を設
定し、該領域に従った制御を行うようにし、オーバドラ
イブ禁止領域では、電磁弁は非通電とされ、その油圧排
出ポートが閉じられるようにしたので、油圧制御装置の
作動上必要な油圧を確保しながらアイドル回転数を低減
でき、燃費性能を向上することができる。また、上記の
制御を行うには、制御ロジックを僅かに変更するだけで
足り、既存の油圧回路やオイルポンプを使用することが
できるので、油圧回路の改変に伴う大幅なコストアップ
を防止することができる。
【0015】また、請求項2に記載の構成によれば、オ
ーバドライブ禁止領域を車速信号単独又はスロットル開
度信号との組合せにより判断することにより、正確かつ
容易にオーバドライブ禁止制御が可能となる。そして、
オーバドライブ領域に所定の余裕を加えることにより、
信号のばらつきを防止し、シフトタイミングに余裕を持
たせることができる。
【0016】更に、請求項3に記載の構成では、オーバ
ドライブ変速段への変速の禁止領域をシフトポジション
信号から判断する制御が可能となるので、簡易な制御ロ
ジックで、容易にオーバドライブ禁止制御が可能とな
る。
【0017】そして、請求項4に記載の構成では、エン
ジン制御装置のオーバドライブ解除回路を使用すること
により、格別新たな制御装置を設けることなく、エンジ
ン制御装置における制御ロジックの若干の変更のみで、
安価かつ容易にオーバドライブ禁止制御が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿い、本発明の実施
形態を説明する。先ず本発明が適用される制御装置のシ
ステム構成から説明すると、図2に示すように、この装
置は、エンジン(E/G)に連結された自動変速機(T
/M)と、エンジン(E/G)の燃料噴射量を制御する
エンジン制御コンピュータ(EFI)と、エンジン制御
コンピュータ(EFI)に車両各部からの検出情報を送
る各種センサ11〜16から構成されている。本発明の
制御には、通常、自動変速機搭載車両に既存のもので、
エンジン側に設けられてクランクシャフトからエンジン
回転の検出するエンジン回転数センサ11、ジャケット
内の水温を検出する冷却水温センサ12、吸気系に設け
られてスロットル開度を検出するスロットルセンサ15
と、自動変速機側に設けられて出力軸の回転を検出する
車速センサ13、セレクト軸の回転を検出するニュート
ラルスタートスイッチからなるシフトポジションセンサ
16と、車室内に設けられたオーバドライブスイッチ1
4とが関与している。
【0019】こうしたシステム構成の制御装置では、エ
ンジン制御コンピュータ(EFI)は、スロットルセン
サ15によるスロットル開度(θ)が0のアイドル時に
は、冷却水温センサ12の水温(t)情報に基づいてエ
ンジン回転数センサ11からの回転数(Ne)情報を監
視しながら燃料噴射量を制御し、エンジン回転数(N
e)を所定のアイドル回転数に保つ制御を行う。そし
て、車速センサ13からの情報による車速(V)が車両
走行状態を表すときには、冷却水温センサ12及びオー
バドライブスイッチ14の情報に従って自動変速機(T
/M)の油圧制御装置30のオーバドライブ許可又は禁
止の制御を行う。
【0020】図1にブロック化して示すように、自動変
速機(T/M)の油圧制御装置30は、オーバドライブ
変速段を含む複数の変速段を達成するために選択的に係
脱される複数の摩擦係合要素にスロットル開度(θ)に
応じたスロットル油圧(Pth)と車速(V)に応じた
ガバナ油圧(Pg)との平衡関係に応じて、油圧すなわ
ちライン圧(PL )を各摩擦係合要素の係合のために、
それらに選択的に供給する。油圧制御装置30は、油圧
排出ポート351を閉じることにより信号圧を発生する
電磁弁35と、電磁弁35からの信号圧により複数の摩
擦係合要素に含まれるオーバドライブ変速段達成用の摩
擦係合要素B−0への油圧供給を遮断して、オーバドラ
イブ変速段への変速を禁止するオーバドライブ禁止手段
34を備えている。
【0021】本発明に従い、制御装置は、更に、車両の
走行状態を車速(V)、スロットル開度(θ)、シフト
ポジション(P,R,N,D,2,L)から検出する走
行状態検出手段と、走行状態検出手段からの信号に基づ
いて、車両の走行状態がオーバドライブ変速段の領域に
ないときに、電磁弁35の油圧排出ポート351を閉じ
るように作動させる電磁弁制御手段を備える。走行状態
検出手段からの信号は、車速(V)信号単独又はそれと
スロットル開度(θ)信号との組合せ、更にはそれらに
シフトポジション信号を組み合わせた信号とされ、電磁
弁制御手段は、信号が、オーバドライブ変速段の領域に
所定の余裕(マージン)を加えた領域にないときに、電
磁弁35の油圧排出ポート351を閉じるように作動さ
せる。この例では、制御装置には、走行状態検出手段か
らの信号に基づいて燃料噴射量を電気的に制御するエン
ジン制御手段(EFI)が用いられているため、電磁弁
制御手段は、エンジン制御手段(EFI)中のプログラ
ムとしてエンジン制御手段(EFI)に含まれる構成と
されている。
【0022】更に、各部についてより具体的に説明す
る。図3に示すように、自動変速機(T/M)の変速機
構は、この例では、1つのプラネタリギヤユニットP0
からなる前置式のオーバドライブ機構(O/D)と、単
純連結の2つのプラネタリギヤユニットP1,P2から
なる前進3速後進1速の主変速機構(M/D)とを組合
わせた4速構成とされ、この変速機構がトルクコンバー
タ(T/C)を介してエンジン(E/G)(図2参照)
に連結されている。
【0023】オーバドライブ機構(O/D)は、サンギ
ヤS0、リングギヤR0、それらに噛み合うピニオンギ
ヤPn及びそれを支持するキャリアCr0からなる単一
のプラネタリギヤユニットP0に関連して、サンギヤS
0とキャリアCr0とを連結する互いに並列に配置され
たワンウェイクラッチF−0及び摩擦係合要素としての
多板クラッチC−0並びにサンギヤS0を変速機ケース
20に係止させるオーバドライブ変速段達成用の摩擦係
合要素としての多板ブレーキB−0を備えている。そし
て、このオーバドライブ機構(O/D)は、キャリアC
r0をトルクコンバータ(T/C)のタービン軸22に
連結された入力要素とし、リングギヤR0を出力要素と
して、主変速機構(M/D)に中間軸23を介して連結
されている。
【0024】一方、主変速機構(M/D)は、2組のギ
ヤユニットP1,P2を備える。両者のサンギヤS1,
S2は一体化され、リングギヤR1とキャリアCr2は
互いに連結されて出力軸24に連結され、キャリアCr
1は並列する多板ブレーキB−3とワンウェイクラッチ
F−2により変速機ケース20に固定可能とし、サンギ
ヤS1,S2を直列するワンウェイクラッチF−1と多
板ブレーキB−2により変速機ケース20に固定可能と
するとともに、他の多板ブレーキB−1により変速機ケ
ース20に固定可能とした構成とされている。そして、
リングギヤR2はクラッチC−1に、またサンギヤS
1,S2はクラッチC−2に連結されて、それぞれ入力
要素とされている。なお、図示されていないが、各クラ
ッチ及びブレーキは、それらの摩擦材を係合・解放操作
するピストン・シリンダ機構からなる油圧サーボ装置を
備えており、本明細書において、これら摩擦材と油圧サ
ーボ装置とを一括して摩擦係合要素とよんでいる。
【0025】この自動変速機(T/M)において、図2
に示すエンジン(E/G)の回転は、エンジンの稼働中
を通じて図3に示す入力軸21からトルクコンバータ
(T/C)を経てタービン軸22に出力され、それに連
結するオーバドライブ機構(O/D)のキャリアCr0
を回転させている。このキャリアCr0の回転は、上記
油圧制御装置30による制御下で、クラッチC−0のみ
が係合されて直結状態とされたオーバドライブ機構(O
/D)のリングギヤR0から出力され、中間軸23を経
て主変速機構(M/D)のクラッチC−1,C−2に入
力され、そこでそれらクラッチC−1,C−2の解放に
より遮断されている。この状態が、本発明の主眼とする
制御がなされるニュートラル“N”及びパーキング
“P”状態である。
【0026】そして、“D”レンジにおける走行時の第
1速は、オーバドライブ機構(O/D)が直結のまま、
主変速機構(M/D)のクラッチC−1のみ係合とした
場合に達成され、このとき、クラッチC−1経由でギヤ
ユニットP2のリングギヤR2に入る回転が、ワンウェ
イクラッチF−2によるキャリアCr1の逆転阻止でリ
ングギヤR1から出力軸24に最も減速された第1速回
転として出力される。
【0027】次に、第2速は、同じくオーバドライブ機
構(O/D)が直結で、クラッチC−1及びブレーキB
−2を係合したときに達成され、このとき、第1速の場
合と同様の経路でギヤユニットP2のリングギヤR2に
入った入力は、ギヤユニットP2のサンギヤS2を反力
要素とするキャリアCr2及びそれに直結するギヤユニ
ットP1のリングギヤR1への出力とされ、出力軸24
の第2速回転となる。
【0028】更に、第3速は、同じくオーバドライブ機
構(O/D)が直結で、クラッチC−1及びクラッチC
−2を共に係合したときに達成され、このとき、リング
ギヤR2及びサンギヤS2に同速の回転が入力されるた
め、ギヤユニットP2が直結となって入力回転がそのま
ま出力される。これに対して、第4速は、主変速機構
(M/D)が上記第3速の直結状態で、オーバドライブ
機構(O/D)のクラッチC−0 を解放し、替わってブ
レーキB−0の係合でサンギヤS0を固定したときに生
じる、サンギヤS0を反力要素とするリングギヤR0の
増速回転で達成され、出力軸24のオーバドライブ回転
となる。
【0029】なお、他のレンジにおける動力伝達につい
ては、エンジンコースト時の逆駆動によるエンジンブレ
ーキ効果を得るための摩擦係合要素の追加係合又はワン
ウェイクラッチ作動の相違のみであるので、図4の作動
図表の参照をもって説明に代える。
【0030】次に、油圧制御装置30は、本発明の制御
に関連する部分のみを図5に示すように、自動変速機
(T/M)のタービン軸22により駆動される油圧源と
してのオイルポンプ(PUMP)31と、その吐出圧を
スロットル圧(Pth)に応じてライン圧(PL )に調
圧するプライマリレギュレータ弁32と、キックダウン
弁と組み合わされ、ライン圧(PL )を調圧してスロッ
トル圧(Pth)を出力するスロットル弁33と、本実
施形態においてオーバドライブ禁止手段として使用さ
れ、ライン圧(PL )のブレーキB−0への供給とクラ
ッチC−0からの排出及びその逆のクラッチC−0への
供給とブレーキB−0からの排出を切り換える3−4シ
フト弁34と、3−4シフト弁34をオーバドライブ禁
止のためにロックする本発明にいう電磁弁に当たるオー
バドライブソレノイド弁35を備えている。
【0031】こうした油圧制御装置30において、オー
バドライブ許可時すなわちオーバドライブスイッチ14
による禁止操作が選択されていないときには常時、オー
バドライブソレノイド弁35はオンとされ、ドレーン排
出を行っている。こうした常閉型のソレノイド弁35が
用いられている理由に関する詳細な説明は省略するが、
要するにスロットル圧(Pth)とガバナ圧(Pg)と
の均衡で切り換え作動させる3−4シフト弁34をソレ
ノイド信号圧(Ps)によりロック可能な単一の弁とし
て構成するには、こうした構成が必然のものとなるので
ある。こうした回路構成により3−4シフト弁34は、
そのプランジャ341にソレノイド信号圧(Ps)を印
加することにより図示右半分に示す位置に強制的にロッ
クされ、ソレノイド信号圧の解放時には、スプール34
2の両端に対向して印加されるガバナ圧(Pg)とスロ
ットル圧(Pth)に応じて切り換えられる。
【0032】したがって、ソレノイド信号がオンとされ
ている通常時、第3速以下では、ガバナ圧(Pg)に対
してスロットル圧(Pth)が勝るため、プランジャ3
41が図示左半分の位置にあっても、スプール342は
右半分の位置にあり、ブレーキB−0はドレーン接続と
され、クラッチC−0にはライン圧(PL )が供給され
て、オーバドライブ機構(O/D)は前述の直結状態と
なる。これに対して、ガバナ圧(Pg)がスロットル圧
(Pth)に対して高くなり第4速の条件が満たされる
ようになると、スプール342は左半分の位置に切り換
わり、ライン圧(PL )はブレーキB−0に供給され、
クラッチC−0の油圧はドレーンされ、オーバドライブ
機構(O/D)は前述の増速回転状態となり、自動的に
3→4変速がなされる。また逆に、ガバナ圧(Pg)が
スロットル圧(Pth)に対して低くなり、第4速の条
件が満たされないようになると、スプール342は右半
分の位置に戻り、オーバドライブ機構(O/D)が直結
状態となる4→3変速がなされる。
【0033】そして、アイドル状態では、上記のよう
に、従来の制御形態ではオーバドライブソレノイド弁3
5へのソレノイド信号はオンとされているため、ライン
圧(PL )は、オリフィス36を経て、オーバドライブ
ソレノイド弁35からドレーンされている。したがって
このドレーン分の油はロスとなる。そこで、本発明が適
用されたこの実施形態では、オーバドライブソレノイド
弁35をオフとし、上記のように3−4シフト弁34の
スプール342をプランジャ341により図示右半分に
示す位置に強制的にロックする制御を行う。
【0034】この制御は、本形態においてエンジン制御
コンピュータ(EFI)内のプログラムとして構成され
る電磁弁制御手段により行われるが、その詳細につい
て、図6のフローチャートと、図7の変速線図を参照し
て説明する。先ず、ステップS−1において、従来の制
御と同様に、冷却水温(t)の温度判断が行われる。こ
の水温(t)が所定値(t1 , 通常80°C程度)未満
であれば、後続の判断を待たずにステップS−5による
オーバドライブ禁止処理を行う。次に、ステップS−2
による判断で、オーバドライブスイッチがオフであれ
ば、同様にステップS−5によるオーバドライブ禁止処
理を行う。
【0035】そして、次のステップS−3では、車速
(V)の判断が行われる。この判断に際し、図7の変速
線図に示すように、実質上の車両停止状態あるいはそれ
に近い低速走行状態に相当する所定値、詳しくは、4→
3変速判断線に当たる車速より信号のばらつきやシフト
タイミングの余裕を見込んだ所定の余裕(マージン)
(α)分だけ低い車速(V1 )未満であれば、ステップ
S−5によるオーバドライブ禁止処理を行う。このオー
バドライブ禁止領域(1)が図に斜線で示されている。
これに対して、上記車速(V1 )以上ではあるが、スロ
ットル開度(θ)が大きい場合にオーバドライブ変速段
選択がなされない車速(V2 )未満の領域にある場合、
スロットル開度を考慮する次のステップS−4の判断に
進み、スロットル開度(θ)が図7に示す4→3変速判
断線より所定の余裕(マージン)(β)分だけ大きなス
ロットル開度(θ1 )以上であれば、同様にステップS
−5によるオーバドライブ禁止処理を行う。この付加的
なオーバドライブ禁止領域(2)の設定は、アイドル回
転時の油圧ロスの低減に直接関与するものではないが、
一般的な油圧ロスの低減には有効なものであり、この領
域が図に格子線で示されている。更に、ステップS−3
の車速(V)の判断が、オーバドライブ変速段選択の車
速(V2 )領域以上であれば、次のステップS−6によ
るシフトポジションの判断を行う。
【0036】最後のステップS−6による判断は、オー
バドライブ状態となり得ない走行状態、すなわち、主と
して“2”レンジや“L”レンジ等での油圧ロスを防ぐ
ように設けられた判断であり、この判断では、シフトポ
ジションが“D”レンジ以外であれば、ステップS−5
による禁止処理を行う。かくして、上記各ステップの全
ての判断が否の場合には、オーバドライブ許可の処理を
行う。
【0037】このようにして、本実施形態によれば、車
両走行状態がオーバドライブ領域にない領域において、
オーバドライブ変速段への変速を禁止する領域を設定し
たので、オーバドライブ禁止領域では、オーバドライブ
ソレノイド弁35は非通電とされ、油圧排出ポート35
1が閉じられ、作動上必要な油圧を確保しながらアイド
ル回転数を低減でき、燃費性能を向上することができ
る。また、こうした制御は、制御ロジックを僅かに変更
するだけで可能となり、既存の油圧回路やオイルポンプ
をそのまま用いることができるので、油圧制御装置30
のバルブボディの改変等を行った場合に不可避な大幅な
コストアップを避けることができる。
【0038】そして、特にオーバドライブ禁止領域を車
速(V)信号とスロットル開度(θ)信号との組合せに
より判断することにより、正確かつ容易にオーバドライ
ブ禁止制御が可能となる。また、オーバドライブ領域に
所定のマージン(α),(β)を加えることにより、信
号のばらつきによる誤作動を防止し、更に4→3ダウン
シフトタイミングに余裕を持たせることができる。更
に、オーバドライブ変速段への変速を許可する“D”レ
ンジ以外のレンジが選択されているときには、オーバド
ライブ変速段への変速を禁止することにより、容易にオ
ーバドライブ禁止制御が可能となる。更に、エンジン制
御コンピュータ(EFI)付車両において設定されてい
る低温時のオーバドライブスイッチ解除回路を利用する
ことにより、エンジン制御コンピュータ(EFI)にお
ける制御ロジックを多少変更するだけで足り、安価でし
かも容易にオーバドライブ禁止制御が可能となる。
【0039】以上、本発明を一実施形態に基づき詳説し
たが、本発明はこれに限るものではなく、特許請求の範
囲に記載の事項の範囲内で種々に具体的構成を変更する
ことができる。例えば、本発明をエンジン制御コンピュ
ータを持たない制御装置に適用する場合、オーバドライ
ブリレー等による対応も可能である。また、車速センサ
を持たない自動変速機の場合には、エンジン回転を第3
速時の変速比で換算した車速を用いて制御する形態での
実施も可能である。また、エンジン回転数を検出してト
ルクコンバータによる滑りを考慮することで自動変速機
の入力軸回転数を推定し、自動変速機の出力軸回転数を
車速信号で検出し、両者の値を基に現在の変速段を推定
し、第1速段あるいは第1、2速段では電磁弁の油圧排
出ポートを閉じることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る油圧制御式自動変速
機の制御装置を概念化して示すブロック図である。
【図2】上記制御装置のシステム構成を示すブロック図
である。
【図3】上記自動変速機の変速機構部を示すスケルトン
図である。
【図4】上記自動変速機の作動図表である。
【図5】上記自動変速機の油圧制御装置の部分回路図で
ある。
【図6】上記制御装置によるオーバドライブ禁止・許可
の処理を示すフローチャートである。
【図7】上記処理が行われる領域を示す変速線図であ
る。
【図8】従来の油圧制御装置の油圧特性図である。
【符号の説明】
T/M 自動変速機 EFI エンジン制御コンピュータ(エンジン制御手
段) B−0〜B−3 ブレーキ(摩擦係合要素) C−0〜C−2 クラッチ(摩擦係合要素) 11 車速センサ(走行状態検出手段) 15 スロットルセンサ(走行状態検出手段) 16 シフトポジションセンサ(走行状態検出手段) 30 油圧制御装置 34 3−4シフト弁(オーバドライブ禁止手段) 35 オーバドライブソレノイド弁(電磁弁) 351 油圧排出ポート S−3〜S−6 ステップ(電磁弁制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // F16H 59:10 59:24 59:44 (72)発明者 岩月 邦裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 友松 秀夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 椎葉 一之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 佐用 正一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−175564(JP,A) 特開 平4−55(JP,A) 特開 平8−326906(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24 F02D 29/00 B60K 41/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーバドライブ変速段を含む複数の変速
    段を達成するために選択的に係脱される複数の摩擦係合
    要素と、スロットル開度に応じたスロットル油圧と車速
    に応じたガバナ油圧との平衡関係に応じて、前記複数の
    摩擦係合要素に係合のための油圧を選択的に供給する油
    圧制御装置とを備える油圧制御式自動変速機の制御装置
    であって、 前記油圧制御装置は、油圧排出ポートを閉じることによ
    り信号圧を発生させる電磁弁と、該電磁弁からの信号圧
    により前記複数の摩擦係合要素に含まれるオーバドライ
    ブ変速段達成用の摩擦係合要素への油圧供給を遮断し
    て、前記オーバドライブ変速段への変速を禁止するオー
    バドライブ禁止手段とを備えるものにおいて、 前記制御装置は、車両の走行状態を検出する走行状態検
    出手段と、該走行状態検出手段からの信号に基づく車両
    の走行状態が前記オーバドライブ変速段の領域にないと
    き、前記電磁弁の油圧排出ポートを閉じるように作動さ
    せる電磁弁制御手段とを備えることを特徴とする油圧制
    御式自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記走行状態検出手段からの信号は、車
    速信号又は該車速信号とスロットル開度信号との組合せ
    であり、 前記電磁弁制御手段は、前記走行状態検出手段からの信
    号に基づく車両の走行状態が前記オーバドライブ変速段
    の領域に所定の余裕を加えた領域にないとき、前記電磁
    弁の油圧排出ポートを閉じるように作動させることを特
    徴とする請求項1記載の油圧制御式自動変速機の制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記走行状態検出手段からの信号は、シ
    フトレバーのポジション信号であり、 前記電磁弁制御手段は、前記シフトレバーのポジション
    が前記オーバドライブ変速段を許容するポジションにな
    いとき、前記電磁弁の油圧排出ポートを閉じるように作
    動させることを特徴とする請求項1記載の油圧制御式自
    動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御装置は、前記走行状態検出手段
    からの信号に基づいて燃料噴射量を電気的に制御するエ
    ンジン制御手段を有し、 前記電磁弁制御手段は、前記エンジン制御手段に含まれ
    ることを特徴とする請求項1又は3記載の油圧制御式自
    動変速機の制御装置。
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