JP3118532U - ふきん用繊維構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄物由来の繊維を親水性とし、ふきんなどとしての適性を付与することにより、廃棄物としての繊維製品の再利用を図り、焼却処分される繊維製品を減少させることのできるふきん用繊維構造体の提供。
【解決手段】(1)廃棄物由来の繊維を原料とする繊維集合体であって、水滴消失時間が10秒以下であることで定義される親水性を有することを特徴とする吸水性繊維集合体であり、(2)(1)において、廃棄物由来の繊維として、セルロース繊維、0.1〜10.0重量%のアクリル繊維、乃至0.1〜10.0重量%のポリアミド繊維を含むことにより親水性が付与された、水滴消失時間が10秒以下であることを特徴とする、また、吸水性繊維集合体は、繊維製品の廃棄物を洗浄し、フィラメント乃至紡績糸に分解し再度織編した製品であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】(1)廃棄物由来の繊維を原料とする繊維集合体であって、水滴消失時間が10秒以下であることで定義される親水性を有することを特徴とする吸水性繊維集合体であり、(2)(1)において、廃棄物由来の繊維として、セルロース繊維、0.1〜10.0重量%のアクリル繊維、乃至0.1〜10.0重量%のポリアミド繊維を含むことにより親水性が付与された、水滴消失時間が10秒以下であることを特徴とする、また、吸水性繊維集合体は、繊維製品の廃棄物を洗浄し、フィラメント乃至紡績糸に分解し再度織編した製品であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本考案は、廃棄物を利用した吸水性繊維集合体に関するものである。
繊維製品は、広く衣料や、敷物などの住宅用として広く使用されている。使用後は、廃棄物として、焼却される、土中に埋めるなどが行われている。しかし、繊維製品は、焼却処理をするとダイオキシンなど発生の原因となるし、土中に埋める方法では、合成繊維は、一般に生分解性が悪く、長期間分解せずに残存し、環境汚染の原因となる。
廃棄される繊維製品は、成長、肥満などの理由によるサイズの変化、流行おくれ、汚れなどの理由で廃棄され、繊維製品自体の性能劣化で廃棄されるわけではない場合が多く、豊かさの象徴として、なお使用可能であるにもかかわらず、廃棄される例が多々あり、廃棄物は増大する傾向にある。
近年、廃棄物を利用する例として、再生ポリエステル樹脂を主成分とする乾式不織布からなる汚れ落し部と、発泡体からなる保水部を有する「たわし」が開示されている(特許文献1)。しかしこの方式では、重合体の回収であり、「たわし」にするため、紡糸などの成形工程が必要であり、繊維の廃棄物には適用できない。
天然繊維と合成繊維を分離する方法として、酵素を利用し天然繊維のみを分解し、合成繊維のみ回収する方法などがある(特許文献2)。
天然繊維と合成繊維を分離する方法として、酵素を利用し天然繊維のみを分解し、合成繊維のみ回収する方法などがある(特許文献2)。
しかし、廃棄された繊維の再利用に関する例は少ない。この理由として、廃棄される繊維は、多様である、汚れがひどく衛生的でないなどの理由により開発が進んでいない現状にある。しかし、省資源、環境保全の見地から、今後の開発が必要である。
本考案の目的は、廃棄物由来の合成繊維布を親水性とし、ふきんなどとしての適性を付与することにより、廃棄物としての繊維製品の再利用を図り、焼却処分される繊維製品を減少させることである。
本考案者らは、親水性について鋭意研究の結果、
廃棄物から回収された繊維において、該繊維にアクリル繊維、ポリアミド繊維を含有させることにより、あるいは木綿を配合することにより、著しく親水性が向上することを見出し本考案に到達したのである。
廃棄物から回収された繊維において、該繊維にアクリル繊維、ポリアミド繊維を含有させることにより、あるいは木綿を配合することにより、著しく親水性が向上することを見出し本考案に到達したのである。
すなわち本考案は、
(1)廃棄物由来の繊維を原料とする繊維集合体であって、水滴消失時間が10秒以下であることで定義される親水性を有することを特徴とする吸水性繊維集合体。
(2) (1)において、廃棄物由来の繊維として、セルロース繊維を含有することにより親水性が付与された水滴消失時間が10秒以下であることを特徴とする、
(3) (1)において、廃棄物由来の実質的に合成繊維のみからなる繊維集合体であって、0.1〜10.0重量%のアクリル繊維、乃至0.1〜10.0重量%のポリアミド繊維を含むことにより親水性が付与された、水滴消失時間が10秒以下であることを特徴とする、
(4) (1)、(2)、(3)において、繊維集合体は、編織物であることを特徴とする、
(5) (1)、(2)、(3)において、繊維集合体は、不織布であることを特徴とする、
(6) (1)、(2)、(3)、(4)において、吸水性繊維集合体は、繊維製品の廃棄物を洗浄し、フィラメント乃至紡績糸に分解し再度織編した製品であることを特徴とする。
(1)廃棄物由来の繊維を原料とする繊維集合体であって、水滴消失時間が10秒以下であることで定義される親水性を有することを特徴とする吸水性繊維集合体。
(2) (1)において、廃棄物由来の繊維として、セルロース繊維を含有することにより親水性が付与された水滴消失時間が10秒以下であることを特徴とする、
(3) (1)において、廃棄物由来の実質的に合成繊維のみからなる繊維集合体であって、0.1〜10.0重量%のアクリル繊維、乃至0.1〜10.0重量%のポリアミド繊維を含むことにより親水性が付与された、水滴消失時間が10秒以下であることを特徴とする、
(4) (1)、(2)、(3)において、繊維集合体は、編織物であることを特徴とする、
(5) (1)、(2)、(3)において、繊維集合体は、不織布であることを特徴とする、
(6) (1)、(2)、(3)、(4)において、吸水性繊維集合体は、繊維製品の廃棄物を洗浄し、フィラメント乃至紡績糸に分解し再度織編した製品であることを特徴とする。
本考案でいう吸水性は、水滴消失時間が短かいことで表すことができる。ふきんなどとして利用する場合、水滴の吸収性は重要な特性となるからである。水滴消失時間の測定法としては、JIS−L−1096A法をあげることができる。この方法による測定法で水滴消失時間が10秒以下であることが必要である。
本考案において、廃棄物由来の繊維としては、手袋、作業服、カーペット、毛布、子供服などから入手できる。使用可能な繊維としては、アクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、木綿などをあげることができる。これら繊維は、容易に入手することができるからである。そしてこれら繊維の太さは、1〜20デニールの範囲が好ましい。この範囲の太さは、衣料用繊維として、あるいはカーペットなどの敷物用の繊維として容易に入手可能であるからである。
本考案において、使用される繊維を実質的に合成繊維に限定すれば、
土のうなどに使用した時、土の中のバクテリアなどにより分解されずに残留し、繊維としての性能を保持することが可能となる。
土のうなどに使用した時、土の中のバクテリアなどにより分解されずに残留し、繊維としての性能を保持することが可能となる。
本考案において、アクリル繊維乃至ポリアミド繊維を有していることが好ましい。アクリル繊維乃至ポリアミド繊維は、廃棄物として放置されたり、土中に埋められたりしている間に、表面が親水化され吸水性が大幅に上昇するからと解される。一方、ポリプロピレン繊維などでは表面が親水化され、大幅に吸水性が上昇することはない。
一方、ポリエステル繊維は、放置されたり、土中に埋められたりしている間に、表面が親水化され吸水性が上昇するが、なお不満足である。しかし、アクリル繊維、ポリアミド繊維と混合すれば充分な親水性を得ることが可能となる。また木綿などの親水性繊維を混合することによっても親水性を与えることが可能である
本考案において、繊維集合体とは、不特定多数の繊維が集まった塊りである集合体をいい、具体的には、編織物、不織布を意味する。
本考案において、吸水性合成繊維集合体を作成するには、廃棄物から繊維を回収する。回収された繊維集合体は、土などの汚れが付着している場合、洗浄して汚れ成分を除く。次に回収された繊維集合体は、編織物である時、フィラメント又は紡績糸まで戻し巻き取り、再度織ったり編んだりして編織物とする。
一方、不織布とする場合は、フィラメント、紡績糸とすることなく、ニードルパンチなどの方式により不織布とする。繊維相互の接着などの目的で、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、合成ゴムラテックスなどを使用することもできる。
土中に埋められていた廃棄物、手袋として使用されていた廃棄物から繊維を採取し、洗浄して土や汚れを除く。乾燥した後、糸として巻き取る。
次に編成して編地とする。図1は、アクリル繊維を5.0重量%、ポリアミド繊維10.0重量%、残りはポリエステル繊維からなるポリエステル繊維・アクリル繊維、ポリアミド繊維混合糸からなる編地の正面図である。表面が親水化されており、JIS−L−1096A法による水滴の浸透時間は4秒であり優れた親水性を有することが認められた。
0018において、カードで開繊した繊維シートを、ニードルパンチを用い不織布とした。図2は、アクリル繊維を2.2重量%、残りはポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布の断面図である。表面が親水化されており、JIS−L−1096A法による水滴の浸透時間は4.5秒であり優れた親水性を有することが認められた。
以上の説明から明らかなように、本考案の吸水性繊維集合体は以下に列記したような実用上優れた効果を有する。
(a)廃棄物としての繊維を利用するので、焼却処分される繊維の量を減少することが可能であり、ダイオキシンの発生など減少させることが可能であると期待される。
(b)廃棄物としての繊維を利用するので、省資源の見地からも有効である。
(c)廃棄物としての繊維を利用するので、散乱・放置されている繊維を収集する動機づけを与え、自発的な回収意欲が起こるので、環境の美化に役立つ。
(a)廃棄物としての繊維を利用するので、焼却処分される繊維の量を減少することが可能であり、ダイオキシンの発生など減少させることが可能であると期待される。
(b)廃棄物としての繊維を利用するので、省資源の見地からも有効である。
(c)廃棄物としての繊維を利用するので、散乱・放置されている繊維を収集する動機づけを与え、自発的な回収意欲が起こるので、環境の美化に役立つ。
1 吸水性繊維集合体である編地
2 吸水性繊維集合体である不織布
3 ポリエステル繊維層
4 アクリル繊維
2 吸水性繊維集合体である不織布
3 ポリエステル繊維層
4 アクリル繊維
Claims (6)
- 廃棄物由来の繊維を原料とする繊維集合体であって、水滴消失時間が10秒以下であることで定義される親水性を有することを特徴とする吸水性繊維集合体。
- 請求項1において、廃棄物由来の繊維として、セルロース繊維を含有することにより親水性が付与された水滴消失時間が10秒以下であることを特徴とする吸水性繊維集合体。
- 請求項1において、廃棄物由来の実質的に合成繊維のみからなる繊維集合体であって、0.1〜10.0重量%のアクリル繊維、乃至0.1〜10.0重量%のポリアミド繊維を含むことにより親水性が付与された、水滴消失時間が10秒以下であることを特徴とする吸水性繊維集合体。
- 請求項1、2、3において、繊維集合体は、編織物であることを特徴とする吸水性繊維集合体。
- 請求項1、2、3において、繊維集合体は、不織布であることを特徴とする吸水性繊維集合体。
- 請求項1、2、3、4において、吸水性繊維集合体は、繊維製品の廃棄物を洗浄し、フィラメント乃至紡績糸に分解し再度織編した製品であることを特徴とする吸水性繊維集合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005006594U JP3118532U (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | ふきん用繊維構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005006594U JP3118532U (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | ふきん用繊維構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3118532U true JP3118532U (ja) | 2006-02-02 |
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Family Applications (1)
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JP2005006594U Expired - Fee Related JP3118532U (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | ふきん用繊維構造体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0418951U (ja) * | 1990-06-05 | 1992-02-18 |
-
2005
- 2005-08-12 JP JP2005006594U patent/JP3118532U/ja not_active Expired - Fee Related
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