JP3118288B2 - カリウムイオン除去剤 - Google Patents

カリウムイオン除去剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液または体液中のカリ
ウムイオン除去剤に関するもので、更に詳しく述べる
と、創傷等救急治療の際に血液中のカリウムイオン濃度
が上昇した場合、過剰のカリウムイオンを除去して、適
正な濃度に保持するために使用するカリウムイオン除去
剤である。
【0002】
【従来の技術】人体内に存在する陽イオンは、ナトリウ
ムイオンが最も多く、次いでカリウムイオン及びカルシ
ウムイオンである。血液中のカリウムイオン濃度は心臓
の機能に大きな影響を与える性質を持ち、正常な状態で
は3.5 〜5.3mEq/lに保持されている。しかし、そのカリ
ウムイオン濃度が上昇して7mEq/l 近くなると心機能に
異常を生じ、8mEq/l に達すると心停止を起こすおそれ
があると言われている。
【0003】体内組織の細胞中にはカリウムイオンが多
く含まれているため、創傷を負ったり、組織の破壊が起
こると、細胞内に含まれているカリウムイオンが細胞外
に出て血液中のカリウムイオンの濃度が上昇する。例え
ば、交通事故等で大きな創傷を負った場合、過度の出血
を防ぐため患部に応急の止血処置を施した後、患者を救
急施設へ運ぶことが多い。病院に到着後治療のため、止
血処置により抑えられていた血流が再開された直後、患
部周辺のカリウムイオンを多量に含む血液が全身に循環
して、患者が心停止を起こす、いわゆるクラッシュ・シ
ンドロームが発生することがあり、救急救命治療上の大
きな問題となっている。
【0004】これを防止するため、患者に陽イオン交換
樹脂を投与し、イオン交換樹脂の作用により腸内からカ
リウムイオンを吸着除去することにより、血液中のカリ
ウムイオン濃度を低下させる治療法が従来から実用化さ
れている。しかし、この方法では、血液中のカリウムイ
オン濃度を低下させるのにある程度の時間を要するた
め、クラッシュ・シンドロームの様な、瞬間的急変の対
病療法としては有効でない。
【0005】その他、血液中のカリウムイオン濃度を急
激に低下させる治療法として、グルコースとインシュリ
ンを大量に投与する方法もあるが、血糖値が急激に低下
する副作用があるため使用が制限される。この様にクラ
ッシュ・シンドロームに対する有効な治療法は、まだ確
立されていないのが現状である。
【0006】カリウムイオンは陽イオンであるから、陽
イオン交換樹脂によりナトリウムイオン等と交換するこ
とによって除去する方法が考えられるが、この様な方法
はまだ報告されていない。しかし、イオン交換樹脂によ
り血液中の有害成分を除去する方法として、血液を体外
循環させ、陽イオン交換樹脂により血液中の尿素を除去
する方法が特開昭57-81829号公報に開示されている。ま
た、特開昭59-6069 号公報、人工臓器10巻6号1013〜10
19頁(1981年) 及び13巻2号694 〜700 頁(1984年) に
は、血液中の電解質バランスを保持しながら、尿素及び
尿毒病成分を除去する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】血液中のカリウムイオ
ン濃度が上昇した場合、心停止を起こす、いわゆるクラ
ッシュ・シンドロームが発生するおそれがある。これを
防止するため、血液を体外循環させ、陽イオン交換樹脂
で処理することにより、カリウムイオン以外の電解質の
組成に影響を与えることなく、カリウムイオンをナトリ
ウムイオン等と交換することにより除去して、その濃度
を適正に保持出来るカリウムイオン除去剤を提供しよう
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】血液中のカリウムイオン
を陽イオン交換樹脂によって除去しようとする際、他の
陽イオンも同時にイオン交換される。従って、如何にし
て血液中に含まれているその他の電解質の組成を保持す
るか、特にカルシウムイオン濃度が低下しない様にする
かが最も重要な課題である。
【0009】血液中のカルシウムイオンは血液凝固系を
制御する重要な役割を担っており、正常な状態ではその
濃度は4.3 〜5.2mEq/lに保持されている。しかし、カリ
ウムイオンをイオン交換により除去する場合、カルシウ
ムイオンも共にイオン交換される。従って、カルシウム
イオン濃度を変動させないようにしてカリウムイオンを
除去する必要がある。
【0010】通常、血液を処理する場合抗凝固剤を使用
する。このような抗凝固剤としては、クエン酸を主成分
とするもの、ヘパリンまたはFUT(メシル酸ナファモ
スタット)を使用するのが一般的である。クエン酸を主
成分とする抗凝固剤としては、例えばACD(acid-cit
rate-dextrose solution 、クエン酸・クエン酸ナトリ
ウム・ブドウ糖液)、CPD(citrate-phosphate-dext
rose solution 、クエン酸ナトリウム・リン酸ナトリウ
ム・ブドウ糖液)等をあげることができ、通常血液10容
に対して1〜2.5 容の範囲で使用される。ヘパリンは通
常血液1mlに対して0.5 〜5単位の範囲で使用される。
FUTは通常持続的に投与し、体重1kgに対して毎時0.
06〜0.2mg の範囲で使用される。
【0011】本発明者等は、このような抗凝固剤を使用
して陽イオン交換樹脂により血液を処理する場合、カリ
ウムイオンををイオン交換により除去すると共に、カル
シウムイオン濃度を変動させない方法について研究した
結果、ナトリウム塩型陽イオン交換樹脂とカルシウム塩
型陽イオン交換樹脂、またはナトリウム塩型陽イオン交
換樹脂、カルシウム塩型陽イオン交換樹脂およびマグネ
シウム塩型陽イオン交換樹脂を特定範囲の比率に混合し
て使用することにより、血液中のカルシウムイオン濃度
を一定に保持して、カリウムイオンを除去出来ることを
見出し、これに基づいて本発明に到達した。
【0012】すなわち、ナトリウム塩型陽イオン交換樹
脂90〜98容量部及び、カルシウム塩型陽イオン交換樹脂
10〜2容量部からなる血液または体液中のカリウムイオ
ン吸着剤であり、或いはまたナトリウム塩型、カルシウ
ム塩型およびマグネシウム塩型の陽イオン交換樹脂から
なる混合物100 容量部のうち、カルシウム塩型陽イオン
交換樹脂が25〜40容量部、マグネシウム塩型陽イオン交
換樹脂が2〜6容量部で、残部がナトリウム塩型の陽イ
オン交換樹脂である血液または体液中のカリウムイオン
除去剤である。前者は抗凝固剤としてクエン酸を主成分
とするもの例えばACDを使用した場合に好適であり、
後者は抗凝固剤としてヘパリンやFUTを使用した場合
に好適である。
【0013】以下本発明について詳しく説明する。
【0014】本発明はナトリウム塩型陽イオン交換樹脂
及びカルシウム塩型陽イオン交換樹脂、或いはまたナト
リウム塩型陽イオン交換樹脂、カルシウム塩型陽イオン
交換樹脂及びマグネシウム塩型陽イオン交換樹脂を使用
する必要がある。イオン交換樹脂は3次元結合を有する
高分子の母体に、イオン交換性を有する交換基が共有結
合により、安定に結合した構造を有する高分子電解質で
ある。3次元結合を有する高分子の母体は特に限定せ
ず、イオン交換基を安定的に導入し得る3次元結合を有
する高分子であれば広範囲に使用出来る。例えば、スチ
レンに少量のジビニルベンゼンを加えて共重合して得ら
れたポリマー、メタアクリル系ポリマー、フェノール系
ポリマー或いは各種アミンの縮合系ポリマー等である。
【0015】これらのポリマーの中、スチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体は母体及びイオン交換基を導入した
ポリマーが化学的に安定で交換容量が大きく、且つパー
ル重合により容易に均一な球形粒子にすることが出来る
ため、最も広く用いられている。本発明のイオン交換樹
脂の母体としても好ましい性質を持っている。
【0016】陽イオン交換樹脂は、前記の3次元構造の
母体ポリマーに酸性交換基を導入したものである。酸性
交換基は共有結合により母体ポリマーに安定に結合出来
るものであれば、その種類は限定せず、広範囲の交換基
が使用出来る。この様な交換基としては例えばスルホン
酸基、カルボキシル基等が最も広く使用される。なかで
もスルホン酸基は本発明の陽イオン交換樹脂のイオン交
換基として好ましい。
【0017】ナトリウム塩型、カルシウム塩型或いはマ
グネシウム塩型とは酸性交換基のイオン交換性の水素原
子をナトリウム原子、カルシウム原子或いはマグネシウ
ム原子に置換したものを言い、水溶液中または血液中で
はナトリウム原子、カルシウム原子或いはマグネシウム
原子は酸性交換基とイオン結合をした状態で存在し、容
易に溶液中に存在する他の陽イオンと交換される。
【0018】イオン交換樹脂の材質には非多孔性のゲル
型のものと多孔性のポーラス型のものがあるが、本発明
にはいずれの型も使用出来る。更に樹脂の形状は球状粒
子、破砕状粒子或いは膜状等多くの形態にすることが出
来るが、いずれの形状を有するものでもよい。
【0019】本発明のカリウムイオン除去剤は、ナトリ
ウム塩型陽イオン交換樹脂90〜98容量部及び、カルシウ
ム塩型陽イオン交換樹脂10〜2容量部を混合したもので
ある必要がある。換言すれば、ナトリウム塩型及びカル
シウム塩型のイオン交換樹脂の混合物100 容量部の中、
カルシウム塩型の比率が2〜10容量部で、その他がナト
リウム塩型であることを意味している。カルシウム塩型
イオン交換樹脂の比率が2容量部より低下すると、イオ
ン交換樹脂で処理された血液中のカルシウムイオン濃度
が低下して、血液が凝固しにくくなるなど血液凝固系の
機能阻害が生じる。またカルシウム塩型イオン交換樹脂
の比率が10容量部以上に上昇すると、血液中のカルシウ
ムイオン濃度が高くなり、血液のpHがアルカリ性に傾く
アルカローシスが起こるおそれがあるためである。
【0020】或いはまた本発明のカリウムイオン除去剤
は、ナトリウム塩型、カルシウム塩型およびマグネシウ
ム塩型の陽イオン交換樹脂からなる混合物100 容量部の
うち、カルシウム塩型陽イオン交換樹脂が25〜40容量
部、マグネシウム塩型陽イオン交換樹脂が2〜6容量部
で、残部がナトリウム塩型の陽イオン交換樹脂からなっ
ている。カルシウム塩型陽イオン交換樹脂の比率が25容
量部より低下すると、イオン交換樹脂で処理された血液
中のカルシウムイオン濃度が低下して、血液が凝固しに
くくなるなど血液凝固系の機能阻害が生じる。またカル
シウム塩型陽イオン交換樹脂の比率が40容量部より上昇
すると、血液中のカルシウムイオン濃度が高くなり、血
液のpHがアルカリ性に傾くアルカローシスが起こるおそ
れがあるためである。一方、マグネシウム塩型陽イオン
交換樹脂の比率が2容量部より低下すると、イオン交換
樹脂で処理された血液中のマグネシウムイオン濃度が低
くなり、低マグネシウム血症の症状、例えば痙攣、頻脈
をひきおこすおそれがある。
【0021】また、マグネシウム塩型イオン交換樹脂の
比率が6容量部より上昇すると、イオン交換樹脂で処理
された血液中のマグネシウムイオン濃度が高くなり、高
マグネシウム血症の症状、例えば徐脈、低血圧等を引き
起こすおそれがある。
【0022】ここでイオン交換樹脂の容量とは、湿潤状
態のイオン交換樹脂の見掛けの容量を言う。具体的には
水を満たしたメスシリンダーを用いて、この中にイオン
交換樹脂を沈降させた時の容量として測定することが出
来る。ナトリウム塩型陽イオン交換樹脂とカルシウム塩
型陽イオン交換樹脂とを所定の容量部に調製するには、
例えばそれぞれの陽イオン交換樹脂を上記の方法によっ
てメスシリンダーで計量した後、水中で混合することに
より調製することが出来る
【0023】本発明の除去剤に含まれているナトリウム
塩型、カルシウム塩型或いはマグネシウム塩型の陽イオ
ン交換樹脂の母体ポリマー及び結合されている酸性交換
基は単一な組成ではなく、異なった化学組成を有するも
のを混合して使用してもよい。またはナトリウム塩型、
カルシウム塩型またはマグネシウム塩型の陽イオン交換
樹脂の母体ポリマー及び結合されている酸性交換基が異
なった化学組成を有するものを使用することも出来る。
しかし、単位容量当たりのイオン交換容量は、ほぼ同じ
位のものを使用することが取扱上好ましい。
【0024】本発明の除去剤には、前記のように広範囲
な化学組成を有するイオン交換樹脂を使用することが出
来るが、母体ポリマーとしては、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体、酸性交換基としては、スルホン酸基を
有する多孔性強酸性陽イオン交換樹脂が最も好ましく、
更に具体的には、ダイヤイオンRCP160 H( 三菱化成
(株) 製) をナトリウム塩型及びカルシウム塩型に変換
した後、混合したものが最も好適である。
【0025】更に、イオン交換樹脂の混合物に生理作用
等を有する第3の官能基を導入したもの、或いは第3の
機能性物質を混合して使用してもよい。
【0026】本発明の除去剤は血液に対する適合性を高
めるために、ポリヒドロキシエチルメタクリレート系ポ
リマー等の高分子材料で表面をコーティングして使用す
ることも出来る。
【0027】本発明の除去剤を使用するには、除去剤を
そのまま血液または体液に接触させてもよいし、または
除去剤を導入口と導出口とを有するカラムに充填して使
用することも出来る。カラムの血液、血漿等の流量は通
常20ml/min〜100ml/min が好適である。
【0028】更に、本発明の除去剤は滅菌して使用する
ことが好ましく、滅菌方法としてはオートクレーブ滅菌
或いはガンマ線滅菌等が適用できる。
【0029】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。
【0030】(実施例1、2、比較例1、2)スチレン
・ジビニルベンゼン共重合体を母材とする、スルホン酸
型強酸性陽イオン交換樹脂(水素型)である、ダイヤイ
オンRCP160 H( 三菱化成 (株) 製) を常法により水
酸化ナトリウム水溶液で処理して、対イオンをナトリウ
ム塩型にしたナトリウム塩型強酸性陽イオン交換樹脂
(以下Na塩型樹脂と略記する)を調製した。同様にRC
P160 Hを常法により塩化カルシウム水溶液で処理して
対イオンをカルシウム塩型としたカルシウム塩型強酸性
陽イオン交換樹脂(以下Ca塩型樹脂と略記する)を調製
した。
【0031】Na塩型樹脂とCa塩型樹脂の容量比はNa塩型
樹脂:Ca塩型樹脂=95容量部:5容量部(実施例1)、
92容量部:8容量部(実施例2)、100 容量部:0容量
部(比較例1)、80容量部:20容量部(比較例2)に調
製した。
【0032】Na塩型樹脂とCa塩型樹脂を所定の容量比に
混合した樹脂0.3gを、20mlのサンプル瓶にとり、生理食
塩液1mlを加えて脱気した。これに抗凝固剤として、A
CD1容を血液9容の比率で加えた牛血液より分離調製
した牛血漿4mlを加えて、37℃で180 分間振とうした。
除去剤による処理前と、処理後牛血漿を濾過して除去剤
と分離した後、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ク
ロルの各イオン濃度を測定した。
【0033】尚、ナトリウム、カリウム、クロルの各イ
オン濃度の測定は電極法で行い、カルシウムイオン濃度
の測定はOCPC法(オルトクレゾールフタレインコンブレ
クソン法)で行った。
【0034】処理前のナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、クロルの各イオン濃度はそれぞれ 152、3.8 、3.8
及び70mEq/lであり、これに対する処理後の牛血漿のイ
オン濃度の比率を、表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1及び実施例2では、カリウムイオ
ン除去剤で処理した血漿のカルシウムイオン濃度を殆ど
変化させることなく、カリウムイオン濃度が大幅に低下
したことが認められる。
【0037】比較例1では、除去剤による処理後のカル
シウムイオン濃度が著しく減少し、また、比較例2では
カルシウムイオン濃度が著しく増加している。
【0038】(実施例3、比較例3)実施例1で使用し
たNa塩型樹脂とCa塩型樹脂を使用して、両者の容量比を
Na塩型樹脂:Ca塩型樹脂=95容量部:5容量部(実施例
3)、100 容量部:0容量部(比較例3)に混合した。
【0039】Na塩型樹脂とCa塩型樹脂を蒸留水中で所定
の容量比に混合した後、容量6mlのカラムに充填した。
カラムにシリコーン製のチューブを接続し、ペリスタ・
ポンプを用いて生理食塩液20mlを流した後、実施例1で
使用した抗凝固剤を加えた牛血漿60mlを、37℃で流速1.
8ml/min で60分間循環した。カラムに循環した後の牛血
漿について実施例1と同様にナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、クロルの各イオン濃度を測定した。
【0040】循環前後のナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、クロルの各イオン濃度の比率を、表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】実施例3では除去剤で処理することによ
り、牛血漿のカルシウムイオン濃度を殆ど変化させるこ
となく、カリウムイオン濃度が大幅に低下したことが認
められる。これに対して比較例3ではカルシウムイオン
濃度が著しく減少している。
【0043】(実施例例4、比較例4、5)実施例1で
使用したNa塩型樹脂とCa塩型樹脂、およびRCP160 H
を常法により塩化マグネシウム水溶液で処理して対イオ
ンをマグネシウム型としたマグネシウム塩型強酸性陽イ
オン交換樹脂(以下、Mg塩型樹脂と略記する)を使用し
て、両者の容量比をNa塩型樹脂:Ca塩型樹脂:Mg塩型樹
脂=64容量部:32容量部:4容量部(実施例4)、100
容量部:0容量部:0容量部(比較例4)、42容量部:
50容量部:8容量部(比較例5)に混合した。
【0044】Na塩型樹脂、Ca塩型樹脂およびMg塩型樹脂
を蒸留水中で所定の容量比に混合した後、容量6mlのカ
ラムに充填した。カラムにシリコーン製のチューブを接
続し、ペリスタ・ポンプを用いて生理食塩液20mlを流し
た後、抗凝固剤としてヘパリンを1単位/ml添加した牛
血漿60mlを、37℃で流速1.8ml/min で60分間循環した。
カラムに循環した後の牛血漿について実施例1と同様に
ナトリウム、カリウム、カルシウム、クロルの各イオン
濃度を測定した。
【0045】循環前後のナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、クロルの各イオン濃度の比率を、表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】実施例4では除去剤で処理することによ
り、牛血漿のカルシウムイオン濃度およびマグネシウム
イオン濃度を殆ど変化させることなく、カリウムイオン
濃度が大幅に低下したことが認められる。これに対して
比較例4ではカルシウムイオン濃度が著しく減少し、ま
た比較例5ではカルシウムイオン濃度が著しく増加して
いる。
【0048】
【発明の効果】本発明のカリウムイオン除去剤は、創傷
等の救急治療の際に血液中のカリウムイオン濃度が上昇
した場合、カルシウムイオンの濃度を変化させることな
く、過剰なカリウムイオンを除去して、適正な濃度に保
持することが出来るカリウムイオン除去剤である。
【0049】更に、血液の他体液にも適用出来、また人
体のみでなく、動物の血液及び体液にも使用することが
出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 1/36 500 B01J 20/26 B01J 39/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウム塩型陽イオン交換樹脂90〜98
    容量部及び、カルシウム塩型陽イオン交換樹脂10〜2容
    量部からなる血液または体液中のカリウムイオン除去
    剤。
  2. 【請求項2】 ナトリウム塩型、カルシウム塩型および
    マグネシウム塩型の陽イオン交換樹脂からなる混合物10
    0 容量部のうち、カルシウム塩型陽イオン交換樹脂が25
    〜40容量部、マグネシウム塩型陽イオン交換樹脂が2〜
    6容量部で、残部がナトリウム塩型の陽イオン交換樹脂
    である血液または体液中のカリウムイオン除去剤。
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