JP3117413B2 - リアルタイム・マルチメディア・アート製作装置 - Google Patents

リアルタイム・マルチメディア・アート製作装置

Info

Publication number
JP3117413B2
JP3117413B2 JP09039228A JP3922897A JP3117413B2 JP 3117413 B2 JP3117413 B2 JP 3117413B2 JP 09039228 A JP09039228 A JP 09039228A JP 3922897 A JP3922897 A JP 3922897A JP 3117413 B2 JP3117413 B2 JP 3117413B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
performance
pitch
image
scale
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09039228A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10240904A (ja
Inventor
一志 西本
フェルス シドニー
健二 間瀬
Original Assignee
株式会社エイ・ティ・アール知能映像通信研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社エイ・ティ・アール知能映像通信研究所 filed Critical 株式会社エイ・ティ・アール知能映像通信研究所
Priority to JP09039228A priority Critical patent/JP3117413B2/ja
Publication of JPH10240904A publication Critical patent/JPH10240904A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3117413B2 publication Critical patent/JP3117413B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マルチメディア
・アート製作装置に関し、特に、映像と音楽とをコンピ
ュータ支援により同時にリアルタイムで生成するための
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】映像と音楽とを同時に生成することを目
的とするリアルタイム・マルチメディア・アート製作装
置は従来から数多く提案されている。たとえばエド・タ
ネンバウムが製作した作品「リコレクション」がある。
この「リコレクション」においては、人の姿をビデオカ
メラでとらえて、このビデオカメラからの撮像情報をコ
ンピュータで変容させ、スクリーンの裏側からビデオ・
プロジェクタでスクリーン上に投影する。スクリーン上
に人体のシルエットが刻々と変化するストップモーショ
ンで投影され、そのシルエットの色が虹色に変化する。
また、シルエットの変化に応じて生成される音楽もそれ
に合わせて変化する。
【0003】このようなリアルタイム・マルチメディア
・アート製作装置としては、他に、MITメディアラボ
(研究所)における「pfinder」を用いたシステ
ムおよびMITメディアラボの「ブラッシュ・デ・サン
バ(Brush de Samba) 」システムがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のリアルタイム・
マルチメディア・アート製作装置においては、映像と音
楽とを同時に製作することが可能である。たとえば、
「リコレクション」において、人間の動きに合わせて映
像が変化しまた色および音も変化するが、その変化態様
はたとえば連続的なストップモーション画像などプログ
ラムにより定められており、その変化態様は固定的であ
る。また、この動きの変化に合わせて音も変化するが、
すなわち音楽が創作されるが、映像変化に集中して動き
を行なえば、この音楽創作がおろそかになり、逆に音の
変化に集中すれば、動きがおろそかとなり、製作映像の
水準が低下するという問題が生じる。同様、「ブラッシ
ュ・デ・サンバ」においても、サンバのリズムに合わせ
て入力パッド上でペンを動かすことにより、映像が変化
するが、作成される映像に重点を置けば、演奏がおろそ
かとなり、逆に演奏に集中すれば、作成される映像に対
して意識が集中せず、製作される映像水準が低下する。
【0005】すなわち、従来のリアルタイム・マルチメ
ディア・アート製作装置においては、複数のメディアに
よる同時創作は可能であるが、これらの複数のメディア
を用いて同時にかつ一定水準以上の創作を行なうことが
困難であるという問題があった。すなわち、従来のリア
ルタイム・マルチメディア・アート製作装置において
は、複数のメディアが相互に関連性を有するものの、個
々のメディアの制御の独立性が強く、作成されるアート
におけるメディア間の質のバランス差が生じやすく、全
体として作品の調和をとるのが困難であるという問題が
あった。
【0006】それゆえ、この発明の目的は、ある水準以
上の質を有する音楽および映像を同時に容易に製作する
ことのできるリアルタイム・マルチメディア・アート製
作装置を提供することである。
【0007】この発明の他の目的は、初心者でも容易に
水準以上の作品を創造することができるリアルタイム・
マルチメディア・アート製作装置を提供することであ
る。
【0008】この発明のさらに他の目的は、複数のメデ
ィアを用いて全体として調和がとれかつ各メディアによ
るアートが一定水準以上の質を有するマルチメディア作
品を容易に生成することのできるマルチメディア・アー
ト製作装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の観点に
係るリアルタイム・マルチメディア・アート製作装置
は、演奏曲のコード情報を入力して、このコード情報の
時系列的な推移状況を解析して各コードに対し使用可能
な音列を割当てる楽曲解析手段と、複数の演奏ポジショ
ンを有し、演奏者からの複数の演奏ポジションを介して
の演奏入力情報を受ける第1の演奏入力手段と、楽曲解
析手段からの各コードに対して割当てられた音列情報に
従って、各コードについて複数の演奏ポジションに対し
使用可能な音高をそれぞれ割当てる音高割当手段と、演
奏入力手段からの複数の演奏ポジションを介しての演奏
入力情報と音高割当手段の音高割当情報とに従って、音
高情報を生成しかつ該生成した音高情報を可聴音に変換
して出力する音生成手段と、演奏者を撮影した光学画像
を撮像信号に変換する撮像手段と、この撮像信号を受け
て、外部からの指示に従って、撮像された画面中の指定
された領域に対応する撮像信号中の部分撮像信号を切出
す画像抽出手段と、この部分撮像信号を原画像とし、指
定された領域の境界線を鏡像対称軸として反転複製して
鏡像画像を生成し、該生成された鏡像画像について同じ
操作を繰返して画面を充満する画像信号を生成する画像
処理手段と、この画像処理手段の出力に応じて対応の画
像を出力してスクリーン上に表示する表示手段を含む。
【0010】画像抽出手段は、外部からの指示に従っ
て、指定された多角形領域に対応する、この撮像信号中
の部分撮像信号を切出す手段を含む。画像処理手段は、
この多角形領域の各辺について鏡像画像を繰返し生成す
る手段を含む。
【0011】またこれに代えて、画像抽出手段は、外部
からの指示に従って、撮像画面中の指定された点を中心
としかつ指定された角度の領域に対応する撮像信号を切
出して部分撮像信号を生成する手段を含む。画像処理手
段は、この部分撮像信号を原画像として、中心点のまわ
りに所定の回転方向に従ってこの回転方向側の辺を鏡像
対称軸として順次反転複製して鏡像画像を生成する手段
を含む。
【0012】また、好ましくは、さらに、外部からの指
示に応じて生成したグラフィック画像と画像抽出手段に
より切出された部分撮像信号とを合成し、この構成した
部分撮像信号を画像抽出手段からの部分撮像信号に変え
て画像処理手段へ与える画像合成手段を含む。
【0013】また、音高割当手段は、各コードについて
対応の音列において同じ機能を有する音高を複数の演奏
ポジションのうちの同じ演奏ポジションへ割当てる手段
を含む。
【0014】またこれに代えて、音高割当手段は、1つ
のコードに対し複数種類の音列の割当が可能なとき、予
め定められた規則に従って時系列コード情報の解析結果
に従って1つの種類の音列を選択し、該選択音列に含ま
れる音高各々を複数の演奏ポジションの予め定められた
演奏ポジションに割当てる手段を含む。
【0015】また、好ましくは、さらに、演奏情報を入
力するための複数の演奏ポジションを有し、これら複数
の演奏ポジションを介して入力される演奏情報に対応す
る音高情報を生成するための少なくとも1個の第2の演
奏入力手段と、この第2の演奏入力手段からの入力音高
情報を受け、第1の演奏入力手段へ割当てる使用可能な
音列から予め定められた規則に従って第2の演奏入力手
段からの入力音高と非調和的となる音高を含む音列以外
の音列を選択するように音高割当手段の音高割当動作を
制限するための制限手段をさらに含む。
【0016】また、好ましくは、複数の音列群各々の音
列に対し感性情報を割当てる手段と、この感性情報を入
力するための入力手段と、コードに対し複数の音列群が
割当てられたとき、この入力手段から入力された感性情
報と各音列に対して割当てられた感性情報とに従って使
用可能音列を決定する手段を含む。音高割当手段は、決
定手段により決定された使用可能音列の音高を複数の演
奏ポジションに割当てるための手段をさらに含む。
【0017】また、これに代えて、複数の演奏ポジショ
ンを介しての演奏入力情報を入力し、対応の音高情報を
生成する第2の演奏入力手段と、感性情報入力手段をさ
らに含む。楽曲解析手段は、各々に予め定められた規則
に従って感性情報が割当てられた複数の音列群から各コ
ードに対し使用可能な音列を割当てる手段を含む。音高
割当手段は、楽曲解析手段の解析結果と第2の演奏入力
手段からの音高情報と感性情報入力手段から入力された
感性情報とに従って使用可能な音列から第2の演奏入力
手段からの音高情報と調和し、かつ入力された感性情報
に対応する感性情報を有する音列を選択して第1の演奏
入力手段の複数の演奏ポジションへ選択音列に含まれる
各音高を割当てかつ各コードに対して使用可能となる音
列の同一機能の音高を第1の演奏入力手段の複数の演奏
ポジションの同じ演奏ポジションに割当てる手段を含
む。
【0018】また、第1の演奏入力手段は、この演奏者
の動作により複数の演奏ポジションのうちの演奏ポジシ
ョンを特定する動作認識手段を含む。
【0019】この第1の演奏入力手段は、各々に所定の
画像処理が割当てられた複数の第2の演奏ポジションを
含み、この第1の演奏入力手段から入力された第2の演
奏ポジション特定情報に従って表示手段により表示され
た画像を、該特定された第2の演奏ポジションに割当て
られた処理態様で変化させる手段を含む。
【0020】各コードに対し使用可能な音列を割当て、
この音列に含まれる各音高を演奏入力手段の複数の演奏
入力ポジションにそれぞれ割当てることにより、演奏者
は演奏時における音高の推移についての理論的な知識を
全く知らない場合においても常に理論的に正しい音を用
いて演奏を行なうことができる。また、各コードに対し
て使用可能な音列は、コード情報の時系列的な推移状況
の解析結果に基づいて生成されており、各コードに対し
て必要な機能を有する音を容易に用いることができ、コ
ード進行感を強く表現することも、また逆にコード進行
感を意図的にぼかす演奏も容易に実現することができ、
演奏の自由度が大幅に増加する。したがって、水準以上
の音楽を初心者でも容易に製作することができる。
【0021】また、この演奏者が撮像した光学画像情報
を電気的な撮像信号に変換した後、この撮像信号を切出
して、部分撮像画像を作成して、万華鏡模様の画像信号
を生成することにより、演奏者の動きに応じた万華鏡模
様を容易に作成することができる。また、この万華鏡模
様は、外部からの指示に従って単位となる部分撮像領域
の大きさを指定することができ、容易にその模様を変更
することができ、水準以上の映像を容易に作成すること
ができる。
【0022】また、演奏者は、単に演奏に合わせて動き
を行なうだけでよく、作成される映像の万華鏡模様は、
外部からの指示に従ってその単位となる部分撮像信号に
より基本的な模様が決定されており、その詳細構成が演
奏者の動きにより変更され、したがって演奏者が演奏に
従って動くことにより、演奏する音楽と調和のとれた映
像を創作することができ、容易に両者とも水準以上の質
を備える音楽および映像を同時に生成することができ
る。
【0023】この発明の第2の観点に係るマルチメディ
ア・ア−ト製作装置は、複数のメディア情報を用いて作
品を生成するものであり、これらの複数のメディア各々
に対応して設けられ、対応のメディアによる表現のため
のメディア情報および該表現に対する条件を課すための
制御情報を入力するための情報入力手段と、各メディア
による表現に必要とされる知識を格納する知識ベース
と、情報入力手段からのメディア情報および制御情報を
受け、知識ベースの対応の知識を参照して、制御情報お
よび参照した知識に基づいて入力したメディア情報を
照した知識で補って加工する情報加工手段と、この情報
加工手段からの加工情報に従って対応のメディアを用い
て情報を呈示する情報呈示手段を備える。
【0024】知識ベースに、メディアを用いてアートを
作成するために必要な知識を格納する。情報加工手段
は、入力されたメディア情報をこの知識ベースの知識を
用いて加工する。したがって、利用者は、あるメディア
を使用する際にこのメディアの制御要素のすべてを制御
する必要がなく、該メディアによるアート作成時の負荷
が軽減される。情報加工手段は、知識ベースの知識に基
づき情報加工を行なうため、少ない入力情報でフルスペ
ック(すべての制御要素を含む)情報が得られたのと同
程度のアートが作成される。この結果、各メディアにつ
いて良いアートを作成するために必要とされる思考量お
よび情報入力手段の操作量が低減され、認知的過負荷
(コグニティブオーバーロード)が解消されるため、製
作者に余力ができ、複数のメディアを同時に使いこなす
ことが可能となり、メディア間のアートとの品質のばら
つきを少なくすることができ、調和がとれたマルチメデ
ィア作品を生成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
[全体の構成]図1は、この発明に従うリアルタイム・
マルチメディア・アート製作装置の全体の構成を概略的
に示すブロック図である。図1において、このリアルタ
イム・マルチメディア・アート製作装置は、複数の演奏
ポジションを有し、演奏者1がこの複数の演奏ポジショ
ンを介して入力する演奏入力情報を生成する演奏入力手
段としてのたとえばMIDIギターである携帯型楽器2
と、この携帯型楽器2からの演奏入力情報を受け、所定
の処理を施して音高情報を生成して可聴音に変換して出
力する演奏支援システム4を含む。この演奏支援システ
ム4の構成については後に詳細に説明するが、演奏者1
が演奏する楽曲に合わせて、各コード進行に従って音高
情報を携帯楽器2の演奏ポジションに割当て、演奏者1
が演奏すべき楽曲のコード進行についての理論を知らな
い場合においても、正しい演奏が行なわれるように演奏
を支援する。
【0026】このリアルタイム・マルチメディア・アー
ト製作装置は、さらに、演奏者1を撮影し、得られた光
学画像を撮像信号に変換する撮像手段としてのビデオカ
メラ6と、このビデオカメラ6からの撮像信号を受け
て、万華鏡模様の画像信号を生成する万華鏡像生成装置
8と、この万華鏡像生成装置8からの画像情報を受け、
対応の画像をスクリーン上に表示する表示装置10を含
む。この万華鏡像生成装置8の構成についても後に詳細
に説明するが、表示装置10の表示画面(スクリーン)
上に万華鏡像(SおよびS′で示す)を生成する。この
万華鏡像の基本単位となる部分領域は、外部から指定す
ることができる。
【0027】この図1に示すリアルタイム・マルチメデ
ィア・アート製作装置においては、演奏者1が、演奏支
援システム4の支援の下に携帯型楽器2を用いて演奏を
行ない、その演奏に合わせて動作することにより、表示
装置10に生成される万華鏡像は、この演奏者1の動き
に合わせて変化する。したがって演奏者1が演奏する楽
曲に合わせて動作すれば、この表示装置10に生成され
る万華鏡像画像は、演奏される楽曲と調和した画像とな
る。また、この演奏支援システム4は、後に詳細に説明
するが、初心者でも、容易に正しい楽曲を演奏すること
ができ、水準以上の音楽を生成することができる。ま
た、万華鏡像生成装置8も、外部から演奏者または作成
者が、ビデオカメラ6からの撮像信号の切出領域の大き
さを指定することができ、したがって、この表示装置1
0に生成される模様を容易に変更することができ、その
動きに合わせた万華鏡模様を生成することができ、水準
以上の映像を表示画面10上に表示することができる。
したがって、映像および音楽ともに水準以上の作品を同
時にかつ容易にかつ互いに調和をもって生成することが
できる。次に各部の構成について詳細に説明する。
【0028】[実施の形態1]まず、ビデオカメラ6、
万華鏡像生成装置8および表示装置10で構成される電
子万華鏡装置について説明する。このビデオカメラ6で
撮影する対象としては、演奏者1の全体または一部もし
くはこの演奏者1が保持する携帯型楽器2を撮影するも
のと仮定する。
【0029】図2は、電子万華鏡装置の処理の大きな流
れを示すフローチャートである。以下、図2を参照して
万華鏡像生成動作について説明する。
【0030】まず、万華鏡像生成装置8に対して、外部
から鏡の配置が入力される(ステップS102)。
【0031】続いて、万華鏡像のダイナミックな変化を
もたらすために、設定した時間間隔で鏡を移動させる
(2枚の鏡の間の角度を変化させる)場合の時間間隔や
その変化させる角度のパラメータを入力する(ステップ
S104)。
【0032】続いて万華鏡像生成装置8は、与えられた
鏡の配置情報に応じて、ビデオカメラからの撮像信号の
切出しを行なう形状パラメータの計算を行なう。この計
算により、ビデオカメラ6からの撮像信号のうち、万華
鏡像を生成するために切出し(抽出)を行なう部分の形
状が設定される(ステップS106)。
【0033】続いて、万華鏡像生成装置8は、ビデオカ
メラ6からの撮像信号から、ステップS106において
計算された画像片の形状に相当する画像信号を抽出し、
万華鏡模様の画像信号を生成する(ステップS10
8)。
【0034】図3は、図2において示した万華鏡像の生
成ステップ(ステップS108)を説明するための概念
図である。
【0035】図3において、ビデオカメラ6により撮像
されて万華鏡像生成装置8に入力された入力画像のう
ち、外部から入力されたパラメータに基づいて、点Oを
中心点とし、中心角をθとする扇形形状の領域Sが、万
華鏡像生成装置8中において抽出される。この場合、中
心角θをなして対向する2辺は万華鏡における鏡に対応
する。
【0036】続いて、入力画像信号から切出された領域
Sをもとに、以下のようにして万華鏡像の生成が行なわ
れる。すなわち、出力画像においては、まず点Pを中心
点として、位置0に領域Sから抽出された画像信号を配
置する。続いて、たとえば時計回り(図中矢印で示す)
方向に順次領域Sの画像情報を反転した画像情報を生成
していく。すなわち、位置0において、領域Sの時計軸
の回転方向側の辺を鏡像対称軸として、位置1に反転画
像S′を生成する。続いて、位置1における画像情報
S′を回転方向側の辺を鏡像対称軸として位置2にさら
に位置1における画像情報を反転した画像情報を生成す
る。
【0037】以上のような反転および複製という処理
を、順次繰返して、1回転に相当するすべての配置に対
して画像が生成されることで、万華鏡像の生成が完了す
る。
【0038】図3に示した例では、θ=45°であるの
で、このような画像は原画像を含めて合計8個生成され
ることになる。しかも、原画像が配置される位置0にお
ける画像情報をSで表わすとき、位置1に生成される画
像情報は、この画像情報Sを反転した情報S′となる。
さらに、位置2に生成される画像情報は、反転処理が2
回繰返されることで、元の画像情報Sに復帰する。この
ような処理が順次繰返されるので、位置0〜7の各領域
に生成される画像情報は、原画像Sを反転した画像情報
を、交互に対応する角度だけ回転したものとなってい
る。
【0039】すなわち、図3に示した例では、原画像S
を反転する処理と所定角度だけ中心点Pのまわりに回転
する処理を行なうのみで、万華鏡の模様に相当する画像
を生成することも可能である。
【0040】以上のようにして、入力画像のうち抽出さ
れた原画像Sに対して、反転および複製という処理を繰
返すのみで万華鏡模様を容易に生成することが可能とな
る。
【0041】(鏡の枚数が3枚以上である場合)以上の
説明においては、従来の万華鏡において、鏡が2枚配置
されている場合に対応する万華鏡模様の生成方法につい
て説明した。
【0042】より一般には、複数枚の鏡を用いて、多角
形柱状の形状で、内側に反射面を有する万華鏡により生
成される万華鏡像も存在する。
【0043】図4は、3枚の鏡を底面を正三角形とする
三角形柱状に配置した場合に生成される万華鏡像を示す
概念図である。
【0044】図4において、太線で囲んだ正三角形が原
画像(0で表わす)であり、各鏡A,BおよびCによっ
て原画像0が反射されることにより生成される鏡像を1
で表わす。以下同様にして、1で表わされた鏡像が各鏡
A〜Cにより反射されることにより生成される鏡像を2
というふうに、何回反射を行なって生成された反射パタ
ーンであるかを反射回数に対応する数値で表現すること
にする。
【0045】図4に示すように、現実の万華鏡像におい
ては、図中点線で示すように鏡の境界(三角形柱の綾に
対応する)と、一点破線で表わされるその境界の反射パ
ターンが存在する。
【0046】以下に説明するように、この点線および一
点破線を境界として、各パターンが形成される反射のパ
ス(経路)が異なる。以下その概要について簡単に説明
する。
【0047】図5は、反射により生成されたパターンの
うち、上記鏡の境界およびその反射パターンと交差しな
いパターン(図中4pで表わす)について、原画像0か
らの反射のパスを示す図である。
【0048】すなわち、図5に示すように、原画像0が
鏡Aにより反射されることで、1回目の反射パターン1
pが生成され、反射パターン1pが鏡Cにより反射され
ることで、2回目の反射パターン2pが生成される。こ
の反射パターン2pが鏡Bにより反射されることで、3
回目の反射パターン3pが生成され、この反射パターン
3pが鏡Aにより反射されることで当該反射パターン4
pが生成される。
【0049】図6は、反射パターンが、鏡の境界線上に
存在する場合の反射のパスを示す図である。
【0050】図6においては、この鏡の境界を境とし
て、2つのパスにより生成された反射像をそれぞれ3q
および3rで表わしている。
【0051】まず反射パターン3qについて考えると、
原画像0が鏡Bにより反射されることで反射パターン1
qが生成され、この反射パターン1qが鏡Aで反射され
ることで、反射パターン2qが生成される。さらに、こ
の反射パターン2qが鏡Bにより反射されることで、反
射パターン3qが生成される。
【0052】これに対して、原画像0が、鏡Aで反射さ
れることで生成された反射パターン1rが、鏡Bで反射
され、反射パターン2rが生成されて、この反射パター
ン2rが鏡Aで再び反射されることで、反射パターン3
rが生成される。
【0053】したがって、以上のような三角形柱形状の
万華鏡により生成される万華鏡像を電子的に生成する場
合においても、現実の光学像の反射を以上説明したとお
りに忠実に再現することも可能である。
【0054】しかしながら、以上のような生成方法で
は、計算が複雑となりその生成速度が遅くなるため、た
とえばリアルタイムで万華鏡像を生成することには適さ
ない。
【0055】そこで、再び図4に戻ると、このような万
華鏡像を生成するには、鏡の境界およびその反射パター
ンを意識することなく、以下のような手順でパターンを
生成すれば同様な万華鏡像を生成することが可能であ
る。
【0056】すなわち、原画像0に対して、それを囲む
正三角形の各辺を対称軸として、反転および複製するこ
とにより反射パターン1を生成する。続いて、反射パタ
ーン1を囲む各辺を反射対称軸として、パターンを反転
および複写することで、反射パターン2を生成する。こ
のとき、反射パターン1の1辺は、原画像0と接してい
るため、原画像0と重なるように生成される反転像につ
いては、原画像0の方を優先して表示する構成とする。
あるいは、原画像0が存在する領域に対しては、反転お
よび複製を行なわないという規則により2番目の反射パ
ターンを生成することもできる。
【0057】続いて、この2番目の反射パターンについ
て、それを囲む各辺を対称軸としてパターンの反転およ
び複製を行なうことで3番目の反射パターンを生成す
る。このとき、上述のとおり、反射パターンの反射回数
の少ないパターンに重なる反転パターンが生じた場合
は、反射回数の少ないパターンを優先的に表示すること
とするか、あるいはこのような反射回数のより少ないパ
ターンが存在する領域には反転および複製を行なわない
こととすることで、第3番目の反射パターンを生成する
ことができる。
【0058】以下、全く同様の手続を順次繰返すこと
で、画面全体が埋め尽くされるまで、反射パターンの生
成を繰返す。これにより、原画像パターンの反転処理お
よび複製処理を繰返すのみで、万華鏡パターンと同等の
パターンを生成することが可能である。
【0059】図7は、鏡の枚数が4枚の場合のパターン
生成を示す概念図である。現実の4面の鏡を有する万華
鏡においては、図中点線および一点破線で示したような
鏡の境界およびその反射パターンが存在する。しかしな
がら、上述した3面の万華鏡パターンの場合と同様に、
このような境界パターンが存在する領域についても、単
純に原画像0を反転および複製することで同等な万華鏡
パターンを生成することが可能である。
【0060】すなわち、図7の場合においても、図4の
場合と同様に、原画像0を囲む4辺を各々対称軸とし
て、原画像の反転および複製を行なうことで、1番目の
反射パターン1を生成する。続いて、この反射パターン
1について、それを囲む4辺の各々を対称軸として、反
射および複製を行なうことで、2番目の反射パターンを
生成する。このとき、反転および複写をすることで、よ
り反射回数の少ない反射パターンと重なる場合は、反射
回数の少ない反射パターンを優先的に表示するか、この
ような領域に対しては、反転および複製を行なわないこ
ととして、順次以上の手続を繰返す。
【0061】画面全体が以上のようにして生成された反
転複製パターンで埋め尽くされると、これが、万華鏡像
に対応するパターンとなる。
【0062】図8は、以上説明したような万華鏡像生成
のフローを示すフローチャートである。以下、図8を参
照して万華鏡像生成処理について説明する。
【0063】まず、万華鏡像生成装置8に、ビデオカメ
ラ6により撮像された画像信号が入力される(ステップ
S202)。
【0064】続いて、画像信号から、原画像となる画像
片の形状に対するパラメータが入力される(ステップS
204)。
【0065】続いて、入力された画像片形状に基づい
て、初期画像片の切出しが行なわれる(ステップS20
6)。
【0066】続いて、画像片の複製が行なわれ(ステッ
プS208)、さらに対称軸について反転した形状とな
るようにパターンの反転および回転が行なわれる(ステ
ップS210)。
【0067】続いて、空間全体の充満が完了したか否か
の判断が行なわれ(ステップS212)、万華鏡像生成
装置8は、空間全体の充満が完了したと判断すると、対
応する画像信号を表示装置10に出力する(ステップS
214)。
【0068】一方、万華鏡像生成装置8は、空間の充満
が完了していないと判断すると(ステップS212)、
ステップS208に処理を復帰する。
【0069】以上のようにして、画面全体が反射パター
ンで埋め尽くされるまで原画像(初期画像)の反転複製
が繰返される。
【0070】以上説明した場合は、正三角形形状または
正方形形状の原画像を元にしたため、これにより2次元
の空間を重なりなく埋め尽くすことが可能であった。た
だし、2次元の空間を埋め尽くすことが可能な形状とし
てはこれらに限定されることなく、他の形状、たとえば
直角三角形等も挙げることができる。
【0071】しかしながら、原画像の形状がより一般的
な形状の場合は、原画像の反転および複製のみでは重な
りなく、2次元空間のすべてを埋め尽くすことが困難な
場合がある。
【0072】図9は、このような場合を示す図である。
図9においては、原画像として一般的な三角形形状を用
いた場合を示している。この場合、原画像0をその各辺
について反転複製した反射パターン1をさらにその各辺
について反転複製したパターン2を生成した場合、各パ
ターン同士に重なりが生じてしまう。
【0073】なお、図9中において、点線は鏡の境界を
示している。したがって、上記のような場合、このよう
な重なりの生じたパターンについてどのような処理を行
なうかが問題となる。
【0074】図10は、処理の方法として、現実に鏡に
よる反射に対して、なるべく忠実な処理を演算処理によ
り行なった場合を示している。
【0075】図10においては、そのパターンを計算す
るにあたり、以下の3つの原則を用いている。
【0076】(1) 映り込みパターンは鏡の境界を越
えることがない。 (2) 反射回数の大きな番号のパターンは、反射回数
の小さいパターンに覆い被さることはない。
【0077】(3) 映り込みのパターンは映り込みの
境界を越えない。 しかしながら、このような処理を行なった場合、特に上
記(3)の処理において、鏡の境界の映り込みを逐一計
算してそれに応じた処理を行なうことが必要となり、計
算が複雑化する。
【0078】したがって、よりパターンの生成を簡易化
するために、以下の2つの方法が考えられる。すなわ
ち、図8に示した回転と反転により配置のステップ(ス
テップS208)において、以下に述べるような2つの
処理のうちいずれかを行なうことで、一般的な原画像形
状に対しても、万華鏡像を生成することが可能となる。
【0079】第1の処理の例を図11に示す。図11の
処理においては、処理の原則として、反射回数の少ない
反射パターンについては、反射回数の多い反射パターン
よりも上層に存在するものとして表示するという方法で
ある。
【0080】すなわち、たとえばコンピュータグラフィ
ックスにおいては、各辺における反転演算を行なうたび
に、反転により生じたパターンに対応する番号を順次イ
ンクリメントし、そのパターンをレンダリング(描画)
における深さを表わす数値(以下、Z値と呼ぶ)とする
ことに対応する。以上のような処理を行なうことで、パ
ターンの反転および複製を行なった際に、当該パターン
が生成される領域に自分自身よりも番号の大きなパター
ンが存在する場合は、当該番号の小さなパターンを再び
上書きするという手続を行なえばよい。
【0081】すなわち、実際にはZ値の小さいパターン
から順番に描画するように処理するので、すでに描画さ
れていたパターンのZ値がこれから描こうとしているパ
ターンのZ値よりも大きい場合のみ上書き処理を行な
う。このような上書き処理は、画素毎に行なう。
【0082】このような処理は、近年のグラフィックス
処理を行なうワークステーションにおいては、一般にZ
バッファアルゴリズムとしてハードウェア化されている
ため、非常に高速な処理を行なうことが可能である。
【0083】ところで、以上述べたようなパターンの重
なりが生じた場合の処理は、Z値が互いに異なるパター
ン間についてのものであった。
【0084】Z値が互いに等しいパターン同士に重なり
が生じる場合には、以下に述べるような方法で処理する
ことが可能である。
【0085】つまり、パターンを描画する順番に依存し
て、重なりが生じた場合の優先度を決定する。たとえ
ば、描画の順番として、原パターンの反時計回り(ある
いは、時計回り。あらかじめ、いづれかに決めてお
く。)に辺に順序をつけ、その順番にしたがって、各辺
ごとに反転パターンを生成する。
【0086】図12は、このような処理を行なう際の反
射パターンの生成の様子を第2番目の反転パターンまで
を示した概念図である。なお、図12においては、説明
を解りやすくするために、反射パターンは互いに重なら
ない場合について示している。パターンに重なりが生じ
る場合は、以下に説明する優先度に従って、上書きされ
るパターンが決定される。
【0087】図13は、反射パターンの生成過程を示す
ツリー図である。図12および図13を参照して、三角
形形状の原パターン0の各辺について、反時計まわり
に、辺A、辺B、辺Cの順序で優先づけがされているも
のとする。ここで、各辺A〜Cはそれぞれ鏡(反転処理
時の対称軸)に対応している。
【0088】辺Aを対称軸として、原パターン0を反転
させることで反射パターンA1が生成される。続いて、
辺BおよびCをそれぞれ対称軸として、反射パターンB
1およびC1がこの順番で生成される。第1番目の各反
射パターンには、それが生成される際の対称軸となった
辺の優先度に従って、優先づけがされているものとす
る。
【0089】したがって、第2番目の反射パターンの生
成は、反射パターンA1,B1,C1の順序で行なわれ
る。また、反射パターンA1の各辺についても、反時計
まわりに優先づけがされているものとする。つまり、反
射パターンA1の辺Bについての反射パターンAB2の
方が、反射パターンAC2よりも優先度が高い。反射パ
ターンB1およびC1についての第2番目の反射パター
ンについても同様である。図13においては、このよう
にして決定される優先度を(1)〜(10)で表わして
いる。つまり、図13における優先づけは、各パターン
の辺についての折り返し(パターン反転)処理のツリー
構造を作った場合に、ツリーの探索を横優先ですること
にあたる。なお、たとえば、縦優先のアルゴリズムを考
えることももちろん可能である。
【0090】一方、以上説明したように、パターンの重
なりが生じた場合に上書きを行なうのではなく、同じZ
値のパターンのときは2つ(またはそれ以上)のパター
ンの各画素での画素値(輝度、色相等)の平均を計算し
て、重ね合せるという方法も考えられる。この時は、描
画の順序に関係ない万華鏡像が生成される。
【0091】第2の方法としては、図14に示したよう
な方法がある。この方法では、鏡の境界として、初期配
置から得られる鏡の境界だけを演算して生成し、その映
り込みの境界については演算を行なっていない。
【0092】このような範囲において、各鏡の境界を越
えてはパターンを生成しないという原則により反転およ
び複製パターンを生成することで、より現実に近い万華
鏡像を生成することが可能である。
【0093】[実施の形態2]図15は、本発明の実施
の形態2の電子万華鏡装置の構成を示す概略ブロック図
である。
【0094】実施の形態1の電子万華鏡装置の構成と異
なる点は、外部からの指示に応じて、グラフィック画像
を生成するグラフィック生成装置14を備えることと、
万華鏡像生成装置12がビデオカメラ6から受けた撮像
信号のうち初期画像片を切出した部分画像信号と、コン
ピュータグラフィックス生成装置14から出力されるグ
ラフィック画像とを合成した上で、万華鏡像を生成する
構成となっている点である。
【0095】その他の同一部分には同一符号を付して説
明は繰返さない。図16は、図15に示した万華鏡像生
成装置12およびコンピュータグラフィックス生成装置
14の動作を説明する概念図である。
【0096】実施の形態1における万華鏡像生成装置8
の動作と同様に、万華鏡像生成装置12は、ビデオカメ
ラ6から与えられた画像信号中の、指定された領域Sを
初期画像片として抽出する処理を行なう。一方で、コン
ピュータグラフィックス生成装置14は適当な描画プロ
グラムを格納し、領域Sと同等の領域内に存在するコン
ピュータグラフィックスGを生成する。
【0097】万華鏡像生成装置12には、コンピュータ
グラフィックス生成装置14から出力されたコンピュー
タグラフィックスGと初期画像片Sとの合成を行なう。
続いて、この合成された画像信号S+Gを初期画像片と
して、図3において説明したのと同様の手続に従って、
万華鏡像を生成する。
【0098】図17は、実施の形態2の電子万華鏡装置
の動作を説明するフローチャートである。以下、図17
を参照して、万華鏡像生成処理動作について説明する。
【0099】万華鏡像生成装置12に、ビデオカメラ6
により撮像された画像信号が入力される(ステップS4
02)。
【0100】続いて、万華鏡像生成装置12は、初期画
像片に対応する画像片形状のパラメータを外部から受け
る(ステップS304)。
【0101】続いて、万華鏡像生成装置12は、入力さ
れた画像片形状パラメータに応じて、撮像信号から初期
画像片に対応する画像信号の抽出(切出し)を行なう
(ステップS306)。
【0102】一方で、コンピュータグラフィックス生成
装置14は、外部から与えられたデータに従って、内蔵
の描画プログラムに従ってコンピュータグラフィックス
の生成を行なう(ステップS308)。
【0103】続いて、コンピュータグラフィックス生成
装置14は、外部から与えられたデータに基づいて、初
期画像片形状に対応して、コンピュータグラフィックス
画像の対応する領域の抽出(切出し)を行なう(ステッ
プS310)。
【0104】万華鏡像生成装置12は、撮像信号から抽
出された初期画像片およびコンピュータグラフィックス
生成装置14から出力されたコンピュータグラフィック
スの初期画像片を受けて、両者を合成した画像を生成す
る(ステップS312)。
【0105】続いて、万華鏡像生成装置12は、合成さ
れた画像を初期画像片として、画像片の複製を行なう
(ステップS314)。
【0106】さらに、画像片の形状に従って、回転また
は反転を行なって画像片に対応した反射パターンの配置
を行なう(ステップS316)。
【0107】次に、万華鏡像生成装置12は、画面空間
の充満が完了したかどうかの判断を行ない(ステップS
318)、充満が完了している場合は表示装置10に対
応する画像信号を出力する(ステップS320)。
【0108】一方、空間充満が完了していないと判断し
た場合(ステップS318)、処理は画像片の複製を行
なうステップS314に復帰する。
【0109】以上のようにして、単にビデオカメラ6に
より撮影された画像情報のみならず、コンピュータグラ
フィックス生成装置14により生成された画像信号を合
成することで、より多様な構成の万華鏡像を生成するこ
とが可能である。
【0110】なお、図17に示したステップS316に
おいて、回転および反転による反射パターンの配置にお
いて、図11または図14により説明した処理を行なう
構成とすることで、より一般的な初期画像片形状に対し
ても万華鏡像を生成することが可能である。
【0111】[演奏環境の全体構成]図18は、この発
明の演奏支援システムを用いる演奏環境の全体の構成を
概略的に示す図である。図18に示す構成においては、
リード楽器演奏者、バッキング(伴奏)演奏者およびリ
ズム演奏者の3名の演奏者による演奏を想定する。すな
わち、図18において、この演奏環境は、リード楽器用
としての1台の音源なしMIDI(ミュージカル・イン
スツルメンタル・デジタル・インタフェース)楽器10
1と、伴奏用としての1台の音源付MIDI楽器102
と、リズム用としての1台の音源付シーケンサ104
と、この音源なしMIDI楽器101の演奏を支援する
ためのワークステーション103とを含む。図18にお
いては、MIDI楽器101および102としては、一
例としてキーボードが示される。このキーボード101
および102の白鍵および黒鍵の演奏ポジションからの
演奏者の情報入力により、対応の音高情報が生成され
る。
【0112】図1に示すように、表示装置10上に万華
鏡模様を生成するために演奏者1は演奏曲に合わせて動
く必要がある。このため、動きやすさから、楽器として
は、携帯型MIDIギターが用いられている。しかしな
がら、楽器としては、鍵の小さなキーボードである携帯
型キーボードであれば利用可能であり、またコードと音
高との対応関係の理解を容易とするために、楽器2とし
てキーボードを用いる。以下の説明においても同様であ
る。このギターが用いられる場合においても、このギタ
ーの弦を押さえる位置がキーボードの鍵に対応するた
め、キーボードを用いた説明において、ギターの各コー
ドポジションと読替えることにより同様の議論が成り立
つ。
【0113】MIDIシーケンサ104は、予め演奏す
る曲のベースラインおよびドラムパターンがプログラム
されており、演奏者はこのシーケンサ104からのリズ
ムに従って演奏を行なう。シーケンサ104からのタイ
ミングクロックは、MIDI入力MI1を介してMID
I楽器(以下、キーボードと称す)101へ与えられ、
またMIDITHRU端子MTHを介してキーボード1
01からキーボード102へこのタイミングクロックが
伝達される。
【0114】ワークステーション103へは、キーボー
ド101からMIDI OUT端子MO1を介してキー
ボード101からのノート(音符)情報を主とするMI
DI情報(演奏ポジション操作による演奏入力情報)が
与えられ、またキーボード102からはMIDI OU
T端子MO2aから演奏入力情報が与えられる。このキ
ーボード102からの演奏入力情報は、LINE OU
T端子MO2bを介して通常のオーディオ信号の形でア
ンプ/スピーカ106へ与えられる。キーボード102
は、音源を備えており、この演奏ポジションとしての白
鍵/黒鍵を操作することにより、その演奏入力情報に対
応する音高情報がアンプ/スピーカ106により増幅さ
れて可聴音として生成される。
【0115】ワークステーション103へは、キーボー
ド101からのMIDI情報、キーボード102からの
MIDI情報、およびシーケンサ104からのタイミン
グクロックが与えられ、このワークステーション103
に含まれる演奏支援システムは、このシーケンサ104
からのクロックに同期して処理を進める。
【0116】ワークステーション103に搭載される演
奏支援システムは、このキーボード101からの演奏入
力情報を処理し、その処理結果の音高情報をサウンドモ
ジュール105へ与え、サウンドモジュール105は、
このワークステーション103からMIDI OUT端
子MO3を介して与えられる音高情報を音情報に変換し
てアンプ/スピーカ106へ与える。このアンプ/スピ
ーカ106へは、シーケンサ104、キーボード102
からの音情報も与えられており、したがってアンプ/ス
ピーカ106から、リズム、リード演奏およびバッキン
グ演奏に対応する音情報が同時に生成される。
【0117】[演奏支援システムのモジュール構成]図
19は、図18に示すワークステーション3に搭載され
る演奏支援システムのモジュール構成を概略的に示す図
である。図19において、この演奏支援システム120
は、曲データデータベース110に格納された曲データ
を解析し、その解析結果に従って演奏支援を行なう。
【0118】曲データデータベース110においては、
各演奏曲それぞれについて、曲のコード進行およびテー
マのメロディが一定のフォーマットで記述された曲デー
タが格納される。この曲データデータベース110に格
納される曲データから、演奏すべき曲に対応する曲デー
タを選択し、演奏支援システム120へ与える。
【0119】演奏支援システム120は、曲データデー
タベース110から与えられる曲データを解析し、各コ
ードに対して使用可能な音列(スケール)を決定する自
動アナリーゼ122と、この自動アナリーゼ122から
の解析結果に従って各コードについて使用可能なスケー
ルの音高を演奏ポジションとしてのキーボード101の
鍵へ割当てかつキーボード101からの演奏入力情報を
この割当てられた音高情報に変換して出力する音高割当
部124と、演奏者からのスケール選択指示および/ま
たはキーボード102を介して与えられる伴奏者の音高
情報とに従って、各コードに対して使用することのでき
るスケールを決定するインタラクション支援部126を
含む。
【0120】音高割当部124は、自動アナリーゼ12
2により与えられた解析結果に従って各コードに対して
使用可能な音列情報を格納する解析結果格納テーブル1
24aと、この解析結果格納テーブル124aに格納さ
れた使用可能な音列に含まれる音高をキーボード101
の演奏ポジションに割当てる音高変換部124bを含
む。図19においては、コードFに対する各演奏ポジシ
ョンとしての鍵への音高割当の対応が一例として示され
る。この演奏ポジションへの音高割当については後に詳
細に説明する。
【0121】インタラクション支援部126は、各スケ
ールに対して使用可能なテンションをたとえばテーブル
形態で格納するスケール/テンション対応情報格納部1
26aを含む。このインタラクション支援部126は、
1つのコードについて使用可能なスケールが複数個存在
する場合、このキーボード102からの音高情報に従っ
て、伴奏者が、テンションの音高を使用する場合には、
そのテンションノートと衝突しないテンションノートを
有するスケールを選択して、音高割当部124の解析結
果格納テーブル124aへ与える。
【0122】またこのインタラクション支援部126
は、キーボード101を演奏するリード演奏者からのた
とえばジョイスティックを介してのスケール選択指示に
従って複数のスケールが存在する場合対応のスケールを
選択して、解析結果格納テーブル124に格納された使
用可能なスケールのうちの対応のスケールを選択する。
これにより、リード演奏者の演奏に対しこのリード演奏
者の主観的特徴を反映させることができる。次に各部の
構成について説明する。
【0123】[自動アナリーゼ]図20は、図19に示
す自動アナリーゼ122のモジュール構成を概略的に示
す図である。図20において、自動アナリーゼ122
は、曲演奏の前に曲データデータベース110から与え
られる曲データのコード情報を順次入力し、そのコード
情報の時系列的な推移状況を解析するコード進行解析部
122aと、コード進行解析部122aからのコード推
移情報に従ってルールテーブル122bを参照し、この
対応のコード情報において使用可能なスケールを決定す
るスケール決定部122cを含む。ルールテーブル12
2bには、一例として、このジャズの即興演奏における
理論的知識として広く知られている「バークリー理論」
に従ったルールが格納されている。コード進行解析部1
22aは、このコードの推移状況に従って、その調性が
長調であるのか短調であるのか、などの文脈を解析す
る。スケール決定部122cは、このコード推移の文脈
情報をもとにしてルールテーブル122bを参照し、コ
ード情報に対して利用可能なスケールを決定する。
【0124】たとえば、今、コード列Dm7/G7/C
M7において、コードDm7に対するスケールを決定す
ることを考える。この場合、調性はC長調であり、この
ような調性におけるコードDm7は、IIm7であり、
したがってコードDm7に対して使用可能なスケール、
すなわち音列は、D−dorianと決定される。も
し、B♭の調性でコードDm7が使用されている場合、
このコードDm7はIII♭7のコードであるため、こ
のコードDm7で使用可能なスケールはD−phryg
ianと決定される。
【0125】したがって、このスケール決定部122c
により決定されるスケールは、コード推移を解析してお
り、各演奏位置で使用可能な音列は、単にその時点にお
けるコードに含まれるコードトーンのみではない。たと
えば、コードDm7においては、コードトーンはD/F
/A/Cであり、一方、スケールD−dorianの場
合には、トーンD/E/F/G/A/B/Cとなり、コ
ードトーン以外のトーンも含む。これにより、即興演奏
時における演奏の自由度が拡張され、またルールテーブ
ル122bに含まれるルールに従って使用可能な音列が
決定されており、理論的に正確な音高を利用することが
できる。
【0126】図21は、自動アナリーゼ122の具体的
解析結果を示す図である。図21においては、ジャズの
スタンダード曲である「枯れ葉」の冒頭8小節のコード
進行および各コードに対して使用可能なスケールを示
す。図21において8小節のコードは、Cm7/F7/
B♭M7/E♭M7/Am7♭5/D7/Gm7/G7
である。これらの各コードについて上述のようなバーク
リー理論に従って使用可能なスケールが決定される。図
21に示すスケール決定においては、1つのコードに対
し複数の選択肢が存在するコードは、ドミナント7th
(属7)のコードに限定される。ドミナント7thのコ
ードは、図21においては、コードF7,D7およびG
7である。
【0127】コードF7は、前後のコード推移状況か
ら、メジャー調性であり、6種類の使用可能なスケール
が与えられる。これらの6種類のスケールは、「mix
olidian(ミキソリディアン)」、「lydia
n 7th(リディアン7度)」、「whole to
ne(ホールトーン)」、「combinationd
im.(コンビネーションディミニシュド)」、「al
tered(オルタード)」、および「hmp5dow
n(ハーモニックマイナーパーファクト5度ダウン)」
である。一方、第6小節および第8小節におけるコード
D7およびG7に対しては、その調性がマイナーであ
り、「mixolidian」のスケールを除く5種類
のスケールが与えられる。残りのメジャー7度またはマ
イナー7度のコードに対しては1つのスケールのみが決
定される。複数のスケールが選択肢として与えられたと
きには、予め定められた規則または演奏者の指示に従っ
て1つのスケールが選択される。このスケール選択につ
いては後に説明する。
【0128】この図21に示すように、コード進行を解
析し、コードの時系列的な推移を解析して、ルールテー
ブルを参照して使用可能なスケールを決定することによ
り、即興演奏時において、理論的知識が何らない場合に
おいても、常に理論的に正確な音高を用いて演奏を行な
うことができる。
【0129】[音高割当部のモジュール構成]図22
は、図19に示す音高割当部124のモジュール構成を
概略的に示すブロック図である。図22において、音高
割当部124は、自動アナリーゼ122からの解析結果
を各コード情報と対応のスケール情報とをリンクして格
納する解析結果格納部134aと、コード進行に合わせ
て、この解析結果格納部134aに格納された各コード
に対するスケールを予め定められた規則に従って選択す
る(複数のスケールが1つのコードに対して存在すると
き)使用スケール選択部134bと、この使用スケール
選択部134bにより選択された使用スケールに含まれ
る音高をキーボード101の各鍵に予め定められた規則
に従って対応付けるポジション/音高対応付部134c
と、図18に示すキーボード101からの音高情報を入
力し、この入力した音高情報をポジション/音高対応付
部134cの対応付けに従って変換して音高情報を生成
する音高情報生成部134dを含む。解析結果格納部1
34aは、図19に示す解析結果格納部124aに対応
し、ポジション/音高対応付部134cが図19に示す
演奏ポジション/音高対応付部124bに対応する。
【0130】使用スケール選択部134bは、図18に
示すMIDIシーケンサ104からのタイミング信号に
従って、各小節の区切りを検出して、コード進行を監視
し、各演奏時点におけるコードおよび対応のスケールを
選択する。この使用スケール選択部134bにおける、
1つのコードに対し複数のスケールが存在するときに1
つのスケールを選択する構成については後に詳細に説明
する。
【0131】ポジション/音高対応付部134cは、キ
ーボード101の各鍵に対し各コードの同一機能を有す
る音高が常に同じ鍵に割当てられるように演奏ポジショ
ン(鍵)と音高とを対応付ける。このポジション/音高
対応付部134cによる同じ機能を有する音高を同じ鍵
に割当てる理由について以下に説明する。
【0132】ここで、まず「機能」という用語について
説明する。たとえばD−dorianのスケールの場
合、このDという音は、このスケールD−dorian
において根音(ルート音)という「機能」を有してい
る。以下、このスケールD−dorianにおいて、E
が2度、Fが3度、Gが4度、Aが5度、Bが6度、お
よびCが7度という「機能」を有する。たとえば3度お
よび7度の音(このスケールD−dorianにおいて
は音FおよびC)はコードの「色」を決定する音であ
り、音楽的機能を有している。ここで、コードの「色」
とは、短調であるのか、長調であるのか、またはドミナ
ント7thであるのかメジャー7thであるのかなどの
コードの雰囲気を示す。なお、D−ionianのスケ
ールの場合、3度はF♯、7度はC♯となる。したがっ
て、厳密にいうと、音DおよびFの間隔は短3度音程、
音DおよびCの間隔は短7度音程であるのに対し、音D
およびF♯の間隔は長3度音程となり、また音Dおよび
C♯の間隔は長7度音程となる。したがって同じ3度お
よび7度の音といっても、実際の音の間隔は各スケール
により異なる。しかしながら、いずれの場合において
も、この3度および7度の位置にある音がそのコード
(Dm7であるのかDM7であるのか)を決定する役割
を有している。このように、各スケールにおける「機
能」を表現する意味で「3度(III)」、「7度」の
表現を行なう。当然、2度、4度および6度などもそれ
ぞれにある音楽的機能を有している。
【0133】この図22に示すポジション/対応付部3
4cは各スケールにおいて同じ機能を有する音高をキー
ボード1の各鍵(演奏ポジション)の同じ演奏ポジショ
ンへ割当てる。たとえば図23(A)に示すように、C
−dorianのスケールの場合、含まれる音列はC/
D/E♭/F/G/A/B♭である。また、図23
(B)に示すように、F−alteredのスケールの
場合、それに含まれる音列は
【0134】
【数1】
【0135】である。このようなスケールは、ジャズま
たはフュージョン以外で使用されることはほとんどな
く、一般には馴染みが薄い。したがって、ジャズ初心者
に対していきなりこのようなスケールに含まれる音列の
みを与えて即興演奏を要求したとしても、実行は非常に
困難であり、演奏が速いテンポで行なわれる場合には、
この音列の変化に追従することも困難となる。
【0136】そこで、ポジション/音高対応付部134
cを用いて、使用可能なスケールに応じてキーボード1
01に音の再割当を行なう。
【0137】図24は、この図22に示すポジション/
音高対応付部134cにおけるキーボード101の各鍵
と各スケールに含まれる音列との対応付けを示す図であ
る。図24に示すように、ポジション/音高対応付部3
4cは、キーボード101の「ドレミファソラシド」に
それぞれ対応する白鍵Ka、Kb、Kc、Kd、Ke、
Kf、Kg、…に対しそれぞれこのスケールに含まれる
ルート音(根音)、2度の音、3度の音、4度の音、5
度の音、6度の音、7度の音、…を割付ける。すなわち
白鍵に対し、ほぼ常に同じ機能を有する音が割付けられ
る。黒鍵については、各黒鍵の右隣の白鍵に割当られて
いる音の半音下の音が割当てられる。たとえば、図24
において、黒鍵Kaaに対しては、白鍵Kbに割当てら
れた2度の音の半音下の音が割当てられる。このポジシ
ョン/音高対応付部134cにおいては、演奏時に各コ
ードの進行に従ってコードが変化したときに同時にリア
ルタイムに対応付けが行なわれる。
【0138】この図24に示すようなキーボードの鍵と
音との対応付けを行なうことにより、演奏中のどの時点
においても、演奏者がキーボード101において「ドレ
ミファソラシド」と白鍵Ka〜Kg、…のみを弾けば、
そのときのコードに対して、使用可能なスケールに含ま
れる音が演奏される。したがって、各鍵に割当てられた
各スケールにおける機能は固定されているため、演奏者
は演奏中に弾くべきスケールを想定する必要がなくな
り、基本的に白鍵のみを使用して演奏することにより、
常に理論的にほぼ正しい音を使用して演奏を行なうこと
ができる。
【0139】本実施の形態においてスケール決定のため
に用いられる「バークリー理論」においては、「アボイ
ドノート」と呼ばれる音が指定されている。このアボイ
ドノートは、スケールの中に含まれるにもかかわらず使
用をできるだけ避けた方がよい(少なくともその音を長
く伸ばしたりすべきではない。)音を示す。この音を避
ける理由は、その音がその時点におけるコードの機能
(ドミナントなど)を阻害する傾向があるためである。
このようなアボイドノートは多くの場合スケールにおけ
る4度の位置に現れる。逆に、コードトーンのうち特に
3度および7度の機能を有する音はほとんどの場合、そ
の時点におけるコードの機能を強く主張するいわゆる
「コードの色」を出す音であり、これらの音を強調する
ことにより曲のコード進行感を生み出すことができる。
一方、同じコードトーンにおいても1度の音(ルート
音)は単純すぎるため、多用するとジャズらしい複雑さ
が薄れる。このジャズらしい複雑さは、9度、11度、
および13度のテンションノートの使用により得ること
ができる。このように、スケール内の音はそれぞれが独
自の機能を有し、1つのスケール内ではどの位置にある
音がどのような機能を有するかは予めほぼ定められてい
る。
【0140】したがって、図24に示すように、各コー
ドに対し、各スケールの同じ機能を有する音はキーボー
ド101の同じ鍵に割当てることにより、キーボードの
各鍵に割当てられる機能をコードが変化しても一定とす
ることができ、容易に演奏を行なうことができる。すな
わち、キーボード101の「ドレミファソラシド」の鍵
Ka〜Kgには、各時点におけるスケールの音列が割当
てられており、したがってド、ミ、ソおよびシの鍵盤K
a、Kc、KeおよびKgに、その時点におけるコード
トーン(1度、3度、5度、および7度の音)が割当て
られ、その他の白鍵にアボイドノートまたはテンション
ノートが割当てられる。したがって、第4度の音が割当
てられるファの鍵Kdを使用する際には、あまり長く音
を出さないように注意しながらそのフレーズを「ミ」の
鍵Kcまたは「シ」の鍵Kgを終着目標として構成する
ことにより、コードの色を有するフレーズを容易に生み
出すことができる。
【0141】ジャズにおいては、スケール内の音の半音
下の音を装飾音としてしばしば用いられる。黒鍵の音
が、その右隣の白鍵の音の半音下として割当てているた
め、容易に装飾音を生成することができる。
【0142】以上のように、このポジション/音高対応
付部134cで、キーボード101の各鍵に対し同じ機
能を有する音が同じ鍵に割当てられるように対応付けを
行なうことにより、演奏者は即興演奏時におけるフレー
ズを容易に作り出すことができる。
【0143】図22に示す音高情報生成部134dは、
ポジション/音高対応付部134cにより対応付けられ
た鍵と音との対応関係に基づいて、キーボード101か
らの音高情報(鍵操作情報)を入力し、そのキーボード
101からの入力された音高情報をそのときのコードの
対応の音に変換して音高情報を生成する。たとえば、キ
ーボード1からの音高情報が白鍵Kaの操作を示す場合
には、音高情報生成部134dは、そのときのスケール
のルート音を示す音高情報を生成する。この音高情報生
成部134dからの音高情報は図18に示すサウンドモ
ジュールへ与えられる。
【0144】なお、この音高割当部において、コードの
切換部すなわち小節の区切りは、シーケンサからのタイ
ミングクロックに従って行なわれるとして説明してい
る。この場合、曲データに含まれるメロディ情報とシー
ケンサからのリズム生成基準となるクロック信号とに基
づいて、各小節の区切りが検出され、その小節の区切り
の検出に従ってコード変換すなわちスケール切換えが行
なわれるように構成されってもよい。1小節中で複数の
コードが使用される場合もある。このような場合にも対
処するには曲データに、あるコードが何拍続くのかを示
す情報を含ませる。この情報とシーケンサからのクロッ
ク信号とによりコードの切換わりは容易に検出できる。
【0145】[自動アナリーゼの変更例]図25は、ア
ナリーゼ122の変更例の構成を示す図である。図25
において、アナリーゼ122に含まれるコード進行解析
部122aの要部の構成が示される。図25において、
コード進行解析部122aは、コード情報を受け、この
時系列的に配列されるコードにおけるルート音の音高
(または音程)の変化の大きさおよび変化方向を検出す
るコード変化検出部132aと、このコード変化検出部
132aからの変化が大きいことを示す情報に従ってコ
ード情報を参照データとしてコードテーブル132cを
検索して対応のコード情報を求め、その検索後のコード
情報で元のコード情報を置き換えるコード交換部132
bを含む。このコード交換部132bにより交換された
コード情報に従って図20に示すコード進行解析部12
2aにおいて時系列的なコード情報の推移が解析されて
交換後のコードに対応するスケールが決定される。
【0146】図24に示すように、キーボード101の
各鍵に対しては、スケールにおけるこの予め定められた
機能を有する音がそれぞれ割当てられる。この場合、ス
ケール切換わり時に音高が大きく飛ぶことが考えられ
る。たとえば、コードがDm7→G7→CM7と変化す
る場合、図24に示すドの鍵Kaを押している場合、実
際に出力される音は、D→G→Cと変化する。この音の
変化を曲の進行に応じて意識している場合または比較的
音高の上下動が激しいフレーズを演奏している場合に
は、この切換わり時の音高の飛びはあまり違和感を生じ
させない。しかしながら、音が単調に上昇または下降す
るようなフレーズを演奏するときにこのような音高の飛
びが生じると違和感が感じられ、特に、音高の上昇中に
音高が低くなったりまた逆に音が下降中にある音高が高
くなるときにこの違和感は強く感じられる。
【0147】コード変化検出部132aは、このような
違和感を感じさせるようなスケール切換えを検出し、コ
ード交換部132bは、そのような違和感を感じさせる
音高の飛びが生じるときには、コードテーブル132c
を参照して、違和感を小さくするコードに交換する。た
とえば、上述のようなコード進行の場合、Cメジャーで
のIIm7→V7→IM7というコード進行は、ジャズ
においては非常に多く出現するが、このコードV7の前
後で大きく音高の飛びが生じる。そこで、この変化検出
部132aで音高の飛びが生じることを検出し、コード
交換部132bにおいて、図24に示すドの鍵Kaに、
CメジャースケールでのII♭の音が来るようにスケー
ルをずらして割当てる。コードV7とコードII♭7
は、コードの色を出す3度および7度の音の組合せが同
じとなり、代理コードとして使用することが可能であ
る。このような交換可能なコードはコードテーブル13
2cにテーブルの形で格納される。すなわち、Cメジャ
ースケールにおいてコード進行がIIm7→II♭7→
IM7にコードが置き換えられる。この結果、図24に
示すドの鍵Kaの音は、II→II♭→I(D→D♭→
C)と半音ずつ降下するだけであり、大きな音高の飛び
は生じない。
【0148】このコード交換が行なわれた後にコード進
行の解析を行なうことにより、各コードに対して理論的
に正しいスケールを選択することができる。
【0149】図26は、図25に示すコード変化検出部
132aおよびコード交換部132bの動作を示すフロ
ー図である。以下、この図25および図26を参照して
コード交換動作について説明する。
【0150】まず、コード変化検出部132aへは、対
象コードに隣接するコード情報がともに与えられ、対象
コードと隣接コードのルート音の距離の測定が行なわれ
る(ステップS501)。時間的に前のコードと対象コ
ードとの測定距離とこの対象コードと時間的に後のコー
ドとの測定距離の符号が同じであるか否かの判定が行な
われる(ステップS502)。これらの2つの測定距離
の符号が同じ場合には、音高は同じ方向に変化してお
り、コード変換は行なう必要がなく、ステップS503
においてこの対象コードが選択される。
【0151】一方、時間的に前後するコードと対象コー
ドの距離の符号が異なる場合、音高の飛びが生じている
可能性がある。そこで、これらの2つの測定距離の情報
がともに予め定められたしきい値よりも大きいか否かの
判定が行なわれる(ステップS504)。少なくとも一
方の距離がしきい値よりも小さい場合には、音高に飛び
は生じないと判定され、ステップS503へ戻り、対象
コードが選択される。
【0152】ステップS504において、2つの測定距
離がともにしきい値よりも大きいと判定されると、コー
ドテーブルから、この対象コードおよび対象コードの変
化方向を示す符号を参照データとしてコードテーブルを
検索する(ステップS505)。この符号は、時間的に
後のコードに近づくような変化方向を示す符号が選択さ
れる。このコードテーブル検索により、複数の候補コー
ドが検索される。ここで、コードテーブル132cにお
いては、対象コードおよび符号に対し、複数の候補コー
ドがテーブル形態で格納されている。これは、単に、隣
接コードがどのようなコードであるかはコード進行状況
において異なるため、すべてに対処するためにはコード
テーブル132cの規模が大きくなるためである。
【0153】次いで、検索された複数の候補コードから
両側のコードに対し最小距離を与えるコードを検出する
(ステップS506)。このステップS506において
は、元のコードよりも飛びの小さなコードを代理コード
として採用し、複数存在する場合には、符号および距離
を考慮して代理コードが定められる。たとえば、以下の
処理が行なわれる。複数の候補コードそれぞれのルート
音と両側のコードのルート音との距離が測定される。距
離の変化方向が同じであり、かつ距離がともにしきい値
よりも小さいコードが選択された場合にはその候補コー
ドが交換すべき代理コードとして選択される。このよう
な候補コードが複数存在する場合には、両側のコードに
対しての距離の差の小さい候補コードが代理コードとし
て選択される。
【0154】次いで、選択された対象コードまたは検出
された代理コードがコード情報として出力される(ステ
ップS507)。このステップS507において出力さ
れたコード情報は、次いでコード進行解析部でコードの
時系列的な進行状況が解析される。
【0155】次いで、すべてのコードに対する処理が行
なわれた場合には終了し、依然未処理のコードが残って
いる場合には再びステップS501へ戻る(ステップS
508)。
【0156】上述のように、対象コードの時間的に前後
するコードのルート音の距離を測定しその距離の符号を
見ることにより、音高の飛びが生じる可能性を判定す
る。次いで、両側コードに対して最小距離を与えかつ同
一方向に変化する距離を与える(可能な場合)コードを
代理コードとして検出することにより、音高の飛びのな
いコード進行を実現することができる。
【0157】なおこのコード交換は、自動アナリーゼ1
22において行なわれずに、音高割当部124において
リアルタイムに実行されてもよい。すなわち、音高割当
部124において、各コード列に対し、この図26に示
す処理と同様の処理を施す。対象コードに対し、代理コ
ードが用いられる場合には、この対象コードのルート音
と代理コードのルート音との距離だけ、この対象コード
に割当てられたスケールの各音を同一方向に同じ距離だ
け移動させてキーボード101の各鍵にシフト後の音高
を割当てる。この場合、コードの進行が音高の飛びを生
じさせないように更新されているため、仮に、理論通り
のスケールが与えられない場合においても、このスケー
ルが音高の飛びを生じさせない方向に移動させられてい
るため、特に問題は生じない。
【0158】[インタラクション支援部の構成]図27
は、インタラクション支援部126の構成を概略的に示
す図である。図27において、インタラクション支援部
126は、伴奏演奏者からのキーボード102を介して
与えられる音高情報を受け、演奏コード格納部141に
格納される現在演奏中のコード情報に従って伴奏された
音高情報がいずれのテンションノートを含むかを判別す
るテンション判別部140と、このテンション判別部1
40により判別されたテンションノートに従ってテンシ
ョン/スケールテーブル143を参照し、使用可能な音
列すなわちスケールを識別するスケール識別部142
と、スケール識別部142で識別された使用可能なスケ
ール情報に従って、使用可能スケール格納部145に格
納される使用可能スケールから採用のスケールを選択
し、この選択された採用スケール情報を音高割当部へ与
えるスケール選択部144を含む。この図27におい
て、破線ブロックで示す構成要素144および145
が、図22に示す使用スケール選択部に対応する。使用
可能スケール格納部145へは、現在演奏中のコードに
対して使用可能なスケールが図22に示す解析結果格納
部から読出されて格納される。
【0159】テンション判別部140は、この演奏コー
ド格納部141に格納された演奏コード情報に従ってル
ート音を識別し、そのルート音を基準として伴奏演奏者
から与えられる音高情報の機能を識別し、その識別した
機能に基づいて、伴奏演奏者が演奏した音高がテンショ
ンノートであるか否かおよびテンションノートである場
合どのテンションノートであるかを判別する。
【0160】テンション/スケールテーブル143に
は、図28に示すようなスケールと各スケールに対して
使用可能なテンションノートの対応関係が格納される。
図28において、○で示すノートが対応のスケールにお
いて使用可能なテンションノートである。通常、ジャズ
において使用されるテンションは、♯9th(9度)、
9th、♯9th、♯11th、♭13th、および1
3thの6種類ある。
【0161】スケール識別部142は、このテンション
判別部140により判別されたテンションノート(機能
で表わされる)を参照データとしてテンション/スケー
ルテーブル143を検索し、使用可能なスケールを識別
する。たとえば、テンション判別部140において、テ
ンションノート♭9thおよび♭13thを伴奏者が用
いていると判別された場合には、スケール識別部142
は、この両者のテンションノートを使用可能なテンショ
ンノートとして含むスケールaltered(オルター
ド)およびhmp5down(ハーモニック・マイナー
・パーフェクト・5度・ダウン)を選択する。2つのス
ケールが採用可能なスケールとして選択された場合に
は、このうち1つのスケールが選択される(このルール
については後に説明する)。
【0162】スケール選択部144は、このスケール識
別部142から与えられた採用可能スケール情報に従っ
て、使用可能スケール格納部145から採用スケールを
選択し、音高割当部へ与える。このスケール選択部14
4から音高割当部へ与えられる採用スケール情報には、
ルート音情報が含まれている。
【0163】ジャズの演奏においては、あるコードにお
いてどのテンションノートを使用するかは演奏者にほぼ
任されており、非常に自由度が高い。したがって、複数
の演奏者がいる場合、テンションの衝突が生じるときが
ある。たとえば、演奏者の1人が9thのテンションノ
ートを使用している際に、別の演奏者が♭9thのテン
ションノートを使用している場合、このような短2度間
隔の音の重なりは極端に不調和な響きとなるため、通常
避けるべきである。この図27に示す構成を用いること
により、伴奏演奏者がどのテンションを使用しているか
を検出し、そのテンションと衝突しないテンションを持
つスケールを採用することができ、テンションの衝突に
よる不快な不協和音の発生を防止することができる。
【0164】このスケール選択動作は各演奏時点におい
て伴奏演奏者の演奏音高に従ってリアルタイムに実行さ
れる。したがって、1つのコードの演奏期間(または1
小節期間)において複数回スケールの変更が行なわれる
こともある。
【0165】[変更例]図29は、この不協和音発生防
止部の変更例の構成を示す図である。図29において、
インタラクション支援部126は、伴奏演奏者からキー
ボード102を介して与えられるバッキング音高情報
を、現ルート音情報格納部151に格納された現在演奏
中のコードのルート音情報に基づいて演奏ポジション情
報に変換する音高/ポジション変換部150と、キーボ
ード101から与えられる演奏ポジション情報と音高/
ポジション変換部150から与えられる演奏ポジション
情報とを受けて、音の衝突が生じているか否かを判定す
る音衝突判定部152と、音衝突判定部152による音
衝突検出に応答して起動され、音高/ポジション変換部
150からの演奏ポジション情報を参照データとしてテ
ンション/スケールテーブル143を参照して、採用可
能スケールを識別する採用可能スケール識別部154
と、この採用可能スケール識別部154からの採用可能
スケール情報に従って、使用可能スケール格納部145
に格納された使用可能スケールから採用すべきスケール
を決定して、採用スケール情報を音高割当部へ与える採
用スケール決定部156を含む。
【0166】音高/ポジション変換部150は、現ルー
ト音情報格納部151に格納される現ルート音とバッキ
ング音高情報との距離を測定し、このバッキング音高を
演奏ポジション情報すなわち機能情報に変換する。音衝
突判定部152は、演奏ポジション情報とこの音高/ポ
ジション変換部150からの演奏ポジション情報の距離
が所定の条件(たとえば短2度間隔)であるか否かの判
定を行ない、そのルールが乱されたときに音の衝突が生
じていると判定する。この演奏ポジション情報およびバ
ッキング音高情報が和音の形態でそれぞれ与えられてい
るときには、各演奏ポジションについての距離の測定に
基づいて音の衝突の判定が行なわれる。
【0167】採用可能スケール識別部154は、音の衝
突が生じていると音衝突判定部152において判定され
たときにのみ音高/ポジション変換部150からの演奏
ポジション情報を参照データとして、そのバッキング音
高情報と不協和音を生じないスケールを採用可能スケー
ルとして検索する。採用スケール決定部156は、この
採用可能スケール識別部154からの採用可能スケール
情報(ルート音情報は含まれておらず、どのスケール
(音階)が用いられるかのみが示される)にしたがって
使用可能スケール格納部145に格納された使用可能ス
ケールを参照し、対応のスケールを採用スケールとして
決定する。この採用スケール決定部156からの採用ス
ケール情報には、ルート音情報が含まれている。
【0168】この図29に示す構成の場合においては、
伴奏演奏者の演奏する音高とキーボード101を演奏す
るリード演奏者の演奏する音高との音の衝突が生じたと
きにのみスケールの変換を行なっている。音の衝突が生
じない場合には、採用スケール決定部156は、予め定
められた規則に従って使用可能スケール格納部145に
格納されたスケールを採用する。
【0169】[感性的音列選択部の構成]図30は、感
性的音列選択部の構成を概略的に示す図である。この感
性的音列選択部は、感性情報入力インタフェース160
から与えられる感性情報に従って使用すべきスケールを
選択する。この感性的音列選択部は、インタラクション
支援部26に含まれる。
【0170】感性的音列選択部は、感性情報入力インタ
フェース160から与えられる感性情報に従って指定さ
れた感性を判定する感性判定部162と、各スケールに
対し、予め定められた感性情報を記憶する感性情報デー
タベース161と、この感性判定部162からの感性情
報に従って感性情報データベース161を参照し、指定
された感性に対応するスケールを検索し、使用すべき候
補スケールを決定する候補スケール決定部164を含
む。この候補スケール決定部164は、感性判定部16
2からの感性情報が、現在のスケールに対して、相対的
な感性、たとえば「より明るく」という情報を示すとき
には、現在スケール情報格納部163に格納される現在
採用されているスケール情報を基準として、指定された
候補スケールを決定する。したがって、たとえば「より
明るく」という感性情報が与えられたときには、この現
在のスケールに割当てられている「明るさ」を示す感性
よりもより明るい感性を与えるスケールが候補スケール
として決定される。この場合、感性判定部162により
判定される感性が各スケールに対し、1対1に対応して
いる場合には、この現在スケール情報格納部163は特
に設ける必要はない。
【0171】感性的音列選択部は、さらに、候補スケー
ル決定部164からの候補スケール情報に従って使用可
能スケール格納部165に格納されている現在のコード
に対して使用可能なスケールから候補スケールに対応す
るスケールを選択して使用スケール情報として音高割当
部へ与える使用スケール決定部166を含む。使用スケ
ール決定部166は、この使用可能スケール格納部16
5に、候補スケール決定部164により決定されたスケ
ールが存在しない場合には、指定された感性により近い
スケールを選択して使用スケール情報を生成する。
【0172】図31は、感性情報データベース161に
格納されるデータベースの構成の一例を示す図である。
図31においては、6つのスケール「mixolidi
an(ミキソリディアン)」、「lydian7th
(リディアン7度)」、「whole tone(ホー
ルトーン)」、「combination dim.
(コンビネーション・ディミニシュド)」、「alte
red(オルタード)」、および「hmp5down
(ハーモニック・マイナー・パーファクト5度ダウ
ン)」それぞれに対し、感性情報Sa、Sb、Sc、S
d、SeおよびSfが与えられている。
【0173】図31においては、この感性情報として、
「明るい印象」および「暗い印象」の印象の明暗に応じ
た一軸情報が一例として示される。概ね、スケールmi
xolidianおよびlydian7thは明るい印
象を与え、スケールalteredおよびhmp5do
wnは暗い印象を与え、スケールwhole tone
およびcombination diminished
は中間的(無調)な印象を与える。この一般的な印象に
従って図31に示すように、各スケールに対し印象度を
示す感性情報を付す。
【0174】この図31に示すような一軸情報の場合、
感性情報入力インタフェース60としては、ジョイステ
ィックが用いられ、このジョイスティックの変化方向お
よび変化の割合に応じて指定された感性が特定されて、
対応のスケールが指定される。このジョイスティックの
変化方向および距離の大きさに従って択一的にスケール
が選択されてもよく、また単にこのジョイスティックの
変化方向に従って現在コードを基準として「より明る
く」または「より暗く」という感性情報が入力される構
成であってもよい。
【0175】また印象の明暗のような一軸のみの感性を
用いるのではなく、「しなやかさ」などの他の印象を与
える感性情報が複数個用いられてもよい。複数種類の感
性情報が用いられる場合、各感性情報それぞれについて
候補スケールが判定される。
【0176】図32は、この図30に示す感性音列選択
部の動作を示すフロー図である。以下、この図30ない
し図32を参照して感性情報に従った音列(スケール)
選択動作について説明する。
【0177】まず、演奏が始まると、感性判定部162
は、感性情報入力インタフェース160から感性情報が
入力されたか否かを判定する(ステップS620)。感
性情報入力インタフェース160から感性情報が入力さ
れていない場合、複数のスケールが存在する場合には、
所定の規則に従って1つのスケールが選択される(ステ
ップS621)。この所定の規則としては、コード進行
がメジャー進行の場合には、スケールlydian7t
hが選択され、コード進行がマイナー進行の場合には、
スケールhmp5downが選択される。このコード進
行がメジャーであるかマイナーであるかは、自動アナリ
ーゼにおける各コードに対するスケール選択時に決定さ
れる。複数のスケールが存在する場合、メジャー進行の
場合には、6つのスケールが選択され、マイナー進行の
場合には5つのスケールが選択されている。したがって
この自動アナリーゼによるスケール決定動作時に、各コ
ードに対しコード進行がメジャーであるかマイナーであ
るかを示すフラグを付けておけば、このようなマイナー
/メジャー指示フラグを見ることにより、複数のスケー
ル存在時において1つのスケールを選択することができ
る。1つのスケールしか使用可能でない場合には、1つ
のスケールが選択される。
【0178】感性判定部162は、感性情報入力インタ
フェース160から感性情報が入力されたと判定する
と、その指定された感性を判定する(ステップS62
2)。この感性の指定は、たとえば感性情報入力インタ
フェース160が前述のごとくジョイスティックの場合
には、そのジョイスティックの操作処理に応じて感性が
識別される。この感性情報入力インタフェース160か
らの入力感性情報が相対的な感性情報を示している場合
(より明るくまたはより暗く)、候補スケール決定部1
64は、現在スケール情報可能部163に格納された現
在スケールを基準として、感性情報データベース161
を参照し、指定された感性情報に対応するスケールを候
補スケールとして決定する(ステップS623)。この
場合、感性情報インタフェース160が、その感性情報
が択一的に感性を指定する場合(最も明るくなど)、候
補スケール決定部164は、現在スケール情報格納部1
63を参照することなく、感性情報データベース161
を検索して、その指定された感性に対応するスケールを
選択する。
【0179】使用スケール決定部166は、この候補ス
ケール決定部164からの候補スケール情報を受ける
と、現在のコードに対して使用可能なスケールのうち対
応のスケールを検索する(ステップS624)。この使
用可能スケール格納部165に格納された使用可能スケ
ールにおいて、対応のスケールが存在する場合には、そ
の対応のスケールが選択される(ステップS625)。
一方、たとえばスケールmixolidianが現在使
用中のスケールのときに「より明るく」という感性情報
が入力された場合には対応のスケールは存在しない。こ
のような場合および使用可能スケールが1つしか存在し
ない場合には、この候補スケールに最も近いスケール
(1つしかない場合には1つのスケール)が選択される
(ステップS626)。この使用スケール決定部166
により選択されたスケールが対応のコードの演奏時に採
用されるスケールであるとして、音高割当部へ与えられ
る(ステップS627)。以降この処理動作が、演奏が
すべて終了するまで繰返し実行される。
【0180】なお、感性情報入力インタフェース160
としては、上述のようなジョイスティックに代えて、テ
ンキーのような専用の情報入力ボードが用いられてもよ
い。また、演奏者の演奏入力インタフェースの操作状
態、演奏者の姿勢および/または表情などの種々の情報
がスケール選択用感性情報として用いられてもよい。
【0181】上述のような感性情報に従ってスケールを
選択することにより、演奏者の表現したいイメージを表
現することが可能となる。
【0182】[インタラクション支援部の他の構成]図
33は、この発明に従う演奏支援機能付楽器のテンショ
ン衝突防止および感性的音列処理機能を備えるインタラ
クション支援部の構成を概略的に示す図である。この図
33に示す構成は、図30に示す感性的音列処理部の構
成と図29に示すテンション衝突防止処理部の構成の組
合せに相当する。これらの図面において示される構成要
素と図33に示される構成要素と対応する部分には同一
の参照番号を付す。
【0183】図33において、テンション衝突防止処理
部は、伴奏演奏者からのバッキング音高情報を受けて、
現ルート音情報格納部151に格納されるルート音を基
準として、このバッキング音高の演奏ポジション(機
能)を示す情報に変換する音高/ポジション変換部15
0と、演奏者からの演奏ポジション情報と音高/ポジシ
ョン変換部150からの演奏ポジション情報とを受け、
その演奏ポジションの距離を判定することにより、音高
の衝突が生じているか否かを判定する音衝突判定部15
2と、音衝突判定部152からの衝突検出時に起動さ
れ、テンション/スケールテーブル143を音高/ポジ
ション変換部150からの演奏ポジション情報を参照デ
ータとして検索して、採用可能スケールを検出する採用
可能スケール識別部154を含む。これらの部分の構成
は図29に示す構成と同じである。
【0184】テンション衝突防止処理部は、さらに、こ
の採用可能スケール識別部154からの採用可能スケー
ル情報に従って、現コードに対して使用可能スケール情
報が格納される使用可能スケール格納部173へアクセ
スし、採用可能スケール以外のスケールを消去するスケ
ール更新部170を含む。スケール更新部170は、採
用可能スケール識別部154から採用可能スケール情報
が与えられない場合、すなわちテンションの衝突が生じ
ない場合には、使用可能スケール格納部173へはアク
セスしない。したがって使用可能スケール格納部173
に格納されたスケール情報は、テンションノートの衝突
が生じた場合にのみ書替えられる(コード変換時は別で
ある)。
【0185】感性的音列処理部は、感性情報入力インタ
フェース60から与えられる感性情報を受けて、指定さ
れた感性を判定する感性判定部162と、感性判定部1
62からの指定感性情報に従って感性情報データベース
161を検索し、現在のスケール情報を現在スケール情
報格納部163から読出してこの現在スケールを基準と
して候補スケールを決定する候補スケール決定部164
と、候補スケール決定部164からの候補スケール情報
に従って使用可能スケール格納部173へアクセスし、
対応のスケールを検出する使用スケール決定部175を
含む。この使用スケール決定部175は、図32に示す
動作フローと同様の動作を行なう。これにより、候補ス
ケール決定部164からの候補スケールに対応するスケ
ールが使用可能スケール格納部173に格納されていな
い場合には、この候補スケールに最も近いスケールが選
択されて使用スケール情報として音高割当部へ与えられ
る。一方、感性情報入力インタフェース160からの感
性情報が与えられない場合には、候補スケール決定部1
64は動作せず、何ら情報を使用スケール決定部175
へは与えない。この状態においては、使用スケール決定
部175は、現在のコードのコード進行がマイナーであ
るかメジャーであるかに従って使用可能スケール格納部
173から1つのスケールを選択する。コード進行がメ
ジャー進行の場合には、スケールlydian7thが
選択され、コード進行がマイナー進行の場合には、スケ
ールhmp5downが選択される。使用可能スケール
格納部173のスケールがスケール更新部170により
更新されている場合には、その対応するスケールが存在
しない場合、使用スケール決定部175は、その進行コ
ードに応じて決定されたスケールに最も近いスケールを
選択する。
【0186】この図33に示す構成を利用することによ
り、演奏者相互の音の衝突を回避しつつ、演奏者の感性
に応じた演奏を実現することができる。
【0187】[演奏入力インタフェースの変更例]図3
4は、この発明に従う演奏入力インタフェースの変更例
の構成を概略的に示す図である。図34において、演奏
入力インタフェースは、演奏者が特定することのできる
複数の領域179a〜179を備える。これらの領域1
79a〜179gの各々には、演奏ポジションが割当て
られ、各領域に対しルート音(ROOT)、2度(2n
d)、3度(3rd)、4度(4th)、5度(5t
h)、6度(6th)および7度(7th)の音が割当
てられる。この領域179a〜179gを演奏者が特定
すると、その特定された領域に応じて演奏ポジションを
示す情報すなわち音の機能に対応する演奏ポジション情
報が生成される。この領域179a〜179gは、空間
的な領域であってもよく、またディスプレイ画面上の2
次元領域であってもよい。すなわち、演奏入力インタフ
ェースとしては、ギターおよびキーボードに限定され
ず、MIDI信号を生成することができるともに、演奏
ポジションを特定することもできるものであればよい。
【0188】この図34に示す演奏ポジションを有する
演奏入力インタフェースは、また、以下の効果を実現す
る。先に図23(B)に示したコードF−altere
dは、以下のようなコードトーンを含む。
【0189】
【数2】
【0190】したがって、通常のキーボードなどの鍵盤
楽器においては「ミ」の鍵に機能「III」ではなく
「♯IX」が割当てられ、「ファ」の鍵に機能「II
I」が割当てられる。したがって、コードF−alte
redの場合、機能の「各鍵への固定的割当」という特
徴が損なわれる。しかし、図34のような構成を用いれ
ば、鍵配列の影響を受けないため全てのコードについて
演奏ポジションの厳密な機能固定を実現できる。
【0191】図35は、この演奏入力インタフェースの
変更例の具体的構成を示す図である。図35において
は、演奏入力インタフェースは、人の腕に取付けられた
磁気センサ180aおよび180bと、これらの磁気セ
ンサ180aおよび180bからの位置情報に従って、
空間的な領域における位置を検出する位置検出手段18
2と、この位置検出手段182により検出された位置情
報を演奏ポジション情報に変換して出力する演奏ポジシ
ョン識別部184を含む。この磁気センサ180aおよ
び180bは、たとえば人の両腕がともに限られた状態
がルート音のポジションに対応付けられ、両肘を90°
曲げた状態が3度の演奏ポジションに、両肘を180°
曲げて前腕および上腕が接触した状態を7度の演奏ポジ
ションに割当てる。すなわち位置検出手段182は、各
磁気センサ180aおよび180bの検出する位置情報
に従って人の腕の状態を示す情報を生成し、演奏ポジシ
ョン識別部184は、この位置検出手段182からの腕
の状態を示す情報に従って演奏ポジションを識別する。
【0192】なお、この図35に示す構成においては、
磁気センサ180aおよび180bが用いられている
が、人の腕の状態を測定するために1つの磁気センサの
みが用いられ、1つの腕の位置に従って演奏ポジション
が特定される構成が用いられてもよい。
【0193】この磁気センサを用いて人の腕の状態を測
定することにより、演奏者は、動作しやすくなり、演奏
する楽曲に合わせて「振付け」を自由に行なうことがで
き、表示装置により表示される画像の変化を演奏する楽
曲に合わせることができ、作成される楽曲と映像とを容
易に調和させることができる。
【0194】また、トランペットなどのように、吹奏楽
器を用いる場合、「バルブの組合せ+歌口における唇お
よび吐気の強さ」の組合せが演奏ポジションに対応付け
ることができる。このトランペットを演奏入力インタフ
ェースとして用いる場合、以下の利点を得ることが考え
られる。すなわち、トランペットの場合、通常、3つの
バルブの組合せと吐気の強さによりさまざまな音高が生
成される。したがって、初心者の場合、バルブを「この
ように操作すれば音が連続的に上昇するはず」という直
観的な操作はない。したがってこのような楽器を使用す
れば、音高の連続上昇・連続下降の期待感が弱くなるた
め、音高の飛びが生じても違和感は小さくなると考えら
れる。したがってこのようなインタフェースを利用する
場合、音高の飛びを抑制するために、代理コードを使用
するという処理が不要となることが考えられる。
【0195】このトランペットのような吹奏楽器を用い
る場合においても、演奏者は比較的自由に身体全体を動
かすことができ、したがって演奏する楽曲に合わせて撮
像信号を変化させることができ、応じて生成される万華
鏡模様の単位画像を演奏する楽曲に合わせて変化させる
ことができ、楽曲と調和のとれた映像を生成することが
できる。
【0196】上述の説明においては、ジャズの即興演奏
を支援することを目的として、「バークリー理論」に従
って各コードに対する使用可能なスケールを選択してい
る。この場合、ドミナント7thのコードに対してのみ
複数のスケールが使用可能としている。しかしながら、
この場合、各コードに対し複数のスケールを使用するこ
とが可能となるように構成されてもよい。また、ジャズ
の即興演奏において別の理論が用いられてもよい。
【0197】さらに、ジャズの即興演奏のみならず、他
のジャンルの曲においても、コードが与えられたとき
に、使用可能な音列(スケールに限定されない)が予め
定められる場合には、本発明の構成は適用可能である。
【0198】[変更例2]上述の説明においては、この
演奏支援システムは、コードの推移に従って使用可能な
音列を定めて楽曲演奏を行なっている。しかしながら、
図34に示すように演奏ポジションを演奏者の周辺の空
間に対してマッピングした場合、以下の構成をとること
もできる。すなわち、演奏者が図35に示すような磁気
センサ(180a,180b)を用いてこの演奏ポジシ
ョンを仮想的に「叩く」ことにより、その演奏ポジショ
ンが演奏されたものとして演奏支援システムへ演奏ポジ
ション情報が入力される。すなわち、演奏者1の周辺の
空間に目に見えない仮想ドラムセットがある状況と等価
となり、この仮想ドラムセットを叩くことが音楽演奏と
なる。これと同時に、この仮想ドラムセットを叩く動作
が身振りとしてビデオカメラ6を介して万華鏡像生成装
置へ与えられる。したがって、このようなリズム音楽を
生成する場合においても、生成される楽曲と映像とは調
和のとれたものとなり、水準の高い楽曲および映像を容
易に生成することができる。
【0199】[実施の形態3]図36は、この発明の実
施の形態3に従うアート製作装置の全体の構成を概略的
に示す図である。図36においては、演奏支援システム
4は、演奏者1からの演奏ポジション情報を入力するた
めの演奏ポジション入力インタフェース185と、この
演奏情報入力インタフェース185を介して与えられる
演奏ポジション情報に従って、演奏者が入力した演奏ポ
ジションを識別する演奏ポジション識別部190を含
む。この演奏ポジション入力インタフェース185は、
演奏すべき楽曲の音高を指定するための演奏ポジション
179a〜179gと、さらに、表示される画像を修飾
する画像修飾情報を入力するための演奏ポジション19
0a〜190nを含む。
【0200】演奏ポジション識別部190は、この演奏
ポジション190a〜190nを介して演奏ポジション
情報が入力されたとき、万華鏡像生成装置8と表示装置
10の間に設けられた画像修飾装置200に対し、その
入力された演奏ポジションを示す演奏ポジション情報を
与える。
【0201】画像修飾装置200は、万華鏡像生成装置
8からの画像信号を入力し、この演奏ポジション識別部
190から与えられる演奏ポジション同定情報に従って
この入力した画像信号に対し画像修飾処理を行なう。こ
の画像修飾装置200は、予め各演奏ポジションと行な
うべき画像修飾処理とが対応づけて記憶されており、入
力された画像修飾処理情報に従って対応の画像修飾処理
を行なう。
【0202】図37は、この図36に示す画像修飾装置
200および表示装置10の構成を概略的に示す図であ
る。図37において、画像修飾装置200は、演奏ポジ
ション識別部190から与えられる演奏ポジション情報
に従って指定された画像修飾処理に必要な動作を制御す
る制御部200aと、万華鏡像生成装置8からの画像信
号のR信号(赤色信号)を入力し、制御部200aの制
御の下に必要な処理を行なうR処理部200bと、万華
鏡像生成装置8からの画像信号に含まれるG信号(緑色
信号)を入力し、制御部200aの制御の下に必要な処
理を行なうG処理部200cと、万華鏡像生成装置8か
らの画像信号に含まれるB信号(青色信号)を入力し、
制御部200aの制御の下に必要な処理を行なうB処理
部200dを含む。制御部200aは、演奏ポジション
と対応の画像修飾処理を行なうプログラムが対応づけて
格納されており、この指定された演奏ポジションに対応
するプログラムを実行する構成であってもよい。また、
これに代えて、演奏ポジション情報をデコードし、その
デコード結果に従って必要な制御信号を発生する構成で
あってもよい。
【0203】R処理部200b、G処理部200cおよ
びB処理部200dの各々は、与えられたR信号、G信
号およびB信号に対し、それぞれそのレベル調整などの
処理を行なう。このレベル調整は、たとえば、万華鏡像
生成装置8からの画像信号がディジタル信号であり、そ
の画像信号ビットの位置をシフトすることにより実現さ
れる。
【0204】表示装置10は、この画像修飾装置200
から与えられるR信号、G信号およびB信号を受け、所
定の順序でラスタ走査して表示スクリーン10b上に画
像信号を表示する画像表示制御装置10aを含む。この
画像表示制御装置10aは、通常の画像表示装置の制御
装置と同様であり、画像修飾装置200から与えられる
ディジタル信号をアナログ信号に変換して、表示スクリ
ーン10bがCRTであるか、液晶ディスプレイである
か、または単なる映像が映し出されるスクリーンである
かに従ってそれぞれ必要な表示制御を行なって万華鏡像
画像信号を表示スクリーン10bに表示する。次に動作
について簡単に説明する。
【0205】今、演奏者1が、その演奏ポジション情報
入力インタフェース185から演奏ポジション190a
を操作した場合を考える。演奏ポジション情報入力イン
タフェース185は、先の図35に示すような、磁気セ
ンサおよび位置検出装置を用いて実現される。今、この
演奏ポジション190aが、表示映像の赤色を強調する
処理を要求する場合を考える。このとき、画像修飾装置
200は、制御部200aの制御の下にR処理部200
bが、万華鏡像生成装置8から与えられるR信号のレベ
ルを高くし、R信号振幅を大きくする。このとき、G処
理部200cおよびB処理部200dにおいて、G信号
およびB信号のレベルが低くされる処理が併せて行なわ
れてもよい。画像表示制御装置10aは、その画像修飾
装置200により修飾されて赤色が強調された画像信号
を生成して、表示スクリーン10b上に生成する。これ
により、表示スクリーン10b上には、演奏者1の要求
する映像信号が容易に生成される。
【0206】この画像修飾処理としては、他に、「画面
を明るくする」、「画面を暗くする」、「色を反転す
る」などがある。
【0207】この「画面を明るくする」および「画面を
暗くする」は、先の演奏支援システムにおいて説明した
感性情報入力と連動して発生されるように構成されても
よい。演奏する楽曲を明るくするのに応じて、表示され
る映像も応じて明るくなり、演奏する楽曲に調和した映
像を生成することができる。
【0208】さらに、この演奏ポジションとして、画像
修飾処理に加えて、さらに万華鏡画像の処理を特定する
情報を発生するように構成されてもよい。たとえば、万
華鏡画像信号発生時においては、鏡の数が2枚、および
3枚などの複数種類鏡の配置が示されている。この鏡の
配置を演奏ポジションに対応づけることにより、演奏す
る楽曲に合わせて、生成される万華鏡模様が大きく変化
し、演奏楽曲に応じて映像信号を容易に変更することが
できる。さらに、この万華鏡画像の単位となる部分撮像
信号の中心角度の大きさを、演奏ポジションに対応づけ
るように構成されてもよい。
【0209】なお、「画面を明るくする」および「画面
を暗くする」などの表示は、単に輝度信号成分Yのレベ
ルを調整すればよいため、R信号、G信号およびB信号
のすべてのレベルを同じ量だけ調整することにより容易
に実現される。
【0210】さらに、この演奏ポジションに対し特殊な
ビデオ効果が対応づけられてもよい。
【0211】[実施の形態4]図38は、この発明の実
施の形態4に従うマルチメディア・アート製作装置の全
体の構成を概略的に示す図である。図38において、こ
の発明の実施の形態4に従うマルチメディア・アート製
作装置は、複数のメディアそれぞれについてメディアを
用いてアートを表現するためのメディア情報およびこの
表現に対する条件を表わす制御情報を入力するための情
報入力部210と、各メディアそれぞれに対し、メディ
アを用いてアートを表現するのに必要とされる知識を格
納する知識ベース215と、情報入力部210からのメ
ディア情報および制御情報を受け、受けたメディア情報
および制御情報に対応するメディアの知識を知識ベース
215から参照し、参照した知識および受けた制御情報
に従ってメディア情報を加工する情報加工部220と、
この情報加工部220により加工された情報を対応のメ
ディアを使用して呈示する情報呈示部230を含む。
【0212】情報入力部210は、メディアそれぞれに
対して設けられ、各メディアにおけるアートを表現する
ためのメディア情報M♯a〜M♯mを入力するためのメ
ディア情報入力部210aと、各メディアそれぞれに対
応して設けられ、各メディアによるアートに対する条件
を示す制御情報C♯a〜C♯mを入力するための制御情
報入力部210bを含む。このメディア情報入力部21
0aは、万華鏡像生成装置においては、ビデオカメラ6
に対応し、楽曲作成部においては、MIDIギターまた
はMIDIキーボードに対応する。制御情報入力部21
0bは、万華鏡像生成装置においては、得られる万華鏡
像の鏡の数、単位となる万華鏡像の形状および大きさを
指定する制御パラメータに対応する。楽曲作成部におい
ては、この制御情報入力部210bは、感性情報入力
部、伴奏者が存在する場合の伴奏者からの音高情報生成
部に対応する。
【0213】知識ベース215は、各メディアを使用す
るアート作成時に必要とされる知識を格納しており、万
華鏡像生成装置においては、各鏡の配置において、万華
鏡像を生成するためのアルゴリズムを実現する知識を格
納する。楽曲作成部においては、この知識ベース215
は、「バークリー理論」に基づく自動アナリーゼに対応
する。
【0214】情報加工部220は、万華鏡像生成装置に
おいては、ビデオカメラから入力された映像信号から、
制御パラメータに基づいて単位となる万華鏡像を生成し
て画面を充満する部分に対応する。楽曲作成部において
は、この情報加工部は、音高割当部に対応する。情報呈
示部230は、万華鏡像生成装置においては、表示装置
に対応し、また楽曲作成部においては、サウンドモジュ
ールおよびアンプ/スピーカに対応する。
【0215】作成するアートが、音および映像を用いる
場合の他、たとえばスクリーン上に絵画を作成する場
合、知識ベース215には、その絵画を作成するための
知識が格納される。このような絵画作成のための知識に
おいては、配色、画面の構成(たとえば黄金分割など)
などの知識が格納される。絵画作成時における制御情報
としては、全体を明るく仕上げる、少し暗く仕上げる、
また絵画のタッチ、たとえば、得られる絵画をゴッホま
たはセザンヌなどのタッチに近くする、などがある。
【0216】この図38に示すようなマルチメディア・
アート製作装置において、情報加工部220が、予め準
備された知識を格納する知識ベース215を参照して、
メディア情報を制御情報と参照した知識とに従って加工
することによりメディアによるアート作成時に必要とさ
れるすべての制御要素を制御する必要がなく、少ない入
力情報でフルスペック(要求されるすべての)情報を与
えたのと同程度のアートを作成することが可能となる。
たとえば、演奏支援時において、音高割当手段により、
楽曲演奏にあたって演奏者はジャズの理論的要素につい
て考慮する必要がほとんどなくなる。これにより、各メ
ディアにおいてアートを作成するために必要とされる思
考量およびメディア情報入力部の操作量が削減され、認
知的過負荷(コグニティブオーバーロード)が解消され
るため、製作者に余力ができ、同時に複数のメディアを
使ってアートを作成することが可能となる。また、知識
ベース215に格納される知識により、作成されるアー
トは一定の水準を超えることが保証されており、全体作
品として必ず一定の品質水準を達成することができ、メ
ディア間のアート品質のばらつきを少なくすることので
きるマルチメディア作品を作成することができる。した
がって、ある瞬間に1つのメディアによるアート製作に
集中し、他のメディアによるアート作成のための操作を
疎かにしても、必ずある水準のアートが作成されるた
め、全体としての作品のバランスが大きく崩れることは
ない。この知識ベース215に格納される知識は、この
装置を利用する製作者の認知的負荷を軽減するに十分な
知識であればよく、製作者の製作活動を過剰に支援せ
ず、製作者の創造性の発揮できる余地を残す(演奏支援
システムにおける情報選択の自由度の存在参照)。
【0217】情報加工部220は、メディア個々に、知
識ベース215の対応の知識を参照して、対応のメディ
ア情報を加工するように構成されてもよい。また、この
情報加工部220は、メディア間のアートの調和を保つ
ため、各メディア間において制御情報の交換が行なわれ
て情報の加工が行なわれるように構成されてもよい。
【0218】
【発明の効果】楽器および演奏支援システムで構成され
る演奏支援機能付楽器およびビデオカメラからの撮像信
号に従って万華鏡画像信号を生成する電子万華鏡像を、
いずれも初心者であっても容易に水準以上の作品を創造
することができ、しかも使用者がその使用に対し修飾す
る余地が残されており、したがって、より高度な創作を
追求することも十分に可能である。したがって、これら
を用いたこの発明に従えば、初心者であっても容易に水
準以上の音楽および映像を同時に生成することができ、
かつ両者が十分に調和した作品の創作を容易に実現する
ことができる。
【0219】また、マルチメディア・アート製作装置に
おいて、各メディアそれぞれに対し、アート作成のため
のメディア情報およびこのアートに対する条件を示す制
御情報を利用し、予め準備された各メディア対応の知識
を参照して、制御情報および参照した知識に基づいて入
力されたメディア情報を参照した知識で補って加工して
対応のメディアを使用して加工情報に従って情報を呈示
することにより、いずれのメディアによるアートも一定
の水準を有し全体として必ず一定の品質水準を有しかつ
アート間の品質のばらつきの小さなマルチメディア作品
を容易に生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従うリアルタイム・マルチメディア
・アート製作装置の全体の構成を概略的に示す図であ
る。
【図2】図1に示す万華鏡像生成装置の動作の概略を示
すフローチャート図である。
【図3】鏡が2枚の場合に対応する万華鏡像生成装置の
動作を説明するための概念図である。
【図4】鏡が3枚の場合における万華鏡像の生成過程を
示す模式図である。
【図5】鏡の境界と交差しない反射パターンの生成過程
を示す概念図である。
【図6】鏡の境界と交差するパターンの生成過程を示す
概念図である。
【図7】鏡が4枚の場合の万華鏡像の生成過程を示す概
念図である。
【図8】万華鏡像生成装置の変更例の動作を説明するた
めのフローチャート図である。
【図9】一般的な三角形形状の初期画像片に基づいた万
華鏡像の生成過程を示す概念図である。
【図10】図9に示す万華鏡像の光学的過程による万華
鏡像生成過程を示す概念図である。
【図11】図9に示す万華鏡像を生成するための万華鏡
像生成装置の動作を説明する第1の概念図である。
【図12】反射パターン生成の優先順序付を示す概念図
である。
【図13】反射パターン生成のアルゴリズムを示すツリ
ー図である。
【図14】図9に示す万華鏡像生成のための動作を説明
する第2の概念図である。
【図15】万華鏡像生成装置の第2の変更例の構成を示
す概略ブロック図である。
【図16】図18に示す万華鏡像生成装置およびコンピ
ュータグラフィックス生成装置の動作を示す概念図であ
る。
【図17】図18に示す構成の動作を示すフローチャー
ト図である。
【図18】図1に示す演奏支援システムを含む演奏環境
の構成を概略的に示す図である。
【図19】図1に示す演奏支援システムの構成を概略的
に示す図である。
【図20】図19に示す自動アナリーゼの構成を概略的
に示す図である。
【図21】図20に示す自動アナリーゼにより解析され
たコードに対する使用可能なスケールの一例を示す図で
ある。
【図22】図19に示す音高割当部の構成を概略的に示
す図である。
【図23】(A)および(B)はスケールの音列の具体
例を示す図である。
【図24】図22に示すポジション/音高対応付け部の
処理操作を示す図である。
【図25】図20に示す自動アナリーゼの変更例の構成
を概略的に示す図である。
【図26】図25に示す自動アナリーゼのコード交換の
動作を示すフロー図である。
【図27】図19に示すインタラクション支援部の構成
を概略的に示す図である。
【図28】図27に示すテンション/スケールテーブル
に格納されるテーブルの構成の一例を示す図である。
【図29】図27に示すインタラクション支援部の変更
例の構成を概略的に示す図である。
【図30】インタラクション支援部の感性的音列選択部
の構成を概略的に示す図である。
【図31】図30に示す感性情報データベースに格納さ
れるスケールと感性情報との対応関係の一例を示す図で
ある。
【図32】図30に示す感性的音列選択部の動作を示す
フロー図である。
【図33】インタラクション支援部の他の構成を概略的
に示すブロック図である。
【図34】演奏入力インタフェースの変更例の構成を概
略的に示す図である。
【図35】図34に示す演奏入力インタフェースの変更
例の具体例を示す図である。
【図36】この発明に従うマルチメディア・アート製作
装置の実施の形態3の構成を概略的に示す図である。
【図37】図36に示す画像修飾装置の構成を概略的に
示す図である。
【図38】この発明の実施の形態4に従うマルチメディ
ア・アート製作装置の全体の構成を概略的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1 演奏者 2 楽器 4 演奏支援システム 6 カメラ 8 万華鏡像生成装置 10 表示装置 12 万華鏡像生成装置 14 コンピュータグラフィックス生成装置 101,102 キーボード 103 ワークステーション 104 シーケンサ 105 サウンドモジュール 106 アンプ/スピーカ 110 曲データデータベース 120 演奏支援システム 122 自動アナリーゼ 124 音高割当部 124a 解析結果格納部 124b 演奏ポジション/音高割当部 126 インタラクション支援部 126a スケール/テンション対応情報格納部 122a コード進行解析部 122b ルールテーブル 122c スケール決定部 134a 解析結果格納部 134b 使用スケール選択部 134c ポジション/音高対応付部 134d 音高情報生成部 132a コード変化検出部 132b コード交換部 132c コードテーブル 140 テンション判別部 141 演奏コード格納部 142 スケール識別部 143 テンション/スケールテーブル 144 スケール選択部 145 使用可能スケール格納部 150 音高/ポジション変換部 151 現ルート音情報格納部 152 音衝突判定部 154 採用可能スケール識別部 156 採用スケール決定部 160 感性情報入力インタフェース 161 感性情報データベース 162 感性判定部 163 現在スケール情報格納部 164 候補スケール決定部164 165 使用可能スケール格納部 166 使用スケール決定部 170 スケール変更部 173 使用可能スケール格納部 175 使用スケール決定部 179a〜179g 演奏ポジション対応領域 180a,180b 磁気センサ 182 位置検出手段 184 演奏ポジション識別部 185 演奏ポジション情報入力インタフェース 190 演奏ポジション識別部 200 画像修飾装置 210 情報入力部 210a メディア情報入力部 210b 制御情報入力部 215 知識ベース 220 情報加工部 230 情報呈示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間瀬 健二 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール知 能映像通信研究所内 (56)参考文献 特開 平9−16752(JP,A) 特開 平8−65573(JP,A) 特開 平6−303516(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00 G10H 1/00 H04N 5/262

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏曲のコード情報を入力して、前記コ
    ード情報の時系列的な推移状況を解析して各コードに対
    し使用可能な音列を割当てる楽曲解析手段、 複数の演奏ポジションを有し、演奏者からの前記複数の
    演奏ポジションを介しての演奏入力情報を受ける第1の
    演奏入力手段、 前記楽曲解析手段からの各コードに対して割当てられた
    音列情報に従って、各コードについて前記複数の演奏ポ
    ジションに対し使用可能な音高をそれぞれ割当てる音高
    割当手段、 前記演奏入力手段からの前記複数の演奏ポジションを介
    しての演奏入力情報と前記音高割当手段の音高割当情報
    とに従って、音高情報を生成しかつ該生成した音高情報
    を可聴音に変換して出力する音生成手段、 前記演奏者を撮影した光学画像を電気的撮像信号に変換
    する撮像手段、 前記撮像信号を受けて、外部からの指示に従って、撮像
    された画面中の指定された領域に対応する前記撮像信号
    中の部分撮像信号を切出す画像抽出手段、 前記部分撮像信号を原画像とし、前記指定された領域の
    境界線を鏡像対称軸として反転複製して鏡像画像を生成
    し、該生成された鏡像画像について同じ操作を繰返して
    画面を鏡像画像で充満する画像信号を生成する画像処理
    手段、および前記画像処理手段の出力に応答して、対応
    の画像を出力して表示する表示手段を備える、リアルタ
    イム・マルチメディア・アート製作装置。
  2. 【請求項2】 前記画像抽出手段は、前記外部からの指
    示に従って、指定された多角形領域に対応する、前記撮
    像信号中の部分撮像信号を切出す手段を含み、 前記画像処理手段は、前記多角形領域の各辺について前
    記鏡像画像を繰返し生成する手段を含む、請求項1記載
    のリアルタイム・マルチメディア・アート製作装置。
  3. 【請求項3】 前記画像抽出手段は、前記外部からの指
    示に従って、撮像画面中の指定された点を中心点としか
    つ指定された角度の領域に対応する撮像信号を切出して
    前記部分撮像信号を生成する手段を含み、 前記画像処理手段は、前記部分撮像信号を原画像とし、
    前記中心点のまわりに所定の回転方向に従って、前記回
    転方向側の辺を鏡像対称軸として順次反転複製して鏡像
    画像を生成する手段を含む、請求項1記載のリアルタイ
    ム・マルチメディア・アート製作装置。
  4. 【請求項4】 外部からの指示に応じて生成したグラフ
    ィック画像と前記画像抽出手段により切出された部分撮
    像信号とを合成し、該合成した部分撮像信号を前記画像
    抽出手段からの部分撮像信号に変えて前記画像処理手段
    へ与える画像合成手段をさらに備える、請求項1から3
    のいずれかに記載のリアルタイム・マルチメディア・ア
    ート製作装置。
  5. 【請求項5】 前記音高割当手段は、各コードについて
    対応の音列において同じ機能を有する音高を前記複数の
    演奏ポジションのうちの同じ演奏ポジションへ割当てる
    手段を含む、請求項1から4のいずれかに記載のリアル
    タイム・マルチメディア・アート製作装置。
  6. 【請求項6】 前記音高割当手段は、1つのコードに対
    し複数種類の音列の割当が可能なとき、予め定められた
    規則に従って前記時系列コード情報の解析結果に従って
    1つの種類の音列を選択し、該選択音列に含まれる音高
    各々を前記複数の演奏ポジションの予め定められた演奏
    ポジションに割当てる手段を含む、請求項1から5のい
    ずれかに記載のリアルタイム・マルチメディア・アート
    製作装置。
  7. 【請求項7】 演奏情報を入力するための複数の演奏ポ
    ジションを有し、これら複数の演奏ポジションを介して
    入力される演奏情報に対応する音高情報を生成するため
    の少なくとも1個の第2の演奏入力手段と、 前記第2の演奏入力手段からの入力音高情報を受け、前
    記第1の演奏入力手段へ割当てる使用可能な音列から予
    め定められた規則に従って前記第2の演奏入力手段から
    の入力音高と非調和的となる音高を含む音列以外の音列
    を選択するように前記音高割当手段の音高割当動作を制
    限するための制限手段をさらに備える、請求項1から6
    のいずれかに記載のリアルタイム・マルチメディア・ア
    ート製作装置。
  8. 【請求項8】 複数の音列群各々の音列に対し感性情報
    を割当てる手段と、 感性情報を入力するための入力手段と、 前記コードに対し複数の音列群が割当てられたとき、前
    記入力手段から入力された感性情報と各音列に対して割
    当てられた感性情報とに従って使用可能音列を決定する
    手段をさらに含み、 前記音高割当手段は、前記決定手段により決定された使
    用可能音列の音高を前記第1の演奏入力手段の複数の演
    奏ポジションに割当てるための手段を含む、請求項1か
    ら7のいずれかに記載のリアルタイム・マルチメディア
    ・アート製作装置。
  9. 【請求項9】 複数の演奏ポジションを有し、これら複
    数の演奏ポジションを介しての演奏入力情報を入力し、
    対応の音高情報を生成する第2の演奏入力手段および感
    性情報を入力するための手段をさらに備え、 前記楽曲解析手段は、各々に予め定められた規則に従っ
    て感性情報が割当てられた複数の音列群から各コードに
    対し使用可能な音列を割当てる手段を含み、 前記音高割当手段は、 前記楽曲解析手段の解析結果と前記第2の演奏入力手段
    からの音高情報と前記感性情報入力手段から入力された
    感性情報とに従って前記使用可能な音列から前記第2の
    演奏入力手段からの音高情報と調和し、かつ前記入力さ
    れた感性情報に対応する感性情報を有する音列を選択し
    て前記第1の演奏入力手段の複数の演奏ポジションへ選
    択音列に含まれる各音高を割当てかつ各コードに対して
    使用可能となる音列の同一機能の音高は前記第1の演奏
    入力手段の複数の演奏ポジションの同じ演奏ポジション
    に割当てる手段を含む、請求項1から6のいずれかに記
    載のリアルタイム・マルチメディア・アート製作装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の演奏入力手段は、前記演奏
    者の動作により前記複数の演奏ポジションのうちの演奏
    ポジションを特定する動作認識手段を含む、請求項1か
    ら9のいずれかに記載のリアルタイム・マルチメディア
    ・アート製作装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の演奏ポジションは、各々に
    所定の画像処理が割当てられた複数の第2の演奏ポジシ
    ョンを含み、 前記第1の演奏入力手段から入力された第2の演奏ポジ
    ションを特定する情報に従って、前記表示手段により表
    示された画像を、該特定された第2の演奏ポジションに
    割当てられた処理態様で変化させる手段をさらに含む、
    請求項10記載のリアルタイム・マルチメディア・アー
    ト製作装置。
  12. 【請求項12】 複数のメディアを用いて作品を作成す
    ることのできるマルチメディア・アート製作装置であっ
    て、 前記複数のメディア各々に対応して用いられ、対応のメ
    ディアによる表現のためのメディア情報および該表現に
    対する条件を課すための制御情報を入力するための情報
    入力手段、 各前記メディアによる表現に必要とされる知識を格納す
    る知識ベース、 前記情報入力手段からのメディア情報および制御情報を
    受け、前記知識ベースの対応の知識を参照して、前記制
    御情報および参照した知識に基づき前記マルチメディ
    ア・アートの製作者から入力されたメディア情報を前記
    参照した知識で補って、前記メディア情報を加工する情
    報加工手段、および前記情報加工手段からの加工情報に
    従って対応のメディアを用いて情報を呈示するための情
    報提示手段を備える、マルチメディア・アート製作装
    置。
JP09039228A 1997-02-24 1997-02-24 リアルタイム・マルチメディア・アート製作装置 Expired - Fee Related JP3117413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09039228A JP3117413B2 (ja) 1997-02-24 1997-02-24 リアルタイム・マルチメディア・アート製作装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09039228A JP3117413B2 (ja) 1997-02-24 1997-02-24 リアルタイム・マルチメディア・アート製作装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10240904A JPH10240904A (ja) 1998-09-11
JP3117413B2 true JP3117413B2 (ja) 2000-12-11

Family

ID=12547278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09039228A Expired - Fee Related JP3117413B2 (ja) 1997-02-24 1997-02-24 リアルタイム・マルチメディア・アート製作装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3117413B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016027805A (ja) * 2015-08-28 2016-02-25 株式会社 竹宝 健康補助食品の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101020320B1 (ko) * 2002-09-12 2011-03-08 톰슨 라이센싱 개인용 비디오 메시지 시스템
US7208670B2 (en) * 2003-05-20 2007-04-24 Creative Technology Limited System to enable the use of white keys of musical keyboards for scales

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016027805A (ja) * 2015-08-28 2016-02-25 株式会社 竹宝 健康補助食品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10240904A (ja) 1998-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3317686B2 (ja) 歌唱伴奏システム
US6225545B1 (en) Musical image display apparatus and method storage medium therefor
US5689078A (en) Music generating system and method utilizing control of music based upon displayed color
US7589727B2 (en) Method and apparatus for generating visual images based on musical compositions
JP3601350B2 (ja) 演奏画像情報作成装置および再生装置
JP3384314B2 (ja) 楽音応答画像生成システム、方法、装置、及び、そのための記録媒体
WO2018214264A1 (zh) 一种无级变调及揉键变音的恒定唱名键盘数码视唱琴
EP0829847B1 (en) Conduct-along system
JP3728942B2 (ja) 楽音および画像生成装置
JP2012515622A (ja) 対話型楽器ゲーム
US6878869B2 (en) Audio signal outputting method and BGM generation method
US7504572B2 (en) Sound generating method
JP3117413B2 (ja) リアルタイム・マルチメディア・アート製作装置
JP4366240B2 (ja) ゲーム装置および音高付効果音生成プログラムならびに方法
JP6977741B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法、演奏データ表示システム、およびプログラム
JP3896609B2 (ja) カラオケ装置
JP2007163710A (ja) 演奏支援装置及びプログラム
JP2007248880A (ja) 演奏制御装置、およびプログラム
JP3215058B2 (ja) 演奏支援機能付楽器
JPH11319314A (ja) 自動伴奏とアニメーションによる歌声付き音楽ゲーム装置の制御方法
JP3921817B2 (ja) 自動演奏装置およびフィンガリング記録装置
JP3493763B2 (ja) 画像制御装置
JPH1185170A (ja) カラオケ即興演奏システム
Houser Reflections: For interactive electronics, dancer, and variable instruments
JP5565733B2 (ja) 演奏システム及びコンピュータプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000919

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees