JP3115811U - ワイン用のデキャンタ - Google Patents

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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract


【課題】 ワインの味をさわやかで、かつまろやかにする遠赤外線効果を利用したワイン用デキャンタを提供することにある。
【解決手段】 粘土を主成分とする原土を粉砕した陶土を、徳利型やフラスコ型に成型して乾燥させ、窯に入れて所定の温度で素焼きを行った後、釉薬を施して所定の高温にて焼成することにより形成した。このときの陶土及び釉薬は信楽焼用のものを用いる。その形状は、いわゆる徳利型で、底部11は円形でそこから上方に向かって高さhの1/3程まで円錐状に広げられて拡幅部12が形成されており、この拡幅部12の直径はおよそ底面11の120%程度となっている。この拡幅部12から注ぎ口13までは、上に向かって半分ほどは円錐状に窄まっていてネック部14が形成され、このネック部14から注ぎ口13までは僅かに外側に広げられている。
【選択図】 図1

Description

本考案は、ワイン用のデキャンタに関するものであり、より具体的には、陶器、特に信楽焼にて形成したワイン用のデキャンタに関するものである。
従来から、ブランディ、ウイスキー等を飲むときに、雰囲気を楽しむため、一時的にデキャンタ(デカンタ)と称する容器に酒類を入れて貯留させテーブル上に配置しておき、各自はこのデキャンタから自己の飲む量をグラスに注いで飲むという飲酒方法が採られることがある。
従来、このデキャンタには、数限りないデザインのものが商品化されており、内容量としては通常500mlから1000ml程度が一般的である。また、デキャンタはヨーロッパの特に王侯貴族等により用いられたのが始まりと考えられ、その材質はガラスやクリスタルが主で、希には磁器によるものもある。
現在、国内で店頭あるいはインターネットにて販売されているデキャンタはほぼ100%がガラス又はクリスタル製のものである。
上記ガラス又はクリスタル製のデキャンタは、その形状やカット具合から光の当て方によって華やかのものと言えるが、材質が硬質なものであるため、内部に移した酒類について、特にデキャンタ自体による影響はないと考えられている。
ただ、ワインなどの醸造酒については、瓶からデキャンタに移すことにより空気に触れて若干の酸化が行われ、味がまろやかになると言われている。
しかしながら、仮にワインが空気に触れて酸化することにより味がまろやかになるとしても、デキャンタに移されたワインと空気との接触面積は大きいものでなく、その効果は微々たるものではないかと想像される。
本考案は上述のような実情に鑑みなされたもので、その課題とするところは、ワインと空気との接触によってワインの味をまろやかにする効果よりも、もっと確実に味をさわやかで、かつまろやかにする遠赤外線効果を利用したワイン用デキャンタを提供することにある。
本考案は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載のワイン用のデキャンタは、粘土を主成分とする原土を粉砕した陶土を、徳利型やフラスコ型に成型して乾燥させ、窯に入れて所定の温度で素焼きを行った後、釉薬を施して所定の高温にて焼成することにより形成したことを特徴としてる。
請求項2記載のワイン用のデキャンタは、請求項1において、陶土及び釉薬は信楽焼用のものであることを特徴としている。
即ち、このワイン用のデキャンタは信楽焼で構成されているものである。
請求項3記載のワイン用のデキャンタは、請求項1又は2記載のワイン用のデキャンタにおいて、その内容量は750ml〜1000mlの瓶詰めワインを1本分を収納する容量であることを特徴としている。
本考案に係るワイン用のデキャンタに、赤、白又はロゼのいずれかのワインを注ぎ込み、30分〜1時間ほどおくだけで、信楽焼からなるデキャンタから照射される遠赤外線によって注ぎ込まれたワインはさわやかでかつまろやかに変化して、味わいが豊かになる。
以下、本考案に係るワイン用のデキャンタの第1の実施形態を図面を参照して説明する。
第1の実施形態に係るワイン用のデキャンタ10は、図1に示すように、底部11は円形でそこから上方に向かって高さhの1/3程まで円錐状に広げられて拡幅部12が形成されており、この拡幅部12の直径はおよそ底面11の120%程度となっている。また、この拡幅部12から注ぎ口13までは、上に向かって半分ほどは円錐状に窄まっていてネック部14が形成され、このネック部14から注ぎ口13までは円錐状に僅かに広げられている。いわゆる徳利型である。なお、注ぎ口13に詰められているものはコルクの栓15である。
このワイン用のデキャンタの寸法としては、高さhが250〜300mmで、注ぎ口13の口径dは50〜80mmとしている。
次に、このワイン用のデキャンタ10の材質及び形成過程に付いて説明する。
木節粘土と蛙目粘土とを適当な配分で混合させた原土を乾燥させて粉砕した陶土に水を加えて粘土状にして、ロクロに手作りかあるいは型による成型によってデキャンタ形状の容器にする。これを、天日あるいは乾燥室にて乾燥させる。
乾燥させたデキャンタ形状の容器を、窯に入れて750℃前後で焼成する。これを素焼きという。
窯には、古来からの登り窯や、近年発達したガス、重油、灯油、電気を用いたものもあり、いずれを用いるかは自由である。
素焼きしたものに施釉といって釉薬をかける。かけ方には、浸しがけ、流しがけ、吹きがけなどの方法があり、生産量等に応じて適宜選択することができる。
釉薬は、灰を使った灰釉が多く、土灰、わら灰、長石、木灰が基材となっている。これに色を付けるため、酸化鉄、酸化銅、酸化コバルト、マンガンなどの金属粉を添加している。
施釉した容器を窯に入れて1300℃ほどの高い温度で本焼きをする。数日かけて焼き上げてから冷まして窯出しを行い製品検査をして完成させたものがこのワイン用のデキャンタ10であり、信楽焼そのものである。なお、登り窯では、釉薬を使用しない自然釉というと方法もある。
上記ワイン用のデキャンタ10は、粘土を主成分としているが、粘土には酸化珪素、酸化アルミナ、酸化鉄が多く含まれており、遠赤外線を放射する。遠赤外線は、波長4μm〜1000μmの電磁波をいい、上記酸化物の分子内の原子または原子団の振動・回転の周波数が遠赤外線の周波数とほぼ同じ範囲にあるため通常の温度ではこれらの酸化物からの熱放射は遠赤外線として放射されている。
このワイン用のデキャンタ10に赤ワインを入れて1時間おき、その効果をガラス製のデキャンタに1時間入れておいたもの、開栓後1時間ボトルに放置しておいたものとをブラインドにより20名でテイスティングテストを行ったみた。
結果:20名中17名がこの信楽焼製のデキャンタ10に1時間入れておいたワインが最も口当たりが軟らかく、まろやかであるという判断をした。
これは、次のことから判断できる。
水は光のエネルギーを吸収するが、水の吸収する光の波長特性を調べたデータによると、いわゆる遠赤外線をよく吸収し、その中でも特に比較的波長の長い(数μm以上)ものを吸収することが知られている。また、粘土に含まれる酸化珪素、酸化アルミナ、酸化鉄などの放射する遠赤外線の波長は7μm以上のものが選択的に放射されていることが知られている。
これらのことから、上記酸化物から放射された遠赤外線はそのまま水に吸収され、水を活性化すると考えられる。水の活性化とは、光エネルギーを吸収した水が、光エネルギーを吸収していない水よりもエネルギーレベルが高まることにより、通常20〜50の水分子のクラスターが例えば3〜5分子と小さくなる現象をいう。
このような、クラスターが小さくなることが、生体にどのような変化を与えるのか実際の説明は困難かも知れないが、例えば遠赤外線による光エネルギーを吸収した水は、確実に美味しい水として賞賛されている。ワインのようなアルコール飲料では、遠赤外線の照射により小さくなった水分子のクラスターがアルコール分子の周りを取り囲み易くなり、これによってアルコール分子の刺激を緩和し、味覚上まろやか感が生じるものと考えられる。
次に、本考案に係るワイン用のデキャンタの第2の実施形態について図2を参照して説明する。
第2の実施形態に係るワイン用のデキャンタ20は、図2に示すように、底部21は円形でそこから上方に向かって高さhの4/5程まで円錐状に窄まっており、その位置がネック部24を形成し、このネック部24から注ぎ口23までは僅かに開拡している。いわゆる銚子型である。
このワイン用のデキャンタの寸法としては、第1の実施の形態と同様、高さhが250〜300mmで、注ぎ口23の口径dは50〜80mmとしている。
なお、このワイン用のデキャンタ20の材質及び形成過程については、第1の実施形態で説明したものと同等であるので説明を省略する。また、その効果についても同等であるので説明を省略する。
次に、本考案に係るワイン用のデキャンタの第3の実施形態について図3を参照して説明する。
第3の実施形態に係るワイン用のデキャンタ30は、図3に示すように、底部31は円形でそこから上方に向かって高さhの1/2程までほぼ円錐状に窄まっており、その位置がネック部34を形成し、このネック部34から注ぎ口33まではほぼ同径に形成されていて、注ぎ口33のところで僅かに外側に広がっている。いわゆるフラスコ型である。
このワイン用のデキャンタの寸法としては、第1の実施の形態と同様、高さhが250〜300mmで、注ぎ口33の口径dは50〜80mmとしている。
なお、このワイン用のデキャンタ30の材質及び形成過程についても、第1の実施形態で説明したものと同等であるので説明を省略する。また、その効果についても同等であるので説明を省略する。
なお、上記実施の形態において、ワイン用のデキャンタ10,20,30を信楽焼で形成したが、これに限らず他の陶器、例えば伊賀焼や備前焼などでも適用することができる。
本考案に係るワイン用のデキャンタは、名称通りワインに適用することが好適であるが、他に焼酎などを入れておくことで、同様にまろやかにすることができる。
本考案に係るワイン用のデキャンタの第1の実施形態を示す図である。 本考案に係るワイン用のデキャンタの第1の実施形態を示す図である。 本考案に係るワイン用のデキャンタの第1の実施形態を示す図である。
符号の説明
10、20,30 ワイン用のデキャンタ
12、22,33 底部
13,23,33 注ぎ口

Claims (3)

  1. 粘土を主成分とする原土を粉砕した陶土を、徳利型やフラスコ型に成型して乾燥させ、窯に入れて所定の温度で素焼きを行った後、釉薬を施して所定の高温にて焼成することにより形成したことを特徴とするワイン用のデキャンタ。
  2. 前記陶土及び釉薬は信楽焼用のものであることを特徴とする請求項1記載のワイン用のデキャンタ。
  3. 前記デキャンタの内容量は、750ml〜1000mlの瓶詰めワインを1本分を収納する容量であることを特徴とする請求項1又は2記載のワイン用のデキャンタ。
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