JP3115640B2 - プラズマ処理装置およびそれに用いる電極の構造 - Google Patents

プラズマ処理装置およびそれに用いる電極の構造

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JP3115640B2
JP3115640B2 JP03121494A JP12149491A JP3115640B2 JP 3115640 B2 JP3115640 B2 JP 3115640B2 JP 03121494 A JP03121494 A JP 03121494A JP 12149491 A JP12149491 A JP 12149491A JP 3115640 B2 JP3115640 B2 JP 3115640B2
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健一 小島
幸夫 山本
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株式会社プラズマシステム
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基板のプラズマ
エッチング等の加工を行う平行平板型のプラズマ処理装
置における電極の構造に係わり、詳しくは構成が簡単で
高品質なプラズマ処理装置における電極の構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の製造工程において欠かせ
ない技術となっているプラズマエッチングやプラズマア
ッシング等のプラズマを利用した加工処理を行う装置と
して、平行平板型のプラズマ処理装置が知られている。
これは、処理室内に平板形の上部電極と下部電極とを相
対向するように設けてなるもので、処理室内を所定の圧
力に低下させた状態で処理室内に反応ガスを導入しつ
つ、上部電極に高周波電力を印加することにより、両電
極間に発生させたプラズマにより下部電極上に載置した
処理基板の表面を微細加工するものであるが、実用上各
電極の温度制御が必要となる。
【0003】すなわち、温度制御を行わないと、基板を
何枚も連続的に処理する場合には、プラズマエネルギー
の放出のために、処理開始時には処理室内の温度が低
く、処理を繰返すにつれ処理室内の温度が上昇するとい
った具合に、処理条件が基板毎に一定しないことにな
り、著しく製品の歩留が低下する。このため、この種の
装置においては、各電極に水等の温度制御流体を流すた
めの流路を形成し、この流体の流量等を調節することに
よって、電極の温度(ひいては処理室内の温度)を制御
するようにしている。
【0004】そして、従来は、各電極を複数の平板から
なる積層構造とし、この平板の表面に形成された溝が一
連につながって前記温度制御流体の流路が形成される構
成としていた。すなわち、上部電極1は、例えば図5に
示すように、溝あるいは貫通孔が形成された平板状の電
極部材2,3,4,5(4枚)を積層して一体に固定
し、接合部分をOリング等のシール材により封止するこ
とにより構成されて、温度制御用流体の供給配管6にそ
の入口7aが接続され戻り配管8に出口7bが接続され
た一連の流路7が内部に形成されたものとされていた。
【0005】なお、図5において、符号9で示すものは
処理室を形成する上壁であり、符号10で示すものはこ
の上壁を貫通して状態で上部電極1を支持する支持軸で
ある。また、符号11は支持軸10の貫通部を密封する
軸シールを示し、符号12,13は上部電極1からの余
分な放電を防止するための絶縁カバーと放電防止カバー
とをそれぞれ示している。
【0006】また、下部電極21も、例えば図6に示す
ように、溝あるいは貫通孔が形成された平板状の電極部
材22,23(2枚)を積層して一体に固定し、接合部
分をOリング等のシール材により封止することにより構
成されて、温度制御用流体の入出管24に接続された一
連の流路25が内部に形成されたものとされていた。
【0007】なお、図6において、符号26で示すもの
は処理室を形成する下壁であり、符号27で示すものは
この下壁26と電極21との間に介装された絶縁板であ
る。また、符号28は電極21の側面を覆うように取り
付けられた絶縁材を示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成である
と、電極の構造が極めて複雑で、シール部分も多数ある
ので、プラズマ処理装置の価格増加あるいは性能(製品
の歩留り)の低下を招く以下のような各種の問題点を有
していた。 (1)電極内外の圧力差(処理室内が高真空になり電極内
には流体の圧力が加わるので、処理時には1kg/cm2以上
となる)により、またこの圧力差で各電極材が太鼓状に
変形することによって、いずれかのシール部分の密封が
破れる可能性が高く、流体の漏れに対する信頼性が低か
った。 (2)前記電極材の変形により放電等の処理条件が変動す
ることがあった。 (3)各電極部材は、前記漏れを防止するためにも複数箇
所に配置した多数のボルト(図5,図6において符号1
4,15,29はこのボルトの一部を示している)によ
り固定しなければならないので、このボルトの取付箇所
の温度が周囲と同一にならないことによって、温度分布
のむらが電極における複数箇所で生じ、下部電極上に載
置される基板の処理レートが均一になり難かった。 (4)電極を構成する部品点数が多く、それぞれが複雑な
形状なので、各部品の製作コストが高価であった。例え
ば、十分な熱交換を行って所定の温度制御機能を発揮す
るためには、温度制御流体の流路をなるべく長い道のり
で電極の各部をまんべんなくめぐるものとする必要があ
るから、この流路を形成する電極部材の溝は、図7に示
す如く複雑なものとなり、各電極部材の製造コストが高
価であった。 (5)電極は、各シールを取り付けつつ、複数の電極部材
を互いに所定の位置関係で接合させて固定するといった
めんどうな手順で組み立てる必要があるため、装置の組
立工数を増加させていた。
【0009】なお、近年大型化の傾向にある液晶基板を
処理する装置の場合には、電極も大型になり温度の均一
性がきわめて重要になるので、特に上記問題点(3)は、
処理できる基板の大型化を妨げる大きな問題となってい
る。
【0010】本発明は、上記従来の事情に鑑みなされた
もので、構成が簡単で高品質なプラズマ処理装置におけ
る電極の構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ処理装
置における電極の構造は、平行平板型のプラズマ処理装
置において、処理室内に相対向して設けられ、温度制御
流体が内部に流されることによってその温度が制御され
る平板状の電極の構造であって、前記温度制御流体の流
路が、当該電極を構成する一体の平板状部材の側端面か
対向する側端面まで貫通し内部で交差する複数の孔
と、前記平板状部材の側端面から中央付近まで延びて貫
通しない二つの孔と、これら二つの孔の先端にそれぞれ
連通し、前記温度制御流体の供給配管および戻り配管に
それぞれ接続するための縦方向の二つの孔とにより形成
されていることを特徴としている。また、前記貫通する
複数の孔が、ガンドリル等の機械を使用して直線状に形
成されたもので構成することができる。さらに、前記孔
の開口部はそれぞれプラグにより塞ぐとよい。 また、本
発明のプラズマ処理装置は、処理室内に相対向して設け
られ、温度制御流体が内部に流されることによってその
温度が制御される平板状の電極を有する平行平板型のプ
ラズマ処理装置であって、前記温度制御流体の流路が、
当該電極を構成する一体の平板状部材の側端面から反対
側の側端面まで貫通し内部で交差する複数の孔と、前記
平板状部材の側端面から中央付近まで延びて貫通しない
二つの孔と、これら二つの孔の先端にそれぞれ連通する
縦方向の二つの孔とにより形成され、大気圧となるよう
に構成された支持軸の内部に前記温度制御流体の供給配
管および戻り配管が設けられ、これら供給配管および戻
り配管が前記縦方向の二つの孔に接続されていることを
特徴とする。
【0012】
【作用】上記構成であると、電極に形成された流路は複
雑な経路でまんべんなく電極内をめぐることになるの
で、この流路に温度制御流体を流すことにより十分な熱
交換を行って、電極の温度を所望の値に制御することが
できる。しかも、従来の溝の加工に比し極めて簡単な作
業である孔加工により流路が形成できる構造であるとと
もに、従来が積層された複数の平板状部材により流路が
形成された構造であるのに対し一体の平板状部材に流路
が形成された構造とされているので、製作コスト及び組
立コストが極めて安価になるとともに、シール箇所が格
段に減少し、また内外圧力差による変形や温度の不均一
もほとんど生じなくなる。
【0013】
【実施例】以下、図1〜図4により、本発明の一実施例
であるプラズマ処理装置を説明する。まず、図1におい
て符号30で示すものが上部電極である。上部電極30
は、例えばアルミ合金等よりなる一体の平板状部材31
と、図3,図4に示す如くこの平板状部材31の側端面
から内部に伸びる複数の孔32,33,34の開口部を
それぞれ塞ぐプラグ(例えば、図1において符号35で
示すもの)とよりなる。
【0014】ここで、平板状部材31の各孔32,3
3,34は、ガンドリル等の機械を使用して直線状に形
成されたものである。そして、図3,図4に示す如く、
孔33だけは、貫通していないものであり、両面側から
平板状部材31の内部中央付近まで伸びるようにして二
つ形成されたものである。この孔33の先端は、それぞ
れ、平板状部材31の中央の凹部36に二つ形成された
縦方向の孔37により上面側に開口している。一方、孔
32は、孔33と平行に形成されたもので、孔33の両
側に一定間隔で多数設けられている。また、孔34は、
孔32,33と直交する方向に形成されたもので、両側
に二つ設けられ、各孔32あるいは33と交差してい
る。
【0015】すなわち、これら孔32,33,34は、
前記平板状部材31の上面の孔37,37に全体として
連通しており、各孔の平板状部材の側端面の開口部がプ
ラグ35等により閉塞されることにより、孔37の一方
を入口とし他方を出口とする流路を構成している。
【0016】なお、図1において、符号39で示すもの
は処理室を形成する上壁であり、符号40で示すものは
この上壁を貫通した状態で上部電極31を支持する筒状
の支持軸である。また、符号41は支持軸40の貫通部
を密封する軸シールを示し、符号42,43は上部電極
31からの余分な放電を防止するための絶縁カバーと放
電防止カバーとをそれぞれ示している。
【0017】また、符号44,45で示すものは、温度
制御流体(例えば水)の供給配管と戻り配管である。こ
れら配管44,45は、支持軸40内に配され、その先
端が絶縁カバー42を貫通して前記平板状部材31の孔
37に接続されている。なお、これら配管44,45の
貫通部は、図1に示す如く、Oリング等のシールが取り
付けられたフランジ46,47により封止され、また、
支持軸40の端部も同様のフランジ48により絶縁カバ
ー42の上面に取り付けられて、支持軸40の内部は常
に大気圧とすることができるように構成されている。
【0018】つぎに、図2において符号50で示すもの
が下部電極である。下部電極50も、前記平板状部材3
1と同様な構成の一体の平板状の平板状部材51より構
成され、この平板状部材51に温度制御用の流路が形成
されたものである。すなわち、図2において符号53で
示すものが前記孔33に相当し、符号52で示すものが
前記孔32に相当する。(前記孔34に相当するものは
図には現れていない)
【0019】なお、図2において、符号54で示すもの
は処理室を形成する下壁であり、符号55で示すものは
この下壁54と電極51との間に介装された絶縁板であ
る。また、符号56は電極51の側面を覆うように取り
付けられた絶縁材を示している。また、符号57で示す
ものは、前記配管44,45のいずれか一方に相当する
配管である。
【0020】以上のように構成された、上部電極30あ
るいは下部電極50であると、温度制御流体の流路は複
雑な経路でまんべんなく電極内をめぐることになるの
で、この流路に温度制御流体を流すことにより十分な熱
交換を行って、電極の温度(ひいては処理室内や処理基
板の温度)を所望の値に制御することができる。しか
も、従来の溝の加工に比し極めて簡単な作業である孔加
工により流路が形成できる構造であるとともに、従来が
積層された複数の平板状部材により流路が形成された構
造であるのに対し一体の平板状部材31,51に流路が
形成された構造とされているので、製作コスト及び組立
コストが極めて安価になるとともに、シール箇所が格段
に減少し、また内外圧力差による変形や温度の不均一も
ほとんど生じなくなる。
【0021】したがって、この電極の構造であると、制
御流体の漏れに対する信頼性や温度の均一性あるいは処
理条件の安定性等が極めて良好になり、製品の歩留りが
格段に向上するという効果とともに、電極の製作コスト
が極めて安価になりひいていは処理装置の価格低減を図
ることができるという効果がある。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、プラズマ処理装置による製品の歩留りが格段
に向上するという効果とともに、装置の価格低減を図る
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した上部電極とその周辺構造を示
す側断面図である。
【図2】本発明を適用した下部電極とその周辺構造を示
す側断面図である。
【図3】本発明を適用した上部電極の側断面図である。
【図4】本発明を適用した上部電極の平面図である。
【図5】従来の上部電極とその周辺構造を示す側断面図
である。
【図6】従来の下部電極とその周辺構造を示す側断面図
である。
【図7】図6におけるX矢視図である。
【符号の説明】
30,50 電極 31,51 平板状部材 32,33,34,52,53 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/509 H01L 21/205

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行平板型のプラズマ処理装置におい
    て、処理室内に相対向して設けられ、温度制御流体が内
    部に流されることによってその温度が制御される平板状
    の電極の構造であって、前記温度制御流体の流路が、当
    該電極を構成する一体の平板状部材の側端面から反対側
    の側端面まで貫通し内部で交差する複数の孔と、前記平
    板状部材の側端面から中央付近まで延びて貫通しない二
    つの孔と、これら二つの孔の先端にそれぞれ連通し、前
    記温度制御流体の供給配管および戻り配管にそれぞれ接
    続するための縦方向の二つの孔とにより形成されている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置における電極の構
    造。
  2. 【請求項2】 前記貫通する複数の孔が、ガンドリル等
    の機械を使用して直線状に形成されたものであることを
    特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置における
    電極の構造。
  3. 【請求項3】 前記孔の開口部がそれぞれプラグにより
    塞がれていることを特徴とする請求項1または2に記載
    のプラズマ処理装置における電極の構造。
  4. 【請求項4】 処理室内に相対向して設けられ、温度制
    御流体が内部に流されることによってその温度が制御さ
    れる平板状の電極を有する平行平板型のプラズマ処理装
    置であって、前記温度制御流体の流路が、当該電極を構
    成する一体の平板状部材の側端面から反対側の側端面ま
    で貫通し内部で交差する複数の孔と、前記平板状部材の
    側端面から中央付近まで延びて貫通しない二つの孔と、
    これら二つの孔の先端にそれぞれ連通する縦方向の二つ
    の孔とにより形成され、大気圧となるように構成された
    支持軸の内部に前記温度制御流体の供給配管および戻り
    配管が設けられ、これら供給配管および戻り配管が前記
    縦方向の二つの孔に接続されていることを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
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