JP3115578B2 - プログラム開発装置 - Google Patents

プログラム開発装置

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JP3115578B2 JP02191822A JP19182290A JP3115578B2 JP 3115578 B2 JP3115578 B2 JP 3115578B2 JP 02191822 A JP02191822 A JP 02191822A JP 19182290 A JP19182290 A JP 19182290A JP 3115578 B2 JP3115578 B2 JP 3115578B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はプログラム開発装置に関し、特に、利用者
から与えられた仕様定義情報から実行可能プログラムを
作成するプログラム開発装置に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] 従来人手によって行なわれていたソフトウェアシステ
ム作成を自動化して短時間で所望の仕様を実現するソフ
トウェアシステム開発装置が種々提案され実用化されて
いる。
このようなプログラム開発装置において、一般的に、
プログラムの制御構造を直接表現する文法を備えたプロ
グラム言語が用いられる。目的ソフトウェアシステムの
仕様を記述する仕様定義を行なう場合には、通常唯一の
種類の言語が用いられる。利用者はこの特定のプログラ
ム言語に用意された文法のみを用いて目的ソフトウェア
システムの仕様を定義する。このように唯一のプログラ
ム言語を用いてソフトウェアシステムの仕様を定義する
場合、その仕様の定義は利用された表現形式の備える記
述能力に束縛され、完成度の高いソフトウェアシステム
を構築するのが困難となる。また、その完成されたプロ
グラムにおいても1つの機能は利用される言語に依存し
た一面的表現能力を備えているだけであり、了解性の乏
しいプログラムとなる。
また、最近においては、ソフトウェアシステムの開発
に複数のプログラム言語を混在して利用することのでき
るプログラム開発装置が提案されつつある。しかしなが
らこのシステムにおいても目的とするソフトウェアシス
テム中の任意の1機能を定義するために利用することの
できる言語はただ1つのみであり、それぞれ異なる機能
を個々の言語で定義することができるだけである。たと
えばCASE(コンピュータ・エイデッド・ソフトウェア・
エンジニアリング)ツールにおいては、目的ソフトウェ
アシステムの構造化分析および構造化設計技法に基づい
てプログラムを作成している。構造化分析はデータの流
れに着目して利用者の理解が容易な図形表現を用いてシ
ステムの機能を階層的に定義する。構造化設計では、プ
ログラムを構成するモジュール(1つの機能)間の呼出
し関係に着目した図形表現を用いてプログラムの構造を
階層的に設計する。CASEツールは、この2つの機能を統
合して、単純な図形を用いてソフトウェアシステムをモ
デル化し、このモデル化されたソフトウェアシステムを
階層的に詳細化していくことにより要求分析し、基本設
計を行なうことによりソフトウェア開発の上流工程(要
求分析および基本設計)を支援する。
しかしながら、このCASEツールにおいて、構造化され
たソフトウェアシステムにおいては、個々の構造に対し
複数の言語から最適と思われる言語を選択し、個々の機
能は唯一の言語で記述している。このため、このCASEツ
ールにおいては、個々の言語で形成された機能が結合さ
れて1つのソフトウェアシステムとなっているが、この
場合においても個々の機能単位は1つのプログラム言語
で表現されているため、その表現は一面的となり完成さ
れたプログラムは了解性の乏しいプログラムとなる。
また、このCASEツールにおいては、詳細設計およびプ
ログラム製造などの下流工程との連携に関しては、上流
行程で得られたプログラム構造、およびデータ構造等の
情報は下流へ渡して利用することができるものも存在す
るものの、この場合、実行可能プログラムが自動生成さ
れるものではなく、単にドキュメントとして保存される
だけであり、また大部分においては上流工程から下流工
程への連携時には従来のプログラミング手法に依存して
データの所望情報の移植を行なう部分が残されている。
またある上流工程のツールの場合においては、階層的
に基本設計の詳細化を行ない、それ以上詳細化する必要
のない階層に至った時点の仕様を上流工程の手法とは異
なり、通常のテキスト型のプログラム手法である擬似コ
ーディングで記述してプログラムの製造を行なってい
る。
このような場合、作成されたソフトウェアシステムは
階層構造を有しているものの、階層個々が独立的に実行
可能となるものではなく全階層がすべて形成された場合
に1つの機能が実行可能となり、個々の階層の連携関係
を開発装置が維持することにより階層個々に関して実行
可能プログラムを自動生成することは不可能であり、各
階層におけるシミュレーションおよびその検証を実行す
ることはできない。
それゆえ、この発明の目的は、利用者に対し1つの仕
様定義を複数の言語を用いて多面的に行なうことを可能
とし、了解性および記述性ならびに操作性の優れたソフ
トウェア開発環境を提供するとともに、その目的ソフト
ウェアシステムを実行可能なプログラムへ変換し実行す
ることにより生成されたプログラムのシミュレーション
および実行を可能とすることのできるプログラム開発装
置を提供することである。
[課題を解決するための手段] この発明の第1の観点に係るプログラム開発装置は、
利用者が目的ソフトウェアに対して与える仕様定義情報
から実行可能なプログラムの構造に関する情報を獲得す
るプログラム開発装置において、利用者が仕様定義情報
を入力して仕様を図的に記述するための互いに異なる図
的表現形式を有する複数の仕様定義表現手段と、これら
複数の仕様定義表現手段により表現された仕様定義情報
から実行可能プログラムの構造を抽出する手段とを設
け、1つの図的表現形式で表現された仕様定義情報は別
の図的表現形式の仕様定義情報と相互に変換可能とし、
かつ1つの仕様定義情報を異なる図的表現形式で表現可
能としたことを特徴としている。
この発明の第2の観点に従うプログラム開発装置は、
利用者が目的ソフトウェアに対して与える仕様定義情報
から実行可能なプログラムの構造を抽出し、該抽出され
たプログラム構造情報から実行可能なプログラムを生成
して実行するプログラム開発装置において、利用者が与
えた仕様定義情報から構造体データを抽出し、この抽出
された構造体データおよび仕様定義情報に含まれる抽出
された構造体データへの操作を示す接続情報から抽出さ
れた構造体データへの操作のアクセス順序を示すアクセ
ス系列および抽出された構造体データのある操作の実行
時他の操作によるアクセスを禁止する範囲を示すロック
範囲を抽出する手段と、この抽出手段により抽出された
構造体データへのアクセス系列情報とロック範囲情報と
に従って、実行可能プログラム生成時において構造体デ
ータへのアクセスを行なう演算操作に対応するノードに
このノードの操作の構造体データへのアクセス時のロッ
クを制御するためのロック制御情報を設定する手段とを
設けたことを特徴とする。
この発明の第3の観点に従うプログラム開発装置は、
利用者が目的ソフトウェアに対して与える仕様定義情報
から実行可能なプログラムの構造を抽出し、この抽出さ
れたプログラム構造情報から実行可能なプログラムを生
成して実行するプログラム開発装置において、利用者が
与えた仕様定義情報から構造体データを抽出し、この抽
出された構造体データの実行可能プログラムの変換時に
おいてデータの型を示す情報として、この構造体データ
へのポインタを設定するプログラム生成手段を設けたこ
とを特徴とする。
この発明の第4の観点に従うプログラム開発装置は、
利用者が目的ソフトウェアに対して与える仕様定義情報
から実行可能なプログラムの構造を抽出し、該抽出され
たプログラム構造情報から実行可能なプログラムを生成
して実行するプログラム開発装置において、利用者が与
えた仕様定義情報から構造体データを抽出し、該抽出さ
れた構造体データへのある操作によるアクセス時、この
操作と異なる操作のアクセスを禁止する構造体データの
領域を示すロック範囲を抽出する手段と、この抽出手段
により抽出されたロック範囲が複数存在し、かつこれら
の範囲に重複する範囲が存在するか否かおよびこのロッ
ク範囲が静的に決定されているかを仕様定義情報に基づ
いて判断する手段と、この判断手段からの判断結果に従
って、抽出されたロック範囲が静的に決定されかつロッ
ク範囲の重複範囲が不存在の場合には、構造体データを
個々のロック範囲に応じて分割して各分割された構造体
データ毎にロック情報を付加し、一方、ロック範囲が構
造体データへの操作時に決定されてこのロック範囲を固
定的に決定できず動的に決定され、かつさらにこの構造
体データの個々のロック範囲の個々の検索のためのキー
情報が同一のキー情報に依存しているか否かをさらに判
定し、これらのロック範囲が動的に決定されかつ個々の
ロック範囲が同じキー情報により検索される場合には、
構造体データの操作時におけるアクセス範囲のロックの
制御を各操作に応じて動的に行なうようにロック制御情
報を付加して実行可能プログラムを生成する手段とを設
けたことを特徴とする。
[作用] この発明による第1の観点のプログラム開発装置にお
いては、1つの仕様定義が複数の表現形式により表現可
能であり、1つの仕様定義を多面的に表現することがで
きる。
この発明の第2の観点に従う発明によれば構造体デー
タアクセス系列とロック範囲に従って構造体データアク
セスを行なうノードにロック制御情報が設定されるた
め、構造体データアクセスの順序性が保存されたソフト
ウェアシステムが構築できる。
この発明の第3の観点に従う発明においては、実行可
能なプログラムにおいては、構造体データに対するデー
タ定義としてポインタが用いられているが、利用者は仕
様記述時には構造体データそのものが流れていると認識
しながら仕様記述を行なうことができ、実行可能プログ
ラムにおけるこの構造体データの解釈を考慮する必要が
ない。
この発明の第4の観点に従う発明においては、構造体
データのロック範囲に従って、ロック制御が行なわれて
いるため、同一ファイルに対しても、複数の処理が同時
にアクセスすることが可能となり、できるだけ構造体デ
ータアクセスを並列で実行することのできるソフトウェ
アシステムを構築することができる。
[発明の実施例] 第1図はこの発明の一実施例であるプログラム開発装
置の全体の構成を概略的に示す図である。
第1図において、この発明によるプログラム開発装置
は、各々が異なる表現形式に従った描画・編集機能を備
える図的エディタE1〜Enと、利用者から与えられた仕様
記述に従ってプログラムを作成する本体装置1とを含
む。図形エディタE1〜Enの各々は、好ましくは個々独立
のプロセスで実現され、各図形エディタE1〜Enは本体装
置1と通信可能である。ここで図形エディタE1〜Enの各
々と本体装置1との間が通信可能であるのは、プログラ
ム開発の容易性および将来の機能拡張を考慮し、それぞ
れの図形エディタE1〜Enのプロセスと本体装置1とがた
とえばソケットを用いたプロセス間通信で結合されてい
るからである。
図形エディタE1〜Enが与える表現形式は、形式的な記
述形式および半形式的な記述形式を含む。形式的な記述
形式は、機能ブロック図およびシーケンスチャート等の
表現形式を含む。
機能ブロック図は、第2図に示すようにモジュール
(ソフトウェアにおいて、ある意味的にまとまりを持っ
た単位)間の接続関係を表現する表現形式である。
第2図は機能ブロック図を用いた仕様記述形式の一例
を示す図である。第2図においては、外部モジュール10
と内部モジュール11との間および内部モジュール相互間
のデータ接続関係が示される。外部モジュール10は、仕
様記述対象外の外部の機能を表現するモジュールであ
る。内部モジュール11は、仕様記述対象の機能を表現す
るモジュールである。この外部モジュール10と内部モジ
ュール11との間および内部モジュール相互間においては
データアーク12によりそのデータの流れが入出力ポート
P1〜P4とともに規定される。
この内部モジュールはプリミティブ、部品(部分的に
完結した仕様記述であり、ファイルに登録される)を含
む。
シーケンスチャートは、第3図に示すように入出力デ
ータの因果関係およびモジュール間のデータ送受の関係
等を示す図である。第3図においては外部モジュール10
と内部モジュール11との間および内部モジュール相互間
のデータの流れを示す。このシーケンスチャートにおい
ては、モジュールは1本の順序線(縦線)により示され
る。順序線は時間軸を示しており、信号が流れる時間的
関係をも表わす。このモジュール10,11間のデータの流
れは信号線13により表わされる。この信号線13により、
モジュール間のデータの接続関係および因果関係が示さ
れる。
半形式的な記述形式は、関係表、決定表などの表形式
で示される表現形式を含む。関係表は、第4図に示すよ
うに関係データ構造を示す。第4図において、関係表
は、表の名称を表示する領域14と、この表に含まれる項
目を示す名称が表示される項目名領域15と、項目のデー
タの型(int(整数)、float(浮動小数点)およびstri
ng(文字列))を示す領域16と、項目の実際のデータ値
が入出力される領域17を含む。決定表は、第5図に示す
ように、処理の選択構造を表わす表現形式である。第5
図において、決定表は、決定表モジュール名を表示する
領域18と、判断条件が表示される領域19と、判断の結果
実行される処理の名称が表示される領域20と、条件に対
する判断を表示する領域21と、条件判断に基づく処理の
実行の有無を表示する領域22を含む。
上述の表現形式に加えて、利用可能な表現形式として
は、データの包含関係を示すデータブロック図、関係演
算を中心とする構造体データ処理を表わす表操作図など
がある。
第6図にデータブロック図による表現形式の一例を示
し、第7図に表操作図の表現形式の一例を示す。
第6図において、データブロック図は、データセット
名領域23と、この領域23のデータが含む要素数を表示す
る領域24と、領域23にセットされたデータのメンバーを
構成するメンバーデータ名または下位階層のデータセッ
ト名を表示する領域26と、メンバーデータのデータ型
(int、float、string、struct)を表示する領域25とを
含む。この領域24はデータが配列構造のときのみ記述さ
れる。データ型がstructの場合には、このデータは下位
に対して階層化していることを示している。各データの
欄が繋がっているときはORの接続、欄が分離していると
きはANDの接続関係が示される。
第7図に示す表操作図は関係表B1およびB2を所定の操
作に従って処理して新たな関係表B3を形成している状態
を一例として示す。この操作は合併操作といわれてい
る。表操作図における操作は、この合併操作に限定され
ず各種関係演算、分類演算、計算演算等を含む。関係演
算はある関係を満足するように表を操作する演算であ
る。分類演算は表の行をアルファベット順,数値の大小
順等の所定の順に従って並べ換える操作である。計算演
算は、表の特定の列について合計値、平均値などの計算
結果を求める操作である。
第1図へ戻って、本体装置1は、利用者が図形エディ
タE1〜Enを用いて作成した図的仕様記述から得られる情
報を融合して、プログラム実行に必要な制御情報を備え
たコンストラクト情報を生成するとともに、異なる表現
形式を有する図形仕様記述間の情報の相互変換およびモ
ジュール階層間における基本情報の生成を行なって利用
者に提示する相互変換装置CVと、相互変換装置CVで生成
されたコンストラクト情報に従ってプログラムを解釈・
実行し、該実行結果を利用者に提示する実行装置EXと、
図形仕様記述用図形エディタE1〜Enと相互変換装置CV、
実行装置EXおよび部品管理装置CPとの間での情報交換の
ための通信を管理する入出力装置IO、および各処理装置
EX、CV、CPが扱うデータ構造を統合的に管理する統合フ
ァイル管理装置UFとを含む。
部品管理装置CPは、ソフトウェアにおいてある部分的
に完結した仕様記述を「部品」として登録するととも
に、該登録された「部品」を再利用するための動作を管
理する。
コンストラクト情報は、生成された仕様記述情報を制
御構造を含む処理モデルの動作方式に対応するように変
換して得られる情報である。この処理モデルとしてはデ
ータ駆動モデルが一例として用いられている。処理モデ
ルの動作方式に対応させるためには、制御ノードおよび
制御アークを生成する必要がある。コンストラクト情報
では、ノードが仕様記述情報のモジュールに、またアー
クがモジュール間のデータ接続に対応づけられる。
入出力装置IOは、利用者との間のインタフェース、利
用者の指示に基づく各処理装置の実行制御および各処理
装置間で授受されるデータの管理の機能を備える。
利用者との間のインタフェースは以下のものを備え
る。図形エディタを利用した表現形式による仕様記
述、相互変換結果の表示、対応付け機能、引用機
能、プロトタイピング機能、部品登録・再利用、お
よびドキュメントの出力を含む。
図形エディタを利用した各表現形式による仕様の記述
には次の方法が可能である。
(a) 利用者が表現形式の種類と仕様記述名を指定す
る。この仕様記述名の指定は既に登録されている仕様記
述を再利用する場合に行なわれ、新規作成時には新しい
仕様記述名を入力する。
(b) 既に記述されている仕様を詳細化するかまたは
階層的に記述を進めるために、既存の仕様記述内の図形
要素および表現形式を指定する。この場合指定された図
形要素に対応する表現形式を用いて仕様記述が行なわれ
る。
同一モジュールに対し異なる表現形式で仕様記述する
ことができる。この場合、相互変換装置CVはその内部の
相互変換用ルールテーブル検索に従って、対応する表現
形式の図形エディタに対して、変換された図形要素を通
知し、その図形エディタによって利用者に提示される。
1つの仕様記述が異なる表現形式により記述することが
できるので、記述内容の多面的な把握が容易となり、よ
り完全な仕様を作成することが可能となる。
対応づけ機能は、意味的に等価な情報(たとえば、デ
ータ同志または機能モジュール同志等)を異なる表現形
式間で関係づける機能である。この機能は、種々の表現
形式に従って記述された仕様を順次統合化していくため
に、それぞれ独立に記述された種々の仕様情報を相互に
関係づけるために必要とされる。
すなわち、第8図に示すように、機能ブロック図で記
述されたモジュールM7は、表操作図を用いても記述する
ことができる。この表操作図で記述されたモジュールM7
と機能ブロック図で記述されたM7とは意味的に等価であ
る。この場合、この異なる表現形式で記述されたモジュ
ールM7が図に矢印で示すように、意味的に同一であると
関係づけられる。この操作を「対応づけ」操作と呼ぶ。
また各表現形式間においては、互いに情報を共有して
いる場合がある。この場合、既に記述された仕様情報を
他の表現形式での記述時に引用すれば記述時における作
業量を減ずることができる。このある表現形式で記述さ
れた情報を他の表現形式へ用いることを「引用」と呼
ぶ。たとえば第8図に示すように関係表で示されたモジ
ュールM10は、表操作図で表現された表M10と同一であ
る。この場合、図に矢印で示すように、関係表の表M10
が表操作図での表現形式に従った記述時に引用される。
また同様に表操作図における表M8は、関係表で表現され
た表M8と同一である。この場合も、関係表で表現された
M8が表操作図の表現形式に従った記述時に引用される。
プロトタイピング機能は、部分的に完結した仕様記述
の実行結果を確認する機能である。このプロトタイピン
グにおいては、各階層独立に仕様記述の実行結果を確認
することができる。このプロトタイピング時における入
出力データの指定、および入力データの作成は指定され
たデータ構造に従って利用者が行なう。
部品登録・再利用のためのインタフェースは、部品管
理装置CPに対し部品の登録および登録された部品の利用
を指示する。
ドキュメントの出力機能は、種々の表現形式を用いて
記述された仕様記述に対し、各表現形式ごとに記述され
た図的な仕様記述をハードコピーとしてプリンタに出力
し、そのままソフトウェアの設計ドキュメントとして利
用可能とする。
入出力装置IOと各処理装置との間のインタフェースに
ついて説明する。まず図形エディタとの間のインタフェ
ースについて説明する。
入出力装置IOは、利用者が指定した各種の図形エディ
タの起動および終了制御を行なう。また、入力された仕
様記述の名前および図形エディタの種類等、エディタの
起動および終了時に必要とされる情報を管理する。この
動作は以下のものを含む。
(a) 利用者が表現形式の種類と仕様記述の名前を指
定すれば、入出力装置IOは、指定された表現形式に相当
する図形エディタを起動し、かつ同時に、仕様記述の名
前をこの起動された図形エディタへ渡す。
(b) 各図形エディタはその内部に他の図形エディタ
を起動するための機能を備えている。あるエディタ内で
指定した図形要素(エディタが表示する操作ツールに含
まれる図形要素)および表現形式の種類が入出力装置へ
通知される。この図形要素は表現形式の種類によりシン
ボルの種類や形状が異なる。入出力装置IOは、この指定
された表現形式に相当する図形エディタを起動するとと
もに、指定された図形要素をこの起動された図形エディ
タへ送る。
(c) 仕様記述の終了制御。各図形エディタは終了用
操作ツールを備えている。この終了用操作ツールにより
当該図形エディタの終了が入出力装置IOへ通知される。
入出力装置IOは、この終了通知に応答して、作成された
仕様記述の名前、エディタの種類等の情報を保存した後
終了を通知した図形エディタを終了させる。
入出力装置IOはまた図形エディタおよび相互変換装置
とのインタフェースを与える。各種の表現形式を用いて
仕様を記述する場合、また複数の仕様記述を相互に利用
する場合においては、入出力装置IOは図形エディタおよ
び相互変換装置CVとの間で以下の処理を行なう。
(a) 利用者が記述した描画情報は、各図形要素を記
述した段階で入出力装置IOを介して順次相互変換装置CV
へ送られる。相互変換装置はこの入出力装置IOから与え
られた情報に従って所定の処理(これについては後述す
る)を行なった後入出力装置IOへ返送する。この場合、
返送されるデータとしては、入力された仕様記述情報に
対応する異なる表現形式での表現可能な仕様情報等であ
る。この相互変換装置CVから返送されるデータはその処
理結果とともに返送先の仕様記述の識別子IDが付されて
いる。入出力装置IOはこの識別子IDに対応する仕様記述
を特定し、相互変換装置CVが形成した処理結果をその転
送先の図形エディタへ返送する。また、相互変換装置CV
が入力された仕様記述上において矛盾を検出した場合、
この矛盾検出を示すメッセージを入出力装置IOは利用者
に提示する。
(b) 仕様記述過程において2つの図形エディタ上で
ユーザが指定した2つの図形要素に対して、入出力装置
IOはこの2つの図形要素を論理的に対応づけることがで
きるか否かを判断する。対応づけが可能な場合、この入
出力装置IOは両図形エディタに対し同一の論理的な仕様
情報を返送する。対応づけが不能な場合には、この対応
不能を示すメッセージを利用者に提示する。
(c) 引用 複数の図形エディタ間で仕様情報を引用する場合、図
形エディタ上で利用者が指定した図形要素の描画情報お
よび仕様情報を、入出力装置IOは引用先の図形エディタ
へ転送する。
次に入出力装置IOと実行装置EXとのインタフェースに
ついて説明する。実行装置EXの実行時(たとえばプロト
タイピング)に必要とされる入力データ情報および入出
力データの位置情報は、仕様記述時と同様にして図形エ
ディタから入出力装置IOへ伝達される。入出力装置IOは
この実行の前処理を行なう実行用ハンドラー(図示せ
ず)にこれらの情報を手渡す。この前処理が終了した段
階で、入出力装置IOは利用者による実行開始指示に応答
して実行装置EXを起動する。実行結果のデータは、この
上述の実行用ハンドラーから入出力装置IOを介して表示
装置DP上へ表示される。この表示装置DPへの表示はたと
えば出力結果表示用ルーチンを起動することにより実行
される。
入出力装置IOと部品管理装置CPとのインタフェースは
以下のものを含む。
(a) 部品登録時のインタフェース 利用者が作成した仕様記述が部分的に完結した段階
で、利用者が指定した登録対象の仕様記述情報と部品名
は入出力装置IOを介して部品管理装置CPへ伝達される。
(b) 部品再利用時のインタフェース 図的エディタ上で利用者が指定した部品名は入出力装
置IOを介して部品管理装置CPへ伝達される。部品管理装
置CPはこの与えられた部品名に対応する部品情報をファ
イル管理装置UFを介して検索し、検索された部品情報を
入出力装置IOを介して起動されている図形エディタへ返
送する。
利用者が部品情報を参照したい場合には、入出力装置
IOが利用者からの指示のもとに部品仕様書表示ルーチン
を起動することにより、この図的に表現された部品情報
が表示装置DP上に表示される。
相互変換装置CVの機能について説明する。この相互変
換装置CVは、利用者が様々な図的表現形式を用いて記述
する仕様記述の内容を統合して効果的な実行形式プログ
ラムを生成するとともに、与えられた仕様記述の特定の
側面(表現形式または階層)から獲得した情報を他の表
現形式に変換する機能を備える。ここで、実行形式プロ
グラムは、処理モデル(データ駆動型モデル)に依存し
た構造を有するコンストラクト情報を仮想マシンの実行
方式に合致するように変換して得られるプログラムであ
る。
相互変換装置CVが統合する仕様記述情報の構成の一例
を第9図に示す。この仕様記述情報は、モジュール情報
MI、シーケンス情報SIおよびデータ構造情報DIを含む。
モジュール情報MIは、このソフトウェアシステムを構
成する個々のモジュールの動作およびモジュール間のデ
ータ接続に関する情報である。このモジュール情報は、
機能ブロック図を用いた仕様記述をベースとして、各モ
ジュール間の階層関係を生成する。このモジュール情報
は、モジュール間のデータ接続関係を通してデータ構造
情報をも統合する。モジュール情報は機能モジュール、
決定表モジュール、構造体データ操作モジュールに関す
る情報をそれぞれ含む。このそれぞれのモジュールの情
報は図形エディタが表現する機能ブロック図、決定表お
よび表操作図の各表現形式で定義可能な処理内容に対応
する。各モジュールについて以下に説明する。
(A) 機能モジュール: 機能モジュールは、モジュールを構成する内部サブモ
ジュールの情報と各サブモジュール間のデータ接続関係
に関する情報である。サブモジュール情報が備える属性
は、機能ブロック図が与える記述要素と対応し、プリミ
ティブ、部品、内部モジュール、ファイル、分枝、合枝
等がある。モジュールの階層構造は、サブモジュールが
詳細情報を定義しているモジュールに付されているモジ
ュールID(識別子)を付すことにより保存される。
モジュール間のデータ接続関係は機能ブロック図にお
けるアークと対応づけられる。このアークは、データの
生成側サブモジュールと消費側サブモジュールの関係を
表わす。データのデータ構造は、データセットIDにより
データ構造情報を参照する形で管理される。
(B) 決定表モジュールは、決定表から得られる情報
をもとに選択処理に関する情報を、条件判定および判定
結果に基づいて実行される処理によって示す情報であ
る。
各条件判定の内容と対応する実行されるべき処理の関
係は、イベントIDによって管理される。
(C) 構造体操作モジュール情報は、表操作図から得
られる情報をもとに構造体データ操作に関する情報を、
操作対象となるデータおよび各データに作用する操作で
表わす情報である。操作対象となるデータと各操作との
対応関係は、データIDおよび操作IDによって管理され
る。この各データのデータ構造は、データセットIDによ
りデータ構造情報を参照する形で管理される。
データ構造情報は、ソフトウェアシステムで消費/生
成されるデータの型および構造の定義に関する情報であ
る。データ構造の階層関係はデータブロック図を用いた
記述をベースとして生成される。このデータ構造情報
は、包含データ構造情報、関係データ構造情報等を含
み、構造を有しないデータとしてアトム情報を含む。
(A) 包含データ情報は、包含/排他関係にあるデー
タの構成を示す情報である。この包含データ情報は、各
構成データに対して、詳細構造を定義したデータ構造に
与えるデータセットIDを有することによりデータ構造の
階層関係を保存する。
(B) 関係データ構造は、関係データを構成する各項
目データの基本データ型を示す情報である。
(C) アトム情報は、アトムデータに関する基本デー
タ型(int,float,atring)を示す情報である。
シーケンス情報は、順序線の属性と順序線に入出力さ
れる信号線の情報を含む。このシーケンス情報において
は、1モジュールに対して複数のシーケンスを定義する
ことが可能なため、これらの関係はシーケンスIDで管理
される。
(A) 順序線情報は、シーケンスチャートにおけるサ
ブモジュールを表わす縦線に関する属性を示す情報であ
る。順序線の属性としては、内部モジュール、ファイル
などを含み、それぞれシーケンスチャートの記述要素と
対応する。モジュール情報中のサブモジュールとの対応
関係はモジュール副IDにより管理される。
(B) 信号線情報は、シーケンスチャートにおける順
序線間のデータ接続(以下信号線と称す)を示す情報で
ある。この信号線情報は、同時に信号線の入力とつなが
って出力される出力シーケンス群の情報を管理すること
により、入出力データの因果関係をも示す。モジュール
情報中のデータ依存性との対応関係はアークIDにより管
理される。
上述のように、仕様記述情報を構成する各成分情報間
の関係は、すべて識別子IDにより管理される。この識別
子IDは、上述のごとく、データ構造情報を識別するデー
タセットID、モジュール情報を識別するモジュールID、
モジュールを構成する内部サブモジュールを識別するモ
ジュール副ID、内部サブモジュール間のデータ接続を識
別するアークID等を含む。新たな情報の追加が発生する
たびに相互変換装置CVは新たな識別子IDを生成して管理
する。
第9図に示すように、主要記述情報の構成において
は、複数の図形エディタを用いて記述された仕様内容は
階層化され、データの参照関係32、モジュールの階層関
係33、同一モジュールに対する共通の定義情報関係34を
含む。したがって、これらの関係を基礎とすることによ
り複数の異なる表現形式で定義された部分的な仕様記述
から対象ソフトウェアシステム全体の仕様記述情報を生
成することができる。
この個々の表現形式により得られた各情報を統合した
仕様記述情報は上述の如く識別子IDにより管理される。
このような個々の表現形式から得られる情報を統合して
得られる仕様記述情報のデータ構造の一例を第10図ない
し第15図に示す。
第10図は仕様記述におけるデータ構造を、第11図は順
序線情報の構造を、第12図は信号線情報の構造を、第13
図は関係データの構造を、第14図は包含データの構造
を、第15図はアトムの構造を示す。第10図ないし第15図
に示す仕様記述情報の構造において、各情報に付された
識別子IDを参照することにより対応の有無および変更の
有無等が決定される。
第16図は相互変換装置の動作を示すフロー図である。
以下、第16図の動作フロー図を参照して簡単にこの相互
変換装置CVの動作について説明する。仕様記述情報の生
成は、入出力装置IOを介して行なわれるエディタとの通
信に基づいて実行される。
ステップS1において、エディタまたは入出力装置IOか
らデータが与えられる。このデータは仕様記述情報であ
るかまたは終了コマンド情報、仕様記述作成開始情報等
である。この与えられた情報が終了コマンドであると判
定されると(ステップS2)、相互変換装置CVがファイル
を閉じるなどの所望の処理を施した後その動作を終了す
る。
終了コマンド以外の場合には、相互変換装置CVは、必
要な仕様記述情報を与えられたデータに従って生成する
(ステップS4)。この生成した仕様記述情報を用いてフ
ァイル管理装置UFへアクセスし、その仕様記述情報用フ
ァイル内容を生成された仕様記述情報により更新する
(ステップS5)。
一方において、相互変換装置CVはこの与えられた仕様
記述情報から、コンストラクト情報を生成する(ステッ
プS6)。この生成されたコンストラクト情報に関して
は、再びファイル管理装置UFへアクセスすることにより
その新しく生成されたコンストラクト情報が付加される
か変更されるか等によりもとのコンストラクト情報ファ
イルが更新される。
次いで、この相互変換装置CVは、予めテーブルの形態
で格納されている変換用ルールを検索する。この変換用
ルールテーブルへ検索をかけることにより、入力データ
と同一の意味を持つデータがあるか否かを判定する。す
なわち、あるエディタから与えられた情報が他の図的表
現形式のオブジェクトに変換可能か否かを解析する(た
とえば機能ブロック図のモジュールとシーケンスチャー
トの縦線との対応関係)(ステップS9)。この解析によ
り他の表現形式への変換可能なオブジェクトが検索され
た場合、その対応の変換可能な図的オブジェクトに変換
し(ステップS10)、この変換した結果得られた変換後
の図的オブジェクトを示すデータを対応のエディタへ入
出力装置IOを介して送信する(ステップS11)。このと
き送信を受けるエディタは、この変換可能なオブジェク
トを表現することのできるエディタである。この変換処
理がすべて終了すれば(ステップS12)、相互変換装置C
Vは再びエディタまたは入出力装置から意味的にまとま
った図的オブジェクトが送信されるのを待つ。
ステップS9において、変換可能な図的オブジェクトが
存在しない場合、相互変換装置CVはその旨を入出力装置
IOへ伝達するとともに、エディタまたは入出力装置IOか
らのデータを待機する状態とする。
ここで、入出力装置IOを介して利用者が仕様記述した
結果データが入力されたとき、意味的にまとまった1つ
の図的オブジェクトが更新された場合、その1つのまと
まった図的オブジェクトが相互変換装置CVへ送信され
る。
また、ステップS9において変換可能な図的オブジェク
トが検索された場合、その変換可能な図的オブジェクト
が複数個存在する場合、この複数の図的オブジェクトそ
れぞれに対応する表現形式を与える図形エディタへ変換
結果が送信される。この同時に起動された図形エディタ
が与える表現形式の図形要素は、たとえばマルチウイン
ドゥにより表示装置DP上へ同時に表示される。
次に、図形エディタと相互変換装置CVとの間の情報交
換の例について第17A図および第17B図を参照して説明す
る。この第17A図および第17B図に示す例においては、機
能ブロック図を表現形式とする図形エディタが起動さ
れ、かつ相互変換装置CVが機能ブロック図の表現形式を
ベースとして仕様記述を生成する場合が一例として示さ
れる。
入出力装置IOを介して利用者が行なうモジュール定義
またはデータ構造定義のエィタの起動に応答して、相互
変換装置CVは新たなモジュール情報またはデータ構造情
報を生成する。この生成されるモジュールまたはデータ
の種別は、起動された図形エディタの種類から決定され
る。同時に、これらの生成されたモジュール情報または
データ構造情報に対しては相互変換装置CVはモジュール
IDまたはデータセットIDを生成して起動された図形エデ
ィタへ伝達する。第17A図においてはモジュールIDが図
形エディタEへ伝達される。
図形エディタEにおいては利用者がそのエディタ上で
新たに内部モジュールを追加すると、この図形エディタ
Eは、伝達されたモジュールIDとモジュールの属性を示
す情報とともに未定義のモジュール副IDを相互変換装置
CVへ伝達する。相互変換装置CVはこの与えられた未定義
のモジュール副IDに応答して、内部モジュールを生成す
るとともに、この新たなサブモジュール情報を識別する
ためのモジュール副IDを生成して図形エディタEへ伝達
する。
図形エディタEにおいて、機能ブロック図内で既存の
内部モジュールに関する情報の変更または削除が行なわ
れた場合、この変更または削除情報は相互変換装置CV
へ、対応のモジュール副IDとともに伝達する。相互変換
装置CVはこの情報に応答して対応のサブモジュール情報
の変更または削除を実行する。
複数の内部モジュールが生成された場合、この内部モ
ジュール間におけるデータの接続関係を示すアークが図
形エディタE上で記述される。これに応答して図形エデ
ィタEはデータを送出するモジュールを識別するモジュ
ール副IDと、この内部モジュールのデータ出力ポートを
示すポートIDと、データを入力する行先モジュール副ID
とこの行先モジュールがデータを受けるポートを識別す
る行先ポートIDと、未定義のアークIDを相互変換装置CV
へ伝達する。相互変換装置CVは、この与えられた情報に
応答して内部モジュールにおけるアークを生成するとと
に、このアークを識別するために、与えられた未定義の
アークIDに所定の情報を付加しアークIDとして図形エデ
ィタEへ伝達する。次いでこのアークIDにより識別され
るべきアークに対するデータの構造が指定されると、図
形エディタはこの指定されたデータ構造を示すデータセ
ットIDを対応のアークIDとともに相互変換装置CVへ伝達
する。相互変換装置CVはこの与えられた情報に従ってデ
ータセットIDを登録する。次に、第17B図を参照して階
層構造のモジュールを生成する場合の動作について説明
する。
機能ブロック図において既存の内部モジュールに対
し、この既存の内部モジュールの詳細を定義するために
利用者が他の図形エディタを起動すると、起動をかけた
図形エディタからはこれに応答して、モジュールID、モ
ジュール副IDとともに、新しく付加されるべきモジュー
ルを識別するための下位モジュールID(未定義)が変換
装置CVへ伝達される。変換装置CVは、この与えられた情
報に応答して新たなモジュール情報を生成するととも
に、この生成したモジュール(下位モジュール)に対し
てそのときの上位モジュールのモジュールIDをそれに追
加する。それにより下位モジュールIDが決定される。こ
の生成されたモジュール(下位モジュール)のモジュー
ルIDはこの詳細を定義するために起動されたエディタへ
伝達されるととに、この起動をかけたエディタに対して
も伝達される。この後、下位モジュールに対する記述が
完了すると、起動をかけられた図形エディタからはそれ
を示すための情報とともにモジュールID、モジュール副
IDおよび下位モジュールIDが相互変換装置CVへ伝達され
る。変換装置CVはこの情報に応答して、上位モジュール
と下位モジュールとの結合情報を生成する。起動をかけ
た側の図形エディタからは、内部モジュール情報変更の
シーケンスに従って、下位モジュールに対応するモジュ
ールIDの情報が相互変換装置CVへ送られる。これにより
モジュール情報の階層構造がこの識別子IDにより上位お
よび下位両側からの参照関係として実現される。
操作のデータ依存性におけるデータとデータ構造情報
との参照関係は以下のようにして実現される。複数の図
形エディタにおける対応付け操作によって、アークとデ
ータ構造記述との対応関係が成立すると、そのときに獲
得されたデータセットIDは、データ依存性情報の変更シ
ーケンスに従って相互変換装置CVへ伝達される。これに
よりモジュールにおける入出力データの構造が保存さ
れ、構造体データへのアクセス系列、ロック範囲の抽出
が可能となる。
上述のように、各モジュールを構成する仕様記述情報
はすべて識別子IDを管理することによりその各部品情報
間の関係が管理される。
この階層的な表現によるソフトウェアシステム全体の
仕様記述の生成の一例について説明する。
第18図はこの階層構造情報から、より正確なモジュー
ル情報を作成する場合の一例を示す図である。第18図に
示すように、上位階層の仕様記述41においては、モジュ
ールF00とモジュールF01との間のデータの送受関係とし
て表わされていた内容に対して、各モジュールの下位層
による詳細記述42および43を形成し、これを相互変換装
置CVにおいて関連づけることにより、モジュールF00が
データaとデータbとをマージしてデータcを導出し、
一方モジュールF01がデータcを受け、データdを出力
するとともに、この出力dをモジュールF00へ返送して
いる構造が解析される。これにより機能モジュールの入
出力データbとデータdとが同一のデータであり、デー
タdが再び繰り返し利用される繰り返し構造44が導出可
能となる。
「マージ」を表わす機能モジュールおよびデータをそ
のまま伝達する「TFゲート;真偽判定ゲート」の動作制
御は機能モジュールPにより行なわれている。この制御
内容は機能モジュールPに対する下位モジュールを用い
ることによりその制御内容の詳細が明らかとなる。
第19図は、この相互変換装置において行なわれる、図
的表現形式の組合わせ(仕様記述)からコンストラクト
情報を生成する構成の一例を示す図である。機能ブロッ
ク図で表現された仕様図45においては、モジュールPお
よびSに関してその動作内容が、単にデータコピーを行
なうのか、選択構造であるのかを決定することができな
い。しかしながら、このそれぞれのモジュールPおよび
Sに対して決定表の記述50および51をそれぞれ関連づけ
ることにより、モジュールPが入力データx,yの大小関
係に応じてモジュールF1〜F3のいずれかを選択するよう
に分岐モジュールSを制御し、分岐モジュールSは、こ
のモジュールPからのデータに従ってデータbをモジュ
ールF1〜F3のいずれかへ伝達する構造が決定される。こ
れによってモジュールPの選択構造が決定され、さらに
分岐モジュールSにおける分岐制御のための制御情報の
生成が可能となる。これにより処理モデルに対する制御
情報を含んだコンストラクト情報46の生成が可能とな
る。
上述の実施例は、複数の表現形式を統合してコンスト
ラクト生成のための情報を獲得する場合を示している。
しかしながら、第20図および第21図に示すように逆に統
合した情報から個々の表現形式の情報を逆生成(相互変
換)することも可能となる。
第20図は、機能ブロック図とシーケンスチャートとの
相互変換を例示的に示す図である。第20図において、機
能ブロック図60から得られた内部モジュール情報61は順
序線情報62に変換され、この順序線情報に従ってシーケ
ンスチャート上の順序線が生成される。ここで内部モジ
ュール情報からの順序線情報への変換は、前述のごとく
相互変換装置CVにおいて行なわれ、この情報がシーケン
スチャートを表現形式とする図形エディタへ伝達されこ
の図形エディタが起動されることにより、表示装置上に
シーケンスチャート上の順序線が表示される。以下の説
明においても、この相互変換装置と機能ブロック図およ
びシーケンスチャートを表現する図形エディタとの間の
情報交換が行なわれている。
また、シーケンスチャート63において機能ブロック図
60から得られた順序線情報へさらに順序線M2が付され
る。この新たに記述された内部モジュールを示す順序線
情報は機能ブロック図の内部モジュール情報に変換され
機能ブロック図上に内部モジュールが生成される。この
とき、シーケンスチャートにおいて信号線を形成するこ
とにより得られる信号線情報(信号線A〜D)はデータ
依存性情報に変換される。これにより、内部モジュール
情報64において、記述された信号線に対応するアークが
生成される。これにより、各モジュール間のデータの流
れが得られる。しかしながら、信号線情報は単にデータ
の流れを示すだけであり、モジュールのどのポートが接
続されるのかを示していないため、この内部モジュール
64より新たに生成された機能ブロック図65においてはポ
ート接続が未定義であることを示す表示68が利用者に与
えられる。利用者はこれを見てポートを定義する。
この第20図においては、機能ブロック図60から獲得し
た内部モジュール情報61から、シーケンスチャートの初
期状態62が生成され、さらこの初期状態のシーケンスチ
ャート62に対して記述の追加すなわち内部モジュールの
追加およびデータの流れが付され、この追加されたシー
ケンスチャートの記述63に従って、内部モジュール情報
の内容を生成追加し、新たな機能ブロック図65を得てい
る。この場合、新たに形成された機能ブロック図におい
ては、ポートが未定義であるという機能ブロック図にお
ける不完全部分68を利用者に提示することにより新たな
情報の記述を促すことができ、より正確なソフトウェア
システムの構築が可能となる。
さらにまた相互変換処理を用いることにより、階層記
述における下位層の情報を生成することもできる。
第21図に示す仕様記述においては、シーケンスチャー
ト71で表現された情報から内部モジュール情報72を形成
し、この内部モジュール情報72におけるモジュールM1に
対する下位モジュール73およびモジュールM2に対する下
位モジュール74をそれぞれ形成している。この相互変換
構成に対し、新たなシーケンスチャート75が与えられた
場合、すなわちモジュールM1が外部モジュールからデー
タAを受けてデータDを送出している構造が記述された
場合、相互変換装置CVは、既に与えらている内部モジュ
ール情報72にこのシーケンスチャート75で獲得された情
報を付加する。この場合データAに対するデータIDの一
致を検出することにより、モジュールM1は、データAを
受けてデータBおよびDを導出していることが認識され
る。この構造より、階層表現の下位モジュール73を考慮
することにより、M1はその下位構造において分岐構造を
有しており、データBとデータDをそれぞれ導出する下
位モジュールM11およびM12を含んでいることが検出され
る。この場合、モジュールM2はデータBおよびデータC
の関係はシーケンスチャート71の場合が保存されるため
その下位構造78は下位モジュール74と同一表現となる。
さらに、第22図に示すシーケンスチャート71に対し、
新たなシーケンスチャート79が記述された場合、この記
述されたシーケンスチャートにより獲得された情報に従
って内部モジュール情報が得られる。この場合、データ
Bに対するデータIDの一致を検出することにより、デー
タAとデータDとが排他的データ構造であれば、モジュ
ールM1に対して、データAを受ける下位モジュールM11
とデータDを受ける下位モジュールM12とを備え、この
モジュールM11およびM12の出力がマージされてデータB
を導出する下位構造を備えているというマージ構造80が
生成される。
次に実行装置EXの機能について説明する。実行装置EX
は、相互変換装置CVで生成されたコンストラクト情報を
実行モデル(仮想的なマシン)の動作方式に従って実行
可能なプログラムに変換する変換部と、プロトタイピン
グを実行する実行部とを含む。
コンストラクト情報を変換して得られる実行形式情報
は、データの流れによって表わされる処理の流れおよび
各処理の構造を表現する接続情報と、この接続情報中に
番号のリンク(種々のID)で出現する定数情報、データ
構造情報、およびファイル情報に大きく分割される。こ
の実行形式情報においても接続情報は階層ごとにまとま
りを有しており、階層間においては対応するポートがリ
ンクされる関係を維持しつつこのノード番号を一意的に
生成する。実行装置EXにおける実行部が所定の仕様を実
行する場合、ノードの接続を追跡して順次プログラムを
実行する。したがって、この実行に適した情報形式への
変換とは、このノードの情報に付随したアークの情報に
よってノード間の接続関係が示される情報形式へ変換す
ることである。次に、この実行装置EXの動作についてそ
の動作フロー図である第23図を参照して説明する。第23
図においては、実行装置EXの動作フローがシーケンスチ
ャートを用いて表示される。ユーザは仕様記述上でデー
タを入力したいデータアークを指定する。この指定され
たデータアークに対応する入力ウインドゥが開かれ、表
示装置DP上に表示される。入力ウインドゥには指定した
データアークのデータ構造に対応するテンプレートが表
示される。入力データの設定はこのテンプレートを埋め
るようにして行なわれる。出力データの設定も入力デー
タの設定と同様であり、仕様記述上でデータをモニタし
たいデータアークを指定すると、出力ウインドゥが開か
れ、指定したデータアークのデータ構造に対応するテン
プレートが表示される。
このユーザが指定した入力データは、入出力装置IO、
相互変換装置CVを介して統合ファイル管理装置UFに書込
まれ、入力データの更新が行なわれる。このファイル管
理装置UFにおいてデータ更新の管理が終了するとこの完
了を示す情報が相互変換装置CVを介して入出力装置IOへ
伝達される。利用者はプロトタイピング実行開始を指示
すると、この実行開始指示は入出力装置IOを介して実行
装置EXへ与えられる。実行装置EXは、統合ファイル管理
装置UFで入力ウインドゥに設定された入力データが書込
まれた領域を参照し、この入力データを読出し、指定さ
れた仕様記述に対応するプログラムを実行する。
実行装置EXは統合ファイル管理装置UFから入力データ
を読出し、実行形式情報中に含まれるノードの接続を追
跡しながらノードに設定される機能を順次実行し、出力
データのアークに出力指定がなされていたとき出力デー
タを得る。実行装置EXは出力データを得ると統合ファイ
ル管理装置UFへその出力データを書込む。これにより出
力データの更新が行なわれる。統合ファイル管理装置は
このデータの更新の完了を実行装置EXへ与えると、次い
で実行装置EXから入出力装置IOへプロトタイピングの実
行完了が知らされる。入出力装置IOはこの実行終了を受
けると変換装置CVへ実行終了を知らせる。相互変換装置
CVはこの実行終了に応答して統合ファイル管理装置UFに
書込まれた出力データの参照を行ない、出力データを読
出して入出力装置IOへ伝達する。入出力装置IOは与えら
れた出力データを表示装置DP上に先に開かれていた出力
ウインドゥに表示する。
上述のように仕様記述上の任意の階層を対象としたシ
ミュレーション実行はその入力データの設定および出力
データ形式の設定を行なうだけで実行されるため、作成
された仕様の確認見直しを行なうことができる。次に部
品管理装置CPの機能について説明する。
仕様記述においてある完結した仕様は「部品」と称さ
れる。この部品を管理する部品管理装置CPは、以下の機
能を備える。
部品情報の提示機能、部品名リストの提示機能、
表の項目データ型の提示、コンストラクト情報の提
示、部品仕様書表示機能、部品の登録機能、部品
の拡張機能である。この部品管理装置CPへは入出力装置
IO、相互変換装置CVおよび実行装置EXがアクセス可能で
ある。次に第24図を参照して部品の参照動作について説
明する。
第24図は部品の参照動作フローをシーケンスチャート
により示す図である。部品を参照したい場合、利用者は
入出力装置IOが与えるメニューから「部品参照」を選択
する。入出力装置IOは、この「部品参照」指示に応答し
て、登録されている部品の一覧表を表示するために、部
品管理装置CPに部品名リストの要求を行なう。部品管理
装置CPは、ファイル管理装置UFを介して部品情報ファイ
ルを探索し、登録されている部品名のリストを入出力装
置IOへ部品管理装置CPを介して伝達する。入出力装置IO
は、図形エディタを起動して部品参照用ウインドゥ(参
照WD)を開き、登録部品の一覧表を表示装置上に表示す
る。
利用者は、この部品参照用ウインドゥ(参照WD)中に
示された部品のうち、入出力情報を参照したい部品をた
とえば「マウス」のようなデータ入力装置または文字入
力装置を用いて指定する。入出力装置IOはこの利用者か
らの参照部品指定に応答して、部品仕様書エディタ(仕
様書ED)を起動し、指示された部品名をこの部品仕様書
エディタへ手渡す。
部品仕様書エディタ(仕様書ED)は、仕様書ファイル
に記憶されている部品仕様書ファイルを参照し、この部
品仕様書を表示する。これにより、利用者は図的に表現
された仕様記述レベルの部品仕様書を表示装置DP上で見
ることが可能となる。
次に部品の引用動作について説明する。
仕様記述を行なっている状態において、部品を引用し
た場合、機能ブロック図エディタまたはシーケンスチャ
ートエディタの描画モードにおいて「部品」を選択す
る。部品を引用するエディタは、入出力装置IOに対して
部品要求情報の要求を出す。入出力装置IOは、上述の部
品参照動作時と同様にして利用者からの指示により、部
品引用のためのウインドゥを開き、登録部品の一覧表を
表示する。
利用者はこの部品参照用ウインドゥに示された部品の
うち、引用したいものを指定する。入出力装置IOは、こ
の指定された部品に対する部品情報を部品管理装置CPに
要求する。部品管理装置CPは、ファイル管理装置UFを介
して部品情報ファイルを探索し、指示された部品に対す
る部品情報を入出力装置IOへ与える。
入出力装置IOは、部品管理装置CPより与えられた部品
情報を、さらに、この部品を引用したいエディタへ与え
る。エディタは与えられた部品情報をもとに描画を行な
うとともに仕様記述内容の変更を入出力装置IOへ通知す
る。
次に統合ファイル管理装置UFの機能について説明す
る。この開発装置で取り扱われる仕様記述の内容の関す
る情報は1つの統合的なファイルとして表現される。こ
のファイルを操作する機能はデータ構造操作命令として
統合ファイル管理装置UFにより実現される。統合ファイ
ル管理装置UFは、仕様記述に関する情報を表現する内部
データ構造へのアクセス(生成、参照、更新、削除等)
を実行する他の処理装置(入出力装置IO、相互変換装置
CV、実行装置EX、および部品管理装置CP)との間に宣言
的に結合されたインタフェースを持ち、仕様記述情報を
表現する内部データ構造を統合的に管理する。
統合ファイル管理装置UFを利用する他の処理装置は、
必要とされるデータ構造操作に対するオペレーションコ
ードと、そのデータ構造操作に必要とされる情報を統合
ファイル管理装置UFへ渡す。統合ファイル管理装置UF
は、指示されたデータ構造操作を実行し、実行結果を統
合ファイル管理装置UFを呼出した処理装置へ返す。
用いられるデータ構造としては、この発明におけるプ
ログラム開発装置において、スカラ(アトム)とリスト
構造とが採用される。このリスト構造を用いれば、「配
列」、「レコード」、および「ベクター」等の構造を表
現することができるからである。このリスト構造を用い
る場合、添字(識別子)による要素へのアクセス、お
よびキーの一致による要素へのアクセスが実行され
る。このリスト構造においては、処理対象とするデータ
構造全体の識別子(名前)に対する論理的な識別子「fi
d」と、「fid」によって識別されるデータ構造中におい
て「size」によって示される配列要素のサイズのデータ
領域を1個の要素とする配列を識別するための論理的な
識別子「did」とを含む。これらの識別子を用いること
により、ファイルにおけるアクセス領域が確定される。
スカラのデータ構造により統合ファイル管理装置UFを
参照した場合、データ名による参照および更新が行なわ
れなる。
各処理装置は、相互に情報交換を行ないながら並列に
動作する。統合ファイル管理装置UFへは、このため、多
重アクセス要求が発生する。これらのアクセスは、動的
に発生するため、統合ファイル管理装置UFを利用する側
の処理装置においては、多重アクセスが発生しているか
どうかを判別することができない。またたとえ、多重ア
クセスが発生していることを判別することができたとし
ても、後からアクセスを要求した処理装置がファイルに
対してアクセスを実行してよいかどうかは、アクセスを
要求した処理装置は知ることができない。このため、統
合ファイル管理装置UFは、マルチプロセス環境において
ファイルに関する一連のアクセスに対する一貫性を保証
するための機構を備える。このような機構として、統合
ファイル管理装置UFを利用する側がアクセス要求を行な
ったとき、引き続いて同一ファイルの同一レコードに対
してアクセス要求を行なうか、また、どのようなアクセ
ス要求を行なうかを統合ファイル管理装置UFに通知する
ことにより統合ファイル管理装置UFにおいてファイルの
必要な範囲にロックをかけるロック制御機構が設けられ
る。
ロック制御は1つのプリミティブとして実現される。
統合ファイル管理装置UFが管理するファイルには、テン
ポラリファイルとパーマネントファイルの2種類存在す
る。テンポラリファイルは、1度使用すると消費され
る。パーマネントファイルは、対象プログラムの実行前
後を通じて保存される。ファイルを使用するプリミティ
ブを実行する場合には、書込み対象となるテンポラリフ
ァイルは常に作成される。次に、この発明の一実施例で
あるプログラム開発装置によるソウトウェアシステムの
作成の具体的例について説明する。
今在庫管理問題の中から、「キー」によって検索する
モジュールを記述する場合を考える。今具体的な問題と
して、以下の問題を記述する。
検索データは品物リストである。この品物リストは、 「品物リスト:品物コード、品名、数量、納入元」 の構造を持っている。検索項目(キー)は、品名コード
または数量である。数量は「キー」とする検索の場合に
は、与えられた数量以上の品物コードに対応する品物を
リストする。
まず、第25図に示すように、外部とのインタフェース
を記述する。この記述対象のシステムは、品名コードを
入力して該当リストを出力する品名検索モジュール91
a、品物リストファイル91b、および外部モジュール(ユ
ーザ)91c、数量を入力して同じく該当リストを出力す
る数量検索モジュール91dを含む。この機能側面からの
記述は機能ブロック図91により表現される。このときこ
の機能ブロック図91で表現されたモジュール情報はシー
ケンスチャートに変換され、表示されている(第25図右
下部参照)。
次に第26図に示すように、各モジュール間におけるデ
ータ流れの順序関係を記述する。第1のシーケンスチャ
ート92においては、品名検索シーケンスを記述し、第2
のシーケンスチャートにおいては数量検索のシーケンス
を記述する。このシーケンスチャート92および93で記述
された信号線は、直ちに機能ブロック図94上のデータア
ークに変換され表示される。このとき、シーケンスチャ
ートにおいてはポート情報は反映されないため、ポート
情報に関しては機能ブロック図94において記述する。
ここで、シーケンスチャートを用いてデータ相互の関
係を記述したが、機能ブロック図を用いてデータ相互の
関係を記述してもよい。このように共通の情報が異なる
表現形式間で相互に変換反映されることにより、記述相
互間の矛盾を回避することができる。
次に第27図に示すようにデータ構造を記述する。該当
リスト(図示せず)および品物リストを関係表95、品名
コードおよび数量をデータブロック図96で記述する。第
27図に示す例においては、該当リストは最低必要な品名
コードおよび数量のみが記述される。記述されたデータ
構造と機能ブロック図上のデータアークおよびシーケン
スチャート上の信号線は対応づけ操作により対応づけら
れる。この対応づけ操作を用いることにより、繁雑な名
前づけの作業から解放される。
次に第28図に示すように、内部モジュールの詳細の定
義を行なう。第28図において、記述対象のモジュールに
含まれる品名検索モジュール91aは、ファイル操作であ
るため、表操作図96により記述される。この表操作図96
においては、既に先に記述した機能ブロック図により入
出力情報が交換され反映されている。この表操作図96に
おける表データの構造は、関係表95aおよび95bから引用
される。引用されたデータ構造は、元の関係表と対応づ
けられている。したがって、元の関係表データ構造を変
更すれば、この表操作図96におけるデータ構造も変更さ
れる。これにより仕様の変更に伴う変更忘れを防止する
ことができる。
品名検索モジュールは、第28図に示す表操作図で記述
したことによりその仕様記述が完結し、実行可能とな
る。この実行可能となった品名検索モジュールに対し第
29図に示すようにプロトタイピングを行なって仕様記述
内容を検証する。すなわち品物コード97を入力データと
し、該当リスト98を出力データとする。品物コード97
に、品物リストに含まれる品名コードを記入する。以
下、装置の実行動作により、この品名コード3に対応す
る品物が該当リスト上にその対応の数量とともに表示さ
れる。このプロトタイピングにより得られた実行結果に
従って仕様記述内容を、対象とする仕様に従って変更
し、再度実行して検証する。
この後、検索システムの仕様の記述が完了した場合、
これは1つの部分的に完結したモジュールであり、「部
品」として登録する。
次に、この発明の他の構成について説明する。今、第
30図に示すような、処理Aおよび処理Bがファイルにア
クセスする仕様を記述するシーケンスチャートを考え
る。シーケンスチャートにおいて順序線(縦線)は時間
軸を表わしている。したがって、この場合処理Aがファ
イルへアクセスし、次いでファイルからの応答があるこ
とが信号線XおよびYにより解る。同様に処理Bは信号
線Zおよび信号線Wに見られるように、処理Bがファイ
ルへアクセスし、次いでそのファイルからの応答が得ら
れることがわかる。この場合、処理Aと処理Bとがファ
イルへアクセスする場合、処理Aが先にアクセスし、次
いで処理Bがファイルへアクセスすることがわかる。し
かしながら、このファイルから処理Aへのアクセスと処
理Bからファイルへのアクセス(信号線Yおよび信号線
Zによりそれぞれ示される)が並列に行なわれるのか時
間的に前後して行なわれるのかを判別することが困難で
ある。この場合、信号線Yによる動作が行なわれた後
に、信号線Zに示すアクセスが行なわれることを明確に
示すのが好ましい。このための構成を第31図に示すフロ
ー図に従って説明する。
まず、仕様記述において用いられた機能ブロック図、
シーケンスチャートおよび表操作図等から構造体データ
へのアクセスの系列を抽出する(ステップS20)。この
構造体データは前述のごとく、アトム、関係データおよ
び包含データの各構造体データを含んでいる。この構造
体データはそれぞれデータセットIDによりその識別が可
能であり、かつアークIDを用いることにより、そのアク
セスの系列を抽出することができる。
次いで、仕様記述において用いられた機能ブロック図
および表操作図から構造体データアクセスのロック範囲
を抽出する(ステップS21)。実行装置EXは、コンスト
ラクト情報から実行可能なプログラムを形成する場合、
所望の情報を入出力するためのファイル処理部を有して
いる。この実行装置EXに含まれるファイル処理部は、管
理テーブルを用いてファイルの管理を行なう。このファ
イル処理部が管理するファイルの属性としては前述のご
とくテンポラリファイルおよびパーマネントファイルの
2種類がある。このファイル処理部が管理するファイル
はファイルIDにより識別される。すなわち、このファイ
ルIDによりデータ構造および属性等ファイルに関する情
報を識別する。ファイルを使用する動作はプリミティブ
により表現される。この構造体データ処理においては、
好ましくは関係データベースモデルのプリミティブが用
いられる。すなわち、この実行装置EXに含まれるファイ
ル処理部は、関係演算プリミティブを実行する。この場
合ファイルへ複数の処理がアクセスすることを防止する
ためにロック機能が必要とされる。このロック機能のロ
ック制御は、ロック制御を行なうプリミティブにより実
現される。このロック制御を行なうプリミティブに対し
ては、実行形式情報中においてはロックIDが設定され
る。この実行装置EXに含まれるファイル処理部において
は、ファイル管理装置UFのデータ構造操作命令(データ
の読出し/書込み,挿入,追加,削除,要素数/サイズ
の獲得,データの位置の獲得等の命令)を用いて構造体
データを可変長配列として扱って操作する。この可変長
配列の要素を単位としてロックの制御を行なう。すなわ
ち、配列の各要素の先頭に、ロックIDのフィールドと環
境IDのフィールド(併せて制御フィールドと呼ぶ)が設
けられる。ロックするときにはこの制御フィールドに情
報を設定し、ロック解除時には制御フィールドの情報が
クリアされる。同一のロックIDを有していても、実行環
境が異なれば区別する必要があるため、環境IDが設けら
れる。この場合、構造体データを識別するデータセット
IDによりコンストラクト情報をたどることにより、アク
セス系列に関する情報、アクセス範囲の情報およびアク
セスの種類等の情報が抽出される。この構造体データが
プリミティブ(ノード)でアクセスする範囲を抽出する
ことによりロック範囲が抽出される。これにより、構造
体データのロックを必要とするファイルのアクセス範囲
を抽出することができる。
次にこのステップS20およびS21で獲得された構造体デ
ータのアクセス系列およびロック範囲に従って、実行装
置の変換系において、コンストラクト情報から実行可能
なプログラムを形成する際、この実行可能なプログラム
の、構造体データへのアクセスを行なうノードにロック
制御情報を設定する。これにより、処理Aがファイルへ
アクセスするときにファイルがロックされ、続いて処理
Bがファイルをロックしてアクセスするということがな
くなり、信号線Yが実行された後に信号線Zで示される
処理Bからのファイルへのアクセスが実行されるという
シーケンスを実現するプログラムを得られる。すなわ
ち、処理Aがファイルへアクセスする場合には、このフ
ァイルはロックされ、処理Bはアクセスすることができ
ず、処理Aの処理が終了したときにファイルがアンロッ
ク状態とされ、続いて処理Bがアクセスする。このよう
に、仕様記述情報から構造体データアクセス系列のよう
な時間情報を抽出し、この抽出された時間情報に従って
順序性の保証されたプログラムが生成される。
ある構造体データが実際の実行可能プログラムとして
実現される際どのように解釈されるかを意識せずに利用
者が仕様記述を行なうのが望ましい。このような方法に
ついて第32図を参照して説明する。
第32図においてまずアークに対するデータの定義が解
釈される(ステップS25)。これはアークIDを検出する
ことにより行なわれ、かつこのアークに付されたデータ
の定義はデータセットIDを見ることにより解釈される。
このデータセットIDを見ることによりこのアークのデー
タが構造体データであるか否かの判定を行なう(ステッ
プS26)。構造体データであると判定された場合、この
コンストラクト情報から実行可能プログラムへ変換する
際の、実行可能プログラムのアークに対するデータの定
義は、構造体データのポインタと設定する。すなわち、
構造体データの実体(そのもの)であると定義されるの
ではなく、この構造体データのアドレスを示すポインタ
であると定義される。
一方、ステップS26において構造体データではないと
判定された場合、すなわちアトムであると判定された場
合には、このアトムは何ら構造を有しないため、実行可
能プログラムにおけるアークに対するデータの定義は単
純データであると設定する。この場合、アトムそのもの
が定義される。
上述のように、実行可能プログラムにおいてアークす
なわちデータ接続関係におけるデータの定義をポインタ
または単純データとして設定した場合、仕様記述時のお
いてはパーマネントファイルからファイルがテンポラリ
ファイルへ読出され、このテンポラリファイルとして読
出されたファイルが表示装置DP上に表示されているた
め、利用者にとっては実際に構造体データが表わすファ
イルが生じていると認識することができる。しかしなが
ら、実際のプログラムレベルにおいては、テンポラリフ
ァイルにおいてこの表示されたファイルが格納されてい
る位置を示すポインタがこのファイルに対して流れてい
るだけである。
このような構成を取れば、構造体データはそのアドレ
スにより指定されるため、仕様記述時においては、実行
可能プログラムにおけるこの構造体データの解釈を意識
することなく仕様記述を行なうことができる。
さらに、実行可能プログラムにおいては構造体データ
はその高速処理のためにはできる限り並列にアクセスさ
れる方が望ましい。この場合、利用者が仕様記述を行な
う場合、実行可能プログラムレベルにおいて構造体デー
タへのアクセスをできる限り並列に行なうようにするこ
とを意図した仕様記述を行なうよりは、単純に構造体デ
ータへのアクセスが「どのように発生するか」を仕様と
して記述する方が、仕様記述の点からは好ましい。この
ような構造体データができる限り並列にアクセスされる
ようなプログラムの生成方法について第33図を参照して
説明する。
今処理Aと処理Bが同一のファイルを処理対象とした
場合を考える。この処理Aと処理Bは並列に実行するこ
とができ、その時間順序は特に定義されないものとす
る。この場合、実行可能プログラムレベルで構造体デー
タアクセスができる限り並列に行なわれるように仕様記
述を行なうよりは、このようなことを意図せず、単に構
造体データアクセスが「どのように」発生するかを仕様
として記述し、コンストラクト情報から実行可能プログ
ラムへの変換時にこれを解析し、構造体データができる
限り並列にアクセスされるようなプログラムを生成する
方が利用者にとっては好ましい。
処理Aと処理Bに関して、ステップS40において所望
の情報を抽出する。すなわち、ステップS40において
は、機能ブロック図、表操作図から得られた構造体デー
タ情報をもとにし、構造体データアクセスのロック範囲
を抽出する。このロック範囲の抽出は、アークIDおよび
データセットIDをたどることにより抽出可能であり、ま
た構造体データの判定は、データセットIDを抽出するこ
とにより行なうことができる。
今、この抽出されたロック範囲が静的すなわちプログ
ラム実行前またはプログラム生成時に一定に決定されて
いるか否かを見る(ステップS41)。すなわち、そのロ
ック範囲が変動するようなロックがなく、そのロック範
囲は常に静的かつ固定的に定められているか否かを見
る。これは、モジュールの処理内容を見ることにより決
定することができる。
ステップS41においてロック範囲は静的に決定されて
いると判断された場合を考える。この場合、次いで処理
Aと処理Bの構造体データへのアクセスのロック範囲に
重複があるか否かの判別が行なわれる。これは、構造体
データのロック範囲を比較することにより実行される
(ステップS42)。
ロック範囲に重複がないと判断された場合、この処理
Aと処理Bはファイルに対し並列にアクセスすることが
できる。したがって、この構造体データをロック範囲に
従って分割するように実行可能なプログラムに設定する
(ステップS44)。すなわち実行可能なプログラムにお
いて、この処理Aと処理Bとが並列にアクセス可能なよ
うにノードを形成する。
ここでノードの形成は、コンストラクト情報はデータ
駆動型の処理モデルを参照して形成されているため、ノ
ード情報とモジュール情報とが対応しており、各ノード
をそれぞれの処理が並列となるように設定することによ
り実現される。
ロック範囲に重複があると判断された場合、この場
合、処理Aと処理Bのロック範囲は静的に決定されてお
り、かつそのロック範囲が重複しているため、並列に構
造体データがアクセスされるプログラムの生成を断念
し、構造体データの分割は行なわず、そのままコンスト
ラクト情報に従って実行可能なプログラムに設定する
(ステップS46)。
一方、ステップS41においてロック範囲が動的に決定
されていると判断された場合を考える。この動的に決定
されている場合、その処理Aと処理Bのロック範囲は個
々にある処理に従って変動可能である。この場合、この
処理Aおよび処理Bのそれぞれのロック範囲が同一の
「キー(検索項目)」に依存するか否かの判定が行なわ
れる。これは、各アークIDおよびデータセットIDに示さ
れている情報(たとえば項目データ:関係データの場
合)およびモジュールの処理内容を見ることにより判別
される(ステップS43)。
このステップS43において、同一のキーに依存すると
判定された場合、この処理Aおよび処理Bは同時にアク
セスすることができず、その情況に応じてアクセスを動
的に切換える必要がある。したがって、動的にロック制
御を行なうように、実行可能なプログラムに各処理Aお
よび処理Bに関する情報を設定する(ステップS45)。
この動的なロック制御により、処理Aおよび処理Bが所
定の順序に従って順次または交互に実行される。
ステップS43において、ロック範囲は異なるキーに依
存していると判断された場合、この場合、処理Aと処理
Bはそれぞれの「キー」が異なるため、動的なロック制
御ができない。したがって、この場合、処理Aおよび処
理Bの構造体データ全体をロック範囲とするように、実
行可能なプログラムに設定する(ステップS47)。これ
により、1つのファイルを複数の処理が並列にアクセス
することができる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、1つの仕様定義情
報(1つの機能)を複数の表現形式を用いて記述可能と
したので、ソフトウェアシステムを多面的に定義するこ
とができ、高品質のソフトウェアシステムを構築するこ
とができる。
また、この仕様定義情報からプログラムの構造情報
(コンストラクト情報)を生成することができるので、
この構造情報を用いて実行可能プログラムを生成し、実
行することができ、生成されたソフトウェアシステムの
任意の機能単位のシミュレーションおよび検証を行なう
ことが可能となる。
さらに、1つの仕様定義が複数の表現形式相互で対応
的に変換可能としたので、1つの側面で記述された仕様
内容を他側面から把握し直すことができ、完成度の高い
ソフトウェアシステムを生成することができる。
また、仕様記述情報から構造体データを抽出し、その
アクセス範囲およびロック範囲に関する情報を抽出する
ことにより、構造体データの順序性または並列性が保存
された処理を、利用者が実行可能プログラムレベルでの
解釈を意識することなく、構造体データアクセスの発生
態様を仕様と記述することが可能となり、操作性に優れ
たプログラム開発装置が得らる。
以上のようにこの発明によれば利用者にとって了解性
および記述性に優れたソフトウェアシステム開発環境を
提出することのできるプログラム開発装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例であるプログラム開発装置
の全体の構成を概略的に示す図である。第2図はこの発
明において用いられる仕様記述表現形式の1つである機
能ブロック図を例示する図である。第3図はこの発明に
おいて利用可能な仕様記述表現形式のつであるシーケン
スチャートを例示する図である。第4図はこの発明にお
いて用いられる仕様記述表現形式の1つである関係表を
例示する図である。第5図はこの発明において利用可能
な仕様記述表現形式の1つである決定表を例示する図で
ある。第6図はこの発明において利用可能な仕様記述表
現形式の1つであるデータブロック図を例示する図であ
る。第7図はこの発明において利用可能な仕様記述表現
形式の1つである表操作図を例示する図である。第8図
は複数の表現形式を用いて仕様記述を行なった際の「引
用」および「対応づけ」操作を例示する図である。第9
図はこの発明の一実施例であるプログラム開発装置にお
いて生成された仕様記述情報の構成の一例を示す図であ
る。第10図はこの発明によるプログラム開発装置におい
て用いられる仕様記述情報の構成を一覧にして示す図で
ある。第11図は仕様記述情報に含まれる順序線情報の構
成を示す図である。第12図は第10図に示す信号線情報の
構成を示す図である。第13図は第10図に示す関係データ
の構成を示す図である。第14図は第10図に示す包含デー
タの構成を示す図である。第15図は第10図に示すアトム
の構成を示す図である。第16図はこの発明によるプログ
ラム開発装置における相互変換装置の動作を示すフロー
図である。第17A図および第17B図は仕様記述表現手段で
ある図形エディタと相互変換装置との間のデータ送受シ
ーケンスを例示する図である。第18図は複数の図的表現
形式の組合わせからコンストラクト情報を生成する態様
を例示する図である。第19図は複数の図的表現形式の組
合わせからコンストラクト情報を生成する他の態様を例
示する図である。第20図は相互変換装置において実行さ
れる機能ブロック図とシーケンスチャートの相互変換態
様を例示する図である。第21図は、シーケンスチャート
と機能ブロック図との相互変換機能を利用して、シーケ
ンス仕様情報の階層記述における下位階層の情報を生成
する態様の一例を例示する図である。第22図は相互変換
機能を利用して仕様記述の階層記述における下位階層の
情報を生成する他の態様を例示する図である。第23図
は、この発明によるプログラム開発装置におけるプロト
タイピング実行動作を示すシーケンスチャート図であ
る。第24図はこの発明のプログラム開発装置における部
品参照動作を示すシーケンスチャート図である。第25図
ないし第29図はこの発明によるプログラム開発装置を用
いた仕様記述の一具体例を例示する図である。第30図は
この発明によるプログラム開発装置を用いて順序性を保
存された構造データアクセスを生成する態様を例示する
シーケンスチャート図である。第31図はこの発明による
プログラム開発装置により実現される順序性が保存され
た構造体データアクセスを実現するためのプログラムを
生成する際の処理プログラムを示すフロー図である。第
32図はこの発明のプログラム開発装置において実現され
るプログラム生成時の仕様定義情報から実行可能プログ
ラムへの変換処理動作を説明するフロー図である。第33
図はこの発明によるプログラム開発装置において構造体
データアクセスの並列性を保存するプログラムを生成す
る際の処理動作を示すフロー図である。 図において、1は本体装置、IOは入出力装置、CVは相互
変換装置、EXは実行装置、CPは部品管理装置、UFは統合
ファイル管理装置、E,E1〜Enは図形エディタ、DPは表示
装置である。 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 999999999 松下電器産業株式会社 大阪府門真市大字門真1006番地 (72)発明者 寺田 浩詔 大阪府吹田市山田西3丁目52番地 千里 一条池B―803 (72)発明者 西川 博昭 大阪府吹田市江坂町1丁目12番55―1002 号 (72)発明者 西川 洋一郎 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 原 秀次 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 稲岡 美恵 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社産業システム研究所内 (72)発明者 山崎 哲男 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社産業システム研究所内 (72)発明者 嶋 憲司 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社産業システム研究所内 (72)発明者 芳田 真一 奈良県天理市櫟本町2613番地の1 シャ ープ株式会社IC事業本部IC技術セン ター内 (72)発明者 日根 俊治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−228229(JP,A) 特開 昭63−265329(JP,A) 特開 昭60−159939(JP,A) 特開 昭58−169244(JP,A) 特開 昭58−115575(JP,A) 日経コンピュータ 1989.2.13(N o.193)日経BP社 P.66〜84 日経コンピュータ 1987.11.23(N o.161)日経BP社 P.54〜74

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】利用者が目的ソフトウェアに対して与える
    仕様定義情報から実行可能なプログラムの構造に関する
    情報を獲得するプログラム開発装置において、利用者が
    仕様定義情報を入力して仕様を図的に記述するための互
    いに異なる図的表現形式を有する複数の仕様定義表現手
    段と、前記複数の仕様定義表現手段により表現された仕
    様定義情報から実行可能プログラムの構造を抽出する手
    段とを設け、1つの図的表現形式で表現された仕様定義
    情報は別の図的表現形式の仕様定義情報と相互に交換可
    能とし、かつ1つの仕様定義情報を異なる図的表現形式
    で表現可能としたことを特徴とする、プログラム開発装
    置。
  2. 【請求項2】前記複数の仕様定義表現手段の1つの仕様
    定義表現手段により表現された仕様定義情報を受け、前
    記1つの仕様定義表現手段の表現形式と異なる他の図的
    表現形式による前記仕様定義情報の表現が可能か否かを
    判定し、この判定により他の図的表現形式による表現が
    可能と判定したときには、前記他の図的表現形式に対応
    する仕様定義表現手段が起動されたとき、該起動された
    仕様定義表現手段による図的表現形式に前記1つの仕様
    定義表現手段により表現された仕様定義情報を変換して
    提示する相互変換手段をさらに備える、請求項1記載の
    プログラム開発装置。
  3. 【請求項3】前記複数の仕様定義表現手段のうちの1つ
    の仕様定義表現手段により表現された仕様定義情報を受
    け、他の仕様定義表現手段による前記仕様定義情報の表
    現が可能か否かを判定し、該判定結果に基づいて、他の
    仕様定義表現手段による表現が可能と判定した場合に
    は、前記受けた仕様定義情報を他の仕様定義表現手段の
    表現形式に変換して表示装置の画面に表示する相互変換
    手段をさらに備える、請求項1記載のプログラム開発装
    置。
  4. 【請求項4】利用者が目的ソフトウェアに対して与える
    仕様定義情報から実行可能なプログラムの構造を抽出
    し、該抽出されたプログラム構造情報から実行可能なプ
    ログラムを生成して実行するプログラム開発装置におい
    て、 利用者が与えた仕様定義情報から構造体データを抽出
    し、該抽出された構造体データおよび前記仕様定義情報
    に含まれる前記抽出された構造体データへの操作を示す
    接続情報から前記抽出された構造体データへの操作のア
    クセス順序を示すアクセス系列および前記抽出された構
    造体データのある操作の実行時他の操作によるアクセス
    を禁止する範囲を示すロック範囲を抽出する手段と、前
    記抽出手段により抽出された構造体データへのアクセス
    系列情報とロック範囲情報とに従って、実行可能プログ
    ラム生成時において前記構造体データへのアクセスを行
    なう演算操作に対応するノードに前記ノードの操作の前
    記構造体データへのアクセス時のロックを制御するため
    のロック制御情報を設定する手段とを設けたことを特徴
    とする、プログラム開発装置。
  5. 【請求項5】利用者が目的ソフトウェアに対して与える
    仕様定義情報から実行可能なプログラムの構造を抽出
    し、該抽出されたプログラム構造情報から実行可能なプ
    ログラムを生成して実行するプログラム開発装置におい
    て、 利用者が与えた仕様定義情報から構造体データを抽出
    し、該抽出された構造体データの実行可能プログラムへ
    の変換時においてデータの型を示す情報として、前記構
    造体データへのポインタを設定するプログラム生成手段
    を設けたことを特徴とする、プログラム開発装置。
  6. 【請求項6】利用者が目的ソフトウェアに対して与える
    仕様定義情報から実行可能なプログラムの構造を抽出
    し、該抽出されたプログラム構造情報から実行可能なプ
    ログラムを生成して実行するプログラム開発装置におい
    て、 前記利用者が与えた仕様定義情報から構造体データを抽
    出し、該抽出された構造体データへのある操作によるア
    クセス時、該操作と異なる操作のアクセスを禁止する前
    記構造体データの領域を示すロック範囲を抽出する手段
    と、該抽出手段により抽出されたロック範囲が複数存在
    し、かつこれらの範囲に重複する範囲が存在するか否か
    およびこのロック範囲が静的に決定されているかを前記
    仕様定義情報に基づいて判断する手段と、該判断手段か
    らの判断結果に従って、前記抽出されたロック範囲が静
    的に決定されかつロック範囲の重複範囲が不存在の場合
    には、前記構造体データを個々のロック範囲に応じて分
    割して各分割された構造体データ毎にロック情報を付加
    し、一方、前記ロック範囲が前記構造体データへの操作
    時に決定されてこのロック範囲を固定的に決定できず動
    的に決定され、かつさらにこの構造体データのこれらの
    ロック範囲の個々の検索のためのキー情報が同一のキー
    情報に依存しているか否かをさらに判定し、これらのロ
    ック範囲が動的に決定されかつ個々のロック範囲が同じ
    キー情報により検索される場合には、前記構造体データ
    の操作時におけるアクセス範囲のロックの制御を各操作
    に応じて動的に行なうようにロック制御情報を付加して
    実行可能プログラムを生成する手段とを設けたことを特
    徴とする、プログラム開発装置。
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