JP3115525B2 - バッチ式稀釈装置 - Google Patents

バッチ式稀釈装置

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JP3115525B2 JP08083953A JP8395396A JP3115525B2 JP 3115525 B2 JP3115525 B2 JP 3115525B2 JP 08083953 A JP08083953 A JP 08083953A JP 8395396 A JP8395396 A JP 8395396A JP 3115525 B2 JP3115525 B2 JP 3115525B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えば紙を染める
ため、染料を稀釈して利用するが、そのように比較的小
量の原液を例えば200〜500倍の大きな稀釈倍率で
稀釈するのに適するバッチ式稀釈装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前述した紙の染色工場においては、例え
ば1〜10リットルの染料を1000リットルに稀釈す
ることを行っている。このように稀釈倍率が大きいた
め、稀釈前の染料を精度よく計量しないと、染色後の紙
の染色濃度から所望値からずれてしまう。従来において
は、染料を容器に入れ、その全体の重量をロードセルを
用いて測定し、その測定値が設定値になった時、その容
器内の染料を稀釈槽に入れて稀釈していた。
【0003】しかし、1〜10リットル程度の染料の重
量は小さいため、これをロードセルで精度よく測定する
ことは困難であった。また定量ポンプで設定した量を供
給することも行われているが、これは供給される染料の
量を直接計量するものでなく、必ずしも精度よく設定し
た量だけ染料を供給することはできなかった。このよう
な点から従来において、高い精度の稀釈倍率を得るため
には、人手でメスシリンダにより染料をいちいち測定し
て所望の容量の染料を用いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は高い
稀釈倍率でも精度よく稀釈することができ、しかも人手
を介することなく自動的に行うことができるバッチ式稀
釈装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、原液
供給手段により原液を測定筒内へ供給でき、測定筒内の
原液の液面を液面センサで測定でき、測定筒内の原液を
稀釈槽へ排出手段で排出でき、稀釈液を第1稀釈液供給
手段で測定筒を通して稀釈槽へ供給でき、また第2稀釈
液供給手段により稀釈液を直接稀釈槽へ供給することが
でき、稀釈槽の液面を液面計で測定することができ、制
御手段により、上記各種手段を制御して、原液を測定筒
へ供給し、その液面が設定値になると原液の供給を停止
し、測定筒内の原液を稀釈槽へ排出し、その後、稀釈液
を測定筒を通じ、また直接稀釈槽へ供給し、稀釈槽内液
量が設定値と対応した値になると停止するようにされて
いる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1にこの発明の実施例を示す。
稀釈槽11にはパイプ12、13を通じて稀釈液が供給
可能とされ、パイプ12には稀釈液計量弁14が設けら
れ、パイプ12を流れる稀釈液の供給、停止を制御可能
とされ、パイプ13には手動調節弁15が設けられ、パ
イプ13を流れる稀釈液の流量を手動設定することがで
きる。稀釈槽11内の稀釈された液16の液面を液面計
17で測定することができ、また稀釈槽11内の稀釈
れた液16を撹拌機18で撹拌することができる。
【0007】稀釈槽11の上側に測定筒21がその軸心
を上下方向として設けられ、原液タンク22からの原液
23がパイプ24を通じて測定筒21にその下部より供
給することができる。パイプ24には原液23を測定筒
21へ供給するためのポンプ25が設けられ、また、パ
イプ24内の原液の流れを停止したり、流れを許したり
制御することができる原液計量弁26がパイプ24に設
けられ、更にパイプ24の原液流量を手動調節すること
ができる原液流量調節手動弁27に設けられている。
【0008】測定筒21内の原液23の液面を測定する
液面センサ28が設けられている。測定筒21の下端に
連通した排出パイプ29を通して測定筒21内の原液2
3を稀釈槽11内へ排出することができ、その排出、停
止をする排出弁31が設けられている。パイプ12、1
3の連結点にパイプ32が分岐され、パイプ32は更に
パイプ33、34に分岐され、パイプ33、34は測定
筒21の上端部内及び下端部内にそれぞれ連通されてい
る。パイプ32に洗浄液調節手動弁35、パイプ32内
の洗浄液の流れを停止制御する洗浄弁36が設けられ
る。パイプ33にパイプ37が連結され、パイプ37に
は乾燥空気が供給され、その流量を調節可能な手動弁3
8、乾燥空気の供給停止を制御する乾燥弁39が設けら
れている。
【0009】制御器41に液面計17の測定出力、液面
センサ28の測定出力が入力され、また制御器41は弁
14、26、31、36、39の開閉を制御でき、ポン
プ25の駆動停止制御を行うことができる。稀釈液計量
弁14は制御器41の設定により流量計42を介して稀
釈液流量、稀釈供給停止を制御可能とされている。制御
器41には原液量設定入力手段が設けられ、これは例え
ばポテンショメータであって、その操作軸の回動角で例
えば2〜7リットルの範囲の値を設定入力することがで
きる。更に稀釈倍率として稀釈された液量1000リッ
トルに溶解する原液(染料)の量をデジスイッチで制御
器41に設定するようにされている。設定された原液量
Vsと対応した液面レベルL2をVs=2πr2 L2+
A(rは測定筒21の内面半径、Aは機器ごとに一定の
定数)を計算し、また稀釈倍率D1を設定入力値Vs
ら求め(D1=(1000−Vs)/Vs)、D1と
定された原液量Vを乗算して、必要とする稀釈量V0
を演算する(V 0 =V×D1)。これらの演算や、各
弁、ポンプなどの制御は、プログラムの解読実行により
行うようにされている。
【0010】制御器41の起動部が制御されると、制御
器41は以下のように制御する。測定筒21内の乾燥工
程が完了していれば、稀釈槽11の液面がL0で内部の
液がない状態となっており、原液計量弁26、洗浄弁3
6、乾燥弁39は全て閉となっており、この状態から排
出弁31を閉め、原液計量弁26を開き、かつ原液ポン
プ25を駆動して、原液23を測定筒21へ供給する。
【0011】測定筒21の液面が制御器41に設定され
た原液量Vsと対応する高さhを示す液面L2になる
と、ポンプ25を停止し、原液計量弁26を閉じる。原
液計量弁26に対し閉信号を発生してから所定時間T
1、例えば30秒後に、所定時間T2、例えば200ミ
リ秒ごとに所定回数、例えば10回、液面センサ28の
液測定レベルH2にもとづき、測定筒21内の原液量V
を2πr2 H2+Aにより、それぞれ演算し、その10
回の原液量Vの平均値を原液量とする。この原液量に対
し、設定された稀釈倍率D1を乗算して稀釈液量V0
求める。
【0012】稀釈槽11の液面レベルがL0で、空の状
態であれば稀釈計算弁14を開く。稀釈液が稀釈槽11
へ供給され、稀釈槽11の液面が上昇し、レベルL1
(例えば所望の稀釈液量V0 の30%程度と対応)にな
ると、稀釈液計量弁14を一旦閉じ、同時に排出弁31
を開く。この開信号の発生後、所定時間T3、例えば9
0秒経過すると、稀釈液計量弁14及び洗浄弁36を開
く。これにより稀釈液は測定筒21内へも供給され、測
定筒21内を通り稀釈槽11へ供給され、測定筒21内
の洗浄が行われる。
【0013】流量計42は例えば稀釈液が1リットル流
れるごとに1パルスを発生し、このパルスを制御器41
で計数し、これが演算した稀釈量V0 と対応した値にな
ると、稀釈液計量弁14、洗浄弁36を同時に閉じ、乾
燥弁39を所定時間、例えば120秒だけ開く。これに
より乾燥空気が測定筒21内へ送られ、液体が完全に除
去される。なお排出弁31を開とした時に攪拌機18を
駆動し、稀釈水の供給完了後、所定時間、例えば120
秒後に、攪拌機18を停止して稀釈を完了とする。
【0014】なお、原液の液面がL2となった後の液面
上昇量をΔL=H2−L2を毎回求め、設定入力液量V
sに測定液量Vがなるべく近くなるように、レベルL2
の値を変更するとよい。そして測定原液量Vが設定原液
量Vsに近づく程、稀釈槽11に得られる稀釈された液
の量は1000リットルに近い値になり、つまり常に一
定の量が得られる。
【0015】液面センサ28としては超音波レベル計が
好ましい。この超音波レベル計は測定液に触れることな
く測定できるため、原液により腐食されるおそれがな
く、機械的可動部がなく、摩耗部がなく保守の必要がほ
とんどない、原液の比重、粘度、誘電率、導電率などの
特性に影響されない、測定筒21の長さ、径の変更に応
じて測定レンジの変更ができ、弁のON−OFF動作遅
れ、容積測定の応答遅れによる誤差を補正できる。
【0016】上述においては稀釈槽11内の液量として
流量計42により求めたが、液面計17により求めても
よい。また稀釈槽11内の液量が設定値と対応した値、
つまり測定原液量Vと、設定稀釈倍率とにより求めた値
になると稀釈液の供給を停止する。測定筒21内の液面
の測定は超音波センサに限らず他のセンサ、例えば隔膜
式圧力検出器を用いてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば原液
の容積を自動的に計量して稀釈を行っており、高い精度
の稀釈倍率で稀釈を行うことができ、しかも全自動的に
行うことができる。特に測定筒21内の原液の計量を設
定したレベルになった後、その原液面をレベルセンサで
測定して求めることにより正確に求めることができる。
【0018】また稀釈液で測定筒21内の洗浄を稀釈槽
11への稀釈液の供給と同時に行っており、つまり稀釈
液の稀釈槽11への供給により測定筒21が自動的に洗
浄される。よって原液が測定筒21内に残り、乾燥固着
することが繰り返されると原液量の測定に誤差が生じる
が、この発明によればそのような誤りは生じない。また
原液は、測定筒21内に付着することなく、つまり残ら
ずに稀釈液と共に稀釈槽11へ供給され、その点からも
精度の高い稀釈倍率となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すブロック図。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原液と稀釈液とを稀釈槽へ供給してほぼ
    所定の量の稀釈された液を得るバッチ式稀釈装置におい
    て、上記原液の量を設定値V S に設定する手段と、 測定筒と、 その測定筒内に原液を供給する原液供給手段と、 上記測定筒内の原液の液面レベルを測定する液面センサ
    と、 上記測定筒内の原液を上記稀釈槽へ排出する排出手段
    と、 上記稀釈液を上記測定筒へ供給する第1稀釈液供給手段
    と、 上記稀釈液を上記稀釈槽へ供給する第2稀釈液供給手段
    と、 上記稀釈槽内に供給される上記稀釈液の液量V 0 を測
    定する液量測定手段と、 上記原液供給手段による原液の供給を行わせ、上記液面
    センサの測定値により算出される上記原液の量Vが、上
    記設定値V S になると上記原液の供給を停止し、上記排
    出手段により上記測定筒内の原液を上記稀釈槽へ排出さ
    せ、上記第1、第2稀釈液供給手段により、上記測定筒
    を通して、またこれを通じることなく、稀釈液を上記稀
    釈槽へ供給し、上記液量測定手段の測定液量 0 ’が上
    記測定された原液量Vと対応した値V 0 になると上記稀
    釈液の供給を停止する制御手段とを具備することを特徴
    とするバッチ式稀釈装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記測定筒への原液の
    供給を停止後、所定時間経過した時の、上記液面センサ
    の測定値レベルH 2 から上記測定筒内の原液の量を算
    出する手段と、その算出された原液の量Vと、上記設定
    値V S から算出された稀釈倍率とから上記稀釈槽へ供給
    する上記稀釈液の量 0 を算出し、この値を上記設定値
    S と対応した値 0 とする手段を含むことを特徴とす
    る請求項1記載のバッチ式稀釈装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段は、上記設定値V S により
    決まる上記測定筒の設定値レベルL 2 と、上記原液の上
    記稀釈槽への供給が終わってから所定の時間経過後の上
    記液面センサの測定値レベルH 2 との差から、上記測定
    された原液量Vが上記設定値V S に近づくように、上記
    測定筒の設定レベルL 2 を修正する手段を含むことを特
    徴とする請求項2記載のバッチ式稀釈装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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