JP3115402U - 弾性体 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗菌及び脱臭作用を有する弾性体を提供する。
【解決手段】弾性体において、弾性を有する素材に、酸化亜鉛と酸化チタンと酸化アルミニウムと飽和共重合ポリエステル樹脂と二酸化珪素の複塩を付着させる。特に、前記弾性を有する素材として、発泡材料を用い、発泡後の内部表面に前記複塩を付着させる。また、前記弾性を有する素材として、繊維材料を用い、各繊維の表面に前記複塩を付着させる。
【選択図】図2
【解決手段】弾性体において、弾性を有する素材に、酸化亜鉛と酸化チタンと酸化アルミニウムと飽和共重合ポリエステル樹脂と二酸化珪素の複塩を付着させる。特に、前記弾性を有する素材として、発泡材料を用い、発泡後の内部表面に前記複塩を付着させる。また、前記弾性を有する素材として、繊維材料を用い、各繊維の表面に前記複塩を付着させる。
【選択図】図2
Description
本考案は、マットレスや枕などの弾性を有する素材からなる弾性体に関するものである。
従来より、マットレスや枕などの寝具、シート内部や被服内部のクッション材として、弾性を有する素材からなる弾性体が広く使用されている。
この弾性体は、ウレタンやラテックスなどの発泡材料やココナッツファイバーやポリエステルファイバーなどの繊維材料を素材として使用している。
ところが、これら従来の弾性体の素材として使用されているウレタン、ラテックス、ココナッツファイバー、ポリエステルファイバーなどの素材には、素材特有の刺激臭を発散するために、寝具やクッション材などの使用者に不快感を与えてしまうおそれがあった。
そのため、従来においては、たとえば特許文献1に開示されているように、弾性体に酸化チタンを含有させて、酸化チタンの光触媒作用を利用して弾性体の素材自体が有する悪臭を消臭するようにしていた。
特開2004−204393号公報
ところが、従来の弾性体では、酸化チタンを含有させて、酸化チタンの光触媒作用を利用して弾性体の素材から発散する悪臭を消臭するようにしていたために、弾性体に含有させた酸化チタンに紫外線が照射されなければ、酸化チタンが有する光触媒作用を発揮されなかった。
特に、酸化チタンを単に素材に添加するだけでは、酸化チタンによって素材自体が分解されてしまうため、市場の商品としては成立し得ないものであった。
そのため、弾性体を紫外線が照射されにくい環境で使用する場合、たとえば、布カバーで被覆した寝具や革製シートで被服したクッション材においては、消臭効果が得られないおそれがあった。
そこで、請求項1に係る本考案では、弾性体において、弾性を有する素材に、酸化亜鉛と酸化チタンと酸化アルミニウムと飽和共重合ポリエステル樹脂と二酸化珪素の複塩を付着させることにした。
また、請求項2に係る本考案では、前記請求項1に係る本考案において、前記弾性を有する素材として、発泡材料を用い、発泡後の内部表面に前記複塩を付着させることにした。
また、請求項3に係る本考案では、前記請求項1に係る本考案において、前記弾性を有する素材として、繊維材料を用い、各繊維の表面に前記複塩を付着させることにした。
また、請求項4に係る本考案では、前記請求項1に係る本考案において、前記弾性を有する素材として繊維材料を用いて成型した第1の弾性シートと、前記弾性を有する素材として発泡材料を用いて成型した第2及び第3の弾性シートとを用い、第1の弾性シートの表面及び裏面に第2及び第3の弾性シートを重合することにした。
また、請求項5に係る本考案では、前記請求項4に係る本考案において、前記第2の弾性シートと前記第3の弾性シートの厚みを異ならせることにした。
そして、本考案では、以下に記載する効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る本考案では、弾性体において、弾性を有する素材に、酸化亜鉛と酸化チタンと酸化アルミニウムと飽和共重合ポリエステル樹脂と二酸化珪素の複塩を付着させることにしているために、複塩の作用によって紫外線が照射されない環境下でも弾性体の消臭や殺菌を行うことができ、布カバーで被覆した寝具や革製シートで被服したクッション材などのように弾性体を紫外線が照射されにくい環境で使用することができる。
また、請求項2に係る本考案では、弾性を有する素材として、発泡材料を用い、発泡後の内部表面に複塩を付着させているために、複塩の付着面積を増大させることができ、複塩による消臭効果や殺菌効果を増大させることができる。
また、請求項3に係る本考案では、弾性を有する素材として、繊維材料を用い、各繊維の表面に複塩を付着させているために、複塩の付着面積を増大させることができ、複塩による消臭効果や殺菌効果を増大させることができる。
また、請求項4に係る本考案では、弾性を有する素材として繊維材料を用いて成型した第1の弾性シートと、弾性を有する素材として発泡材料を用いて成型した第2及び第3の弾性シートとを用い、第1の弾性シートの表面及び裏面に第2及び第3の弾性シートを重合することにしているために、弾性を有する素材として繊維材料だけを用いた場合よりも弾性体の強度を増大させることができ、弾性体の長寿命化を図ることができる。
また、請求項5に係る本考案では、第1の弾性シートの表裏に重合させた第2の弾性シートと第3の弾性シートの厚みを異ならせているために、弾性体の表側と裏側とで弾性を異ならせることができ、1個の弾性体で2種類の弾性を選択することができるので、弾性体の使い勝手を向上させることができる。
以下に、本考案に係る弾性体の具体的な構造について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本考案に係る弾性体1は、ベッド2に載置されるマットレス3に適用することができる。なお、本考案に係る弾性体1は、マットレス3に限られず、枕や布団などの寝具に用いられるクッション材や、ソファーや車用の座席や被服などに用いられるクッション材や、不織布などにも適用できるものである。
ここで、マットレス3は、矩形板状の弾性体1を布製のカバー4で被覆している。
そして、弾性体1は、以下のようにして製造される。
すなわち、原料となるウレタン又はラテックスなどの発泡材料を加熱溶融させた状態で型枠内に流し込み、原料が溶融している状態で、酸化亜鉛と酸化チタンと酸化アルミニウムと飽和共重合ポリエステル樹脂と二酸化珪素の粉末状の複塩を添加し、その後、3〜4倍の容積にウレタン又はラテックスを発泡させ、所定時間放置して、型枠から取出す。
これにより、発泡したウレタン又はラテックスの内外表面に複塩が付着する。特に、複塩に飽和共重合ポリエステル樹脂が含有されているために、この樹脂の作用でウレタン又はラテックスの表面に複塩が強固に接着される。
このように、原料となるウレタン又はラテックスの発泡前の溶融した状態で複塩を添加しているために、発泡後のウレタン又はラテックスの内外表面全体に均一に複塩を付着させることができる。
また、原料としては、ウレタン又はラテックスなどの発泡材料だけでなく、ココナッツファイバー又はポリエステルファイバーなどの繊維材料を用いることもできる。
この場合には、ココナッツファイバー又はポリエステルファイバーなどの繊維材料に予め前記複塩を付着させておき、この繊維材料をシート状に積層させ、その後、複数枚のシートを加熱加圧成型によって積層させる。
この場合においても、原料となるココナッツファイバー又はポリエステルファイバーなどの繊維材料に複塩を付着させた後にシート状に積層しているために、各繊維の表面全体に均一に複塩を付着させることができ、特に、複塩に飽和共重合ポリエステル樹脂が含有されているために、この樹脂の作用でココナッツファイバー又はポリエステルファイバーの表面に複塩が強固に接着される。
しかも、繊維材料をシート状に積層する場合においては、複塩に含有される飽和共重合ポリエステル樹脂の作用で繊維同士を接着させることができ、有機系接着剤の使用量を削減することができる。
また、弾性体1は、上記したように1種類の原料を用いて製造することもできるが、異なる原料を用いて製造することもできる。
すなわち、図3に示すマットレス5は、弾性体6をカバー7で被覆しており、この弾性体6は、弾性を有する素材として繊維材料を用いて成型した第1の弾性シート8と、弾性を有する素材として発泡材料を用いて成型した第2及び第3の弾性シート9,10とを用い、第1の弾性シート8の表面及び裏面に第2及び第3の弾性シート9,10を接着重合して形成している。
これにより、弾性体6は、弾性を有する素材として繊維材料だけを用いた場合よりも弾性体6の強度を増大させることができ、弾性体6の長寿命化を図ることができる。
特に、上記弾性体6では、第1の弾性シート8の表裏に重合させた第2の弾性シート9と第3の弾性シート10の厚みを異ならせているために、弾性体6の表側と裏側とで弾性を異ならせることができ、1個の弾性体6で2種類の弾性を選択することができるので、弾性体6の使い勝手を向上させることができる。
以上のようにして製造した弾性体1は、複塩の作用によって抗菌、脱臭効果を得ることができる(表1〜表7参照。)。
すなわち、表1は、弾性体1の大腸菌を用いた抗菌試験結果を示したものであり、表1から明らかなように、表面に複塩を付着させていない場合には、24時間後に大腸菌が増殖しているのに対して、表面に複塩を付着させた場合には、24時間後には大腸菌が死滅している。これにより、複塩を付着させた弾性体1が大腸菌に対する抗菌効果を発揮することがわかる。
また、表2は、弾性体1の黄色ブドウ球菌を用いた抗菌試験結果を示したものであり、表2から明らかなように、表面に複塩を付着させていない場合には、24時間後にも依然として黄色ブドウ球菌が生存しているのに対して、表面に複塩を付着させた場合には、24時間後には黄色ブドウ球菌が死滅している。これにより、複塩を付着させた弾性体1が黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果を発揮することがわかる。
また、表3は、弾性体1の緑膿菌を用いた抗菌試験結果を示したものであり、表3から明らかなように、表面に複塩を付着させていない場合には、24時間後に緑膿菌が増殖しているのに対して、表面に複塩を付着させた場合には、24時間後には緑膿菌が死滅している。これにより、複塩を付着させた弾性体1が緑膿菌に対する抗菌効果を発揮することがわかる。
また、表4は、弾性体1のMRSAを用いた抗菌試験結果を示したものであり、表4から明らかなように、表面に複塩を付着させていない場合には、24時間後にも依然としてMRSAが生存しているのに対して、表面に複塩を付着させた場合には、24時間後にはMRSAが死滅している。これにより、複塩を付着させた弾性体1がMRSAに対する抗菌効果を発揮することがわかる。
また、表5は、弾性体1のアンモニアを用いた脱臭試験結果を示したものであり、表5から明らかなように、表面に複塩を付着させていない場合には、時間が経過しても依然としてアンモニアガスが残留しているのに対して、表面に複塩を付着させた場合には、時間の経過とともにアンモニアガスが分解され、120分後にはアンモニアガスが完全に分解されている。これにより、複塩を付着させた弾性体1がアンモニアガスに対する脱臭効果を発揮することがわかる。
また、表6は、弾性体1の硫化水素を用いた脱臭試験結果を示したものであり、表6から明らかなように、表面に複塩を付着させていない場合には、時間が経過しても依然として硫化水素ガスが残留しているのに対して、表面に複塩を付着させた場合には、時間の経過とともに硫化水素ガスが分解され、30分後には硫化水素ガスが完全に分解されている。これにより、複塩を付着させた弾性体1が硫化水素ガスに対する脱臭効果を発揮することがわかる。
また、表7は、弾性体1の酢酸を用いた脱臭試験結果を示したものであり、表7から明らかなように、表面に複塩を付着させていない場合には、時間が経過しても依然として酢酸ガスが残留しているのに対して、表面に複塩を付着させた場合には、時間の経過とともに酢酸ガスが分解され、60分後には酢酸ガスが完全に分解されている。これにより、複塩を付着させた弾性体1が酢酸ガスに対する脱臭効果を発揮することがわかる。
以上のように、弾性体1に酸化亜鉛と酸化チタンと酸化アルミニウムと飽和共重合ポリエステル樹脂と二酸化珪素の粉末状の複塩(mZnO・TiO2・Al2O3・nSiO2・aH2O(m、n、aは整数))を付着させた場合には、極めて良好な抗菌効果及び脱臭効果が得られることがわかる。これは、複塩から生成されるスーパーオキシドによる酸化作用によって菌やガスを分解することができることによるものと考えられる。
以上に説明したように、弾性体1は、弾性を有する素材に、酸化亜鉛と酸化チタンと酸化アルミニウムと飽和共重合ポリエステル樹脂と二酸化珪素の複塩を付着させたものである。
そのため、上記弾性体1では、複塩の作用によって紫外線が照射されない環境下でも弾性体1の消臭や殺菌を行うことができ、布カバーで被覆した寝具や革製シートで被服したクッション材などのように弾性体1を紫外線が照射されにくい環境で使用することができる。
特に、弾性を有する素材として、発泡材料を用い、発泡後の内部表面に複塩を付着させた場合には、複塩の付着面積を増大させることができ、複塩による消臭効果や殺菌効果を増大させることができる。
また、弾性を有する素材として、繊維材料を用い、各繊維の表面に複塩を付着させた場合にも、複塩の付着面積を増大させることができ、複塩による消臭効果や殺菌効果を増大させることができる。
1 弾性体
2 ベッド
3 マットレス
4 カバー
5 マットレス
6 弾性体
7 カバー
8 第1の弾性シート
9 第2の弾性シート
10 第3の弾性シート
2 ベッド
3 マットレス
4 カバー
5 マットレス
6 弾性体
7 カバー
8 第1の弾性シート
9 第2の弾性シート
10 第3の弾性シート
Claims (5)
- 弾性を有する素材に、酸化亜鉛と酸化チタンと酸化アルミニウムと飽和共重合ポリエステル樹脂と二酸化珪素の複塩を付着させたことを特徴とする弾性体。
- 前記弾性を有する素材として、発泡材料を用い、発泡後の内部表面に前記複塩を付着させたことを特徴とする請求項1に記載の弾性体。
- 前記弾性を有する素材として、繊維材料を用い、各繊維の表面に前記複塩を付着させたことを特徴とする請求項1に記載の弾性体。
- 前記弾性を有する素材として繊維材料を用いて成型した第1の弾性シートと、前記弾性を有する素材として発泡材料を用いて成型した第2及び第3の弾性シートとを用い、第1の弾性シートの表面及び裏面に第2及び第3の弾性シートを重合したことを特徴とする請求項1に記載の弾性体。
- 前記第2の弾性シートと前記第3の弾性シートの厚みを異ならせたことを特徴とする請求項4に記載の弾性体。
Priority Applications (1)
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JP2005006234U JP3115402U (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 弾性体 |
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JP2005006234U JP3115402U (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 弾性体 |
Publications (1)
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JP3115402U true JP3115402U (ja) | 2005-11-04 |
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Family Applications (1)
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2005
- 2005-08-03 JP JP2005006234U patent/JP3115402U/ja not_active Expired - Fee Related
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