JP3115277B2 - 農作業機における姿勢制御装置 - Google Patents

農作業機における姿勢制御装置

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JP3115277B2
JP3115277B2 JP10262961A JP26296198A JP3115277B2 JP 3115277 B2 JP3115277 B2 JP 3115277B2 JP 10262961 A JP10262961 A JP 10262961A JP 26296198 A JP26296198 A JP 26296198A JP 3115277 B2 JP3115277 B2 JP 3115277B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圃場に苗を植付け
する田植機等の農作業機における苗植装置等の作業機の
左右水平姿勢を保持(ローリング姿勢制御)したり、こ
の作業機の前後水平姿勢を保持(ピッチング姿勢制御)
するための姿勢制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、乗用型田植機により圃場に苗
を植付ける場合、走行機体の前部または後部に苗植装置
を左右回動及び前後回動可能に装着し、苗植装置には、
その進行方向左右に適宜間隔で植付機構を設け、田植機
の進行につれて上下回動する植付機構にて苗植装置にお
ける苗載台の苗マットを適宜株数ごとに分割しながら圃
場面に植付けるように構成することは、例えば、先行技
術の特開平2−135015号公報や特公昭57−27
682号公報に開示されており、この特開平2−135
015号公報では、苗植装置の左右水平姿勢を保持する
制御(ローリング制御)の際の検出手段として、苗植装
置とその下方のフロートとの間に設けた接地圧センサの
検出信号を利用することが開示されている。
【0003】また特公昭57−27682号公報では、
苗植装置の前後傾動姿勢を無くするように略水平状に姿
勢保持しようとする姿勢制御(ピッチング制御)に際し
て、水平線または鉛直線に対する被測定物の傾き角度を
検出するための傾斜角度センサの検出信号を利用するこ
とが開示されている。しかしながら、この種の傾斜角度
センサだけでは、苗植装置の姿勢変動程度を的確に把握
できず、姿勢制御に遅れが生じる等の不都合があるた
め、本出願人は、先に、特願平2−223376号(特
開平4−104713号公報)において、苗植装置に、
その傾きの速度を検出することができる角速度センサ
と、傾斜角度センサとを設けることを提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この苗植装
置のローリング制御(左右傾斜姿勢制御)の場合につい
て考察すると、苗植装置はリンク機構等の連結機構を介
して走行機体に左右回動可能に連結されており、走行機
体の車輪等の走行装置が圃場の耕盤に接地し、苗植装置
は前記耕盤上の泥面に浮いているから、通常左右重量バ
ランスのとれた苗植装置は泥面に対して左右方向に傾斜
しないで水平状の姿勢をとる。
【0005】そして、苗植装置は走行機体に牽引された
り、押し進められたりして前進するとき、走行機体の車
輪等が凹凸のある耕盤に乗り上げ、または落ち込むと、
走行機体がまず左右に傾斜し、次いで前記連結機構を介
して苗植装置の左右傾斜姿勢が変わる。この変動した姿
勢を元の水平姿勢に復元するように前記連結機構と苗植
装置との間に設けた油圧シリンダ等の駆動手段にて姿勢
調節するのである。
【0006】この場合、前記先行技術のように、角速度
センサ58と傾斜角度センサとを、同じ被測定物であ
り、且つ姿勢制御対象物である苗植装置に装着すると、
次のような理由から制御アルゴリズム(制御規則)が複
雑になるのである。即ち、水平線に対して苗植装置の左
右傾斜角度が大きくなる状態を傾斜角度センサで検出す
る、つまり傾斜角度センサの検出値は、苗植装置の水平
状態に対して「0」で傾斜角度が大きくなるにつれて、
検出値が正の値で大(右下傾斜)、負の値で大(左下傾
斜)のようになる。
【0007】他方、苗植装置は左右水平状態を振動の中
心として左右揺動し、しかも、左右水平状態を維持する
ように姿勢制御されるので、当該苗植装置の角速度は、
水平状態のとき、および左右に傾いたのち反対方向に揺
り戻す反転時に「0」となり、これらの中間状態で角速
度が大きい値(例えば右下向き運動状態を正の値、左下
向き運動状態を負の値とする)をとる。
【0008】しかも、前記復元しようとする苗植装置の
動きに応じて角速度センサでその復元時の角速度も検出
するのであるから、角速度センサの検出値の結果だけで
は、それが圃場の耕盤の凹凸によるものであるか、復元
するときのものであるかの判別は不可能である。なお、
傾斜角度センサでは、水平状態に対する傾き角度として
検出値は一義的に決定でき、通常、その検出値を制御系
のフィードバック量として利用することができるが、前
記角速度の検出値はフィードバック量となり得ない。
【0009】従って、前記傾斜角度の大小に対して角速
度の大小の影響を考慮するため、この2つの検出値の大
小の組合せで、前記制御アルゴリズム(制御規則)を決
めなければならず、これを解決するにはファジィ推論の
ようなものを採用しなければならなくなる。また、前述
のように、走行機体が左右に傾いた後に連結機構を介し
て苗植装置が左右に傾斜し、その後走行機体が水平状態
に復元しているのに苗植装置は傾斜状態から復帰してい
ない等、左右傾斜の原因となる部分と、姿勢制御すべき
対象との間に時間的ずれがあり、しかも、角速度は前記
左右傾斜の原因となる部分の運動状態の傾向を検出する
のに適している。換言すると、被測定物であり、且つ姿
勢制御対象物である苗植装置に角速度センサを装着して
その結果を知っても時間的ずれが解消されないという問
題があった。
【0010】さらに、前記傾斜角度センサと角速度セン
サとでは検出特性としての応答性に著しい差がある。即
ち、角速度センサでは、被測定物の傾き速度を検出する
のであるから、その応答性は数ミリ秒単位であり、その
応答性が遅いときには、瞬時の変位速度が測定できず、
角速度センサとして役に立たない。これに対して傾斜角
度センサでは、あまりに微小な傾斜変位を検出できると
すると、その検出値に応じて姿勢制御する場合、却って
ハンチング現象などを起こすおそれがあるので、その応
答性は、通常数百ミリ秒単位としている。
【0011】このように、応答性が著しく異なる2種類
のセンサからの信号を、同一時間の情報として、制御手
段により同時に処理すると、次のような不都合が生じ
る。即ち、前述のように、傾斜角度センサによる検出応
答性は角速度センサによるものに比べて遅いので、両者
の検出値を同時期のものと仮定したことによる矛盾によ
る食い違いが顕著になり、制御の演算結果が実体とかけ
離れて信頼性が無くなるのである。
【0012】このような問題は、田植機ばかりでなく、
圃場を耕す場合のトラクタと、これに牽引される耕耘装
置(作業機)においても発生するものである。そこで、
本発明では、この種の農作業機における前記問題を解決
して制御精度を向上させることを目的とするものであ
る。また、走行車輪を走行機体にリジットに装着する
と、走行地面の凹凸により走行機体がローリング及びピ
ッチングの影響を受け易い。そのような走行機体に応答
性の敏感な角速度センサを設けると、走行地面の凹凸に
よる走行機体の左右傾斜の角速度を検出してしまい、必
要以上にローリングやピッチングの姿勢制御を実行して
しまう。この結果、却って姿勢制御が正確に行われなか
ったり、姿勢制御のためのアクチュエータが頻繁に作動
することにより、その耐久性が損なわれるという問題も
あった。
【0013】本発明はこれらの問題を解決することも目
的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明の農作業機における姿勢制御装置は、左右一
対の後輪を上下回動可能なスイング機構を介して走行機
体に装着し、該走行機体の後部に作業機を左右回動可能
又は/及び前後回動可能に装着し、作業機に当該作業機
の姿勢の変動程度を検出するための、傾斜角度センサを
設ける一方、走行機体には、前記スイング機構の近傍
に、当該機体の傾斜速度を検出するための角速度センサ
を配置し、これら2つのセンサの検出値に応じてアクチ
ェータにて前記作業機の姿勢制御を実行するように構成
したものである。
【0015】
【発明の作用及び効果】このような構成にすると、前述
のように、走行機体が左右等に傾いた後に連結機構を介
して苗植装置などの作業機が左右(前後)に傾斜し、そ
の後走行機体が水平状態に復元しているのに苗植装置は
傾斜状態から復帰していない等、左右傾斜または前後傾
斜の原因となる部分と、姿勢制御すべき対象との間に時
間的ずれがある制御に対しては、作業機の傾斜の原因と
なる側である走行機体側に、検出値の変動の激しい角速
度センサを設けることで、いち早く作業機の姿勢制御の
ための検出値を得ることができる。
【0016】また、制御対象物である作業機にはその傾
斜状態を検出するための傾斜角度センサを設ける一方、
角速度センサを走行機体側に設けることで、前記左右
(前後)傾斜の原因となる部分の運動状態の傾向を検出
し、制御対象物である作業機の姿勢復元時の運動状態を
検出しないというように、検出対象を別にすることで、
姿勢制御のアルゴリズムを簡単にすることができる。従
って、姿勢制御の精度が向上して円滑な制御を実現でき
る効果を有するのである。
【0017】しかも、本発明では、後部側に作業機を連
結した走行機体の左右一対の後輪はスイング機構を介し
て装着されているので、左右のスイング機構にて吸収で
きる走行機体のローリングまたはピッチングについて
は、このスイング機構近傍の走行機体に配置された角速
度センサの検出値が少なくなり、ローリングやピッチン
グ姿勢制御を実行するためのアクチュエータの作動回
数、作動量も少なくなる結果、姿勢制御のためのアクチ
ュエータの耐久性が向上し、且つ頻繁に作動しないた
め、エンジン等の動力源のロスも少なくできるという効
果を奏する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、田植機に適用した実施形態
について説明すると、図において1は走行機体を示し、
該走行機体1は、車体フレーム2とその前部側に取付く
前車輪3,3と後部側に上下回動自在なスイングケース
4,4を介して取付く後車輪5,5とからなり、車体フ
レーム2の上面には操縦座席6と操縦ハンドル7とを備
え、車体フレーム2前部上面のエンジン8の駆動力を、
動力伝達部ケース9内の変速機構およびスイングケース
4,4を介して後車輪5を駆動する構成である。
【0019】前記走行機体1の後部に平行リンク機構1
1を介して上下動自在に取付く苗植装置10は、中央伝
動ケース12と、この中央伝動ケース12の左右両側
に、伝動軸を内挿した連結パイプ12aを介して適宜間
隔で取付く植付伝動ケース14,14と、上端が走行機
体に近付くように傾斜配設する横往復動自在な苗載台1
5とからなり、左右両植付伝動ケース14の後部左右両
側には、苗載台15下端の苗取り出し口と圃場面17と
の間で植え付け爪が昇降する苗植付機構16が設けられ
ている。
【0020】また、平行リンク機構11を走行機体1側
の油圧シリンダ13にて大きく昇降駆動する。前記平行
リンク機構11は、トップリンク18と左右一対のロワ
ーリンク19,19とから成り、トップリンク18の基
端は車体フレーム2に立設する門型フレームにピン枢着
され、トップリンク18,ロワーリンク19,19の各
先端が取付く門型支柱20は、苗植装置10におけるヒ
ッチ部21のローリング軸22と回動自在に連結され
て、苗植装置10は、その下面のフロート10aが圃場
面を滑走するように、ローリング軸22を中心にして走
行機体1の左右に上下回動(ローリング)できる構成で
ある。
【0021】左右両植付伝動ケース14,14に突出す
るガイド部23,23に苗載台15の裏面下端のレール
24に摺動自在に被嵌する一方、苗載台15の裏面上部
側の案内レール25は前記左右両植付伝動ケース14,
14から突設した一対の支柱26,26上端のコロ部2
7,27にそれぞれ摺動自在に被嵌する。前記門型支柱
20に取付くブラケット28には、ローリング制御用ア
クチェータである横往復型の油圧シリンダ29を固定
し、該油圧シリンダ29における左右移動自在なピスト
ンロッド30の両端を前記左右一対の支柱26,26に
取付く連結杆32に自在継手部31を介して回動自在に
装着してある。
【0022】前記エンジン8からの動力は、主クラッチ
33を介して動力伝達部ケース9内の変速機構に伝達
し、後車輪5を駆動する一方、PTO軸34を介して苗
植装置10に伝達される。なお、符号35は主クラッチ
33のオンオフ用アクチェータ、36は走行変速用アク
チェータ、37は走行クラッチ用アクチェータである。
【0023】前記操縦ハンドル7に関連したステアリン
グギアボックス38から突出する前後揺動自在なアーム
39の回動にて操作できる制御弁40は、油圧回路41
における油圧シリンダ42を作動させるもので、この首
振り自在な油圧シリンダ42に連結したステアリング機
構43におけるステアリングアーム44は、回動支点4
5廻りに回動自在であり、該ステアリングアーム44に
連結する一対のタイロッド46,46にて前車輪3,3
の向きを変更して操向操作できる機構であり、油圧回路
41におけるもう一つの電磁ソレノイド制御弁47は自
動操向制御用であり、符号48は前記ローリング(水平
姿勢)制御用の電磁ソレノイド制御弁である。
【0024】また符号49は走行機体の操向角度を検出
するために前記回動支点45箇所に設けたポテンショメ
ータ等からなるステアリングセンサで、該ステアリング
センサ49の出力信号を、後述するマイクロコンピュー
タ等の電子制御式の制御手段69に入力する。符号51
は、苗植装置10等の作業機の圃場面に対する左右傾斜
角度を検出するため、苗植装置10の適宜箇所に設けた
傾斜角度センサで、該傾斜角度センサ51は、図6に示
すように、ケース52内に軸53を中心に回動自在な振
子54付きの可動コイル55を設けると共に、R0,R
1,R2からなるブリッジ回路と、発光素子であるLE
D1と、LED2、及び受光素子PT1,PT2の左右
一対のフオトカプラと外部電源Eとからなる。
【0025】傾斜角度センサ51が水平状態では受光素
子PT1,PT2の受光量が等しくブリッジ回路はバラ
ンスしている。傾斜角度(θ1)傾斜すると、振子54
は重力方向(鉛直方向)になるように残り、光遮断板5
4aにて一方の受光素子PT1の受光は遮断され、他方
の受光素子PT2は光を受けてONとなり、ブリッジ回
路のバランスが崩れて電流が可動コイル55に流れ、そ
の電流により可動コイル55に生じる回転トルクと振子
54の重量によるモーメントが平衡したところ(θ2)
で当該振子54が停止し、そのときの電流値(I)が出
力信号となり、これは傾斜角度(θ1)に比例するもの
である(図6参照)。
【0026】図7に示す符号58は、音叉振動型(ピエ
ゾジャイロ型)の角速度センサで、該角速度センサ58
は走行機体1の適宜箇所、例えば、操縦座席6の下方な
ど走行機体1の左右中心位置等に設ける。実施例では、
図1及び図2に示すように、操縦座席6の下方であっ
て、車体フレーム2の後部側のうち、前記操縦座席6を
支持する部分の平板2a上に角速度センサ58が固定さ
れている。また、スイング機構としての左右一対のスイ
ングケース4、4にそれぞれ後輪5、5が装着されてお
り、従って、角速度センサ58は、スイングケース4、
4に近い側の走行機体1に配置されていることになり、
走行面の凹凸によるローリングがスイングケース4、4
にて吸収されているときには、角速度センサ58の検出
値が少なくなり、その結果としてのローリング制御のた
めのアクチュエータとしての油圧シリンダ29の作動量
や作動回数を少なくすることができる。
【0027】次に角速度センサ58の構造について説明
すると、圧電バイモルフからなる駆動素子59とモニタ
素子60との底部を連結ブロック61で連結する一方、
前記駆動素子59とモニタ素子60とに、同じく圧電バ
イモルフからなる検知素子62,63を各々直交結合し
て音叉構造を形成したもので、駆動素子59にのみ電圧
を印加して振動させると、連結ブロック61を介してモ
ニタ素子60が振動する。モニタ素子60の振動振幅・
位相をモニタすることで印加電圧を制御するという振動
帰還制御方式にて駆動振動の周波数の安定を図る。
【0028】そして、この安定状態で、角速度センサ5
8に図7のセンサ軸64回りに角速度ωの回転運動があ
ると、検知素子62,63の振動方向(X−X方向)と
直角の方向にコリオリの力Fcが生じる。このコリオリの
力により撓みを生じた駆動素子59とモニタ素子60側
の各々検知素子62,63からその撓みに応じた電圧を
検出できるから、これにより角速度を検出することがで
きるのである。
【0029】符号66、67は、前記各センサ51、5
8に対応させて設けた増幅回路付きのA/D変換器であ
る。図3に示す制御手段69は、8ビットの1チップマ
イクロプロセッサ等からなるマイクロコンピュータであ
って、姿勢制御のためのプログラム制御を実行するもの
であり、各種演算を実行する中央処理装置(CPU)
と、初期値や制御プログラムを予め記憶する読み取り専
用メモリ(ROM)と、入力信号等をそのつど記憶し演
算時に出すことのできる読み書き可能メモリ(RAM)
と、入出力部に接続するインターフェイス等を備えてい
る。
【0030】インターフェイスの入力部には、前記各セ
ンサ51、58からの出力信号、および、走行クラッチ
の切り替え作動に連動したクラッチスイッチ70の信号
を入力する。走行クラッチ用アクチェータ37の操作に
応じて作動するクラッチスイッチ70の出力信号は、走
行クラッチが切り(走行停止)のときONとなり、走行
クラッチが入り(走行中)は、OFF信号を出す。
【0031】インターフェイスの出力部には、前記操舵
操作のための油圧シリンダを駆動する制御弁47の電磁
ソレノイド71,72のほか、ローリング制御のための
制御弁48に対する電磁ソレノイド73,74を接続す
る。次に、姿勢制御用センサである傾斜角度センサ51
及び角速度センサ58によるローリング姿勢制御に関す
る制御装置とその制御方法について述べる。
【0032】制御装置は、前記マイクロコンピュータ等
の制御手段69を使用するものであり、マイクロコンピ
ュータでのプログラムによる、ソフト的制御方法を採用
する。まず、読み出し専用メモリ(ROM)には、予め
次に示す〔表1〕及び〔表2〕のテーブルを記憶させ、
傾斜角度センサ51の検出値と、角速度センサ58の検
出値との組合せから、〔表1〕に基づいて油圧シリンダ
29の制御弁48へのパルス駆動のための駆動指令信号
Sの値を演算(検索)し、求められたSの値により〔表
2〕のような油圧シリンダ29のピストンロッド30が
移動するように制御するのである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】前記〔表1〕は、傾斜角度の検出値と、角
速度の検出値との組合せに対するローリング制御のため
の油圧シリンダ29の制御弁48への駆動指令信号Sの
関係を示すテーブルで、駆動指令信号Sの値(−7〜0
〜+7)は、その数値が大きくなるにつれて油圧シリン
ダの駆動速度が大きくなり、また正負の符号のうち正
は、苗植装置10を走行機体の進行方向を向いて右下げ
方向に回動(姿勢修正)させる場合を示し、負符号
(−、マイナス)は反対に苗植装置10を走行機体の進
行方向を向いて左下げ方向に回動(姿勢修正)させる場
合を示す。〔表2〕は前記駆動指令信号Sと、前記実施
例の箇所に設けた油圧シリンダ29のピストンロッド3
0の移動速度との関係を示すテーブルで、油圧シリンダ
29の取り付け箇所(苗植装置10のローリング回動中
心からの距離)に応じて前記移動速度の大きさを設定す
る。
【0036】〔表1〕におけるグレードは、各センサの
入力値(検出値)に対応して割当られるもので、傾斜角
度センサ51に対するグレードθの1段階は0.22度であ
り、角速度センサ58に対するグレードVの1段階は
0.8度/ 秒である。そして、傾斜角度センサ51の検出
値の中央値(水平状態)はグレード5のときであり、そ
のグレードθ値が大きくなれば(進行方向に向いて)右
下りの傾斜角度が大きくなり、グレードθ値が小さくな
れば(進行方向に向いて)左下りの傾斜角度が大きくな
ることを示す。角速度センサ58の検出値の中央値(角
速度零、静止状態のとき)はグレードV値は8であり、
進行方向に向いて反時計廻り方向の角速度のときグレー
ドV値は8より小さい値で、その方向の角速度の検出値
が大きくなるに従ってグレードV値が小さくなる。反対
に、進行方向に向いて時計廻り方向の角速度のときグレ
ードV値が8より大きい値で、その方向の角速度の検出
値が大きくなるに従ってグレードV値が大きくなる。
【0037】この〔表1〕から理解できるように、角速
度に対応するグレードV値が(6)、7、8、9、(1
0)程度、即ち、前記角速度センサの検出値が零もしく
はその近傍の所定値以内にあるときであって、傾斜角度
に対応するグレードθ値が1〜9の範囲のときには、駆
動指令信号Sの値を「0」(静止)と設定する。これ
は、走行機体1の左右傾斜運動がないか、極めて遅い角
速度で左右傾斜運動している状態のときには、苗植装置
10がある程度左右に傾斜していてもその傾斜状態を強
制的に修正しない方が、かえって姿勢修正センサの安定
性が向上するからである。
【0038】そして、前記角速度に対応するグレードV
値が7、8(反時計方向の角速度が零か小さい値)であ
って、傾斜角度に対応するグレードθ値が0(左下り程
度が大きい)のときには、極めて遅い速度で苗植装置を
左上げ方向に姿勢修正する。同様に前記角速度に対応す
るグレードV値が8、9(時計方向の角速度が零か小さ
い値)であって、傾斜角度に対応するグレードθ値が1
0(右下り程度が大きい)のときには、極めて遅い速度
で苗植装置を右上げ方向に姿勢修正する。このように、
前記傾斜角度センサの検出値に応じ、且つ緩やかな作動
による姿勢制御を実行すると、姿勢修正制御応答性が安
定する。
【0039】また、前記角速度センサの検出値が前記所
定値(零か小さい値)の範囲外にあるときには、当該角
速度センサの検出値を優先的に考慮して姿勢制御を実行
する。例えば、走行機体1が反時計廻りに回動する運動
程度が大きくなる(グレードV値が6から0へと変化す
るにつれて、苗植装置10の左右傾斜の大きさ(傾斜角
度に対応するグレードθ値が0〜10)にはあまり影響
されず、前記角速度の大きさ及び方向を優先的に考慮し
て、姿勢修正する制御を実行するのである。
【0040】このように、走行機体1が左右に傾く運動
程度が大きいときには、この走行機体に回動可能に連結
された苗植装置10自体の傾斜角度よりも、その傾斜の
原因となる走行機体の運動程度(角速度の大きさ及び方
向)により苗植装置の姿勢を制御したほうが、制御の応
答性は安定する。しかも、角速度センサの検出の応答性
が傾斜角度センサの検出の応答性よりも格段に早い時に
は、苗植装置の傾斜の原因となる走行機体に設けた角速
度センサの検出結果を利用することで、ますます制御の
応答性が安定するのである。
【0041】なお、前記傾斜センサ、角速度センサを使
用して、苗植装置の前後回動姿勢の変動を検出して、ピ
ッチング姿勢制御を実行する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の側面図である。
【図2】乗用型田植機の平面図である。
【図3】苗植装置と走行機体との連結部の要部側面図で
ある。
【図4】制御装置のブロック図と油圧回路を含む作用説
明図である。
【図5】図3のV−V視図である。
【図6】傾斜センサのブロック図である。
【図7】角速度センサの斜視図である。
【符号の説明】
1 走行機体 2 車体フレーム 2a 平板 3,5 車輪 4、4 スイングケース 6 操縦座席 8 エンジン 10 苗植装置 15 苗載台 16 植付機構 11 リンク機構 22 ローリング軸 29 油圧シリンダ 51 傾斜センサ 58 角速度センサ 69 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G05D 1/08 G05D 1/08 B

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の後輪を上下回動可能なスイン
    グ機構を介して走行機体に装着し、該走行機体の後部に
    作業機を左右回動可能又は/及び前後回動可能に装着
    し、作業機に当該作業機の姿勢の変動程度を検出するた
    めの、傾斜角度センサを設ける一方、走行機体には、前
    記スイング機構の近傍に、当該機体の傾斜速度を検出す
    るための角速度センサを配置し、これら2つのセンサの
    検出値に応じてアクチェータにて前記作業機の姿勢制御
    を実行するように構成したことを特徴とする農作業機に
    おける姿勢制御装置。
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