JP3115263B2 - 受信信号位相検出回路 - Google Patents

受信信号位相検出回路

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JP3115263B2
JP3115263B2 JP09212747A JP21274797A JP3115263B2 JP 3115263 B2 JP3115263 B2 JP 3115263B2 JP 09212747 A JP09212747 A JP 09212747A JP 21274797 A JP21274797 A JP 21274797A JP 3115263 B2 JP3115263 B2 JP 3115263B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は受信信号位相検出回
路に関し、さらに詳細には必要とするC/Nが異なる複
数の変調方式で伝送されてくるデジタル被変調波を受信
する受信機に用いられて、受信信号位相回転角を検出す
る受信信号位相検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】必要とするC/Nが異なる複数の変調方
式で伝送されてくるデジタル被変調波、例えば8PSK
変調、QPSK変調、BPSK変調が時間毎に組み合わ
され、フレーム毎に繰り返し伝送されてくる階層化伝送
方式によるデジタル被変調波を受信する放送受信機で
は、復調されたベースバンド信号(以下、ベースバンド
信号をシンボルストリームとも記す)からフレーム同期
信号を捕捉し、捕捉したフレーム同期信号の信号点配置
から現在の受信信号位相回転角を求め、求められた受信
信号位相回転角をもとに復調されたベースバンド信号を
逆位相回転させることによって復調ベースバンド信号を
送信信号位相角に一致させる絶対位相化を行っている。
【0003】従来の受信信号位相検出回路は図7に示す
ように復調回路1とフレーム同期検出回路2とフレーム
同期信号発生器3とのほかに、受信信号位相検出のため
のブロックを構成するディレイ回路41、42、0°/
180°位相回転回路43、累積加算平均回路45、4
6、ROMからなるテーブル変換によって受信信号の位
相判定をする受信信号位相判定回路47を備えている。
ここで、フレーム同期検出回路2とフレーム同期信号発
生器3とは復調ベースバンド信号からフレーム同期信号
を捕捉するフレーム同期信号捕捉手段に対応し、ディレ
イ回路41、42は復調ベースバンド信号からフレーム
同期信号期間のシンボルストリームを、前記フレーム同
期信号捕捉手段によって捕捉され、再生された同期信号
のビットストリームと一致するタイミングにて抽出する
抽出手段に対応している。
【0004】図7に示す従来の受信信号位相検出回路
は、受信したデジタル被変調波を所定の中間周波数に周
波数変換し、周波数変換された中間周波信号を復調回路
1に供給して復調し、復調回路1から例えば量子化ビッ
ト数8ビットの復調されたベースバンド信号I(8)、
Q(8)(括弧内の数字はビット数を示し、以下ビット
数を省略して単にI、Qとも記す)を送出する。復調さ
れたベースバンド信号I(8)、Q(8)は、例えばB
PSK変調されたフレーム同期信号を捕捉するためフレ
ーム同期検出回路2にも送出される。
【0005】ここで、送信側における各変調方式毎のマ
ッピングについて図8を用いて説明する。図8(a)は
変調方式に8PSKを用いた場合の信号点配置を示す。
8PSK変調方式は3ビットのデジタル信号(a、b、
c)を1シンボルで伝送できて、1シンボルを構成する
ビットの組み合わせは(0、0、0)、(0、0、
1)、〜(1、1、1)の8通りである。これら3ビッ
トのデジタル信号は図8(a)の送信側I−Qベクトル
平面上における信号点配置0〜7に変換され、この変換
を8PSKマッピングと呼んでいる。
【0006】図8(a)に示す例ではビット列(0、
0、0)を信号点配置〃0〃に、ビット列(0、0、
1)を信号点配置〃1〃に、ビット列(0、1、1)を
信号点配置〃2〃に、ビット列(0、1、0)を信号点
配置〃3〃に、ビット列(1、0、0)を信号点配置〃
4〃に、ビット列(1、0、1)を信号点配置〃5〃
に、ビット列(1、1、1)を信号点配置〃6〃に、ビ
ット列(1、1、0)を信号点配置〃7〃に変換してい
る。
【0007】図8(b)は変調方式にQPSKを用いた
場合の信号点配置を示し、QPSK変調方式では2ビッ
トのデジタル信号(d、e)を1シンボルで伝送でき
て、該シンボルを構成するビットの組み合わせは(0、
0)、(0、1)、(1、0)、(1、1)の4通りで
ある。図8(b)の例では例えばビット列(1、1)を
信号点配置〃1〃に、ビット列(0、1)を信号点配置
〃3〃に、ビット列(0、0)を信号点配置〃5〃に、
ビット列(1、0)を信号点配置〃7〃に変換する。な
お、各変調方式の信号点配置と配置番号の関係は、8P
SKを基準とし信号点配置と配置番号との関係を同一に
してある。
【0008】図8(c)は変調方式にBPSKを用いた
場合の信号点配置を示し、BPSK変調方式では1ビッ
トのデジタル信号(f)を1シンボルで伝送する。デジ
タル信号(f)は例えば(1)を信号点配置〃0〃に、
(0)を信号点配置〃4〃に変換する。
【0009】次にフレーム同期信号について説明する。
前記階層化伝送方式においては、フレーム同期信号は必
要とするC/Nが最も低いBPSK変調されて伝送され
る。16ビットで構成されるフレーム同期信号のビット
ストリームを(S0、S1、……、S14、S15)と
し、S0から順次送出されるものとすると、(0、0、
0、1、0、0、1、1、0、1、0、1、1、1、
1、0)、または後半8ビットが反転した(0、0、
0、1、0、0、1、1、1、0、1、0、0、0、
0、1)がフレーム毎に交互に送出される。以下、フレ
ーム同期信号のシンボルストリームを〃SYNCPAT
〃また、後半8ビットが反転したシンボルストリームを
〃nSYNCPAT〃とも記す。このシンボルストリー
ムは送信側にて図8(c)に示すBPSKマッピングに
より信号点配置〃0〃または〃4〃に変換され、変換さ
れたシンボルストリームが伝送される。
【0010】このように、BPSKマッピングされたフ
レーム同期信号〃SYNCPAT〃と〃nSYNCPA
T〃のシンボルストリームが、フレーム同期検出回路2
において復調ベースバンド信号より一定のフレーム間隔
毎に交互に繰り返し受信されることが確認されたときフ
レーム同期がとれていると判別されフレーム周期毎にフ
レーム同期パルスが出力される。
【0011】通常、必要とするC/Nの異なる複数の変
調方式が時間毎に組み合わされ、フレーム毎に繰り返し
伝送されてくる階層化伝送方式においては、それらの多
重構成を示すヘッダーデータが多重されており、フレー
ム同期がとれていると判断された後、フレーム同期検出
回路2から出力されるフレーム同期パルスによって生成
されるタイミング信号にて多重構成を示すヘッダーデー
タが抽出される。この結果、フレーム多重構成を知って
初めて変調方式別の処理が可能となる。
【0012】言い換えれば、フレーム同期と判断される
までは、復調回路1は8PSK復調回路として動作する
ため、復調回路1における搬送波再生回路にて再生され
た復調用搬送波の位相状態によっては受信側のI−Qベ
クトル平面のI軸、Q軸が送信側のそれと比べ、θ=4
5°×n (n=0、1、2、3、4、5、6、7中の
一つの値)位相回転する。例えばBPSK変調されて伝
送されるフレーム同期信号の場合、図8(c)において
ビット〃1〃に対して信号点配置〃0〃に、またビット"
〃0〃に対して信号点配置〃4〃にBPSKマッピング
されたフレーム同期信号のシンボルストリームは、復調
用搬送波の位相状態によっては送信側と同じく信号点配
置〃0〃、〃4〃に現れる場合と、θ=45°位相回転
した信号点配置〃1〃、〃5〃に現れる場合と、θ=9
0°位相回転して信号点配置〃2〃、〃6〃に現れる場
合と、というようにフレーム同期信号の復調される位相
は8通りある。
【0013】また、QPSK変調、8PSK変調されて
伝送される信号も同じように位相回転が起こる。このよ
うに時間毎に組み合わされフレーム毎に繰り返し伝送さ
れるPSKの最大位相数が8すなわち8PSK変調の場
合を想定すると、受信信号位相はそれぞれ45°ずれた
8通り存在する。
【0014】しかし、送信側にて既知であるフレーム同
期信号の信号点配置と、受信したフレーム同期信号の信
号点配置を比較することで受信信号の位相回転角を求め
ることができる。以下にこの位相回転角を求める方法に
ついて説明する。
【0015】復調回路1(図7参照)にてベースバンド
信号に復調されたフレーム同期信号のシンボルストリー
ムは、ビット〃1〃または〃0〃からなる〃SYNCP
AT〃または〃nSYNCPAT〃を送信側にてBPS
Kマッピングされたシンボルストリームであり、また、
このビット〃1〃と〃0〃に対するシンボルの位相差が
180°であることは、その信号点配置から明白であ
る。そこで、受信したフレーム同期信号のシンボルスト
リームにおけるビット〃0〃に対するシンボルを全て1
80°位相回転することにより、すべてビット〃1〃に
対する16シンボルのストリームが得られる。
【0016】そこで得られたストリームの平均値を求
め、これをビット〃1〃に対する受信信号点配置とす
る。さて、送信側においてBPSKのビット〃1〃に対
する信号点配置は〃0〃であるから、これと前記受信信
号点配置を比べることによって受信信号位相回転角θが
求められる。
【0017】ここで、受信信号位相回転角θと、受信信
号位相検出回路の出力である位相回転角信号RT(3)
の関係を、次の(1)式に示すように定義する。
【0018】 RT(3)=θ/45 ……(1) ただしθ=n・45°であって、n=0、1、2、3、
4、5、6、7の一つの値である。
【0019】図7の従来例をもとにさらに説明する。フ
レーム同期検出回路2から出力されるフレーム同期パル
スを受けてフレーム同期信号発生器3は捕捉したフレー
ム同期信号のパターン〃SYNCPAT〃、〃nSYN
CPAT〃に対応した再生フレーム同期信号のビットス
トリームを発生し、再生フレーム同期信号のビットスト
リームは0°/180°位相回転回路43に供給され
る。0°/180°位相回転回路43は、供給された前
記再生フレーム同期信号のビットストリームの論理〃0
〃、または論理〃1〃をもとに、論理〃0〃の場合はデ
ィレイ回路41、42を介して供給される復調ベースバ
ンド信号に多重されているフレーム同期信号のシンボル
ストリーム中の対応するシンボルを180°位相回転を
させ、論理〃1〃の場合はディレイ回路41、42を介
して供給される復調ベースバンド信号に多重されている
フレーム同期信号のシンボルストリーム中の対応するシ
ンボルを位相回転させずにそのまま出力する。
【0020】ここで、0°/180°位相回転回路43
の入力において、復調ベースバンド信号に多重されてい
るフレーム同期信号のシンボルストリームとフレーム同
期信号発生器3から送出される再生フレーム同期信号の
ビットストリームとのタイミングがディレイ回路41、
42によって一致させられている。さらにフレーム同期
信号発生器3からり送出されるフレーム同期信号区間信
号によりディレイ回路41、42の出力ゲートが開かれ
て出力されたフレーム同期信号のシンボルストリームD
I(8)、DQ(8)は前記再生フレーム同期信号のビ
ットストリームが〃0〃の場合、180°位相回転さ
れ、累積加算平均回路45、46に送出される。
【0021】図9(a)は受信信号位相回転角θ=0°
(絶対位相)で受信した場合のフレーム同期信号の信号
点配置を示したものであり、図9(b)は0°/180
°位相回転回路43において変換された後のシンボルス
トリームVI(8)、VQ(8)の信号点配置の様子を
示したものである。シンボルストリームVI(8)、V
Q(8)はそれぞれ累積加算平均回路45、46に送出
され、所定区間において加算平均され、所定区間毎に加
算平均されたシンボルストリームAVI(8)、AVQ
(8)が出力される。ここで、シンボルストリームVI
(8)、VQ(8)に対して加算平均を採るのは、受信
C/Nの悪化による受信ベースバンド信号の微少な位相
変化、振幅変動が生じた場合にも安定して信号点配置を
求められるようにするためである。
【0022】累積加算平均回路45、46によりビット
〃1〃に対するBPSKマッピングされた信号の受信信
号点〔AVI(8)、AVQ(8)〕が求めらる。次に
受信信号点AVI(8)、AVQ(8)が受信信号位相
判定回路47に入力され、図10に示した受信信号位相
判定テーブルによって、(1)式に定義した位相回転角
に対応した3ビットの位相回転角信号RT(3)を求め
る。例えば受信信号位相回転角θ=0°の場合、AVI
(8)、AVQ(8)の信号点を受信信号位相判定テー
ブルによって判定された位相回転信号は〃0〃である。
したがって、位相回転角信号RT(3)に(0、0、
0)が送出される。また、受信信号位相回転角θ=45
°の場合、同様にして位相回転信号は〃1〃、したがっ
て位相回転角信号RT(3)に(0、0、1)が送出さ
れる。
【0023】そこで、必要とするC/Nが異なる複数の
変調方式で伝送されてくるデジタル被変調波が時間毎に
組み合わされ、フレーム毎に繰り返し伝送されてくる階
層化伝送方式によるディジタル被変調波を受信する放送
受信機では、受信信号位相検出回路にて位相回転角信号
RT(3)を求め、位相回転角信号RT(3)を用いて
ベースバンド信号I(8)、Q(8)を逆位相回転させ
ることにより絶対位相化を行なっている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来の受信信号位相検出回路によるときにおいて、0°
/180°位相回転回路をテーブル変換によって構成す
ると、そのメモリ容量は128kバイト(=216×16
bit)を必要とし、さらにまた受信信号位相判定回路
をテーブル変換によって構成すると、そのメモリ容量は
16×3bitを必要とするなど回路規模が大きくなっ
て、集積回路化するに当たって回路規模が大きくなると
いう問題点があった。
【0025】本発明は回路規模が小さくてすむ受信信号
位相検出回路を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる受信信号
位相検出回路は、8PSK変調波、またはQPSK変調
波、またはBPSK変調波の受信信号から受信信号位相
を検出する受信信号位相検出回路であって、復調ベース
バンド信号からフレーム同期信号を捕捉するフレーム同
期信号捕捉手段と、復調ベースバンド信号を{22.5
°+45°×n(n=0、1、2、3、4、5、6、7
中の一つ値)}位相回転させる位相回転回路と、位相回
転回路によって位相回転されたベースバンド信号からフ
レーム同期信号期間のシンボルストリームを前記フレー
ム同期信号捕捉手段によって捕捉され再生された同期信
号のビットストリームと一致するタイミングにて抽出す
る抽出手段と、前記抽出手段によって抽出されたシンボ
ルストリームを入力して、前記再生された同期信号のビ
ットストリーム中のビットが論理〃0〃のときにのみ前
記抽出手段によって抽出されたシンボルストリーム中の
対応するシンボルの符号を反転して出力する符号反転手
段と、符号反転手段の出力の位相を判定する位相判定回
路と、位相判定回路の出力をグレイ符号変換するグレイ
符号変換器と、グレイ符号変換器の出力を受けて多数決
判定する多数決判定手段と、多数決判定手段の出力をバ
イナリ符号変換するバイナリ符号変換器とを備え、バイ
ナリ符号変換器の出力を受信信号位相回転角信号とする
ことを特徴とする。
【0027】本発明にかかる受信信号位相検出回路によ
れば、復調ベースバンド信号からフレーム同期信号が同
期信号捕捉手段によって捕捉され、位相回転回路によっ
て復調ベースバンド信号が{22.5°+45°×n
(n=0、1、2、3、4、5、6、7中の一つの
値)}位相回転させられ、位相回転させられたベースバ
ンド信号からフレーム同期信号期間のシンボルストリー
ムが抽出手段によって、前記フレーム同期信号捕捉手段
によって捕捉された同期信号のビットストリームと一致
するタイミングにて抽出される。前記捕捉された同期信
号のビットストリーム中のビットが論理〃0〃のとき、
前記抽出手段によって抽出されたシンボルストリーム中
の対応するシンボルが符号反転手段によって反転され、
符号反転手段からの出力の位相が位相判定回路によって
判定され、位相判定回路の出力がグレイ符号にグレイ変
換器によって符号変換され、グレイ符号変換器の出力を
受けて多数決判定手段によって多数決判定がされ、多数
決判定手段の出力がバイナリ符号にバイナリ符号変換器
によって符号変換されて、バイナリ符号変換器の出力に
によって受信信号の位相回転角が判定される。
【0028】本発明にかかる受信信号位相検出回路によ
れば、従来用いられていた0°/180°位相回転回路
と累積加算平均回路が、22.5°位相回転回路と符号
反転手段とに置き換えられて、0°/180°位相回転
回路と累積加算平均回路が不必要となって、回路規模が
減少する。
【0029】さらに、本発明にかかる受信信号位相検出
回路によれば、多数決判定回路によって回路規模が減少
でき、さらにグレイ符号化することによって隣り合う位
相判定値とのビットの相違が1ビットとなるため、受信
C/Nの悪化による受信ベースバンド信号の微少な位相
変化、振幅変動が生じ、位相判定において誤判定された
場合でも、その影響を最小限とすることができて、信頼
性を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる受信信号位
相検出回路を実施の形態によって説明する。図1は本発
明の実施の一形態にかかる受信信号位相検出回路の構成
を示すブロック図である。
【0031】本発明の実施の一形態にかかる受信信号位
相検出回路は、復調回路1とフレーム同期検出回路2と
フレーム同期信号発生器3とのほかに、受信信号位相検
出のためのブロックを構成する22.5°位相回転回路
48、ディレイ回路41、42、符号反転器49、位相
判定回路50、グレイ符号変換器51、多数決回路52
A〜52C、バイナリ符号変換器53を備えている。
【0032】すなわち、本発明の実施の一形態にかかる
受信信号位相検出回路では、復調回路1によって復調さ
れたベースバンド信号はフレーム同期検出回路2に供給
され、フレーム同期検出回路2においてフレーム同期信
号が検出され、フレーム同期信号に基づくフレーム同期
パルスがフレーム同期信号発生器3に供給される。フレ
ーム同期パルスを受けたフレーム同期信号発生器3から
はフレーム同期信号期間信号および再生フレーム同期信
号が、それぞれディレイ回路41、42、と符号反転器
49へ送出される。
【0033】一方、復調回路1によって復調されたベー
スバンド信号I(8)、Q(8)は22.5°位相回転
回路48に供給され22.5°位相回転させられる。2
2.5°位相回転回路48からの位相回転出力RI
(8)、RQ(8)はディレイ回路41、42に供給さ
れる。
【0034】先ず、ベースバンド信号I(8)、Q
(8)の22.5°位相回転について説明する。22.
5°位相回転回路48における位相回転は、次の(2)
式、(3)式にしたがい行なわれる。
【0035】 RI=Icos(22.5°)−Qsin(22.5°)…(2) RQ=Isin(22.5°)+Qcos(22.5°)…(3)
【0036】フレーム同期信号区間信号を受けたディレ
イ回路41、42は、22.5°位相回転回路48にお
いて(2)式、(3)式による位相回転された出力RI
(8)、RQ(8)からベースバンド信号に多重されて
いるフレーム同期信号のシンボルストリームとフレーム
同期信号発生器3から送出される再生フレーム同期信号
のビットストリームとのタイミングが符号反転器49の
入力端位置において一致させるように、22.5°位相
回転されたベースバンド信号に多重されているフレーム
同期信号のシンボルストリームを遅延させる。
【0037】ディレイ回路41、42によって遅延させ
られたベースバンド信号DI(8)、DQ(8)は符号
反転器49に入力される。フレーム同期信号発生器3か
ら出力されるフレーム同期信号区間信号によって、16
シンボルのフレーム同期信号のシンボルストリーム区間
のみディレイ回路41、42の出力ゲートが開かれる。
また、符号反転器49の入力において、前記したように
ディレイ回路41、42によってフレーム同期信号発生
器3から出力される再生フレーム同期信号と前記フレー
ム同期信号のシンボルストリームとのタイミングが一致
されている。
【0038】そこで、符号反転器49において、再生フ
レーム同期信号のビットが論理〃0〃の場合、符号反転
器49に入力されたフレーム同期信号のシンボルストリ
ームDI(8)、DQ(8)中の対応するシンボルは、
それぞれ符号が反転されて出力され、再生フレーム同期
信号のビットが論理〃1〃の場合、符号反転器49に入
力されたフレーム同期信号のシンボルストリームDI
(8)、DQ(8)中の対応するシンボルは、符号が反
転されずそのまま出力される。
【0039】したがって、従来はROMを用いたテーブ
ル変換による0°/180°位相回転回路43によって
構成していたが、0°/180°位相回転回路43の動
作はそれぞれの軸における符号反転に等しいため、これ
を符号反転器49に置き換えることができる。
【0040】符号反転器49からの出力RVI、RVQ
は位相判定回路50に入力され、図2に示されるような
しきい角をもって位相判定がなされる。ここでの位相判
定は、図10に示される従来の位相判定と異なり、判定
される入力信号がその前段の22.5°位相回転回路4
8において22.5°位相回転されていることから、受
信位相判定のためのしきい角も同様に22.5°位相回
転させて、φ=45°×n(=0〜7の整数)としてよ
いことは明らかである。これを図2に示す。この結果、
位相判定回路50において、入力された(RVI、RV
Q)が図2に示す位相エリアのどこにあるかを判定すれ
ばよいことになる。
【0041】したがって、位相判定回路50では受信信
号位相角の判定はテーブル変換を用いずに、入力された
信号(RVI、RVQ)を用いて比較器などにより簡単
に位相が判定できる。図2に示されるI−Qベクトル平
面上の第一象現、第二象現、第三象現、第四象現の判定
は信号(RVI、RVQ)の符号から求められる。さら
に各象現を2つに分割する45°×n(n=1、3、
5、7)のしきいの判定、例えば位相回転角信号R
(3)=0か、位相回転角信号R(3)=1かを判定す
るには、信号(RVI、RVQ)のそれぞれの絶対値の
大きさから求められる。このような関係から、図2に示
す位相角の判定は図3に示した判定を行う位相判定回路
50により実現できる。
【0042】これによって従来ROMによるテーブル変
換によって構成された受信信号位相判定回路47は、乗
算器、加算器によって構成される22.5°位相回転回
路48と、簡単な判定回路によって構成される位相判定
回路50に置き換わり、集積回路化した場合、回路規模
が大きく削減されることになる。
【0043】位相判定回路50にて判定された位相回転
角に基づく位相回転角信号RT(3)はグレイ符号変換
回路51に供給されて、図4(a)にしたがってグレイ
符号化される。グレイ符号化された出力は各ビットG0
〜G2毎に多数決判定回路52A、52B、52Cに入
力され、所定期間中のビット〃0〃と〃1〃の多数決判
定が行なわれる。
【0044】これは、従来例において、受信C/Nの悪
化による受信ベースバンド信号の微少な位相変化、振幅
変動が生じた場合にも安定して信号点配置を求められる
ようにするためにシンボルストリームVI(8)、VQ
(8)に対して加算平均を行なったことに代わるもので
ある。多数決判定回路52A、52B、52Cの出力G
00〜G02はバイナリ符号変換器53に入力され、グ
レイ符号変換器51による変換の逆変換が図4(b)に
したがって行なわれる。バイナリ符号変換器53の出力
が位相回転角信号RT(3)として出力される。
【0045】多数決判定回路52A〜52Cのそれぞれ
は、例えば多数決の区間がフレーム同期シンボル期間、
つまり16シンボルとすれば、一つの4ビットのカウン
タのみで構成できる。例えば、入力信号G0をカウンタ
のイネーブル端子に入力し、カウンタ最上位出力である
QDを多数決判定出力G00とすれば、入力されるビッ
トストリームG0におけるビット〃1〃の数が8以上の
ときに多数決出力〃1〃となる。ただし、ビット〃0〃
とビット〃1〃の数が同数の場合の処理等は別途必要に
なるが回路規模は大きくならない。本発明にかかる実施
の一形態にかかる受信信号位相検出回路での多数決判定
回路では、3ビットの位相判定出力R(3)のそれぞれ
のビットについて行うので、4ビットカウンタ3つと、
前記処理用の周辺回路で構成できる。
【0046】ここで、多数決判定する区間とは、フレー
ム同期信号のシンボル分、つまり16シンボルが基本と
なり、それを所定期間中多数決判定するという説明をし
た。しかし、考え方によってはフレーム同期信号の16
シンボルのうち、任意の1シンボルを取り出し、それを
数フレーム(所定フレーム)にわたって多数決判定する
ことや、任意の数ビットを取り出し、同様に数フレーム
(所定フレーム)にわたって多数決判定をする、または
図1に示した符号反転器49をなくするために、再生フ
レーム信号のビットが〃1〃の場合のみゲートが開か
れ、ビットが〃0〃の部分は切り捨てるようにしたりす
ることもできる。
【0047】一方、従来例においてはベースバンド信号
I、Qそれぞれに8ビットを16回累積加算する回路が
必要となる。8ビットを16回加算すると、最大12ビ
ットになることから、最低でも12ビットの加算器と、
12個のラッチ回路が必要となる。これがベースバンド
信号I、Qそれぞれに必要となることから、回路規模は
大きくなる。
【0048】バイナリ符号変換器53以降の後段の信号
処理において、バイナリ符号変換器48出力である位相
回転角信号RT(3)信号に基づいてベースバンド信号
I(8)、Q(8)を逆位相回転させることにより絶対
位相化を行なうことは、従来通りである。
【0049】前記において、位相判定回路の出力R
(3)を直接、多数決判定回路に入力し、その出力を位
相回転角信号RT(3)とすることも可能である。しか
し一旦グレイ符号化することによって隣り合う位相判定
値とのビットの相違が1ビットとなるため、受信C/N
の悪化による受信ベースバンド信号の微少な位相変化、
振幅変動が生じ、位相判定において誤判定された場合で
も、その影響を最小限とすることができる。つまり、グ
レイ符号変換器51と多数決判定回路52A、52B、
52Cとの組み合わせにより、より信頼性を向上させる
ことができる。
【0050】また、復調ベースバンド信号I(8)、Q
(8)を22.5°位相回転する回路が復調回路1に含
まれている場合もあり、この場合はその出力を用いるこ
とができ、本発明の実施の一形態にかかる受信信号位相
検出回路の構成が更に簡単になる。
【0051】また、位相判定回路50からの出力R
(3)をグレイ符号変換器51によってG0〜G2に変
換したが、位相判定回路50の出力が直接G0〜G2と
なる位相判定回路であってもよい。この場合の位相判定
回路50による位相判定は図5に示す判定を行えばよ
い。
【0052】なお、上記した本発明の実施の一形態にか
かる受信信号位相検出回路において、22.5°位相回
転回路48を用いることにより実際の受信信号位相を判
定するテーブル変換に代わって簡単な回路構成にて判定
が可能であることを例示したが、位相回転させる角度は
22.5°だけでなく67.5°、112.5°、15
7.5°、202.5°、247.5°、292.5
°、337.5°であってもよい。
【0053】この場合、位相判定回路50における位相
回転角信号R(3)を異ならせればよい。上記の67.
5°、112.5°、157.5°、202.5°、2
47.5°、292.5°、337.5°回転させる場
合の位相回転角信号R(3)を図6に示す。
【0054】上記した本発明の実施の一形態にかかる受
信信号位相検出回路によれば、ROMによるテーブル変
換によって構成された位相判定回路は、乗算器、加算器
によって構成される22.5°位相回転回路48と、簡
単な判定回路によって構成される位相判定回路50に置
き換わり、集積回路化した場合、大きく回路規模が削減
できることになる。
【0055】また、従来用いられていた0°/180°
位相回転回路43を符号反転器49に置き換えることに
より、0°/180°位相回転回路43がROMによる
デーブル変換によって構成されているときは128kバ
イト(=216×16bit)の記憶容量が削減できる。ま
た、8ビット幅で、それぞれの軸での累積加算平均回路
45、46に代わり、3ビットの多数決判定回路52〜
52を用いたことによって大幅に回路の縮小化が図れる
ことになる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる受
信信号位相検出回路によれば、回路規模が低減できて、
受信信号位相検出回路を集積回路化する場合チップ面積
を有効に使用することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる受信信号位相検
出回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態にかかる受信信号位相検
出回路における作用の説明に供する図である。
【図3】本発明の実施の一形態にかかる受信信号位相検
出回路における位相判定作用の説明に供する図である。
【図4】本発明の実施の一形態にかかる受信信号位相検
出回路におけるグレイ符号変換およびバイナリ符号変換
作用の説明に供する図である。
【図5】本発明の実施の一形態にかかる受信信号位相検
出回路における位相判定作用の説明に供する図である。
【図6】本発明の実施の一形態にかかる受信信号位相検
出回路における位相回転回路の位相回転角を他の回転角
にしたときの作用の説明に供する図である。
【図7】従来の受信信号位相検出回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】BPSKマッピングの説明に供する信号点配置
図である。
【図9】受信信号位相検出回路における0°/180°
位相回転回路通過後のフレーム同期信号の信号点配置図
である。
【図10】受信信号位相判定テーブルの説明に供する図
である。
【符号の説明】
1 復調回路 2 フレーム同期検出回路 3 フレーム同期信号発生回路 41および42 ディレイ回路 48 22.5°位相回転回路 49 符号反転回路 50 位相判定回路 51 グレイ符号変換器 52A〜52C 多数決判定回路 53 バイナリ符号変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−303996(JP,A) 特開 平9−186730(JP,A) 特開 昭55−137752(JP,A) 特開 平11−27336(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/22 H04L 27/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】8PSK変調波、またはQPSK変調波、
    またはBPSK変調波の受信信号から受信信号位相を検
    出する受信信号位相検出回路であって、復調ベースバン
    ド信号からフレーム同期信号を捕捉するフレーム同期信
    号捕捉手段と、復調ベースバンド信号を{22.5°+
    45°×n(n=0、1、2、3、4、5、6、7中の
    一つ値)}位相回転させる位相回転回路と、位相回転回
    路によって位相回転されたベースバンド信号からフレー
    ム同期信号期間のシンボルストリームを前記フレーム同
    期信号捕捉手段によって捕捉され再生された同期信号の
    ビットストリームと一致するタイミングにて抽出する抽
    出手段と、前記抽出手段によって抽出されたシンボルス
    トリームを入力して、前記再生された同期信号のビット
    ストリーム中のビットが論理〃0〃のときにのみ前記抽
    出手段によって抽出されたシンボルストリーム中の対応
    するシンボルの符号を反転して出力する符号反転手段
    と、符号反転手段の出力の位相を判定する位相判定回路
    と、位相判定回路の出力をグレイ符号変換するグレイ符
    号変換器と、グレイ符号変換器の出力を受けて多数決判
    定する多数決判定手段と、多数決判定手段の出力をバイ
    ナリ符号変換するバイナリ符号変換器とを備え、バイナ
    リ符号変換器の出力を受信信号位相回転角信号とするこ
    とを特徴とする受信信号位相検出回路。
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