JP3115128B2 - キサンチン誘導体 - Google Patents

キサンチン誘導体

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JP3115128B2
JP3115128B2 JP04295094A JP29509492A JP3115128B2 JP 3115128 B2 JP3115128 B2 JP 3115128B2 JP 04295094 A JP04295094 A JP 04295094A JP 29509492 A JP29509492 A JP 29509492A JP 3115128 B2 JP3115128 B2 JP 3115128B2
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JP
Japan
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mmol
acid
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brs
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文夫 鈴木
純一 島田
博正 加藤
昭男 石井
静男 塩崎
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協和醗酵工業株式会社
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキサンチン誘導体に関す
る。該キサンチン誘導体は抗痴呆薬として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、キサンチン誘導体としては、
【0003】
【化8】
【0004】(式中、RA およびRB は低級アルキルを
表し、RC およびRD は置換もしくは非置換の脂環式ア
ルキルを表す)で表されるキチンサン誘導体が利尿作
用、腎保護作用、血管拡張作用等を有すること(特開平
3−173888号公報)、
【0005】
【化9】
【0006】〔式中、RE およびRF は低級アルキル基
を表し、QA
【0007】
【化10】
【0008】(式中、LA −MA は−CH2 −CH2
または−CH=CH−を表し、YA は単結合またはアル
キレンを表し、na は0または1を意味する)を表す〕
で表されるキサンチン誘導体が利尿作用、腎保護作用、
気管支拡張作用等を有すること(特開平3−17388
9号公報)、
【0009】
【化11】
【0010】がアデノシンA1 拮抗作用を有すること
〔Mol. Pharmacol.,33, 585(1988) 〕、
【0011】
【化12】
【0012】がアデノシンA1 拮抗作用を有すること
〔J. Med. Chem., 31 , 745(1988) 〕、
【0013】
【化13】
【0014】(式中、QB はアルキルを表す)で表され
るキサンチン誘導体が気管支拡張作用を有すること〔Eu
r. J. Med. Chem., 25,653(1990) 〕、
【0015】
【化14】
【0016】(式中、RG およびRH はアルキルまたは
アラルキルを表し、QC はシクロアルキルを表す)で表
されるキサンチン誘導体が利尿作用を有すること(カナ
ダ特許第724173号明細書)、
【0017】
【化15】
【0018】〔式中、RJ 、RK およびQD は置換もし
くは非置換の炭素数1〜8の脂肪族および環式脂肪族炭
化水素(置換基はハロゲン、アルキル、水酸基であ
る)、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素(置換基は
ハロゲン、アルキル、水酸基である)またはフェネチル
を表す〕で表されるキサンチン誘導体を含有する殺虫剤
(WO86/01724)、
【0019】
【化16】
【0020】〔式中、RLおよびRMはアルキル又はアミ
ノ置換のアラルキルを表し、RNおよびRPの一方は水
素、他方は−YB−Z(式中、YBはアルケニレンを表
し、Zはカルボキシを表す)を表す〕で表されるキサン
チン誘導体がアデノシン拮抗作用を有すること(特開昭
62−42986公報)等が知られている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は優れた抗痴呆
作用を有するキサンチン誘導体を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0023】
【化17】
【0024】{式中、R1 およびR2 のいずれか一方
が、置換もしくは非置換の低級アルキル、低級アルケニ
ル、低級アルキニル、置換もしくは非置換の脂環式アル
キル、置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしく
は非置換のベンジルを表し、他方が−(CH2 m −X
〔式中、mは2または3を表し、Xは
【0025】
【化18】
【0026】(式中、aはNH、OまたはSを表し、b
およびdは同一または異なってCHまたはNを表す)ま
たは
【0027】
【化19】
【0028】(式中、e、gおよびhは同一または異な
ってCHまたはNを表す)を表す〕を表し、Qは
【0029】
【化20】
【0030】(式中、R3 およびR4 は同一または異な
って置換もしくは非置換の脂環式アルキルを表す)、
【0031】
【化21】
【0032】(式中、Yは単結合またはアルキレンを表
し、nは0または1を意味する)、
【0033】
【化22】
【0034】(式中、L−Mは−CH2 −CH2 −また
は−CH=CH−を表し、Yは前記と同義である)また
【0035】
【化23】
【0036】(式中、Yは前記と同義である)を表す}
で表されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容さ
れる塩に関する。式(I)の定義において、低級アルキ
ルとしては、直鎖または分岐状の炭素数1〜6の、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペン
チル、ネオペンチル、へキシル等があげられ、低級アル
キルの置換基としては、炭素数3〜8のシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロオクチル等の脂環式アルキルがあげられる。
【0037】低級アルケニルとしては、直鎖または分岐
状の炭素数2〜4の、例えばビニル、アリル、プロペニ
ル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等があげ
られ、低級アルキニルとしては直鎖または分岐状の炭素
数2〜4の、例えばプロパルギル、3−ブチニル等があ
げられる。
【0038】脂環式アルキルとしては、炭素数3〜8
の、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロオクチル等があげられ
る。脂環式アルキル、フェニル、ベンジルの置換基とし
ては同一または異なって置換数1〜3の、例えば低級ア
ルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲン、ニト
ロ、アミノ等があげられる。低級アルキルおよび低級ア
ルコキシのアルキル部分は、前記低級アルキルの定義と
同じであり、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素の各原子が包含される。
【0039】Yの定義において、アルキレンとしては、
直鎖または分岐状の炭素数1〜4の、例えばメチレン、
エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、メチルメチ
レン、プロピレン、エチルエチレン等があげられる。化
合物(I)の薬理的に許容される塩は、薬理的に許容さ
れる酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付
加塩、アミノ酸付加塩等を包含する。
【0040】薬理的に許容される酸付加塩としては、塩
酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイ
ン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸
塩;金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアル
カリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカ
リ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩;アンモニウム
塩としてはアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等
の塩;有機アミン付加塩としてはモルホリン、ピペリジ
ン等の付加塩;アミノ酸付加塩としてはリジン、グリシ
ン、フェニルアラニン等の付加塩があげられる。
【0041】次に化合物(I)の製造法について説明す
る。
【0042】
【化24】
【0043】
【化25】
【0044】{式中、R5 およびR6 は異なって、一方
が置換もしくは非置換の低級アルキル、低級アルケニ
ル、低級アルキニル、置換もしくは非置換の脂環式アル
キル、置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしく
は非置換のベンジルを表し、他方が−(CH2 m −X
A 〔式中、mは前記と同義であり、XA
【0045】
【化26】
【0046】(式中、a、b、d、e、gおよびhは前
記と同義であり、Pはアミノ基の保護基を表す)を表
す〕を表し、Hal はハロゲンを表し、R1 、R2 および
Qは前記と同義である} アミノ基の保護基としてはtert−ブトキシカルボニル、
ベンジルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル等があ
げられ、ハロゲンは前記と同義である。
【0047】工程1 化合物(IV)は公知の方法(例えば、特開昭59−42
383号公報)に準じて得られる化合物(II)と化合物
(III) あるいはその反応性誘導体とを反応させることに
より得られる。化合物(III) の反応性誘導体としては、
酸クロリド、酸ブロミド等の酸ハライド類、p−ニトロ
フェニルエステル、N−オキシコハク酸イミド等の活性
エステル類、市販の酸無水物、1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ジイソプロ
ピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド
等のカルボジイミドを用い生成される酸無水物類、炭酸
モノエチルエステル、炭酸モノイソブチルエステル等と
の混合酸無水物類等があげられる。
【0048】化合物(III) は化合物(II)に対して1〜
5当量用いられる。反応は、化合物(III) を用いる場
合、無溶媒で50〜200 ℃に加熱することによって行なわ
れるが、反応性誘導体を用いる場合は、ペプチド化学で
常用される方法に準じて行う。例えば、反応溶媒として
は、塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エタン等のハ
ロゲン化炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン
等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシドおよび必要により水等が適宜選択され、反応温
度は−80〜50℃で行われ、 0.5〜24時間で反応は終了す
る。また必要により、1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル等の添加剤あるいはピリジン、トリエチルアミン、4
−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等の
塩基の共存下に行うこともできる。
【0049】工程2 化合物(V)は化合物(IV)を塩基の存在下(A法)、
脱水剤での処理(B法)または加熱(C法)による閉環
反応を行うことにより得られる。A法 化合物(V)は化合物(IV)を塩基の存在下、溶媒中、
4〜 180℃で10分〜6時間反応することにより得られ
る。
【0050】塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属水酸化物があげられる。反応
溶媒としては、水、メタノール、エタノール等の低級ア
ルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等が単独もしくは混合して用いられる。
【0051】B法 化合物(V)は化合物(IV)を脱水剤の存在下、無溶媒
または溶媒中、4〜 180℃で 0.5〜12時間反応すること
により得られる。脱水剤としては、例えば塩化チオニル
等のハロゲン化チオニル、オキシ塩化リン等のオキシハ
ロゲン化リンがあげられる。溶媒としては、塩化メチレ
ン、クロロホルム、二塩化エタン等のハロゲン化炭化水
素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等
があげられる。
【0052】C法 化合物(V)は化合物(IV)を溶媒中、50〜 200℃で1
〜20時間加熱することにより得られる。溶媒としては、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ダウサ
ーモA(ダウケミカル社)等があげられる。
【0053】工程3 化合物(I)は化合物(V)の保護基Pを有機合成化学
における常法に従い、脱保護することにより得られる。
保護基Pが、例えば、ベンジルオキシカルボニル基の場
合、水素添加触媒の存在下、溶媒中、常圧で水素ガスに
より接触水素添加反応を行う。反応は4〜100℃で0.5
〜48時間行われる。
【0054】水素添加触媒としては、酸化白金、白金付
き活性炭(Pt/C)等の白金系触媒、パラジウム付き
活性炭(Pd/C)、パラジウムブラック等のパラジウ
ム系触媒、ラネーニッケル等のニッケル系触媒、ロジウ
ム付き活性炭等があげられる。溶媒としては、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエス
テル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、ジメチルホルムアミド、酢酸等があげられる。
【0055】工程4 化合物(VI)は化合物(IV)を工程3の方法に準じて行
うことにより得られる。 工程5 化合物(I)は化合物(VI)を工程2の方法に準じて行
うことにより得られる。
【0056】工程6 化合物(VIII)は化合物(II)と化合物(VII) とを溶媒
中、−20〜100 ℃で10分〜5時間反応することにより得
られる。化合物(VII) は化合物(II)に対して1〜2当
量用いられる。溶媒としては酢酸とメタノール、エタノ
ール等の低級アルコール類との混合溶媒があげられる。
【0057】工程7 化合物(V)は化合物(VIII)を酸化剤の存在下、溶媒
中、4〜180 ℃で30分〜10時間処理することにより得ら
れる。酸化剤としては、例えば酸素、塩化第二鉄、硝酸
セリウム(IV)アンモニウム、ジエチルアゾジカルボキ
シレート等があげられる。溶媒としては、メタノール、
エタノール等の低級アルコール類、塩化メチレン、クロ
ロホルム等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレ
ン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素類等があげられ
る。
【0058】工程8 化合物(XI)は化合物(IX)と化合物(X)とを溶媒
中、50〜150 ℃で30分〜10時間反応することにより得ら
れる。化合物(X)は化合物(IX)に対して1〜2当量
用いられる。溶媒としてはメタノール、エタノール等の
低級アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等があげられる。
【0059】工程9 化合物(V)は化合物(XI)とニトロソ化剤とを酸類の
存在下、溶媒中、4℃から溶媒の沸点で30分〜10時間反
応することにより得られる。ニトロソ化剤は化合物(X
I)に対して1〜3当量用いられる。ニトロソ化剤とし
ては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸イソアミル等の亜硝酸
誘導体があげられ、酸類としては酢酸、希塩酸類等があ
げられ、溶媒としてはメタノール、エタノール等の低級
アルコール類等があげられる。
【0060】工程10 化合物(I)は化合物(V)を工程3の方法に準じて行
うことにより得られる。前記の各工程における目的化合
物は有機合成化学で常用される精製法、例えば濾過、抽
出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィ
ー等に付して単離精製することができる。
【0061】化合物(I)の塩を取得したい時は有機合
成化学の常法を用いればよい。例えば化合物(I)が塩
の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、ま
た、遊離の形で得られる場合には、適当な溶媒に溶解ま
たは懸濁した後、酸または塩基を加え塩を形成させれば
よい。また、化合物(I)またはその薬理的に許容され
る塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在するこ
ともあるが、これら付加物も本発明に包含される。
【0062】尚、化合物(I)の中には光学異性体が存
在し得るものもあるが、本発明は光学異性体を含め、全
ての可能な立体異性体およびそれらの混合物も包含す
る。化合物(I)の具体例を第1表に示す。
【0063】
【表1】
【0064】次に化合物(I)の薬理活性を試験例に示
す。
【0065】試験例1 スコポラミン誘発健忘に対する
作用 化合物(I)の抗痴呆効果はスコポラミン誘導痴呆モデ
ルの系で測定した〔Basic, Clinical, and Therapeutic
Aspects of Alzheimers and Perkinsons Diseases;Vol
2;T.Nagatsu et al. edt; pp449;Plenum Press New Yor
k;1990〕。実験動物には1群12〜15匹のウィスター系雄
性ラット(体重 220〜 280g,チャールスリバー供給)
を用いた。試験はStep-through受動的回避装置(明暗
箱)を用いて行った。この明暗箱装置は4Wの白色蛍光
灯で照明された25×25×25cmの明室と25×25×25cmの暗
室から構成されている。2つの部屋の床にはステンレス
スチール製グリッド床になっており、暗室の床グリッド
にのみ弱い電流(2mA;2秒間)が通電できる、また
両部屋は、9×9cmのギロチンドアで仕切られている。
【0066】試験化合物を0.3%カルボキシメチルセ
ルロース(CMC)に懸濁し、以下に述べる獲得試験の
60分前に経口投与した(正常対照群および以下の健忘
処理を行う健忘対照群には0.3%CMCのみを投与し
た)。試験化合物投与30分後に健忘処理としてスコポ
ラミン1mg/kgを腹腔内に投与した(正常対照群は
スコポラミン無投与)。
【0067】次に、学習を獲得するための訓練(獲得試
行)を行った。ラットを明室に入れ、5〜10秒後にギロ
チンドアを開放した。明室に入れられたラットは速やか
に暗室に移動するが、ラットの全身が完全に暗室にはい
ると同時にギロチンドアを閉めて、床のグリッドに2mA
の電流を2秒間通電した(フットショック)。フットシ
ョックを受けた後、ラットを直ちに暗室より取り出し
た。
【0068】獲得試行の翌日、記憶の保持・想起を調べ
るための試験(想起試行)を次のように行った。獲得試
行24時間後のラットを明室にいれ、ギロチンドア開放時
からラットが暗室に完全に入るまでの所要時間(潜時)
を計測した。最大計測時間は600秒とし、600 秒以上の
潜時は 600秒として記録した。
【0069】抗痴呆効果は試験化合物投与群の反応潜時
が健忘対照群の反応潜時に比べ有意に増加しているか否
かで判定した。有意差検定は、Mann Whitney U−testに
より判定した。結果を第2表に示した。
【0070】
【表2】
【0071】試験例2 急性毒性試験 dd系雄マウス(体重20±1g)を1群3匹用い、試
験化合物1、2、3および4を経口で投与した。投与後
7日後の死亡状況を観察して求めた各化合物の最小死亡
量(MLD値)は、>300mg/kgであった。
【0072】化合物(I)またはその薬理的に許容され
る塩はそのままあるいは各種の製薬形態で使用すること
が出来る。本発明の製薬組成物は活性成分として、有効
な量の化合物(I)またはその薬理的に許容される塩を
薬理的に許容される担体と均一に混合して製造できる。
これらの製薬組成物は、経口的または注射による投与に
対して適する単位服用形態にあることが望ましい。
【0073】経口服用形態にある組成物の調製において
は、何らかの有用な薬理的に許容される担体が使用でき
る。例えば懸濁剤およびシロップ剤は、水、シュークロ
ース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロ
キシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレ
ーバー、ペパーミントなどのフレーバー類等を使用して
製造できる。粉剤、丸剤、カプセル剤および錠剤は、ラ
クトース、グルコース、シュークロース、マンニトール
等の賦形剤、でん粉、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ス
テアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチ
ン等の結合剤、脂肪酸エステル等の表面活性剤、グリセ
リン等の可塑剤等を用いて製造できる。錠剤およびカプ
セル剤は投与が容易であるという理由で、最も有用な単
位経口投与剤である。
【0074】また、注射剤は、蒸留水、塩溶液、グルコ
ース溶液または塩水とグルコース溶液の混合物から成る
担体を用いて調製することが出来る。この際、常法に従
い適当な助剤を用いて、溶液、懸濁液または分散液とし
て調製される。化合物(I)またはその薬理的に許容さ
れる塩は、上記製薬形態で経口的にまたは注射剤として
非経口的に投与することができ、その有効容量および投
与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により
異なるが、通常1日当たり、0.02〜50mg/kgを3〜4回
に分けて投与する。
【0075】
【実施例】以下に実施例および参考例を示す。 実施例1.3−ノルアダマンタンカルボン酸2.79g(16.8
ミリモル)をテトラヒドロフラン50mlおよび塩化メチレ
ン50mlに溶解した。これに0℃で1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール2.57g(16.8ミリモル)および1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド
塩酸塩3.22g(16.8ミリモル)を加えた。室温で4時間
反応させた後、得られた溶液に、4−ジメチルアミノピ
リジン 170mg(1.4 ミリモル)を加え、さらに参考例1
で得られた5,6 −ジアミノ−1−(4−ベンジルオキシ
カルボニルアミノフェネチル)−3−プロピルウラシル
6.12g(14.0ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミ
ド20mlおよびテトラヒドロフラン40mlの混合溶液に溶解
したものを加えた。1時間反応後、約半分に反応液を濃
縮した。濃縮液に水100ml を加えた後、クロロホルムで
3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離
・精製(溶出溶媒:2%メタノール/98%クロロホル
ム)し、6−アミノ−5−(3−ノルアダマンタン)カ
ルボニルアミノ−1−(4−ベンジルオキシカルボニル
アミノフェネチル)−3−プロピルウラシル6.95g(収
率85%)を得た。
【0076】NMR(90MHz ;CDCl3 ) δ(ppm) : 7.99(1
H, brs), 7.50-7.25(7H, m), 7.12(2H,d, J=7.8Hz), 6.
89(1H, brs), 5.20(2H, s), 4.25-3.65(6H, m), 3.05-
2.75(3H, m), 2.45-1.45(14H, m), 0.90(3H, t, J=7.0H
z)
【0077】得られた化合物6.81g(11.6ミリモル)を
エタノール200ml に溶解した後、これに10%Pd/C 600m
g を加え、15時間水素気流下で攪拌した。触媒を濾過に
より除き、エタノールで洗浄後濾液を濃縮した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離・精製(溶
出溶媒:5%メタノール/95%クロロホルム)し、ジエ
チルエーテル/ヘキサン=3/1(v/v) でトリチュレー
ションを行い、6−アミノ−1−(4−アミノフェネチ
ル)−5−(3−ノルアダマンタン)カルボニルアミノ
−3−プロピルウラシル3.63g(収率69%)を得た。
【0078】NMR(90MHz ;CDCl3 ) δ(ppm) : 7.32(1
H, brs), 6.97(2H, d, J=8.5Hz), 6.60(2H, d, J=8.5H
z), 5.28(2H, brs), 4.20-3.75(4H, m), 3.27(2H, br
s), 3.00-2.75(3H, m), 2.45-1.45(14H, m), 0.96(3H,
t, J=7.0Hz)
【0079】得られた化合物3.50g(7.75ミリモル)を
ジオキサン80mlに溶解した。これに、1N水酸化ナトリ
ウム水溶液 240mlを加え、1時間加熱還流した。冷却
後、濃塩酸にて中和して析出する結晶を濾取し、減圧下
乾燥した後、テトラヒドロフランから再結晶し、3−
(4−アミノフェネチル)−8−(3−ノルアダマンチ
ル)−1−プロピルキサンチン(化合物1)1.33g(収
率40%)を得た。
【0080】融点: 283.7−285.2 ℃ 元素分析値:C25315 2 計算値(%); C 69.25, H 7.20, N 16.15 実測値(%); C 69.38, H 7.48, N 16.17 IR(KBr) νmax (cm -1) : 1694, 1644, 1554, 1519, 1
494 NMR(270MHz; DMSO-d6 ) δ(ppm) :13.0(1H, brs), 6.8
3(2H, d, J=8.4Hz), 6.46(2H, d, J=8.4Hz), 4.86(2H,
brs), 4.10(2H, t, J=7.4Hz), 3.83(2H, t, J=7.4Hz),
2.78(2H, t, J=7.4Hz), 2.61(1H, t, J=6.5Hz), 2.35-
2.25(2H, m), 2.20-2.10(2H, m), 2.00-1.85(4H, m),
1.70-1.50(6H, m), 0.86(3H, t, J=8.0Hz), MS(m/e) : 433(M+ )
【0081】実施例2. 実施例1において、3−ノルアダマンタンカルボン酸2.
79g(16.8ミリモル)および参考例1で得られた 5,6−
ジアミノ−1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ
フェネチル)−3−プロピルウラシル6.12g(14.0ミリ
モル)の代わりに3−ノルアダマンタンカルボン酸0.40
g(2.41ミリモル)および参考例2で得られた 5,6−ジ
アミノ−3−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノフ
ェネチル)−1−プロピルウラシル0.87g(2.01ミリモ
ル)を用いる以外は実施例1の方法に準じて1−(4−
アミノフェネチル)−8−(3−ノルアダマンチル)−
3−プロピルキサンチン(化合物2)0.32g(収率37
%)を得た。
【0082】融点: 244.6−245.1 ℃ 元素分析値:C25315 2 計算値(%); C 69.25, H 7.20, N 16.15 実測値(%); C 69.06, H 7.26, N 15.95 IR(KBr) νmax (cm -1) : 1694, 1657, 1645, 1547, 1
518, 1493 NMR(270MHz; DMSO-d6 ) δ(ppm) :12.92(1H, brs), 6.
87(2H, d, J=7.9Hz), 6.48(2H, d, J=7.9Hz), 4.87(2H,
brs), 3.99(2H, t, J=7.9Hz), 3.95(2H, t, J=7.4Hz),
2.65-2.55(3H, m), 2.30-2.25(2H, m), 2.20-2.10(2H,
m), 2.00-1.85(4H, m), 1.75-1.55(6H, m), 0.87(3H,
t, J=7.4Hz) MS(m/e) : 433(M+ )
【0083】実施例3.実施例1において、3−ノルアダ
マンタンカルボン酸2.79g(16.8ミリモル)および参考
例1で得られた5,6 −ジアミノ−1−(4−ベンジルオ
キシカルボニルアミノフェネチル)−3−プロピルウラ
シル6.12g(14.0ミリモル)の代わりにジシクロプロピ
ル酢酸1.12g(8.0 ミリモル)および参考例1で得られ
た5,6−ジアミノ−1−(4−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノフェネチル)−3−プロピルウラシル2.93g
(8.0 ミリモル)を用いる以外は実施例1の方法に準じ
て3−(4−アミノフェネチル)−8−ジシクロプロピ
ルメチル−1−プロピルキサンチン(化合物3)0.28g
(収率13%)を得た。
【0084】融点:184.7 −184.9 ℃ 元素分析値:C23295 2 計算値(%); C 67.78, H 7.17, N 17.19 実測値(%); C 67.95, H 7.37, N 16.97 IR(KBr) νmax (cm -1) : 1693, 1646, 1552, 1517, 1
495 NMR(270MHz; DMSO-d6 ) δ(ppm) :13.06(1H, brs), 6.
83(2H, d, J=8.3Hz), 6.46(2H, d, J=8.3Hz), 4.84(2H,
brs), 4.11(2H, t, J=7.1Hz), 3.83(2H, t, J=6.9Hz),
2.79(2H, t, J=7.9Hz), 1.60-1.45(3H, m), 1.30-1.15
(2H, m), 0.86(3H, t, J=7.4Hz), 0.65-0.50(2H, m),
0.40-0.25(4H, m), 0.25-0.10(2H, m) MS(m/e) : 407(M+ )
【0085】実施例4. 実施例1において3 −ノルアダマンタンカルボン酸2.79
g(16.8ミリモル)および参考例1で得られた5,6 −ジ
アミノ−1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノフ
ェネチル)−3−プロピルウラシル6.12g(14.0ミリモ
ル)の代わりにジシクロプロピル酢酸0.73g(5.2 ミリ
モル)および参考例2で得られた5,6 −ジアミノ−3−
(4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェネチル)−
1−プロピルウラシル1.71g(4.67ミリモル)を用いる
以外は実施例1の方法に準じて1−(4−アミノフェネ
チル)−8−ジシクロプロピルメチル−3−プロピルキ
サンチン(化合物4)0.25g(収率20%)を得た。
【0086】融点:190.7 −193.2 ℃ 元素分析値:C23295 2 計算値(%); C 67.78, H 7.17, N 17.19 実測値(%); C 67.67, H 7.35, N 16.93 IR(KBr) νmax (cm -1) : 1694, 1652, 1532, 1516, 1
496 NMR(270MHz; DMSO-d6 ) δ(ppm) :13.08(1H, brs), 6.
87(2H, d, J=8.5Hz), 6.48(2H, d, J=8.5Hz), 4.86(2H,
brs), 4.10-3.90(4H, m), 2.64(2H, t, J=7.9Hz), 1.7
5-1.50(3H, m), 1.30-1.15(2H, m), 0.87(3H, t, J=7.4
Hz), 0.60-0.50(2H, m), 0.40-0.25(4H, m), 0.20-0.10
(2H, m) MS(m/e) : 407(M+ )
【0087】実施例5 実施例1において3 −ノルアダマンタンカルボン酸2.79
g(16.8ミリモル)および参考例1で得られた5,6 −ジ
アミノ−1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノフ
ェネチル)−3−プロピルウラシル6.12g(14.0ミリモ
ル)の代わりに、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2
−カルボン酸1.70g(11.0ミリモル)および参
考例1で得られた5,6 −ジアミノ−1−(4−ベンジル
オキシカルボニルアミノフェネチル)−3−プロピルウ
ラシル4.00g(9.14ミリモル)を用いる以外は実施例1の
方法に準じて、3−(4−アミノフェネチル)−8−
[(1R* , 2R* ,5R* )−ビシクロ[3.3.
0]オクタン−2−イル]─1−プロピルキサンチン
(化合物5)1.48g(収率25%)を得た。
【0088】融点:237.1−238.1℃ 元素分析値:C24315 2 計算値(%); C 68.38, H 7.41, N 16.61 実測値(%); C 68.09, H 7.67, N 16.58 IR(KBr) νmax (cm -1) : 1700, 1641, 1554, 1505 NMR(270MHz; CDCl3)δ(ppm) :12.27(1H,brs),7.08(2H,
d,J=8.4Hz),6.61(2H,d,J=8.4Hz),4.31(2H,t,J=7.9Hz),
4.01(2H,t,J=7.8Hz),3.57(2H,brs),2.97(2H,t,J=7.9H
z),2.90-2.65(3H,m),2.20-1.25(12H,m),0.97(3H,t,J=7.
3Hz). MS(m/e):421(M + )
【0089】実施例6 実施例1において、3 −ノルアダマンタンカルボン酸2.
79g(16.8ミリモル)および参考例1で得られた5,6 −
ジアミノ−1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ
フェネチル)−3−プロピルウラシル6.12g(14.0ミリ
モル)の代わりに、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
2−カルボン酸1.54g(11.0ミリモル)および
参考例1で得られた5,6 −ジアミノ−1−(4−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノフェネチル)−3−プロピル
ウラシル4.00g(9.14ミリモル)を用いる以外は実施例1
の方法に準じて、3−(4−アミノフェネチル)−8−
[(1R* , 2R* ,5R* )−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−2−イル]─1−プロピルキサンチン
(1R* , 2R* ,5S* との約1:1の混合物)(化
合物6)1.47g(収率40%)を得た。
【0090】融点:258.3−260.2℃ IR(KBr) νmax (cm -1) : 1704, 1649, 1520, 1496 NMR(270MHz; DMSO )δ(ppm) :12.29(1H,brs),6.83(2×
1/2H,d,J=8.4Hz),6.82(2× 1/2H,d,J=8.4Hz),6.45(2H,
d,J=8.4Hz),4.86(2H,brs),4.11(2 ×1/2H,t,J=7.4Hz),
4.09(2×1/2H,t,J=7.4Hz),3.81(2H,t,J=7.0Hz)、3.25-3.
15(1/2H,m),2.80-2.70(1/2H+2H,m),2.60-2.25(2H,m),2.
10-1.10(10H,m),0.85(3H,t,J=7.4Hz) MS(m/e):407(M + )
【0091】参考例1.4−ニトロフェネチルアミン 127
g(0.767 モル)〔J. Org. Chem.,43, 31(1978)〕をト
ルエン2.5 リットルに溶解した後、これにプロピルイソ
シアネート72ml(0.764モル)を室温にてゆっくり滴下し
た。2時間攪拌した後、析出した結晶を濾取し、減圧乾
燥し、1−(4−ニトロフェネチル)−3−プロピル尿
素(化合物a)171.5 g(収率89.8%)を得た。 IR(KBr) νmax (cm -1) : 3322, 2870, 1620, 1578, 1
516 NMR(90MHz; CDCl3 ) δ(ppm) : 8.10(2H, d. J=8.8H
z), 7.35(2H, d, J=8.8Hz), 4.95-4.50(2H, m), 3.70-
3.30(2H, m), 3.25-2.75(6H, m), 1.70-1.30(2H, m),
0.90(3H, t, J=7.0Hz)
【0092】化合物a 170g(0.677 モル)およびシア
ノ酢酸63.3g(0.744 モル)を無水酢酸 196mlに溶解し
た後、75℃で2時間反応した。反応液を減圧濃縮した
後、これに水200ml を加え再び減圧濃縮した。得られた
粗結晶を酢酸エチルで2回再結晶して、1−シアノアセ
チル−3−(4−ニトロフェニル)−1−プロピル尿素
(化合物b)42.9g(収率19.9%)を得た。再結晶の
際、得られた濾液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで分離・精製(溶出溶媒:2%メ
タノール/98%クロロホルム)して、化合物b62.2g
(収率29%)および1−シアノアセチル−1−(4−ニ
トロフェニル)−3−プロピル尿素(化合物c)45.0g
(収率21%)を得た。
【0093】化合物b: IR(KBr) νmax (cm -1) : 3386, 2876, 2260, 1693, 1
678, 1518, 1503 NMR(90MHz; CDCl3 ) δ(ppm) : 8.55(1H, brs), 8.16
(2H, d, J=8.7Hz), 7.38(2H, d, J=8.7Hz), 3.78(2H,
s), 3.80-3.45(4H, m), 3.01(2H, t, J=7.0Hz), 1.80-
1.40(2H, m), 0.99(3H, t, J=7.0Hz) MS(m/e) : 318(M+ )
【0094】化合物c: NMR(90MHz; CDCl3 ) δ(ppm) : 8.17(2H, d, J=8.5H
z), 7.36(2H, d, J=8.5Hz), 3.90(2H, t, J=7.5Hz), 3.
63(2H, s), 3.40-3.00(4H, m), 1.61(2H, s), 1.80-1.4
0(2H, m), 0.96(3H, t, J=7.0Hz) 得られた化合物b 57.5 g(0.181 モル)に2N水酸化
ナトリウム水溶液680ml を加えた後、75℃で30分間攪拌
した。この液を冷却し生じた結晶を濾取・水洗した後、
減圧乾燥して6−アミノ−1−(4−ニトロフェネチ
ル)−3−プロピルウラシル(化合物d)51.7g(収率
89.7%)を得た。
【0095】IR(KBr) νmax (cm -1) : 1658, 1639, 1
611, 1518, 1492 NMR(90MHz; DMSO-d 6 ) δ(ppm) : 8.10(2H, d. J=8.5
Hz), 7.47(2H, d, J=8.5Hz), 6.82(2H, brs), 4.78(1H,
s), 4.08(2H, t, J=7.2Hz), 1.65-1.15(2H, m),0.77(3
H, t, J=7Hz) MS(m/e) : 318(M+ )
【0096】化合物d 20 g(62.8ミリモル)を100ml
の酢酸に溶解した後、これに10%Pd/C 1gを加え、8
時間水素気流下で攪拌した。反応液を濾過し、その濾液
を減圧濃縮し1N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性
とした。析出する結晶を濾取、水洗、ついで減圧乾燥し
て6−アミノ−1−(4−アミノフェネチル)−3−プ
ロピルウラシル(化合物e) 15.6 g(収率86.5%)を
得た。
【0097】IR(KBr) νmax (cm -1) : 1658, 1613, 1
517 NMR(90MHz; CDCl3 ) δ(ppm) : 7.00(2H, d. J=8.0H
z), 6.67(2H, d, J=8.0Hz), 4.82(1H, s), 4.20-3.70(6
H, m), 2.90(2H, t, J=7.5Hz), 1.80-1.50(4H, m), 0.9
5(3H, t, J=7.2Hz) MS(m/e) : 288(M+ )
【0098】化合物e 7g(24.3ミリモル)をテトラヒ
ドロフラン 180mlに溶解した後、これに水120ml および
炭酸水素ナトリウム4.13g(49.2ミリモル)を加えた。
この溶液を5−10℃に冷却し、2N水酸化ナトリウム水
溶液でpHを8−9に保ちつつ、ベンジルオキシカルボニ
ルクロライド30%トルエン溶液11.9g(20.8ミリモル)
を滴下した。滴下後30分間攪拌を続けた後、減圧濃縮し
た。これに水を加えて析出する不溶物を濾取した。これ
を、酢酸エチル 500mlに加熱溶解させ、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥、濾過、ついで溶媒を減圧下に留去して、6
−アミノ−1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ
フェネチル)−3−プロピルウラシル(化合物f)10g
(収率98%)を得た。
【0099】IR(KBr) νmax (cm -1) : 1706, 1660, 1
606, 1527, 1511 NMR(90MHz; DMSO-d 6 ) δ(ppm) : 8.63(1H, brs), 7.
65-7.20(7H, m), 7.11(2H, d, J=8.5Hz), 5.15(2H, s),
4.67(1H, s), 3.99(2H, t, J=7.0Hz), 3.62(2H,t, J=
7.5Hz), 2.73(2H, t, J=7.0Hz), 1.55-1.25(2H, m), 0.
78(3H, t, J=7.5Hz) MS(m/e) : 422(M+ )
【0100】化合物f 6.3g(14.0ミリモル)をエタノ
ール120ml および水40mlに溶解した。これに30℃で濃塩
酸2.87mlを加え、次いで亜硝酸ナトリウム1.82g(26.4
ミリモル)を加えた。約30分間攪拌した後、析出した赤
紫の結晶を濾取、水洗、次いで減圧乾燥して6−アミノ
−1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェネチ
ル)−5−ニトロソ−3−プロピルウラシル(化合物
g)8.66g(収率82.3%)を得た。
【0101】融点: 192.5− 194.5℃ IR(KBr) νmax (cm -1) : 1730, 1670, 1642, 1527, 1
515 NMR(90MHz; DMSO-d 6 ) δ(ppm) : 9.62(1H, brs), 7.
45-7.20(7H, m), 7.08(2H, d, J=8.8Hz), 5.12(2H, s),
4.06(2H, t, J=7.5Hz), 3.79(2H, t, J=7.0Hz),2.75(2
H, t, J=7.5Hz), 1.70-1.25(2H, m), 0.84(3H, t, J=7.
0Hz) MS(m/e) : 451(M+ )
【0102】化合物g 6.3g(14.0ミリモル)を50%エ
タノール水溶液 280mlに懸濁し、攪拌しながらハイドロ
サルファイトナトリウム 9.7g(55.7ミリモル)を30分
かけてゆっくり加えた。濾過により不溶物を除いた後、
濾液を減圧濃縮して生じた結晶を濾取、水洗次いで減圧
乾燥し、5,6 −ジアミノ−1−(4−ベンジルオキシカ
ルボニルアミノフェネチル)−3−プロピルウラシル
5.23 g(収率85.7%)を得た。 MS(m/e) : 437(M+ )
【0103】参考例2.化合物c 25.3 g(79.6ミリモ
ル)に2N水酸化ナトリウム水溶液 680mlを加えた後、
75℃で30分間攪拌した。この液を冷却し析出した結晶を
濾取・水洗した後、減圧乾燥して、6−アミノ−3−
(4−ニトロフェネチル)−1−プロピルウラシル(化
合物h)20.0g(収率70%)を得た。
【0104】IR(KBr) νmax (cm -1) : 1658, 1643, 1
608, 1585, 1516, 1344 NMR(90MHz; DMSO-d 6 ) δ(ppm) : 8.50(2H, d, J=8.5
Hz), 7.48(2H, d, J=8.5Hz), 6.81(2H, brs), 4.67(1H,
s), 4.00(2H, t, J=7.3Hz), 3.72(2H, t, J=7.5Hz),
2.93(2H, t, J=7.5Hz), 1.70-1.20(2H, m), 0.81(3H,
t, J=7.0Hz) MS(m/e) : 318(M+ )
【0105】化合物h 10.8g(32.9ミリモル)を用
い、以下、参考例1の化合物dから化合物eを得る方法
に準じて6−アミノ−3−(4−アミノフェネチル)−
1−プロピルウラシル(化合物i)9.78g(収率 100
%)を得た。 IR(KBr) νmax (cm -1) : 1686, 1608, 1516, 1494 NMR(90MHz; DMSO-d 6 ) δ(ppm) : 6.78(2H, d, J=8.0
Hz), 6.78(2H, brs), 6.45(2H, d, J=8.0Hz), 4.78(2H,
brs), 3.93-3.50(4H, m), 2.65-2.40(2H, m), 1.70-1.
20(2H, m), 0.86(3H, t, J=7.0Hz) MS(m/e) : 288(M+ )
【0106】化合物i 9.78g(33.9ミリモル)を用
い、以下、参考例1の化合物eから化合物fを得る方法
に準じて6−アミノ−3−(4−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノフェネチル)−1−プロピルウラシル(化合
物j)13.25 g(収率95%)を得た。 IR(KBr) νmax (cm -1) : 1722, 1689, 1657, 1651, 1
614, 1525 NMR(90MHz; DMSO-d 6 ) δ(ppm) : 9.62(1H, s), 7.50
-7.15(7H, m), 7.00(2H,d, J=9Hz), 6.63(2H, brs), 5.
08(2H, s), 3.95-3.50(4H, m), 2.65(2H, t, J=7.5Hz),
1.70-1.20(2H, m), 0.86(3H, t, J=7.0Hz) MS(m/e) : 422(M+ )
【0107】化合物j 13.2g(31.1ミリモル)を用
い、以下、参考例1の化合物fから化合物gを得る方法
に準じて6−アミノ−3−(4−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノフェネチル)−5−ニトロソ−1−プロピル
ウラシル(化合物k)12.2g(収率87%)を得た。 IR(KBr) νmax (cm -1) : 1720, 1704, 1650, 1640, 1
542, 1527 MS(m/e) : 451(M+ )
【0108】化合物k 1g(2.21ミリモル)を用い、
参考例1において化合物gから参考例1の目的化合物を
得る方法に準じて 5,6−ジアミノ−3−(4−ベンジル
オキシカルボニルアミノフェネチル)−1−プロピルウ
ラシル 0.8g(収率83%)を得た。 MS(m/e) : 437(M+ )
【0109】
【発明の効果】本発明のキサンチン誘導体は優れた抗痴
呆作用を有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−247180(JP,A) 特開 平3−173889(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 473/04 - 473/06 A61K 31/522 CA(STN) CAOLD(STN) CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 {式中、R1およびR2のいずれか一方が、置換もしくは
    非置換の低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニ
    ル、置換もしくは非置換の脂環式アルキル、置換もしく
    は非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のベンジ
    ルを表し、 他方が−(CH2m−X〔式中、mは2または3を表
    し、Xは 【化2】 (式中、aはNH、OまたはSを表し、bおよびdは同
    一または異なってCHまたはNを表す)または 【化3】 (式中、e、gおよびhは同一または異なってCHまた
    はNを表す)を表す〕を表し、Qは 【化4】 (式中、R3およびR4は同一または異なって置換もしく
    は非置換の脂環式アルキルを表す)、 【化5】 (式中、Yは単結合またはアルキレンを表し、nは0ま
    たは1を意味する)、 【化6】 (式中、L−Mは−CH2−CH2−または−CH=CH
    −を表し、Yは前記と同義である)または 【化7】 (式中、Yは前記と同義である)を表す}で表されるキ
    サンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のキサンチン誘導体または
    その薬理的に許容される塩の少なくとも一つと薬理的に
    許容される担体を含有する抗痴呆用医薬組成物
  3. 【請求項3】 請求項1記載のキサンチン誘導体を少な
    くとも一つ含有する抗痴呆剤。
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