JP3115020B2 - 酸化物陰極 - Google Patents

酸化物陰極

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化物陰極、特に電子
管、マグネトロン等のカソードとして用いられる酸化物
陰極の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物陰極は、電子管あるいはマグネト
ロン等の電子放出材であるカソードとして用いられ、例
えばこの種の酸化物陰極を用いたマグネトロンの概略構
成が図3に示されている。図において、真空中あるいは
低圧気体中に置かれた円筒状のスリーブ10にカソード
(陰極)12が形成され、このスリーブ10内にはヒー
タ14が収納されており、このカソード12の外周にア
ノード(陽極)16が配設されている。従って、ヒータ
14にてカソード10が800℃程度に熱せられると共
に、カソード12とアノード16との間に所定の電圧を
印加することによって電子がカソード12からアノード
16へ向けて放出されることになる。
【0003】図4及び図5には、上記カソード10の表
面部の微視的な断面が示されており、図4は基体金属1
上に導電性粒子であるニッケル粒子2(斜線)を焼結し
た例であり、焼結されたニッケル粒子2の隙間に酸化物
粒子3を充填することになる。上記酸化物粒子3として
は、Ba(CO3 ),Sr(CO3 ),Ca(CO3
等の炭酸塩を加熱分解して得られるものであって、この
酸化物粒子3をニッケル粒子で還元することで、効率の
よい電子放出が行える。図5は、ニッケル粒子2と酸化
物粒子3を混合し、この混合物を非焼結で基体金属1の
上に塗布したものであり、この場合は酸化物粒子3が良
好に充填されるので還元作用が大きくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の酸化物陰極では、酸化物と導電性物質の接触及び配
合状態が不十分であった。すなわち、上記図4の構成で
はニッケル粒子2が焼結されているので、酸化物粒子3
をニッケル粒子2の中へ良好に充填することができず、
ニッケル粒子2と酸化物粒子3との接触が不十分とな
り、従って良好な還元作用が行えないという問題があっ
た。
【0005】また、図5の場合は非焼結状態の混合によ
ってニッケル粒子2と酸化物粒子3の接触状態をある程
度改善できるので、図4の場合と比較すると還元作用が
よくなるが、この場合はニッケル粒子間の酸化物層が比
較的厚く、この厚い酸化物の抵抗によってジュール熱が
発生するという問題がある。このジュール熱の発生は、
不要なエミッションを起こし、カソードの寿命を縮める
ことになるので、抑制することが必要となる。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、ジュール熱の発生を押えた状態で
還元作用を良好に行うことにより、効率のよい電子放出
が可能となる酸化物陰極を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る酸化物陰極は、炭酸塩微粒子を導電性
粒子表面に付着させて炭酸塩コーティング粒子とし、こ
の炭酸塩コーティング粒子を基体金属の表面に塗布した
後に、加熱分解して形成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、まず炭酸塩の微粒子が粉
体表面改質装置等でニッケル等の導電性粒子の表面に均
一にコーティングされ、この炭酸塩コーティング粒子が
基体金属に塗布され、加熱することにより陰極の酸化物
表面層が形成される。従って、上記炭酸塩コーティング
粒子層が基体金属に形成されると、炭酸塩が変化した酸
化物という殻を被った導電性粒子が重なって配置される
ことになり、酸化物と導電性粒子との接触状態が大きく
なる。この結果、還元作用が良好に行われると共に、導
電性粒子間の酸化物の厚さも薄くかつ均一になるので、
ジュール熱の発生も抑制される。
【0009】
【実施例】図1には、本発明の実施例に係る酸化物陰極
が示されており、この酸化物陰極は電子管やマグネトロ
ン等のカソードとして用いるものである。図において、
基体金属1に炭酸塩コーティング粒子4が塗布されて炭
酸塩コーティング粒子層を形成しているが、この炭酸塩
コーティング粒子4は図2に示される構造となる。すな
わち、Ba(CO3 ),Sr(CO3 ),Ca(CO
3 )等からなる2元系以上の複合炭酸塩で、粒径が1〜
10μ程度の大きさの炭酸塩微粒子5を、15〜50μ
程度の大きさの導電性物質であるニッケル粒子2の表面
にコーティングしており、これは粉体表面改質装置等で
行うことができる。この粉体表面改質装置は、静電気を
利用してニッケル粒子2へ炭酸塩微粒子5を満遍なく付
着させ、その後に加熱処理を行うことにより、炭酸塩微
粒子5をニッケル粒子2へコーティングして炭酸塩コー
ティング粒子4とするものである。従って、図示される
ように、炭酸塩コーティング粒子4はコーティングされ
た炭酸塩が加熱処理で酸化物になると、酸化物という殻
を被ったニッケル粒子(2)となり、これによって導電
性物質と酸化物との接触状態を良好にすることが可能と
なる。
【0010】そして、この炭酸塩コーティング粒子4
は、基体金属1へ塗布されて加熱処理され、これによっ
て酸化物コーティング層が基体金属1の表面に形成され
ることになり、カソード12が形成される。上記におい
て、導電性粒子としてのニッケル粒子2は還元作用を促
進するものであればよく、他の導電性物質とすることが
できる。
【0011】上記の構成によれば、図1に示されるよう
に、ニッケル粒子2に炭酸塩微粒子(の酸化物)5の殻
を被った炭酸塩コーティング粒子4が重なり合って配置
されることになり、酸化物がニッケル粒子間に良好な接
触状態の下に均一に配合された状態となる。従って、接
触面積が大きくなることによって還元反応がスムーズに
行われることになり、また隣接するニッケル粒子2同士
の間に介在して抵抗体となる酸化物の厚さが均一とな
り、しかも従来よりも薄くすることができるので、ジュ
ール熱の発生を良好に抑制することが可能となる。
【0012】上記のように、ジュール熱を抑制すれば、
酸化物陰極自体の寿命を長くすることができるという利
点がある。すなわち、電子管、マグネトロン等で用いる
場合はヒータによって800℃程度の温度条件でカソー
ドを用いており、ある程度の高温度が電子放出のために
必要となるが、カソード自体のジュール熱によって必要
以上に熱が与えられると、エミッションが過剰に生じて
カソードの寿命を短くしてしまうことになる。従って、
本発明ではジュール熱の発生を押えることにより、電子
放出の制御がヒータの温度制御で良好に行えることにな
る。
【0013】上記実施例では、マグネトロンの酸化物陰
極について説明したが、本発明は、電子管、CRT等の
他の各種の電子放出材に適用することができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
炭酸塩微粒子を導電性粒子表面に付着させた炭酸塩コー
ティング粒子を基体金属の表面に塗布した後に、加熱分
解して陰極を形成するようにしたので、ジュール熱の発
生を押えた状態で、還元作用を良好に行うことができ、
酸化物陰極において効率のよい電子放出が可能となる。
従って、高性能かつ寿命の長い電子放出部材を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る酸化物陰極の微視的な表
面構造を示す説明図である。
【図2】実施例の炭酸塩コーティング粒子の構造を示す
説明図である。
【図3】電子管の構成を示す説明図である。
【図4】従来の酸化物陰極の微視的な表面構造の一例を
示す説明図である。
【図5】従来の酸化物陰極の微視的な表面構造の他の例
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 … 基体金属、 2 … ニッケル粒子、 3 … 酸化物粒子、 4 … 炭酸塩コーティング粒子、 5 … 炭酸塩微粒子、 12 … カソード、 14 … ヒータ、 16 … アノード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/14 - 1/142 H01J 1/20 H01J 9/02 H01J 23/04 - 23/05 H01J 29/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸塩微粒子を導電性粒子表面に付着さ
    せて炭酸塩コーティング粒子とし、この炭酸塩コーティ
    ング粒子を基体金属の表面に塗布した後に、加熱分解し
    て形成した酸化物陰極。
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