JP3113001B2 - 新植物油 - Google Patents

新植物油

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JP3113001B2 JP03251549A JP25154991A JP3113001B2 JP 3113001 B2 JP3113001 B2 JP 3113001B2 JP 03251549 A JP03251549 A JP 03251549A JP 25154991 A JP25154991 A JP 25154991A JP 3113001 B2 JP3113001 B2 JP 3113001B2
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一麿 古瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な植物油およびそ
の採取方法およびこの新規な植物油を含有する化粧料に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、オリーブ油、ゴマ油、ホホバ油、
ヒマシ油、椿油、ピーナッツ油、マカデミアンナッツ油
等多くの天然植物油が食品、医薬品または化粧品などの
分野で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】天然植物油の多くは、
特有の色、臭いを有し、またそれらが経時的に変化し易
いという欠点を有している。食品・医薬品・化粧品の分
野では、無色・無臭の天然植物油が望まれている。した
がって、本発明の目的は、食品、医薬品、化粧品などの
分野で有用な新規天然植物油を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、意外にもヘゴ族
ら採取した植物油がこの目的を達成できることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、ヘゴ族に
属するシアテアセア科の植物から採取した植物油および
その製造方法、更に、該植物油を含有する化粧料に関す
るものである。本発明にかかる植物油は、無色から淡黄
色で、無臭若しくは淡い甘い芳香を有する物質であり、
その性質から食品、医薬品、化粧品の分野などにおける
利用が期待される。
【0005】本発明において、ヘゴ族に属するシアテア
セア科の植物としては、シアテアグラブラを挙げること
ができる。シアテアセア科の植物は、インドネシアのバ
リ島やジャワ島などの1000〜1200mの高地の斜面に自生
する常緑木で、幹の高さは3〜8m、径10〜30cmに達
し、その頂きに1〜2mの大型の葉をかさのように広げ
ており、その形状から現地語で「大くぎ」と呼ばれてい
る。幹の頂点には伸びた若芽(芯)があり、現地では、
この若芽(芯)は野菜として食用にされている。本発明
における新植物油は、この若芽(芯)が直径4.5cm 、長
さ10〜40cmまで伸びたものから得られる。これらの油
は、これらの植物体の中には通常ゲル状で存在する。
【0006】本発明にかかる新植物油は、適切な方法に
よりヘゴ族に属する上記シアテアセア科の植物から油を
抽出して得ることができ、好ましくは乾留により得るこ
とができる。すなわち、含有植物油を変質させない適切
な温度、通常 200℃以下、好ましくは 100℃以下、更に
好ましくは65℃以下で乾留し、その後、濾紙または濾布
で濾過し、植物の残渣を除去して本発明にかかる植物油
が得られる。より具体的な方法の一例を示せば、ヘゴ族
に属する上記シアテアセア科の植物の芽(芯)を35〜40
℃で5時間乾留し、引き続き40〜60℃で5時間乾留後、
濾紙または濾布で濾過し、植物の残渣を除去して得るこ
とができる。以下、本発明にかかる植物油をパクオイル
という。一般に乾留とは空気を遮断して木材、石炭など
の固体有機物を加熱分解し、油状物質などを得る操作を
意味するが、本発明にかかる油を無色、無臭に近い性状
で得るためには温度、乾留時間などに特別な配慮が必要
である。しかしながら、乾留条件は、使用する装置など
により大きく異なるため、その装置に適した条件を選ぶ
ことは当業者が当然に行う行為であり、本発明の範囲内
にある。本発明における乾留とは、空気の遮断の有無に
かかわらず、植物を加熱分解して油状物質を得る方法を
意味する。空気を遮断して乾留する場合には酸化による
油の劣化を防ぐことができるため、空気を遮断しない場
合より高い温度で乾留を行うことができる。
【0007】本発明によって得られるパクオイルは、無
色から淡黄色の流動性の油で、無臭若しくは淡い甘い芳
香を有する。本発明で得られたパクオイルの物性値の概
略を示せば以下のとおりである。 色 調 :ガードナー 3〜4 酸 価 :0.77〜0.80 けん化価 :190 〜195 よう素価 :57〜60 比 重(25℃) :0.90〜0.92 屈折率(25℃) :1.46〜1.47 不けん化物 :0.02〜0.05%脂肪酸組成 本発明にかかるパクオイルは、脂肪酸のトリグリセリド
で、その脂肪酸残基の構成比率は、ガスクロマトグラフ
ィーによる定量計算の結果 ラウリン酸 0.56〜0.7 % ミリスチン酸 1.25〜1.3 % パルミチン酸 32〜38 % ステアリン酸 4〜4.5 % オレイン酸 35〜40 % リノール酸 10〜12 % である。
【0008】植物の種類、製造方法によって、上記の物
性値は多少の幅がありうるが、パクオイルの特徴として
は、オレイン酸、パルミチン酸の構成比率が高い植物油
でありながら動物油のミンク油に近い性質をもち、拡散
・被覆性に優れていることである。かつ、色調は無色か
ら淡黄色で、臭いは無臭若しくは淡い甘い芳香を有す
る。そして、経時変化的に色、臭いの変化が少ないこと
が挙げられる。現在、それぞれの分野で多くの天然植物
油が使用されているが、上記に述べたような特徴を持つ
本発明にかかる新植物油は、例えば、食品、医薬品また
は化粧品の何れの分野にも有用である。
【0009】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例を示し、本発
明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定
されるものではない。尚、実施例中の%は特記しない限
り重量基準である。
【0010】実施例1 下記の方法によりパクオイルを製造した。採集した新鮮
なシアテア グラブラの芽(芯)を、約7〜9cmの長さ
に輪切りに切断し、更に細かく砕く。ステンレス製の鍋
を用い、遠隔温度計で注意深く植物の内温を測定しなが
ら、とろ火で最初の5時間は40〜50℃の温度を維持し、
その後の5時間は50〜60℃で乾留を続ける。10時間経過
後、濾紙または濾布で濾過し、植物の残渣を除去する。
その結果、バリ島北部の標高1200mのブドゥグルで新た
に採集した植物 500gから68mlの乾留油が得られ、収率
は13.6%であった。得られた油の物性値は以下のとおり
であった。 色 調 :ガードナー 3〜4 酸 価 :0.78 けん化価 :193.0 よう素価 :58.9 比 重(25℃) :0.9105 屈折率(25℃) :1.4647 不けん化物 :0.0379% 得られたパクオイルの脂肪酸組成は、脂肪酸のトリグリ
セリドで、その脂肪酸残基の構成比率は、ガスクロマト
グラフィーによる定量計算の結果 ラウリン酸 0.7 % ミリスチン酸 1.3 % パルミチン酸 32 % ステアリン酸 4.5 % オレイン酸 35 % リノール酸 10 % である。
【0011】実施例2 下記の処方にて攪拌混合して、均一溶液とし、ヘアーオ
イルを製造した。 実施例1で得られたパクオイル 93.9% トコフェロール 0.1% 紫外線吸収剤 5.0% 香 料 1.0% 得られたヘアーオイルは毛髪に塗布するとツヤのあるし
なやかな毛髪となった。
【0012】実施例3 下記の処方にて(A)相を攪拌して均一溶液とし、その
中に(B)相を攪拌しながら加入し、ヘアートニックを
製造した。 (A) 香料 0.5% 実施例1で得られたパクオイル 1.0% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0% エタノール 15.0% グリセリン 10.0% (B) 精製水にて 100% 得られたヘアートニックはべたつかず、頭皮に潤いをあ
たえ柔軟にし、穏やかな整髪性を有した。
【0013】実施例4 下記の処方にて(A)相を70℃に加温し均一溶液とした
後、同温度以上加温した(B)相を攪拌しながら加え
る。十分に混合後冷却して40℃にて放置し、無色で白色
のクリームであるエモリエントクリームを製造した。 (A) 実施例1で得られたパクオイル 8.0% スクワラン 7.0% セトステアリルアルコール 6.5% モノステアリン酸プロピレングリコール 1.2% モノステアリン酸グリセリン 1.5% ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 1.2% (B) キサンタンガム 0.1% 防腐剤 少量 グリセリン 3.0% 1,3 −ブチレングリコール 3.0% 精製水にて 100% 得られたエモリエントクリームは伸びが良く、なめらか
で皮膚によくなじみ、皮膚を保護し、肌を整え、敏感で
荒れやすい肌を潤いのある健やかな肌に保った。
【0014】実施例5 下記の処方にて(A)相を70℃に加温し均一溶液とした
後、同温度以上加温した(B)相を攪拌しながら加え
る。十分に混合後冷却して40℃にて放置し、無色で白色
のクリームであるハンドクリームを製造した。 (A) 実施例1で得られたパクオイル 5.0% ワセリン 5.0% イソオクタン酸トリグリセリル 15.0% ステアリン酸 5.0% セタノール 3.0% ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0% ステアリン酸モノグリセリド 4.0% ブチルパラベン 0.05% グリセリン 10.0% (B) NaOH 0.1% メチルパラベン 0.1% 精製水にて 100% 得られたハンドクリームは伸びが良くさらっと肌に良く
なじみ、手荒れを治し、しっとりなめらかな肌をつくっ
た。
【0015】実施例6 下記の処方にて85〜90℃に加温溶解し、常法により成型
してリップクリームを製造した。 ミツロウ 15.0 % セレシン 5.0 % 実施例1で得られたパクオイル 38.0% カルナウバロウ 15.0% ミリスチン酸イソプロピル 10.0% スクワラン 10.0% ラノリン 7.0% 酸化防止剤 適量 香 料 適量 得られたリップクリームは、唇の荒れ、乾燥、ひび割れ
を防ぎ、唇を健やかに保った。
【0016】
【発明の効果】本発明の新植物油は、拡散・被覆性に優
れ、かつ、無色から淡黄色で、無臭若しくは淡い甘い芳
香を有し、そして、経時変化的に色、臭いの変化が少な
い天然植物油であるため、実施例にある化粧品分野にお
いて有用であるばかりでなく、食品または医薬品の何れ
の分野にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11B 3/12 C11B 3/12 (56)参考文献 特開 昭61−279247(JP,A) 特開 昭62−181223(JP,A) 特公 昭49−23284(JP,B1) 食の科学 通巻158号 1991年3月15 日 株式会社光琳発行 37頁−42頁, 112頁 最新園芸大辞典 第2巻 昭和43年11 月15日 第1版 株式会社誠文堂新光社 発行 561頁−562頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11C 3/00 C11B 1/00 - 1/16 C11B 3/12 A61K 7/00 A61K 7/06 A61K 7/40 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘゴ族に属するシアテアセア科の植物で
    あるシアテア グラブラから採取した、以下の物性及び
    脂肪酸組成を有する植物油。<物性> 色調:ガードナー 3〜4 酸価:0.77〜0.80 けん化価:190 〜195 よう素価:57〜60 比重(25℃) :0.90〜0.92 屈折率(25℃) :1.46〜1.47 不けん化物:0.02〜0.05% <脂肪酸組成> ラウリン酸:0.56〜0.7 % ミリスチン酸:1.25〜1.3 % パルミチン酸:32〜38 % ステアリン酸:4〜4.5 % オレイン酸:35〜40 % リノール酸:10〜12 %
  2. 【請求項2】 ヘゴ族に属するシアテアセア科の植物で
    あるシアテア グラブラを乾留し、植物油を採取する方
    法。
  3. 【請求項3】 ヘゴ族に属するシアテアセア科の植物で
    あるシアテア グラブラから採取した植物油を含有する
    ことを特徴とする化粧料。
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最新園芸大辞典 第2巻 昭和43年11月15日 第1版 株式会社誠文堂新光社発行 561頁−562頁
食の科学 通巻158号 1991年3月15日 株式会社光琳発行 37頁−42頁,112頁

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