JP3112215U - 鼻腔洗浄用容器 - Google Patents
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【解決手段】鼻腔内を洗浄するための容器において、容器本体2は袋状で軟質性の材料で構成され、前記容器本体2には鼻腔内に挿入するためのノズルを装着可能な口部3が設けられ、当該口部3はプロテクタ7により密封され、前記容器本体2に鼻腔洗浄液5を充填した鼻腔洗浄用容器1。
【選択図】図1
Description
鼻腔内の洗浄方法として、もっとも単純なものとしては、水や生理食塩水等を溜めたコップや洗面器などの容器を用意し、その容器内の水や生理食塩水を直接鼻腔から吸込んで、鼻もしくは口から吐き出す、いわゆる「鼻うがい」の方法がある。
しかし、この「鼻うがい」の方法では、慣れていない者にとっては容易には行える方法ではなく、また必要なときにいつでも何処でも行える方法でもない。
例えば、鼻腔内の洗浄に用いる容器として、特許文献1(実願昭59−182329)には、取っ手をつけた合成樹脂等からなる容器に、出水管と手動ポンプを管でつないだ構造のものが記載されている。
また、特許文献2(特開2000−84033)には、復元力を有しない柔軟性材料で作られた容器である鼻腔洗浄剤入容器が記載され、特許文献3(特開2000−116747)には発明の一つに、容器本体が合成樹脂フィルムを重ねた可撓性シートまたは内側に漏水防止の加工が施してあるクラフト紙等の紙材料、もしくはプラスチック材から作られている鼻洗浄用器具が記載されている。
特許文献2の容器は、ノズルを「硬質性のプラスチック材料等」または「軟質性のプラスチック材料でチューブ状に形成」または「容器本体と一体成型」する旨が記載されているが、鼻腔の形状には個人差があり、硬質性プラスチックのノズルでは鼻腔に合わない場合が考えられ、また単に軟質性のプラスチック材料からなるチューブ状のノズルでは鼻腔内洗浄時に使い勝手が悪く、容器本体と一体成型のノズルでは軟らかすぎて使い勝手が悪いと考えられる。
特許文献3に記載されている容器については、可撓性シート材を用いたものも記載されているが、特許文献3の容器は板バネ部材なる部品を必要とし、容器本体に板バネ部材を製造したり接着したりする手間がかかり、したがって製造にかかるコスト高へとつながることになり得る。
[1]本考案は、鼻腔内を洗浄するための容器において、容器本体(2)は袋状で軟質性の材料で構成され、前記容器本体(2)には鼻腔内に挿入するためのノズル(4、14、24)を装着可能な口部(3、13、23、33)が設けられ、当該口部(3、13、23、33)はプロテクタ(7)により密封され、
前記容器本体(2)に鼻腔洗浄液(5)を充填した鼻腔洗浄用容器(1)を提供する。
[2]本考案は、前記ノズル(14)は、前記容器本体(2)内の鼻腔洗浄液(5)をシャワー状に流出させることができるように、複数の小孔(19)を設けたノズル(14)である[1]に記載の鼻腔洗浄用容器(1)を提供する。
[3]本考案は、前記口部(23)は、上部に略円錐体を延設し、当該略円錐体に、鼻腔洗浄液(5)の出口である小孔(19)を形成し、ノズル(4)を上に引っ張るかまたは回すことで、前記小孔(19)を開口できるように形成した[1]に記載の鼻腔洗浄用容器(1)を提供する。
[4]本考案は、前記口部(33)は、側部に鼻腔洗浄液(5)が通る孔(29)を形成し、前記ノズル(24)は前記孔(29)と連通する溝(28)を形成し、ノズル(24)を回すことで、口部(33)の孔(29)と溝(28)を連通することができるように形成した[1]に記載の鼻腔洗浄用容器(1)を提供する。
[5]本考案は、前記ノズル(4、14、24)の鼻腔接触部(6、16、26)に、清涼剤を塗布した[1]ないし[4]に記載の鼻腔洗浄用容器(1)を提供する。
(2)鼻腔洗浄用容器を握る加減で洗浄時の水量、水勢を使用者自身が自在に調整できるので、鼻腔内の洗浄に慣れていない者でも、恐怖心や抵抗感が少なく洗浄することができる。
(3)ノズルの鼻腔に接する鼻腔接触部に塗布した清涼剤が、鼻の通りをよくする。
[鼻腔洗浄用容器1]
鼻腔洗浄用容器1は、容器本体2と口部3、プロテクタ7とから構成される。容器本体2には口部3が直接接続され、口部7はプロテクタ7により密封されている。鼻腔洗浄用容器1は、片手で握ることのできる容量で、携帯にも邪魔にならない程度の大きさ及び重さとするのが良い。
容器本体2の内部には鼻腔内を洗浄するための洗浄液として、あらかじめ鼻腔洗浄液5が充填される。鼻腔洗浄液としては、例えば体液や血液と同じ浸透圧である生理食塩水が好ましい。浸透圧が同じ生理食塩水を使用して洗浄することで、鼻粘膜へのダメージや不快感が軽減される。さらに、医療用の精製水や無菌水などを利用して製造した生理食塩水を使用することにより、安全で衛生的な鼻腔内洗浄を行える。
鼻腔洗浄用容器1はある程度熱に強く、しかも水に沈むので人の体温程度であれば好適に温めることができる。なお、温め過ぎて鼻腔洗浄液5が熱くなると、直接手で持つことができず、また鼻腔洗浄時に、デリケートな鼻腔内に損傷を与えることもあるので、鼻腔洗浄液は人の体温程度に温めるのがよい。
容器本体2を構成する材料は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル等の軟質性合成樹脂等を用いる。容器本体2の製造方法としては、例えば公知の血液バッグのように、(1)可撓性の二枚のシートを重ね合わせて、袋状に製袋する方法(シート成形)または(2)インフレーションチューブにより、袋状に製袋する公知の方法(インフレーション成形)により、製造することができる。容器本体2は、既存の機械や金型を用いて製造できるので、余分なコストがかかることなく、低コストでの製造が可能である。
口部3は、図1、図3に例示するように、管状ないし筒状に形成され、容器本体2に液漏れのないように装着される。例えば、前記(1)シート成形ないし(2)インフレーション成形時に、容器本体2に溶着される。
口部3は、開封用のプロテクタ7で覆って密封し、鼻腔洗浄を行うときまで口部3を衛生的に保たれる(雑菌等に汚染されない)ようにする。
プロテクタ7は、公知の帽子状、袋状のものでも良いし、キャップ状のものでも良い。
図1に例示する帽子状(袋状)のプロテクタ7の場合、取手を引っ張って切り込み(あえて図示しない)から引裂くことで口部3が開封することができる。
開封した口部3に、鼻腔に直接挿入するノズル4、14を装着する。図3の例示では、ノズル4、14を、口部3よりも大径に形成し、ノズル4、14の内壁面を、口部3の外壁面に圧入しているが、口部3をノズル4、14よりも大径に形成し、ノズル4、14の外壁面を、口部3の内壁面に圧入しても良い。
ノズル4、14と口部3は、一度、装着したら、液密性を維持できる程度に、容易に外れないような構造にするのが好ましいが、要するに、口部3とノズル4、14は、双方が液漏れのないように密着でき、なおかつ容易に外れない構造であればどのような構造・形状でも良い。
口部3のその他の形状として、図6に例示するように、切込み17を形成したゴム栓15を装着した口部13を採用することができる。例えば、鼻腔洗浄時に、ゴム栓15の切込み16に、ノズル4、14を圧入する。ノズル4、14は、図2、図3に例示したものよりも、更に細径に形成し、切込み17に圧入しやすくするのが良い。
以上、口部3、13の例を挙げたが、鼻腔洗浄用容器1の口部については、特にこれらに限定するものではない。
ノズル4は、図2(a)に例示するように、鼻腔に挿入しやすいように、先端を先細りテーパ状に形成したものが良い。また図3に例示するように、液体の流路の途中に公知の逆止弁(一方向弁ともいう)8等を配置して、鼻腔用洗浄容器1が倒れたりした場合でも、中の鼻腔洗浄液5が容易に流れ出たりしないようにしておくのが良い。
また、洗浄時に鼻腔へと挿入した際、鼻腔の内壁を傷つけたり、違和感や痛みなどの苦痛の他、においなどを伴わないように、ノズル4には、例えばシリコーン等の軟質材料、さらにこれらの軟質材料に抗菌剤等を添加したものを用いるのが好ましい。
ノズル4の先端には、容器本体2内に充填した鼻腔洗浄液5がスムーズに鼻腔へと流れ込む程度の孔9を開ける。この孔9があまりに小さいと、容器本体2を圧力を加えたときに、鼻腔洗浄液5がスムーズに流出しないので鼻腔内を十分に洗浄するのに時間がかかり、逆に孔9があまり大きすぎると、鼻腔洗浄液5が一度に大量に流出してしまうことから、鼻腔内を十分に洗浄できないので好ましくない。
ノズル4の鼻腔の接する鼻腔接触部6(先端から先細りテーパ近傍)には、メントールなどの清涼剤を塗布しておくと、ノズル4を鼻腔に挿入した際に鼻炎や花粉症、風邪などで詰まった鼻が通りやすくなったり、メントール類のさわやかなにおいで爽快感が得られたりすることから、鼻腔の洗浄効果とともに気分的にもよりすっきりとするといった効果が期待できる。
一般的に鼻腔内を洗浄する時としては、風邪や鼻炎などで鼻腔内が不快な場合が想定され、鼻が詰まった状態も例外ではない。特に、鼻腔内洗浄時に鼻が詰まっていると、鼻腔内の感覚が鈍っていたりして、洗浄時に上手に洗浄できない場合も考えられるので、洗浄前に清涼剤で鼻を通るようにする効果は、洗浄する際において、より有効となる。
図2(a)に例示したノズル4(洗浄液の流出口が一箇所)の代わりに、図2(b)に例示するように、洗浄液の流出口として小孔9を複数空け、洗浄時には鼻腔洗浄液5がシャワー状に噴出できるようにしたノズル14を取り付けることができる。ノズル14は、複数の小孔9の形状以外は、前記ノズル4と形状・構造・材料は実質的に同一であるから詳細な説明は省略する。このシャワー状のノズル14を使用すれば、鼻腔内に鼻腔洗浄液5が拡散して流出することから、鼻腔への直接的な刺激が比較的小さく、ノズル4より洗浄時の刺激が少なくなる。ノズル4とノズル14は、洗浄する際の鼻腔の状況、使用者の気分や好みなどで適宜選択することができる。
また、口部とノズルの組み合わせは、図5に例示するものが使用できる。口部33は、側部に鼻腔洗浄液5が通る孔29を形成している。さらに詳述すれば、図5では、上部に略円錐体を延設し、当該略円錐体の下部に孔29を形成している。他方ノズル24は前記孔29と連通する溝28を形成している。さらに詳述すれば、図5では、溝28は、口部33の略円錐体に沿って立ち上がるように形成されている。ノズル24を回すことにより口部33の孔29と溝28が合わさって連通し、鼻腔洗浄液5の流出通路が形成できる。
このような小孔19、孔29の大きさの調節ができるノズルと口部の組み合わせであれば、使用者の鼻腔洗浄時における鼻腔洗浄用容器1の握り加減と併せて、使用者の好みの水量や水勢に微調整することができ、より好適に使用することができる。
なお、小孔19、孔29、溝28の形状、数、形成位置等は、図4、図5に例示したものに限定されず、必要に応じて適宜変更できる。
本発明の鼻腔洗浄用容器1を用いて鼻腔洗浄を行う方法の一例を説明する。
(1)鼻腔洗浄用容器1の口部3を、プロテクタ7を引っ張って引裂き、容器本体2から鼻腔洗浄液5が送り出せるように開封する。ノズル4または、使用状況等に応じてノズル14もしくはノズル24を装着する。
(2)ノズル4(14、24)を鼻腔に挿入するか、または洗浄可能な程度の鼻腔内の位置に当てる。
(3)容器本体2を、容器内の鼻腔洗浄液5を押し出すように握ると、容器本体2内の鼻腔洗浄液5が、ノズル4(14、24)を経て鼻腔内へと流れ込む。このとき、容器本体2を握る力の加減により、鼻腔洗浄液5の流出量を使用者の任意で調節することができる。
なお、風邪や鼻炎などで鼻が詰まったような状態でも、ノズル4(14、24)の鼻腔接触部6(16、26)に塗布されたメントールなどの清涼剤の作用により、詰まった鼻が通りやすくなったり、メントール類特有のさわやかなにおいで爽快感が得られたりすることから、鼻腔の洗浄効果とともに気分的にもよりすっきりとするといった効果が期待できる。
2 容器本体
3、13、23、33 口部
4、14、24 ノズル
5 鼻腔洗浄液
6、16、26 鼻腔接触部
7 プロテクタ
8 逆止弁(一方向弁)
9、29 孔
15 ゴム栓
17 切込み
19 小孔
28 溝
Claims (5)
- 鼻腔内を洗浄するための容器において、容器本体(2)は袋状で軟質性の材料で構成され、前記容器本体(2)には鼻腔内に挿入するためのノズル(4、14、24)を装着可能な口部(3、13、23、33)が設けられ、当該口部(3、13、23、33)はプロテクタ(7)により密封され、
前記容器本体(2)に鼻腔洗浄液(5)を充填したことを特徴とする鼻腔洗浄用容器(1)。 - 前記ノズル(14)は、前記容器本体(2)内の鼻腔洗浄液(5)をシャワー状に流出させることができるように、複数の小孔(19)を設けたノズル(14)であることを特徴とする請求項1に記載の鼻腔洗浄用容器(1)。
- 前記口部(23)は、上部に略円錐体を延設し、当該略円錐体に、鼻腔洗浄液(5)の出口である小孔(19)を形成し、ノズル(4)を上に引っ張るかまたは回すことで、前記小孔(19)を開口できるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の鼻腔洗浄用容器(1)。
- 前記口部(33)は、側部に鼻腔洗浄液(5)が通る孔(29)を形成し、前記ノズル(24)は前記孔(29)と連通する溝(28)を形成し、ノズル(24)を回すことで、口部(33)の孔(29)と溝(28)を連通することができるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の鼻腔洗浄用容器(1)。
- 前記ノズル(4、14、24)の鼻腔接触部(6、16、26)に、清涼剤を塗布したことを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の鼻腔洗浄用容器(1)。
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