JP3111794B2 - 半導体装置およびその製造方法ならびに製造装置 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法ならびに製造装置

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JP3111794B2 JP06041653A JP4165394A JP3111794B2 JP 3111794 B2 JP3111794 B2 JP 3111794B2 JP 06041653 A JP06041653 A JP 06041653A JP 4165394 A JP4165394 A JP 4165394A JP 3111794 B2 JP3111794 B2 JP 3111794B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力用サイリスタ、G
TOサイリスタ、ダイオードなどの半導体基板周縁部に
ベベル領域を有する半導体装置およびその製造方法、特
にそのベベル領域に樹脂をコーティングする方法ならび
にこの方法を実施するための製造装置、特に樹脂のコー
ティングに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量のサイリスタやGTOサイリスタ
などの半導体基板を容器内に収容し、容器の両面に露出
する端子体との間を加圧接触により接続して容器の両面
から同等に放熱する平型半導体装置は良く知られてい
る。この場合、取り扱いやすさのため、半導体基板をモ
リブデン、タングステンなどの支持板にロウ付けするこ
ともよく知られている。しかし、このロウ付けの際に熱
膨張係数の差から曲がりが発生するので、それを避ける
ため、支持板にロウ付けしない非合金型(アロイフリ
ー)の平型半導体装置が作られるようになった。
【0003】図8に、電力用半導体素子(加圧接触式平
型パッケージ)の構造を示す。図において、1は半導体
基板、55、56は半導体基板1を挟んでその主面にア
ロイフリーに重ね合わせた中間電極板、50は前記エレ
メントを組み込んだ平型パッケージであり、該パツケー
ジ50はセラミック製の絶縁性側壁57と、側壁57に
フランジ53、54を介して連結した放熱体兼用のカソ
ード、およびアノード端子電極51、52からなる。
【0004】ここで、前記の半導体基板1に対して主面
間に所定の耐圧を確保するために、基板周縁部にはパッ
シベーション処理が施されている。パッシベーション処
理とは、耐圧をもつ半導体基板表面を水分その他の悪影
響を与える環境から守り、表面放電を防止する目的で行
うものであるから、パッシベーション膜2としては、形
成が容易で、半導体基板1の表面に密着性が良く、かつ
安定で剥離や変化しない、絶縁性の例えばシリコーン樹
脂の塗布膜が一般に用いられている。
【0005】パッシベーション処理は次のような手順で
行われる。機械的な研削により半導体基板1の周縁部を
削り、pn接合に対して傘型に傾斜したベベル領域1a
を形成する。続いて酸エッチングで加工歪み層を除去す
る。次にこのベベル領域1aの表裏両面を覆って基板1
の周縁部に、パッシベーション膜2としてシリコーン樹
脂の薄膜がコーティングされる。この場合の樹脂のコー
ティング方法として、従来では半導体基板1の周縁部に
塗布用治具としてのローラーをあてがい、基板自身を回
転させながら前記ローラーに液状の樹脂を供給して樹脂
を塗布するか、あるいはローラーの代わりに筆状の塗布
用治具を用いて樹脂を塗布するなどの方法が知られてい
る。これらの樹脂を高温炉でキュアした後、更にシリコ
ーンゴムの射出成形法により、作成した厚い樹脂枠3を
基板周縁部にあわせる。この樹脂枠3の目的は、下地の
シリコーン樹脂では十分な厚みが得られない点を補うと
ともに、パッケージ50内部で半導体基板1の位置決
め、固定を行うことにある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アロイ
フリーの電力用半導体装置において、パッシベーション
膜の剥離などによる耐圧の劣化や不安定性等、信頼性上
の問題が起こることがあった。この原因として、大きく
次の三点が考えられる。 (1)パッシベーション用樹脂の塗布前の半導体基板表
面の汚染 (2)パッシベーション用樹脂の塗布時の汚染や破損 (3)第一のパッシベーション材と第二のパッシベーシ
ョン材の不適当な選択 以下、各々について少し詳しく説明する。
【0007】まず、半導体基板表面の汚染であるが、従
来は、これらパッシベーション材となる樹脂の塗布に際
し、加工歪み層除去のための酸エッチングを行った後、
半導体基板の周縁部を純水で洗浄し加熱乾燥してから塗
布を行っていた。この酸エッチングおよび水洗で、ベベ
ル加工した表面の加工歪み層が除去されるとともに、表
面の汚れも除去されると考えられていた。しかし半導体
基板上の汚れ、特に有機物の汚れは、酸エッチングおよ
びその後の水洗では除去されなかった。このため塗布し
た樹脂の密着性が、不十分になるのである。
【0008】また、従来のようにローラーや筆などの治
具を半導体基板の周縁にあてがって基板を回転させなが
ら樹脂をコーティングする方法では、それらに起因する
汚れが付着する可能性があり、またベベル加工の施され
た断面楔形の基板周縁部に治具側から押圧力が加わって
半導体基板1が破損するおそれがあった。また、この樹
脂コーティングを半導体基板1に対して片面ずつ分けて
行うと、塗布工程の途中で半導体基板1を裏返ししなけ
ればならず、工程が煩雑となるほか、基板1を裏返しす
る際に最初に塗布した未硬化樹脂面に傷を付けたりする
などの問題もあった。
【0009】さらに、パッケージ50内部で半導体基板
1および固定用の第二パッシベーション材からなる樹脂
枠3に、予想できない力が加わった場合などに、パッシ
ベーション膜2と樹脂枠3との接着強度が半導体基板1
とパッシベーション膜2との接着強度より強い場合は、
半導体基板1とパッシベーション膜2の間に剥離が生
じ、亀裂が基板1の表面から樹脂枠3の表面にまで達し
て素子耐圧の劣化等の問題が起った。
【0010】本発明の目的は、上述の問題を解決し、半
導体基板1とパッシベーション膜2との間の接着強度を
高め、それらの間に剥離の生じることのない、信頼性の
高い半導体装置、およびそのような半導体装置を得るた
めの製造方法ならびに製造装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、周縁部が第一のパッシベーション材か
らなる膜で覆われた半導体基板が絶縁性側壁と両面に露
出する導電性端子電極を有する容器内に収容され、第一
のパッシベーション材からなる膜に接着し、容器側壁に
近接する樹脂枠(位置決め部材)が第二のパッシベーシ
ョン材からなる半導体装置において、半導体基板と第一
のパッシベーション材との接着強度が、第一のパッシベ
ーション材と第二のパッシベーション材との接着強度よ
り大きいものとする。半導体基板を覆う膜が塗布により
形成され、樹脂枠が注型により形成されたことが有効で
ある。そして、第一のパッシベーション材がポリイミド
樹脂であり、第二のパッシベーション材がシリコーン樹
脂であることが良い。
【0012】そのような半導体装置の製造方法として、
半導体基板のベベル領域を含む周縁部に紫外線を照射し
た後に第一のパッシベーション材となる樹脂をコーティ
ングするものとする。特に、最近の電力用半導体素子は
大口径化が進み半導体基板の直径が100mmを越すも
のも多い。このような大口径基板に紫外線照射を行うに
は、基板を回転しながら周縁部に照射するのがよい。
【0013】また、第一のパッシベーション材をコーテ
ィングする方法は、半導体基板を回転台の上に搭載して
回転し、この状態で基板周縁部の上面には上方から液状
樹脂を滴下し、下面には下方から液状樹脂を直接接触さ
せて塗布した後、樹脂塗布面に温風を吹きつけて乾燥さ
せるものとする。ここで、樹脂塗布面の乾燥は、半導体
基板に対して温風を樹脂塗布面の内周側から外周方向に
向けて吹きつけるのがよい。
【0014】また、十分な厚さのパッシベーション膜を
得るためには、前記した樹脂の塗布工程と乾燥工程とを
繰り返し行って半導体基板に樹脂を重ね塗りする方法が
ある。一方、前記方法の紫外線照射に用いる本発明の製
造装置は、半導体基板を搭載する回転台と、回転台上に
搭載した半導体基板の周縁部に対向して、その上下両側
に配備したレンズおよびミラーを主とする光学系と、紫
外線を発光する光源として高圧水銀ランプとを具備して
構成するものとする。
【0015】また、パッシベーション材の塗布に用いる
本発明の製造装置は、半導体基板を搭載する回転台と、
回転台上に搭載した半導体基板のベベル領域に対向して
その上面側に配備した樹脂の滴下供給用ディスペンサお
よび温風吹きつけノズルと、下面側に近接配備した樹脂
の溢出供給用ノズルおよび温風吹きつけノズルとを具備
して構成するものとする。
【0016】また、上記の紫外線照射に用いた製造装置
の回転する半導体基板の円周上の上記紫外線照射機構を
備えた位置とは別の位置に、パッシベーション材となる
樹脂の塗布機構および乾燥機構を備えることもできる。
【0017】
【作用】半導体基板と第一のパッシベーション材との接
着強度が高められて、その接着強度を、第一のパッシベ
ーション材と第二のパッシベーション材との接着強度よ
り大きくすることにより、半導体基板および第二のパッ
シベーション材からなる樹脂枠に予想出来ない力が加わ
った場合などに、剥離は基板と第一のパッシベーション
材からなる膜の界面よりも、その膜と樹脂枠との界面で
起こり、亀裂はその界面から表面に達するので、第一の
パッシベーション材の膜は無傷で残ることになり、耐圧
などの素子の信頼性が保証される。
【0018】上記の方法により半導体基板表面の塗布部
に紫外線を照射した後にパッシベーション材となる樹脂
を塗布することによって、基板表面の特に有機物を主体
とする汚染が除去され、清浄な半導体基板表面に樹脂が
塗布されることになる。その結果、塗布時の樹脂液の半
導体基板の表面に対する濡れ性を改善するとともに、パ
ッシベーション膜と半導体基板表面との接着強度を向上
させる。
【0019】紫外線を集光する機能を有する光学系を用
いて、半導体基板を回転しながら紫外線照射することに
より、大口径の半導体基板においても紫外線の照射強度
を強くできるので、汚染除去効果が高められる。また、
上記の樹脂をコーティングする方法によれば、ディスペ
ンサ、ノズルなどの塗布用治具は、半導体基板に対して
非接触状態に離れた位置に設置されているので、従来の
ローラーや筆などのように半導体基板を汚したり、半導
体基板に当たって破損を与えるようなおそれは全く無
く、かつベベル領域の表裏両面に対して、樹脂が同時に
塗布されるようになる。しかもベベル加工の施された半
導体基板の周縁部に対して、液状の樹脂が上下から同時
に供給され、かつ基板表面に付着した樹脂は基板の回転
による遠心力作用で外周端まで広がり、ベベル領域を均
一な厚さで覆うように塗布される。
【0020】樹脂塗布面に向けて、温風を吹きつける
と、樹脂の溶媒が蒸発してある程度固まる様に乾燥され
る。また、この際に温風を樹脂塗布面に対して、基板の
内周側から外周方向に向けて吹きつけることにより、流
動状態の樹脂を基板のベベル領域に押しやりながら乾燥
させることができるので都合がよい。なお、一回の塗布
で必要な厚さが得られない場合には、前記した樹脂の塗
布工程と乾燥工程とを数回繰り返して重ね塗りすること
により、所望の厚さのパッシベーション膜が得られる。
【0021】また紫外線照射機構とパッシベーション材
となる樹脂をコーティングする塗布機構および乾燥機構
が回転する半導体基板の同一の円周上に有れば、紫外線
照射の直後に樹脂のコーティングができ、汚染の機会が
減らせる。
【0022】
【実施例】図1は、本発明の一実施例にかかるサイリス
タを構成するシリコン基板1にベベル領域1aを覆う第
一のパッシベーション材からなるパッシベーション膜2
と、その上の第二のパッシベーション材からなる樹脂枠
3が形成された状態を示す部分断面図である。以下、図
を引用し、図1の形状に至るまでの製造工程を、図2の
フローに従って順を追って説明する。
【0023】シリコン基板1は、拡散、パターニングな
どの工程を終えたのち、端部を砥石により研削して約6
0度のベベル加工を行い、さらにダメージ層を除去する
ためのエッチング工程を経たものである。ここまでの工
程は、従来通りの工程に従う。図3は本発明の製造方法
において、円板状の半導体基板に紫外線照射する製造装
置の一例の構成の概略を示す断面図である。図におい
て、11は半導体基板1を真空吸着して回転する回転台
であり、この回転台11の上にベベル面1aを下に向け
て半導体基板1が搭載されている。その半導体基板1の
周縁部1bに対向して、その上面および下面側にミラー
12とレンズ13とを主とする光学系が配備されてい
て、高圧水銀ランプ14から発している紫外線15を半
導体基板1の周縁部1bの上下面に照射するようになっ
ている。
【0024】上記の装置を用いて第一のパッシベーショ
ン材となる樹脂の塗布前に、半導体基板1に紫外線照射
を行う。 なお、この処理工程に搬入される半導体基板
1は、先に述べたようにベベル加工とエッチングが終了
した状態にある。しかしこの状態では半導体基板1の酸
エッチングされた表面には、有機物を主とする汚染が付
着していることが多い。
【0025】紫外線照射工程に搬入された半導体基板1
は、まず回転台11の上に中心を合わせて定位置に搭載
して吸着保持し、続いて回転台11を駆動しモーター
(図示せず)により回転する。次に、この状態で半導体
基板1の上下に配備したミラー12およびレンズ13等
により、高圧水銀ランプ14から発した紫外線が反射、
集光されて半導体基板1のベベル領域1aを含む周縁部
1bの上下面に照射される。本実施例では、500ワッ
トの高圧水銀ランプを用いて15分間の照射を行った。
【0026】図3の装置により紫外線照射した半導体基
板1のベベル領域1aを含む周縁部1bに、照射の直後
にポリイミド樹脂を塗布したところ、半導体基板1の表
面に対する濡れ性は非常に良かった。十分乾燥した後に
ポリイミド樹脂塗布後の通常のキュア工程と同じく、3
50℃で1時間のキュアを行った後、後述の接着強度試
験装置で接着強度を測定した。半導体基板1とパッシベ
ーション膜2との接着強度は、通常の洗浄だけのものに
比べ約10%向上した。
【0027】このように樹脂液の半導体基板表面に対す
る濡れ性が改善されるとともに、パッシベーション膜2
と半導体基板1表面との接着強度が向上した原因は、紫
外線照射により基板1の表面の汚染が除去されたためと
考えられる。紫外線照射による汚染除去の機構は厳密に
は明らかになっていないが、紫外線により発生するオゾ
ンの酸化作用によって、汚染物質が酸化除去されるもの
と考えられる。
【0028】図3の装置では、高圧水銀ランプ14から
の紫外線15をレンズ13等の光学系を用いて少面積に
集光し、半導体基板1を回転しながら、半導体基板1の
周縁の必要な部分にのみ照射する方法を取ることによっ
て、照射強度が高められ、かつ照射強度が均一化され、
また照射装置をコンパクトにできているが、光学系を工
夫して、照射光を移動してもよいしまた全面に照射して
もよいのは勿論である。
【0029】以上のように、ベベル加工を施した半導体
基板の周縁部の、従来の洗浄法では不十分であった汚染
に対して極めて有効な清浄化が可能となり、パッシベー
ション用樹脂の濡れ性、接着強度が向上し、樹脂の剥離
も無くなる。図4は本発明の製造方法において樹脂コー
ティングに用いる樹脂コーティング装置の主要部の構成
を示す断面図である。図において、21は円板状の半導
体基板1を真空吸着して回転する回転台であり、この回
転台21の上にベベル面1aを下に向けて搭載した半導
体基板1の周縁部1bに対向して、その上面側には液状
樹脂(ポリイミド樹脂)を基板に向けて上方から滴下供
給する樹脂ディスペンサ22が、また下面側にはノズル
先端を基板1の表面に接近させて上向きに液状樹脂を溢
出させる樹脂供給ノズル24が配備されている。さら
に、半導体基板1の周縁部1bに対向して、別な位置に
は上下一対の温風吹きつけノズル26が配備されてい
る。ここで前記温風吹きつけノズル26は、基板1の周
縁部に対してその内周側から外周方向に向けて、温風
(温度90〜100℃の窒素ガス)を吹きつけるように
配置されている。なお、25は前記回転台21の周域を
取り囲んで、樹脂の周囲飛散を防ぐカップである。
【0030】次に、上記の装置を用いて行う樹脂をコー
ティングする方法を説明する。樹脂コーティング工程に
搬入された半導体基板1は、まず回転台21の上に中心
を合わせて定位置に搭載して吸着保持し、続いて回転台
21を駆動モーター(図示せず)により回転する。次
に、この状態で半導体基板1の上方に配備した樹脂ディ
スペンサ22より液状のポリイミド樹脂23を基板に向
けて1回に2〜3ccずつ滴下供給する。なお、樹脂の
滴下位置は、基板1の周縁より約5mm程度内側のベベ
ル領域1aの範囲内に定める。一方、基板1の下面側に
対しては、下方側に配備した樹脂供給ノズル24より液
状のポリイミド樹脂(粘度100cp)を連続的に溢出
させ、表面張力で図示のようにノズル端面から盛り上が
ったポリイミド樹脂23を直接基板1の表面に接触させ
る。これにより、半導体基板1の表裏両面にポリイミド
樹脂23が付着するとともに、高速回転の遠心力作用に
より基板1の外周側に広がった樹脂が基板の周縁先端部
で繋がり、ベベル領域1aの上下両面を連ねて均一な厚
さで覆うようになる。
【0031】続いて、樹脂の供給を停止した上で、回転
台21を回転させながら上下の温風吹きつけノズル26
を通じて90〜100℃に加熱昇温した窒素ガス27を
基板上の樹脂塗布面に数分間程度吹き付ける。これによ
り、樹脂に含まれていた溶媒が蒸発したある程度固まっ
た状態になる。なお、この場合に樹脂の塗布面に対して
温風を内周側から外周方向に向けて吹き付けることによ
り、樹脂はベベル端部に押しやられた状態で固まるよう
になる。
【0032】以上述べたように上の方法は、ベベル加工
を施した半導体基板の周縁部に対して、基板を汚染や破
損させるなどのおそれなしに、表裏両面に樹脂を同時に
かつ均一にコーティングすることができる。また、樹脂
が基板から流れ落ちることなしに、次工程への基板搬送
が支障無く行えるなど、歩留りの向上と合わせてスルー
プット性の高い樹脂コーティング方法である。
【0033】そして、前記の乾燥工程が終了すると、半
導体基板1はロボットのハンドリング操作によって回転
台21の上から排出してキュア炉に移送し、ここで加熱
温度350℃、1時間の加熱でポリイミド樹脂を硬化さ
せる。これにより、半導体基板1のベベル領域1aの表
面にパッシベーションとしてパッシベーション膜2(図
1参照)が被着形成される。
【0034】なお、半導体基板1のベベル領域1aにコ
ーティングされたパッシベーション膜2の膜厚は、回転
台21の回転数、樹脂の粘度および滴下量などによって
調整することが可能であり、半導体基板1の耐圧等を考
慮して条件を設定すればよい。図5は、本発明の製造方
法において、紫外線照射に用いる装置の別の例の構成の
概略を示す断面図であって、回転する半導体基板1の周
縁部に対向して、紫外線照射機構10と、それとは別な
位置に、液状樹脂(ポリイミド樹脂)を半導体基板の周
縁部に供給し塗布する樹脂供給ノズル16が設けられて
いて、紫外線照射の直後に樹脂コーティングできるよう
になっている。紫外線照射の直後に樹脂コーティングが
できるので汚染の機会が減らせ、結果的には汚染除去の
効果が一層高められる。
【0035】図4または図5の装置でポリイミド樹脂膜
2を形成した基板1を、図6の断面図で示す第二パッシ
ベーション部材を注型してなる樹脂枠形成装置におい
て、金型31に入れて固定する。金型31には、注入管
32と排気管33が連結されており、注入管32を閉じ
た状態で真空ポンプ34により金型31の内部を真空状
態にする。続いて注入管32を開け、金型31の内部を
シリコーン樹脂35で充満させる。そして、金型31ご
とベーク炉の中に入れ、150℃で1時間ベークを行っ
たのちに、基板1を金型31から取り出す。
【0036】ここで重要な点は、パッシベーション膜2
の形成材であるポリイミド樹脂23およびその上を覆う
樹脂枠3の形成材であるシリコーン樹脂35の選定であ
る。それぞれの接着強度は図7の断面図により概略を示
す治具を用いて、次のような方法で評価する。41は実
素子と同じ表面処理のなされたシリコン基板であり、そ
の上にポリイミド樹脂23を、シリコンブロック42に
挟まれる形で形成する。その後バネゲージによって矢印
方向から力43を加え、シリコンブロック42が剥がれ
る強度を測定する。ポリイミド樹脂23とシリコーン樹
脂35の接着強度についても同様の方法で測定する。
上記の実施例で使用したポリイミド樹脂23とシリコ
ン基板1との接着強度は、5.0kgfであり、ポリイ
ミド樹脂23とシリコーン樹脂35との接着強度は、
1.5kgfである。前者の方が後者より強い接着力を
持つ。これらの接着強度は、樹脂の組み合わせが同じで
も樹脂のメーカーが変わると変わるので、その都度測定
が必要である。
【0037】本発明によれば、半導体基板を覆って二重
にパッシベーション材が設けられる際に、基板とその上
のパッシベーション材との接着強度が、二つのパッシベ
ーション材の間の接着強度より大きいようにパッシベー
ション材を選定することにより、パッシベーション材に
大きな力が働いても、亀裂は両パッシベーション材の界
面から外方に向けて生ずるので、基板の外周部のベベル
部に亀裂が及ぶことがない。この結果、耐圧劣化が起こ
らず、信頼性の高い半導体装置が得られる。
【0038】これらの工程を経て図1に示したようにポ
リイミド樹脂のパッシベーション膜2、シリコーン樹脂
の樹脂枠3を形成したシリコン基板1を、図8に断面図
を示すパッケージ50に組み入れて半導体装置とする。
組み立ては次のような手順で行う。セラミック側壁57
とアノード端子電極51とをフランジ53によって結合
してなるパッケージ50下部の、アノード端子電極51
の上に中間電極板55を載せた上に、上記のようなシリ
コン基板1を入れ、さらにその上に中間電極板56を載
せ、カソード端子電極52と側壁57をフランジ54に
よって結合して封止する。なお、図示していないが、ゲ
ート電極への接続構造は別に形成する。
【0039】図5の装置により紫外線照射した半導体基
板1のベベル領域1aを含む周縁部1bに、照射の直後
にポリイミド樹脂を塗布し、さらにシリコーン樹脂を塗
布し、通常の平型パツケージに組み立てた半導体素子
は、パッシベーション膜2の剥離が無く良好な信頼性を
示した。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法および
装置によれば、ベベル加工を施した半導体基板の周縁部
の、従来の洗浄法では不十分であった汚染に対して極め
て有効な清浄化が可能となり、パッシベーション用樹脂
の濡れ性、接着強度が向上する。また、ベベル加工を施
した半導体基板の周縁部に対して、半導体基板表面を汚
染または破損させるなどのおそれなしに、表裏両面に樹
脂を同時にコーティングすることができる。
【0041】そして、接着強度を高めたパッシベーショ
ン膜のコーティング方法により、基板とその上のパッシ
ベーション材との接着強度が、二つのパッシベーション
材の間の接着強度より大きいようにパッシベーション材
を選定することによって、パッシベーション材に大きな
力が働いても、亀裂は両パッシベーション材の界面から
外方に向けて生ずるので、基板の外周部のベベル部に亀
裂が及ぶことがない。この結果、耐圧劣化が起こらず、
信頼性の高い半導体装置が得られる。
【0042】また、この方法は樹脂の塗布に続いて基板
を回転台に搭載したまま温風で樹脂を乾燥するようにし
たので、樹脂が基板から流れ落ちることなしに、次工程
への基板搬送が支障無く行えるなど、歩留りの向上と合
わせてスループット性の高い製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のサイリスタ半導体素体周縁
部の断面図
【図2】本発明の半導体装置の製造方法のフローを示す
【図3】本発明の半導体装置の製造方法に使用する紫外
線照射装置の構成図
【図4】本発明の半導体装置の製造方法に使用するパッ
シベーション膜形成に用いる塗布装置の断面図
【図5】本発明の半導体装置の製造方法に使用する別の
紫外線照射装置の構成図
【図6】本発明の一実施例のサイリスタの樹脂枠作成工
程の際の断面図
【図7】樹脂接着強度測定工程の際の断面図
【図8】電力用半導体装置の組み立て後の断面図
【符号の説明】
1 半導体基板 1a ベベル領域 1b 周縁部 2 パッシベーション膜 3 樹脂枠 10 紫外線照射機構 11 回転台 12 ミラー 13 レンズ 14 高圧水銀ランプ 15 紫外線 16 樹脂供給ノズル 21 回転台 22 樹脂ディスペンサ 23 ポリイミド樹脂 24 樹脂供給ノズル 25 カップ 26 温風吹き付けノズル 27 窒素ガス 31 金型 32 注入管 33 排気管 34 真空ポンプ 35 シリコーン樹脂 41 シリコン基板 42 シリコンブロック 43 力 50 パツケージ 51 アノード端子電極 52 カソード端子電極 53 フランジ 54 フランジ 55 中間電極板 56 中間電極板 57 セラミック側壁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−152668(JP,A) 特開 平1−265523(JP,A) 特開 平2−113526(JP,A) 特開 昭63−141370(JP,A) 特開 平5−335357(JP,A) 特開 平4−332169(JP,A) 実開 昭53−4869(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/74 H01L 21/312 H01L 21/56 H01L 23/29 H01L 23/31

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周縁部が第一のパッシベーション材からな
    る膜で覆われた半導体基板が絶縁性側壁と両面に露出す
    る導電性端子電極を有する容器内に収容され、第一のパ
    ッシベーション材からなる膜に接着し、容器側壁に近接
    する位置決め部材が第二のパッシベーション材からなる
    ものにおいて、半導体基板と第一のパッシベーション材
    との接着強度が、第一のパッシベーション材と第二のパ
    ッシベーション材との接着強度より大きくすることを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】半導体基板周縁部を覆う膜が塗布により形
    成され、位置決め部材が注型により形成されたことを特
    徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】第一のパッシベーショ材がポリイミド樹脂
    であり、第二のパッシベーション材がシリコーン樹脂で
    ある請求項1あるいは2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法において、半導体基板の周縁部に紫外
    線を照射した後に第一のパッシベーション材の膜形成が
    されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】半導体基板を回転台の上に搭載し、その基
    板を回転しながらその周縁部に紫外線を照射することを
    特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし3のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法において、半導体基板を回転台の上に
    搭載して回転させ、この状態で基板周縁部の上面には上
    方からパッシベーション材となる液状樹脂を滴下し、下
    面には下方から同じ液状樹脂を直接接触させて塗布させ
    た後、基板の樹脂塗布面に温風を吹きつけて乾燥させ
    て、第一のパッシベーション材の膜を形成することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】半導体基板に対して、温風を樹脂塗布面の
    内周側から外周方向に向けて吹きつけることを特徴とす
    る請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】樹脂の塗布工程と乾燥工程とを繰り返し行
    って半導体基板に樹脂を重ね塗りすることを特徴とする
    請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】半導体基板を搭載する回転台と、回転台上
    に搭載した半導体基板の周縁部に対向して、その上面側
    および下面側に配備した紫外線照射用の光学系と、紫外
    線源とを具備したことを特徴とする請求項5に記載の方
    法に用いる半導体装置の製造装置。
  10. 【請求項10】半導体基板を搭載する回転台と、回転台
    上に搭載した半導体基板の周縁部に対向して、その上面
    側に配備した樹脂の滴下供給用ディスペンサーおよび温
    風吹きつけノズルと、下面側に近接配備した樹脂の溢出
    供給用ノズルおよび温風吹きつけノズルとを具備したこ
    とを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の方
    法に用いる半導体装置の製造装置。
  11. 【請求項11】回転する半導体基板の周縁部に対向し
    て、パッシベーション材となる樹脂を供給する機構を備
    えたことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製
    造装置。
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