JP3109710B2 - 予測形同期検波器 - Google Patents

予測形同期検波器

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JP3109710B2
JP3109710B2 JP06265437A JP26543794A JP3109710B2 JP 3109710 B2 JP3109710 B2 JP 3109710B2 JP 06265437 A JP06265437 A JP 06265437A JP 26543794 A JP26543794 A JP 26543794A JP 3109710 B2 JP3109710 B2 JP 3109710B2
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディジタル無線通信
に用いられ、受信信号を複素シンボル系列候補で逆変調
して逆変調信号系列を得、現時点の逆変調信号を除く逆
変調信号系列を重み付け合成して予測値を生成し、その
予測値と現時点の逆変調信号との差の推定誤差を得、そ
の推定誤差を尤度情報として最尤系列推定を行って複素
シンボル系列候補と判定信号を出力する予測形同期検波
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタル無線通信における受信機の構
成例を図4に示す。アンテナ11に到来した受信波は低
雑音アンプ12で増幅される。その増幅出力は周波数発
振器13からのRF基準周波数信号とミキサ14で乗算
され、そのミキサ14の出力はバンドパスフィルタ15
を通過してRF周波数帯からIF周波数帯へダウンコン
バートされる。そのIF周波数帯信号はAGCアンプ1
6により検波に適するレベルに増幅される。AGC(A
uto Gain Control)アンプ16の出力
は、直交検波器17で周波数発振器18からのIF基準
周波数信号を用いて直交検波され、ベースバンド受信信
号の同相成分と直交成分とが出力される。これらの信号
はA/D変換器21,22でそれぞれサンプリングさ
れ、ディジタル信号へと変換される。ここで、サンプリ
ング周期は受信波における変調のシンボル周期Tとし、
サンプリングオフセットは零とする。検波器23はA/
D変換器21,22でサンプリングされた受信信号を入
力し、ディジタル信号処理の技術を用いて検波し判定信
号を出力端子24に出力する。
【0003】以下では全ての信号を、同相成分を実数部
で、直交成分を虚数部で表す複素表示で表すことにし、
時刻t=iTでサンプリングされた受信信号をy
s (i)とする。なお、サンプリングされた受信信号y
s (i)には、送信側と、受信側とのRF及びIF基準
周波数の周波数差のため、キャリア周波数オフセット成
分Δfc が含まれる。
【0004】サンプリングされた受信信号ys (i)
は、キャリア周波数オフセットΔfcにより時間的に変
動するだけでなく、伝搬路のフェージング変動によって
大幅に変動する。以下では、移動通信の下り回線を例
に、図5を用いてこのフェージング変動について説明す
る。図5Aで、受信側の移動体25は速度vで移動し、
移動伝搬路は多重波伝搬であり、3波の素波#1〜#3
が到来するものとし、これらの素波は基地局から或る遅
延時間後移動体に到来するが、素波間の遅延時間差はシ
ンボル周期Tに較べて無視できるものとする。第1素波
#1が移動体の進行方向vに対して到来角φ1で到来す
ると、fD cos(φ1)のドップラーシフトを受け
る。ここで、f D は最大ドップラー周波数であり、v/
λ(λ:電波の波長)である。他の第2、第3素波#
2,#3も同様であり、到来角をφ2,φ3とすると、
D cos(φ2),fD cos(φ3)のドップラー
シフトを受ける。熱雑音電力が無視できる場合、受信信
号ys (i)を逆変調操作により変調成分を除去し無変
調受信信号を生成すると、無変調受信信号の周波数スペ
クトラムは図5Bに示すように、ΔfC +fD cos
(φ1),ΔfC +fD cos(φ2),ΔfC +fD
cos(φ3)に対応する3つの線スペクトラムが現わ
れる。
【0005】移動体の速度vが速く、使用する電波の周
波数帯が高いとき、最大ドップラー周波数fD は非常に
大きくなり受信信号ys (i)は高速に変動する。検波
方式として代表的なものに同期検波と遅延検波とがある
が、通常の同期検波ではこの変動に追従できず特性が大
幅に劣化する。一方、遅延検波は変動に対する追従性は
同期検波に較べて優れているが、fD が非常に大きい場
合には同期検波と同様に劣化する。
【0006】受信信号の変動に対する追従性が優れ、最
大ドップラー周波数fD の値によらず検波可能な検波器
としては、Lodgeたちが提案した予測形同期検波が
知られている(Lodge,H.J.,and M.
L.Moher,“Maximum likeliho
od sequence estimation of
CPM signals transmitted o
ver Rayleigh flat−fading
channels,“IEEE Trans.Comm
un.,vol.COM−38,No.6,pp.78
7−794,June 1990)。図6にこの予測形
同期検波の構成を示す。まず、入力端子26からサンプ
リングされた受信信号ys (i)が入力する。図中で、
s (i)は同相成分及び直交成分の2成分を持つが、
1本線で表している。以下では、同相成分及び直交成分
の2成分を併せ持つ信号は全て、1本線で表すことにす
る。ys (i)は式で表すと ys (i)=h(i)a(i)+ns (i) (1) となる。ここで、h(i)は時刻t=iTの複素フェー
ジング振幅、a(i)は時刻t=iTの変調の複素シン
ボル、ns (i)は時刻t=iTの熱雑音信号である。
h(i)のスペクトラムは図5Bに示したように線スペ
クトラムで表され、h(i)は時間的に激しく変動す
る。a(i)はPSK(Phase Shift Ke
ying)変調の場合絶対値が1となり、特にBPSK
(Binary Phase Shift Keyin
g)変調のとき±1の値をとる。
【0007】入力端子26からの受信信号ys (i)は
遅延素子#1、遅延素子#2、遅延素子#3によりそれ
ぞれ遅延されて信号ys (i−1),ys (i−2),
s(i−3)が出力される。逆変調回路#1は、ys
(i)と、複素シンボル系列候補に含まれる時刻t=i
Tの複素シンボル候補am (i)とを入力し、y
s (i)にam (i)-1を乗算することにより逆変調操
作を行い、時刻t=iTの逆変調信号zm (i)を出力
する。ここで、am (i)が真の複素シンボルa(i)
に一致するとき、zm (i)は zm (i)=h(i)+ns (i)a(i)-1 (2) となり、式(2)の右辺第2項の雑音成分が無視できれ
ば、複素フェージング振幅h(i)に等しくなる。
【0008】逆変調回路#2、逆変調回路#3、逆変調
回路#4も同様に、それぞれys (i−1),ys (i
−2),ys (i−3)と、am (i−1),am (i
−2),am (i−3)とを入力し、逆変調信号z
m (i−1),zm (i−2),zm (i−3)を出力
する。ここで、遅延素子#1から#3及び逆変調回路#
1から#4は逆変調手段27に相当し、現時点から過去
LT(L=3)までの受信信号をそれぞれ逆変調して逆
変調信号系列を出力する。
【0009】複素フェージング振幅h(i)のスペクト
ラムが、図5Bに示すように3つの線スペクトラムで表
されるとき、h(i)は3次以上のARモデル(Aut
oregressive Model)で表すことがで
きる(S.Haykin著、Adaptive Fil
ter Theory,Pretice−Hall出
版、第2章、1st ed.,1986)。h(i)を
3次のARモデルで表すと、 h(i)=Σwk h(i−k)+v(i) (3) となる。ここで、Σはk=1から3まで、{wk }は
ARパラメータ、v(i)は生成雑音であり白色雑音で
ある。
【0010】複素シンボル候補am (i)が真の複素シ
ンボルa(i)に一致するとき、z m (i)は複素フェ
ージング振幅h(i)にほぼ等しくなることと、式
(3)を考慮し、現時点の逆変調信号zm (i)の推定
値を Σwk m (i−k) (4) とする。ここで、Σはk=1から3までである。この
推定値は前方予測値であり、逆変調回路#2から#4の
各出力zm (i−1)〜zm (i−3)にそれぞれ乗算
器#1から#3で重みw1 〜w3 をそれぞれ乗算し、こ
れら乗算出力を加算器28を用いて加算し、つまり現時
点を除く逆変調信号系列を重み付け合成して式(4)の
推定値(前方予測値)が得られる。減算器29は、この
前方予測値と現時点の逆変調信号zm (i)との差分を
計算し、前方推定誤差αfm(i)として出力する。 こ
の前方推定誤差αfm(i)の絶対値2乗は、複素シンボ
ル系列候補am (i)〜am (i−3)が真の複素シン
ボル系列に一致するとき小さくなり、一致しないと大き
くなる。従って、|αfm(i)|2 に負の定数を乗算し
たものをブランチメトリックとし、ブランチメトリック
の累積値を対数尤度関数とすれば、対数尤度関数を最大
にする複素シンボル系列候補が最尤系列となる。従って
2乗演算回路31で前方推定誤差αfm(i)の絶対値2
乗に負の定数を乗算したものを生成し、最尤系列推定回
路32で、この前方推定誤差αfm(i)の絶対値2乗を
尤度情報として、上述の操作、即ち最尤系列推定を行
い、複素シンボル系列候補am (i)〜am (i−3)
を出力し、最尤系列を判定信号として出力端子33から
出力する。ここで、可能性のある全ての複素シンボル系
列候補に対して対数尤度関数を計算すると演算量が膨大
になる。そこで、明らかに最尤系列とはならない複素シ
ンボル系列候補を順次除外し、演算量を削減する。その
アルゴリズムとして、例えば、ビタビアルゴリズム(F
orney,G.D.,Jr.,“The Viter
bi algorithm,”Proc.IEEE,v
ol.16,pp.268−278,March 19
73)や、ツリーサーチアルゴリズム(Anderso
n,J.,B.,and S.Mohan,“Sequ
ential coding algorithms:
A survey and cost analysi
s”,IEEE Trans.Commun.,vo
l.COM−32,pp.169−176,Feb.1
984)が知られており、これらを適用する。 前述の
前方予測値を生成する際の重み付け係数、即ちARパラ
メータは、図中のパラメータ推定回路34が推定する。
具体的には、前方推定誤差αfm(i)と逆変調信号系列
m (i)〜zm (i−3)とを入力として、α
fm(i)の平均2乗が最小になるように最小2乗法を用
いて推定する。最小2乗法としては、正規方程式を厳密
に逐次的に解くRLSアルゴリズムや、近似的に解くL
MSアルゴリズム等が知られている(S.Haykin
著、Adaptive Filter Theory,
Pretice−Hall出版,1st ed.,19
86)。
【0011】次に、図5Cに示すバースト構成で変調波
が送信される場合について、より詳細にパラメータ推定
について述べる。図5Cに示すバースト構成では、既知
のトレーニング信号35の後にデータ信号36が続く構
成であり、バースト長は、伝搬状況がバースト区間で大
幅に変化しないように設定する。最初はトレーニング信
号35を使ってパラメータ推定を収束させる。即ち、図
6の最尤系列推定回路32が出力する複素シンボル系列
候補を、トレーニング信号35に対応する複素シンボル
系列に設定する。トレーニング信号区間でパラメータ推
定を収束させるため、収束が一番速いRLSアルゴリズ
ムを適用する。RLSアルゴリズムは K(i) =P(i-1) C(i) /(1+CH (i) P(i-1) C(i) (5-a) αfm(i)=zm (i)−CH (i) X(i−1) (5-b) X(i)=X(i−1)+K(i)αfm(i) (5-c) P(i)=P(i−1)−K(i) CH (i) P(i−1) (5-d) となる。ここで、C(i)及びX(i)は以下で定
めるL(L=3)次元ベクトルである。
【0012】 CH (i) =〔zm (i−1)zm (i−2)zm (i−3)〕 (6-a) XH (i) =〔w1 * (i)w2 * (i)w3 * (i)〕 (6-b) なお、*は複素共約を、 Hは複素共約転置を表し、wl
(i)(l=1,2,3)のwl の時刻t=iTの推定
値である。P(i)はL×L行列で、C(i)の自
己相関行列の逆行列、K(i)はL次元ゲインベクト
ルである。
【0013】データ信号区間では、(i)現時点で最大
尤度となる複素シンボル系列候補のαfm(i)を用い
る、又は(ii)生き残った全ての複素シンボル系列候補
のαfm(i)を用いて、αfm(i)の平均2乗が最小に
なるようにパラメータ推定する方法等が考えられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】最小2乗法によるパラ
メータ推定において、パラメータ推定精度は熱雑音信号
の平均電力に伴って劣化し、時定数が大きくなるに従っ
て改善される。従って、受信信号のレベルが低く相対的
に熱雑音信号の平均電力が大きいとき、パラメータ推定
精度は劣化する。トレーニング終了時における推定精度
が悪いと、熱雑音電力が見かけ上増加することになるの
で、検波器の誤り率は劣化する。今、トレーニング信号
長をNT とすると、トレーニング終了時における時定数
はNT −Lとなる。トレーニング終了時における推定精
度を改善するためには、トレーニング信号長を長くする
必要がある。しかし、トレーニング信号長は固定であ
り、トレーニング終了時における推定精度は改善でき
ず、検波器の誤り率特性は改善できなかった。特に、相
対的に熱雑音信号の平均電力が大きいとき、トレーニン
グ終了時における推定精度が劣化し、それに伴い、誤り
率特性は大幅に劣化した。
【0015】この発明の課題は、キャリア周波数オフセ
ット及びフェージング変動による特性劣化を克服し、か
つ熱雑音による劣化が少ない予測形同期検波器を提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明による予測形同
期検波器は、(1)一定のサンプリング周期Tでサンプ
リングされた受信信号と複素シンボル系列候補とを入力
して、現時点から過去LT(L:自然数)までの受信信
号を逆変調して逆変調信号系列を出力する逆変調手段、
(2)現時点を除く逆変調信号系列を重み付け合成して
前方予測値を生成し、前方予測値と現時点の逆変調信号
との差分を前方推定誤差として出力し、一方、過去LT
の時点を除く逆変調信号系列を重み付け合成して後方予
測値を生成し、後方予測値と過去LTの時点の逆変調信
号との差分を後方推定誤差として出力する推定誤差生成
手段、(3)前方推定誤差と後方推定誤差を尤度情報と
して最尤系列推定を行い、複素シンボル系列候補と判定
信号を出力する最尤推定手段から構成されている。
【0017】推定誤差生成手段において、前方予測値と
後方予測値を生成する際の重み付け係数は、前方推定誤
差と後方推定誤差と該逆変調信号系列とを用いて、前方
推定誤差と後方推定誤差の2乗和が最小になるように制
御することが望ましい。ダイバーシチ受信を行なうため
には、各ダイバーシチブランチごとに逆変調手段と該推
定誤差生成手段を設け、ダイバーシチランチごとの前方
推定誤差と後方推定誤差とを尤度情報とする。
【0018】
【作用】この発明における基本的な作用は次のようなも
のである。(1)逆変調手段では、現時点から過去LT
(L:自然数)までの受信信号を逆変調して逆変調信号
系列を出力する。(2)推定誤差生成手段では、現時点
を除く逆変調信号系列から前方予測値を生成し、前方予
測値と現時点の逆変調信号との差分を前方推定誤差とし
て出力し、一方、過去LTの時点を除く逆変調信号系列
から後方予測値を生成し、後方予測値と過去LTの時点
の逆変調信号との差分を後方推定誤差として出力する。
(3)最尤推定手段では、前方推定誤差と後方推定誤差
を尤度情報として最尤系列推定を行い、複素シンボル系
列候補と判定信号を出力する。
【0019】この発明は従来技術とは、以下の点が異な
る。現時点を除く逆変調信号系列から前方予測値を生成
し、前方予測値と現時点の該逆変調信号との差分を前方
推定誤差として出力するのみならず、この発明では過去
LTの時点を除く逆変調信号系列から後方予測値を生成
し、後方予測値と過去LTの時点の逆変調信号との差分
を後方推定誤差として出力する。この前方推定誤差と後
方推定誤差を尤度情報として最尤系列推定を行うこと。
【0020】
【実施例】請求項1及び請求項2の発明の実施例1を図
1に示し、図6と対応する部分に同一符号を付けてあ
る。入力端子26からサンプリングされた受信信号ys
(i)が逆変調手段27に入力する。逆変調手段27
は、従来技術と同様、複素シンボル系列候補a
m (i),am (i−1),am (i−2),am (i
−3)を用いて現時点から過去LT(L=3)までの受
信信号ys (i),ys (i−1),ys (i−2),
s (i−3)をそれぞれ逆変調して逆変調信号系列
{z m (i),zm (i−1),zm (i−2),zm
(i−3)}を出力する。また従来技術と同様、前方予
測値は、図中の乗算器#1から#3及び加算器28を用
いて、現時点を除く逆変調信号系列を重み付け合成して
得られる。減算器29により、その前方予測値と現時点
の逆変調信号zm (i)との差分を計算し、前方推定誤
差αfm(i)として出力する。
【0021】この乗算器#1から#3及び加算器28を
前方線形予測フィルタ(Forward Linear
Prediction Filter)と見做すなら
ば、後方線形予測フィルタ(Backward Lin
ear Prediction Filter)は乗算
器#4から#6及び加算器41となる。ここで、乗算器
#4は逆変調信号zm (i)にw3 * を乗算し、乗算器
#5は逆変調信号zm(i−1)にw2 * を乗算し、乗
算器#6は逆変調信号zm (i−2)にw3 *を乗算す
る。後方予測値は、乗算器#4から#6の各乗算出力を
加算器41で加算して、つまり過去LTの時点を除く逆
変調信号系列を重み付け合成して得られる。減算器42
により、加算器41からの後方予測値と過去LT(L=
3)の時点の逆変調信号zm (i−3)との差分を計算
し、後方推定誤差αbm(i)として出力する。ここで、
乗算器#1から#6、加算器28,41、減算器29,
42は推定誤差生成手段43に相当する。
【0022】前方推定誤差αfm(i)及び後方推定誤差
αbm(i)の絶対値2乗は、複素シンボル系列候補が真
の複素シンボル系列に一致するとき小さくなり、一致し
ないと大きくなる。従って、|αfm(i)|2 +α
bm(i)|2 に負の定数を乗算したものをブランチメト
リックとし、ブランチメトリックの累積値を対数尤度関
数とすれば、その対数尤度関数を最大にする複素シンボ
ル系列候補が最尤系列となる。2乗演算回路31からの
前方推定誤差が絶対値2乗に負の定数を乗算したもの
と、2乗演算回路44により後方推定誤差の絶対値2乗
に負の定数を乗算したものとを、加算器45で加算して
尤度情報として最尤系列推定回路32に入力して、上述
の操作、即ち最尤系列推定を行い、複素シンボル系列候
補を出力し、最尤系列を判定信号として出力端子33か
ら出力する。従来技術と同様、最尤系列推定にビタビア
ルゴリズムやツリーサーチアルゴリズムを適用して、演
算量を減らすことも可能である。なお、β|αfm(i)
2 +(1−β)|αbm(i)| 2 (0≦β≦1)に負
の定数を乗算したものをブランチメトリックとすること
も可能である。ここで、2乗演算回路31,44、加算
器45、最尤系列推定回路32は最尤推定手段46に相
当する。
【0023】前述の前方予測値及び後方予測値を生成す
る際の重み付け係数、即ちARパラメータは、図中のパ
ラメータ推定回路47が推定する。具体的には、前方推
定誤差αfm(i)、後方推定誤差αbm(i)と逆変調信
号系列とを入力として、αfm(i)とαbm(i)の2乗
和、即ち、|αfm(i)|2 +|αbm(i)|2 が最小
になるように最小2乗法を用いて推定する。
【0024】図5Cに示したバースト構成で変調波が送
信される場合について、より詳細にパラメータ推定につ
いて述べる。最初はトレーニング信号35を使ってパラ
メータ推定を収束させる。即ち、図1の最尤系列推定回
路32が出力する複素シンボル系列候補を、トレーニン
グ信号に対応する複素シンボル系列に設定する。トレー
ニング信号区間でパラメータ推定を収束させるため、収
束が一番速いRLSアルゴリズムを適用する。この場合
の、RLSアルゴリズムは式(5)と異なり、 Ke(i) =Pe(i-1) Ce(i) /(I2 +Ce H (i) Pe(i-1) Ce (i) ) (7-a) αe(i) =z(i) −Ce H (i) X(i-1) (7-b) X(i) =X(i-1) +Ke (i) αe (i) (7-c) Pe(i) =Pe(i-1) −Ke(i) Ce H (i) Pe(i-1) (7-d) となる。ここで、I2 は2次元の単位行列、α
e(i)及びze(i)は以下で定める2次元ベクトル
である。
【0025】 αe H (i) =〔αfm * (i)αbm(i)〕 (8-a) ze H (i) =〔zm * (i)zm(i−3)〕 (8-b)Ce (i) は以下で定めるL×2行列である。 e(i)はL×L行列で、Ce(i)の自己相関行
列の逆行列、Ke(i) はL×2のゲイン行列であ
る。
【0026】データ信号区間では、(i)現時点で最大
尤度となる複素シンボル系列候補のαfm(i)とα
bm(i)を用いる、又は(ii)生き残った全ての複素シ
ンボル系列候補のαfm(i)とαbm(i)を用いて、α
fm(i)とαbm(i)の2乗和の平均が最小になるよう
にパラメータ推定する方法等が考えられる。ここで、式
(5)のアルゴリズムは1回の更新で前方推定誤差αfm
(i)のみを使っているが、式(7)のアルゴリズムは
前方推定誤差αfm(i)及び後方推定誤差αbm(i)を
使っている。前方推定誤差αfm(i)と後方推定誤差α
bm(i)が無相関と近似できるならば、式(7)のアル
ゴリズムは1回の更新で式(5)のアルゴリズムに較べ
て2倍の情報を用いており、トレーニング終了時におけ
る時定数を実質2倍にすることができる。従って、トレ
ーニング終了時におけるパラメータ推定精度を改善する
ことができ、検波器の誤り率特性を改善することができ
る。
【0027】この発明の実施例1の有効性を調べるため
に、計算機シミュレーションを行った。その結果を図2
に示す。変調方式は20kb/sBPSK変調、平均E
b /N0 は30dB、伝搬路は4素波で構成されるレイ
リーフェージングとし、キャリア周波数オフセット成分
Δfc は零とした。また、Lは5とし、25 状態のビタ
ビアルゴリズムを最尤系列推定に用いた。横軸は最大ド
ップラ周波数であり、縦軸は平均ビット誤り率であり、
本発明を黒丸、従来技術を白丸で示している。従来技術
に較べて、本発明は平均ビット誤り率が改善されている
ことがわかる。
【0028】なお、図1の構成で、追従性は犠牲にする
がパラメータ推定を行わず、乗算器#1から#6に設定
するARパラメータを定数にすることにより、演算量を
削減することも可能である。次に、請求項3の発明の実
施例2を図3に示す。本実施例は実施例1をダイバーシ
チ受信に拡張したものであり、ここで、ダイバーシチブ
ランチ数は2とし、図1と対応する部分には、同一符号
にブランチ#1は添字1を付けて、ブランチ#2は添字
2を付けて示す。入力端子261 からブランチ#1のサ
ンプリングされた受信信号が、入力端子262 からブラ
ンチ#2のサンプリングされた受信信号が入力する。各
ダイバーシチブランチごとに、逆変調手段271 ,27
2 と推定誤差生成手段431 ,432 とがそれぞれ設け
られている。ブランチ#1側の推定誤差生成手段431
が生成する前方推定誤差及び後方推定誤差をα
fm (1) (i),αbm (1) (i)とし、ブランチ#2側の
推定誤差生成手段432 が生成する前方推定誤差及び後
方推定誤差をαfm (2) (i),αbm (2) (i)とする。
前方推定誤差αfm (1) (i),αfm (2) (i)及び後方
推定誤差αbm (1) (i),αbm (2) (i)の絶対値2乗
は、複素シンボル系列候補が真の複素シンボル系列に一
致するとき小さくなり、一致しないと大きくなる。従っ
て、|αfm (1) (i)|2 +|αbm (1) (i)|2 +|
αfm (2) (i)|2 +|αbm (2) (i)|2に負の定数
を乗算したものを加算器451 ,452 及び加算器49
を用いて生成してブランチメトリックとし、ブランチメ
トリックの累積値を対数尤度関数とすれば、その対数尤
度関数を最大にする複素シンボル系列候補が最尤系列と
なる。最尤系列推定回路32は、各ダイバーシチブラン
チごとの前方推定誤差及び後方推定誤差を尤度情報とし
て、上述の操作、即ち最尤系列推定を行い、複素シンボ
ル系列候補を出力し、最尤系列を判定信号として出力端
子33から出力する。従来技術と同様、最尤系列推定に
ビタビアルゴリズムやツリーサーチアルゴリズムを適用
して、演算量を減らすことも可能である。なお、β2β
1|αfm (1) (i)|2 +β2(1−β1)|αbm (1)
(i)|2 +(1−β2)β1|αfm (2)(i)|2
(1−β2)(1−β1)|αbm (2) (i)|2 (0
β11,0β21)に負の定数を乗算したものを
ブランチメトリックとすることも可能である。ここで、
2乗演算回路311 ,312 ,441 ,442 、加算器
45 1 ,452 ,49、最尤推定回路32は最尤推定手
段51に相当する。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明ではパラ
メータ推定精度を改善することができるので、キャリア
周波数オフセット及びフェージング変動による特性劣化
を克服し、かつ熱雑音による劣化が少ない予測形同期検
波器を提供できる。また、この予測形同期検波器を用い
ると、キャリア周波数オフセットを補正するAFC(A
uto Frequency Control)回路等
が不要となる。この発明はディジタル移動通信及びディ
ジタル衛星通信に利用すると効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施例1の構成を示すブロッ
ク図。
【図2】従来技術と実施例1の平均ビット誤り率特性を
示す図。
【図3】請求項3の発明の実施例2の構成を示すブロッ
ク図。
【図4】ディジタル無線通信における受信機の構成を示
すブロック図。
【図5】Aは移動伝搬路における電波の到来を説明する
図、Bは移動伝搬路における無変調受信信号の周波数ス
ペクトラムを示す図、Cは送信変調波のバーストの構成
を示す図である。
【図6】従来の予測形同期検波器の構成を示すブロック
図。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/22 H04B 7/26 H04L 27/01

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定のサンプリング周期Tでサンプリン
    グされた受信信号と複素シンボル系列候補とを入力し、
    上記複素シンボル系列候補を用いて現時点から過去LT
    (L:自然数)までの上記受信信号を逆変調して逆変調
    信号系列を出力する逆変調手段と、 現時点を除く上記逆変調信号系列を重み付け合成するこ
    とにより前方予測値を生成し、その前方予測値と現時点
    の上記逆変調信号との差分を前方推定誤差として出力
    し、過去LTの時点を除く上記逆変調信号系列を重み付
    け合成することにより後方予測値を生成し、その後方予
    測値と過去LTの時点の上記逆変調信号との差分を後方
    推定誤差として出力する推定誤差生成手段と、 上記前方推定誤差と上記後方推定誤差を尤度情報として
    最尤系列推定を行い、上記複素シンボル系列候補と判定
    信号を出力する最尤推定手段とから構成されることを特
    徴とする予測形同期検波器。
  2. 【請求項2】 上記推定誤差生成手段において、 上記前方予測値と上記後方予測値を生成する際の重み付
    け係数は、上記前方推定誤差と上記後方推定誤差と上記
    逆変調信号系列とを用いて上記前方推定誤差と上記後方
    推定誤差との2乗和が最小になるように制御する手段を
    含むことを特徴とする請求項1記載の予測形同期検波
    器。
  3. 【請求項3】 各ダイバーシチブランチごとに請求項1
    の上記逆変調手段と上記推定誤差生成手段とが設けら
    れ、上記各ダイバーシチブランチごとの上記前方推定誤
    差と上記後方推定誤差とを尤度情報として最尤系列推定
    が行われて上記複素シンボル系列候補と上記判定信号と
    を出力する最尤推定手段を具備することを特徴とする請
    求項1又は2記載の予測形同期検波器。
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