JP3109621B2 - 混繊糸の製造装置 - Google Patents

混繊糸の製造装置

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JP3109621B2 JP04141283A JP14128392A JP3109621B2 JP 3109621 B2 JP3109621 B2 JP 3109621B2 JP 04141283 A JP04141283 A JP 04141283A JP 14128392 A JP14128392 A JP 14128392A JP 3109621 B2 JP3109621 B2 JP 3109621B2
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清 中川
亨夫 金井
勝廣 近藤
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東レ・テキスタイル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、合成繊維フィラメント
糸を流体噴射加工して混繊糸を製造する装置に関する。
さらに詳しくは、流体加工ノズルの使用期間を長く保持
して混繊糸を製造する装置に関する。
【従来の技術】従来から合成繊維フィラメント糸を流体
噴射加工して混繊糸を製造する方法はよく知られてい
る。たとえば、複数本のフィラメント糸条を引き揃え
て、糸条に対して実質的に垂直方向または一定の角度を
つけて空気などの流体を噴射するのである。流体の撹乱
流により構成繊維は入り乱れ、混繊糸が得られる。また
一定の条件の場合には、小さなループや糸長差などが形
成され、ふくらみ感がある独特の風合繊維が得られる。
このような流体加工としては、たとえば特開平3−26
0128号公報、同2−234933号公報等が提案さ
れている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
流体噴射加工を利用した混繊糸の製造装置は、加工中の
ノズル内部に繊維油剤やオリゴマーなどが付着しやす
く、比較的短期間にノズルを取り替えて洗浄することが
必要であった。このため、生産効率は落ち、省力化でき
ず、結果として生産コストの上昇につながっていたとい
う問題がある。本発明は、前記従来技術の課題を解決す
るため、流体加工ノズルの使用期間を長く保持して混繊
糸を製造する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の混繊糸の製造装置は、流体加工ノズルと流
体加工ノズルに圧力流体を供給する手段と、前記圧力流
体を加熱する手段とを少なくとも備えた合成繊維フィラ
メント混繊糸を製造する装置であって、前記圧力流体を
加熱する手段が、金属棒に多数の細孔を設け、前記金属
棒を筒状管内に配置し、前記筒状管の外側に加熱する手
段を備えていることを特徴とする。前記構成において
は、多数の細孔の断面積の合計面積が、供給流体の配管
の断面積よりも大きいものであることが好ましい。また
前記構成においては、多数の細孔を有する金属棒を2個
以上に分割して間隙を設けて配置し、かつ各金属棒の細
孔の位置を変えて筒状管内に配置することが好ましい。
【作用】前記した本発明の混繊糸の製造装置の構成によ
れば、圧力流体を加熱する手段が、金属棒に多数の細孔
を設け、前記金属棒を筒状管内に配置し、前記筒状管の
外側に加熱する手段を備えていることにより、流体加工
ノズルを効果的に加熱し、使用期間を長く保持して混繊
糸を製造することができる。また多数の細孔の断面積の
合計面積が、供給流体の配管の断面積よりも大きいもの
であるという好ましい構成によれば、より効果的に流体
加工ノズルを加熱できる。さらに、多数の細孔を有する
金属棒を2個以上に分割して間隙を設けて配置し、かつ
各金属棒の細孔の位置を変えて筒状管内に配置するとい
う好ましい構成によれば、流体の熱交換効率を高め、よ
り効果的に流体加工ノズルを加熱できる。
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明は合成繊維フィラメント糸をエアー混
繊する装置において、ノズルの混繊形成部分に必要な温
度を加えることによって、ノズル部での混繊効果を高
め、且つノズル内部の糸が通過する内壁に付着する原糸
のオリゴマやポリマー等の脱落物を剥離、流出させて、
ノズル洗浄を必要とするインターバルの延長を可能にす
るための高圧エアーの加熱装置に関するものである。今
迄、加熱を必要とするノズルは、いずれもエアー交絡ま
たはノズル内部への繊維の充填の際、繊維の形態付与を
容易にし、且つ付与した形態を保持することを目的とし
た加熱装置であり、本発明の装置が目的とするノズル洗
浄のためのノズル部の脱着、または糸掛け作業を容易に
すると共に原糸からのオリゴマやポリマー等の脱落物が
ノズルの内壁させないための加熱装置とは異なるもの
で、直接混繊形式部分に必要な温度を有する高圧エアー
を供給する加熱装置である。また、一般に高圧に圧縮し
たエアーをノズル部の混繊形成部分に噴出した時、エア
ーは体積膨張によって混繊形成部での温度は10〜15
℃程低下してしまう。このため、混繊形成部分に目的と
する温度を加えるためには、それなりの熱エネルギーが
必要である。ノズル本体部を直接加熱する場合、熱源体
との接触面積を大きくすることはノズル本体の容積、並
びにノズル加工部のスペースからの制約によって熱容積
を大きくすることは難しく、混繊形成部に供給する必要
な温度以上にノズル本体部を加熱する必要があり、熱エ
ネルギーのロスや高温化による糸掛作業性の低下等の問
題が生ずる。また、混繊効果を高めるために、ノズル供
給前の原糸に水を付与する加工法が知られているが、こ
の場合、原糸からのオリゴマやポリマー等の脱落物が増
加すると同時に一部の脱落物は水に溶出して、ノズル外
部に流出している。しかしながら、ノズル部本体を必要
温度以上高温に加熱すると、水分の蒸発によって、ノズ
ル外部へ流出する働きが低下し、ノズル内壁に原糸から
の脱落物の付着が逆に少しずつ堆積してノズル洗浄のイ
ンターバルが短くなるような問題が生ずる。本発明は以
上のような問題を解消し、ノズル本体部を必要とする温
度以上に加熱することなく、ノズル部の混繊形成部分に
必要なだけの温度に加熱する装置として、高圧に圧縮し
たエアーを加熱装置を見出した。以下本発明の一実施例
の装置の図面を用いてさらに詳しく説明する。図1は本
発明に使用する混繊装置の一実施例の全体プロセスを示
すものである。図1において、供給糸パッケージ1(複
数のパッケージから供給してもよい)から送り出された
フィラメントは、混繊加工ノズル2で流体処理を受け、
次いで巻取パッケージ3で巻き取られる。混繊加工ノズ
ル2には、ポンプ4から加熱部5を通過した加熱圧力流
体が供給される。流体としては、空気(エアー)が好ま
しく用いられる。次に図2は、流速ある高圧に圧縮され
たエアーを加熱する装置の部分断面概略図である。高圧
に圧縮されたエアーは入り口配管6から、加熱装置5に
入り、加熱されたエアーは配管10から混繊加工ノズル
に供給される。加熱装置5は、多数の細径の孔をあけた
加熱媒体である金属棒8を1個、または2個以上数個に
分割し、間隙を設けて筒管7内に配置し、管7の外側か
らたとえば電熱ヒーター9により加熱する。金属棒以外
にたとえばフィンなどを用いることもできる。図3は、
図2のX−X方向から見た側面図である。金属棒の中に
多数の細孔11を設けている。そして金属棒8は熱交換
機能を有する。図2の入り口配管6の高圧エアーの流速
をVA 、加熱部5の高圧エアーの流速をVB 、出口配管
10の高圧エアーの流速をVC とする時、VA =VC は
同一になるように配管径を同一仕様とするのが好まし
い。熱交換効率を高めるために加熱部の流速VB は、V
A =VC よりも遅くなるようにするため、配管6の断面
積よりも、加熱媒体のエアー通過の細孔の断面積の合計
が広くなるように細孔の径を小さく、細孔の数を多く設
けた加熱媒体の金属棒を円筒管に配置している。一例と
して、加熱部5の流速VB を配管6の流速VA の1/1
0にして、熱交換効率を高めようとする時、配管6の半
径a=8mm、加熱部5の細孔半径1mmの時の細孔の
数nは次式より80穴となり、熱交換効率のよい結果を
得た。 n=(a/b)×10 さらに、熱交換効率を高めるために、加熱部5の円筒管
内に分割して、配置した各加熱媒体の細孔の位置を互い
にずらすことによって、円筒管を流れるエアーは乱流を
発生し、均一で熱効率のよい加熱を与えることが出来
た。次に図4は、本実施例で使用する一実施例のノズル
5を示す。図4において、16は流体噴射孔、12は糸
挿入口、13は糸通過口、14は糸排出口、15は流体
衝突部、Aは排霧温度測定位置である。以上の実施例に
おいて、ノズル出口部の高圧エアーの加熱によりノズル
本体(およびノズル内壁部)の温度を70℃に設定した
とき、ノズル出口部の排霧温度は35℃であった。そし
て、経日のノズル汚れによる交絡不良糸や交絡ムラによ
る糸切れ発生の防止等としてのノズル洗浄の周期を測定
したところ、加熱しない場合は5日間程度の連続運転し
かできなかったが、本実施例によれば10日間まで延長
することが出来た。本実施例に使用したノズル加熱装置
によるノズル本体(および内壁部)の温度とノズル出口
部の高圧エアーによる高速流動中の排霧温度の関係は、
加工糸速、加工糸繊度等の条件にも影響されるが、本実
施例に使用したノズル加熱装置によれば、排霧温度20
〜50℃を得るのにノズル本体の熱温度は30〜115
℃までの高温が必要であった。また排霧温度は20〜5
0℃の範囲が好ましかった。
【発明の効果】以上説明した通り、前記した本発明の混
繊糸の製造装置によれば、圧力流体を加熱する手段が、
多数の細孔を有する金属棒を筒状管内に配置し、前記筒
状管の外側に加熱する手段を備えていることにより、流
体加工ノズルを効果的に加熱し、使用期間を長く保持し
て混繊糸を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する混繊装置の一実施例の全体プ
ロセスを示す。
【図2】同加熱装置の部分断面概略図である。
【図3】図2のX−X方向から見た側面図である。
【図4】本実施例で使用する一実施例のノズル5を示
す。
【符号の説明】
1 供給糸パッケージ1 2 混繊加工ノズル 3 巻取パッケージ 4 ポンプ 5 加熱部 6 入り口配管 7 筒管 8 金属棒 9 ヒーター 12 糸挿入口 13 糸通過口 14 糸排出口 15 流体衝突部 16 流体噴射孔 A 排霧温度測定位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 勝廣 愛知県中島郡平和町上三宅1丁目1番 東レ・テキスタイル株式会社本社東海事 業場内 (56)参考文献 特開 平4−2807(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02J 1/00 D01D 5/11 D02G 1/16 D02G 3/04 D02J 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体加工ノズルと流体加工ノズルに圧力
    流体を供給する手段と、前記圧力流体を加熱する手段と
    を少なくとも備えた合成繊維フィラメント混繊糸を製造
    する装置であって、前記圧力流体を加熱する手段が、金
    属棒に多数の細孔を設け、前記金属棒を筒状管内に配置
    し、前記筒状管の外側に加熱する手段を備えていること
    を特徴とする混繊糸の製造装置。
  2. 【請求項2】 多数の細孔の断面積の合計面積が、供給
    流体の配管の断面積よりも大きいものである請求項1に
    記載の混繊糸の製造装置。
  3. 【請求項3】 多数の細孔を有する金属棒を2個以上に
    分割して間隙を設けて配置し、かつ各金属棒の細孔の位
    置を変えて筒状管内に配置した請求項1に記載の混繊糸
    の製造装置。
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