JP3109007B2 - 束構造にした石英ガラスロッドによる超音波の伝送方法 - Google Patents

束構造にした石英ガラスロッドによる超音波の伝送方法

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JP3109007B2 JP03231872A JP23187291A JP3109007B2 JP 3109007 B2 JP3109007 B2 JP 3109007B2 JP 03231872 A JP03231872 A JP 03231872A JP 23187291 A JP23187291 A JP 23187291A JP 3109007 B2 JP3109007 B2 JP 3109007B2
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正和 工藤
工 福西
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日本石英硝子株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、束構造にした石英ガラ
スロッドによる超音波の伝送方法に関し、特に、伝送段
階における減衰とノイズの発生を防止して、効率よく超
音波を伝送することができる束構造にした石英ガラスロ
ッドによる超音波の伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波とは、可聴周波数領域(16Hz
〜20kHz)を越える周波数領域での振動であり、周
波数が高い程大きなエネルギーとなるが、その一方で高
周波(1MHz以上)になるほど減衰が大きく、しかも
固体よりも液体、液体よりも気体というように、固体、
液体、気体の順で減衰が大きくなる。このため、従来に
おいては、高周波の超音波を伝送するには、固体の金属
ロッドを使用することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の金属ロッドにあっては、縦波だけの超音波を入
射しても、金属ロッド内の伝送中に縦波ばかりでなく横
波も発生してしまうことと、反射が波長単位で行われな
いために二次波、三次波が重なることとによって、ノイ
ズが発生してしまい、信号として超音波を使用するとき
には好ましくないという問題点があった。
【0004】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、超音波の伝送段階においての反射を制限し、ノ
イズの発生を極力防止した束構造にした石英ガラスロッ
ドによる超音波の伝送方法を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における束構造にした石英ガラスロッドによ
る超音波の伝送方法は、振動子に固体のロッドを接続し
て、その固体のロッドにより超音波を伝送する超音波の
伝送方法であって、かかる振動子の振動により発生させ
る超音波がロッド内で波長単位で反射を繰り返すよう
に、ロッドの直径を、発生させる超音波の波長以下の大
きさとした石英ガラスロッドを複数本束ねた束構造とす
ることで、その束構造の石英ガラスロッドにより超音波
を伝送するようにしたものである。
【0006】
【作用】束構造を構成する各石英ガラスロッドの直径
を、発生された超音波がロッド内で波長単位で反射を繰
り返すように、その超音波の波長以下の大きさとしたこ
とで、超音波が石英ガラスロッド内で反射を繰り返すと
きに、その反射が波長単位内で行われる。このため、二
次波、三次波が重なることがなくなり、反射のノイズの
発生を押さえることが可能となる。
【0007】また、石英ガラスロッドを複数本束ねて束
構造としたので、超音波の入射面積を増加することがで
き、振動子からの超音波の入射が容易になる。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明による束構造
にした石英ガラスロッドによる超音波の伝送方法の一実
施例を詳細に説明するものとする。
【0009】図1は、本発明による束構造にした石英ガ
ラスロッドによる超音波の伝送方法の一実施例を示す概
略構成説明図であり、細径の石英ガラスロッド10’を
複数本(本実施例においては7本である。)束ねて構成
された束構造の石英ガラスロッド10の一方の端面10
aに、振動子12を配設することにより、他方の端面1
0bへスポット的に超音波を伝送することができる。細
径の石英ガラスロッド10’は、石英ガラスチューブあ
るいは熱収縮FEPチューブ等よりなる保護管14で被
覆することにより束ねられており、各細径の石英ガラス
ロッド10’の直径lは、振動子12の波長以下の大き
さに設定されている。
【0010】細径の石英ガラスロッド10’の直径l
が、振動子12の波長以下の大きさに設定されているこ
とで、石英ガラスロッド10’内で反射を繰り返す時
に、その反射が波長単位で行われる。このため、二次
波、三次波が重なることがなくなり、反射によるノイズ
の発生がなくなる。また、石英ガラスロッド10’が束
にされて束構造の石英ガラスロッド10とされているの
で、単一の石英ガラスロッド10’の端面10’aの面
積と比較すると、端面10aの面積が極めて大きくなる
ため、振動子12から超音波を入射し易くなる。
【0011】図2は、本実施例による束構造の石英ガラ
スロッド及び直棒形状の石英ガラスロッドについて、出
射端側における波形を測定するための実験装置を示す。
なお、この実験におけるサンプル20としては、以下の
ようなサンプルを使用した。即ち、本実施例の束構造の
石英ガラスロッドについては、直径が3mmで全長が5
00mmのロッドを7本使用し、図1に示すような形状
で束ねて全体で約10mmの直径とし、保護部材14と
して熱収縮FEPチューブを使用した。また、直棒形状
の石英ガラスロッドについては、直径10mmで全長5
00mmの石英ガラスロッドを使用した。
【0012】図2において、サンプル20の一方の端部
20aには、発信子たる振動子22が、また他方の端部
20bには、受信子たる振動子24が、サリチル酸フェ
ニールを使用して各々接着されている。振動子22、2
4は、直径12mmの厚み振動タイプであり、2MHz
〜6MHzの広帯域タイプのものである。
【0013】振動子22には、接続線26を介してゲー
ティド・アンプ28が接続されている。このゲーティド
・アンプ28は、ゲート幅が10μsecであり、シー
ケンスインターバルが100μsecのパルス波を発生
することができる。さらに、このゲーティド・アンプ2
8には、接続線26を介して、RF信号を発生する周波
数発信器30が接続されている。
【0014】一方、振動子24には、接続線26を介し
てプレアンプ32が接続され、このプレアンプ32に
は、接続線26を介してオシロスコープ34が接続され
ている。
【0015】以上のような実験装置において、周波数発
信器30から出力されたRF信号を、ゲーティド・アン
プ28に入力し、ゲート幅が10μsecであり、シー
ケンスインターバルが100μsecの超音波パルス波
を形成し、この超音波パルス波を振動子22によって超
音波に変えて、端面20aからサンプル20内に入射す
る。この入射された超音波を、出射端側の振動子24に
よって受けて、それをプレアンプ32で増幅して、オシ
ロスコープ34で波形を読み取るようになされている。
なお、測定周波数は5MHzとし、温度条件は22゜C
として、±0.1゜Cの恒温室内で測定した。なお、入
力波形は、図3(a)に示す形状である。
【0016】上記実験条件による測定結果に基づく各サ
ンプルの出射端側の波形が、図3に示されている。図3
(b)から明らかなように、束構造の石英ガラスロッド
の波形は、入力波形と極めて近似したものとなってお
り、ノイズが発生していないことが判る。ところが、図
3(c)に示す直棒形状の石英ガラスロッドの波形は、
二次波、三次波が重なっていて、反射によるノイズが発
生していることが判る。
【0017】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0018】単体の石英ガラスロッドの直径を、超音波
がロッド内で波長単位で反射を繰り返すように、その超
音波の波長以下の大きさとしたため、超音波が石英ガラ
スロッド内を伝送中に石英ガラスロッド内で反射を繰り
返すときに、その反射が波長単位で行われるので、二次
波、三次波が重なることがなくなり、ノイズの発生を極
力防止することができる。従って、石英ガラスロッドへ
の入力時と同様な波形を、出射時においても得ることが
できる。
【0019】また、直径が超音波の波長と略等しい大き
さの石英ガラスロッドを複数本束ねることにより、束構
造の石英ガラスロッドとしたので、超音波の入射面積を
増加することができるため、振動子からの石英ガラスロ
ッドへの超音波の入射が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による束構造にした石英ガラスロッドに
よる超音波の伝送方法を実施するための構造の一例を示
し、(a)は(b)のA−A線による概略構成断面図で
あり、(b)は(a)のB−B線による断面図である。
【図2】束構造にした石英ガラスロッド及び直棒状の石
英ガラスロッドの出射端側における波形を測定するため
の実験装置を示す構成説明図である。
【図3】図2の実験装置による実験結果を示し、(a)
は入力波形であり、(b)は束構造にした石英ガラスロ
ッドの出射端側の波形であり、(c)は直棒形状の石英
ガラスロッドの出射端側の波形である。
【符号の説明】
10 石英ガラスロッド 10’ 細径の石英ガラスロッド 10a 端面 10’a 端面 10b 端面 12 振動子 14 保護管 20 サンプル 20a 端面 20b 端面 22 振動子 24 振動子 26 接続線 28 ゲーティッド・アンプ 30 周波数発信器 32 プレアンプ 34 オシロスコープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/24 B06B 3/00 - 3/04 G01S 7/52 - 7/533 H04B 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子に固体のロッドを接続して、前記
    固体のロッドにより超音波を信号として伝送する超音波
    の伝送方式において、 前記固体は、超音波がロッド内で波長単位で反射を繰り
    返すように、ロッドの直径を、発生させる超音波の波長
    以下の大きさとした石英ガラスロッドを複数本束ねた構
    造をなし、当該束構造の石英ガラスロッドにより超音波
    を伝送することを特徴とする超音波の伝送方法。
JP03231872A 1991-09-11 1991-09-11 束構造にした石英ガラスロッドによる超音波の伝送方法 Expired - Fee Related JP3109007B2 (ja)

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