JP3108780B2 - ギャップ材散布装置及び液晶装置の製造方法 - Google Patents

ギャップ材散布装置及び液晶装置の製造方法

Info

Publication number
JP3108780B2
JP3108780B2 JP11194394A JP19439499A JP3108780B2 JP 3108780 B2 JP3108780 B2 JP 3108780B2 JP 11194394 A JP11194394 A JP 11194394A JP 19439499 A JP19439499 A JP 19439499A JP 3108780 B2 JP3108780 B2 JP 3108780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gap material
substrate
spraying
gap
electrode plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11194394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000035586A (ja
Inventor
幸三 行田
徹 遠峰
文雄 小幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP11194394A priority Critical patent/JP3108780B2/ja
Publication of JP2000035586A publication Critical patent/JP2000035586A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3108780B2 publication Critical patent/JP3108780B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2枚の基板間に一定
の隙間を形成するためのスペーサーとしてのギャップ材
を、基板上に散布するための散布方法及び散布装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネル等においては、2枚の基
板間に一定の隙間を確保するためにスペーサーが配置さ
れる。このようなスペーサーとしては、例えば微細な真
球ビーズ(硬質プラスチックボール)からなるギャップ
材が使用される。このようなギャップ材を一方の基板表
面上に散布した後に、他方の基板を積層することによ
り、これらの間に一定の隙間を確保するものである。
【0003】ここに、ギャップ材を液晶表示パネルのパ
ネル基板表面上に散布する方法を、図9(a)を参照し
て、以下に説明する。
【0004】同図において、101はギャップ材の散布
装置であり、ギャップ材102のの供給部103と、散
布ノズル104とによって構成されている。この供給部
103は、ギャップ材102が分散されたフロン−アル
コール混合溶媒102aが収容された容器103aと、
この容器103aが載置され、フロン−アルコール混合
溶媒102aの中でギャップ材102が均一に分散して
いる状態を保持するためのマグネットスターラー103
bと、この容器103aのキャップ103a′を貫通し
て、容器103aの空気層に導入された空気の吹き出し
管103cと、この吹き出し管103cから圧送された
空気によりフロン−アルコール混合溶媒102aを散布
ノズル104に送液するための吸管103dとによって
構成されている。この吸管103dの他端に連結されて
いる散布ノズル104には、バルブ104aが配置され
た圧力空気供給管104bが接続されており、この圧力
空気供給管104bから圧送された空気によって、フロ
ン−アルコール混合溶媒102aは、搬送装置105に
よって散布ノズル104の下方に搬送されたパネル基板
106の表面上に噴霧される。
【0005】ここで、フロン−アルコール混合溶媒10
2aのフロンとアルコールは揮散し、図9(b)に示す
とおり、パネル基板106の表面上にギャップ材102
が散布される。このギャップ材102が散布されたパネ
ル基板106に、他方のパネル基板(図示せず)を積層
すると、これらの間にはギャップ材102によって液晶
が充填されるべき隙間が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
散布方法においては、散布のために多量のフロンを使用
する。しかも、このフロンは回収することは不可能であ
り、大気中に放出される。大気中に放出されたフロン
は、大気圏上層のオゾン層を破壊し、地上日射が含む紫
外線量を増大させ、自然破壊を招く原因となる。
【0007】また、ギャップ材102を均一に分散する
ために配合されたアルコールは引火点が低いため、安全
性に対する特別な配慮を必要とする。
【0008】さらに、ギャップ材は複数個が偏在するこ
となく、均一に分散していることが望ましいが、上記の
方法によると、複数個のギャップ材102が固まってパ
ネル基板106の表面上に散布されてしまう。このよう
な状態は、液晶表示パネルにおける表示の点欠陥の原因
となるものである。
【0009】上記の問題点に鑑み、本発明の課題は、フ
ロンを使用することなく、ギャップ材をパネル基板表面
上に均一に散布可能な散布方法及びその散布装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は特に、基板上にギャップ材を散布するため
のギャップ材散布装置において、前記ギャップ材を帯電
させる帯電手段と、前記帯電手段によって帯電された前
記ギャップ材を前記基板上に散布する散布手段と、前記
ギャップ材を散布する散布室と、前記基板を保持し複数
の突起が形成されてなる電極板と、を少なくとも有して
なることを特徴とする。また、前記電極板はアース状態
に保たれていることを特徴とする。更に、一対の基板の
間隔を一定に保つためのギャップ材を基板上に散布し、
前記一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置の製造
方法において、前記一対の基板のうち一方の基板を、突
起を有する電極板上に配置する工程と、前記一方の基板
上の前記突起に対応した位置に前記ギャップ材を選択的
に散布する工程と、を少なくとも有することを特徴とす
る。また、前記ギャップ材は前記一方の基板に形成され
てなる電極以外の領域に散布されてなることを特徴とす
る。また、ギャップ材の粒子を帯電させ、帯電させた状
態で基板表面に向けて散布することにより、ギャップ材
を均一に基板表面状に散布するようにしている。
【0011】すなわち、本発明の方法は、粒状のギャッ
プ材を帯電する帯電工程と、帯電された前記ギャップ材
を基板表面上に向けて散布する工程とを有することを基
本的な特徴としている。
【0012】上記の散布工程は、基板表面に向かう空気
流を利用して、帯電したギャップ材を基板表面に向けて
散布することによって実現することができる。
【0013】また、本発明の方法においては、ギャップ
材を定量ずつ帯電工程において帯電させるようにするた
めに、ギャップ材を定量供給する供給工程を有している
ことが好ましい。
【0014】上記の散布工程の形態としては、空気流を
利用すると共に、これに併用して、帯電したギャップ材
を、静電界を形成することによって得られる吸引力を利
用して、基板表面に向けて吸引することが好ましい。ま
た、基板の外周部分にも散布されたギャップ材が行き渡
るように、静電界を利用して基板外周に吸引力を発生さ
せ、この吸引力を利用してギャップ材を基板表面の外周
に供給することが好ましい。さらに、ギャップ材の飛散
を防止した状態でギャップ材の散布を行うことが好まし
い。
【0015】次に、本発明の方法においては、上記の各
工程に加えて、帯電したギャップ材の帯電状態を緩和あ
るいは解除させた後に、ギャップ材を基板表面に付着さ
せるための帯電緩和工程を有していることが好ましい。
【0016】一方、基板表面上に均一にギャップ材を散
布するために、基板方向に向かうギャップ材を基板表面
方向に拡散させた後に基板上に散布する拡散工程を有し
ていることが好ましい。
【0017】なお、ギャップ材の散布方向は、通常は重
力方向である。すなわち、基板表面の上側からギャップ
材の散布を行う。しかし、この逆に、重力に逆らって上
方に配置した基板表面に対してギャップ材を散布するよ
うにしてもよい。
【0018】次に、本発明のギャップ材散布装置は、基
板表面上に向けて散布されるギャップ材を帯電させる帯
電手段と、帯電されたギャップ材を基板表面上に散布す
る散布手投とを有していることを基本的な特徴としてい
る。
【0019】散布手段としては、基板表面に向かう空気
流を発生させる散布ノズルを挙げることができる。
【0020】この散布ノズルに対してギャップ材を供給
するための手投としては、互いに連通する攪拌室と排出
室とを備えたギャップ材供給ユニットを挙げることがで
きる。ここに、攪拌室には攪拌ロータが配置されてお
り、この攪拌ロータに形成されている送り羽根は、攪拌
室の内面壁に先端が内接しながら回転してギャップ材を
攪拌するようになっている。また、排出室には溝付フィ
ードロータが配置されており、このロータは排出室の内
面壁に内接しながら回転可能であると共に、ギャップ材
が充填される溝を備えた構造となっている。これらに加
えて、上記のユニットは、溝付フィードロータの溝から
ギャップ材を掻き出して散布ノズル内に排出する掻き出
しプレートを備えている。なお、この構成のギャップ材
供給ユニットを散布ノズルとを一体構造とすることが好
ましい。
【0021】ここに、上記のギャップ材供給ユニットの
攪拌室に配置した攪拌ロータの複数の送り羽根には、こ
れらの送り羽根によって仕切られた攪拌室の隣接内部空
を相互に連通可能な連通部を形成して、ギャップ材を攪
拌しながら確実に排出室側に供給できるようにすること
が好ましい。また、上記の攪拌ロータ及び溝付フィード
ロータの駆動源としては、パルスモータを用いることが
好ましい。
【0022】次に、本発明の装置においては、さらに、
基板の裏面側に電極板を配置し、この電極板により基板
を支持すると共に、この電極板をギャップ材とは反対極
性に帯電しあるいはアースした状態に保持することが好
ましい。
【0023】上記のように、電極板によって直接に基板
を支持する代わりに、電極板と基板との間に、これらを
一定の間隙をもって保持する支持部を配置し、この支持
部を介して、基板を電極板上に支持する構成を採用する
こともできる。
【0024】上記の電極板の構成としては、基板の特定
部分にギャップ材を散布させるために、かかるギャップ
材散布予定領域に対応した位置に、複数の微小な電極部
を有するものを採用することができる。このような微小
電極部を電極板本体の表面から突出した形状のものとす
ることが好ましい。
【0025】次に、ギャップ材を基板表面の外周部分に
まで均一に散布するために、本発明においては、基板外
周の所定の部分に、ギャップ材とは反対極性、あるいは
アース状態に保持された補助電極を配置した構成を採用
している。
【0026】また、散布したギャップ材を確実に基板上
に付着させるために、本発明においては、イオンガンを
用いて、ギャップ材の帯電状態を緩和または解除した後
に、ギャップ材を基板表面上に付着させるようにしてい
る。
【0027】一方、上記のギャップ材散布手設によるギ
ャップ材の散布経路は、中空形のカバーを用いて区画す
ることができる。この場合には、このカバーの内周面に
帯電したギャップ材が付着しないように、このカバー内
面面をギャップ材と同極性に帯電すると共に、カバーの
外面面の側は絶縁状態に保持することが好ましい。
【0028】ここに、このようにカバーを配置した場合
に、その内周面へのギャップ材の付着を防止するための
別の方法としては、このカバー内面面に沿ってエアーナ
イフ層を形成する構成を採用することができる。あるい
は、こめような方法を採用することなく、カバー自体を
二重構造として、内側のカバーを着脱可能な構成とし
て、内側カバーに多数のギャップ材が付着した場合に
は、このカバーのみを取り外して清掃可能にすることも
可能である。
【0029】なお、ギャップ材の散布時にその飛散を防
止するためのマスク部を配置し、ギャップ材散布時に
は、電極板によって支持された基板を、昇降ユニットに
よってマスク部よりもギャップ材の散布方向上流側に位
置させ、逆に、待機時には、基板をマスク部よりも下流
側に位置させるようにすればよい。
【0030】次に、ギャップ材を基板表面上に均一に散
布するためには、散布手設と基板との間金属メッシュ板
を配置、一端このメッシュ上にギャップ材を受け止め
て、さらに、この金属メッシュ板を加振手段によって振
動させて、基板上に篩い落とすようにする構成を採用す
ることができる。
【0031】なお、上記のような構成のギャップ材散布
装置を製造ライン上に組み込むためには基板を散布手段
に搬入し、ギャップ材が散布された後の基板をこの散布
手段から搬出する基板搬送手段を配置することが好まし
い。
【0032】また、上記の散布手段による散布方向はい
ずれの方向であってもよく、例えば、重力方向とは反対
方向に向けて行うようにしてもよい。
【0033】〔作用〕本発明によるギャップ材の散布方
法及び散布装置では、帯電工程あるいは帯電手段によっ
て、ギャップ材が帯電され、この帯電状態でギャップ材
は基板表面上に向けて散布される。このため、帯電した
粒状ギャップ材は、相互に静電気的に反発し合い、分散
して基板表面上に散布される。従って、基板表面上では
複数のギャップ材が固まったまま付着することがない。
【0034】このようなギャップ材を、基板に向けて配
置された散布ノズルから噴射される空気流によって、散
布した場合には、確実に基板表面上に散布できる。
【0035】また、ギャップ材が、攪拌ロータによって
攪拌されて、溝付フィードロータの溝に充填された後
に、溝から掻き取られて散布ノズル内に供給される場合
には、定量的にギャップ材が散布されるので、基板表面
上にギャップ材は均一に散布される。また、攪拌ロータ
及び溝付フィードロータがパルスモータによって駆動さ
れる場合には、パルスモータの振動はギャップ材に伝達
される。従って、その供給がより安定化する。ここで、
攪拌ロータの送り羽根が、攪拌室と形成する空間同士を
連通部を有している場合には、攪拌ローターが回転して
も、その空間は減圧状態にならないので、ギャップ材は
詰まることなく安定に排出室に搬送される。しかも、こ
のようなギャップ材供給ユニットと、散布ノズルとが一
体化されている場合には、散布するギャップ材の変更等
の段取りを短時間で行うことができるので、生産効率の
向上を実現できる。
【0036】さらに、ギャップ材が散布されるべき基板
の面の反対には電極板が配置されており、電極板が、帯
電したギャップ材に対して反対の極性に保持された状態
またはアース状態になっている場合には噴射ノズルと電
極板との間には電気力線が発生し、帯電したギャップ材
はこの電気力線に沿って、電極板側に進む。ここで、散
布ノズルと電極板の間には、基板が位置しているので、
進んできたギャップ材は確実に基板上に散布される。
【0037】また、電極板と基板との間に間隙が形成さ
れている場合には、電極板から基板を除材するとき、ギ
ャップ材の帯電により発生する電圧を低くできるため、
均一に散布されたギャップ材の分布が乱れず、散布品質
を向上できる。このような作用は、帯電したギャップ材
は、基板表面の近傍に形成されたイオン電荷層によっ
て、帯電状態を緩和または解除されて基板表面上に散布
される場合にも得られる。
【0038】また、電極板には基板のギャップ材が散布
されるべき部分に対応した電極部を有している場合、例
えば散布されるべき部分に対応した位置で突出した電極
部によって、基板が支持されている場合には、選択的に
ギャップ材を散布できる。従って、ギャップ材を均一に
散布でき、不要なギャップ材の消費が発生しない。
【0039】さらに、基板の周囲におけるそれらの頂点
に対応する位置に、帯電したギャップ材に対して反対の
極性に保持された状態またはアース状態にある補助電極
を配置した場合には、その補助電極によって形成された
電気力線によって帯電したギャップ材は補助電極側に引
かれた状態で散布される。よって、散布ノズルの形状に
係わらず、均一にギャップ材を散布できる。
【0040】そして、ギャップ材の散布経路の側面周囲
が、内面壁がギャップ材と同極性に帯電していると共
に、外面壁は絶縁されているカバーによって画成されて
いる場合、ギャップ材の散布経路とカバーの内面壁との
間がエアーナイフ層によって遮断されている場合には、
帯電したギャップ材はカバー内面壁に付着、堆積しな
い。よって、カバーの内面壁に付着、堆積したギャップ
材が基板表面上に脱落して生じる散布品質の低下を防止
できる。または、着脱可能な内カバーによって散布経路
の側面周囲が画成された構造になっている場合にも、交
換によって内面壁を清浄に保持できるので、上記の作用
が得られる。
【0041】さらに、基板周囲には、前記ギャップ材の
飛散を防止可能なマスク部を有しており、基板がマスク
部よりギャップ材の散布上流側で支持される場合には、
この位置でギャップ材を散布すれば、散布すべき空間の
外部にギャップ材が飛散することを防止でき、確実に基
板表面上に散布できる。しかも、マスク面に付着・堆積
したギャップ材が基板表上に二次付着することを防止で
き、散布品質の向上を実現できる。さらに、基板搬送手
段を備えている場合には、自動化ラインを編成できる。
【0042】また、散布ノズルと基板との間に振動する
金属メッシュ板が配置されている場合には、その振動に
よってギャップ材をさらに分散でき、基板全体に均一に
散布できる。
【0043】そして、基板には下方からギャップ材が散
布される場合には、ゴミやケバ等が基板の表面上に付着
しにくいので、散布品質の向上を実現できる。
【0044】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の実施例を
説明する。なお、実施例は、液晶パネル用の基板に対し
てギャップ材を散布するためのものであるが、本発明
は、液晶パネルに限らず、二枚の板の間を一定の間隔に
保持するためにギャップ材を散布する場合に通用するこ
とができる。
【0045】第1実施例 (全体構成)図1は、ギャップ材の散布装置の全体構成
を示す断面図である。
【0046】同図において、1はギャップ材の散布装置
本体であり、散布装置1のハウジング2の上方内部がギ
ャップ材の供給室11になっている。この供給室11に
ギャップ材の供給部12が配置されており、供給部12
は、ギャップ材が収容されるギャップ材容器13と、こ
の下方に配置されたギャップ材供給ユニット14とによ
って構成されている。
【0047】この供給室11に対して、仕切り板11a
を隔ててギャップ材散布室21が配置されており、この
散布室21がギャップ材の散布部22になっている。こ
の散布室21には、ギャップ材供給ユニット14と一体
に組み付けられた散布ノズル23が、仕切り板11aの
開口部11a′から下方に突出しており、散布ノズル2
3の側部には圧力空気供給管24が接続されている。こ
の散布ノズル23に対して下方の位置には、透明なガラ
スからなる液晶表示パネルのパネル基板3が対向配置さ
れている。これらの間の空間は内面カバー25によって
画成されている。このパネル基板3は金属電極板26の
上面に載置されており、金属電極板26はこれを上下に
移動させる昇降ユニット27に連結されている。この金
属電極板26と昇降ユニット27の間には、パネル基板
3を搬送する複数の搬送ローラ28が並設されている。
【0048】また、散布装置1のハウジング2の下方内
部には、ギャップ材供給ユニット14の動作を制御する
ギャップ材供給コントローラー31と、散布ノズル23
の内部に配置された後述する電極部への電圧印加等を制
御する散布ノズルコントローラー32とが配置されてい
る。
【0049】(ギャップ材の供給部)ここで、ギャップ
材の供給部12の構成を、図2(a),(b)を参照し
て、以下に説明する。
【0050】図2(a)は、供給部12の構成を示す斜
視図であり、図2(b)はその断面図である。
【0051】これらの図において、ギャップ材4を装填
するギャップ材容器13の下方開口部13aは、ギャッ
プ材供給ユニット14の攪拌室15′に連通しており、
その内部には四枚の送り羽根15aを備えた攪拌ロータ
15が配置されいる。このロータの送り羽根15aの先
端部15a′は攪拌室15′の内面壁に実質的に内接し
た状態に配置されている。この攪拌ロータ15は回転軸
15bに連結されている。また、送り羽根15aは、そ
の先端部15a′に、図2(c)に示す切欠部15a″
を有している。これらの切欠部は、攪拌ローク15の回
転時に、攪拌ロータ15の送り羽根15aと攪拌室1
5′の内面壁とによって区画される空間が減圧状態にな
ることを防止するためのものである。また、攪拌室1
5′には、直下に配置された円筒状の排出室16′が連
通しており、排出室16′の内部には、側部に1条の溝
16aを備えた円筒状の溝付フィードロータ16が排出
室16′の内面壁に内接した状態で、その回転軸16b
に連結されている。その下方には、溝付フフィードロー
タ16の溝16aの内部に先端17aが位置する状態で
掻き出しプレート17が配置されており、溝付フィード
ロータ16の溝16aに充填されて搬送されるギャップ
材4を掻き出して、散布ノズル23の噴射孔23aに排
出可能になっている。
【0052】ここで、攪拌ロータの回転軸15b及びフ
ィードロータの回転軸16bには、それぞれ円筒歯車1
5c,16cが噛み合った状態で取り付けられており、
さらに円筒歯車15cにはこれに比して小径の円筒歯車
18bが噛み合わされている。この円筒歯車18bは、
パルスモータ18の回転軸18aに連結され、パルスモ
ータ18の回転軸18aの回転駆動を減速して伝達可能
になっている。
【0053】このような構成からなる供給部12は、そ
の下方の散布ノズル23と一体化されており、散布ノズ
ル23の噴射孔23aに傾斜をもって連通している圧力
空気供給管24から噴出される空気によって、供給部1
2から排出されたギャップ材4は噴射孔23aから散布
可能になっている。また、噴射孔23aの内部には、高
電圧用電極29が配置されており、これにより形成され
る静電界により、ギャップ材4が帯電可結になってい
る。
【0054】(ギャップ材の散布部)次に、ギャップ材
の散布部22の構成を、図3(a)乃至(c)を参照し
て、説明する。
【0055】図3(a)は、散布部22の構成を示す断
面図であり、同図において、供給室11との仕切り板1
1aの開口部11a′からは散布ノズル23が、噴射孔
23aをパネル基板3の中央に向けて突出している。こ
こで、散布ノズル23の噴射孔23aの内部に配置され
ている高電圧用電極29には、電源30a,コントロー
ラー30b,高電圧発生回路30cからなる高電圧発生
装置30より出力された高電圧が導かれた状態になって
いる。一方、金属電極板26はアースされて、散布ノズ
ル23と金属電極板26の間に電気力線31が発生する
ようになっており、この電気力線31の側方を周囲から
画成する状態に内面カバー25が仕切り板21aの上に
載置されている。
【0056】このような散布部22において、金属電極
板26は、これを上下に移動させる昇降ユニット27に
連結されており、散布時には、金属電極板26は上昇し
て、パネル基板3を散布室21の内部に移動させて、そ
こで位置決めし、パネル基板3の交換時には、下降して
パネル基板3を搬送ローラー28の上面に載置可能にな
っている。ここで、搬送ローラー28は、ハウジング2
に開口された搬入口2aから搬入口2bを貫通して、水
平に配置されており、それらは、図3(b)に示すとお
り、小径の軸部28aと、その両端に連結された大径の
プーリー28b,28cとによって構成されている。一
方、金属電極板26の下面には、搬送ローラー28の軸
部28aの径に比してやや大径の半円状の溝26aが、
軸部28aの位置に対応して形成されている。金属電極
板26は、軸部28aの隙間を通って上方に突出してい
る支持片27aによって昇降ユニット27に接続され、
さらに金属電極板26は、パネル基板3を載置した状態
のまま、その溝26aに輪郭28aが挿入するように下
降可能になっており、パネル基板3の端部が搬送ローラ
ー28のプーリー28b,28cに載置された状態まで
下降しても、金属電極板26と搬送ローラ28−とは干
渉しない構造になっている。
【0057】このような構造からなる散布部22の内面
カバー25は、図3(c)に示すとおり、ハウジング2
の前面にヒンジ2cによって取り付けられた前面カバー
2d,2d′の開放によって、前面から着脱可能になっ
ている。
【0058】(動作)以上の構成からなるギャップ材の
散布装置1の動作を以下に説明する。
【0059】散布装置1の初期状態においては、昇降ユ
ニット27によって、金属電極板26は下降状態にあ
り、ギャップ材の供給部12にはギャップ材4は装填さ
れているがシャッター機構(図示せず)によって、散布
ノズル23にはギャップ材4が排出されない状態になっ
ており、攪拌ロータ15及び溝付フィードロータ16を
駆動するパルスモータ18も停止状態にある。さらに、
散布ノズル23の高電圧用電極29の高電圧発生装置3
0も停止状態にある。
【0060】この状態から、搬送ローラー28によっ
て、パネル基板3が搬入口2aから金属電極板26の直
上にまで搬送されてきたことを感知して、搬送ローラー
28が停止した後に、昇降ユニット27によって金属電
極板26は上昇して、パネル基板3を載置し、さらに上
昇していき、所定の位置で停止する。この状態で、散布
ノズルコントローラー32の指示により、圧力空気供給
管24からは圧力空気が送られ、散布ノズル23の噴射
孔23aから下方への噴射空気流が形成されると共に、
高電圧発生装置30が作動し、100kvDCのマイナ
スの高電圧が散布ノズル23の高電圧用電極29に導か
れる。これにより、高電圧用電極29とアースされてい
る金属電極板23との間に静電界が形成される。この状
態で、ギャップ材供給コントローラー31の指示によ
り、パルスモータ18の回転軸18aが回転し、この回
転駆動が減速されて伝達され、攪拌ロータ15及び溝付
フィードロータ16はそれぞれの回転軸15b,16b
回りに回転を開始する。ここで、攪拌ロータ15は攪拌
室15′の内部で矢印A方向に回転すると共に、溝付フ
ィードロータ16は排出室16′の内部で攪拌ロータ1
5とは逆に矢印B方向に回転することによって、溝付フ
ィードロータ16の溝16aにギャップ材4が充填され
る。これらのギャップ材4は、溝付フィードロータ16
の溝16aに配置された掻き出しプレート17の先端1
7aにより、溝16aから掻き出されて、散布ノズル2
3の噴射孔23aに排出される。
【0061】この噴射孔23aでは、圧力空気供給管2
4から下方へ噴射空気流が形成されており、この噴射空
気流によって、ギャップ材4は下方に搬送される。ここ
で、噴射空気流によって搬送されたギャップ材4は、高
電圧用電極29に衝突するまたは近傍を通過する際にマ
イナス帯電し、静電界中の電気力線31に沿って、アー
ス接続されている金属電極板26に向って進む。このと
き、ギャップ材4はいずれもマイナス帯電しており、互
いに反発し合い、分散した状態で進む。この金属電極板
26の上にはパネル基板3が載置されており、マイナス
帯電した状態のギャップ材4はパネル基板3の表面上に
散布される。
【0062】以上の過程により、所定量のギャップ材4
の散布が終了した後に、ギャップ材4の散布は中断さ
れ、金属電極板26はパネル基板3を載置した状態のま
ま、下降していく。この金属電極板26の下降中に、パ
ネル基板3の端部は搬送ローラー28の両側のプーリー
28b,28cの上に支持され、さらに下降する金属電
極板26から除材される。金属電極板26の下降が終了
した時点で、搬送ローラー28が作動し、パネル基板3
は搬出口2bから散布装置1の外部に搬出されると共
に、次にギャップ材4が散布されるべきパネル基板(図
示せず)が搬入口2aから散布装置1の内部に搬入さ
れ、同様にギャップ材4が散布される。
【0063】(第1実施例の効果)以上のとおり、本例
に係る散布装置1においては、ギャップ材4の散布に溶
媒を使用しない乾式散布法であり、フロン及びアルコー
ルを使用することによって発生する工程操作上の不都
合、例えばアルコールに対する安全性の問題及び溶媒の
揮発による作業環境の問題を解消することができる。特
に、環境破壊に関し、大きな問題を有しているフロンを
全く使用しないので、社会的要請に沿うことができる。
【0064】また、パネル基板3の表面上に散布される
ギャップ材4は、散布ノズル23の内部でマイナス帯電
され、ギャップ材4同士は同一極性に帯電しているの
で、互いに反発し合って、固まることなくパネル基板3
の表面上に散布される。従って、ギャップ材4の固まり
によって発生する液晶表示パネルの表示点欠陥等を防止
できる。
【0065】さらに、供給部12において、ギャップ材
4を攪拌して、充填し、排出する攪拌ロータ15,溝付
フィードロータ16及び掻き取りプレート17はギャッ
プ材供給ユニット14として一体化されており、さらに
散布ノズル23も一体に連結されているので、ギャップ
材4をギャップ材容器13に装填するだけで、自動的に
一定量が供給される。しかも、攪拌ロータ15には切欠
部15a″が形成されており、攪拌ロータ15と攪拌室
15′の壁面とによって形成される空間が減圧状態にな
ることを防止しているため、この空間内でのギャップ材
4の詰まりによって発生するギャップ材4の供給量の変
動が発生しない。さらに、攪拌ロータ15と溝付フィー
ドロータ16の駆動源に使用しているパルスモータ18
の振動は、ギャップ材4に伝達されるので、その動きを
円滑にして供給を安定化する。特に、パルスモータ18
の周波数を100〜1000ppsの間で任意に設定す
ることにより、散布するギャップ材の物性に応じた最適
条件で稼働することができる。本例においては、ギャッ
プ材4を1mg排出したが、その精度は±1%であり極
めて安定している。よって、常に高い品質レベルの液晶
表示パネルを製造することができる。
【0066】また、散布操作の繰り返しよって、ギャッ
プ材4が内面カバー25の内面壁に付着して堆積した場
合には、ハウジング2の前面カバー2d,2d′を開放
すれば、容易に内面カバー25は着脱・交換できるの
で、内面壁は常に清浄な状態に維持できるので、堆積し
たギャップ材4の固まりが、パネル基板3の表面上の脱
落しない。よって、ギャップ材4の固まりによる液晶パ
ネルの不良の発生を防止でき、メンテナンスが容易であ
る。
【0067】このような散布装置を使用すれば、散布工
程を自動化することができ、液晶表示パネルのインライ
ン生産を実現できる。
【0068】第2実施例 次に、第2実施例に係るギャップ材の散布装置につい
て、図4(a)〜(c)を参照して、以下に説明する。
【0069】図4(a)は液晶表示パネルの概略平面図
であり、図4(b)は本例の散布装置の電極板の構造を
示す斜視図であり、図4(c)はその使用態様を示す断
面図である。
【0070】図4(a)に示すとおり、液晶表示パネル
41は透明な複数のX電極層42が形成されたガラスパ
ネル基板43と、透明な複数のY電極層44が形成され
たガラスパネル基板45とを積層し、ギャップ材46に
よって形成された隙間に液晶層を配置するものであり、
X電極層とY電極層の重なり部分が表示部47になる。
従って、ギャップ材46は、表示部47を除く領域に散
布されていることが理想的である。
【0071】(構成)そこで、本例の散布装置の電極板
には、図4(b)に示すとおり、電極板48の表面から
突起した電極部48′が形成されており、これらの電極
部48′は、液晶表示パネル41のX電極層42及びY
電極層44を有しない部分47′、すなわちギャップ材
46を散布すべき部分に対応する位置にある。本例の散
布装置における他の構成は第1実施例と同様である。
【0072】(動作)このような電極板48の使用態様
は、図4(c)に示すとおり、電極板48の突起48′
の先端上にギャップ材46が散布されるパネル基板43
が載置されるものであり、第1実施例と同様に金属電極
板48はアースされた状態になっている。
【0073】このような電極板48を使用すると、マイ
ナス帯電された状態で散布されたギャップ材46は、電
極板48と散布ノズルの間に形成された電気力線に沿っ
てパネル基板43の表面上に散布される。ここで、パネ
ル基板43の表面近傍において、電気力線は電極板48
の電極部48′に対応した位置に集中しているので、パ
ネル基板43の表面上における電極部48′に対応した
位置にギャップ材46を選択的に散布できる。
【0074】(第2実施例の効果)このように、電極板
48にはギャップ材46を所定の散布位置に誘導する突
起した電極部48′を有しているので、液晶表示パネル
の表示部47を除く位置にギャップ材46を確実に散布
することができる。しかも、ギャップ材46は帯電して
おり、固まって散布されないので効率のよい散布を実現
でき、液晶表示パネル41の表示品質の向上及びギャッ
プ材46の使用量を削減できる。
【0075】第3実施例 次に、第3実施例に係る散布装置について、図5を参照
して、以下に説明する。
【0076】同図は、本例の散布装置の断面図である。
【0077】(構成)同図において、51は散布装置本
体であり、ギャップ材の散布室52には、高電圧用電極
53を備えた散布ノズル54が下方に向けて突出してお
り、散布室52の下方には、散布ノズル54に対向して
ギャップ材が散布されるパネル基板55が搬送ローラー
56の上に載置されている。この散布ノズル54とパネ
ル基板55の間には、散布室52の内部にハウジング5
7から水平に付設された支持台57′の上に設置された
一対の振動体58,58′と、これらの振動体58,5
8′によって両端が支持された金属メッシュ板59が配
置され、その他の構成は第1実施例と同様である。
【0078】(動作)このような構成からなる散布装置
51において、散布ノズル54から下方のパネル基板5
5の側に向けて噴射されたギャップ材は、いずれもマイ
ナス帯電しており、互いに反発して分散した状態で噴射
され、まず金属メッシュ板59の上に散布される。ここ
で、金属メッシュ板59は、振動体58,58′によっ
て横振動しており、この横振動によって、ギャップ材は
さらに拡散すると共に、その網目を通過して下方に落下
して、パネル基板55の表面上に散布される。
【0079】(第3実施例の効果)このような散布装置
51において、散布ノズル54から散布されたギャップ
材は、その帯電によって分散していると共に、金属メッ
シュ板59の横振動によって、さらに横方向に拡散され
る。従って、横方向にも均等量のギャップ材が、パネル
基板55の表面上に散布されるので、均一なギャップ材
の散布を実現できる。
【0080】その他の実施例 その他の実施例に係る散布装置として、例えばギャップ
材の供給部に使用する攪拌ロータの形状は、図6(a)
に示す構造のものでもよい。
【0081】同図は攪拌ロータの斜視図であり、攪拌ロ
ータ61の4枚の送り羽根61aは、それぞれの先端部
61a′に凹部61a″を備えている。この凹部61
a″によって、攪拌ロータ61がギャップ材を攪拌しな
がら回転するときに、先端部61a′と攪拌室内面壁と
の間に隙間を確保して、攪拌室内が減圧状態になること
を防止し、円滑にギャップ材を搬送する。さらに、送り
羽根の両側の空間が連通可能な構造であれば、図6
(b)に示すように、送り羽根62に連通孔62′を設
けた構造であってもよい。
【0082】また、第1実施例において、散布室の壁面
に付着・堆積したギャップ材がパネル基板の表面上に脱
落することを防止する目的で、二重カバー構造を採用し
たが、一重構造を採用してもよい。この場合には、図7
(a)に示すように、ギャップ材の付着防止構造を付加
すればよい。
【0083】同図は付着防止構造を備えたギャップ材の
散布室の構造を示す断面図であり、散布室63を画成す
るカバー63′の構造は、その外面が樹脂層63aによ
って絶縁構造になっており、その内面には、高電圧発生
装置64によってギャップ材と同一極性に帯電された電
極層63bを備えている。
【0084】このような構造の散布室63において、帯
電したギャップ材がパネル基板65に向けて散布される
とき、散布室カバー63′の電極層63bは、ギャップ
材と同一極性に帯電しているので、ギャップ材はこの電
極層63bから斥力を受けた状態で散布される。従っ
て、ギャップ材はこの電極層63bに付着して堆積する
ことがない。
【0085】ここで、電極層63bに導かれる電圧は、
ツバ付きの噴射ノズル66の内部に配置された電極6
6′と同一装置から導かれるものであっても、別の装置
から導かれるものであってもよい。なお、噴射ノズル6
6のツバは、その周囲からギャップ材が飛散することを
防止している。
【0086】また、このような付着防止構造に代えて、
図7(b)に示す構造を採用してもよい。
【0087】同図はギャップ材の散布室の構造を示す断
面図であり、散布室67は釣鐘状の散布室カバー67′
によって画成されている。この散布室カバー67′の上
方には、ギャップ材が噴射される散布ノズル68が配置
されており、その周囲には複数のエアーナイフ層発生装
置69が散布室カバー67′の内面壁に沿って空気流を
形成可能に配置されている。
【0088】一方、散布室カバー67′の下方には複数
の空気吸入管70が配置されており、エアーナイフ層発
生装置69から噴射された空気流を吸込可能になってい
る。
【0089】このような散布室67においては、散布ノ
ズル68からパネル基板71までのギャップ材の散布経
路と、散布室カバー67′の内面壁とはエアーナイフ層
発生装置69から噴射された空気流が形成するエアーナ
イフ層72で遮断されている。従って、散布室カバー6
7′の内面壁に向ってギャップ材が飛散しても、エアー
ナイフ層72に突入したギャップ材は空気吸入管70に
吸い込まれる。それ故、散布室カバー67′の内面壁に
はギャップ材は付着・堆積せず、これらの脱落による液
晶表示パネルの表示品質の低下を防止できる。
【0090】なお、パネル基板71は、金属電極板7
1′の上に載置されており、この金属電極板71′は、
これを位置C及び位置Dにまで昇降可能な昇降ユニット
73に連結されている。これにより、パネル基板71を
搬送するときには、金属電極板71′は位置Dまで降下
して、搬送ローラー74の上にパネル基板71を移動さ
せ、パネル基板71の表面上にギャップ材が散布される
ときには、金属電極板71′は位置Cにまで上昇して、
散布室67の散布室カバー67′の底部仕切り板67″
の上面より高い位置にまでパネル基板71を押上げて、
停止する。
【0091】ここで、ギャップ材が照射されるときに
は、底部仕切り板67″はギャップ材に対するマスクと
して機能し、搬送ローラー74等へのギャップ材の付着
を防止することができる。また、パネル基板71の表面
は、底部仕切り板67″の上面より高い位置にあるの
で、底部仕切り板67″に付着、堆積したギャップ材が
飛散して、パネル基板71の表面上に二次付着すること
を防止できるので、散布品質が向上し、表示のコントラ
ストが低下することを防止できる。
【0092】さらに、ギャップ材をさらに均一に散布す
る目的に、以下の構成の散布室を採用してもよい。
【0093】図8(a)は、ギャップ材の帯電解除機能
を付加した散布装置の断面図である。
【0094】同図において、75は散布室であり、この
散布室75にはその側壁からDCイオンガン76が突出
した状態で配置されており、これらのDCイオンガン7
6はDCイオン発生電源装置76′に接続されている。
これらのDCイオンガン76によって、パネル基板77
の表面近傍には、ギャップ材が帯電している極性とは反
対の極性のイオン電荷層76″が形成されており、散布
ノズル78から噴射されたギャップ材は、このイオン電
荷層76″によって帯電状態を解除されてからパネル基
板77の表面上に散布される。
【0095】このように、帯電状態を解除されてギャッ
プ材が散布されるので、パネル基板77の表面には静電
気が発生していない。従って、ギャップ材が散布された
パネル基板77を金属電極板77′から除材するときに
も、均一に散布されたギャップ材の分布がギャップ材の
静電気によって乱れることがない。
【0096】また、図8(b)に示すような金属電極板
を使用しても、静電気によるギャップ材の分布の乱れを
防止できる。
【0097】同図は金属電極板の構造を示す断面図であ
り、金属電極板78からは、パネル基板78′を一定の
間隙を確保した状態で下面から支持可能な複数の基板支
持部78″が突出している。
【0098】このような構造の金属電極板78を使用す
ると、帯電したギャップ材がパネル基板78′の表面上
に散布されても、金属電極板78からパネル基板78″
を除材するときに発生する電圧を低くでき、ギャップ材
の分布が乱れない。
【0099】そして、図8(c)に示すように補助電極
を配置してもよい。
【0100】同図は第1実施例に係る散布装置に補助電
極を配置した散布室の平面図であり、四角形のパネル基
板79の周囲には四角形の筒状の内面カバー80が配置
されている。パネル基板79の頂点と内面カバー80の
頂点とは対応した位置関係で配置されており、パネル基
板79の頂点に相当する内面カバー80の4隅に補助電
極81が配置されている。これらの補助電極81は、金
属電極板82と同様にアース状態になっている。
【0101】このような補助電極81を配置すると、散
布ノズルと金属電極板82との間に形成された電気力線
に加えて、これらの補助電極81との間にも静電界が形
成される。従って、この静電界の電気力線によって、帯
電した状態で散布されるギャップ材は内面カバー80の
4隅にも引かれるため、散布ノズルの噴射孔の形状に係
わらず、パネル基板79の散布面の形状に応じた散布経
路を形成でき、全面に均一にギャップ材を散布できる。
【0102】このような補助電極の配置は四角形のパネ
ル基板の場合に限らず、また配置箇所の内面カバーの一
部として配置した構造に限らず、パネル基板の形状に相
応して配置されるものであればよい。
【0103】さらに、以上の実施例はいずれも、上方か
ら下方にむけて、ギャップ材が散布される構造の散布装
置であったが、これらとは逆に、下方から上方にむけ
て、ギャップ材が散布される吹上構造の散布装置であっ
てもよい。
【0104】このような配置の散布装置においては、パ
ネル基板の表面に、カバー内面及び雰囲気内からのゴ
ミ,ケバ等が付着することを防止でき、散布品質の向上
を実現できる。
【0105】
【発明の効果】上記のとおり、2枚の基板間に一定の隙
間を形成するためのスペーサとして少なくとも一方の基
板表面上にギャップ材を散布するための、本発明に係る
ギャップ材の散布方法及びその散布装置は、ギャップ材
を帯電した状態で基板表面上に向けて散布することに特
徴を有している。従って、本発明によれば、帯電したギ
ャップ材同士は反発し合い、分散して散布されるので、
基板表面上で、複数のギャップ材が固まった状態で散布
されない。よって、フロン等を使用した湿式散布法に代
えて、乾式散布法を実現できる。それ故、フロン規制等
の社会的要請に沿うことができる。
【0106】帯電したギャップ材は、基板に向けて配置
された散布ノズルから噴射される空気流によって散布さ
れる場合には、帯電によって散布中も分散しながら、確
実に基板表面上に散布される。
【0107】回転する攪拌ロータ及び溝付フィードロー
タと、ギャップ材を溝から散布ノズル内に排出する掻き
出しプレートとを有する供給部を有している場合には、
定量的に散布されるので、安定な散布品質を得ることが
できる。しかも、これらが散布ノズルと一体化されてい
る場合には、ギャップ材の機種変更等の段取りを、容易
に短時間で行うことができる。
【0108】攪拌ロータ及び溝付フィードロータがパル
スモータによって駆動される場合には、その振動がギャ
ップ材に伝達されるので、それらの供給を安定化する。
さらに、攪拌ロータには、その送り羽根によって攪拌室
が画成された空間同士を連通可可能な構造になっている
場合には、この空間が減圧状態にならないので、ギャッ
プ材は詰まることなく安定に供給される。よって、ギャ
ップ材の定量供給と共に、自動供給を実現できる。
【0109】ギャップ材が散布される基板の面の反対側
には、帯電したギャップ材に対して反対の極性に保持あ
るいはアース状態にある電極板が配置されている場合に
は、噴射ノズルと電極板との間に発生した電気力線に沿
ってギャップ材は進み、これらの間に配置された基板表
面上に散布されるので、ギャップ材は確実に基板上に散
布される。
【0110】電極板と基板との間に間隙が形成されてい
る場合には、電極板から基板を除材するとき、ギャップ
材の帯電により発生する電圧を低くできるため、散布さ
れたギャップ材の分布が乱れない。
【0111】基板表面の近傍に、ギャップ材の帯電状態
を緩和または解除するイオン電荷層を有する場合にも、
電極板から基板を除材するときに、ギャップ材の帯電に
よって発生するギャップ材の分布の乱れを防止できる。
【0112】電極板には基板のギャップ材が散布される
べき部分に対応した微小な電極部を有している場合、例
えば散布されるべき部分に対応した位置で突出した電極
部によって、基板が支持されている場合には、必要不可
欠な部分にのみ、ギャップ材は散布される。従って、所
定の位置に散布でき、不要なギャップ材の消費が発生し
ない。
【0113】多角形の基板上にギャップ材を散布すると
きに、基板の周囲におけるこれらめ頂点に対応する位置
に、帯電したギャップ材に対して反対の極性に保持され
た状態またはアース状態にある補助電極を配置した場合
には、その補助電極によって形成された静電界内の電気
力線によって帯電したギャップ材は補助電極側に引かれ
る。よって、散布ノズルの形状に係わらず、均一にギャ
ップ材を散布できる。
【0114】ギャップ材の散布経路の側面周囲が、ギャ
ップ材と同極性に帯電した内面壁になっており、外面壁
は絶縁されたカバーによって画成されている場合、また
散布経路とカバーの内面壁との間が、エアーナイフ層に
よって遮断されている場合には、帯電したギャップ材は
カバー内面壁に付着・堆積しない。また、着脱可能な内
面カバーを備える構造になっている場合には、交換によ
って内面壁を清浄な状態に維持できる。その結果、カバ
ーの内面壁に付着・堆積したギャップ材が基板表面上に
脱落しない。
【0115】基板周囲には、前記ギャップ材の飛散を防
止可能なマスク部を有しており、基板をマスク部よりギ
ャップ材の散布上流側で支持可能になっている場合に
は、ギャップ材が散布される空間の外部にギャップ材が
飛散することを防止できる。また、散布時にはマスク部
に付着・堆積したギャップ材が基板表上に二次付着する
ことを防止でき、散布品質の向上を実現できる。さら
に、基板搬送手段を備えている場合には、散布工程の自
動化を実現できる.散布ノズルと基板との間に、振動す
る金属メッシュ板が配置されている場合には、振動によ
ってさらにギャップ材は拡散されて散布されるので、基
板全体に均一にギャップ材を散布できる。
【0116】基板には下方からギャップ材が散布される
場合には、ゴミやケバ等が基板の表面上に付着しにくい
ので、散布品質の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るギャップ材の散布装
置の全体構成を示す断面図である。
【図2】(a)はその供給部の構成を示す斜視図であ
り、(b)はその断面図であり、(c)はその攪拌ロー
タの斜視図である。
【図3】(a)はその散布部の構成を示す断面図であ
り、(b)はその搬送ローラーの構造を示す斜視図であ
り、(c)はそのカバーの構造を示す斜視図である。
【図4】(a)は液晶表示パネルの概略平面図であり、
(b)は第2実施例に係る散布装置の電極板の構造を示
す斜視図であり、(c)はその使用態様を示す断面図で
ある。
【図5】第3実施例に係る散布装置の断面図である。
【図6】(a),(b)はその他の実施例に係る散布装
置の攪拌ロータの形状を示す斜視図である。
【図7】(a)はその他の実施例に係る散布装置に使用
したギャップ材付着防止構造を備えた散布室の構造を示
す断面図であり、(b)はエアーナイフ層を備えた散布
室の構造を示す断面図である。
【図8】(a)はその他の実施例に係る散布装置の帯電
解除機能を備えた散布装置の断面図であり、(b)は帯
電緩和構造を備えた金属電極板の構造を示す断面図であ
り、(c)は補助電極の配置位置を示す平面図である。
【図9】(a)は、従来のギャップ材の散布装置の構成
を示す断面図であり、(b)はギャップ材が散布された
パネル基板の平面図である。
【符号の説明】
1,51…散布装置 3,43,45,55,65,71,77,78′,7
9…パネル基板 4,46…ギャップ材 12…ギャップ材の供給部 14…ギャップ材の供給ユニット 15,61…攪拌ロータ 16…溝付フィードロータ 17…掻き出しプレート 21,52,63,67,75…散布室 22…散布部 23,54,66,68,78…散布ノズル 25…内面カバー 26,48,71′,77′,78,82…金属電極板 27…昇降ユニット 28,56,74…搬送ローラー 59…金属メッシュ 69…エアーナイフ層発生装置 79…DCイオンガン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−103365(JP,A) 特開 昭63−77025(JP,A) 特開 昭63−231317(JP,A) 特開 昭64−88430(JP,A) 特開 平2−920(JP,A) 特開 平3−23420(JP,A) 特開 平3−81732(JP,A) 特開 平3−158827(JP,A) 特開 平3−158829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 500

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にギャップ材を散布するためのギ
    ャップ材散布装置において、 前記ギャップ材を帯電させる帯電手段と、 前記帯電手段によって帯電された前記ギャップ材を前記
    基板上に散布する散布手段と、 前記ギャップ材を散布する散布室と、 前記基板を保持し複数の突起が形成されてなる電極板と
    を少なくとも有してなることを特徴とするギャップ材散
    布装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記電極板はアース
    状態に保たれていることを特徴とするギャップ材散布装
    置。
  3. 【請求項3】 一対の基板の間隔を一定に保つためのギ
    ャップ材を基板上に散布し、前記一対の基板間に液晶を
    挟持してなる液晶装置の製造方法において、 前記一対の基板のうち一方の基板を、突起を有する電極
    板上に配置する工程と、 前記一方の基板上の前記突起に対応した位置に前記ギャ
    ップ材を選択的に散布する工程と、 を少なくとも有することを特徴とする液晶装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ギャップ材は前
    記一方の基板に形成されてなる電極以外の領域に散布さ
    れてなることを特徴とする液晶装置の製造方法。
JP11194394A 1989-11-18 1999-07-08 ギャップ材散布装置及び液晶装置の製造方法 Expired - Lifetime JP3108780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11194394A JP3108780B2 (ja) 1989-11-18 1999-07-08 ギャップ材散布装置及び液晶装置の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30019189 1989-11-18
JP1-300191 1990-01-16
JP667690 1990-01-16
JP2-6676 1990-01-16
JP11194394A JP3108780B2 (ja) 1989-11-18 1999-07-08 ギャップ材散布装置及び液晶装置の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02312022A Division JP3108770B2 (ja) 1989-11-18 1990-11-16 表示パネルの製造方法及びギャップ材散布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000035586A JP2000035586A (ja) 2000-02-02
JP3108780B2 true JP3108780B2 (ja) 2000-11-13

Family

ID=27277279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11194394A Expired - Lifetime JP3108780B2 (ja) 1989-11-18 1999-07-08 ギャップ材散布装置及び液晶装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3108780B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000035586A (ja) 2000-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5615830A (en) Apparatus and method for supply and transport of powder particles
KR102473127B1 (ko) 입상 물질을 투여하기 위한 투여 장치, 분사 장치, 및 입상 물질을 기판에 도포하기 위한 방법
US5838413A (en) Method for distributing spacer particles onto the substrate of a liquid crystal display element, a jig plate and distributing apparatus for distribution therewith
JP3108770B2 (ja) 表示パネルの製造方法及びギャップ材散布装置
JP3144418B2 (ja) ギャップ材散布装置
JP3144417B2 (ja) ギャップ材散布装置
JP3108780B2 (ja) ギャップ材散布装置及び液晶装置の製造方法
JP2006102571A (ja) 薄膜形成装置
KR20030005146A (ko) 건조장치
JP2004058018A (ja) 粉体散布装置
KR100656912B1 (ko) 액정 표시 장치 제조용 스페이서 산포 장치
JP2010114245A (ja) レジスト塗布装置
JPH02198131A (ja) 基板に付着した不要なレジストの除去方法及びスピンコート装置
JP2755849B2 (ja) 液晶表示パネルのスペーサー散布装置
JPH0543910Y2 (ja)
CN218262298U (zh) 蚀刻设备
JPH09141178A (ja) 基板表面処理装置
JP2010277913A (ja) 除電装置
JP3424416B2 (ja) 隔壁形成方法と隔壁形成装置
JPH0362020A (ja) 乾式液晶ギャップ材散布装置
JP2001034194A (ja) スペーサ散布装置
KR20070069644A (ko) 전자기 및 초음파를 이용한 광폭 복합코팅 장치 및 공정
JPH1068953A (ja) 液晶表示装置の製造方法
RU2219693C2 (ru) Протравливатель семян
JP2574292B2 (ja) 液晶基板のスペ−サ−材の散布装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000801

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 11