JP3107991U - マイクロ波センサー - Google Patents

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Abstract

【課題】送信アンテナと受信アンテナを、送信機および受信機のカバー内で、任意の方向に回動可能な状態で保持する構造を採用したマイクロ波センサーにおいて、送信アンテナ、受信アンテナのカバー内での方向によって、受信レベルが変化することを防止する。
【解決手段】送信機および受信機のカバーの、マイクロ波透過部分の内面に、合成樹脂製の板材を貼り合わせた。厚さ2ミリメートルのポリカーボネイト製のカバーの内側に、厚さ1.5ミリメートルの塩化ビニール製のシート材を貼り合わせた。
【選択図】図1

Description

本考案は、マイクロ波の遮断により不審者の侵入などを検出する、マイクロ波センサーの構造に関するものである。
従来の侵入者検知センサーとしては、赤外線ビームを発する投光器とこの赤外線ビームを受ける受光器とを対向させ、この赤外線ビームを不審者が横切った場合に、検知信号を出力するタイプのものが多用されている。また、赤外線に代ってマイクロ波を用い、同様に送信アンテナと受信アンテナとを対向させて設置し、その間を遮断するものがあると、受信するマイクロ波の一部が遮断されて小さくなることを利用し、検知信号を出力するタイプのものも用いられている。
赤外線を用いる場合は、濃霧発生時等に、赤外線ビームが遮断され誤動作することがあるという問題がある。マイクロ波を用いた場合、霧の影響は受けないが、遮断するものがあるときと無いときとの受信レベルの差が、物体により異なるため、適切な受信レベルの設定が難しいという問題がある。マイクロ波センサーの安定動作を実現させるため、受信機側で受けたマイクロ波を周波数逓倍して送信機側に送り返す方法(例えば、特許文献1参照。)や、アンテナ前面に誘電体高周波レンズを設ける方法(例えば、特許文献2参照。)などが、考え出されている。
特公昭61−18146号公報 実公昭61−27207号公報
マイクロ波センサーにおいては、電波法上の使用周波数帯域の規制の緩和と、送受信モジュールやアンテナの技術的改良により小型化が可能となってきている。赤外線ビームを用いた、いわゆる赤外線センサーと同等の大きさのものも可能となっており、マイクロ波センサーと赤外線センサーとを一体化した複合型も実用化されている。これにともない、送信アンテナと受信アンテナを、送信機および受信機のカバー内で、任意の方向に回動可能な状態で保持する構造も採用されている。送信アンテナや受信アンテナがカバー内で回転すると、送信機および受信機の外観の一部を形成するカバーにおけるマイクロ波の透過部分が、変わることになる。合成樹脂で形成されたカバーを用いる場合、合成樹脂自体がマイクロ波の透過量を大幅に減衰させることはないので、アンテナをどの方向に向けても、カバーの特定部位ごとのマイクロ波透過量に大きな差は生じない筈である。
ところが、マイクロ波の送信アンテナを内蔵した送信機と、マイクロ波の受信アンテナを内蔵した受信機とを数十メートル離して設置するタイプのマイクロ波センサーにおいて実測すると、遮断するものが無いのにもかかわらず、送信アンテナ、受信アンテナのカバー内での方向によって、受信レベルの大幅な低下が認められることがあることがわかった。いちばん低下する方向では、カバーを取り除いたときと比較して約半分に受信レベルが低下していた。この現象は、アンテナの近傍に配置される合成樹脂製のカバーにより、アンテナの指向性が変化するためと考えられる。
アンテナのカバー内での方向変更による受信レベルの大幅なバラツキをなくすため、各種実験をおこない検討を重ねた結果、カバーの、マイクロ波透過部分の内面に、合成樹脂製の板材を貼り合わせると、良好な効果が得られることが判明した。
送信機及び受信機のカバーの、マイクロ波透過部分の内面に、合成樹脂製の板材を貼り合わせることにより、受信レベルの最も大きな低下が認められる方向での低下量を、最も良く透過する方向と比較して、十数%以内に抑えることができる。誘電体高周波レンズといった高価な部品を用いる必要が無く、一般的なプラスチック製シートで足りるので、コストアップが抑制される。厚さ数ミリメートルのプラスチック製シートを、カバーの内面に貼るだけでよいので、送信機及び受信機の外観には何の変化ももたらさず、デザイン上の不都合も生じない。
図1は、本考案のマイクロ波センサーの送信機の構成を示した外観斜視図である。1はカバーであり、基台6に固定され、マイクロ波センサーの送信機全体を覆う。カバー1は、ポリカーボネイト製の半円柱形の成型部品であり、その肉厚は約2ミリメートルである。2は、カバー1の内側に貼り付けられた板材である。この板材2は、厚み約1.5ミリメートルの塩化ビニール製のシート状のもので、カバー1が基台6に取り付けられた状態において、送信機から発せられるマイクロ波が通過する位置に貼り付けられている。
3は、送信ユニットであり、送信モジュール(図示省略)とホーンアンテナ4を基本構成部品としてしている。5は、制御回路収納部であり、基台6に固定されている。この制御回路収納部5の上部に、送信ユニット3が、左右90度、上下10度回転可能な状態で固定されている。以上の構成の送信機のホーンアンテナ4からは、24GHz帯のマイクロ波が発射される。図ではホーンアンテナ4が正面方向に向けられており、矢印の方向に指向性をもって発射される。送信ユニット3は、照準機構を備えており、この照準機構を用いることにより、ホーンアンテナ4から発射されるマイクロ波が、正確にマイクロ波センサーの受信機のホーンアンテナに向けられるように微調整される。
マイクロ波センサーの受信機も、図1に示した送信機の構成と外観的にはほぼ同じであり、送信ユニットの代わりに受信モジュールとホーンアンテナを基本構成部品とした受信ユニットが内蔵される点と、制御回路が受信機専用のものとなる点が異なる。受信機側の受信ユニットにも、照準機構が備えられており、この照準機構を用いることにより、ホーンアンテナが受けるマイクロ波の受信指向性の中心が、正確にマイクロ波センサーの送信機のホーンアンテナに向けられるように微調整される。
対向して設置されたマイクロ波センサーの送信機と受信機は、照準機構を用いて方向調整され、受信機側でのマイクロ波の受信レベルが最大となるようにセットされる。そして、送信機と受信機にそれぞれカバーが取り付けられる。カバーの、マイクロ波透過部分の内面には、塩化ビニール製のシート材が貼り合わせてあるため、マイクロ波の受信レベルが大幅に低下するようなことがない。送信ユニットや、受信ユニットが、左右90度、上下10度の範囲で回転してどの方向にセットされても、塩化ビニール製のシート材は、送信ユニットや、受信ユニットの可動範囲をカバーするだけの大きさのものであるため、効果は不変である。本考案では、ポリカーボネイト製のカバーの内側に塩化ビニール製のシート材を貼り合わせたが、この組み合わせに限らず、カバー装着時のマイクロ波の指向特性の改善を実現する組み合わせであれば、同様な効果は得られる。
本考案のマイクロ波センサーの送信機の構成を示した外観斜視図である。
符号の説明
1・・・カバー
2・・・板材
3・・・送信ユニット
4・・・ホーンアンテナ
5・・・制御回路収納部
6・・・基台

Claims (1)

  1. マイクロ波の送信アンテナを内蔵した送信機と、マイクロ波の受信アンテナを内蔵した受信機とで構成されるマイクロ波センサーにおいて、前記送信アンテナは送信機のカバー内で、任意の方向に回動可能な状態で保持され、前記受信アンテナは受信機のカバー内で、任意の方向に回動可能な状態で保持され、送信機及び受信機のカバーの、マイクロ波透過部分の内面には、合成樹脂製の板材を貼り合わせたことを特徴とするマイクロ波センサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018054368A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 アマノ株式会社 車両検出装置及びゲート装置

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