以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
先ず、本発明の実施形態によるゲート装置1について説明する。ゲート装置1は、図1等に示すように、有料駐車場の出入口、又は高速道路や有料道路の料金所等のゲートの近傍に設けられ、ゲートシステム100を構成する。このゲートシステム100では、駐車場101への車両102の入場を規制する入場ゲート装置1aが入場車路103に沿って配置され、入場車路103は、後述のゲートバー13によって遮断又は開放される。駐車場101からの車両102の出場を規制する出場ゲート装置1bが出場車路104に沿って配置され、出場車路104は、後述のゲートバー13によって遮断(図2参照)又は開放される。入場車路103の近傍では、車両102が入場する進行方向において、入場ゲート装置1aよりも手前側に発券機105が配置される。出場車路104の近傍では、車両102が出場する進行方向において、出場ゲート装置1bよりも手前側に精算機106が配置される。
発券機105は、例えば、入場車路103に進入した車両102の利用者等による駐車券発行等の入場操作に応じて、入場車路103を開放させる開放許可信号を外部へと出力する。精算機106は、例えば、出場車路104に進入した車両102の利用者等による駐車料金精算等の出場操作に応じて、出場車路104を開放させる開放許可信号を外部へと出力する。上記の開放許可信号は、入場車路103又は出場車路104を開放させる場合にはONを示し、入場車路103又は出場車路104を遮断させる場合にはOFFを示す。
入場ゲート装置1a及び出場ゲート装置1bは、同様の構成を有し、ゲート通過前の第1の検出エリア3aにおける車両102を検出する第1の車両検出装置2aと、ゲート通過後の第2の検出エリア3bにおける車両102を検出する第2の車両検出装置2bとを備える。そのため、以下では、入場ゲート装置1aと出場ゲート装置1bとを区別せずに、ゲート装置1として説明する。
ゲート装置1は、図3に示すように、ゲート筐体10と、扉11と、バー保持部12と、ゲートバー13とを備え、更に、第1の車両検出装置2a及び第2の車両検出装置2bを備える。
ゲート筐体10は、入場車路103又は出場車路104に沿ったアイランド107上に固定される。ゲート筐体10は、立方体状の箱型に形成され、進行方向手前側が開口している。ゲート筐体10は、内部から進行方向奥側に向かって外部へと伸長する回動軸(図示せず)を有し、モータ等の駆動部75(図13参照)によって回動軸を回動可能に構成される。扉11は、ゲート筐体10の開口を開閉できるように、進行方向手前側でゲート筐体10に取り付けられる。扉11を開くことでゲート筐体10の内部構造のメンテナンスをすることができる。
バー保持部12は、進行方向奥側でゲート筐体10の回動軸に固定される。ゲートバー13は、電波の反射によって指向性に影響のあるアルミニウム等の金属製材料を用いることなく、例えば、グラスファイバー等の非金属製材料で、入場車路103や出場車路104を遮断できる程度の長さの棒状に形成される。
ゲートバー13は、長手方向一端側がバー保持部12に保持されて固定される。ゲート筐体10が回動軸を回動してバー保持部12及びゲートバー13を回動軸周りに回動させることにより、ゲートバー13は、入場車路103や出場車路104を遮断する横臥位置(図2参照)と入場車路103や出場車路104を開放する起立位置との間で回動する。
第1の車両検出装置2aは、発券・精算開始用として使用される機器で、ゲートバー13よりも進行方向手前側で、入場車路103又は出場車路104に対向するゲート筐体10の面10aに取り付けられる。第1の車両検出装置2aは、例えば、この面10a上で、アイランド107から約600mmの高さで、且つ進行方向において最も手前側に配置される。
第2の車両検出装置2bは、ゲート閉用として使用される機器で、第1の車両検出装置2aよりも進行方向奥側で、ゲートバー13を保持するゲート筐体10の面10bに取り付けられる。第2の車両検出装置2bは、例えば、この面10a上で、アイランド107から約600mmの高さで、且つ入場車路103又は出場車路104に最も近い位置に配置される。なお、第2の車両検出装置2bは、バー保持部12よりも下方で、開閉するゲートバー13に接触しない位置であって、金属製のバー保持部12に指向性が影響されないように、バー保持部12から離間して取り付けられる。
第1の車両検出装置2a及び第2の車両検出装置2bは、互いに指向性が影響されないように、ゲート筐体10の平面視において離間した位置に取り付けられる。第1の車両検出装置2a及び第2の車両検出装置2bは、上記した取付位置や後述のホーンアンテナ23の取付方向を除いて同様の構造を有するため、共通の構成については車両検出装置2として説明し、異なる構成についてはそれぞれ区別して説明する。車両検出装置2の共通の構成を説明する際には、第1の検出エリア3aと第2の検出エリア3bとを区別せずに、検出エリア3として説明する。
車両検出装置2は、図4、図6、図8等に示すように、ベース20と、カバー21と、レドーム22と、ホーンアンテナ23と、メイン基板24と、レーダモジュール基板25と、検出エリア方向調整部26とを備える。以下の車両検出装置2の説明では、便宜上、ゲート筐体10に取り付けられる側を「後(裏)」とし、ゲート筐体10から離間する側を「前(表)」とした上で、正面視で左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」と定義する。ベース20、カバー21及びレドーム22は、組み合わせられて車両検出装置2のホーンアンテナ23、メイン基板24、レーダモジュール基板25、検出エリア方向調整部26及びその他の各部を収容するケースを構成し、このケースは、正面視で左右対称となっている。
ベース20は、上下方向に長く、四隅を丸く面取りした矩形の板上部材であり、アンテナ特性に影響を与え難いASA樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート等の樹脂材料で形成される。ベース20は、図4、図5、図7、図8等に示すように、表側下部に凹設されてメイン基板24を収納するメイン収納部28と、表側上部に凹設されてレーダモジュール基板25を収納するレーダ収納部29とを有する。メイン収納部28及びレーダ収納部29は、メイン基板24及びレーダモジュール基板25を上下方向に並列に配置するように構成される。メイン収納部28とレーダ収納部29との間には隔壁30が設けられ、隔壁30の下部には、連通穴30aが左右方向の中央に設けられる。
ベース20は、裏面がゲート筐体10に取り付けられる取付面となる。ベース20は、左上側、右上側、左下側及び右下側の4か所に、前後方向に貫通するベース取付穴31を有し、これらのベース取付穴31に表側から通したねじ31aによってゲート筐体10に取り付けられる(図8、図9参照)。また、ベース20は、メイン収納部28よりも下方に、前後方向に貫通する配線挿入穴32を有し、メイン基板24やレーダモジュール基板25からのケーブル群44が配線挿入穴32を介してゲート筐体10へと取り回される。ベース20は、カバー21を取り付けるためのカバー固定穴33を下端の左右方向中央に有し、レドーム22を取り付けるためのレドーム固定穴34を左上端及び右上端に有する。
ベース20の表側には、図5に示すように、下側周縁部、上側周縁部及び上下方向略中央のそれぞれに、防水用パッキン35a、35b及び35cが設けられる。なお、上側のパッキン35bは、逆U字状に形成され、下側のパッキン35aは、U字状に形成され、上側のパッキン35bの両下端は、下側のパッキン35aの両上端の左右方向外側に重なって配置される。中央のパッキン35cは、ベース20の左右両端を結ぶ直径の略半円形状に形成され、メイン収納部28とレーダ収納部29との間で前方に突出するように配置される。また、ベース20の裏側には、図6に示すように、全周縁部に防水用パッキン35dが設けられ、裏面の略全域(ベース取付穴31や配線挿入穴32の設置部分を除く)に防塵用パッキン35eが設けられる。なお、各パッキン35a、35b、35c、35d、35eは、取り外して交換可能である。
ベース20のメイン収納部28には、図4、図7、図8等に示すように、弾性変形可能な第1の爪部36が左右両端から前方に突出して形成され、これらの第1の爪部36によってメイン基板24が係止される。また、第1の爪部36を外側に向かって押すことによりメイン基板24を取り外しできる。
ベース20のレーダ収納部29には、検出エリア方向調整部26の水平方向調整台51を回転可能に支持する第1の軸受部37が上下両側から前方に突出して形成される。各第1の軸受部37は、弾性変形可能であり、先端側に係止爪37aが形成されていて、これらの第1の軸受部37によって水平方向調整台51が係止される。また、第1の軸受部37を外側に向かって押すことにより水平方向調整台51を取り外しできる。
また、上側の第1の軸受部37の下面には、図10に示すように、第1の係合部38が左右方向中央に設けられ、第1の係合部38は、例えば、弾性変形可能な板ばねと下方に突出した係止歯とから形成される。第1の係合部38は、水平方向調整台51に設けられる多段階の第1の被係合部54の何れかに係合する。上側の第1の軸受部37の先端には、第1の目印指示部39が左右方向中央に形成され、第1の目印指示部39は、水平方向調整台51に形成された多段階の第1の目印突起55の何れかを指し示す。これにより、水平方向調整台51がベース20に対して、垂直方向にどの程度の角度に向けられているかを容易に認識できると共に、レーダモジュール基板25の検知方向の調整が容易になり、使い勝手が向上する。
カバー21は、ベース20の表側下部、特に、メイン基板24や配線挿入穴32を覆う部材である。カバー21は、アンテナ特性に影響を与え難いASA樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート等の樹脂材料で形成される。カバー21は、正面視でベース20の表側下部と同じ外殻を有する略矩形筒状で、上方視で前側の左右両端を丸く面取りすると共に、前側下部を下方向及び後方向に斜めに切り欠いた形状を有する。このような切欠き形状により、カバー21は、前方への突出部分を少なくして、車両102、特にそのバンパーとの接触をできる限り回避することができる。
カバー21の後面は、開口していて、その開口を塞ぐようにベース20の表側下部に取り付けられ、カバー21の後側周縁部とベース20との間に、ベース20の下側のパッキン35aが介装される。カバー21の下端には、図4に示すように、前後方向に貫通するカバー取付穴40が、左右方向中央でベース20のカバー固定穴33に対応する位置に設けられる。カバー21をベース20に合わせた状態で、前方からカバー取付穴40を通した特殊ねじ40aをカバー固定穴33に締結することで、カバー21がベース20に固定され(図8参照)、特殊ねじ40aを操作可能な管理者のみがカバー21を開放することができる。
レドーム22は、ベース20の表側上部、特に、レーダモジュール基板25を覆う部材であり、レーダモジュール基板25の送受信部46による電波の送信方向の前面を覆って、風雨や埃から保護する。レドーム22は、アンテナ特性に影響を与え難いASA樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート等の樹脂材料で形成される。レドーム22は、中空の半球形状に形成され、半球形状の下側では、カバー21の上側を覆う略矩形筒状(前側の左右両端を丸く面取りした略矩形筒状)に形成されている。レドーム22の厚みは、通過する電波が影響しないように、送受信部46で使用される電波の波長や、レドーム22に適用される樹脂の誘電率を考慮した厚みに設定されている。
レドーム22の後面は、開口していて、その開口を塞ぐようにベース20の表側上部に取り付けられ、レドーム22の後側周縁部とベース20との間に、ベース20の上側のパッキン35bが介装される。レドーム22の左上端及び右上端には、図4に示すように、前後方向に貫通するレドーム取付穴41が、ベース20のレドーム固定穴34に対応する位置に設けられる。レドーム22をベース20に合わせた状態で、前方からレドーム取付穴41を通した特殊ねじ41aをレドーム固定穴34に締結することで、レドーム22がベース20に固定され(図8参照)、特殊ねじ41aを操作可能な管理者のみがレドーム22を開放することができる。
なお、レドーム22は、カバー21がベース20に取り付けられた状態で、カバー21の上端の前側にレドーム22の下端が重なるように取り付けられ、カバー21とレドーム22との間には、ベース20の中央のパッキン35cが介装される。そのため、カバー21を取り外すことなくレドーム22を取り外すことができ、これにより、ベース20の表側上部が露出して、レーダ収納部29に取り付けられた検出エリア方向調整部26や、検出エリア方向調整部26に取り付けられたレーダモジュール基板25が露出する。そして、検出エリア方向調整部26の水平方向調整台51や垂直方向調整台52を調整可能となり、レーダモジュール基板25に取り付けられるホーンアンテナ23の向きを水平方向及び垂直方向にそれぞれ所定の範囲内で調整することができる。
ホーンアンテナ23は、レーダモジュール基板25に備わる送受信部46による電波の送受信範囲を制限し、換言すれば、送受信部46による送信波の送信(放射)及び反射波の受信によって対象物(車両102)が検知される検出エリア3の広がり範囲を制限する検出エリア角度制限部である。
ホーンアンテナ23は、長辺及び短辺を有する四角錐型の筒状に形成され、基端側(後側)から先端側(前側)に向かって拡径している。ホーンアンテナ23は、図7、図8、図11等に示すように、長辺及び短辺を有する矩形状の開口部42を内部に有し、開口部42は、ホーンアンテナ23の垂直方向に対向する内面と水平方向に対向する内面とから画定され、基端側から先端側に向かって拡径している。例えば、開口部42の基端側の大きさは10mm×15mmに設定され、先端側の大きさは20mm×30mmに設定される。ホーンアンテナ23は、開口部42の基端縁部(後側縁部)をレーダモジュール基板25の送受信部46の外周に合わせてレーダモジュール基板25に取り付けられ、即ち、送受信部46から前方に向かって拡径して電波の送信方向に突出するように取り付けられる。
ホーンアンテナ23は、薄い銅板等の金属製材料からなり、分割された同形状の部材、例えば、図7、図11等に示すように、2つのL字型の板部材43を組み合わせて構成される。板部材43は、レーダモジュール基板25に対して立設される短辺板43a及び長辺板43bと、短辺板43aの基端(後端)から外側に延設される取付部43cと、長辺板43bの基端(後端)から後方に突出する2つの位置決め突起43dとを有して一体的に構成される。短辺板43a及び長辺板43bは、レーダモジュール基板25の表面(前面)に対してそれぞれ異なる角度で立設され、正面視でL字状になるように端部同士が連結される。板部材43の両端(短辺板43a及び長辺板43bの連結されていない端部)には、それぞれ結合部43e、43fが設けられる。そして、2つの板部材43を正面視で長方形上になるように結合することで、ホーンアンテナ23が構成される。具体的には、一の板部材43の短辺板43a側の結合部43eと、他の板部材43の長辺板43b側の結合部43fとをねじ等で結合する。なお、板部材43は、取付部43cがレーダモジュール基板25のアンテナ取付穴48に対応し、位置決め突起43dがレーダモジュール基板25の角穴49に対応するように予め構成される。
ホーンアンテナ23は、位置決め突起43dをレーダモジュール基板25の角穴49に挿入して位置決めされると共に、取付部43cに設けた穴とレーダモジュール基板25のアンテナ取付穴48とに通したねじにナットを締結することで、レーダモジュール基板25に対して固定される。ホーンアンテナ23は、レーダモジュール基板25のアース部50に電気的に接続されて接地されることで、電波の指向性を向上させている。
ホーンアンテナ23では、開口部42の垂直方向の開き角(ホーンアンテナ23の垂直方向に対向する内面の開き角)によって、送受信部46で電波を送受信可能な垂直方向の範囲が画定し、開口部42の水平方向の開き角(ホーンアンテナ23の水平方向に対向する内面の開き角)によって、送受信部46で電波を送受信可能な水平方向の範囲が画定し、これらの範囲に基づいて検出エリア3の広がり範囲が画定する。開口部42は、垂直方向の開き角と水平方向の開き角とが異なるように形成される。また、ホーンアンテナ23を構成する部材(板部材43)自体を変更し、あるいはホーンアンテナ23が固定されたレーダモジュール基板25の取付向きを変更することで、開口部42の垂直方向の開き角や水平方向の開き角を変更することができる。
例えば、図11に示すように、2つの板部材43の短辺板43aの内面同士は、約56度の開き角を有し、長辺板43bの内面同士は、約40度の開き角を有するが、立設角度の異なる短辺板43aや長辺板43bからなる板部材43を適用することで、短辺板43aや長辺板43bの内面同士の開き角を変更することができる。また、ホーンアンテナ23を正面視で横長の向きになるように、レーダモジュール基板25の取付向きを設定すると、開口部42の水平方向の開き角は、2つの板部材43の短辺板43aの内面同士の開き角によって画定し、比較的広くなる。一方、ホーンアンテナ23を正面視で縦長の向きになるように、レーダモジュール基板25の取付向きを設定すると、開口部42の水平方向の開き角は、2つの板部材43の長辺板43bの内面同士の開き角によって画定し、比較的狭くなる。開口部42の開き角は、車両検出装置2の取付位置や、ゲート装置1の設置位置(駐車場101の入口や出口)等の形態に応じて設定される。例えば、図1に示すように、ゲート通過前の第1の検出エリア3aを広くする場合(例えば、第1の検出エリア3aの水平方向の広がり範囲の角度を約40〜60度にする場合)には、第1の車両検出装置2aは、図11(a)、(c)に示すように、第1のホーンアンテナ23aを正面視で横長の向きになるように、レーダモジュール基板25の取付向きを設定する。一方、ゲート通過後の第2の検出エリア3bを狭くする場合(例えば、第1の検出エリア3aの水平方向の広がり範囲の角度を約30〜45度にする場合)には、第2の車両検出装置2bは、図11(b)、(d)に示すように、第2のホーンアンテナ23bを正面視で縦長の向きになるように、レーダモジュール基板25の取付向きを設定する。
このように、第1の車両検出装置2a及び第2の車両検出装置2bでは、レーダモジュール基板25の取付向きを、レーダモジュール基板25の前面に対する正面視で時計回り方向又は反時計回り方向に90度回転させて、ホーンアンテナ23の取付向きを90度回転させることで、ホーンアンテナ23の開口部42の開き角を変更させて検出エリア3を調整することができる。換言すれば、1種類の2つのホーンアンテナ23をそれぞれ異なる取付向きで第1の車両検出装置2a及び第2の車両検出装置2bに適用することで、ゲート通過前の第1の検出エリア3a及びゲート通過後の第2の検出エリア3bの両方に対応することができる。なお、1種類の2つのホーンアンテナ23を同じ取付向きで第1の車両検出装置2a及び第2の車両検出装置2bに適用して、ゲート通過前の第1の検出エリア3a及びゲート通過後の第2の検出エリア3bを同様の範囲に設定することもできる。
メイン基板24は、後述のCPU80aやメモリ80bが設けられる回路基板であり(図13参照)、車両判定部82を備えて、レーダモジュール基板25の送受信部46による電波の送受信結果に基づいて車両102を検出したか否かを判定する。メイン基板24は、矩形板状に形成され、図4、図5、図8等に示すように、立設された状態でメイン収納部28に収納され、メイン収納部28の第1の爪部36によって係止される。
メイン基板24の下端には、ゲート装置1に接続される電源配線や信号線等のケーブル群44が設けられる。ケーブル群44は、ベース20の配線挿入穴32を介してゲート装置1へと取り回され、ケーブル群44を介してゲート装置1から車両検出装置2(メイン基板24)へと電力が供給される。メイン基板24の上端には、レーダモジュール基板25に接続される電源配線や信号線等を含むフレキシブルケーブル45が設けられ、柔軟性があり変形可能なフレキシブルケーブル45はメイン基板24上のコネクター(図示せず)に接続される。フレキシブルケーブル45は、ベース20のメイン収納部28とレーダ収納部29との間の隔壁30の連通穴30aを通して(図8、図12参照)、レーダモジュール基板25へと取り回され、フレキシブルケーブル45を介してメイン基板24からレーダモジュール基板25へと電力が供給される。フレキシブルケーブル45を使用することで、検出エリア3の調整のために検出エリア方向調整部26の水平方向調整台51や垂直方向調整台52を水平方向、垂直方向に回転させても、メイン基板24とフレキシブルケーブル45との接続状態に問題は生じない。メイン基板24の電気的な構成については後述する。
レーダモジュール基板25は、後述のCPU85aやメモリ85bが設けられる回路基板であり(図13参照)、送受信部46や信号発生処理部86を備えて送信波の送信や反射波の受信を行うことで対象物(車両102)を検知する。レーダモジュール基板25は、矩形板状に形成され、図4、図7、図8、図11等に示すように、立設された状態で検出エリア方向調整部26の垂直方向調整台52に収納され、垂直方向調整台52の第2の爪部65によって係止される。レーダモジュール基板25は、四隅(左上端、右上端、左下端及び右下端)に、位置決め穴47を有し、これらの位置決め穴47に垂直方向調整台52のボス66が挿入されて位置決めされる。レーダモジュール基板25の垂直方向調整台52に対する取付向きは、レーダモジュール基板25の前面に対する正面視で時計回り方向又は反時計回り方向に90度回転させて変更することができる。
また、レーダモジュール基板25の下端には、上記のフレキシブルケーブル45が設けられ、フレキシブルケーブル45はレーダモジュール基板25上のコネクター(図示せず)に接続される。レーダモジュール基板25の電気的な構成については後述する。
レーダモジュール基板25の前面には、長方形板状の送受信部46が左右方向中央に設けられ、送受信部46の周囲には、上記したようにホーンアンテナ23が取り付けられる。レーダモジュール基板25は、ホーンアンテナ23を固定するためのアンテナ取付穴48を送受信部46の長手方向両外側に有し、ホーンアンテナ23を位置決めするための角穴49を送受信部46の周囲の左上側、右上側、左下側及び右下側に有する。また、レーダモジュール基板25は、プリントパターンで形成されたアース部50をアンテナ取付穴48の周囲に設け、アース部50はフレキシブルケーブル45、メイン基板24、ケーブル群44を経由して電気的に接地されている。従って、レーダモジュール基板25の垂直方向調整台52への取付向きを変更することで、上記したようにホーンアンテナ23の取付向き及び開口部42の開き角を変更して、送受信部46による電波の送受信範囲(対象物が検知される検出エリア3の広がり範囲)を調整することができる。
検出エリア方向調整部26は、レーダモジュール基板25の送受信部46及びホーンアンテナ23による検出エリア3の方向(水平方向及び垂直方向)を調整する機構部であり、ベース20のレーダ収納部29に収納される。検出エリア方向調整部26は、図4、図7、図8、図9等に示すように、検出エリア3の水平方向を調整するための水平方向調整台51と、検出エリア3の垂直方向を調整するための垂直方向調整台52とを備える。
水平方向調整台51は、垂直方向調整台52を挿入可能な略箱型に形成され、例えば、略半円筒型や左後端及び右後端を面取りした略箱型で形成される。水平方向調整台51は、前側が開口していて、前方から垂直方向調整台52が収納される。水平方向調整台51の上面及び下面のそれぞれには、上下方向に延びる第1の回転軸A1に沿って第1の軸部53が左右方向中央に形成される。また、水平方向調整台51の上面後部には、第1の軸部53の周囲に複数(多段階)の第1の被係合部54が凹設され、上面前部には、第1の回転軸A1を中心として多段階の第1の被係合部54とそれぞれ対称的な位置に多段階の第1の目印突起55が設けられる。多段階の第1の被係合部54は、第1の回転軸A1を中心とする円弧上で所定間隔(所定のステップ角度)を空けて左右対称な放射状に配置され、第1の軸部53の後方で前後方向に平行な第1の被係合部54を基準位置とし、第1の軸部53の左右両側には、多段階の第1の被係合部54の末端に、水平角度規制部56が突設される。
水平方向調整台51は、各第1の軸部53がレーダ収納部29の第1の軸受部37に取り付けられると共に係止爪37aによって係止されることで、第1の回転軸A1周りに水平方向に回転可能に支持される。水平方向調整台51をベース20に対して水平方向に回転させると、多段階の第1の被係合部54が第1の軸受部37の第1の係合部38に噛み合いながら移動し、第1の係合部38が何れかの第1の被係合部54に係合することで水平方向調整台51の水平方向の角度が維持される。これにより、ベース20に対する水平方向調整台51の設置角度(車両検出装置2の正面側方向に対して水平方向)が所定のステップ角度で可変調整自在となっている。
例えば、隣接する第1の被係合部54の間のステップ角度は、例えば、5度に設定され、水平方向調整台51を水平方向に調整可能な最大角度は±85度に設定される。上記の基準位置の第1の被係合部54に第1の係合部38を係合させるとき、水平方向調整台51の水平方向の角度は0度であり、左右何れかの末端の第1の被係合部54に第1の係合部38を係合させるとき、水平方向調整台51の水平方向の角度は85度である。なお、第1の係合部38が水平角度規制部56によって規制されることで、水平方向調整台51の85度を超える回転が規制される。例えば、図9では、垂直方向調整台52を左方に85度回転させた場合のホーンアンテナ23を点線で示す。また、図1に示すように、第1の車両検出装置2aでは、水平方向調整台51の水平方向の角度は左側に約60度に設定されて第1の検出エリア3aが画定し、第2の車両検出装置2bでは、水平方向調整台51の水平方向の角度は左側に約70度に設定されて第2の検出エリア3bが画定している。
水平方向調整台51の内部後側の底面には、垂直方向調整台52を回転可能に支持する第2の軸受部57が左右両端から前方に突出して形成される。各第2の軸受部57は、弾性変形可能であり、先端側に係止爪57aが形成されていて、これらの第2の軸受部57によって垂直方向調整台52が係止される。また、第2の軸受部57を外側に向かって押すことにより垂直方向調整台52を取り外しできる。また、水平方向調整台51の内部後側の底面には、第2の係合部58が第2の軸受部57の間に設けられ、第2の係合部58は、例えば、弾性変形可能な板ばねと前方に突出した係止歯とから形成されたり、複数(多段階)の突起と前方に突出した弾性変形可能な係止歯とから形成される。第2の係合部58は、垂直方向調整台52に設けられる多段階の第2の被係合部62の何れかに係合する。水平方向調整台51を構成する左右側板51aの前端には、第2の目印指示部59が第2の軸受部57に対応する位置に形成され、第2の目印指示部59は、垂直方向調整台52に形成された多段階の第2の目印突起63の何れかを指し示す。これにより、垂直方向調整台52が水平方向調整台51に対して、垂直方向にどの程度の角度に向けられているかを容易に認識できると共に、レーダモジュール基板25の検知方向の調整が容易になり、使い勝手が向上する。
垂直方向調整台52は、レーダモジュール基板25を挿入可能な略矩形箱型に形成される。垂直方向調整台52は、前側が開口していて、前方からレーダモジュール基板25が収納される。垂直方向調整台52の背面の左右方向中央には、水平方向調整台51の左右の第2の軸受部57の間に挿入される縦リブ60が後方に突出して形成される。縦リブ60の左面及び右面には、左右方向に延びる第2の回転軸A2に沿って外側に突出した第2の軸部61が形成され、縦リブ60の後端は、第2の回転軸A2を中心とする円弧状に形成される。縦リブ60の後端の外周上には複数(多段階)の第2の被係合部62(円弧状ギア)が凹設され、垂直方向調整台52を構成する左右側板52aの前端には、第2の回転軸A2を中心として多段階の第2の被係合部62とそれぞれ対称的な位置に多段階の第2の目印突起63が設けられる。多段階の第2の被係合部62は、第2の回転軸A2を中心とする円弧上で所定間隔(所定のステップ角度)を空けて上下対称な放射状に配置され、前後方向に平行な第2の被係合部62を基準位置とし、縦リブ60の後端の上下両側には、多段階の第2の被係合部62の末端に、垂直角度規制部64が突設される。
垂直方向調整台52は、各第2の軸部61が水平方向調整台51の第2の軸受部57に取り付けられると共に係止爪57aによって係止されることで、第2の回転軸A2周りに垂直方向に回転可能に支持される。垂直方向調整台52を水平方向調整台51に対して垂直方向に回転させると、多段階の第2の被係合部62は第2の係合部58に噛み合いながら移動し、第2の係合部58が何れかの第2の被係合部62に係合することで垂直方向調整台52の垂直方向の角度が維持される。これにより、水平方向調整台51に対する垂直方向調整台52の設置角度(入場車路103又は出場車路104の路面に対して垂直方向)が所定のステップ角度で可変調整自在となっている。
例えば、隣接する第2の被係合部62の間の角度は、例えば、5度に設定され、垂直方向調整台52を垂直方向に調整可能な最大角度は±20度に設定される。上記の基準位置の第2の被係合部62に第2の係合部58を係合させるとき、垂直方向調整台52の垂直方向の角度は0度であり、上下何れかの末端の第2の被係合部62に第2の係合部58を係合させるとき、垂直方向調整台52の垂直方向の角度は20度である。例えば、図8では、垂直方向調整台52を下方に20度回転させた場合のホーンアンテナ23を点線で示す。なお、第2の係合部58が垂直角度規制部64によって規制されることで、垂直方向調整台52の20度を超える回転が規制される。
垂直方向調整台52には、弾性変形可能な第2の爪部65が四隅(左上端、右上端、左下端及び右下端)から前方に突出して形成され、各第2の爪部65の内側には、ボス66が前方に突出して形成される。上記したように、各ボス66をレーダモジュール基板25の各位置決め穴47に挿入することでレーダモジュール基板25を位置決めすると共に、各第2の爪部65によってレーダモジュール基板25が係止され、レーダモジュール基板25は垂直方向調整台52から外れないようにワンタッチで固定される。また、第2の爪部65を外側に向かって押すことによりレーダモジュール基板25を取り外しできる。これにより、レーダモジュール基板25が故障した場合には新品のレーダモジュール基板25と容易に交換することができ、また、レーダモジュール基板25の検知範囲(送受信部46の送受信範囲)を変更したい場合には、異なる送受信部46を備えた他のレーダモジュール基板25と容易に交換することもできる。
次に、第1の車両検出装置2a及び第2の車両検出装置2bを備えるゲート装置1の電気的な構成について、図13を参照しながら説明する。
先ず、ゲート装置1のゲート筐体10内の電気的な構成について説明する。ゲート筐体10内には、本体側基板14が設けられ、本体側基板14には、ゲート装置1を統括制御するための制御部70と、第1の車両検出装置2aから第1の検出信号を入力する第1の信号入力部71と、第2の車両検出装置2bから第2の検出信号を入力する第2の信号入力部72と、発券機105や精算機106等の外部機器と通信を行う外部通信部73と、バー保持部12及びゲートバー13を回動駆動する駆動部75を制御する駆動制御部74とが備えられる。
制御部70は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)70a及びメモリ70bからなり、CPU70a及びメモリ70bはバス70cを介して接続される。メモリ70bは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、フラッシュメモリ等からなり、ゲート装置1(本体側基板14)の各部を制御するためのプログラムやデータが格納される。CPU70aは、メモリ70bに格納されたプログラムやデータを読み取り、このプログラムを実行する。バス70cは、更にインターフェイス70dに接続され、制御部70は、バス70c及びインターフェイス70dを介して、上記の第1の信号入力部71、第2の信号入力部72、外部通信部73及び駆動制御部74に接続されて各部を制御する。
第1の信号入力部71は、第1の車両検出装置2aに有線又は無線で接続される外部インターフェイスである。第1の信号入力部71は、第1の車両検出装置2aから第1の検出信号を入力し、バス70c及びインターフェイス70dを介して、第1の検出信号を外部通信部73や駆動制御部74へと送信する。第1の検出信号は、第1の車両検出装置2aが対象物(車両102)を検出している場合にはONを示し、第1の車両検出装置2aが対象物(車両102)を検出していない場合にはOFFを示す。
第2の信号入力部72は、第2の車両検出装置2bに有線又は無線で接続される外部インターフェイスである。第2の信号入力部72は、第2の車両検出装置2bから第2の検出信号を入力し、バス70c及びインターフェイス70dを介して、第2の検出信号を駆動制御部74へと送信する。第2の検出信号は、第2の車両検出装置2bが対象物(車両102)を検出している場合にはONを示し、第2の車両検出装置2bが対象物(車両102)を検出していない場合にはOFFを示す。
外部通信部73は、発券機105や精算機106等の外部機器に有線又は無線で接続される外部インターフェイスである。外部通信部73は、発券機105や精算機106から上記の開放許可信号を入力し、バス70c及びインターフェイス70dを介して、開放許可信号を駆動制御部74へと送信する。また、外部通信部73は、第1の信号入力部71からONの第1の検出信号を入力すると、発券機105や精算機106へと送信する。発券機105や精算機106は、ONの第1の検出信号を入力することで、入場車路103や出場車路104に進入して発券機105や精算機106に接近した車両102を認識し、駐車券発行や精算処理を行うことができる。
駆動制御部74は、駆動部75に接続されていて、第1の信号入力部71からの第1の検出信号、第2の信号入力部72からの第2の検出信号、外部通信部73からの開放許可信号等に基づいて駆動部75に制御信号を送信する。例えば、駆動部75は、通常、バー保持部12及びゲートバー13を閉状態に維持している。駆動制御部74は、ゲートバー13が閉状態の場合、ONの第1の検出信号及びONの開放許可信号を入力すると、バー保持部12及びゲートバー13を起立させるために、駆動部75に起立駆動信号を送信する。起立駆動信号に基づいて駆動部75がバー保持部12及びゲートバー13を起立位置へと回動駆動すると、ゲートバー13が開状態となり、駆動部75は、バー保持部12及びゲートバー13を開状態に維持する。また、駆動制御部74は、ゲートバー13が開状態の場合、ONの第2の検出信号を入力した後で、OFFの第1の検出信号及びOFFの第2の検出信号を入力すると、バー保持部12及びゲートバー13を横臥させるために、駆動部75に横臥駆動信号を送信する。なお、駆動制御部74は、制御部70によって実行されて上記のような信号処理を行うプログラムで構成されてよい。
次に、ゲート装置1に設けられる第1の車両検出装置2aの電気的な構成について説明する。第1の車両検出装置2aには、上記したようにメイン基板24及びレーダモジュール基板25が備えられる。
メイン基板24には、メイン基板24の各部を統括制御するための制御部80と、レーダモジュール基板25と通信を行う通信部81と、車両検出を判定する車両判定部82と、ゲート筐体10内の本体側基板14へと第1の検出信号を出力する信号出力部83とが備えられる。
制御部80は、本体側基板14の制御部70と同様に、CPU80a及びメモリ80bからなり、バス80c及びインターフェイス80dに接続される。制御部80について、制御部70と同様の構成は説明を省略する。メモリ80bには、例えば、メイン基板24の各部を制御する制御プログラムが記憶される。制御部80は、バス80c及びインターフェイス80dを介して、上記の通信部81、車両判定部82及び信号出力部83に接続されて各部を制御する。
通信部81は、フレキシブルケーブル45を介してレーダモジュール基板25の通信部87に接続されていて、レーダモジュール基板25から対象物の検知信号を入力する。
車両判定部82は、通信部81がレーダモジュール基板25から入力した検知信号に基づいて、レーダモジュール基板25で検知された対象物が自動車(車両102)か否かを判定する。例えば、車両判定部82は、レーダモジュール基板25の信号発生処理部86が送信信号と受信信号とのビート周波数信号を生成する場合、このビート周波数信号に基づいて対象物と車両検出装置2(レーダモジュール基板25の送受信部46)との間の距離や対象物の相対速度、受信レベル等の対象物データを検出し、またビート周波数信号のパターンを解析することにより、車両102の有無を判定する。車両判定部82は、自動車のみを検出し、人、自転車、バイク、構造物等のデータは破棄する。そして、車両判定部82は、その判定結果をON又はOFFで示す第1の検出信号を生成する。なお、車両判定部82は、制御部80によって実行されて上記のような信号処理を行うプログラムで構成されてよい。
信号出力部83は、ケーブル群44を介して本体側基板14の第1の信号入力部71に接続されていて、車両判定部82で生成された第1の検出信号を第1の信号入力部71へと出力する。
レーダモジュール基板25には、レーダモジュール基板25の各部を統括制御するための制御部85と、上記の送受信部46と、送受信部46で送受信される電波を処理する信号発生処理部86と、メイン基板24と通信を行う通信部87とが備えられる。レーダモジュール基板25は、例えば、FMCW方式で周波数変調した信号を電波に適用するように構成され、あるいは2周波CW方式を採用してもよい。
制御部85は、本体側基板14の制御部70と同様に、CPU85a及びメモリ85bからなり、バス85c及びインターフェイス85dに接続される。制御部85について、制御部70と同様の構成は説明を省略する。メモリ85bには、例えば、レーダモジュール基板25の各部を制御する制御プログラムが記憶される。制御部85は、バス85c及びインターフェイス85dを介して、上記の送受信部46、信号発生処理部86及び通信部87に接続されて各部を制御する。
送受信部46は、レーダモジュール基板25の前面に電気的に接続され、検出エリア3に送信波を送信(放射)すると共に、検出エリア3内の対象物(例えば、車両102)によって反射された送信波の反射波を受信するように構成される。送受信部46は、例えば、送信波として、耐環境性能やコストメリットに優れたマイクロ波帯(24GHz帯)の周波数帯域の電波を送信し、例えば、24.15GHzを中心周波数として24.05〜24.25GHzの周波数の電波を送信する。送受信部46は、送信波を連続的に放射してよく、あるいは間欠的に放射してもよい。また、送受信部46は、誘電体の基板上にストリップ導体を配置したマイクロストリップアンテナ等の平面アンテナで構成される。送受信部46は、送信アンテナとしての送信部46aと受信アンテナとしての受信部46bとを備える。送受信部46において、送信アンテナ及び受信アンテナに接続されて信号を伝送する配線や、各部に電力を給電及び受電する配線の線路は、基板上にエッチングによって形成される。
信号発生処理部86は、送受信部46が送信する送信波の信号を発生させると共に、送受信部46が受信した反射波の信号を処理して、レーダモジュール基板25による対象物の検知結果を示す検知信号を生成する。信号発生処理部86は、例えば、発振器から発振された所定の波形パターンの信号をFMCW方式で周波数変調してFMCW信号を発生する信号発生部、FMCW信号の送信波を送信部46aへ出力する送信波出力部、送信部46aに出力されるFMCW信号の一部を分岐する方向性結合部、方向性結合部で分岐されたFMCW信号(送信信号)と受信部46bで受信された反射波の信号(受信信号)とのビート周波数信号を取り出すミキサ、及びビート周波数信号を処理して対象物の検知信号として出力する検知処理部から構成される。信号発生処理部86の検知処理部は、アナログ信号のビート周波数信号をフィルタ処理し、フィルタ処理後のビート周波数信号をA/D変換してデジタル信号のビート周波数信号に変換し、デジタル信号のビート周波数信号にFFT処理を行って検知信号を生成して出力する。なお、信号発生処理部86は、制御部85によって実行されて上記のような信号処理を行うプログラムで構成されてよい。
通信部87は、フレキシブルケーブル45を介してメイン基板24の通信部81に接続されていて、信号発生処理部86から出力される検知信号をメイン基板24の通信部81へと送信する。なお、信号発生処理部86又は通信部87は、ビート周波数信号又は検知信号を増幅処理してもよい。
次に、ゲート装置1に設けられる第2の車両検出装置2bの電気的な構成について説明する。第2の車両検出装置2bも、第1の車両検出装置2aと同様に、メイン基板24及びレーダモジュール基板25を備える。そのため、第2の車両検出装置2bについて、第1の車両検出装置2aと同様の構成は説明を省略する。
第2の車両検出装置2bでは、メイン基板24の車両判定部82は、上記したように車両102の有無を判定して、その判定結果として第2の検出信号を生成する。また、メイン基板24の信号出力部83は、ケーブル群44を介して本体側基板14の第2の信号入力部72に接続されていて、車両判定部82で生成された第2の検出信号を第2の信号入力部72へと出力する。
更に、第2の車両検出装置2bでは、メイン基板24は、車両判定部82に加えて人判定部84を備える。人判定部84は、通信部81がレーダモジュール基板25から入力した検知信号に基づいて、レーダモジュール基板25で検知された対象物が人か否かを判定する。例えば、人判定部84は、レーダモジュール基板25の信号発生処理部86が送信信号と受信信号とのビート周波数信号を生成する場合、このビート周波数信号に基づいて対象物と車両検出装置2との間の距離や対象物の相対速度、受信レベル等の対象物データを検出し、またビート周波数信号のパターンを解析することにより、人の有無を判定する。そして、人判定部84は、その判定結果をON又はOFFで示す第3の検出信号を生成する。
次に、第1の車両検出装置2aや第2の車両検出装置2b等の車両検出装置2による車両102等の対象物の検出動作を、図14のフローチャートに沿って説明する。
先ず、車両検出装置2では、レーダモジュール基板25の信号発生処理部86によって所定の波形パターンの信号をFMCW方式で周波数変調してFMCW信号の送信波を発生して送受信部46の送信部46aへと出力する(ステップS1)。
送受信部46の送信部46aによって、FMCW信号の送信波がホーンアンテナ23を介して検出エリア3へと放射される(ステップS2)。
この送信波が対象物に当たると、対象物に反射した送信波の反射波がホーンアンテナ23を介して送受信部46の受信部46bによって受信される(ステップS3)。
送受信部46の受信部46bで受信された反射波は、信号発生処理部86に伝送され、信号発生処理部86では、この反射波とこの反射波の元の送信波との周波数差に基づいてアナログ信号のビート周波数信号が生成され、このビート周波数信号はフィルタ処理が施される(ステップS4)。
また、信号発生処理部86では、フィルタ処理後のビート周波数信号はA/D変換によってデジタル信号のビート周波数信号に変換される(ステップS5)。
更に、信号発生処理部86では、デジタル信号のビート周波数信号はFFT処理されて検知信号が生成される(ステップS6)。この検知信号は、通信部87によって、メイン基板24の通信部81へと送信される。
メイン基板24では、車両判定部82によって、FFT処理された検知信号に基づいて、対象物と車両検出装置2との間の距離(ステップS7)、対象物の相対速度(ステップS8)、受信レベル(ステップS9)等の対象物データが算出される。なお、レーダモジュール基板25の信号発生処理部86において、上記ステップS7からステップS9の処理を行ってもよい。
車両検出装置2が第1の車両検出装置2aの場合(ステップS10:YES)、第1の車両検出装置2aの車両判定部82では、検出された対象物データに基づいて、対象物が車両102か否かが判定される(ステップS11)。そして、対象物が車両102であると判定された場合(ステップS11:YES)、ONの第1の検出信号が車両判定部82によって生成され、信号出力部83によってゲート筐体10内の本体側基板14の第1の信号入力部71へと出力される(ステップS12)。
一方、対象物が車両102でないと判定された場合(ステップS11:NO)、OFFの第1の検出信号が車両判定部82によって生成され、信号出力部83によって本体側基板14の第1の信号入力部71へと出力されると共に、検出された対象物データは破棄される(ステップS13)。
また、車両検出装置2が第2の車両検出装置2bの場合(ステップS10:NO)、第2の車両検出装置2bの車両判定部82では、上記と同様にして対象物が車両102か否かが判定される(ステップS14)。そして、対象物が車両102であると判定された場合(ステップS14:YES)、上記と同様にして、ONの第2の検出信号が車両判定部82によって生成され、信号出力部83によってゲート筐体10内の本体側基板14の第2の信号入力部72へと出力される(ステップS12)。
一方、対象物が車両102でないと判定された場合(ステップS14:NO)、OFFの第2の検出信号が車両判定部82によって生成され、信号出力部83によって本体側基板14の第2の信号入力部72へと出力されると共に、人判定部84によって、検出された対象物データに基づいて、対象物が人か否かが判定される(ステップS15)。そして、対象物が人であると判定された場合(ステップS15:YES)、ONの第3の検出信号が人判定部84によって生成され、信号出力部83によって本体側基板14の第2の信号入力部72へと出力される(ステップS12)。
一方、対象物が人でないと判定された場合(ステップS15:NO)、OFFの第3の検出信号が人判定部84によって生成され、信号出力部83によって本体側基板14の第2の信号入力部72へと出力されると共に、検出された対象物データは破棄される(ステップS16)。
上記の実施形態では、ゲート装置1において、発券・精算開始用として使用される第1の車両検出装置2aが、入場車路103又は出場車路104に対向するゲート筐体10の面10aに取り付けられる例を説明したが、第1の車両検出装置2aの取付位置はこれに限定されない。例えば、ゲート装置1の変形例では、図15に示すように、第1の車両検出装置2aは、進行方向手前側のゲート筐体10の面10cに取り付けられてもよい。これにより、進行方向手前側の第1の車両検出装置2aと、進行方向奧側の第2の車両検出装置2bとは、入場車路103又は出場車路104から見て、最も離間した位置に取り付けられる。なお、この変形例のゲート装置1では、扉11は、入場車路103又は出場車路104とは反対側(対向する面10aの背面側)の面10dに設けられる。
次に、入場ゲート装置1aにおいて、車両検出装置2による車両102の検出動作、及びゲート装置1によるゲートバー13の開閉動作を、図15の概要図や図16のフローチャートに沿って説明する。なお、ここでは、入場ゲート装置1aの動作例を説明するが、出場ゲート装置1bも同様に動作する。また、ここでは、入場ゲート装置1aとして、第1の車両検出装置2aを進行方向手前側に設けた変形例のゲート装置1を適用した場合の動作を説明するが、第1の車両検出装置2aを入場車路103に対向して設けたゲート装置1を適用した場合も同様に動作する。
先ず、ゲート装置1では、図15(a)に示すように、ゲートバー13を閉状態していて、第1の車両検出装置2aから第1の信号入力部71に入力される第1の検出信号に基づいて、第1の検出エリア3aにおける車両102の有無を監視している(ステップS21)。
そして、車両102が入場車路103に進入すると、第1の車両検出装置2aによって車両102が検出されて、ONの第1の検出信号が第1の信号入力部71へと入力される(ステップS21:YES)。このONの第1の検出信号は、更に外部通信部73によって発券機105へと送信される。
発券機105では、ONの第1の検出信号に基づいて、駐車券の発行処理を行う(ステップS22)。駐車券が発券機105から抜き取られて発行処理が完了すると(ステップS23:YES)、発券機105は開放許可信号をゲート装置1へと送信する。このとき、ゲート通過直後の車両102があると、ゲートバー13の開放によって事故等の危険性があるので、第2の車両検出装置2bからOFFの第2の検出信号が出力されていることが望ましい。
なお、発券機105は、駐車券が発券機105から抜き取られずに(ステップS23:NO)、所定時間が経過してタイムアウトと判定すると(ステップS24:YES)、発行処理が完了せずに駐車券の回収を行う(ステップS25)。そして、発券機105は、例えば、駐車券を発行処理できなかったことをゲート装置1へと通知して、ゲート装置1は、第1の車両検出装置2aによる車両102の有無の監視(ステップS21)に戻る。
上記のように駐車券の発行処理が完了したとき(ステップSS23:YES)ゲート装置1では、外部通信部73によって開放許可信号が入力され、更に駆動制御部74へと送信される。駆動制御部74では、ONの第1の検出信号及びONの開放許可信号に基づいて、起立駆動信号が駆動部75へと送信される。この起立駆動信号に基づいて、駆動部75によってバー保持部12及びゲートバー13が起立位置へと回動駆動されて、図15(b)に示すように、ゲートバー13が開状態となり、車両102が入場車路103を通過可能となる(ステップS26)。
また、ゲート装置1では、図15(c)に示すように、第2の車両検出装置2bから第2の信号入力部72に入力される第2の検出信号に基づいて、第2の検出エリア3bにおける車両102の有無を監視している(ステップS27)。そして、車両102が開状態のゲートバー13を通過すると、第2の車両検出装置2bによって車両102が検出されて、ONの第2の検出信号が第2の信号入力部72に入力される(ステップS27:YES)。
なお、車両102が開状態のゲートバー13を通過せずに第2の車両検出装置2bによって車両102が検出されないと、OFFの第2の検出信号が第2の信号入力部72に入力されたままである(ステップS27:NO)。このように、ゲートバー13が開状態となってから車両102が開状態のゲートバー13を通過せずに所定時間が経過してタイムアウトと判定すると(ステップS28:YES)、車両102がゲートバー13の通過前の位置から適正に移動していないと考えられ、ゲート装置1は、車両102の入場に問題があると判断して音声やアラーム、ランプ等によって警報出力を行う(ステップS29)。
車両102が開状態のゲートバー13を通過した後(ステップS27:YES)、車両102が更に入場車路103を進行して第1の検出エリア3aを越えると、第1の車両検出装置2aでは車両102が未検出となり、OFFの第1の検出信号が第1の信号入力部71に入力される(ステップS30:YES)。
なお、車両102が第1の検出エリア3aを越えずに第1の車両検出装置2aによって車両102が未検出にならないと、ONの第1の検出信号が第1の信号入力部71に入力されたままである(ステップS30:NO)。このように、第2の車両検出装置2bによって車両102が検出されてから車両102が第1の検出エリア3aを越えずに所定時間が経過してタイムアウトと判定すると(ステップS31:YES)、車両102が開状態のゲートバー13を跨ぐ位置から適正に移動していないと考えられ、ゲート装置1は、車両102の入場に問題があると判断して音声やアラーム、ランプ等によって警報出力を行う(ステップS29)。
車両102が第1の検出エリア3aを越えた後(ステップS30:YES)、車両102がまた更に入場車路103を進行して第2の検出エリア3bを越えると、第2の車両検出装置2bでは車両102が未検出となり、OFFの第2の検出信号が第2の信号入力部72に入力され(ステップS32:YES)、更に駆動制御部74へと入力される。
駆動制御部74では、上記のようにONの第2の検出信号を入力した後で入力されたOFFの第1の検出信号及びOFFの第2の検出信号に基づいて、横臥駆動信号が駆動部75へと送信される。この横臥駆動信号に基づいて、駆動部75によってバー保持部12及びゲートバー13が横臥位置へと回動駆動されて、図15(d)に示すように、ゲートバー13が閉状態となり、入場車路103が遮断される(ステップS33)。
なお、車両102が第2の検出エリア3bを越えずに第2の車両検出装置2bによって車両102が未検出にならないと、ONの第2の検出信号が第2の信号入力部72に入力されたままである(ステップS32:NO)。このように、第1の車両検出装置2aによって車両102が未検出になってから車両102が第2の検出エリア3bを越えずに所定時間が経過してタイムアウトと判定すると(ステップS34:YES)、車両102がゲートバー13の通過直後の位置から適正に移動していないと考えられ、ゲート装置1は、車両102の入場に問題があると判断して音声やアラーム、ランプ等によって警報出力を行う(ステップS29)。
上述のように、本実施形態によれば、車両102を検出する車両検出装置2は、送信波を送信し、対象物によって反射された送信波の反射波を受信する送受信部46と、送受信部46が受信した反射波に基づく信号の処理結果に基づいて送信波を反射した対象物が車両102であるか否かを判定する車両判定部82と、送受信部46による送信波の送信及び反射波の受信によって車両102が検出される検出エリア3の方向を調整する検出エリア方向調整部26と、検出エリア3の広がり範囲を制限する検出エリア角度制限部(ホーンアンテナ23)とを備えている。
このような構成により、車両検出装置2は、設置環境や設置場所に応じて、検出エリア3の方向及び広がり範囲(角度)を調整することができる。そのため、電波の送受信に関して他の車両検出装置2との干渉を防止し、使い勝手を向上することができる。また、多様な車種や多様な設置場所に対応して最適な検出エリア3を実現することができ、車両102の検出を確実にして安定化させることができる。
また、本実施形態に係る車両検出装置2では、検出エリア方向調整部26は、送信波の送信方向を垂直方向に所定のステップ角度で調整可能な垂直方向調整台52と、送信波の送信方向を水平方向に所定のステップ角度で調整可能な水平方向調整台51とを備える。
このような構成により、検出エリア3の垂直方向と水平方向とをそれぞれ独立して調整することができ、簡単に所望の方向に検出エリア3を調整することができるため、使い勝手を更に向上させることができる。
また、本実施形態に係る車両検出装置2では、検出エリア角度制限部は、検出エリア3を定めるホーンアンテナ23を備え、ホーンアンテナ23は、長辺及び短辺を有する矩形状の開口部42を備え、開口部42は、基端側から先端側に向かって拡径して、垂直方向の開き角と水平方向の開き角とが異なるように形成される。
このような構成により、ホーンアンテナ23の垂直方向の開き角と水平方向の開き角とが異なるため、ホーンアンテナ23の取付方向を変更することで、検出エリア3の範囲(角度)を容易に変更することができる。また、検出エリア3を変更するために、他のホーンアンテナ23を用意する必要がなく、単一のホーンアンテナ23を用いればよいので、部品のコストを低減することができて経済的である。
また、本実施形態に係る車両検出装置2では、ホーンアンテナ23は、分割された同形状の部材(板部材43)を組み合わせて構成される。
このような構成により、ホーンアンテナ23を構成するために、様々な部品を用意する必要がなく、同じ部材(板部材43)を組み合わせればよいので、部品のコストをより低減することができる。
また、本実施形態に係る車両検出装置2では、送受信部46は、検出エリア方向調整部26に対して着脱可能に取り付けられる正方形のレーダモジュール基板25の前面に設けられ、ホーンアンテナ23は、開口部42の基端縁部を送受信部46の外周に合わせて、送受信部46から前方に向かって拡径するようにレーダモジュール基板25に取り付けられる。
このような構成により、検出エリア方向調整部26におけるレーダモジュール基板25の取付構造は、取付方向を90度変えたレーダモジュール基板25についても共有することができ、使い勝手を更に向上することができる。また、レーダモジュール基板25の取付方向を変更するだけで、ホーンアンテナ23の取付方向を変更することができ、検出エリア3の広がり範囲を容易に変更することができる。
また、本実施形態に係る車両検出装置2では、送受信部46は、送受信部46が受信した反射波に基づく信号を処理すると共にその処理結果を出力するレーダモジュール基板25に取り付けられ、車両判定部82は、レーダモジュール基板25から独立していてレーダモジュール基板25から処理結果を入力するメイン基板24に取り付けられ、レーダモジュール基板25及びメイン基板24は、上下方向に並列に配置されている。
このような構成により、送受信部46を備えるレーダモジュール基板25と、車両判定部82を備えるメイン基板24とは、設置場所や設置環境、あるいは検出対象に応じて様々な組み合わせで構成することができ、また、それぞれ別個に交換することもできる。また、レーダモジュール基板25及びメイン基板24を上下方向に並列に配置することで、車両検出装置2の前方への突出部分を減少し、車両検出装置2付近を走行する車両102と車両検出装置2との接触を回避することができる。
また、本実施形態に係る車両検出装置2では、送受信部46は、送信波及び反射波として、24GHzの周波数帯域のマイクロ波を送受信するように構成される。
このような構成により、耐環境性能に優れたマイクロ波帯を利用するので、車両102の検出をより安定化することができる。また、マイクロ波帯を利用する送受信部46として、普及される製品を適用することができるので、コストメリットに優れていて、また、よりよい製品を選択することもできる。
また、本実施形態に係る車両検出装置2では、送受信部46、車両判定部82、検出エリア方向調整部26及び検出エリア角度制限部(ホーンアンテナ23)を収容するケース(ベース20、カバー21及びレドーム22)を更に備え、ケースは、正面視で左右対称の形状を有する。
このような構成により、車両検出装置2は、入場ゲート装置1a、出場ゲート装置1b等の様々なゲート装置1に対して、個別の設計を必要とすることなく、共通して適用することができるので、使い勝手を向上することができ、また、コストを低減することができる。
また、本実施形態によれば、駐車場101に入出場する車両のゲートの通過を規制するゲート装置1は、上記したような車両検出装置2で構成され、ゲートの通過前の車両102を検出する第1の車両検出装置2aと、上記したような車両検出装置2で構成され、ゲートの通過後の車両102を検出する第2の車両検出装置2bと、車両102が通行する車路に面して設けられるゲート筐体10と、ゲート筐体10に保持され、車両102のゲートの通過を規制するゲートバー13と、備え、第1の車両検出装置2aの検出エリア方向調整部26及び検出エリア角度制限部(ホーンアンテナ23)により調整、制限される第1の検出エリア3aと、第2の車両検出装置2bの検出エリア方向調整部26及び検出エリア角度制限部(ホーンアンテナ23)により調整、制限される第2の検出エリア3bとは離間している。
このような構成により、第1の検出エリア3aと第2の検出エリア3bとの干渉を回避することができるので、ゲートの通過前の車両102とゲートの通過後の車両102とをそれぞれ区別して確実に検出することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、第1の車両検出装置2aの検出エリア角度制限部は、第1の検出エリア3aを定める第1のホーンアンテナ23aを備え、第2の車両検出装置2bの検出エリア角度制限部は、第2の検出エリア3bを定める第2のホーンアンテナ23bを備え、第1のホーンアンテナ23aは、長辺及び短辺を有する矩形状の開口部42が、基端側から先端側に向かって拡径して、垂直方向の開き角よりも水平方向の開き角が大きくなるように形成され、第2のホーンアンテナ23bは、長辺及び短辺を有する矩形状の開口部42が、基端側から先端側に向かって拡径して、水平方向の開き角よりも垂直方向の開き角が小さくなるように形成される。
このような構成により、平面視において、第2の検出エリア3bを第1の検出エリア3aに比べて小さく(狭く)することができ、ゲート通過前の車両102を確実に検出すると共に、車両102のゲート通過際には、速やかにゲートバー13の閉動作を行うことができ、駐車場101に入出場する際の最適な検出エリア3を形成することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、第1の車両検出装置2aは、入場車路103又は出場車路104に対向するゲート筐体10の面10aに取り付けられ、第2の車両検出装置2bは、ゲート筐体10のゲートバー13を保持する面10bに取り付けられ、第1の車両検出装置2aは、ゲート筐体10の平面視において第2の車両検出装置2bから離間した位置に取り付けられている。
このような構成により、第1の車両検出装置2aによって、ゲートバー13通過前の車両102、例えば、発券機105や精算機106よりも手前側の車両102の検出を容易にすると共に、第2の車両検出装置2bによって、ゲートバー13通過後の車両102の検知を容易にすることができる。また、第1の車両検出装置2aと第2の車両検出装置2bとを、ゲート筐体10において異なる面10a、10bに取り付けることにより、相互の電波の干渉をし難くすることができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、第2の車両検出装置2bは、送受信部46が受信した反射波に基づく信号の処理結果に基づいて送信波を反射した対象物が人であるか否かを判定する人判定部84を更に備える。
このような構成により、ゲートバー13の通過後の第2の検出エリア3bにおける人の存在を検出した場合には、ゲートバー13の閉動作や開動作の中止などの措置をとることができ、ゲートバー13の動作や車両102の移動による人身事故を防ぐことができる。
更に、他の実施形態では、ゲート装置1の車両検出装置2は、図17に示すように、ベース20にベース側調整穴90を備えると共に、ゲート筐体10に筐体側調整穴91を備えてもよい。
ベース側調整穴90は、水平方向調整台51の背面中央(垂直方向調整台52の背面中央であって、縦リブ60の基準位置の第2の被係合部62に相当する位置)で、ベース20を前後方向に貫通して形成される。ベース側調整穴90は、車両検出装置2(ベース20)の後方からマイナスドライバー等の調整用治具94を挿入可能な大きさであって、水平方向調整台51及び垂直方向調整台52を回転操作可能な大きさを有する。
筐体側調整穴91は、車両検出装置2(ベース20)がゲート筐体10に取り付けられた状態で、ベース側調整穴90に対応する位置に設けられてベース側調整穴90に連通する。筐体側調整穴91は、ベース側調整穴90と略同じ大きさを有し、マイナスドライバー等の調整用治具94をゲート筐体10の内部から筐体側調整穴91を介してベース側調整穴90に挿入させることができる。
このような他の実施形態では、水平方向調整台51の背面中央には、マイナスドライバー等の調整用治具94の先端を係合させる水平調整溝部92が形成される。水平調整溝部92は、左右両端が閉じた溝であり、水平調整溝部92に係合した調整用治具94を左右方向に規制する。水平調整溝部92は、横長の溝でよいが、縦長の溝でもよい。水平調整溝部92に係合した調整用治具94の左右方向の操作によって、水平方向調整台51は左右方向に回転して左右方向の角度が調整される。
また、水平方向調整台51の背面には、マイナスドライバー等の調整用治具94を挿入させる垂直調整穴93が水平調整溝部92の上方及び下方に形成される。垂直調整穴93は、垂直方向調整台52の第2の被係合部62に対応する位置で、水平方向調整台51の背面(後板)を前後方向に貫通して形成される。垂直調整穴93は、マイナスドライバー等の調整用治具94を後方から挿入させて垂直方向調整台52の第2の被係合部62に係合させることができ、従って、ゲート筐体10の内部から筐体側調整穴91及びベース側調整穴90を通したマイナスドライバー等の調整用治具94の先端を、垂直調整穴93を介して第2の被係合部62に係合させることができる。垂直調整穴93を介して第2の被係合部62に係合した調整用治具94の上下方向の操作によって、垂直方向調整台52は上下方向に回転して上下方向の角度が調整される。
なお、このような実施形態では、車両検出装置2を正面から見て、ベース20側の第1の目印指示部39及び水平方向調整台51側の第1の目印突起55や、水平方向調整台51側の第2の目印指示部59及び垂直方向調整台52側の第2の目印突起63を視認できるように、レドーム22を透明や半透明で構成してもよい。
このように、他の実施形態によれば、ゲート装置1では、第1の車両検出装置2a及び第2の車両検出装置2bの少なくとも一方は、ゲート筐体10に取り付けられるベース20に、検出エリア方向調整部26を操作して検出エリア3の方向を調整するためのベース側調整穴90を備え、ゲート筐体10は、ベース20が取り付けられた状態で、ベース側調整穴90に連通する筐体側調整穴91を備える。
このような構成により、車両検出装置2は、検出エリア方向調整部26を覆うレドーム22等を取り外すことなく、ゲート筐体10の内部を介して検出エリア方向調整部26を操作して検出エリア3を調整することが可能となる。これにより、レドーム22等の取り付けによって検出エリア3に影響が及ぶ場合でも、検出エリア3を適切に調整することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、検出エリア3(ホーンアンテナ23)の水平方向の向きを調整する水平方向調整台51をレーダ収納部29に対して回転可能に配置し、検出エリア3(ホーンアンテナ23)の垂直方向の向きを調整する垂直方向調整台52を水平方向調整台51に対して回転可能に配置する検出エリア方向調整部26の構成を説明したが、検出エリア方向調整部26の構成はこれに限定されない。例えば、検出エリア方向調整部26は、検出エリア3の垂直方向の向きを調整する垂直方向調整台52をレーダ収納部29に対して回転可能に配置し、検出エリア3の水平方向の向きを調整する水平方向調整台51を垂直方向調整台52に対して回転可能に配置するように構成されてもよい。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両検出装置やゲート装置もまた本発明の技術思想に含まれる。