JP3107282B2 - 屈曲型放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶テレビなどの
バックライト、もしくはカーナビゲーションシステムの
映像表示用などに適する平面状の屈曲型放電ランプ、お
よび平面型の照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば液晶テレビや液晶メータなどの
バックライト用の照明装置は、冷陰極放電ランプを光源
とし、小型液晶テレビや液晶メータなどの液晶パネルの
背面から平面的にほぼ均一な光を当てて、液晶面を表示
するため多用されている。また、交通の制御を総合的に
行うカーナビゲーションシステムにおいても、自動車の
現在位置や進行方向を表示するテレビモニターなどの液
晶表示装置のバックライトに、前記放電ランプが使用さ
れている。

【０００３】図３は従来のバックライト用照明装置の基
本的構成を展開して平面的に、また、図４は基本的構成
を断面的に、それぞれ示したものである。図３および図
４において、１は前面が開口可能に形成された浅い皿形
状を成す反射型ケーシング、２は前記反射型ケーシング
１内に配置された平面的に屈曲された放電ランプ（たと
えばＷ字形もしくはＵ字形など）、３は前記放電ランプ
２の給電端子側に装着・配置されたゴムなどの弾性体か
ら成るランプホルダーである。ここで、反射型ケーシン
グ１の底壁面は、反射面として機能しする一方、放電ラ
ンプ２を、その屈曲部2aを係止片（係止爪）４で係止し
て、また、前記ランプホルダー３を、反射型ケーシング
側壁部1aに一体的に設置されている支持機構５で挟着的
に支持し、反射型ケーシング１内に固定・装着してい
る。そして、前記構成においては、押し込み嵌着という
機能から、挟着的に支持する支持機構５および挟着的に
支持されるランプホルダー３相互の挟着・対接面を平面
的に形成されている。

【０００４】さらに、６は筐体の一部を成す光拡散透過
板で、前記反射型ケーシング１の開口部に着脱自在に装
着されており、5aは支持機構５を介して表示装置に固定
するためのネジ止め孔である。なお、前記構成におい
て、ランプホルダー３を介して支持機構（支持溝）５に
放電ランプ２の両端部を嵌着支持させるのは、放電ラン
プ２の点灯時に生じる熱膨脹に伴う微小なバルブの変
形、および使用時の衝撃や振動による外力などをゴム系
弾性材のランプホルダー３で吸収させ、放電ランプ２の
破損を防止する一方、電気的絶縁も付与させている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
の照明装置の場合は、次のような不都合な問題が発生す
る恐れがある。たとえば、カーナビゲーションシステム
において、前記照明装置をテレビモニターなどの表示装
置のバックライトに使用した場合、システムの安定性が
損なわれ易いという問題がある。すなわち、前記照明装
置の構成においては、組み立て作業性（たとえば装着・
固定時におけるガラスバルブの破損防止）などを考慮し
て、係止片1aなどによる係止箇所を低減するとともに、
係止片1aなどによる係止を緩めに設定している。一方、
車載用など移動型として利用した場合、前記照明装置は
少なからず振動など外的な衝撃を受け、この振動などに
伴って放電ランプ２が係止片1aに対する摺動的な移動が
起こり易く、放電ランプ２の破損を招いたり、配光特性
の変動を生じたりすることが起こる。特に、Ｗ字形もし
くはＵ字形など平面状の屈曲型放電ランプを光源とした
場合は、光源の自重さと相俟って、衝撃などの影響が大
きく作用して、係止片1aに対する電ランプ２の摺動的な
移動、この移動による配光特性の変動なども大きくな
り、バックライトとしての安定作用を確保し得ない恐れ
が顕著になる。

【０００６】本発明は上記事情に対処してなされたもの
で、たとえば液晶表示装置のバックライトとしての使用
において、安定した所要の動作・機能を容易に保持する
ことが可能な、屈曲型放電ランプおよび照明装置の提供
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 請求項１の発明は、内
壁面に蛍光体層を有し、放電媒体が封入されるとともに
両端部に一対の放電電極が封装され、かつ複数の直線部
を有するバルブから成る平面状の屈曲型放電ランプであ
って、前記バルブ直線部の一部が原外径の３０％以内の
範囲で円弧状に縮径・低減された係止部を有することを
特徴とする屈曲型放電ランプである。

【０００８】請求項２の発明は、前面が開口可能に形成
された反射型ケーシングと、前記反射型ケーシング内に
平面的に装着された複数の直線部を有する平面状の屈曲
型放電ランプと、前記屈曲型放電ランプの給電端子側に
装着・配置された弾性体からなるランプホルダーと、前
記反射型ケーシングの開口部に着脱自在に装着される光
拡散透過板とを有する照明装置であって、前記屈曲型放
電ランプが、内壁面に蛍光体層が設けられ、放電媒体が
封入されるとともに両端部に一対の放電電極が封装さ
れ、かつ直線部の一部が原外径の30％以内の範囲で円弧
状に縮径・低減された領域を含む複数の箇所で反射型ケ
ーシングに係止・固定されていることを特徴とする照明
装置である。

【０００９】つまり、本発明は、複数の直線部を有する
バルブから成る平面状の屈曲型放電ランプにおいて、バ
ルブ直線部の一部に原外径の30％以内の範囲で円弧状の
縮径・低減領域を形設し、この円弧状の縮径・低減領域
を係止片で係止することによって、バルブの衝撃破損な
ど回避しながら一方では、摺動的な移動を防止して、配
光特性の変動などを解消することを骨子としたものであ
る。

【００１０】本発明において、バルブ直線部の一部に形
設する円弧状の縮径・低減領域の最小外径を、他のバル
ブ直線部領域の外径（原外径）に対して30％以内（少な
くとも原外径の70％）で縮径・低減するのは、この範囲
内ならば放電特性に悪影響がなく、また、係止片による
係止・固定化も容易に確保できることの確認に基づくも
のである。さらに、縮径・低減の形態は単純な凹面絞り
でもよいが、放電特性面など考慮すると円弧状が好まし
く、この場合の縮径・低減領域の長さは、バルブ外径に
もよるが、外径 3〜 6mm程度のとき 5〜10mmである。

【００１１】本発明に係る放電ランプにおいては、放電
ランプの直線部に係止片と容易に、かつ確実に係合する
ことが可能で、さらには放電特性に支障のない程度の円
弧状の縮径・低減領域を備えている。したがって、前記
縮径・低減領域に係止片を係合することによって、放電
ランプを安定的に係止・固定化てきるため、放電ランプ
の摺動的な移動に伴う配光特性の変動なども解消でき、
安定した光源としての機能が容易に確保される。

【００１２】一方、本発明に係る照明装置においては、
前記安定した光源としての機能を呈する放電ランプを装
着したことに伴って、バックライトの利用で、液晶表示
装置の表示画質の向上などが容易に図られる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下図１および図２を参照して本
発明の実施例を説明する。

【００１４】図１は本発明に係る照明装置の基本的構成
を展開して平面的に、また図２は基本的構成を断面的
に、それぞれ示したものである。図１および図２におい
て、７は前面が開口可能に形成された浅い皿形状を成す
反射型ケーシング、８は前記反射型ケーシング７内に配
置された平面的に屈曲された放電ランプ（たとえばＷ字
形もしくはＵ字形など）、９は前記放電ランプ８の給電
端子側に装着・配置されたゴムなどの弾性体から成るラ
ンプホルダーである。ここで、反射型ケーシング７は合
成樹脂製もしくは金属製で、その反射型ケーシング１の
底壁面は、反射面として機能しする一方、放電ランプ８
を、その屈曲部8aおよび直線部の円弧状の縮径・低減領
域8bを係止片（係止爪）10で係止して、また、前記ラン
プホルダー９を、反射型ケーシング側壁部7aに一体的に
設置されている支持機構11で挟着的に支持し、反射型ケ
ーシング７内に固定・装着している。

【００１５】なお、前記屈曲型放電ランプ８は、複数の
直線部を有する屈曲型バルブから成る平面状を成し、バ
ルブ内壁面に蛍光体層を有し、両端内に、それぞれ冷陰
極である電極を封装するとともに、内部に所要量の希ガ
スと水銀を封入した構成を成している。そして、この屈
曲型放電ランプ８は、全体的に外径 3〜 6mm程度のガラ
スバルブであるが、バルブ直線部の一部8bが原外径（外
径 3〜 6mm）の30％以内の範囲で円弧状に縮径・低減
（最小部外径 2.1〜 4.2mm）されている。

【００１６】また、前記構成においては、押し込み嵌着
という機能性から、挟着的に支持する支持機構11および
挟着的に支持されるランプホルダー９相互の挟着・対接
面を平面的に形成されている。ここで、ランプホルダー
９は、たとえばシリコンゴムなどのゴム系弾性材で形成
されており、その形状はたとえば方形である。そして、
このランプホルダー９は、中心部に設けたランプ装着穴
に、前記放電ランプ８の両給電端子側（両端部）をそれ
ぞれ装着し、かつランプホルダー９の端部を貫通して給
電線を導出している。

【００１７】さらに、12は筐体の一部を成す光拡散透過
板で、前記反射型ケーシング７の開口部に着脱自在に装
着されており、ここで光拡散透過板12は、たとえばアク
リル樹脂などで形成された乳白色のもで、光拡散作用を
なすものである。なお、 11aは支持機構11を介して表示
装置に固定するためのネジ止め孔である。この構成にお
いて、ランプホルダー９を介して支持機構（支持溝）11
に放電ランプ８の両端部を嵌着支持させるのは、放電ラ
ンプ８の点灯時に生じる熱膨脹に伴う微小なバルブの変
形、および使用時の衝撃や振動による外力などをゴム系
弾性材のランプホルダー９で吸収させ、放電ランプ８の
破損を防止する一方、電気的絶縁も付与している。

【００１８】上記構成の平面型の照明装置を液晶表示ユ
ニットにセットして、液晶表示装置を構成した。その
後、この液晶表示装置を自動車に搭載し、走行を行って
外部から振動・衝撃を与えて、表示画質などを観察した
ところ、バックライは安定した一様の発光を呈してお
り、常時、ムラのない良好な画質が表示されていた。つ
まり、バックライトとして機能している平面型の照明装
置において、反射型ケーシング７内に光源として配置・
装着された屈曲型放電ランプ８が、その屈曲部8aおよび
円弧状の縮径・低減部8bに対する係止片10の係合によっ
て、摺動的な移動などが抑制された状態で、反射型ケー
シング７内に装着・支持されている。このため、外部衝
撃や振動などによる屈曲型放電ランプ８の摺動的な移動
に伴う配光特性の変動、屈曲型放電ランプ８の損傷など
が解消され、良好な安定性もしくは信頼性の高い発光が
常に保持される。

【００１９】なお、本発明は、上記例示に限定されるも
のでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、いろいろの
変形を採ることができる。たとえば、屈曲型放電ランプ
８は、Ｗ字形に成形した屈曲型放電ランプに制約され
ず、屈曲部および直線部を有するＵ字形など平面状の場
合においても、また、放電電極が冷陰極の代りに熱陰極
であっても、同様の作用・効果をなす。

【００２０】

【発明の効果】 請求項１の発明によれば、バルブ直線
部の一部が原外径の３０％以内の範囲で円弧状に縮径・
低減された係止部を有するので、この屈曲型放電ランプ
を反射型ケーシング等に固定する際には、この係止部を
係止片等に係合させて反射型ケーシング等に容易に固定
することができ、これによって屈曲型放電ランプの摺動
的な移動を抑制して配光特性の変動などの問題が解消さ
れて、安定した機能を有する光源が得られる。

【００２１】請求項２の発明によれば、前記安定した機
能を呈する放電ランプを、光源として装着したことに伴
って、たとえばバックライトとしての利用において、液
晶表示装置の表示画質の向上などに大きく寄与する照明
装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】照明装置例の要部構成を展開して示す平面図。

【図２】図１の照明装置の断面図。

【図３】従来の照明装置の要部構成を展開して示す平面
図。

【図４】図３の照明装置の断面図。

【符号の説明】

１，７……反射型ケーシング 1a，7a……側壁部 ２，８……平面状の屈曲型放電ランプ 2a，8a……屈曲部 ３，９……ランプホルダー ４，10……係止片（係止爪） ５，11……支持機構 ６，12……光拡散透過板 8b……円弧状の縮径・低減部（領域）

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内壁面に蛍光体層を有し、放電媒体が封
   入されるとともに両端部に一対の放電電極が封装され、
   かつ複数の直線部を有するバルブから成る平面状の屈曲
   型放電ランプであって、 前記バルブ直線部の一部が原外径の３０％以内の範囲で
   円弧状に縮径・低減された係止部を有することを特徴と
   する屈曲型放電ランプ。
2. 【請求項２】 前面が開口可能に形成された反射型ケー
   シングと、 前記反射型ケーシング内に平面的に装着された複数の直
   線部を有する平面状の屈曲型放電ランプと、 前記屈曲型放電ランプの給電端子側に装着・配置された
   弾性体からなるランプホルダーと、 前記反射型ケーシングの開口部に着脱自在に装着される
   光拡散透過板とを有する照明装置であって、 前記屈曲型放電ランプが、内壁面に蛍光体層が設けら
   れ、放電媒体が封入されるとともに両端部に一対の放電
   電極が封装され、かつ直線部の一部が原外径の30％以内
   の範囲で円弧状に縮径・低減された領域を含む複数の箇
   所で反射型ケーシングに係止・固定されていることを特
   徴とする照明装置。