JP3106796B2 - 焦電型赤外線センサ - Google Patents

焦電型赤外線センサ

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JP3106796B2
JP3106796B2 JP05236203A JP23620393A JP3106796B2 JP 3106796 B2 JP3106796 B2 JP 3106796B2 JP 05236203 A JP05236203 A JP 05236203A JP 23620393 A JP23620393 A JP 23620393A JP 3106796 B2 JP3106796 B2 JP 3106796B2
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  • Radiation Pyrometers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦電体により広範囲に赤
外線を検出する焦電型赤外線センサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、焦電型赤外線センサは非接触で物
体の検知や温度検出ができる点を生かして、電子レンジ
の調理物の温度測定、エアコンの室内温度制御、或いは
自動ドア、警報装置での人体検知等に利用されており、
今後その利用範囲は拡大していくと見られる。
【0003】焦電型赤外線センサは、LiTaO3単結
晶等の焦電効果を利用したものである。焦電体は自発分
極を有しており常に表面電荷が発生するが、大気中にお
ける定常状態では大気中の電荷と結びついて、電気的に
中性を保っている。これに赤外線が入射すると焦電体の
温度が変化し、これに伴い表面の電荷状態も中性状態が
壊れて変化する。この時に表面に発生する電荷を検出
し、赤外線入射量を測定するのが焦電型赤外線センサで
ある。一般に物体はその温度に応じた赤外線を放射して
おり、この焦電型赤外線センサを用いることにより、物
体の存在や温度を検知できる。
【0004】以下に従来の焦電型赤外線センサについて
説明する。図13は従来の焦電型赤外線センサの概略を
示すものである。赤外線8を検出する例えばセラミック
を材料とする焦電体9と、焦電体9を外乱光および電磁
ノイズから保護する封止体の一例として用いた封止缶1
0と、この封止缶10の開口部12に取り付けられた赤
外線入射フィルタ11と、封止缶10の外側に位置し、
検知領域内に侵入または検知領域内で移動する検知対象
物より放射された赤外線を焦電体9に結像させる外部レ
ンズ13とにより構成されている。前記外部レンズ13
は広範囲に赤外線を検出するため複数のレンズより構成
され、各々のレンズの光軸は例えば図15に示すように
検知領域内を一定間隔に各々のレンズが視野を有するよ
うに分散している。また、前記外部レンズ13はポリエ
チレンを材料とし、光の屈折作用を利用した屈折型のフ
レネルレンズアレイが用いられている。1つのフレネル
レンズでは外周に行くに従って溝の深さを大きくするこ
とによって溝の傾斜角を大きくし、その溝の斜面により
光を屈折して集光するものであって、溝の間隔は一定で
あり、その溝の間隔および溝の深さは波長の数百から数
千倍のオーダであり形状も大きいものである。また前記
外部レンズ13の各々のレンズは光軸がレンズ面と垂直
になるように形成されているため外部レンズ形状がドー
ム型となり、立体的で大きくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記構成では、外部レ
ンズ13は図13〜図15に示すごとくサイズが大き
く、しかも封止缶10の外側に設けられているため組み
立て時に外部レンズ13の光学調整が図14に示す光軸
(z軸)方向と光軸に垂直な平面(x,y軸)上の位置
合わせと、光軸の回転方向およびx,y軸の回転方向の
合計6方向という複雑な調整が必要となるという課題を
有していた。本発明はこの課題に鑑みてなされたもの
で、小型化が可能かつ光学調整が容易な焦電型赤外線セ
ンサを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、赤外線を検知する焦電体と、上記焦電体を
内蔵し、開口部を有する封止体と、上記封止体の開口部
に取り付けられた赤外線入射フィルタと、上記赤外線入
射フィルタの表面または裏面に設けた回折光学素子アレ
イとを備え、上記回折光学素子アレイは、少なくとも2
個以上の回折光学素子部を有し、上記回折光学素子部は
それに入射する入射赤外線をそれぞれ上記焦電体に集光
または結像する構成としたものである。
【0007】
【作用】本発明の焦電型赤外線センサによれば、赤外線
入射フィルタの表面、または裏面に集光作用を有する超
薄型(波長程度の膜厚)の回折光学素子アレイを設けて
いるため、アレイ化されたドーム型の外部レンズを封止
缶の外側に設ける必要がなくなり、従来に比べて大幅な
小型化が可能であり、また外部レンズの無い分だけ赤外
線の透過率が大幅に向上するため高感度なセンサを実現
することができる。また赤外線入射フィルタを封止体に
取付ける段階で光軸方向および光軸に垂直な平面上の2
軸(x,y軸)の回転方向は固定されるため、光学調整
がx、yおよび光軸の回転方向の位置合わせだけで済
み、容易になる。また、回折光学素子アレイとすること
により、回折光学素子1個の場合より非常に広い検知領
域を設定することができる。
【0008】
【実施例】以下本発明の第1の実施例について、図面を
参照しながら説明する。図1、図2は本発明の第1の実
施例における焦電型赤外線センサの概略を示すものであ
る。赤外線を検知する焦電体1と、焦電体1を外乱光お
よび電磁ノイズから保護する例えば直径2.5mmの開口
部5を有する例えば直径5mmの封止缶(封止体の一例)
2と、この封止缶2の開口部5を覆うように外側に取付
けられた例えば厚み0.4mm、大きさ3×3mm角のSi
基板よりなる赤外線入射フィルタ3とを備えている。
尚、赤外線入射フィルタ3を封止缶2の内側から開口部
5を塞ぐように取付けても同様の性能を有する。赤外線
8を焦電体1に集光または結像させる平面状の回折光学
素子アレイ15(以下、回折光学レンズアレイとする)
は、赤外線入射フィルタ3の内面に一体に設けられてお
り、図3〜図5に示すごとく複数の回折光学素子部4
(以下、回折光学レンズとする)を放射状に有する。上
記各々の回折光学レンズ4は図6のごとく、その視野4
aが検知領域内を網羅するように一定間隔に並んでい
る。また各々の回折光学レンズ4は図6に示す視野に対
応するように、それに対応した入射角を有する入射赤外
線をそれぞれ図5、図7のごとく上記焦電体1に集光ま
たは結像する。例えば赤外線入射フィルタ3に作製した
回折光学レンズアレイ15面の垂線に対して図4、図5
に示す回折光学レンズAの入射角は0°、Bの入射角は
19.9°、Cの入射角は32.3°、Dの入射角は3
5.9°である。
【0009】以上のように構成された焦電型赤外線セン
サについて、その動作を説明する。まず、ある方向の検
知対象物より放射された赤外線8は赤外線入射フィルタ
3に到達する。この到達した赤外線8は赤外線入射フィ
ルタ3の裏面に形成された回折光学レンズアレイ15の
それに対応する回折光学レンズ4により焦電体1に集光
または結像する。この結果、焦電体1の温度が変化し、
これに伴い表面の電荷状態も中性状態が壊れて変化す
る。この時に表面に発生する電荷を検出し、赤外線入射
量を測定する。
【0010】本実施例においては、赤外線入射フィルタ
3にそれぞれ異なる入射角を有する超薄型の回折光学レ
ンズ4をアレイ化した回折光学レンズアレイ15を一体
化形成することによって広範囲に赤外線を検出すること
ができる超小型の焦電型赤外線センサを構成したもので
ある。すなわちこの構成によって、ドーム型のアレイ化
された外部レンズを封止缶2の外側にわざわざ設ける必
要がなくなり、大幅な小型化が可能となった。また外部
レンズを無くすることができるため大幅に透過率が向上
した。例えば外部レンズの材質がポリエチレンとする
と、人検知を想定した場合、人体から放出される赤外線
の波長λは約10μmであり、その時の透過率は約50
%であるから、外部レンズを有する場合と比較して約2
倍の透過率となった。また外部レンズを無くすることで
大幅なコストダウンができた。またあらかじめ赤外線入
射フィルタ3に形成した各々の回折光学レンズ4を透過
する赤外線が焦電体1に集光または結像するように光学
調整する場合、図1に示すように、赤外線入射フィルタ
3を封止缶2に取り付ける段階で光軸方向および光軸に
垂直な平面上の2軸(x,y軸)の回転方向は固定され
るため、光学調整がx、yと光軸の回転方向の位置合わ
せだけで済み容易になった。
【0011】図8、図9に示すものは、焦電体1を、例
えば酸化マグネシウム基板6上に形成されたランタンを
含有したチタン酸鉛(以下PLTとする)薄膜7(例え
ば300×300μm角)で形成したものであり、前記
PLT薄膜7はセラミックタイプと比べ、面積比で1/
10としても同等の感度が得られ、応答速度で10倍の
高性能化を達成でき、これにより封止缶2とレンズ受光
面の大幅な小型化が実現できた。
【0012】尚、各々の回折光学レンズ4は、レンズの
位相変調量に応じた凹凸を有し、例えば図3、図4に示
すように凹凸のパターンは、外周に行くに従って周期が
小さくなり、回折現象により1点に集光するようになっ
ている。凹凸の溝の深さはレンズ全域にわたって一様で
あり、その凹凸の溝の深さと表面形状は入射波長に依存
し、光の回折現象を利用して集光するものである。この
構成により、凹凸の溝の深さがレンズ全域にわたって一
様であるため例えばエッチングにより非常に容易に作製
できた。本実施例では図3に示すように凹凸の断面形状
は4段の階段形状とし、この時、回折光学レンズ4の1
次回折効率を最大にする凹凸の溝の最大深さtは屈折率
をn、入射光の波長をλとするとt=3/4×λ/(n
−1)となることを見出した。このとき1次回折効率は
表面の反射を無視すれば60〜75%である。
【0013】また、図4に示すように入射角が0°でな
い回折光学レンズB、C、Dの凹凸のパターン形状は楕
円形とし、上記楕円形の中心位置を、外部に行くに従っ
て、上記楕円形の一方の長軸方向に、徐々にずらすこと
により、光学収差を補正した。これにより、光学収差が
生じないように、立体形状にする必要がなくなった。本
発明者らは凹凸の断面形状が4段の階段状の時、θを斜
め入射角、λを赤外線の波長、fを像側焦点距離、nを
通過媒体の屈折率(本例の場合、通過媒体は空気)とし
てM番目の楕円形状を、長軸をdL=2/cosθ×
{(Mλ/4ncosθ)2+Mλf/2)0.5、短軸を
S=dL×cosθ、離心間隔(M番目の楕円の中心位
置とM+1番目の楕円の中心位置との間隔)をe=Mλ
tanθ/4ncosθとすることにより光学収差を補
正できることを見出した。その結果、斜め入射光に対し
ても良好に集光できる回折光学レンズを作製することが
できた。
【0014】尚、回折光学レンズアレイ15の中央部の
回折光学レンズ4の入射角は0°で外周部の回折光学レ
ンズ4になるにつれて入射角を徐々に大きくすることに
より、回折光学レンズ4の開口数の小さい、すなわち回
折効率の高い領域を各々の回折光学レンズに対し作製す
ることができ、その結果、著しく集光効率の高い回折光
学レンズを作製することができた。
【0015】尚、回折光学レンズは入射角が大きくなる
につれて、一般に回折効率は低下するが、回折光学レン
ズアレイ15の、各々の回折光学レンズ15の面積を外
周部に行くに従い大きくすることにより、入射角が大き
くなることに対する回折効率の低下、および検知距離が
長くなることに対する入射光量の低下を補うことがで
き、その結果、赤外線の入射角および検知距離が異なっ
てもほぼ均一な感度を得ることができる焦電型赤外線セ
ンサを作製することができた。
【0016】また、各々の回折光学レンズ4を隙間なく
配列することにより、受光面積を有効に利用でき、回折
光学レンズアレイ15の小型化が可能となった。
【0017】さらに、赤外線入射フィルタ3および回折
光学レンズ4の構成材料として、屈折率が3以上で少な
くともSiまたはGeを含む物質、あるいはGaまたは
Inの少なくとも一方とAsまたはPの少なくとも一方
を含む物質を用いた場合には以下のような特徴を有す
る。例えば本実施例では赤外線入射フィルタとしてSi
を用いたため、nは約3.5であり、人検知を想定した
場合、人体から放出される赤外線の波長λは約10μm
であるから、凹凸の溝の深さtは3μmとなる。これは
ポリエチレン(nは約1.5)等のプラスチックで回折
光学レンズ4を形成した場合と比較して1/5程度の深
さとなり、深さが小さいためエッチングや堆積等のプレ
ーナプロセスで容易に短時間で正確なレンズ形状を実現
でき、また溝の深さが小さいため、周期の小さい外周部
においても回折効率がよく、さらには斜め入射の場合に
おいても回折効率の低下が小さいという非常に良好な光
学特性を有する回折光学レンズを作製することができ
た。
【0018】尚、Ge、GaAs、InP、GaPの何
れにおいてもSiの場合と同様に屈折率nが3以上であ
り、溝の深さが小さいため正確なレンズ形状を実現でき
非常に集光特性のよい回折光学レンズ4を作製すること
ができる。
【0019】尚、本実施例のプロセスは図3に示すよう
な例えば凹凸の断面形状が4段の階段状の時、1回目の
プロセスによりフォトリソグラフィで図10(a)に示
すレジストパターンAを作製し、ドライエッチングで図
10(b)に示す屈折率をn、入射光の波長をλとして
深さ約1/2×λ/(n−1)を掘込み、2回目のプロ
セスによりフォトリソグラフィで図10(c)に示すレ
ジストパターンBを作製し、ドライエッチングで図10
(d)に示す深さ約1/4×λ/(n−1)を掘込むこ
とにより作製した。特にドライエッチングを用いること
により、矩形の角部がシャープで正確な矩形形状が実現
でき非常に回折効率のよい回折光学レンズ4を作製する
ことができた。
【0020】以下本発明の第2の実施例について図面を
参照しながら説明する。図11は本発明の第2の実施例
を示す回折光学レンズ断面形状の概略図である。第1の
実施例では凹凸の1ピッチは2回のプロセスにより4段
の階段状に作製したが、本実施例では凹凸の1ピッチを
より多くの段数(m段)例えばm=8の階段状とした。
この場合の凹凸の溝の最適な最大深さtは屈折率をn、
入射光の波長をλとして(m−1)/m×λ/(n−
1)となることも見出した。また前記mを大きくして行
くに従って集光効率が高くなり、mが16程度の時、集
光効率が最大90%程度まで向上することもわかった。
この時凹凸の溝の最適な最大深さtはほぼλ/(n−
1)となる。また、光軸を焦電体1平面の垂線方向より
ある角度を有して分散させた回折光学レンズ4につい
て、本発明者らはθを斜め入射角、λを赤外線の波長、
fを像側焦点距離、nを通過媒体の屈折率(本発明の場
合、通過媒体は空気)としてM番目の楕円形状を、長軸
がdL=2/cosθ×{(Mλ/mncosθ)2+2
Mλf/m)0.5、短軸がdS=dL×cosθ、離心間隔
がe=Mλtanθ/mncosθとすることにより光
学収差を補正することを見出した。
【0021】以下本発明の第3の実施例について第1の
実施例と異なるところについて図面を参照しながら説明
する。図12は本発明の第3の実施例を示す回折光学レ
ンズ断面形状の概略図である。第1の実施例と異なるの
は、回折光学レンズ4の断面形状である。すなわち図1
2に示すように凹凸の形状を矩形形状の凹凸14とし、
さらに外周程凹凸ピッチを小さくした。本発明者らは回
折光学レンズ4の1次回折効率を最大にする凹凸14の
溝の最大深さtは屈折率をn、入射光の波長をλとする
とt=1/2×λ/(n−1)となることを見出した。
このようにすることにより、回折効率は第1の実施例の
回折光学レンズの場合に比べて、例えば半分(30〜4
0%)程度と低くなるが、1回エッチング工程で回折光
学レンズを作製することが可能となり量産性が著しく高
くなった。また、光軸を焦電体1平面の垂線方向よりあ
る角度を有して分散させた回折光学レンズ4について、
本発明者らはθを斜め入射角、λを赤外線の波長、fを
像側焦点距離、nを通過媒体の屈折率(本発明の場合、
通過媒体は空気)としてM番目の楕円形状を、長軸がd
L=2/cosθ×{(Mλ/4ncosθ)2+2Mλ
f/m)0.5、短軸がdS=dL×cosθ、離心間隔がe
=Mλtanθ/2ncosθとすることにより光学収
差を補正することを見出した。特にウエットエッチング
よりもドライエッチングを用いることにより、矩形の角
部がシャープで正確な矩形形状が実現でき非常に回折効
率のよい回折光学レンズを作製することができた。
【0022】尚、赤外線入射フィルタ3の回折光学レン
ズ4を作製しない面に、特定波長領域のみ通過する干渉
膜フィルタを例えば蒸着法等で作製することにより、太
陽光や白熱灯などの外乱光をカットし、センサの性能を
十分に発揮することができる。
【0023】尚、回折光学レンズ4表面に無反射干渉膜
を形成することによって、表面の反射がほとんど無くな
り、光利用効率が大幅に高くなる。
【0024】尚、回折光学レンズ4を焦電体1と向かい
合う面、つまり封止缶2内側に作製することにより、凹
凸部が傷やほこり、汚れ等から保護され半永久的にその
機能を維持することができる。尚、以上の実施例の説明
では回折光学素子は凹凸を有したものについて述べたが
屈折率変調型の回折光学素子を用いても同様の効果が得
られる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明は、封止体に取り付
けられた赤外線入射フィルタの表面または裏面に回折光
学レンズアレイを設けることにより、ドーム型の外部レ
ンズが不要になるためセンサの超小型化が可能である。
また外部レンズの無い分だけ透過率が大幅に向上し、例
えば外部レンズの材質がポリエチレンとすると、人検知
を想定した場合、人体から放出される赤外線の波長λは
約10μmであり、その時の透過率は約50%であるか
ら、外部レンズを有する場合と比較して約2倍の透過率
となる。また外部レンズが無くなることで低コスト化で
きる。またあらかじめ赤外線入射フィルタに有する回折
光学レンズアレイを通過する赤外線が焦電体に集光また
は結像するように光学調整する場合、赤外線入射フィル
タを封止体に取り付ける段階で回転およびあおり2軸は
固定されるため、光学調整がx、yおよび光軸の回転方
向の位置合わせだけで済み容易になる優れた焦電型赤外
線センサを実現できるものである。また、回折光学素子
アレイとすることにより、回折光学素子1個の場合より
非常に広い領域とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における焦電型赤外線セ
ンサの斜視図
【図2】本発明の第1の実施例の断面図
【図3】本発明の第1の実施例の一部拡大断面図
【図4】本発明の第1の実施例の回折光学レンズの平面
【図5】本発明の第1の実施例の回折光学レンズの断面
【図6】本発明の第1の実施例における回折光学レンズ
アレイの検知領域を示す図
【図7】本発明の第1の実施例における回折光学レンズ
アレイの赤外線入射を示す正面図
【図8】本発明の第2の実施例における焦電体の断面図
【図9】本発明の第2実施例の要部正面図
【図10】(a)は本発明の第1の実施例における回折
光学レンズ作製の1回目のプロセスの概略図 (b)は本発明の第1の実施例における回折光学レンズ
作製の2回目のプロセスの概略図 (c)は本発明の第1の実施例における回折光学レンズ
作製の3回目のプロセスの概略図 (d)は本発明の第1の実施例における回折光学レンズ
作製の4回目のプロセスの概略図
【図11】本発明の第3実施例における回折光学レンズ
の断面図
【図12】本発明の第4実施例における回折光学レンズ
の断面図
【図13】従来の焦電型赤外線センサの断面図
【図14】従来例の光学調整を示す斜視図
【図15】従来の焦電型赤外線センサの外部レンズの視
野を示す概略図
【符号の説明】
1 焦電体 2 封止缶 3 赤外線入射フィルタ 4 回折光学レンズ 5 開口部 15 回折光学レンズアレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−235803(JP,A) 特開 平4−213421(JP,A) 米国特許4682030(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 1/02 G01J 1/04 G01J 5/02 G01J 5/08

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線を検知する焦電体と、上記焦電体
    を内蔵し、開口部を有する封止体と、上記封止体の開口
    部に取り付けられた赤外線入射フィルタと、上記赤外線
    入射フィルタの表面または裏面側に設けた回折光学素子
    アレイとを備え、上記回折光学素子アレイは、少なくと
    も2個以上の回折光学素子部を有し、これらの回折光学
    素子はそれに入射する入射赤外線をそれぞれ上記焦電体
    に集光または結像してなり、上記光学素子部はレンズの
    位相変調量に応じた楕円形の凹凸のパターンを備えた
    とを特徴とする焦電型赤外線センサ。
  2. 【請求項2】 回折光学素子部の凹凸の溝の深さは上記
    回折光学素子部全域で一様であり、上記凹凸形状は入射
    赤外線の波長に依存することを特徴とする請求項1記載
    の焦電型赤外線センサ。
  3. 【請求項3】 回折光学素子部の凹凸形状は、ドライエ
    ッチングにより加工したことを特徴とする請求項1記載
    の焦電型赤外線センサ。
  4. 【請求項4】 凹凸はドライエッチングにより加工した
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の
    焦電型赤外線センサ。
  5. 【請求項5】 回折光学素子部の凹凸形状は、断面がm
    段の階段状であり上記凹凸の溝の最大深さは入射赤外線
    の波長をλ、赤外線入射フィルタの屈折率をnとすると
    (m−1)/m×λ/(n−1)であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか一つに記載の焦電型赤外線セ
    ンサ。
  6. 【請求項6】 回折光学素子部の凹凸形状は、矩形であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載
    の焦電型赤外線センサ。
  7. 【請求項7】 外周部の回折光学素子部になるにつれて
    面積を大きくすることを特徴とする請求項1記載の焦電
    型赤外線センサ。
  8. 【請求項8】 複数の回折光学素子部を隙間なく配列す
    ることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線セン
    サ。
  9. 【請求項9】 中央部の回折光学素子部の入射角は0°
    で外周部の回折光学素子部になるにつれて入射角を徐々
    に大きくすることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤
    外線センサ。
  10. 【請求項10】 赤外線入射フィルタと回折光学素子は
    同じ物質から構成され、上記物質は、屈折率が3以上で
    少なくともSiまたはGeを含むか、あるいはGaまた
    はInの少なくとも一方とAsまたはPの少なくとも一
    方を含む物質であることを特徴とする請求項1記載の焦
    電型赤外線センサ。
  11. 【請求項11】 物質は、Si、Ge、GaAs、In
    P、GaPの何れかであることを特徴とする請求項10
    記載の焦電型赤外線センサ。
  12. 【請求項12】 赤外線入射フィルタは、回折光学素子
    を形成した面と反対面に、特定波長領域のみ透過する干
    渉膜フィルタを有することを特徴とする請求項1記載の
    焦電型赤外線センサ。
  13. 【請求項13】 回折光学素子部は、焦電体と向かい合
    う赤外線入射フィルタの面に形成したことを特徴とする
    請求項1記載の焦電型赤外線センサ。
  14. 【請求項14】 焦電体はランタンを含有したチタン酸
    鉛薄膜であることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤
    外線センサ。
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