JP3105938B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP3105938B2
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伸 吉田
一巳 伊藤
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昭和電線電纜株式会社
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シラングラフトポリオ
レフィンをベース樹脂とする難燃性で低発煙性の難燃性
樹脂組成物の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電線、ケーブルの絶縁体や各種
成型品は、高い難燃性が要求され、火災時には例え燃焼
しても人体および周辺機器への悪影響を及ぼさないよう
に塩素ガスなどの有害ガスを発生しないことが求められ
ている。そのための材料組成として非ハロゲン系のポリ
マー、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィンを用いてシラン架橋により架橋させたものが
使用されている。シラン架橋は、あらかじめシラン化合
物をグラフト化したグラフトポリマーを水と接触させる
ことにより進行するので電子線照射架橋などに比べて設
備が簡便で作業安全性にも優れているというメリットが
あり多用されている。
【0003】このようなシラングラフトポリオレフィン
を主成分とする組成物に難燃性を付与する方法として
は、ハロゲン系難燃剤を添加するか、あるいは水和金属
化合物を添加するという方法が一般的であるが、ハロゲ
ン系難燃剤は燃焼時にハロゲンガスを多量に発生するの
で好ましくない。
【0004】また、水和金属化合物として水酸化アルミ
ニウム(水和アルミナ)を添加したもの(例えば特開昭
58−118828号)が多用されているが、水和アル
ミナは脱水開始温度が約180℃と低く、ベースポリマ
ーへの練込み時や押出工程時、あるいはプレス成型時に
おいてかかる熱(180℃程度)によって一部脱水し始
め、得られる組成物に発泡を生じてしまうという問題が
あった。
【0005】さらに、このような非ハロゲン系組成物
は、ハロゲンガスの発生は無いものの、燃焼時にはハロ
ゲン系組成物より大幅に少ないとはいえ煙が発生するこ
とがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の点に鑑みて、本
発明はハロゲンガスなどの有害ガスを発生しない難燃性
組成物において、難燃性を良好に維持しながら成型加工
時の発泡を大巾に抑制し、煙の発生を大幅に防止するこ
とのできる難燃性樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はすなわち、ポリ
オレフィン100重量部に、一般式RR’SiY3 (式
中、Rは1価のオレフィン系不飽和炭化水素基または1
価のオキシ炭化水素基、R’は2価の脂肪性不飽和を含
まない炭化水素基、Yは加水分解し得る1価の有機基)
で示されるシラン化合物0.1〜10重量部をグラフト
化させた(A)シラングラフトポリオレフィンに、
(B)一般式3CaO・Al2 3 ・6H2 Oで表され
るカルシウムアルミネート水和物を20〜300重量部
と、(C)モリブデン化合物1〜50重量部とを配合し
た組成物を、シラノール縮合触媒の作用下に水分と接触
させて架橋してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物
に関する。
【0008】本発明における(A)シラングラフトポリ
オレフィンは、有機過酸化物の存在下でポリオレフィン
に一般式RR’SiY3 で表されるシラン化合物をグラ
フト反応させることにより製造される。
【0009】使用されるポリオレフィンとしては、ハロ
ゲン元素を含まないものであって例えば、低密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン系共重合体(エチレンー酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、エチレンーエチルアクリレー
ト(EEA)等)がある。
【0010】上記一般式RR’SiY3 で表されるシラ
ン化合物としては、Rがビニル、アリル、ブテニル、シ
クロヘキセニル、シクロペンタジエニル、γーメタクリ
ロキシプロピル、R’がメチル、エチル、プロピル、フ
ェニル、デシル、Yがメトキシ、エトキシ、ブトキシ、
ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオノキシ、アルキ
ルアミノ、アリールアミノ等がある。特に好ましいもの
は、ビニルトリメトキシシラン(VTMOS)とビニル
トリエトキシシランである。
【0011】これらの配合割合は、ポリオレフィン10
0重量部に対して該シラン化合物が0.1〜10重量部
であり、シラン化合物が0.1重量部より少ないと得ら
れるシラングラフトポリオレフィンを架橋しても充分な
架橋度が得られず、また10重量部より多いと加工性が
悪くなり、成型後の外観不良を生ずるので好ましくな
い。
【0012】本発明においては、このようにして得られ
た(A)シラングラフトポリオレフィンに(B)一般式
3CaO・Al23・6H2Oで表されるカルシウムア
ルミネート水和物を20〜300重量部添加する。本発
明においては、脱水開始温度が約250℃であるこの化
合物を使用することにより、水酸化アルミニウム(水和
アルミナ)の使用時のように製造工程における発泡を生
じること無く、また難燃性を良好に維持することができ
る。カルシウムアルミネート水和物の配合割合は、20
〜300重量部であり、これより少ないと難燃性が不充
分となり、これより多いと加工性の低下と成型品の機械
的強度の低下を生じる。より好ましくは、50〜200
重量部の範囲である。なお、本発明においては、カルシ
ウムアルミネート水和物に、水酸化マグネシウム(脱水
開始温度約340℃)を併用しても良い。また、これら
の水和物難燃剤は、組成物製造工程の加熱による水分の
遊離および組成物製造後の吸湿を低減させるため、シラ
ンカップリング剤等により表面処理されたものを用いる
のが望ましい。
【0013】本発明においては、上記の組成に加えて
(C)モリブデン化合物1〜50重量部を配合する。モ
リブデン化合物を配合することによって、組成物の燃焼
時に、煙の発生を低減することができる。配合量が1重
量部より少ないとこれらの効果が得られず、また50重
量部を越えて配合してもそれ以上の効果の向上は見られ
ず、かえって加工性が低下するので望ましくない。モリ
ブデン化合物としては、例えば酸化モリブデン(MoO
3)、硫化モリブデン(MoO2)、硼素化モリブデン
(MoB、MoB2)などがある。また、アンチモン化
合物を併用することも可能
【0014】本発明の難燃性樹脂組成物は、上述の
(A)、(B)および(C)成分を所定の割合で配合し
また、必要に応じて老化防止剤、可塑剤などを適宜添加
して充分に混練し、これをジブチル錫ジラウレート(D
BTDL)のようなシラノール縮合触媒の存在下に常温
または加熱して水と接触させることによりシラン架橋を
行わせて製造される。なお、(A)のポリオレフィンと
して崩壊型ポリマーであるポリプロピレンを使用する場
合には、粒径500μ以下のポリプロピレン粉末を使用
すれば充分な架橋度が得られ、この架橋方法については
すでに本出願人が特願昭62−48316号により提案
した。
【0015】
【実施例】本発明の実施例について説明する。
【0016】実施例1〜5 表に示す配合でポリオレフィンとシラン化合物とをジク
ミルパーオキサイド(遊離ラジカル発生剤)とともにド
ライブレンドした後、常法によりグラフト反応させて
(A)シラングラフトポリオレフィンを製造した。これ
に、表に示す配合で(B)カルシウムアルミネート水和
物と、(C)モリブデン化合物とを添加してコニーダー
で充分混練した。得られた組成物に、DBTDLを含む
触媒マスターバッチを添加して混練し、シート状に成型
したものを100℃の沸騰水中に1時間浸漬してシラン
架橋を完了させて難燃性樹脂組成物を製造した。
【0017】得られたシートを用いて次の試験を行っ
た。引張強さおよび引張伸びはJISK 6760に準
拠して1mm厚シートを使用した。難燃性のめやすとして
酸素指数をJIS K 7201に準拠して3mm厚シー
トを使用して測定した。発煙性は、ASTM E 66
2 NF法に準拠して光の透過率を測定した(測定値が
小さいほど光の透過が良好)。架橋度はJIS C 3
005に準拠して測定した。また、押出し加工性は、得
られた難燃性樹脂組成物を20mm直径Ext.によりテ
ープ状に押出しを行ったときの外観を評価した。結果を
表に示す。
【0018】比較例 比較として、(C)成分を欠如した組成(比較例1)、
シラン化合物および(C)成分が過少である組成(比較
例2)、(C)成分が過剰である組成(比較例3)、シ
ラン化合物が過剰である組成(比較例4)、(C)成分
を欠如し、かつ(B)成分が過剰である組成(比較例
5)、(B)成分の代りに水和アルミナを使用した組成
(比較例6)について実施例1と同様にして試験片を製
造し、同様に試験した。結果を表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】*1…住友化学社製 商品名CN−101
5 *2…三井デュポンポリケミカル社製 商品名エバフレ
ックスEV−270 *3…日本石油化学社製 商品名レクスロンEEA
1150 *4…信越化学社製 商品名KBM−1003 *5…昭和軽金属社製 商品名NCA103 *6…菊池色素工業社製 商品名ボーエンSKN−30
1 *7…味の素社製 商品名ポリセーフNS−80
【0021】
【発明の効果】以上、本発明の難燃性樹脂組成物は、非
ハロゲン系のシラン架橋組成物において、難燃性を良好
に維持しつつ、製造工程における発泡を大幅に防止して
良好な成型品を製造することができ、しかも燃焼時には
煙や水蒸気の発生がほとんど無いので、極めて安全であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−37151(JP,A) 特開 昭58−187446(JP,A) 特開 昭56−163143(JP,A) 特開 昭59−202243(JP,A) 特開 平1−268738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/24 C08L 51/06 C08L 23/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン100重量部に、一般式R
    R’SiY3 (式中、Rは1価のオレフィン系不飽和炭
    化水素基または1価のオキシ炭化水素基、R’は2価の
    脂肪性不飽和を含まない炭化水素基、Yは加水分解し得
    る1価の有機基)で示されるシラン化合物0.1〜10
    重量部をグラフト化させた(A)シラングラフトポリオ
    レフィンに、(B)一般式3CaO・Al2 3 ・6H
    2 Oで表されるカルシウムアルミネート水和物を20〜
    300重量部と、(C)モリブデン化合物1〜50重量
    部とを配合した組成物を、シラノール縮合触媒の作用下
    に水分と接触させて架橋してなることを特徴とする難燃
    性樹脂組成物。
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WO2015030055A1 (ja) * 2013-08-27 2015-03-05 古河電気工業株式会社 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、耐熱性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法、シランマスターバッチ、並びに耐熱性シラン架橋樹脂成形体を用いた耐熱性製品

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