JP3105701U - グラウンドアンカー - Google Patents
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Abstract
【課題】 万が一、テンドンが破断したとしても、アンカー頭部の飛散を防止することができる安全性の高いグラウンドアンカーを提供する。
【解決手段】 地盤2に設けられた孔部3に挿入されてアンカー体4を構成するテンドン5と、該テンドン5をこれに引張力を付加した状態で構造物6に定着させるアンカー頭部7とを備えたグラウンドアンカー1において、前記テンドン5に、該テンドン5に付加される引張力よりもはるかに小さい引張力を付加するか或いは引張力を付加しないダミー引張材10を設け、該ダミー引張材10を前記アンカー頭部7に定着させている。
【選択図】 図1
【解決手段】 地盤2に設けられた孔部3に挿入されてアンカー体4を構成するテンドン5と、該テンドン5をこれに引張力を付加した状態で構造物6に定着させるアンカー頭部7とを備えたグラウンドアンカー1において、前記テンドン5に、該テンドン5に付加される引張力よりもはるかに小さい引張力を付加するか或いは引張力を付加しないダミー引張材10を設け、該ダミー引張材10を前記アンカー頭部7に定着させている。
【選択図】 図1
Description
本考案は、グラウンドアンカーに関するものである。
グラウンドアンカーは、引張力を地盤に伝達するためのシステムで、地盤に設けられた孔部に挿入されてアンカー体を構成するテンドンと、該テンドンをこれに引張力を付加した状態で構造物に定着させるアンカー頭部とから主に構成され、例えば、擁壁、地すべり抑止工、仮設土留工、傾斜地の構造物の定着、塔状構造物の転倒の防止等に使用されている。
なお、グラウンドアンカーに関する技術としては、例えばグラウンドアンカー工法および削孔具に関する発明がある(特開平9−177073号公報)。
ところで、グラウンドアンカーにおいては、アンカー供用時に設計荷重を上回る荷重が加わったり、すべり面で大きなせん断力が加わったりすることによりテンドンが破断し、アンカー頭部が飛散する事故が発生する可能性があることが考えられる。
本考案は、上記事情を考慮してなされたものであり、万が一、テンドンが破断したとしても、アンカー頭部の飛散を防止することができる安全性の高いグラウンドアンカーを提供することを目的とする。
本考案のうち、請求項1の考案は、地盤に設けられた孔部に挿入されてアンカー体を構成するテンドンと、該テンドンをこれに引張力を付加した状態で構造物に定着させるアンカー頭部とを備えたグラウンドアンカーにおいて、前記テンドンに、該テンドンに付加される引張力よりもはるかに小さい引張力を付加するか或いは引張力を付加しないダミー引張材を設け、該ダミー引張材を前記アンカー頭部に定着させたことを特徴とする。
請求項2の考案は、請求項1記載のグラウンドアンカーにおいて、前記アンカー頭部は、構造物に支圧板を介してテンドンを定着する主定着具と、該主定着具から突出したテンドンを覆うように支圧板または主定着具に設けられた主キャップと、該主キャップに設けられ前記ダミー引張材を定着させるダミー用定着具とを備えたことを特徴とする。
請求項3の考案は、請求項2記載のグラウンドアンカーにおいて、前記ダミー用定着具には該ダミー用定着具から突出したダミー引張材を覆うダミー用キャップが設けられ、該ダミー用キャップ内および前記主キャップ内には防錆油が充填されていることを特徴とする。
請求項1の考案によれば、地盤に設けられた孔部に挿入されてアンカー体を構成するテンドンと、該テンドンをこれに引張力を付加した状態で構造物に定着させるアンカー頭部とを備えたグラウンドアンカーにおいて、前記テンドンに、該テンドンに付加される引張力よりもはるかに小さい引張力を付加するか或いは引張力を付加しないダミー引張材を設け、該ダミー引張材を前記アンカー頭部に定着させているため、万が一、テンドンが破断したとしても、アンカー頭部の飛散を防止することができ、安全性の向上が図れる。
請求項2の考案によれば、前記アンカー頭部は、構造物に支圧板を介してテンドンを定着する主定着具と、該主定着具から突出したテンドンを覆うように支圧板または主定着具に設けられた主キャップと、該主キャップに設けられ前記ダミー引張材を定着させるダミー用定着具とを備えているため、万が一、テンドンが破断したとしても、アンカー頭部の飛散を防止することができるとともに、前記主キャップによりテンドンを構成する引張材の抜け出しを防止することができる。
請求項3の考案によれば、前記ダミー用定着具には該ダミー用定着具から突出したダミー引張材を覆うダミー用キャップが設けられ、該ダミー用キャップ内および前記主キャップ内には防錆油が充填されているため、アンカー頭部の自然現象による腐食を防止することができ、耐久性の向上が図れる。
以下に、本考案を実施するための最良の形態について、添付図面を基に詳述する。図1は本考案の実施の形態であるグラウンドアンカーの一例を示す構造図、図2は同グラウンドアンカーのアンカー頭部の一例を示す正面図である。
これらの図において、1はグラウンドアンカーで、このグラウンドアンカー1は地盤2に設けられた孔部3に挿入されてアンカー体4を構成するテンドン5と、該テンドン5をこれに引張力を付加した状態で構造物6に定着させるアンカー頭部7とを備えている。前記アンカー体4は、地盤2の孔部3に充填されてテンドン5及び地盤2と一体化されるグラウト(固化材)30により造成されている。前記テンドン5は例えば複数本の引張材8の集合体である。引張材8としては、例えばPC鋼より線やPC鋼棒等が用いられる。テンドン5にはテンドン自由長部の機能を発揮させるためのシース9が装着されている。
前記テンドン5には、該テンドン5に付加される引張力よりもはるかに小さい引張力を付加するか或いは引張力を付加しないダミー引張材10が設けられ、該ダミー引張材10は前記アンカー頭部7に定着されている。ダミー引張材10としては、引張材と同じ、例えばPC鋼より線やPC鋼棒等が用いられる。ダミー引張材10はテンドン5に沿って設けられている。ダミー引張材10は、一本であってもよく、或いは複数本であってもよい。
前記アンカー頭部7は、構造物6に直接又は台座を介して当接される支圧板11と、該支圧板11に当接される定着具12とから主に構成されている。図示例では、クサビ式の定着具12が示されている。この定着具12は、テンドン5を構成する引張材8やダミー引張材10をそれぞれ挿通する略円錐状の挿通孔13が複数形成された円板状の定着具本体14と、該定着具本体14の各挿通孔13に挿入されて引張材8やダミー引張材10を固定するクサビ部材15とから構成されている。図示例では定着具本体14の中央の挿通孔13にダミー引張材10が挿通され、周囲の挿通孔13にテンドン5を構成する引張材8が挿通されている。
グラウンドアンカーを施工する場合、先ず先端に削孔ビットを有するケーシングパイプを回転させるとともにケーシングパイプを順次接続して所定深度まで地盤を削孔する。次に、前記ケーシングパイプ内に、グラウト(セメントペースト)を充填するとともに、テンドンを挿入する。このテンドンには予めダミー引張材が添付されている。次に、地盤の孔部からケーシングパイプを回収し、グラウトの固化によりアンカー体が造成されたなら、テンドン5に所定の引張力を付加してテンドン5の端部をアンカー頭部7として構造物6に定着させるとともに、前記ダミー引張材10をアンカー頭部7に定着させる。
具体的には、アンカー頭部7を構成する定着具本体14の挿通孔13にテンドン5の引張材8及びダミー引張材10をそれぞれ挿通し、テンドン5の引張材8に所定の引張力(緊張)を付加して該引張材8をクサビ部材15により定着し、前記ダミー引張材10をクサビ部材15により定着する。この場合、ダミー引張材10には引張力を付加しなくてもよいが、ダミー引張材10に僅かな引張力(テンドンの引張力よりもはるかに小さい引張力)を付加することにより、ダミー引張材10の撓みを取り除くようにしてもよい。
以上の構成からなるグラウンドアンカー1によれば、地盤2に設けられた孔部3に挿入されてアンカー体4を構成するテンドン5と、該テンドン5をこれに引張力を付加した状態で構造物6に定着させるアンカー頭部7とを備え、前記テンドン5に、該テンドン5に付加される引張力よりもはるかに小さい引張力を付加するか或いは引張力を付加しないダミー引張材10を設け、該ダミー引張材10を前記アンカー頭部7に定着させているため、万が一、テンドン5が破断したとしても、アンカー頭部7の飛散を防止することができ、安全性の向上が図れる。すなわち、アンカー頭部7にダミー引張材10が定着されているので、テンドン5が破断した場合に反動で飛散しようとするアンカー頭部7をダミー引張材10により引き止めることができる。ダミー引張材10にはテンドン5に付加された引張力と同じ大きさの引張力が付加されていないので、ダミー引張材10はテンドン5の破断時に一緒に破断するようなことがなく、テンドン5の破断によるアンカー頭部7の飛散を食い止めることができる。
図3はグラウンドアンカーのアンカー頭部の他の例を示す縦断面図である。このアンカー頭部7は、構造物6に支圧板11を介してテンドン5を定着する主定着具17と、該主定着具17から突出したテンドン5を覆うように支圧板11または主定着具17に設けられた主キャップ18と、該主キャップ18に設けられ前記ダミー引張材10を定着させるダミー用定着具19とを備えている。図示例では、主キャップ18は主定着具17に取付けられているが、支圧板11に取付けられていてもよい。
図示例の主定着具17はクサビ式であり、図2に示した定着具本体14と同様に構成されている(同一部分に同一参照符号を付す)。この場合、主定着具17にはダミー引張材10は定着されていない。
図示例の主キャップ18は、円筒状に形成され、その内周部には主定着具17が嵌合されるとともに、主定着具17に係止される係止部20が突設されている。主キャップ18には、ダミー引張材10を挿通する挿通孔21が設けられている。この挿通孔21は、主キャップ18の端板部18aの中央部に設けられていることが好ましい。図示例のダミー用定着具19はクサビ式であり、ダミー用引張材10を挿通する略円錐状の挿通孔22が形成されたダミー用定着具本体23と、該ダミー用定着具本体23の挿通孔22に挿入されてダミー用引張材10を定着するクサビ部材24とから構成されている。
本実施例のグラウンドアンカーによれば、アンカー頭部7が、構造物6に支圧板11を介してテンドン5を定着する主定着具17と、該主定着具17から突出したテンドン5(すなわち引張材8)を覆うように支圧板11または主定着具17に設けられた主キャップ18と、該主キャップ18に設けられ前記ダミー引張材10を定着させるダミー用定着具19とを備えているため、万が一、テンドン5が破断したとしても、アンカー頭部7の飛散を防止することができるとともに、前記主キャップ18によりテンドン5を構成する引張材8の抜け出し(主定着具17の挿通孔13から引張材8がクサビ部材15とともに外方へ抜け出すこと)を防止することができる。
図5は本考案の実施の形態であるグラウンドアンカーの他の例を示す構造図、図6はグラウンドアンカーのアンカー頭部を示す縦断面図、図7は主キャップの取付け手順を示す図である。このグラウンドアンカー1においては、支圧板11に主キャップ18がボルト25で固定され、この裁頭円錐状の主キャップ18の頭部(端部)には、ダミー用定着具19がOリング26を介して当接されている。また、ダミー用定着具19には、該ダミー用定着具19から突出したダミー引張材10を覆うダミー用キャップ17が設けられている。このダミー用キャップ27は、ダミー用定着具19の外周に螺着されている。
前記ダミー用キャップ27内および前記主キャップ18内には防錆油(例えばグリース)(図示省略)が充填されていることが好ましい。主キャップ18には防錆油例えばグリースを充填するグリースカップ(注入部)が設けられてない場合には、図7の(a)に示すように、主定着具17に引張材8を緊張定着後、主キャップ18の挿通孔21にダミー引張材10を挿通し、主キャップ18内にグリースを充填する。次に、図7の(b)に示すように、主キャップ18を支圧板11にボルト25で固定した後、図6に示すようにダミー用定着具(一本用定着ヘッド)19にダミー引張材10を挿通し、ダミー用定着具19を主キャップ17に押し付けてクサビ部材24によりダミー引張材10を定着する。そして、ダミー用キャップ27内にグリースを充填し、このダミー用キャップ27をダミー用定着具19に螺着すればよい。本実施例によれば、前記ダミー用定着具19には該ダミー用定着具19から突出したダミー引張材10を覆うダミー用キャップ27が設けられ、該ダミー用キャップ27内および前記主キャップ18内には防錆油が充填されているため、アンカー頭部7の自然現象による腐食を防止することができ、耐久性の向上が図れる。
なお、ダミー引張材10には、僅かな引張力を付加するようにしてもよい。この場合、図8に示すように、ダミー用定着具19の外側にジャッキ28を配置し、このジャッキ28によりダミー引張材10に僅かな引張力(テンドンの引張力よりもはるかに小さい引張力)を付加すればよい。これにより、ダミー引張材10の遊び(撓み)を取り除くことができる。
本考案の実施の形態ないし実施例を図面により詳述してきたが、本考案は前記実施の形態ないし実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、定着具としてはナット式であってもよく、或いはクサビとナットの併用式であってもよい。ダミー用定着具本体23は主キャップ18に一体的に設けられていてもよく、この場合、Oリング26が不要になる。
1 グラウンドアンカー
2 地盤
3 孔部
4 アンカー体
5 テンドン
6 構造物
7 アンカー頭部
10 ダミー引張材
17 主定着具
18 主キャップ
19 ダミー用定着具
27 ダミー用キャップ
2 地盤
3 孔部
4 アンカー体
5 テンドン
6 構造物
7 アンカー頭部
10 ダミー引張材
17 主定着具
18 主キャップ
19 ダミー用定着具
27 ダミー用キャップ
Claims (3)
- 地盤に設けられた孔部に挿入されてアンカー体を構成するテンドンと、該テンドンをこれに引張力を付加した状態で構造物に定着させるアンカー頭部とを備えたグラウンドアンカーにおいて、前記テンドンに、該テンドンに付加される引張力よりもはるかに小さい引張力を付加するか或いは引張力を付加しないダミー引張材を設け、該ダミー引張材を前記アンカー頭部に定着させたことを特徴とするグラウンドアンカー。
- 前記アンカー頭部は、構造物に支圧板を介してテンドンを定着する主定着具と、該主定着具から突出したテンドンを覆うように支圧板または主定着具に設けられた主キャップと、該主キャップに設けられ前記ダミー引張材を定着させるダミー用定着具とを備えたことを特徴とする請求項1記載のグラウンドアンカー。
- 前記ダミー用定着具には該ダミー用定着具から突出したダミー引張材を覆うダミー用キャップが設けられ、該ダミー用キャップ内および前記主キャップ内には防錆油が充填されていることを特徴とする請求項2記載のグラウンドアンカー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004003184U JP3105701U (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | グラウンドアンカー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004003184U JP3105701U (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | グラウンドアンカー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3105701U true JP3105701U (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=43259053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004003184U Expired - Lifetime JP3105701U (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | グラウンドアンカー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3105701U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019510909A (ja) * | 2016-04-08 | 2019-04-18 | ワイ ミン アンANG, Wai Ming | 傾斜面または拘束されていない地表などを安定させるための連動安定化システム |
-
2004
- 2004-06-03 JP JP2004003184U patent/JP3105701U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019510909A (ja) * | 2016-04-08 | 2019-04-18 | ワイ ミン アンANG, Wai Ming | 傾斜面または拘束されていない地表などを安定させるための連動安定化システム |
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