JP3105079B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP3105079B2
JP3105079B2 JP04158870A JP15887092A JP3105079B2 JP 3105079 B2 JP3105079 B2 JP 3105079B2 JP 04158870 A JP04158870 A JP 04158870A JP 15887092 A JP15887092 A JP 15887092A JP 3105079 B2 JP3105079 B2 JP 3105079B2
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壮哉 遠藤
斉 町野
雅則 石津
知宏 中森
宏 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写装置、静
電情報記録装置などの画像形成装置に設けられている定
着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真複写装置などの画像形
成装置では、熱ローラ方式による定着が行われている。
この熱ローラ方式による定着装置は、図5に示すよう
に、定着ローラ1と、該定着ローラ1に圧接しながら回
転される加圧ローラ2とを備え、加圧ローラ2は定着ロ
ーラ1と協働して転写紙を挟圧搬送するためのニップ部
を形成する。
【0003】定着ローラ1内には加熱源であるハロゲン
ヒータ4が配置され、ハロゲンヒータ4のオン/オフ動
作によって定着ローラ1の表面温度は制御されている。
【0004】定着ローラ1の表面温度は温度検知手段6
で検知される。温度検知手段6は、定着ローラ1の表面
に接触され、定着ローラ1の端部に配置されているサー
ミスタ3を含む。サーミスタ3の抵抗には固定抵抗が直
列に接続され、その分圧値が温度電圧変換部7で定着ロ
ーラ1の表面温度に対応する電圧を示す温度信号8に変
換される。
【0005】温度信号8はCPU19に与えられる。C
PU19は温度信号8をA/Dポートから取り込み、温
度信号8が示す定着ローラ1の表面温度を監視する。温
度信号8が所定の設定温度より低い定着ローラ1の表面
温度を示すとき、CPU19は電源10からハロゲンヒ
ータ4への電力供給を指示する制御信号11を生成し、
OUTポートから出力する。温度信号8が所定の設定温
度より高い定着ローラ1の表面温度を示すとき、CPU
19は電源10からハロゲンヒータ4への電力供給の停
止を指示する制御信号11を生成し、OUTポートから
出力する。CPU9には、設定温度として定着温度と該
定着温度より低い待機温度とが設定されている。
【0006】CPU19から出力される制御信号11は
通電制御部12に与えられる。通電制御部12は制御信
号11に基づき電源10からハロゲンヒータ4への電力
供給動作および供給停止動作をする。
【0007】転写紙上に画像を形成するとき、ハロゲン
ヒータ4の動作は開始される。温度検知手段6で検知さ
れた定着ローラ1の表面温度は監視され、定着ローラ1
の表面温度が定着温度より低いとき、ハロゲンヒータ4
へ電力供給が供給される。定着ローラ1の表面温度が定
着温度を超えると、ハロゲンヒータ4への電力供給が停
止され、ハロゲンヒータ4への電力供給およびその停止
の繰り返しによって定着ローラ1の表面温度は定着温度
近傍の温度に保持される。
【0008】次に、定着ローラ1と加圧ローラ2との間
のニップ部における通紙可能な最大サイズがA3サイズ
であるとし、A3サイズの転写紙、A4サイズの転写紙
のそれぞれに画像を形成し、各転写紙のニップ部通過後
における定着ローラ1の表面温度の分布について説明す
る。
【0009】A3サイズの転写紙上に画像を形成すると
き、定着ローラ1の表面温度は定着温度に保持され、上
記ニップ部にA3サイズの転写紙が通紙される。A3サ
イズの転写紙が上記ニップ部を通過した後、図6に示す
ように、定着ローラ1の熱が転写紙に一様に奪われるか
ら、定着ローラ1の表面温度は定着ローラ1の軸方向に
均一に低下する。これに対し、A4サイズの転写紙上に
画像を形成するとき、定着ローラ1の転写紙との接触領
域における熱が該転写紙に奪われるから、定着ローラ1
の上記接触領域に対応する部分の表面温度が低下する、
すなわち定着ローラ1の中央部の表面温度は低下し、そ
の端部の表面温度は中央部の表面温度より高い温度に保
持される。
【0010】しかし、サーミスタが定着ローラ1の端部
に位置することにより、温度検知手段6が検知する温度
は定着ローラ1の中央部における表面温度より高いか
ら、温度検知手段6からの検知温度に基づき行われる温
度制御では、A4サイズの転写紙上に画像を連続的に形
成するとき、定着ローラ1の中央部における表面温度を
所定の定着温度に到達させることが困難になり、定着不
良が発生し易くなる。
【0011】定着不良の発生を抑制するために、通紙可
能な最大サイズより小さいサイズの転写紙を連続的に通
紙するときに、定着ローラ1の中央部の表面温度が定着
ローラ1の表面温度が定着可能な温度以下に降下するま
でに連続的に通紙することができる転写紙の枚数を予め
設定し、連続的に通紙される転写紙の枚数が設定枚数を
超えると、定着温度をさらに高い温度に設定し、該設定
温度に定着ローラ表面温度を一致させるようにハロゲン
ヒータ4への電力供給および停止を制御する方法が採用
されている。
【0012】上述の温度制御方法では、図7に示すよう
に、待機時における定着ローラ1の表面温度に対する設
定温度として待機温度160℃が設定され、定着時にお
ける定着ローラ1の表面温度に対する設定温度として2
つの定着温度180℃と190℃とが設定されている。
【0013】待機時、定着ローラ1の端部の表面温度
(図中の点線で示す)は定着ローラ1の中央部の表面温
度(図中の一点鎖線で示す)に等しい。
【0014】次いで、A4サイズの転写紙が連続的に通
紙されるとき、定着ローラ1の表面温度は180℃近傍
の温度に保持され、A4サイズの転写紙の通紙が開始さ
れる。A4サイズの転写紙が定着ローラ1と加圧ローラ
2との間のニップ部を通過するごとに定着ローラ1の中
央部の表面温度は低下するが、定着ローラ1の端部の表
面温度は低下せず、180℃近傍の温度に保持される。
【0015】A4サイズの転写紙の連続通紙枚数が5枚
に到達すると、定着ローラ1の中央部の表面温度が定着
可能な温度の下限値まで降下し、次に通紙されるA4サ
イズの転写紙に対する定着性が損なわれる恐れがある。
よって、6枚目以降の転写紙に対し、定着ローラ1の表
面温度に対する設定温度として190℃の定着温度が用
いられる。なお、5枚の転写紙の通紙中に温度検知手段
6が検知する温度は180℃近傍の温度である。
【0016】定着温度の切り換えに伴い定着ローラ1の
中央部の表面温度は上昇し、6枚目以降の転写紙に対
し、定着ローラ1の中央部の表面温度は定着可能な温度
に保持される。よって、6枚目以降の転写紙に対する定
着不良を未然に防止することができる。
【0017】画像形成終了時から所定の時間中、定着ロ
ーラ1の表面温度に対する設定温度は190℃にされ、
次に開始される画像形成に対する備えが行われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】連続画像形成終了から
所定の時間が経過すると、再び待機時の温度制御が行わ
れ、定着ローラ1の表面温度に対する設定温度は190
℃から160℃に切り換えられる。しかし、設定温度の
切り換え直後、定着ローラ1の表面温度は160℃以上
の温度である、すなわち温度検知手段3の検知温度が1
60℃以上であることにより、ハロゲンヒータ4への電
力供給は停止されているから、定着ローラ1の中央部の
表面温度は定着ローラ1の端部の表面温度より速く待機
温度160℃に到達し、定着ローラ1の端部の表面温度
は待機温度160℃に向けて降下する途中であり、定着
ローラ1の表面においてその表面温度は一様に低下しな
い。
【0019】定着ローラ1の端部の表面温度が160℃
に向けて降下する途中で、画像形成が開始されると、定
着ローラ1に対する設定温度が160℃から180℃に
切り換えられるが、温度検知手段3からの検知温度が1
80℃を示すときに定着ローラ1の中央部の表面温度は
定着可能な温度に到達していないことがある。よって、
転写紙がニップ部に導入されるときに定着ローラ1の中
央部の表面温度が定着可能な温度に到達せず、転写紙に
対する定着不良が発生する。
【0020】本発明の目的は、表面が所定の定着温度に
加熱されている定着体の表面の温度分布の不均一に起因
する定着不良を未然に防止することができる定着装置を
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、未定着像を担持する転写材を加熱定着する加熱部
材と、加熱部材の転写材が通過しない位置の温度を検知
する温度検知素子と、温度検知素子の検知温度が設定温
度を維持するように加熱部材を制御する制御手段とを有
し、複数枚の転写材を連続して加熱定着する際は所定枚
数に達するたびに設定温度を上げるように設定されてい
る定着装置において、次の〔I〕,〔II〕,〔III〕の
いずれかによって達成される。〔I〕連続した複数枚の転写材の定着を終了した後に新
たな転写材の定着指示が発生した場合、その時の上記加
熱部材の温度分布を推測する温度分布推測手段を有し、
この温度分布推測手段の出力および新たな転写材のサイ
ズに応じて新たな転写材を加熱定着する際の設定温度を
設定する。 〔II〕所定サイズより小さな転写材を所定枚数以上連続
して加熱定着した後に所定サイズより小さな新たな転写
材の定着指示が発生した場合、その時の上記温度検知素
子の検知温度が所定温度より高い時は低い時よりも設定
温度が高くなっている。 〔III〕所定サイズより小さな転写材を所定枚数以上連
続して加熱定着した後に所定サイズより小さな新たな転
写材の定着指示が発生した場合、その時の連続定着終了
後からの経過時間が所定時間より短い時は長い時よりも
設定温度が高くなっている。 以上の〔I〕〜〔III〕によれば、非通紙部の温度を検
知して加熱部材の温度制御を行なう装置における小サイ
ズ紙の連続定着後の定着不良が防止される。
【0022】
【0023】
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0025】図1は本発明の定着温度制御装置の一実施
例が用いられている定着装置を示す構成図、図2は図1
の定着温度制御装置の温度制御動作を示す流れ図、図3
は図1の定着温度制御装置の温度制御による定着ローラ
の表面温度の時間的変化を示す図である。
【0026】電子写真複写装置などの画像形成装置に用
いられている熱ローラ方式による定着装置は、図1に示
すように、定着ローラ1と、該定着ローラ1に圧接しな
がら回転される加圧ローラ2とを備え、加圧ローラ2は
定着ローラ1と協働して転写紙を挟圧搬送するためのニ
ップ部を形成する。
【0027】定着ローラ1内には加熱源であるハロゲン
ヒータ4が配置され、ハロゲンヒータ4のオン/オフ動
作によって定着ローラ1の表面温度は制御されている。
【0028】定着ローラ1の表面温度は、温度検知手段
6で検知される。温度検知手段6は、定着ローラ1の表
面に接触され、定着ローラ1の端部に配置されているサ
ーミスタ3を含む。サーミスタ3の抵抗には固定抵抗が
直列に接続され、その分圧値が温度電圧変換部7で定着
ローラ1の表面温度に対応する電圧を示す温度信号8に
変換される。
【0029】温度信号8はCPU9に与えられる。CP
U9には、定着温度として設定されている第一の設定温
度および第二の設定温度と該第一および第二の設定温度
のいずれよりも低い待機温度と基準温度とを格納してい
るメモリーと、画像が形成される転写紙の枚数を計数す
るカウンタとが内蔵されている。なお、第二の設定温度
は第一の設定温度より高い。
【0030】CPU9は、温度信号8をA/Dポートか
ら取り込み、温度信号8が示す定着ローラ1の表面温度
を監視する。温度信号8が所定の設定温度より低い定着
ローラ1の表面温度を示すとき、CPU9は電源10か
らハロゲンヒータ4への電力供給を指示する制御信号1
1を生成し、OUTポートから出力する。温度信号8が
所定の設定温度より高い定着ローラ1の表面温度を示す
とき、CPU9は電源10からハロゲンヒータ4への電
力供給の停止を指示する制御信号11を生成し、OUT
ポートから出力する。
【0031】CPU9は、連続画像形成終了後に、温度
信号8が示す温度と基準温度とを比較し、その比較の結
果に基づき定着ローラ1の表面温度の分布が均一である
か不均一であるかを判定する。温度信号8が示す温度が
基準温度より高いとき、定着ローラ1の端部の表面温度
と中央部の表面温度との間に差がある、すなわち定着ロ
ーラ1の表面温度は不均一であると判定される。温度信
号8が示す温度が基準温度より低いとき、定着ローラ1
の端部の表面温度と中央部の表面温度との間に差がな
い、すなわち定着ローラ1の表面温度は均一であると判
定され、定着温度は第一の設定温度から第二の設定温度
に切り換えられる。
【0032】CPU9から出力される制御信号11は通
電制御部12に与えられる。通電制御部12は制御信号
11に基づき電源10からハロゲンヒータ4への電力供
給動作および供給停止動作をする。
【0033】次に、転写紙に画像を形成するときに行わ
れる定着ローラ1に対する温度制御について図2を参照
しながら説明する。
【0034】画像形成を開始するとき、まず主電源が投
入され、待機時における温度制御が行われる(ステップ
101)。待機時では、ハロゲンヒータ4への電力供給
および停止は定着ローラ1の表面温度が待機温度160
℃の近傍の温度に一致するように制御される。
【0035】次いで、画像形成を指示するプリント命令
の有無が監視される(ステップ102)。プリント命令
が出されるまで、待機時における温度制御(ステップ1
01)が続行される。プリント命令が出されると、温度
検知手段6からの検知温度が基準温度170℃以上であ
るか否かの判定が行われる(ステップ103)。
【0036】温度検知手段6からの検知温度が170℃
未満であるとき、画像形成される転写紙の枚数を計数す
るカウンタがリセットされる(ステップ104)。温度
検知手段6からの検知温度が170℃以上であるとき、
第一の設定温度180℃が定着温度として設定される
(ステップ105)。
【0037】次いで、画像が形成される転写紙のサイズ
がA4以下であるか否の判定が行われる(ステップ10
6)。
【0038】転写紙のサイズがA4より大きいとき、定
着温度を第一の設定温度とする画像形成時における温度
制御が行われる(ステップ109)。
【0039】転写紙のサイズがA4以下であるとき、カ
ウンタの計数値が6以上であるか否かの判定が行われる
(ステップ107)。カウンタの計数値が6未満である
とき、定着温度を第一の設定温度とする画像形成時にお
ける温度制御が行われる(ステップ109)。カウンタ
の計数値が6以上であるとき、定着温度は第一の設定温
度から第二の設定温度190℃に切り換えられ(ステッ
プ108)、定着温度を第二の設定温度とする画像形成
時における温度制御が行われる(ステップ109)。
【0040】次いで、画像形成が終了すると(ステップ
110)、待機時における温度制御が行われる(ステッ
プ101)。画像形成が続行されると(ステップ11
0)、定着温度が第一の設定温度に設定された(ステッ
プ105)後、転写紙のサイズに対する判定(ステップ
106)およびカウンタの計数値に対する判定(ステッ
プ107)をしながら各判定の結果に基づき設定される
定着温度による温度制御が行われ(ステップ109)、
画像形成が終了する(ステップ110)まで各ステップ
105,106,107,108,109が繰り返され
る。
【0041】以上により、定着ローラ1の端部の表面温
度と定着ローラ1の中央部の表面温度との間に差がある
か否か、すなわち定着ローラ1の表面温度の分布が均一
であるか否かの判定を温度検知手段6の検知温度と基準
温度との比較の結果に基づき行い、その判定の結果に基
づき定着温度を切り換えることによって、定着ローラ1
の表面温度、特に定着ローラ1の中央部の表面温度を定
着可能な温度にまで上げることができ、最大通紙サイズ
より小さいサイズの転写紙の連続画像形成終了直後に通
紙される転写紙に対する定着不良を未然に防止すること
ができる。
【0042】上述の温度制御をしながらA4サイズの転
写紙に画像を連続的に形成するとき、図3に示すよう
に、まず定着ローラ1の表面温度を待機温度に保持する
ための温度制御が行われる。待機時、定着ローラ1の端
部の表面温度(図中の点線で示す)は定着ローラ1の中
央部の表面温度(図中の一点鎖線で示す)に等しい。
【0043】次いで、定着ローラ1の表面温度は180
℃近傍の温度に保持され、A4サイズの転写紙の通紙が
開始される。A4サイズの転写紙が定着ローラ1と加圧
ローラ2との間のニップ部を通過するごとに定着ローラ
1の中央部の表面温度は低下するが、定着ローラ1の端
部の表面温度は低下せず、180℃近傍の温度に保持さ
れる。
【0044】A4サイズの転写紙の連続通紙枚数が5枚
に到達すると、定着ローラ1の中央部の表面温度が定着
可能な温度の下限値まで降下するが、6枚目以降の転写
紙に対する定着温度は180℃から190℃に切り換え
られる。なお、5枚の転写紙の通紙中に温度検知手段6
が検知する温度は180℃近傍の温度である。
【0045】定着温度の切り換えに伴い定着ローラ1の
中央部の表面温度は約180℃の温度まで上昇し、6枚
目以降の転写紙に対し、定着ローラ1の中央部の表面温
度は定着可能な温度に保持される。よって、6枚目以降
の転写紙に対する定着不良を未然に防止することができ
る。
【0046】画像形成終了時から所定の時間中、定着ロ
ーラ1の表面温度に対する設定温度は190℃にされ、
次に開始される画像形成に対する備えが行われる。
【0047】連続画像形成終了後、所定の時間が経過す
ると、再び待機時の温度制御が行われ、定着ローラ1の
表面温度に対する設定温度は190℃から160℃に切
り換えられる。しかし、設定温度の切り換え直後、定着
ローラ1の表面温度は160℃以上の温度である、すな
わち温度検知手段3の検知温度が160℃以上であるこ
とにより、ハロゲンヒータ4への電力供給は停止されて
いるから、定着ローラ1の中央部の表面温度および定着
ローラ1の端部の表面温度は待機温度160℃に向けて
降下し始め、定着ローラ1の中央部の表面温度と定着ロ
ーラ1の端部の表面温度との差は徐々に小さくなる。定
着ローラ1の端部の表面温度が170℃以下になると
き、定着ローラ1の端部の表面温度と定着ローラ1中央
部の表面温度との差がなくなる。
【0048】定着ローラ1の表面温度が170℃に到達
する前にプリント命令が出されると、CPU7のカウン
タはリセットされず、カウンタの計数値は6以上の値に
保持されていることにより、定着温度は190℃に設定
されるから、定着ローラ1の端部の表面温度が190
℃、すなわち温度検知手段6の検知温度が190℃であ
るとき、定着ローラ1の中央部の表面温度は約180℃
に到達し、次に通紙されるA4サイズの転写紙に対する
定着不良の発生を防止することができる。
【0049】定着ローラ1の表面温度が170℃に到達
した後にプリント命令が出されると、カウンタがリセッ
トされることによって定着温度は180℃に設定される
が、定着ローラ1の端部の表面温度と定着ローラ1の中
央部の表面温度との間に差がないから、温度検知手段6
からの検知温度が180℃であるとき、定着ローラ1の
中央部の表面温度は約180℃になり、次に通紙される
A4サイズの転写紙に対する定着不良の発生を防止する
ことができる。
【0050】次に、他の定着温度制御装置について図4
を参照しながら説明する。図4は本発明の定着温度制御
装置における温度制御動作を示す流れ図である。
【0051】他の定着温度制御装置では、定着ローラの
端部の表面温度と定着ローラの中央部の表面温度と間に
差があるかないかの判定に時間が用いられている。
【0052】画像形成を開始するとき、まず主電源が投
入され、タイマがリセットされる(ステップ201)。
タイマは、連続画像形成終了後の経過時間を計測するタ
イマである。
【0053】次いで、待機時における温度制御が行われ
る(ステップ202)。待機時では、ハロゲンヒータ4
への電力供給および停止は定着ローラ1の表面温度が待
機温度160℃の近傍の温度に一致するように制御され
る。
【0054】次いで、タイマの計測時間が監視され(ス
テップ203)、タイマの計測時間が1分以上であると
き、タイマの時間計測動作は停止される(ステップ20
4)。
【0055】次いで、画像形成を指示するプリント命令
の有無が監視される(ステップ205)。プリント命令
が出されるまで、待機時における温度制御(ステップ2
02)が続行される。プリント命令が出されると、画像
形成される転写紙の枚数を計数するカウンタがリセット
される(ステップ206)。
【0056】次いで、第一の設定温度180℃が定着温
度として設定される(ステップ207)。
【0057】次いで、画像が形成される転写紙のサイズ
がA4以下であるか否の判定が行われる(ステップ20
8)。
【0058】転写紙のサイズがA4より大きいとき、定
着温度を第一の設定温度とする画像形成時における温度
制御が行われる(ステップ213)。
【0059】転写紙のサイズがA4以下であるとき、カ
ウンタの計数値が6以上であるか否かの判定が行われる
(ステップ209)。カウンタの計数値が6未満である
とき、タイマの計測時間が1分未満であるか否かの判定
が行われる(ステップ210)。タイマの計測時間1分
は、定着ローラの端部の表面温度と定着ローラの中央部
の表面温度との差がなくなるまでに要する時間である。
【0060】タイマの計測時間が1分未満であるとき、
タイマの時間計測動作が停止され(ステップ205)、
タイマの計測時間が1分以上であるとき、定着温度を第
一の設定温度とする画像形成時における温度制御が行わ
れる(ステップ213)。
【0061】カウンタの計数値が6以上であるとき、タ
イマの時間計測動作の停止(ステップ211)を行わず
に定着温度は第一の設定温度から第二の設定温度190
℃に切り換えられ(ステップ212)、定着温度を第二
の定着温度とする画像形成時における温度制御が行われ
る(ステップ213)。
【0062】次いで、画像形成が終了すると(ステップ
214)、タイマによる時間計測が開始される(ステッ
プ215)。待機時における温度制御が行われる(ステ
ップ202)。画像形成が続行されると(ステップ11
0)、定着温度が第一の設定温度に設定された(ステッ
プ207)後、転写紙のサイズに対する判定(ステップ
208)、カウンタの計数値に対する判定(ステップ2
09)およびタイマの計測時間に対する判定(ステップ
210)をしながら各判定の結果に基づき設定される定
着温度による温度制御が行われ(ステップ213)、画
像形成が終了する(ステップ214)まで各ステップ2
07〜213が繰り返される。
【0063】以上により、定着ローラの端部の表面温度
と定着ローラの中央部の表面温度との間に差があるか否
か、すなわち定着ローラの表面温度の分布が均一である
か否かの判定をタイマの計測時間でし、その判定の結果
に基づき定着温度を切り換えることによって、定着ロー
ラの表面温度、特に定着ローラの中央部の表面温度を定
着可能な温度にまで上げることができ、最大通紙サイズ
より小さいサイズの転写紙の連続画像形成終了直後に通
紙される転写紙に対する定着不良を未然に防止すること
ができる。
【0064】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の定着温
度制御装置によれば、上記定着体によって規定される転
写材の最大通紙サイズより小さいサイズの転写材に対す
る定着が連続的に行われる連続定着の終了後に次の転写
材に対する定着が行われるとき、上記定着体の表面温度
の分布は不均一になり、上記定着体の一部の表面温度は
定着可能な温度以下に下がることがあるが、非通紙部の
温度を検知して加熱部材の温度制御を行う装置における
小サイズ紙連続定着後の定着不良を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着温度制御装置の一実施例が用いら
れている定着装置を示す構成図である。
【図2】図1の定着温度制御装置の温度制御動作を示す
流れ図である。
【図3】図1の定着温度制御装置の温度制御による定着
ローラの表面温度の時間的変化を示す図である。
【図4】本発明の定着温度制御装置の他の実施例による
温度制御動作をを示す流れ図である。
【図5】従来の定着装置を示す構成図である。
【図6】図5の定着装置における定着ローラ表面温度分
布と各サイズの転写紙との関係を示す図である。
【図7】図5の定着温度制御装置の温度制御による定着
ローラの表面温度の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加圧ローラ 3 サーミスタ 4 ハロゲンヒータ 6 温度検知手段 7 温度電圧変換部 9 CPU 10 電源 11 制御信号 12 通電制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中森 知宏 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 橋本 宏 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−239273(JP,A) 特開 平2−271378(JP,A) 実開 昭63−96574(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 G03G 21/00 370 - 502

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着像を担持する転写材を加熱定着す
    る加熱部材と、加熱部材の転写材が通過しない位置の温
    度を検知する温度検知素子と、温度検知素子の検知温度
    が設定温度を維持するように加熱部材を制御する制御手
    段とを有し、複数枚の転写材を連続して加熱定着する際
    は所定枚数に達するたびに設定温度を上げるように設定
    されている定着装置において、連続した複数枚の転写材
    の定着を終了した後に新たな転写材の定着指示が発生し
    た場合、その時の上記加熱部材の温度分布を推測する温
    度分布推測手段を有し、この温度分布推測手段の出力お
    よび新たな転写材のサイズに応じて新たな転写材を加熱
    定着する際の設定温度を設定することを特徴とする定着
    装置。
  2. 【請求項2】 未定着像を担持する転写材を加熱定着す
    る加熱部材と、加熱部材の転写材が通過しない位置の温
    度を検知する温度検知素子と、温度検知素子の検知温度
    が設定温度を維持するように加熱部材を制御する制御手
    段とを有し、複数枚の転写材を連続して加熱定着する際
    は所定枚数に達するたびに設定温度を上げるように設定
    されている定着装置において、所定サイズより小さな転
    写材を所定枚数以上連続して加熱定着した後に所定サイ
    ズより小さな新たな転写材の定着指示が発生した場合、
    その時の上記温度検知素子の検知温度が所定温度より高
    い時は低い時よりも設定温度が高くなっていることを特
    とする定着装置。
  3. 【請求項3】 未定着像を担持する転写材を加熱定着す
    る加熱部材と、加熱部材の転写材が通過しない位置の温
    度を検知する温度検知素子と、温度検知素子の検知温度
    が設定温度を維持するように加熱部材を制御する制御手
    段とを有し、複数枚の転写材を連続して加熱定着する際
    は所定枚数に達するたびに設定温度を上げるように設定
    されている定着装置において、所定サイズより小さな転
    写材を所定枚数以上連続して加熱定着した後に所定サイ
    ズより小さな新たな転写材の定着指示が発生した場合、
    その時の連続定着終了後からの経過時間が所定時間より
    短い時は長い時よりも設定温度が高くなっていることを
    特徴とする定着装置。
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