JP3104790U - 顕微鏡用細胞培養器 - Google Patents

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Abstract


【課題】培養皿内部の結露を完全に防止し、かつ培養液の使用量とpH変動を抑制することのできる顕微鏡用細胞培養皿および蓋を提供する。
【解決手段】培養皿と、中央部分に凹型部2を設けた蓋1からなる顕微鏡用細胞培養器。ここで、蓋の凹型部の底面は、蓋の縁より下方に位置する構成であることが望ましく、また、培養皿を蓋で閉じた時、蓋の凹型部の底面が培養皿に抵触しない構成であることがさらに望ましい。加えて、蓋の凹型部底面は透過率が高い材質で構成されていることが望ましい。
【選択図】図1

Description

本考案は顕微鏡用細胞培養皿および蓋に関するものである。
培養細胞の経時的形態変化、運動能、浸潤能等の観察は、細胞生物学分野において広く行われている。動画撮影技術の普及に伴い、上記観察は動画撮影を行いつつ長時間にわたって行われる場合が増えてきた。培養細胞の経時的形態変化、運動能、浸潤能等を観察するには、顕微鏡上で通常の培養装置内に近い条件(pH、温度等)下に細胞を保つことが望ましい。そこで、通常の実験台上で、加熱機(ヒートプレート)で保温を行いつつ、培養皿を顕微鏡で観察する手法が取られていた。
しかし、従来型の培養蓋で培養皿を閉じた場合、培養液と培養蓋との間に大きな空気層が存在する。この空気層と培養液とに比熱の差があるために、培養装置外での長時間の観察を行う場合、培養蓋内面に結露が生ずる。このため、細胞画像の焦点や境界に狂いが生じ、撮影した画像が粗悪になることが多かった。また、二酸化炭素分圧を高く設定してある培養装置内ではなく、通常の実験台上では、保温を行うことにより、培養液中に含まれる炭酸イオンの上記大きな空気層への放散を誘発するために、培養液のpHが上昇する。このpH上昇により培養細胞は正常な生育を妨げられ、正常な経時観察を行えない可能性があった。
これらの問題を解決するために、例えば特許文献1には顕微鏡用細胞培養装置が開示されている。具体的には顕微鏡上に温度、湿度、二酸化炭素濃度を一定させた空間を設置するものであった。しかし、この顕微鏡用細胞培養装置を用いた場合であっても、長時間培養での培養蓋の結露を防ぐ事は難しく、また、培養液のpHを一定に保つことは極めて困難であった。この原因は、顕微鏡の投射光により培養液が加熱され、培養液と顕微鏡用細胞培養装置内の空気とに温度差を生ずるためであると考えられる。
特開2003‐93041号公報
培養蓋内部の顕微鏡観察部の結露を完全に防止し、かつ培養液の使用量とpH変動を抑制することのできる顕微鏡用細胞培養器を提供する。
第1の考案は、培養皿と、中央部分に凹型部を設けた蓋からなる事を特徴とする。
第2の考案は、第1の考案記載の顕微鏡用細胞培養器において、上記蓋の凹型部の底面は、該蓋の縁より下方に位置する構成であることを特徴とする。
第3の考案は、第1の考案または第2の考案記載の顕微鏡用細胞培養器において、上記培養皿を上記蓋で閉じた時、上記蓋の凹型部の底面が上記培養皿に抵触しない構成であることを特徴とする。
第4の考案は、第1の考案乃至第3の考案記載の顕微鏡用細胞培養器において、上記蓋の凹型部底面は透過率が高い材質で構成されていることを特徴とする。
第1の考案によれば、蓋の中央部に凹型部を設けたことにより、培養皿を上記蓋で閉じると培養液と空気の接触面積を減少することができる。したがって、培養液のpHの変動を顕著に抑制することが可能である。また、培養液と空気との比熱の差により生じた温度差が原因で起こる培養液の対流を減少することができるため、培養液中に浮遊する細胞細片等の動きを抑制することが可能である。したがって、鮮明な画像を撮影することができる。
第2の考案および第3の考案によれば、培養皿に培養液を入れて上記培養蓋で閉じると、蓋の凹型部は培養液に浸漬する。これにより、顕微鏡観察部である上記蓋の凹型部底面は、常時培養液中に位置する事となり、結露が発生することは無くなる。また、凹型部を培養液に浸漬することで培養液の水位が上昇するため、培養器内の空気量を減少させることができ、従来の培養液の使用量に比べて少量の培養液で充分に細胞培養、観察を行うことが可能である。
第4の考案によれば、鮮明な画像を撮影することができる。従って、特に長時間の動画撮影を行う場合に正確な観察を行うことが可能である。
凹型蓋を有する培養皿を使用した場合、顕微鏡上に加熱機(ヒートプレート)を設置するのみで、数時間良好な培養条件を保つことが可能である。従って、機器の費用及びスペースは最小限に抑えられる。
培養液を入れた培養皿を本考案の凹型蓋で閉じ、前記蓋の凹型部を培養液に浸漬した状態で細胞の培養、観察を行う。しかし上記蓋の材質に軽量なものを使用すると、蓋を閉じた時に蓋全体が培養液の浮力によって浮き上がってしまう恐れがある。そこで、蓋の材質は、培養液の浮力によって浮き上がらない程度の重量を持っていることが望ましく、透過性の点、また加熱殺菌に耐えうる点からもガラスが望ましいが、凹型部底面のみガラスを使用し、それ以外の部分にプラスチックを用いてディスポーザブル器具としてもよい。
以下、本考案に係る凹型蓋の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本考案の実施形態に係る凹型蓋を示す図である。
図1において、蓋1の直径は約40mm、厚さは約2mm、蓋1の中央に設けた凹型部2の内径は約17mm、蓋の内側である培養液に浸漬させる凹型部の高さは約7mmとし、培養皿を凹型蓋で閉じた時、凹型部の底面が上記培養皿に抵触しない構成となっている。素材にはガラスを使用した。
図2は培養皿に培養液を入れ、従来型の蓋と本考案の凹型蓋の各蓋で閉じた状態を比較した図である。図2(a)のように従来型の培養蓋では、培養皿との間に大きな空気層が存在する。この空気層が結露およびpHの上昇の誘因となる。一方、図2(b)のように本考案の凹型蓋では、顕微鏡対物レンズが位置する凹型部底面は培養液に浸漬しているため、観察する部分には空気層が存在しない。また、本考案の凹型蓋を使用すると、凹型部の体積分に加え、培養液に凹型部が浸漬することで培養液の水位が上昇する分、培養皿内部の空気層の容積を従来型のものと比べ著しく減少させることができる。
図3は40万個の293T細胞(ATCCより購入)を、5%牛胎児血清(SIGMA社より購入)を含むDMEM培地(SIGMA社より購入)3mlを用いて、37度、5%CO2条件下で12時間培養した後、従来型の蓋と本考案の凹型蓋で閉じて、37度に設定した加熱機(ヒートプレート)に放置し、80分後に撮影した顕微鏡写真である。
図3(a)は従来型の蓋、(b)は本考案の凹型蓋を用いた40倍の顕微鏡写真である。また、図3(c)は従来型の蓋、(d)は本考案の凹型蓋を用いた100倍の顕微鏡写真である。40倍、100倍のどちらの倍率も、従来型の蓋を用いた(a)(c)は、共に結露による画質の低下が認められる。しかし本考案の凹型蓋を用いたものは、良質な画像が得られ、100倍といった高倍率においても良好なコントラストがついた高画質な画像が得られた。
図4は、前記培養した293T細胞を37度に設定した加熱機(ヒートプレート)に放置し、20分後、40分後、80分後の各時間に培養液のpHを測定したものをグラフに表したものである。図を参照しても明らかなように、従来型の蓋を用いた場合、経時的に培養液のpHの上昇が認められるが、本考案の凹型蓋を用いた場合は80分後でもpHは8.0以下を維持することができた。
図5は、前記培養した293T細胞を37度に設定した加熱機(ヒートプレート)に放置し、従来型の蓋と本考案の凹型蓋を使用した細胞培養器の写真であり、図5(a)は測定開始時、(b)は80分後に撮影した写真である。図面左側が従来型の蓋を使用したものであり、右側が本考案の凹型蓋を使用したものである。図からも分かる通り、左側の従来型の蓋を使用した方には、80分後の写真(b)において蓋の内部全体に結露が確認できる。しかし、本考案の凹型蓋を使用した方は、凹型部周辺の部位に多少結露が見られるが、一番重要な細胞観察部分である凹型部底面に結露は全く現れていない。
培養細胞の経時的観察は、細胞生物学分野で必須となりつつある。培養細胞の長時間の経時的観察全般、すなわち細胞増殖因子、サイトカイン、ケモカインにより誘導される血管新生や管腔形成などの細胞形態変化、細胞運動や細胞浸潤の観察、細胞運動あるいは浸潤に対する各種阻害剤の効果判定などに有用である。また、凹型部に透過性が高く、蛍光性の低い材質(ガラス)を用いることでGFP、RFP、BFP、YFP、CFP等の蛍光物質を融合した標的蛋白の細胞内動態の観察に好適である。
なお、本考案による凹型蓋の凹型部の径、形状に特に制限は無く、凹型部をさらに拡大した構成にすることにより、さらに培養液、それに加える薬剤、増殖因子等貴重な試料の使用量を抑制することが可能となり、同じく培養皿に細胞外マトリクス、抗体、接着因子を塗布する際にも、それらの使用量を抑制することが可能となる。また、凹型部の高さも、培養皿を閉じた時に培養皿に抵触しない高さであれば制限は無く、任意に設定が可能である。
本考案に係る顕微鏡用細胞培養器の構成を示す図である。(a)凹型蓋の平面図(b)凹型蓋の側面図(c)凹型蓋の断面図 培養皿に培養液を入れ、本考案の凹型蓋、従来型の蓋の各蓋で閉じた状態の比較図である。(a)従来型の蓋で閉じた状態の断面図(b)本考案の凹型蓋で閉じた状態の断面図 実施形態における37度に設定した加熱機(ヒートプレート)上の、80分後の293T細胞の顕微鏡写真(a)従来型の蓋を用いた40倍の顕微鏡写真(b)本考案の凹型蓋を用いた40倍の顕微鏡写真(c)従来型の蓋を用いた100倍の顕微鏡写真(d)本考案の凹型蓋を用いた100倍の顕微鏡写真 実施形態における培養液の、20分後、40分後、80分後のpHを測定したグラフ 実施形態における37度に設定した加熱機(ヒートプレート)上の293T細胞の、従来型の蓋と本考案の凹型蓋を使用した細胞培養器の比較写真(a)計測開始時の培養器(b)80分後の培養器
符号の説明
1 蓋
2 凹型部
3 培養皿
4 培養液

Claims (4)

  1. 培養皿と、中央部分に凹型部を設けた蓋からなる事を特徴とする顕微鏡用細胞培養器
  2. 請求項1記載の顕微鏡用細胞培養器において、上記蓋の凹型部の底面は、該蓋の縁より下方に位置する構成であることを特徴とする顕微鏡用細胞培養器
  3. 請求項1または請求項2記載の顕微鏡用細胞培養器において、上記培養皿を上記蓋で閉じた時、上記蓋の凹型部の底面が上記培養皿に抵触しない構成であることを特徴とする顕微鏡用細胞培養器
  4. 請求項1乃至請求項3記載の顕微鏡用細胞培養器において、上記蓋の凹型部底面は透過率が高い材質で構成されていることを特徴とする顕微鏡用細胞培養器
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