JP3103533B2 - 油圧ポンプ - Google Patents

油圧ポンプ

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JP3103533B2
JP3103533B2 JP11025436A JP2543699A JP3103533B2 JP 3103533 B2 JP3103533 B2 JP 3103533B2 JP 11025436 A JP11025436 A JP 11025436A JP 2543699 A JP2543699 A JP 2543699A JP 3103533 B2 JP3103533 B2 JP 3103533B2
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憲明 岡本
昌弘 濱田
哲弘 近藤
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベルなど
の建設機械などに用いられる油圧ポンプに関し、詳しく
は2つのピストンポンプが並列に配置されて一体に構成
されるパラレル形油圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、典型的な従来のパラレル形油圧
ポンプの構成を示す断面図であり、たとえば実公昭57
−209号公報に開示されている。油圧ポンプ1は、2
つの斜軸式ピストンポンプ3,4が並列に配置されてハ
ウジング2に収容される。一方のピストンポンプである
駆動ポンプ3はディーゼルエンジンなどのエンジンから
回転力が伝達される主回転軸5によって駆動される。他
方のピストンポンプである従動ポンプ4は従動回転軸6
を有し、主回転軸5に固定される駆動歯車7に従動回転
軸6に固定される従動歯車8が噛合して従動回転軸6に
回転力が伝達され、これによって従動ポンプ4が駆動さ
れる。
【0003】駆動歯車7には回転軸線を中心として周方
向に複数のピストン16が回動自在に連結され、各ピス
トン16はシリンダブロック15に挿脱自在に装着され
る。同様に従動ポンプ4も複数のピストン16とシリン
ダブロック15を備える。駆動ポンプ3および従動ポン
プ4のシリンダブロック15が配置されるポンプ室10
と、駆動歯車7および従動歯車8が配置される歯車室1
1とは隔壁9によって仕切られている。主回転軸5を回
転駆動して油圧ポンプ1を駆動させたとき各ポンプ3,
4からのドレン油が各ポンプ3,4の潤滑のために用い
られ、さらにこのドレン油の一部はポンプ室10から歯
車室11に導かれ、歯車7,8の潤滑油となる。また、
ハウジング2にはポンプ室10内に臨んでドレンポート
17が設けられ、このドレンポート17を介してポンプ
室10内に溜まるドレン油がタンクに戻される。
【0004】油圧ポンプ1は、たとえば油圧ショベルに
設けられ、油圧ショベルの走行用または旋回用の油圧モ
ータの駆動源などとして用いられる。このような油圧ポ
ンプ1の吐出量は斜軸式ピストンポンプである各ポンプ
3,4の斜軸の傾斜角度を調整することによって行う
が、この斜軸の角変位駆動のため、あるいは油圧ショベ
ルの各種アクチュエータの駆動のために、たとえば小形
のギアポンプなどが油圧ポンプ1とは別途に設けられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の油圧
ポンプ1にはいくつかの問題点が存在する。まず第1の
問題点は、歯車室11内で歯車7,8が回転するときの
回転トルクの損失が大きいことである。図7に示される
ように駆動歯車7と従動歯車8とは噛合して相互に反対
方向に回転し、歯車室11内のドレン油は歯車7,8の
外周部に沿って歯車7,8の回転とともに流れるが、歯
車7,8の噛合部において両側から流込んできた油が噛
合部28で衝突し、歯車7,8の周方向に沿って流れる
油の速度が失われる。すなわち、歯車7,8とともに流
れる油の運動エネルギが失われ、歯車7,8の回転トル
クがその分だけ失われることになる。
【0006】第2の問題点は、歯車室11内の油温が上
昇することである。ポンプ3,4からの歯車室11に導
かれたドレン油は、歯車7,8によって撹拌されて歯車
の潤滑に供されるが、上述したように周方向に流れる油
が衝突することによって油の運動エネルギが失われる
が、この失われた運動エネルギは熱に変換されて油の温
度を上昇させる。
【0007】歯車室11内の油は高温となる歯車7,8
を冷却する役目も担っているが、撹拌されて油の温度が
上昇すると冷却効果が低減し、さらに作動油が劣化して
しまうといった問題も生じる。
【0008】
【0009】
【0010】本発明の目的は、パラレル形油圧ポンプの
歯車室内の油をスムーズに流して回転トルクの損失、お
よび歯車室内の温度の上昇を抑える油圧ポンプを提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、回
転力が入力される主回転軸によって駆動される駆動ポン
プと、前記主回転軸に設けられる駆動歯車に噛合する従
動歯車を介して駆動力が伝達される従動回転軸によって
駆動される従動ポンプとを有し、駆動ポンプおよび従動
ポンプが並列にハウジングに収容される油圧ポンプにお
いて、ハウジングには駆動歯車および従動歯車が収容さ
れる歯車室と、駆動および従動ポンプが収容されるポン
プ室とを仕切る隔壁が設けられ、歯車室に臨むハウジン
グに、歯車室内のドレン油をタンクに戻すためのドレン
ポートが設けられ、駆動および従動ポンプからのドレン
油が歯車の潤滑のために歯車室に導かれ、歯車室内の油
はドレンポートから排出されて、歯車室を通過する一連
の循環経路が形成され、駆動および従動歯車に対向する
隔壁、および隔壁とは反対側で、駆動および従動歯車に
対向する前壁と、各歯車との間の距離が、摩擦抵抗を低
減するために小さく設定され、駆動歯車と従動歯車との
噛合部に対向する隔壁および前壁に、噛合部における歯
車の回転方向上流側の領域と下流側の領域とを連通する
連通空間が凹状に形成され、駆動および従動歯車の外周
に沿って流れる油が、前記上流側の領域で合流し、前記
凹所を介して噛合部を超えて前記下流側の領域に導かれ
て歯車室内を循環し、前記駆動ポンプおよび従動ポンプ
は斜板式油圧ポンプであることを特徴とする油圧ポンプ
である。
【0012】本発明に従えば、主回転軸に回転力を入力
することによって駆動ポンプが駆動されるとともに、主
回転軸の回転力は駆動側歯車および従動側歯車を介して
従動回転軸を駆動し、これによって従動ポンプが駆動さ
れる。駆動および従動ポンプは、たとえばピストンポン
プから成り、ドレン油が潤滑のために用いられ、このド
レン油はポンプが収容されるポンプ室から隔壁を介して
駆動および従動歯車が収容される歯車室に導かれ、各歯
車の潤滑のために用いられる。
【0013】駆動歯車と従動歯車とは噛合しているの
で、互いに逆方向に回転することになる。したがって、
歯車室内のドレン油は各歯車の外周に沿って歯車ととも
に流れ、歯車の噛合始めにおいて両側からの油が合流す
ることになるが、噛合部に対向する隔壁およびハウジン
グの壁部の少なくともいずれか一方に、噛合部における
歯車の回転方向上流側の領域と下流側の領域とを連通す
る連通空間が形成されるので、歯車の噛合始め部に導か
れた左右両方の油は連通空間を介して歯車の噛合部を超
えて下流側の領域に導かれる。下流側の領域に導かれた
油は再び歯車の回転とともに従動歯車側または駆動歯車
側に分かれて流れることになる。このように本発明では
歯車室内で油は歯車に沿って循環して流れるので、従来
の構成のように歯車の外周部に沿って流れる油が噛合部
で衝突して油の運動エネルギが熱に変換されて油が高温
になるといったことが防がれる。また、これによって駆
動時に高温となる歯車を冷却する油の冷却機能も向上す
ることができる。
【0014】
【0015】また、ポンプ室から歯車室に導かれたドレ
ン油は歯車室に設けられるドレンポートを介してタンク
に戻される。すなわち、タンクからポンプに供給される
作動油の一部がドレン油としてポンプ室に漏出し、さら
に歯車室に導かれてタンクに戻されるので、歯車室を通
過する一連の循環経路が形成されることになる。
【0016】高速で回転する歯車は高温となり、歯車室
内の油はこの高温となった歯車の冷却機能も担うが、歯
車室内に油が滞留すると油の温度も高くなり、冷却機能
が低下することになる。本発明では歯車室にドレンポー
トを設けて歯車室を通過する循環経路を形成したので、
歯車室内に油が滞留することが防がれ、これによって歯
車室内の油温が上昇することが防がれ、効果的に歯車を
冷却することができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る油圧ポンプ30を示す横断面図であり、図2は油圧ポ
ンプ30の縦断面図であり、図3は油圧ポンプ30の油
圧回路図である。油圧ポンプ30は、たとえば油圧ショ
ベルなどの建設機械に用いられ、ハウジング31内に2
つのピストンポンプである駆動ポンプ35および従動ポ
ンプ36を並列に収容するパラレル形油圧ポンプに第2
の従動ポンプ37を取付けた構成となっている。
【0021】ハウジング31はハウジング本体32とハ
ウジング本体32の前端側(図1の左方)に装着される
前カバー33と、ハウジング本体32の後端側(図1の
右方)に装着される後カバー34とから構成され、ハウ
ジング本体32に駆動ポンプ35および従動ポンプ36
が収容される。駆動ポンプ35の主回転軸40および従
動ポンプ36の従動回転軸41は互いに平行に配置さ
れ、主回転軸40は前端部がハウジング31から突出し
て設けられ、中間部がハウジング本体32の前端部に設
けられる軸受42によって回転自在に軸支され、後端部
が後カバー34に設けられる軸受43によって回転自在
に軸支される。従動回転軸41の前端部もハウジング本
体32の前端部に設けられる軸受44に回転自在に軸支
され、後端部が後カバー34に設けられる軸受45に回
転自在に軸支される。ハウジング本体32に設けられる
軸受42,44はハウジング本体32の前端を塞ぐ隔壁
59に装着される。
【0022】主回転軸40には隔壁59に近接して駆動
歯車46が固定され、この駆動歯車46に噛合する従動
歯車47が従動回転軸41の前端部に固定される。これ
らの歯車46,47を覆って前カバー33がハウジング
本体32にボルトによって取付けられ、ハウジング本体
32の隔壁59と前カバー33とによって形成される空
間である歯車室48内に各歯車46,47が収容され
る。主回転軸40の前端部は、各歯車46,47に対向
する前カバー33の前壁69に装着されるシール50を
介して前方に突出している。この突出する主回転軸40
に、たとえばディーゼルエンジンまたはガソリンエンジ
ンなどのエンジンまたは電動機49から回転力が入力さ
れる。
【0023】次に図2を参照して駆動ポンプ35の構成
について説明する。駆動ポンプ35の主回転軸40の中
央部にはシリンダブロック51がスプライン結合によっ
て主回転軸40に結合され、シリンダブロック51は主
回転軸40と一体に回転する。シリンダブロック51に
は主回転軸40を中心として周方向に複数のピストン装
着孔が、等間隔に主回転軸40に並行に形成され、各ピ
ストン装着孔にはそれぞれピストン52が主回転軸40
の軸線方向に挿脱自在に装着される。各ピストン52の
先端部には回動自在にシュー53が装着される。
【0024】ハウジング本体32の隔壁59側には斜板
支持台56が設けられ、この斜板支持台56には、主回
転軸40および従動回転軸41の各軸線に垂直な傾動軸
線回りに傾動可能に斜板55が支持される。この斜板5
5には、主回転軸40を中心とする環状の円板状のシュ
ープレート54が装着され、このシュープレート54の
一表面上を、回転軸40を中心として前記シュー53が
滑動する。なお、このシュープレート54は斜板55と
一体とする構造も可能である。
【0025】シリンダブロック51と後カバー34との
間には環状で片面が球面状の円板状のバルブプレート5
7が軸線回りの回転を阻止された状態で後カバー34に
装着される。バルブプレート57には、回転軸40の軸
線を中心とする一対の半円弧状の弁孔(図示せず)が形
成され、一方の弁孔は油圧ポンプ30の吸入口(図示せ
ず)に連通し、他方の弁孔は吐出口(図示せず)に連通
する。したがって、エンジン49によって主回転軸40
を図2の左方から見て時計まわりに回転駆動すると、図
2において紙面の奥側に配置されるピストン52は、シ
ュープレート54に沿って上方へ移動するシュー53に
よってピストン装着孔から引出されて吸入口から作動油
を吸引し、図2の紙面の手前側に配置されるピストン5
2はシュープレート54に沿って移動するシュー53に
よって押込まれてピストン装着孔内の作動油を出口から
吐出する。
【0026】ピストン52には軸線方向に沿って貫通す
る油導通路60が形成され、各シュー53にも軸線方向
に貫通する油導通路61が形成される。したがって、ポ
ンプ駆動時にこれらの油導通路60,61を介してシュ
ー53とシュープレート54との間の滑動面に作動油の
一部が供給されてシュー53はシュープレート54上を
スムーズに滑動することができる。このようにして生じ
たドレン油はハウジング本体32と後カバー34とによ
って形成される空間であるポンプ室39に溜まり、シリ
ンダブロック51の回転によってポンプ室内で撹拌さ
れ、斜板55と斜板支持台56との摺動面などの潤滑油
として利用されるとともに、ハウジング本体32の隔壁
59に装着される軸受42,44の隙間を介して歯車室
48に導かれる。
【0027】主回転軸40の回転力は駆動歯車46およ
び従動歯車47を介して従動回転軸41に伝達される。
従動ポンプ36も前述の駆動ポンプ35と同様の構成を
備えており、従動回転軸41の回転によって駆動され
る。なお、駆動ポンプ35に対応する従動ポンプ36の
構成には同一の参照符号を付して説明は省略する。この
ようにして油圧ポンプ30は2機のポンプ35,36を
駆動して吸入口から吸入した作動油を吐出口から吐出
し、油圧ショベルの走行用油圧モータまたは旋回用油圧
モータ、または油圧シリンダを駆動させる。
【0028】各ポンプ35,36は斜板55の傾転角度
を変えることによって吐出量を調整することができる。
各ポンプ35,36の上方には回転軸40,41に平行
に設けられ、軸線方向に変位可能にサーボピストン62
が設けられる。サーボピストン62と斜板55とは傾転
ピン63を介して連結され、サーボピストン62を前後
に変位駆動することによって斜板55の傾転角度が変わ
り、吐出量を調整することができる。
【0029】このようなサーボピストン62を駆動させ
るために油圧ポンプ30は第2の従動ポンプ37が取付
けられる。第2の従動ポンプ37は歯車ポンプから成
り、駆動歯車が従動回転軸41にスプラインまたはセレ
ーション継手によって回転トルク伝達可能に連結され
る。
【0030】図4は、歯車室48を前方から示す横断面
図である。この図4および図1を参照して歯車室48の
構成を次に説明する。前述したようにポンプ35,36
からのドレン油はポンプ室39から歯車室48に導か
れ、駆動歯車46,47の潤滑のために用いられる。駆
動歯車46に従動歯車47が噛合しているので、駆動歯
車46が図4において時計まわりに回転すると従動歯車
47は反時計まわりに回転することになり、歯車室48
内の作動油はこの歯車46,47の回転に従って流れ
る。
【0031】歯車室48は、ハウジング本体32の隔壁
59と前カバー33の前壁69と周壁79とによって規
定される。歯車室48内の油は、各歯車46,47の回
転による遠心力によって外周部に運ばれ、各歯車46,
47の外周部と周壁79との間の空間に沿って歯車4
6,47の回転とともに流れる。噛合部80に対向する
隔壁59に噛合部80における歯車46,47の回転方
向A上流側の領域S1と下流側の領域S2とを連通する
連通空間81が隔壁59に凹状に形成され、同様に前カ
バー33の前壁69の噛合部80に対向する部分に領域
S1と領域S2とを連通する連通空間82が形成され
る。したがって、駆動歯車46および従動歯車47の回
転とともに左右両側から噛合部80に流込んできた油は
連通空間81,82を介して噛合部80をまたいで回転
方向A上流側の領域S1から下流側の領域S2に導か
れ、下流側の領域S2から再び駆動歯車46および従動
側歯車47の左右両側に別れて再び外周に沿って流れる
ことになる。このようにして歯車室48内では油の流れ
が失われず、歯車室48内でスムーズに循環するので、
従来のように噛合部において油の速度が失われて油の運
動エネルギが熱に変換されて、回転トルクの損失および
油の温度が上昇するといったことが防がれる。これによ
って歯車46,47の冷却効果も向上する。
【0032】歯車などの回転円板の摩擦抵抗を低減させ
るためには、回転する円板とその円板に対向する壁面と
の距離を極端に小さくならない範囲で小さくすることが
有効である。
【0033】したがって本実施形態では、図1に示すよ
うに駆動歯車46に対しては駆動歯車46の前方側の表
面と、前カバー33の前壁69との間の隙間71と、駆
動歯車46の後方側の表面とハウジング本体32の隔壁
59との間の間隙73とを小さく設定している。従動歯
車47に関しても同様に、後方側の表面と隔壁59との
間の間隙70と、前カバー33の前壁69側の表面と従
動歯車47との間の間隙72とをともに小さく設定して
いる。
【0034】また歯車室48に連通するドレンポート8
5がハウジング31に形成される。ポンプ室39からの
ドレン油は前述したように隔壁59の軸受42,44を
介して歯車室48に導かれ、さらにドレンポート85を
介してタンク86に戻される。すなわち、歯車室48を
通過する一連の循環経路が形成されることになるので、
高温となった油が歯車室48内に滞留するといったこと
が防がれ、効果的に歯車46,47を冷却することがで
きる。このような循環流れは、隔壁を設けてポンプ室と
歯車室との油の通路をある程度制限することにより、は
じめて可能となる。
【0035】またポンプ室39から歯車室48に効果的
にドレン油を導くために隔壁59に貫通孔を形成しても
よい。
【0036】図5は歯車46,47の噛合部80の部分
拡大図である。駆動歯車46が矢符Bで示すように時計
まわりに回転するとき、噛合部における駆動歯車46の
歯90の一側面90aと従動歯車47の歯91の一側面
91aとが当接して従動歯車47は反時計まわりに回転
することになる。各ポンプ35,36が無負荷であり、
主回転軸40を回転駆動するエンジン等49が低速回転
するときには従来は従動歯車47の歯91の両側面91
a,91bが駆動歯車46に衝突してガラガラといった
騒音が発生していたが、本発明では従動回転軸41の回
転トルクによって駆動される第2の従動ポンプ37が設
けられるので、この第2の従動ポンプ37が負荷とな
り、従動歯車47は駆動歯車46の回転を妨げる向き、
すなわち図5において矢符C方向に常に回転トルクが作
用する。これによってポンプ35,36の無負荷、低速
回転時においても従動歯車47が振動することなく、常
に歯91の一側面91aを駆動歯車46の歯90の一側
面90aに当接させて回転し、騒音を可及的に防止する
ことができる。
【0037】この第2の従動ポンプ37は、サーボピス
トン62の駆動に限らず、たとえばパイロット圧源もし
くは油圧ショベルの各種アクチュエータの駆動用のポン
プなど、従動回転軸41に負荷を作用させる物であれば
よい。また、第2の従動ポンプ37は歯車ポンプに限ら
ず、トロコイド歯形の内接歯車ポンプであってもよく、
ベーンポンプであってもよい。
【0038】本実施形態では駆動および従動ポンプ3
5,36は、斜板式ピストンポンプとしたが、本発明の
他の実施形態として各ポンプ35,36を斜軸式ピスト
ンポンプとしてもよい。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、駆動歯
車と従動歯車との噛合部における回転方向上流側の領域
と下流側の領域とを連通する連通空間を設けることによ
って、歯車室内の油をスムーズに循環させることがで
き、これによって動力損失を可及的に低減し、また歯車
室内の油の温度の上昇も抑え、冷却効果も向上すること
ができる。
【0040】また、歯車室にドレンポートを設けること
によってポンプ室からのドレン油を歯車室を介してタン
クに戻すことができ、これによって温度が上昇した油が
歯車室に滞留して冷却効果が低減するといったことを防
ぐことができる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である油圧ポンプ30を
示す横断面図である。
【図2】油圧ポンプ30の縦断面図である。
【図3】油圧ポンプ30の油圧回路図である。
【図4】歯車室48を示す正面図である。
【図5】歯車46,47の噛合部80の部分拡大図であ
る。
【図6】従来の油圧ポンプ1を示す断面図である。
【図7】歯車室11を示す断面図である。
【図8】噛合部28の部分拡大図である。
【符号の説明】
30 油圧ポンプ 31 ハウジング 39 ポンプ室 40 主回転軸 41 従動回転軸 46 駆動歯車 47 従動歯車 48 歯車室 59 隔壁 80 噛合部 85 ドレンポート 86 タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−121352(JP,A) 実開 昭55−69165(JP,U) 実開 昭62−200107(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 1/16 F04B 23/06 F04B 53/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転力が入力される主回転軸によって駆
    動される駆動ポンプと、前記主回転軸に設けられる駆動
    歯車に噛合する従動歯車を介して駆動力が伝達される従
    動回転軸によって駆動される従動ポンプとを有し、駆動
    ポンプおよび従動ポンプが並列にハウジングに収容され
    る油圧ポンプにおいて、 ハウジングには駆動歯車および従動歯車が収容される歯
    車室と、駆動および従動ポンプが収容されるポンプ室と
    を仕切る隔壁が設けられ、歯車室に臨むハウジングに、
    歯車室内のドレン油をタンクに戻すためのドレンポート
    が設けられ、駆動および従動ポンプからのドレン油が歯
    車の潤滑のために歯車室に導かれ、歯車室内の油はドレ
    ンポートから排出されて、歯車室を通過する一連の循環
    経路が形成され、 駆動および従動歯車に対向する隔壁、および隔壁とは反
    対側で、駆動および従動歯車に対向する前壁と、各歯車
    との間の距離が、摩擦抵抗を低減するために小さく設定
    され、 駆動歯車と従動歯車との噛合部に対向する隔壁および前
    壁に、噛合部における歯車の回転方向上流側の領域と下
    流側の領域とを連通する連通空間が凹状に形成され、 駆動および従動歯車の外周に沿って流れる油が、前記上
    流側の領域で合流し、前記凹所を介して噛合部を超えて
    前記下流側の領域に導かれて歯車室内を循環し、 前記駆動ポンプおよび従動ポンプは斜板式油圧ポンプで
    あることを特徴とする油圧ポンプ。
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