JP3103525B2 - 貫通孔のシール装置 - Google Patents

貫通孔のシール装置

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JP3103525B2
JP3103525B2 JP09348256A JP34825697A JP3103525B2 JP 3103525 B2 JP3103525 B2 JP 3103525B2 JP 09348256 A JP09348256 A JP 09348256A JP 34825697 A JP34825697 A JP 34825697A JP 3103525 B2 JP3103525 B2 JP 3103525B2
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    • C21C5/42Constructional features of converters
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    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D25/00Devices or methods for removing incrustations, e.g. slag, metal deposits, dust; Devices or methods for preventing the adherence of slag
    • F27D25/001Devices or methods for removing incrustations, e.g. slag, metal deposits, dust; Devices or methods for preventing the adherence of slag comprising breaking tools, e.g. hammers, drills, scrapers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁を貫通する軸の
周囲を、壁と軸との間の相対的な運動を許容しながら気
密に封止する貫通孔のシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、軸が壁を貫通する部分で、軸
が軸線方向あるいは軸線まわりに運動する場合の気密封
止には、図8に示すようなシール装置が用いられてい
る。図8(1)は、軸1が壁2に設けられる貫通孔3を
貫通する部分を、貫通孔3の内部に保持されるチューブ
4を軸1の外周面に摺接させて封止する。チューブ4内
には気体や液体などの流体を封入させ、その圧力でチュ
ーブ4の内周側を軸1の外周面に押付ける。図8(2)
は、グランドパッキン方式シール装置を示す。軸1は、
ホルダによって保持されるグランドパッキン6によって
外囲される。グランドパッキン6は、グランド7をボル
ト8によって、軸1の軸線方向に締付けて圧縮すること
によって、半径方向への押付け力を生じ、軸1の外周面
に対して緊密に接触する。
【0003】図9は、先行技術で開示されているシール
装置の例を示す。図9(1)は、特開平1−17250
6(特許第2628172号)で開示されている多層カ
ーボンリング方式を示す。この先行技術では、ランス1
0を金属溶融炉の炉壁11に挿入する部分に、多層のカ
ーボンリング12を用いてランス孔13とランス10と
の間に生じる隙間のシールを行っている。転炉などの金
属溶融炉では、精錬用の酸素または各種の粉体原料を吹
込むために、パイプ状のランス10を炉内に挿入し、軸
線に沿って炉から引抜く操作を繰返して行う必要があ
る。また金属溶融炉では、炉内の雰囲気は高温でかつ大
気圧とは異なる圧力を有する。ランス10のシール装置
は、高温に耐えかつ炉内の雰囲気が周囲の大気中に漏洩
しないように気密に封止し、かつランス10の軸線方向
の移動が可能である必要がある。カーボンリング12
は、その内周面がランス10の外周面に摺接可能であ
り、円周方向に複数個のセグメントに分割される。分割
されたセグメントは、弾性リング部材を用いてリング状
に保持され、拡縮自在でかつ半径方向の内方に付勢され
る。カーボンリング12は、耐熱性および耐摩耗性を具
備する焼結黒鉛などで形成される。
【0004】図9(2)は、特開昭60−187612
(特公昭62−20257)で開示されているランスホ
ールコーン方式を示す。炉壁11に形成されるランス孔
13の上部にランスコーン14が載置され、ランスコー
ン14内に形成されるラビリンス15でランス10の周
囲のシールを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、開発が進められ
ている鉄の溶融還元プラントなどにおいては、炉内に酸
素を吹込むためにパイプ状のランスが設けられる。この
ランスは、炉の煙道壁に設けられる孔を貫通して炉内に
挿入される。煙道内には、ダストを含む高温で高圧のガ
スが流れているために、ランスが貫通する孔には外部の
大気側と遮断するシール装置が必要である。
【0006】図8(1)に示すような単にゴム製のチュ
ーブ4のみで軸1としてのランスをシールするような構
成では、次のような欠点がある。 チューブ4を軸1に押付けたまま軸1を動かすと、チ
ューブ4の一部が軸1に引きずられて、軸1と壁2との
間の隙間に入込み、チューブ4が損傷する。 一般に、軸1の表面は滑らかではないため、チューブ
4が軸1に押付けられたまま軸1を動かすと、軸1と接
触するチューブ4の表面が部分的に損耗する。 壁が外気に対して隔てようとしているプロセス流体の
温度や、軸1がパイプであって、内部を通過する流体の
温度が高い場合に、熱によってチューブ4が損傷する。 劣化等によってチューブ4が破れた場合、シールが完
全に破綻し、プロセス流体が外部に吹出る等の状態にな
る可能性がある。
【0007】図8(2)に示すグランドパッキン方式
は、次のような欠点がある。 締付けによって完全なシールを行うことができるけれ
ども、締付力の調整ができないため、軸1の移動に過大
の力を要する。特に軸1の径が数百mmという大きい値
になると、移動が困難になる。また、軸線方向の長さが
長くなると、半径方向への押付け力にばらつきが生じや
すくなる。 グランドパッキン6の内側に潤滑油を塗布すると、軸
1の移動がやや容易になるけれども、軸1に付着した潤
滑油が高温のプロセスガスに触れて炭化し、軸1に固着
するという不都合を生じる。
【0008】図9(1)や図9(2)に示すシール方式
は、次のような欠点がある。 これらの方式は、基本的にはラビリンス方式であり、
完全な気密封止は不可能である。したがって、プロセス
流体の漏洩量が大きく、溶融還元プラントで必要となる
高圧プロセス流体には対応が不可能である。 溶融還元プロセスなどの内部ガスの吹出しを防止する
ために、窒素などをシール用ガスとしてシール部分に吹
込む場合には、窒素消費量が大きく、かつ多量の窒素が
大気中に吹出すため、雰囲気が酸欠になるおそれがあ
る。
【0009】本発明の目的は、炉内ガスなどのプロセス
流体の圧力と大気との圧力差が大きくなっても、シール
を良好に行うことができ、シール用の窒素ガスなどの消
費量を低減させることができる貫通孔のシール装置を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、大気圧と異な
る圧力のプロセス流体が保持される壁の貫通孔に挿通さ
れ、該壁に対して相対的に変位する軸の周囲を、貫通孔
内で気密に封止する貫通孔のシール装置において、該軸
の外周面と、該貫通孔の内周面との間には隙間が設けら
れており、該軸の外周面を覆うパッキン材と、該パッキ
ン材の外周面と該貫通孔の内周面との間に挿入され、可
撓性を有して該軸の軸線まわりに巻付けられるチューブ
と、該軸の軸線に関し、該パッキン材および該チューブ
を該貫通孔内に保持する保持手段と、該チューブ内に流
体を充満させ、該流体の圧力を調整可能な調整手段とを
含み、該チューブには、該調整手段から供給される流体
の供給口と、該チューブ内の流体を排出させる排出口と
が設けられ、該調整手段は、該供給口から該チューブ内
へ流体を供給しながら、該排出口から該チューブ内の流
体を抜取ることが可能であることを特徴とする貫通孔の
シール装置である。
【0011】本発明に従えば、貫通孔内で貫通孔の内周
面と軸の外周面との間に、軸の外周面を覆うパッキン材
と、パッキン材の外周面と貫通孔の内周面との間に挿入
されるチューブと、パッキン材およびチューブを貫通孔
内に保持する保持手段とが設けられる。チューブ内に
は、調整手段によって流体が充満され、流体の圧力が調
整される。チューブの圧力によって、パッキン材が軸の
外周面に押付けられ、貫通孔が設けられる壁に対して軸
の相対的な変位を許容しながら、軸の周囲を気密に封止
することができる。調整手段によってチューブ内の流体
の圧力を調整すれば、軸の外周面とパッキン材の内周面
との摺接状態を調整し、軸の移動に対する負荷を小さく
した状態で充分なシールが可能なように調整することが
できる。したがって構造が簡単であり、保守が容易で設
備費を安価にすることができる。しかも、高圧のプロセ
ス流体に対してもシール性が高く、シール用のガスを吹
込む場合であっても、その消費量を大幅に低減すること
が可能である。チューブ内の流体圧を低下させて適切に
調整すれば、軸の移動が容易であり、かつ移動中でもシ
ール性を大幅に低下しないようにすることができる。チ
ューブ内の流体圧を上昇させれば、容易に気密性を向上
させることができる。また、チューブが破損するような
ことがあっても、チューブ内の流体はパッキン材を軸1
の外周面に押付けるように作用するので、プロセス流体
の漏れを防ぐことができる。チューブは、直接軸の外周
面に接触しないで、パッキン材が軸の外周面に接触して
いるので、チューブの噛込みや摩耗等による損耗を防ぐ
ことができる。チューブが直接軸やプロセス流体に接触
しないので、チューブの耐久性を向上させることができ
る。またチューブ内の流体の圧力を調整することによっ
て、パッキン材による軸の締付け力を変えることができ
る。すなわちシール効果を、プロセス流体の漏れなどの
検知によって判定して、締付け力を増加したり、逆に軸
が動きにくい場合には圧力を下げたりすることができ
る。さらに、調整手段からチューブに流体を供給するた
めの供給口と、流体を排出させるための排出口とが設け
られて、調整手段は供給口からチューブ内へ流体を供給
しながら排出口からチューブ内の流体を抜取ることが可
能であるので、流体でチューブ内を冷却することも可能
となる。これによって、チューブの温度を所定値以下に
保つことができ、高温のプロセスガスが使用されるよう
な設備に対しても充分に適用することが可能となる。
【0012】また本発明は、前記パッキン材の外周面と
前記チューブの内周面との間に、径の変化が可能な、環
状の押金を備えることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、パッキン材の外周面とチ
ューブの内周面との間に、径の変化が可能な環状の押金
を備えるので、チューブの圧力を均等にパッキン材に伝
え、パッキン材を均等に軸の外周面に押付けることが可
能になる。
【0014】さらに本発明は、大気圧と異なる圧力のプ
ロセス流体が保持される壁の貫通孔に挿通され、該壁に
対して相対的に変位する軸の周囲を、貫通孔内で気密に
封止する貫通孔のシール装置において、該軸の外周面
と、該貫通孔の内周面との間には隙間が設けられてお
り、該軸の外周面を覆うパッキン材と、該パッキン材の
外周面と該貫通孔の内周面との間に挿入され、可撓性を
有して該軸の軸線まわりに巻付けられるチューブと、該
軸の軸線に関し、該パッキン材および該チューブを該貫
通孔内に保持する保持手段と、該チューブ内に流体を充
満させ、該流体の圧力を調整可能な調整手段と、該パッ
キン材の外周面と該チューブの内周面との間に挿入さ
れ、径の変化が可能な環状の押金とを含み、該軸の外周
面と該貫通孔の内周面との間の隙間に、該軸線方向に沿
って間隔をあけて配置される複数のリングスペーサを備
え、該リングスペーサによって区画される各隙間に、該
パッキン材、該チューブおよび該押金の組合せがそれぞ
れ並べられることを特徴とする貫通孔のシール装置であ
る。
【0015】本発明に従えば、貫通孔内で貫通孔の内周
面と軸の外周面との間に、軸の外周面を覆うパッキン材
と、パッキン材の外周面と貫通孔の内周面との間に挿入
されるチューブと、パッキン材およびチューブを貫通孔
内に保持する保持手段とが設けられる。チューブ内に
は、調整手段によって流体が充満され、流体の圧力が調
整される。チューブの圧力によって、パッキン材が軸の
外周面に押付けられ、貫通孔が設けられる壁に対して軸
の相対的な変位を許容しながら、軸の周囲を気密に封止
することができる。調整手段によってチューブ内の流体
の圧力を調整すれば、軸の外周面とパッキン材の内周面
との摺接状態を調整し、軸の移動に対する負荷を小さく
した状態で充分なシールが可能なように調整することが
できる。したがって構造が簡単であり、保守が容易で設
備費を安価にすることができる。しかも、高圧のプロセ
ス流体に対してもシール性が高く、シール用のガスを吹
込む場合であっても、その消費量を大幅に低減すること
が可能である。チューブ内の流体圧を低下させて適切に
調整すれば、軸の移動が容易であり、かつ移動中でもシ
ール性を大幅に低下しないようにすることができる。チ
ューブ内の流体圧を上昇させれば、容易に気密性を向上
させることができる。また、チューブが破損するような
ことがあっても、チューブ内の流体はパッキン材を軸1
の外周面に押付けるように作用するので、プロセス流体
の漏れを防ぐことができる。チューブは、直接軸の外周
面に接触しないで、パッキン材が軸の外周面に接触して
いるので、チューブの噛込みや摩耗等による損耗を防ぐ
ことができる。チューブが直接軸やプロセス流体に接触
しないので、チューブの耐久性を向上させることができ
る。またチューブ内の流体の圧力を調整することによっ
て、パッキン材による軸の締付け力を変えることができ
る。すなわちシール効果を、プロセス流体の漏れなどの
検知によって判定して、締付け力を増加したり、逆に軸
が動きにくい場合には圧力を下げたりすることができ
る。さらに、パッキン材の外周面とチューブの内周面と
の間に、径の変化が可能な環状の押金を備えるので、チ
ューブの圧力を均等にパッキン材に伝え、パッキン材を
均等に軸の外周面に押付けることが可能になる。パッキ
ン材、押金およびチューブの組合せは、軸線方向に沿っ
て複数組並べられ、リングスペーサによって区画される
ので、間隔維持して、シールを良好に行うことができ
る。
【0016】また本発明は、前記軸の軸線方向に隣接し
て、該軸の外周面上の汚れを除去する清掃手段を備える
ことを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、清掃手段として、たとえ
ばワイヤブラシやスクレーパなどを付設することによっ
て、軸の外周面に付着したダスト等を除去することが可
能になる。
【0018】また本発明は、前記保持手段よりも前記プ
ロセス流体側から、または前記保持手段によって保持さ
れる前記パッキン材内部から、前記軸に向かって該プロ
セス流体とは異なる流体を、該プロセス流体よりも高い
圧力で、かつ流量が調整可能なように吹込む気体吹込み
手段を備えることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、保持手段よりもプロセス
流体側または保持手段によって保持されるパッキン材内
部から、軸に向かってプロセス流体と異なる気体を、プ
ロセス流体よりも高い圧力でかつ流体が調整可能なよう
に吹込むので、プロセス流体の外部への漏洩を充分に防
止することができる。軸の外周面とパッキン材の内周面
との間は、チューブの圧力によって充分に気密に封止さ
れるので、気体吹込み手段によって吹込まれるシール用
の流体の量も少なくすることができる。
【0020】また本発明は、前記保持手段を、前記軸に
間隔をあけて連結する索具が設けられ、該軸を前記貫通
孔から引抜く場合に、該保持手段と前記パッキン材およ
び前記チューブも、該索具による連係状態で該貫通孔か
ら取外し可能であることを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、軸を貫通孔から引抜く際
に、保持手段によって保持されるパッキン材およびチュ
ーブも索具によって連結されているので、軸をある程度
引抜けば、その後は連係して貫通孔から取外し可能とな
り、軸の引抜きに要する移動量を少なくすることができ
る。たとえば軸を鉛直方向に引抜く場合に、軸を持ち上
げる高さがシール装置の長さ分だけ低くなるので、昇降
装置やそれを支える建屋等の高さを低くすることができ
る。また、索具の長さを調整し、軸を貫通孔から引抜い
た状態でも軸の周囲にパッキン材およびチューブが保持
されるようにすれば、軸を再び貫通孔に挿入する際に、
改めて軸の周囲の封止のためにパッキン材やチューブお
よび保持手段を装着する手間を省くことができる。
【0022】また本発明で前記軸は、前記壁のプロセス
流体側に付設される締切弁を、該締切弁が全開状態であ
るときに挿通して使用され、該締切弁から引抜いて、該
締切弁を全閉状態とすることによって、該プロセス流体
の漏洩なしに該軸の交換が可能であることを特徴とす
る。
【0023】本発明に従えば、壁のプロセス流体側に締
切弁を付設しておく。締切弁を全閉状態とすれば、プロ
セス流体の漏洩なしに軸の交換を行うことができるの
で、プロセスの稼動中であっても軸の交換が可能とな
る。
【0024】また本発明で前記壁は溶融金属炉の外壁で
あり、前記軸はランスとして使用されるパイプであるこ
とを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、溶融金属炉に設けられる
ランス挿入孔の気密封止を、簡単な構造で、かつ大きな
圧力差にも耐え、シールガス量の低減も可能なように封
止することができる。
【0026】さらに本発明は、大気圧と異なる圧力のプ
ロセス流体が保持される壁の貫通孔に挿通され、該壁に
対して相対的に変位する軸の周囲を、貫通孔内で気密に
封止する貫通孔のシール装置において、該軸の外周面
と、該貫通孔の内周面との間には隙間が設けられてお
り、該軸の外周面を覆うパッキン材と、該パッキン材の
外周面と該貫通孔の内周面との間に挿入され、可撓性を
有して該軸の軸線まわりに巻付けられるチューブと、該
軸の軸線に関し、該パッキン材および該チューブを該貫
通孔内に保持する保持手段と、該チューブ内に流体を充
満させ、該流体の圧力を調整可能な調整手段とを含み、
該チューブがリング状ではなく、円周方向に分割された
複数のチューブからなり、それらをリング状に配列した
ことを特徴とする貫通孔のシール装置である。
【0027】本発明に従えば、貫通孔内で貫通孔の内周
面と軸の外周面との間に、軸の外周面を覆うパッキン材
と、パッキン材の外周面と貫通孔の内周面との間に挿入
されるチューブと、パッキン材およびチューブを貫通孔
内に保持する保持手段とが設けられる。チューブ内に
は、調整手段によって流体が充満され、流体の圧力が調
整される。チューブの圧力によって、パッキン材が軸の
外周面に押付けられ、貫通孔が設けられる壁に対して軸
の相対的な変位を許容しながら、軸の周囲を気密に封止
することができる。調整手段によってチューブ内の流体
の圧力を調整すれば、軸の外周面とパッキン材の内周面
との摺接状態を調整し、軸の移動に対する負荷を小さく
した状態で充分なシールが可能なように調整することが
できる。したがって構造が簡単であり、保守が容易で設
備費を安価にすることができる。しかも、高圧のプロセ
ス流体に対してもシール性が高く、シール用のガスを吹
込む場合であっても、その消費量を大幅に低減すること
が可能である。チューブ内の流体圧を低下させて適切に
調整すれば、軸の移動が容易であり、かつ移動中でもシ
ール性を大幅に低下しないようにすることができる。チ
ューブ内の流体圧を上昇させれば、容易に気密性を向上
させることができる。また、チューブが破損するような
ことがあっても、チューブ内の流体はパッキン材を軸1
の外周面に押付けるように作用するので、プロセス流体
の漏れを防ぐことができる。チューブは、直接軸の外周
面に接触しないで、パッキン材が軸の外周面に接触して
いるので、チューブの噛込みや摩耗等による損耗を防ぐ
ことができる。チューブが直接軸やプロセス流体に接触
しないので、チューブの耐久性を向上させることができ
る。またチューブ内の流体の圧力を調整することによっ
て、パッキン材による軸の締付け力を変えることができ
る。すなわちシール効果を、プロセス流体の漏れなどの
検知によって判定して、締付け力を増加したり、逆に軸
が動きにくい場合には圧力を下げたりすることができ
る。さらに、チューブがリング状ではなく、円周方向に
分割された複数のチューブからなり、それらをリング状
に配列できるため、大口径の軸のシールが安価に実現可
能となり、また万一チューブが破損しても破損した分割
されたチューブのみ交換すればよいため維持費が安い。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態と
してのシール装置20の概略的な構成を示す。パイプ2
1は、プロセス設備の壁面22に設けられるパイプ貫通
座23を貫通する。壁面22の外部側に、パイプ21の
軸線に沿って複数のチューブ24が配置される。チュー
ブ24は、外筒25の内周側に配置される。チューブ2
4とパイプ21との間には、グランドパッキン26が配
置される。外筒25には、パイプ21の軸線方向両端側
にフランジが設けられ、壁面22と対向する側にはパッ
キン押さえ27が装着される。外筒25のフランジとパ
ッキン押さえ27および壁面22との間は、ボルト28
とナット29とを用いて締結する。チューブ24はゴム
材料製であり、内部に流体を充満させると、その圧力で
膨張する。グランドパッキン26は、従来からのグラン
ドパッキンと基本的に同等である。外筒25、パッキン
押さえ27、リングスペーサ32は、鉄などの金属製で
ある。
【0029】本実施形態では、チューブ24とグランド
パッキン26との間に、押金30が配置される。押金3
0は、半径方向に拡縮可能であり、チューブ24を膨張
させるときの押圧力をグランドパッキン26の外周面に
均等に伝達させる作用を有する。チューブ24を膨張さ
せるために、チューブ24内には締付けガス出入口31
を介して締付けガスが供給される。複数のチューブ24
およびグランドパッキン26は、パイプ21の軸線方向
に間隔をあけて配置され、その間隔はリングスペーサ3
2によって維持される。外筒25は、ボルト28および
ナット29によってプロセス設備の壁面22に取付けら
れるので、パイプ貫通座23とともにパイプ21が挿通
する貫通孔を形成する。この気密性を維持するため、外
筒25のフランジと、パッキン押さえ27および壁面2
2との接合部には、ガスケット33が介在される。
【0030】図2は、図1に締付けガス出入口31に締
付けガスを供給してチューブ24内の圧力を調整するた
めの構成を示す。締付けガス出入口31には、管路34
を介して締付けガスが供給される。空気や窒素などの締
付けガスの供給は、供給バルブ35が開の状態で行われ
る。管路34には、排出バルブ36も接続され、排出バ
ルブ36を開の状態とすると、管路34から締付けガス
を大気中に放散させることができる。供給バルブ35お
よび排出バルブ36の開度は、圧力調節計37の出力に
よって制御され、チューブ24内の圧力が一定になるよ
うに調整される。圧力調節計37の設定を変更し、チュ
ーブ24内の圧力を変化させれば、グランドパッキン2
6が図1のパイプ21の外周面に摺接する圧力を調整す
ることができる。
【0031】図3は、図1に示す押金30の構成を示
す。押金30は、全体としてはリング状であり、円周方
向に複数個のセグメント38に分割されている。各セグ
メント38は、その外周面に形成される溝内に嵌入する
コイルばね39によって、リング状の状態が保持され、
半径方向の内外に変位して全体としての拡縮が可能であ
る。各セグメント38が金属であることを除いて、この
ような押金30の構造は、特開平1−172506(特
許第2628172号)の第3図および第4図に記載さ
れている構成と同等である。
【0032】図4は、本発明の実施の他の形態のシール
装置40の構成を示す。本実施形態では、図1の実施形
態と基本的に同等のシール装置と、パイプ21の表面の
付着物を掻き取るためのスクレーパ49およびパイプ2
1の表面を清浄にするためのワイヤブラシ48が設けら
れている。シール装置の中間部には、パージ用窒素ガス
入口41が設けられる。壁面22内のプロセス流体より
も一定値高い圧力、たとえばプロセス流体圧力ガス+1
kgf/cm2に保ち、パイプ21と当てものであるグ
ランドパッキン26との間の微小な隙間から、局部的に
内部へ少量の窒素ガスが侵入したり、侵入する用意があ
るようになっている。
【0033】なおパイプ21を軸線方向に移動させる際
には、グランドパッキン26とパイプ21との間の締付
け力を緩めるために、チューブ24内の圧力を減少させ
る。このときグランドパッキン26とパイプ21との間
の隙間が大きくなって、パージ用窒素ガス入口41から
供給される窒素ガスが大きくなった隙間にやや多く入込
むようになる。入込む窒素ガスの一部はプロセス流体中
に入り、残りの窒素ガスはシール装置40の外部へ出
る。これによって、プロセス流体が大きくなった隙間を
通して外部に流出することを防止することができ、また
プロセス流体がチューブ26に触れることも防止するこ
とができる。プロセス流体が高温であっても、チューブ
24には触れないので、チューブ24はプロセス流体に
よる損傷を受けない。なおパイプ21を移動する際に
も、パイプ21とグランドパッキン26とは接触してい
るので、パージ用窒素ガスの消費量は、従来の方法に比
較してはるかに少なくなる。
【0034】プロセス流体が高温であったり、ダストを
含んでいたり、あるいはシール装置にとって有害な成分
を含んでいる場合は、プロセス流体をシール装置から隔
てる必要がある。そのためシール装置の壁面22寄りの
端部にもパージ用窒素ガス入口42を設け、パージ用の
窒素ガスを吹込む。吹込む量については、流量が一定と
なるような制御を行ってもよいし、間欠的に吹込むよう
な制御を行ってもよい。
【0035】シール装置の中間のパージ用窒素ガス入口
41から吹込まれる窒素ガスについて、多段となってい
る全てのチューブ24の外まわりの圧力を均一にするた
め、リングスペーサ43には均圧孔44が設けられ、各
リングスペーサ43で区切られる空間を連通させる。本
実施形態の外筒45は、清掃装置46を介して壁面22
に装着される。
【0036】清掃装置46では、ホルダ47でワイヤブ
ラシ48およびスクレーパ49を保持している。スクレ
ーパ49は、パイプ21の表面の付着物を掻き取るため
に設けられる。さらにパイプ21の表面を清浄にするた
めにワイヤブラシ48が設けられる。パイプ21が、溶
融金属炉内に挿入されるランスなどであるときには、そ
の表面にはダストが付着したり、溶融している金属やス
ラグが付着して凝固していたりする。パイプ21の表面
に付着物がある状態でグランドパッキン26に接触する
と、グランドパッキン26に付着物が固着し、グランド
パッキン26の柔軟性が損なわれたり、隙間に固着物が
介在することで、隙間を大きくして気密性を低下させた
りする。パージ用窒素ガス入口42から吹込む窒素ガス
は、スクレーパ49やワイヤブラシ48で除去される付
着物を装置内部に吹飛ばす作用も行う。
【0037】図5は、本発明の実施のさらに他の形態と
して調整装置50を用いて、チューブ24内に締付け流
体を供給しながらチューブ24内の流体を抜出す構成を
示す。チューブ24には、締付け流体供給口51および
締付け流体出口52が設けられる。締付け流体供給口5
1には、供給管路53を介して圧力制御弁54によって
圧力が制御される締付け流体が供給される。締付け流体
出口52からは、排出管路55を介して流量制御弁56
によって流量が制御されて締付け流体の抜出しが行われ
る。圧力制御弁54および流量制御弁56は、供給管路
53および排出管路55の圧力および流量をそれぞれ検
出して調整する圧力調節計57および流量調節計58に
よって制御される。
【0038】圧力調節計57は、締付け流量供給口51
の圧力が適正値となるようにして、当てものであるグラ
ンドパッキン26によるパイプ21の締付け力を制御す
る。流量調節計58は、一定量の締付け流体を抜取るよ
うに調整する。ただし、締付け流体供給口51側の圧力
が制御目標の圧力よりも大きくなってしまう場合は、圧
力調節計57から流量調節計58に指令を与え、締付け
流体出口52からの流体の抜出し流量が自動的に増加す
るようにカスケード的な制御が行われる。また、締付け
流体供給口51側の圧力設定値は、調整装置50の外部
からリモート制御される。たとえば、パイプ21を動か
す場合には4kgf/cm2・G、パイプ21を停止す
る際には6kgf/cm2・Gに遠隔的に設定される。
【0039】本実施形態では、チューブ24内の締付け
流体は、常時置換されるため、チューブ24が高温にな
ることはない。たとえばパイプ21内に高温の流体が流
通しているような場合や、プロセス流体の温度が高い場
合に、シール装置全体の温度が徐々に高まるので、本実
施形態のような制御を行わないと、チューブ24の温度
が高まり、やがてチューブ24の耐熱温度を超えてしま
い、チューブ24が急速に劣化するおそれがある。チュ
ーブ24は、弾性変形可能なゴムなどの材料で形成さ
れ、材料自体の耐熱性はあまり大きくすることができな
い。なお、締付け流体は窒素のような気体でも水のよう
な流体でもよい。図5では、当てものであるグランドパ
ッキン26が2段で、単一のチューブ24で押圧するよ
うにしているけれども、図1や図4に示すような多段式
のチューブ24は、供給管路53および排出管路55を
設け、各段のチューブ24には絞り部を設ける分岐管で
各段に締付け流体が均等に分配されるようにすることが
できる。
【0040】図6は、本発明の実施のさらに他の形態と
して、たとえば図1と同様なシール装置20を、パイプ
21に対し、鎖などの索具60で連結し、パイプ21を
壁面22のパイプ貫通座23から引抜くときに、シール
装置20も連係して引抜きが可能な構成を示す。シール
装置20を壁面22に装着した状態のままパイプ21を
引抜こうとすると、パイプ21の長さL1を壁面22か
ら引出した上に、さらにシール装置20の長さL2分を
引抜く必要がある。本実施形態のように、索具60でシ
ール装置20とパイプ21とを連係させれば、パイプ2
1をL1分だけ壁面22から引抜けば、パイプ21を設
備から除去することができる。
【0041】特に、パイプ21の上下方向の引抜きが必
要である場合は、シール装置20の高さL2だけパイプ
21を引抜く昇降装置のストロークを短くすることがで
き、あるいは設備を収納する建屋の高さを減少させるこ
とができる。索具60は、パイプ21がランスなどとし
て操業している間にも常に装着したままでおくことも可
能である。ただしその場合のパイプ21の移動可能長さ
は、索具60の長さの範囲内に限定される。索具60を
除去すれば、このような移動可能長さの制限はなくな
り、パイプ21を軸線方向に大きく変位させることがで
きる。本実施形態のように、索具60でパイプ21とシ
ール装置20とを連係させておけば、新たにパイプ21
を壁面22に装着するときに、シール装置20内にパイ
プ21を改めて挿通させる必要はなく、隙間の調整など
も簡略化して行うことが可能となる。
【0042】図7は、本発明の実施のさらに他の形態と
して、パイプ貫通座23の端面に締切弁70を設けてお
き、パイプ21を締切弁70が全開状態では締切弁70
を挿通可能とし、締切弁70が全閉状態では、締切弁7
0によってパイプ21が挿通される。パイプ貫通座23
側には、プロセスガスなどの漏洩が生じないように構成
している。図7(1)は、締切弁70からパイプ21の
先端を引抜いた状態を示す。図7(2)は、壁面22か
らシール装置20を取外し、索具60によって連係させ
た状態でパイプ21およびシール装置20を壁面22か
ら除去する状態を示す。これらの間に、締切弁70を全
閉状態としておけば、プロセス流体が外部に流出するこ
となく、パイプ21の交換などを行うことができる。
【0043】以上説明した各実施形態では、パイプ21
として金属溶融炉のランスを想定し、上下方向に移動可
能としているけれども、パイプ21としては冶金用のラ
ンスのみならず、大気圧以上の高圧または大気圧以下の
真空状態の流体を取扱う各種設備で、その壁を貫通させ
たパイプを経て外部から流体または固体を供給したり、
逆に外部へ取出したりするような設備に適用することが
できる。パイプ21の軸線も鉛直方向ばかりでなく、水
平や他の傾斜した方向とすることも可能である。またパ
イプ21のように内部に流体や固体が通過可能であるば
かりでなく、機械的な変位や駆動力を伝達する軸の気密
封止であっても、同様に本発明を適用することができ
る。
【0044】また、チューブ24はリング状であるけれ
ども、円周方向に複数個に分割した形状のチューブを、
リング状に配列するようにしてもよい。円周方向に分割
された複数のチューブをリング状に配列できるため、大
口径の軸のシールが安価に実現可能となり、また万一チ
ューブが破損しても破損した分割されたチューブのみ交
換すればよいため維持費が安い。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、簡単な構
造で、圧力差が大きい場合であっても貫通孔に挿通され
る軸の周囲を気密に封止し、しかも軸の移動を容易に行
うような調整も可能にすることができる。さらに、チュ
ーブ内に流量を供給しながらチューブ内の流体の排出が
可能となるので、流体によってチューブ内を冷却し、耐
熱性を向上させることができる。
【0046】また本発明によれば、押金を利用してチュ
ーブによるパッキン材の押圧を均等に行わせ、不均一な
押圧によって軸の相対的な移動を困難にし、かつ気密封
止性を損なうことを防ぐことができる。
【0047】また本発明によれば、簡単な構造で、圧力
差が大きい場合であっても貫通孔に挿通される軸の周囲
を気密に封止し、しかも軸の移動を容易に行うような調
整も可能にすることができる。また、押金を利用してチ
ューブによるパッキン材の押圧を均等に行わせ、不均一
な押圧によって軸の相対的な移動を困難にし、かつ気密
封止性を損なうことを防ぐことができる。さらに、パッ
キン材、押金およびチューブは、リングスペーサで区画
して、軸線方向に複数組並べられるので、シールを良好
に行うことができる。
【0048】また本発明によれば、清掃手段によって軸
の外周面の汚れが除去されるので、軸の外周面に付着し
た汚れによって気密性が損なわれることはなく、良好な
封止状態を維持することができる。
【0049】また本発明によれば、気体吹込み手段によ
って吹込まれる気体をシールガスとしてプロセスガスと
大気との間を有効に遮断することができる。パッキン材
による軸の外周面への接触状態をチューブの圧力調整に
よって容易に行うことができるので、シールガスの流量
も低減し、少ないシールガスの流量で有効な遮断を行う
ことができる。
【0050】また本発明によれば、軸を貫通孔から引抜
く際に貫通孔内でのシールに必要なパッキン材およびチ
ューブと保持手段とを連係して移動させることができる
ので、軸の引抜きに要する移動量が小さくなり、かつ引
抜いた後の軸とそのシール装置との組合わせをそのまま
維持して、再び軸を貫通孔に挿入する際に、軸に対する
気密封止を継続させることができる。
【0051】また本発明によれば、締切弁を設けてある
ので、軸を交換する際に設備の稼動を続けながら行うこ
とができる。
【0052】また本発明によれば、溶融金属炉に挿入す
るランスの挿入孔の部分の気密封止を簡単な構造でかつ
吹込みシールガス量の大幅な低減を可能にすることがで
きる。シール装置の保守が容易で設備費が安価になるの
で、溶融金属炉のメンテナスに要する費用を低減し、生
産性を向上させることができる。
【0053】さらに本発明によれば、簡単な構造で、圧
力差が大きい場合であっても貫通孔に挿通される軸の周
囲を気密に封止し、しかも軸の移動を容易に行うような
調整も可能にすることができる。また、チューブが円周
方向に複数個に分割されているので、大口径の軸のシー
ルを安価に実現され、維持費も安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の概略的な構成を示す断
面図である。
【図2】図1の実施形態で締付けガスを供給するための
構成を示す部分的な断面図である。
【図3】図1の実施形態の押金30の構成を示す斜視図
である。
【図4】本発明の実施の他の形態のシール装置40の概
略的な構成を示す断面図である。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態としての調整装
置50の概略的な構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態の概略的な構成
を示す断面図である。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態の概略的な構成
を示す断面図である。
【図8】従来からのシール装置の概略的な構成を示す斜
視図である。
【図9】先行技術で開示されているシール装置の例を示
す断面図である。
【符号の説明】
20,40 シール装置 21 パイプ 22 壁面 23 パイプ貫通座 24 チューブ 25,45 外筒 26 グランドパッキン 27 パッキン押さえ 28 ボルト 29 ナット 30 押金 31 締付けガス出入口 32 リングスペーサ 34 管路 35 供給バルブ 36 排出バルブ 37 圧力調節計 41,42 パージ用窒素ガス入口 44 均圧孔 46 清掃装置 48 ワイヤブラシ 49 スクレーパ 50 調整装置 51 締付け流体供給口 52 締付け流体出口 54 圧力制御弁 56 流量制御弁 57 圧力調節計 58 流量調節計 60 索具 70 締切弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野本 博樹 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 特開 平4−312268(JP,A) 特開 昭62−184276(JP,A) 実開 昭59−128962(JP,U) 実開 昭59−153353(JP,U) 実開 平4−73085(JP,U) 実開 昭60−96597(JP,U) 実公 昭62−37020(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/24 C21C 5/46 102 F16J 15/46

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧と異なる圧力のプロセス流体が保
    持される壁の貫通孔に挿通され、該壁に対して相対的に
    変位する軸の周囲を、貫通孔内で気密に封止する貫通孔
    のシール装置において、 該軸の外周面と、該貫通孔の内周面との間には隙間が設
    けられており、 該軸の外周面を覆うパッキン材と、 該パッキン材の外周面と該貫通孔の内周面との間に挿入
    され、可撓性を有して該軸の軸線まわりに巻付けられる
    チューブと、 該軸の軸線に関し、該パッキン材および該チューブを該
    貫通孔内に保持する保持手段と、 該チューブ内に流体を充満させ、該流体の圧力を調整可
    能な調整手段とを含み、 該チューブには、該調整手段から供給される流体の供給
    口と、該チューブ内の流体を排出させる排出口とが設け
    られ、 該調整手段は、該供給口から該チューブ内へ流体を供給
    しながら、該排出口から該チューブ内の流体を抜取るこ
    とが可能であることを特徴とする貫通孔のシール装置。
  2. 【請求項2】 前記パッキン材の外周面と前記チューブ
    の内周面との間に、径の変化が可能な、環状の押金を備
    えることを特徴とする請求項1記載の貫通孔のシール装
    置。
  3. 【請求項3】 大気圧と異なる圧力のプロセス流体が保
    持される壁の貫通孔に挿通され、該壁に対して相対的に
    変位する軸の周囲を、貫通孔内で気密に封止する貫通孔
    のシール装置において、 該軸の外周面と、該貫通孔の内周面との間には隙間が設
    けられており、 該軸の外周面を覆うパッキン材と、 該パッキン材の外周面と該貫通孔の内周面との間に挿入
    され、可撓性を有して該軸の軸線まわりに巻付けられる
    チューブと、 該軸の軸線に関し、該パッキン材および該チューブを該
    貫通孔内に保持する保持手段と、 該チューブ内に流体を充満させ、該流体の圧力を調整可
    能な調整手段と、 該パッキン材の外周面と該チューブの内周面との間に挿
    入され、径の変化が可能な環状の押金とを含み、 該軸の外周面と該貫通孔の内周面との間の隙間に、該軸
    線方向に沿って間隔をあけて配置される複数のリングス
    ペーサを備え、 該リングスペーサによって区画される各隙間に、該パッ
    キン材、該チューブおよび該押金の組合せがそれぞれ並
    べられることを特徴とする貫通孔のシール装置。
  4. 【請求項4】 前記軸の軸線方向に隣接して、該軸の外
    周面上の汚れを除去する清掃手段を備えることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の貫通孔のシール装
    置。
  5. 【請求項5】 前記保持手段よりも前記プロセス流体側
    から、または前記保持手段によって保持される前記パッ
    キン材内部から、前記軸に向かって該プロセス流体とは
    異なる流体を、該プロセス流体よりも高い圧力で、かつ
    流量が調整可能なように吹込む気体吹込み手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の貫通
    孔のシール装置。
  6. 【請求項6】 前記保持手段を、前記軸に間隔をあけて
    連結する索具が設けられ、 該軸を前記貫通孔から引抜く場合に、該保持手段と前記
    パッキン材および前記チューブも、該索具による連係状
    態で該貫通孔から取外し可能であることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の貫通孔のシール装置。
  7. 【請求項7】 前記軸は、前記壁のプロセス流体側に付
    設される締切弁を、該締切弁が全開状態であるときに挿
    通して使用され、 該締切弁から引抜いて、該締切弁を全閉状態とすること
    によって、該プロセス流体の漏洩なしに該軸の交換が可
    能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の貫通孔のシール装置。
  8. 【請求項8】 前記壁は溶融金属炉の外壁であり、 前記軸はランスとして使用されるパイプであることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の貫通孔のシー
    ル装置。
  9. 【請求項9】 大気圧と異なる圧力のプロセス流体が保
    持される壁の貫通孔に挿通され、該壁に対して相対的に
    変位する軸の周囲を、貫通孔内で気密に封止する貫通孔
    のシール装置において、 該軸の外周面と、該貫通孔の内周面との間には隙間が設
    けられており、 該軸の外周面を覆うパッキン材と、 該パッキン材の外周面と該貫通孔の内周面との間に挿入
    され、可撓性を有して該軸の軸線まわりに巻付けられる
    チューブと、 該軸の軸線に関し、該パッキン材および該チューブを該
    貫通孔内に保持する保持手段と、 該チューブ内に流体を充満させ、該流体の圧力を調整可
    能な調整手段とを含み、 該チューブがリング状ではなく、円周方向に分割された
    複数のチューブからなり、それらをリング状に配列した
    ことを特徴とする貫通孔のシール装置。
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