JP3103010B2 - 導電性シリコーンゴム組成物およびそれを用いた導電性シリコーンゴムロール - Google Patents

導電性シリコーンゴム組成物およびそれを用いた導電性シリコーンゴムロール

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JP3103010B2 JP07148484A JP14848495A JP3103010B2 JP 3103010 B2 JP3103010 B2 JP 3103010B2 JP 07148484 A JP07148484 A JP 07148484A JP 14848495 A JP14848495 A JP 14848495A JP 3103010 B2 JP3103010 B2 JP 3103010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形加工性に優れ、か
つ硬化させた後には低硬度でありながら耐圧縮永久歪み
性や導電性に優れたシリコーンゴム成形体が得られる導
電性シリコーンゴム組成物およびそれを用いた導電性シ
リコーンゴムロールに関する。
【0002】
【従来の技術】電気絶縁性を示すゴム状物質に導電性材
料を配合した導電性ゴムは、従来から種々知られてお
り、例えば導電性材料としてカーボンブラック等を配合
することによって、電気抵抗を105 〜10Ω・cmの範囲と
した導電性ゴムが各種の分野で応用されている。
【0003】一方、電気絶縁性ゴム状物質の一つである
シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐候性等に優れ、
電気絶縁性ゴムとして各所で利用されているが、他のゴ
ム状物質と同様にカーボンブラック等の導電性材料を添
加することで、導電性シリコーンゴムとしても実用化さ
れている。
【0004】この場合、シリコーンゴム組成物に添加す
る導電性材料としては、例えばカーボンブラックやグラ
ファイト等の炭素系粉末、銀、ニッケル、銅等の各種金
属粉末、非導電性の粉体や短繊維表面を銀等の金属で処
理したもの、炭素繊維や金属繊維等の導電性繊維、ある
いはこれらの混合物等が例示される。これらは、シリコ
ーンゴムが持つ特性を損うことなく、導電性材料の種類
や充填量によりシリコーンゴムの体積固有抵抗を1010
10-3Ω・cm程度まで低下させ得ることから頻繁に使用さ
れている。特に、105 Ω・cm以下の高導電性シリコーン
ゴムを得る場合には、上記導電性材料のうちカーボンブ
ラックや銀、ニッケル等の金属粉末が主に用いられてお
り、コスト等の観点からカーボンブラックが多用されて
いる。
【0005】上述したような導電性シリコーンゴムは、
事務機器用ロール、キーボードの接点、面状発熱体、電
磁波シールド材等の各種用途に利用されており、特に複
写機やファクシミリ等の事務機の定着ロール、紙送りロ
ール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール等のロール
材として多用されている。ところで、最近の事務機器の
小型化や高速化に伴って、事務機器用ロールには小径ロ
ールでロールニップ幅を得ることが求められており、こ
れによりロール材には低硬度の材料が必要とされてい
る。
【0006】このような事務機器用ロールに対する要求
に対して、通常用いられているシリコーンポリマーは、
充填剤を配合しなくてもJIS・A型硬度計で15程度以
上の硬度を有しており、導電性を得るためにカーボンブ
ラックを配合すると、硬度がさらに上昇してしまい、従
来の導電性シリコーンゴム組成物では硬度20以下の導電
性シリコーンゴムを得ることは困難であった。また、シ
リコーンポリマーの架橋度を下げることで硬度を低下さ
せることは可能であるが、この方法では圧縮永久歪みが
大きくなり、耐久性が大幅に低下してしまうことから、
事務機器用のロール等としては実用に耐え得るものとは
ならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、事務
機器用のロール材には低硬度化が要求されているが、従
来の導電性シリコーンゴム組成物では、例えば硬度20以
下というような低硬度の導電性シリコーンゴムを、その
耐久性を損うことなく、すなわち圧縮永久歪みを増大さ
せることなく得ることが難しいという問題があった。
【0008】一方、特開昭 55-120656号公報には、導電
性材料として中空シェル状粒子が存在するカーボンブラ
ックを用いることによって、少ない配合量で良好な導電
性を得ると共に、硬化後の物性を高めた硬化性液状オル
ガノポリシロキサン組成物が記載されている。
【0009】しかし、上記硬化性液状オルガノポリシロ
キサン組成物で使用されている主ポリマーは、粘度が10
0000CS以下と低粘度であるため、例えば 2本ロールによ
る加工ができず、上述したような特異なカーボンブラッ
クを容易に均一分散させることが困難であるというよう
に、成形加工性の点で問題を有していると共に、重合度
50以下の低分子量ポリオルガノシロキサンが配合されて
いるために、この成分が揮発して導電性ゴムロールを適
用した事務機器が汚染されやすいという重大な問題を有
していた。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、成形加工性に優れると共に、硬化後
には低硬度でありながら耐圧縮永久歪み性や導電性に優
れたシリコーンゴム成形体が得られる導電性シリコーン
ゴム組成物を提供することを目的としており、またその
ような導電性シリコーンゴム組成物を用いることによっ
て、耐久性や導電性を損うことなく、低硬度を達成する
ことを可能にした導電性シリコーンゴムロールを提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の導電性シ
リコーンゴム組成物は、(イ)重合度が3000以上であ
り、側鎖基のうち90モル% 以上がメチル基で、かつ0.01
〜 1.0モル% がビニル基である直鎖状の高分子量ポリオ
ルガノシロキサン 100重量部、(ロ)重合度が50〜1000
の範囲であり、側鎖基のうち50モル% 以上がメチル基で
ある直鎖状または分枝状の低分子量ポリオルガノシロキ
サン40〜 100重量部、(ハ)比表面積が少なくとも500m
2 /gの中空シェル状粒子を有するカーボンブラック 1〜
15重量部、および(ニ)必要量の硬化剤を含有すること
を特徴としている。
【0012】また、本発明の導電性シリコーンゴムロー
ルは、ロール芯金と、前記ロール芯金の表面に被覆され
た導電性シリコーンゴムとを有する導電性シリコーンゴ
ムロールにおいて、前記導電性シリコーンゴムは、上記
本発明の導電性シリコーンゴム組成物を用いた形成した
ゴム成形体からなり、かつJIS・A型ゴム硬度計によ
る硬度が20以下であることを特徴としている。
【0013】本発明の導電性シリコーンゴム組成物を構
成する(イ)成分は、重合度が3000以上の直鎖状の高分
子量ポリオルガノシロキサンであり、ベースポリマーと
なるものである。この(イ)成分の重合度が3000未満で
あると、硬化後の機械的強度が低下すると共に、例えば
2本ロールによる加工性(分出し性)が低下する等、良
好な成形加工性を得ることができない。(イ)成分のよ
り好ましい重合度は5000〜 10000の範囲であり、この重
合度範囲の高分子量ポリオルガノシロキサンは特に良好
な成形加工性が得られると共に、硬化後に良好な機械的
強度を付与することができる。
【0014】(イ)成分の直鎖状の高分子量ポリオルガ
ノシロキサンの主骨格を成すケイ素原子に結合する側鎖
基は、その90モル% 以上をメチル基とする。側鎖基とし
てのメチル基が90モル% 未満であると圧縮永久歪みが大
きくなる。上記メチル基以外の側鎖基の少なくとも一部
は、後に詳述する(ニ)成分の硬化剤により組成物を硬
化させる上でアルケニル基とする必要があり、本発明に
おいては特に耐熱性等の点からビニル基とする。これら
メチル基およびビニル基以外の側鎖基は特に限定される
ものではないが、耐熱性等の点からフェニル基とするこ
とが好ましい。上記フェニル基は必ずしも有する必要は
ないが、ビニル基は側鎖基のうちの0.01〜 1.0モル% の
範囲で含有するものとする。ビニル基の量が0.01モル%
未満であると、得られる導電性シリコーンゴム成形体の
圧縮永久歪みが増大し、一方1.0モル% を超えると得ら
れる導電性シリコーンゴム成形体の硬度が高くなると共
に、ゴム強度が低下する。ビニル基量のより好ましい範
囲は0.05〜 0.3モル%である。なお、高分子量ポリオル
ガノシロキサンの分子鎖末端は、トリオルガノシリル基
や水酸基で封鎖された構造とすればよい。
【0015】本発明の組成物中の(ロ)成分の低分子量
ポリオルガノシロキサンは、得られる導電性シリコーン
ゴム成形体の圧縮永久歪みを大きくすることなく、導電
性シリコーンゴム成形体を低硬度化させる成分である。
この低分子量ポリオルガノシロキサンは、その分子構造
が直鎖状であっても、また分枝状であってもよいが、重
合度を50〜1000の範囲とすることが重要である。(ロ)
成分の低分子量ポリオルガノシロキサンの重合度が50未
満であると、揮発性を示すことから成形硬化後に適用機
器の汚染等の問題を引起こす。一方、重合度が1000を超
えると上記したような効果を得ることができなくなる。
低分子量ポリオルガノシロキサンのより好ましい重合度
は同様な理由から80〜 500の範囲である。
【0016】(ロ)成分の直鎖状または分枝状の低分子
量ポリオルガノシロキサンの主骨格を成すケイ素原子に
結合する側鎖基は、その50モル% 以上をメチル基とす
る。メチル基が50モル% 未満であると、(イ)成分との
なじみが悪くなり、硬化後にブリード等を生じるおそれ
がある。メチル基以外の好ましい側鎖基としてはフェニ
ル基が挙げられるが、最も好ましい形態は実質的に全て
の側鎖基をメチル基とすることである。ただし、側鎖基
の40モル% 以下がフェニル基である低分子量ポリオルガ
ノシロキサンも好ましい形態として挙げられる。なお、
不飽和基は 1分子中に 1個以下であれば有していてもか
まわないが、不飽和基の量が 1分子中に 1個を超えると
架橋密度が高くなり、低硬度が得られにくくなる。
【0017】本発明の導電性シリコーンゴム組成物にお
いては、上記(ロ)成分の配合量が重要であり、(イ)
成分の高分子量ポリオルガノシロキサン 100重量部に対
して40〜 100重量部の範囲とする。(ロ)成分の低分子
量ポリオルガノシロキサンの配合量が40重量部未満であ
ると上記したような効果が得られず、また 100重量部を
超えると、例えば 2本ロールによる加工性が低下する
等、良好な成形加工性を得ることができないと共に、硬
化後にオイルのにじみ出し等が生じやすくなる。(ロ)
成分のより好ましい配合量は同様な理由から50〜80重量
部の範囲である。本発明の組成物中の(ハ)成分は、中
空シェル状粒子で比表面積が少なくとも500m2 /gのカー
ボンブラックであり、中空シェル状粒子であるために比
表面積が大きく、これにより少量の配合で良好な導電性
を付与することが可能となる。すなわち、得られる導電
性シリコーンゴム成形体の硬度を低く維持した上で、良
好な導電性を付与するものである。(ハ)成分の比表面
積が500m2 /g未満であると、上記したような少量配合に
よる良好な導電性付与効果が得られなくなる。(ハ)成
分のより好ましい比表面積は700m2 /g以上である。この
ような(ハ)成分の具体例としては、ケッチェンブラッ
クEC、ケッチェンブラックEC600JD(商品名、ケッチェン
ブラックインターナショナル社製)等が挙げられる。
【0018】上記(ハ)成分の配合量は、目的とする導
電性により決定されるものであるが、得られる導電性シ
リコーンゴム成形体の低硬度化を達成するために、
(イ)成分の高分子量ポリオルガノシロキサン 100重量
部に対して 1〜15重量部の範囲とする。(ハ)成分の配
合量が15重量部を超えると、得られる導電性シリコーン
ゴム成形体の硬度が高くなってしまい、例えばJIS・
A型ゴム硬度計による硬度が20を超えるようなゴム成形
体しか得られなくなる。また、(ハ)成分の配合量があ
まり少ないと十分に導電性を付与することができないた
め、(イ)成分 100重量部に対して 1重量部以上とす
る。(ハ)成分のより好ましい配合量は 3〜10重量部の
範囲である。
【0019】また、本発明の組成物中の(ニ)成分の硬
化剤は、ゴム状弾性体(導電性シリコーンゴム成形体)
を得るための反応機構に応じて適宜選択されるものであ
る。その反応機構としては、 (1)有機過酸化物加硫剤に
よる架橋反応、 (2)付加反応等が知られている。以下
に、上記 (1)および (2)のそれぞれの反応機構に応じ
て、(ニ)成分の硬化剤について述べる。
【0020】まず、上記 (1)の架橋反応を適用する場合
において、(ニ)成分の硬化剤としては、ベンゾイルペ
ルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジ
クミルペルオキシド、クミル -t-ブチルペルオキシド、
2,5-ジメチル -2,5-ジ -t-ブチルペルオキシヘキサン、
ジ -t-ブチルペルオキシド等の各種の有機過酸化物加硫
剤が用いられる。なお、これらの有機過酸化物加硫剤は
1種または 2種以上の混合物として用いられる。
【0021】(ニ)成分の硬化剤としての有機過酸化物
の配合量は、(イ)成分の高分子量ポリオルガノシロキ
サン(シリコーンベースポリマー) 100重量部に対して
0.05〜15重量部の範囲とすることが好ましい。有機過酸
化物の配合量が0.05重量部未満では加硫が十分に行われ
ず、圧縮永久歪みが増大し、一方15重量部を超えて配合
してもそれ以上の格別な効果がないばかりか、得られる
導電性シリコーンゴム成形体の物性に悪影響を与えるお
それがある。
【0022】また、上記 (2)の付加反応を適用する場合
において、(ニ)成分の硬化剤としては硬化用触媒と架
橋剤とが用いられる。例えば、硬化用触媒としては塩化
白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン錯
体、白金黒、白金トリフェニルホスフィン錯体等の白金
系触媒等が用いられ、架橋剤としてはケイ素原子に結合
した水素原子を 1分子中に少なくとも平均 2個を超える
数を有するポリジオルガノシロキサンが用いられる。
【0023】上述した(ニ)成分の硬化剤のうち、硬化
用触媒の配合量は(イ)成分の高分子量ポリオルガノシ
ロキサン 100重量部に対して白金元素量で 1〜1000ppm
の範囲となる量が好ましい。硬化用触媒の配合量が白金
元素量として1ppm未満であると、十分に硬化が進行せ
ず、また1000ppm を超えて配合しても特に硬化速度の向
上等は期待できない。また、架橋剤の配合量は、(イ)
成分中のアルケニル基 1個に対し、架橋剤中のケイ基原
子に結合した水素原子が 0.5〜 4.0個となるような量が
好ましく、さらに好ましくは 1.0〜 3.0個となるような
量である。水素原子の量が 0.5個未満である場合は、組
成物の硬化が十分に進行せず、硬化後の硬度が低くなり
すぎ、また水素原子の量が 4.0個を超えると硬化後の物
理的性質や耐熱性が低下する。
【0024】本発明の導電性シリコーンゴム組成物には
必要に応じて、上記(イ)〜(ニ)成分以外の充填剤、
例えば重合度が 100以下のシラノール基含有シラン、ア
ルコキシ基含有シラン等の分散剤、酸化鉄、酸化セリウ
ム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、白金化合物、酸化
鉄、アゾ化合物、酸化チタン等の難燃剤、顔料等を配合
してもよいし、また補強の面からフュームドシリカ、湿
式シリカ、表面を疎水化処理したフュームドシリカや湿
式シリカ、石英微粉末、けいそう土等の微粉末シリカ、
ポリオルガノシルセスキオキサン等を配合してもよい。
さらに、組成物に加工性、成形性を付与する目的でイソ
パラフィン溶剤等の飽和脂肪族炭化水素や、その他の通
常のシリコーンゴム組成物に添加される他の添加剤を配
合することもできる。
【0025】本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、
上述した各成分をニーダー、バンバリーミキサー、 2本
ロールのようなミキシングロール等の従来から一般的に
用いられている装置で配合、混練することによって得ら
れる。また、本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、
加圧成形、押出し成形、射出成形、カレンダー成形等の
通常の方法により成形加工し、硬化させて製品とするこ
とができる。
【0026】本発明の導電性シリコーンゴム組成物は、
特に導電性シリコーンゴムロール材料として有用であ
り、本発明の導電性シリコーンゴム組成物を常法に従っ
てロール芯金上に均一に被覆し、その後硬化させてゴム
成形体とすることによって、ロール芯金の表面に被覆さ
れた導電性シリコーンゴムを有する高性能の導電性シリ
コーンゴムロールを得ることができる。本発明の導電性
シリコーンゴムロールは、このような本発明の導電性シ
リコーンゴム組成物を用いて導電性シリコーンゴム成形
体を形成したものである。このように、本発明の導電性
シリコーンゴム組成物を用いることによって、JIS・
A型ゴム硬度計による硬度が20以下の低硬度を有し、か
つ低圧縮永久歪みおよび高導電性を有する導電性シリコ
ーンゴムロールが得られる。導電性シリコーンゴムロー
ルのJIS・A型ゴム硬度計による硬度が20を超える
と、有効なロールニップ幅が得られなくなる。また、導
電性シリコーンゴムロールの導電性は、例えば体積抵抗
率で105 Ω・cm以下を達成することができる。
【0027】上述したように、本発明の導電性シリコー
ンゴムロールは、低硬度、低圧縮永久歪みおよび高導電
性を有するため、事務機器用の定着ロール、紙送りロー
ル、現像ロール、転写ロール、帯電ロール等として有用
である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、以下の実施例および比較例中における「部」は全て
「重量部」を表すものとする。
【0029】実施例1 メチルビニルシロキサン単位を0.03モル% 含有し、重合
度が約7000のビニル基含有ポリジメチルシロキサン 100
部に、重合度が約 100の直鎖状のポリジメチルシロキサ
ンを50部と、比表面積が約 1300m2 /gで中空シェル状粒
子が存在するカーボンブラックとしてケッチェンブラッ
クEC-600JD(商品名、ケッチェンブラックインターナシ
ョナル社製)を 5部の割合でオープンニーダーに仕込
み、十分に混合した後、 3本ロールで均一に分散させ
た。次いで、 2本ロールにて2,5-ジメチル -2,5-ジ -t-
ブチルペルオキシヘキサンを 1部配合して、導電性シリ
コーンゴム組成物を得た。
【0030】次に、上記導電性シリコーンゴム組成物を
443K×10分の条件でプレス加硫し、200mm× 200mm× 2m
mのゴムシートと直径29mm×高さ12.7mmの円柱を成形
し、この後473Kのオーブンで 4時間のアト加硫を行うこ
とによって、導電性シリコーンゴムシートおよび円柱片
を作製した。
【0031】上記工程において、まず導電性シリコーン
ゴム組成物の 2本ロールによる分出し性(厚さ 5mm)を
評価した。次に、上記厚さ 2mmの導電性シリコーンゴム
シートを用いて、JIS K-6301に従ってJIS・A型硬度
計で硬さを測定すると共に、三菱油化(株)製のロレス
タIPを用いて体積抵抗率を測定した。また、上記円柱
片を用いて、JIS K-6301に従って453K× 22h、 25%圧縮
で圧縮永久歪みを測定した。それらの結果を導電性シリ
コーンゴム組成物の配合比と共に表1に示す。 実施例2 メチルビニルシロキサン単位を0.07モル% 含有し、重合
度が約8000のビニル基含有ポリジメチルシロキサン 100
部に、重合度が約 200の直鎖状のポリジメチルシロキサ
ンを70部と、比表面積が約800m2 /gで中空シェル状粒子
が存在するカーボンブラックとしてケッチェンブラック
EC(ケッチェンブラックインターナショナル社製)を 7
部の割合でオープンニーダーに仕込み、十分に混合した
後、 3本ロールで均一に分散させた。次いで、 2本ロー
ルで2,5-ジメチル -2,5-ジ -t-ブチルペルオキシヘキサ
ンを 1部配合して、導電性シリコーンゴム組成物を得
た。このようにして得た導電性シリコーンゴム組成物を
用いて、実施例1と同様に2本ロールによる分出し性を
評価した。また、実施例1と同一条件で導電性シリコー
ンゴムシートおよび円柱片を作製すると共に、同様にし
て導電性シリコーンゴムの特性を評価した。それらの測
定結果を表1に導電性シリコーンゴム組成物の配合比と
共に示す。
【0032】比較例1 上記実施例1の導電性シリコーンゴム組成物において、
重合度が約 100の直鎖状のポリジメチルシロキサンに代
えて、重合度が約6000のポリジメチルシロキサンを用い
る以外は、実施例1と同様にして導電性シリコーンゴム
組成物を作製した。また、この導電性シリコーンゴム組
成物を用いて、実施例1と同様に 2本ロールによる分出
し性を評価すると共に、実施例1と同一条件で導電性シ
リコーンゴムシートおよび円柱片を作製し、同様にして
導電性シリコーンゴムの特性を評価した。それらの測定
結果を表1に導電性シリコーンゴム組成物の配合比と共
に記す。
【0033】比較例2 上記実施例1の導電性シリコーンゴム組成物において、
重合度が約 100の直鎖状のポリジメチルシロキサンに代
えて、重合度が約30のポリジメチルシロキサンを用いる
以外は、実施例1と同様にして導電性シリコーンゴム組
成物を作製した。また、この導電性シリコーンゴム組成
物を用いて、実施例1と同様に 2本ロールによる分出し
性を評価すると共に、実施例1と同一条件で導電性シリ
コーンゴムシートおよび円柱片を作製し、同様にして導
電性シリコーンゴムの特性を評価した。それらの測定結
果を表1に導電性シリコーンゴム組成物の配合比と共に
記す。
【0034】比較例3 上記実施例1の導電性シリコーンゴム組成物において、
重合度が約 100の直鎖状のポリジメチルシロキサンの配
合量を 150部とすると共に、ケッチェンブラックEC-600
JDの配合量を10部とする以外は、実施例1と同様にして
導電性シリコーンゴム組成物を作製した。また、この導
電性シリコーンゴム組成物を用いて、実施例1と同様に
2本ロールによる分出し性を評価すると共に、実施例1
と同一条件で導電性シリコーンゴムシートおよび円柱片
を作製し、同様にして導電性シリコーンゴムの特性を評
価した。それらの測定結果を表1に導電性シリコーンゴ
ム組成物の配合比と共に記す。
【0035】比較例4 上記実施例1の導電性シリコーンゴム組成物において、
カーボンブラック(ケッチェンブラックEC-600SD)に代
えて、比表面積が約 60m2 /gのアセチレンブラック(デ
ンカブラック:商品名、電気化学工業(株)製)を用い
る以外は、実施例1と同様にして導電性シリコーンゴム
組成物を作製した。また、この導電性シリコーンゴム組
成物を用いて、実施例1と同様に 2本ロールによる分出
し性を評価すると共に、実施例1と同一条件で導電性シ
リコーンゴムシートおよび円柱片を作製し、同様にして
導電性シリコーンゴムの特性を評価した。それらの測定
結果を表1に導電性シリコーンゴム組成物の配合比と共
に記す。
【0036】比較例5 上記実施例1の導電性シリコーンゴム組成物において、
重合度が約7000のビニル基含有ポリジメチルシロキサン
に代えて、重合度が約 500のビニル基含有ポリジメチル
シロキサンを用いる以外は、実施例1と同様にして導電
性シリコーンゴム組成物を作製した。また、この導電性
シリコーンゴム組成物を用いて、実施例1と同様に 2本
ロールによる分出し性を評価すると共に、実施例1と同
一条件で導電性シリコーンゴムシートおよび円柱片を作
製し、同様にして導電性シリコーンゴムの特性を評価し
た。それらの測定結果を表1に導電性シリコーンゴム組
成物の配合比と共に記す。
【0037】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1、2による各導電性
シリコーンゴム組成物は、成形加工性に優れると共に、
硬化後には低硬度、高導電性、低圧縮永久歪みが得られ
ることが分かる。これに対して、導電性シリコーンゴム
成形体の低硬度化を図る低分子量ポリオルガノシロキサ
ンの重合度が本発明の範囲外であると、圧縮永久歪みが
増大したり(比較例1)、硬化後にオイルのにじみ出し
が生じる(比較例2)等の問題が生じる。また、低分子
量ポリオルガノシロキサンの配合量に就いても同様であ
ることが分かる。
【0038】実施例3 メチルビニルシロキサン単位を0.05モル% 含有し、重合
度が約8000のビニル基含有ポリジメチルシロキサン 100
部に、フェニル基を10モル% 含有し、重合度が約 300の
直鎖状のポリメチルフェニルシロキサンを70部と、比表
面積が約1300m2 /gで中空シェル状粒子が存在するカー
ボンブラックとしてケッチェンブラックEC-600JD(商品
名、ケッチェンブラックインターナショナル社製)を 6
部の割合でオープンニーダーに仕込み、十分に混合した
後、 3本ロールで均一に分散させた。次いで、 2本ロー
ルにて 10%イソプロピルアルコール溶液とした塩化白金
酸0.01部と、ケイ素原子に結合した水素原子を50モル%
有するメチルハイドロジェンシロキサン(重合度=約10
0) 1.5部と、トリアリンイソシアヌレート 1部とを配合
して、導電性シリコーンゴム組成物を得た。
【0039】このようにして得た導電性シリコーンゴム
組成物を用いて、実施例1と同様に2本ロールによる分
出し性を評価した。また、実施例1と同一条件で導電性
シリコーンゴムシートおよび円柱片を作製すると共に、
同様にして導電性シリコーンゴムの特性を評価した。そ
れらの測定結果を表2に導電性シリコーンゴム組成物の
配合比と共に示す。
【0040】比較例6 上記実施例3の導電性シリコーンゴム組成物において、
重合度が約8000のビニル基含有ポリジメチルシロキサン
に代えて、メチルビニルシロキサン単位を 2モル% 含有
し、重合度が約8000のビニル基含有ポリジメチルシロキ
サンを用いると共に、メチルハイドロジェンシロキサン
の配合量を 3部とする以外は、実施例3と同様にして導
電性シリコーンゴム組成物を作製した。また、この導電
性シリコーンゴム組成物を用いて、実施例3と同様に 2
本ロールによる分出し性を評価すると共に、実施例3と
同一条件で導電性シリコーンゴムシートおよび円柱片を
作製し、同様にして導電性シリコーンゴムの特性を評価
した。それらの測定結果を表2に導電性シリコーンゴム
組成物の配合比と共に記す。
【0041】
【表2】 表2から明らかなように、実施例3による導電性シリコ
ーンゴム組成物は、成形加工性に優れると共に、硬化後
には低硬度、高導電性、低圧縮永久歪みが得られること
が分かる。
【0042】実施例4 実施例1により作製した導電性シリコーンゴムの組成物
を、直径 5mm、長さ230mmのステンレス製のロール芯金
上に厚さ 7mmとなるようにプレス成型加硫した。これを
肉厚 6mmとなるように研磨機にて表面を研磨して、導電
性シリコーンゴムロールを得た。
【0043】このようにして得た導電性シリコーンゴム
ロールの硬度をJIS・A型硬度計を用いて測定した。
また、上記ロールをアルミ板の上に載置し、ロール芯金
の両端に500gずつ荷重をかけて、芯金とアルミ板間の抵
抗をアドバンテスト社製デジタルマルチメータR6871Eを
用いて測定した。次に、上記ロールを厚さ 5mmの 2枚ア
ルミ板で挟み、肉厚が 4.5mmとなるまで圧縮した状態で
オーブン中に入れて453K× 22hの条件で熱処理し、オー
ブンを開放した後、室温で30分の肉厚を測定した。それ
らの測定結果を表3に示す。
【0044】比較例7 比較例1で作製した導電性シリコーンゴム組成物を用い
る以外は、実施例4と同様にして導電性シリコーンゴム
ロールを作製した。また、この導電性シリコーンゴムロ
ールを用いて、実施例4と同様に硬度および抵抗を測定
すると共に、耐久性評価を行った。それらの測定結果を
表3に示す。
【0045】
【表3】 表3から明らかなように、実施例4による導電性シリコ
ーンゴムロールは、高導電性および低硬度を有すると共
に、耐久性に優れることが分かる。
【0046】なお、実施例3による導電性シリコーンゴ
ム組成物を用いた場合においても、同様な高性能の導電
性シリコーンゴムロールが得られた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性シ
リコーンゴム組成物によれば、硬化後に低硬度でありな
がら耐圧縮永久歪み性や導電性に優れたシリコーンゴム
成形体を得ることができ、かつ良好な成形加工性を得る
ことができる。そして、このような導電性シリコーンゴ
ム組成物を用いて形成した、本発明の導電性シリコーン
ゴムロールによれば、耐久性や導電性を損うことなく、
低硬度を達成することが可能となる。従って、事務機器
用の定着ロール、紙送りロール、現像ロール、転写ロー
ル、帯電ロール等として有効な導電性シリコーンゴムロ
ールを提供することができる。
【0048】

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)重合度が3000以上であり、側鎖基
    のうち90モル% 以上がメチル基で、かつ0.01〜 1.0モル
    % がビニル基である直鎖状の高分子量ポリオルガノシロ
    キサン 100重量部、 (ロ)重合度が50〜1000の範囲であり、側鎖基のうち50
    モル% 以上がメチル基である直鎖状または分枝状の低分
    子量ポリオルガノシロキサン40〜 100重量部、 (ハ)比表面積が少なくとも500m2 /gの中空シェル状粒
    子を有するカーボンブラック 1〜15重量部、および (ニ)必要量の硬化剤を含有することを特徴とする導電
    性シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 ロール芯金と、前記ロール芯金の表面に
    被覆された導電性シリコーンゴムとを有する導電性シリ
    コーンゴムロールにおいて、 前記導電性シリコーンゴムは、請求項1記載の導電性シ
    リコーンゴム組成物を用いた形成したゴム成形体からな
    り、かつJIS・A型ゴム硬度計による硬度が20以下で
    あることを特徴とする導電性シリコーンゴムロール。
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