JP3100771U - バケット用ツース部材の間隙調整体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本考案は、ショベル機械のバケットを長期間使用してもツース部材取付体とツース部材との間にガタツキが生じることを確実に防止し、バケット本来の機能を維持できる間隙調整体を提供する。
【解決手段】本考案の間隙調整体は、ショベル機械のバケットの先端部に設けられたツース部材取付体22と、このツース部材取付体22に着脱可能に嵌装するツース部材5との間に介在させる間隙調整体1であって、この間隙調整体1をショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により鞘形状に形成することで、ツース部材取付体22とツース部材5との間のガタツキの発生を防止する。
【選択図】図1
【解決手段】本考案の間隙調整体は、ショベル機械のバケットの先端部に設けられたツース部材取付体22と、このツース部材取付体22に着脱可能に嵌装するツース部材5との間に介在させる間隙調整体1であって、この間隙調整体1をショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により鞘形状に形成することで、ツース部材取付体22とツース部材5との間のガタツキの発生を防止する。
【選択図】図1
Description
本考案は、ショベル機械のバケットの先端部に設けられるツース部材取付体と、このツース部材取付体に着脱可能に嵌装されるツース部材との間に介在させて用いるバケット用ツース部材の間隙調整体に関するものである。
従来、ショベル機械のバケットの先端部に設けられたツース部材取付体に対して、固定ピンを用い着脱可能にツース部材を嵌装する技術が提案され、実施されている。
このようなツース部材を嵌装したバケットを長期間苛酷な土砂等の掬土作業に使用すると、ツース部材取付体とツース部材との間に摩耗による間隙部分が生じてツース部材ががたつき状態となってバケットの本来の掬土機能等に支障が発生してしまう。
このため、従来においても、ツース部材取付体とツース部材との間に、がたつきの発生を回避することを目的とする断面略U状で鉄製等の間隙調整体を介在させる提案が種々なされている。
特許文献1には、ツース部材取付体とツース部材との間にサヤ構造のシム部材を嵌合して介在させ、がたつきの発生防止を図ったショベル機械のバケット構造が提案されている。
しかし、この特許文献1のバケット構造においても、シム部材が十分な摩耗強度を備えていないことから、がたつきの発生を抑えることができないという問題がある。
実公平5−40130号公報
解決しようとする問題点は、ツース部材取付体とツース部材との間に間隙調整体を介在させても、その摩耗強度が不十分でツース部材取付体とツース部材との間にガタツキが生じてしまい、バケット本来の掬土機能等に支障が発生してしまう点である
本考案は、ショベル機械のバケットの先端部に設けられたツース部材取付体と、このツース部材取付体に着脱可能に嵌装するツース部材との間に介在させるバケット用ツース部材の間隙調整体であって、従来の鉄材により形成した間隙調整体に比べ格段に優れた摩耗強度を発揮させるために、ショットピーニング法にて表面処理したステンレス材により形成したことを最も主要な特徴とする。
本考案によれば、十分な摩耗強度を有するステンレス材からなる間隙調整体を採用したことにより、従来の鉄材により形成した間隙調整体に比べ格段に優れた摩耗強度を発揮でき、ショベル機械のバケットを長期間使用してもツース部材取付体とツース部材との間にガタツキが生じることを確実に防止し、バケット本来の機能を維持できる。
また、本考案によれば、前記間隙調整体をショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により鞘形状に形成し、このステンレスショット材のビッカース硬さを、その表面から10乃至150(μm)の距離の範囲の測定値が541乃至443(Hv)の範囲としたことにより、従来の鉄材により形成した間隙調整体に比べ格段に優れた摩耗強度を有する間隙調整体とすることができ、上述したガタツキが生じることを確実に防止し、バケット本来の機能を長期間にわたって維持できる。
ショベル機械のバケットの先端部に設けられたツース部材取付体と、このツース部材取付体に着脱可能に嵌装するツース部材との間に介在させるバケット用ツース部材の間隙調整体であって、この間隙調整体をショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により鞘形状に形成することで、従来の鉄材により形成した間隙調整体に比べ格段に優れた摩耗強度を発揮でき、ツース部材取付体とツース部材との間のガタツキを防止するという目的を実現した。
以下に、本考案の実施例を詳細に説明する。
図1、図2、図3は、本実施例の後述するツース部材取付体22の嵌装用の凹陥部を有するバケット用ツース部材5と、ショベル機械のバケット21(図7参照)の先端部に設けられた突出端が四角柱状のツース部材取付体22との間の間隙に介在させる縦型の間隙調整体1を示すものであり、この間隙調整体1は、ショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により前記ツース部材取付体22に嵌合可能な鞘形状に形成している。
ここに、ショットピーニング法とは、ショットと称される例えば金属の小粒をステンレス材等の材料の表面に高速で投射して表面加工を行う方法をいう。
図1、図2、図3は、本実施例の後述するツース部材取付体22の嵌装用の凹陥部を有するバケット用ツース部材5と、ショベル機械のバケット21(図7参照)の先端部に設けられた突出端が四角柱状のツース部材取付体22との間の間隙に介在させる縦型の間隙調整体1を示すものであり、この間隙調整体1は、ショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により前記ツース部材取付体22に嵌合可能な鞘形状に形成している。
ここに、ショットピーニング法とは、ショットと称される例えば金属の小粒をステンレス材等の材料の表面に高速で投射して表面加工を行う方法をいう。
前記間隙調整体1は、例えば略U形を呈する包囲辺2と、略馬蹄形を呈する上辺3a、下辺3bとをステンレスショット材により一体又は一体的に成形したものであり、上辺3a、下辺3bは、包囲辺2の一端側でこの包囲辺2と繋がり、上辺3aの両縁と包囲辺2との間、下辺3bの両縁と包囲辺2との間は各々非接合の状態となっている。また、上辺3a、下辺3bには、各々ピン挿通凹部4が設けられている。
この間隙調整体1は、図3に示すように、前記ツース部材取付体22に対してハンマー等を用いて打撃により密着状態で嵌合され、この状態で更にツース部材取付体22に対してバケット用ツース部材5が装着される。そして、バケット用ツース部材5の上側のピン穴5a、上辺3aのピン挿通凹部4、ツース部材取付体22のピン穴22a、下辺3bのピン挿通凹部4、バケット用ツース部材5の下側のピン穴5bにピン6を挿通することで、バケット用ツース部材5をツース部材取付体22の外周に一体的に縦型に取り付けるものである。
これにより、ツース部材取付体22とバケット用ツース部材5との間の間隙に、前記間隙調整体1が隙間なく介在する状態になり、この間隙調整体1がショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により高硬度に形成されていることから、従来の鉄材により形成した間隙調整体に比べ格段に優れた摩耗強度を発揮でき、ショベル機械のバケット21を長期間にわたって使用しても、ツース部材取付体22とバケット用ツース部材5との間にガタツキが生じることを確実に防止し、バケット21の掬土機能等を長期間にわたって維持することができる。
図4、図5は、間隙調整体1を構成するステンレス(SUS)ショット材のビッカース硬さを、SS(鉄)生材、SSショット材、ステンレス(SUS)生材と比較して示すグラフ及び表である。
なお、図4、図5に示す各材の値は、試験条件として負荷荷重10g、保持時間10sとして測定したものである。
なお、図4、図5に示す各材の値は、試験条件として負荷荷重10g、保持時間10sとして測定したものである。
図4、図5から明らかなように、本実施例に係る間隙調整体1を構成するステンレスショット材のビッカース硬さは、その表面から10乃至150(μm)の距離の範囲の測定値が541乃至443(Hv)の範囲であり、この他の3種の材料に比べ、ビッカース硬さが格段に優れ、この結果、本実施例の間隙調整体1は、高硬度で、従って摩耗強度が他の3種の材料を採用する場合に比べ、格段に大きく優れた耐摩耗性を有することが明らかである。
図6は横型の間隙調整体1Aを示すものであり、この間隙調整体1Aも、ショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により図示しないピン穴が横型のツース部材取付体に嵌合可能な鞘形状に形成している。
すなわち、間隙調整体1Aは、例えばB略U形で末広がり形状を呈する包囲辺32と、略句形状を呈する上辺33a、下辺33bとをステンレスショット材により一体又は一体的に成形したものであり、上辺33a、下辺33bは、包囲辺32の一端側でこの包囲辺32と繋がり、上辺33aの両縁と包囲辺32との間、下辺33bの両縁と包囲辺32との間は各々非接合の状態となっている。また、包囲辺32には、対称配置に各々ピン穴34が設けられている。
この間隙調整体1Aは、バケット用ツース部材、間隙調整体1A、ツース部材取付体の三者の装着、嵌合を横方向から取り付けるようにした横型のものである。
この間隙調整体1Aは、バケット用ツース部材、間隙調整体1A、ツース部材取付体の三者の装着、嵌合を横方向から取り付けるようにした横型のものである。
このような間隙調整体1Aを採用しても、前記実施例に係る間隙調整体1の場合と同様な作用効果を発揮させることができる。
本考案は、ショベル機械のバケット21の先端部に採用する他、例えば2つの部材を嵌合状態として一体的とし、これら両者の間のガタツキを防止するような用途に適用可能である。
1 間隙調整体
1A 間隙調整体
2 包囲辺
3a 上辺
3b 下辺
4 ピン挿通凹部
5 バケット用ツース部材
5a ピン穴
5b ピン穴
6 ピン
21 バケット
22 ツース部材取付体
22a ピン穴
32 包囲辺
33a 上辺
33b 下辺
34 ピン穴
1A 間隙調整体
2 包囲辺
3a 上辺
3b 下辺
4 ピン挿通凹部
5 バケット用ツース部材
5a ピン穴
5b ピン穴
6 ピン
21 バケット
22 ツース部材取付体
22a ピン穴
32 包囲辺
33a 上辺
33b 下辺
34 ピン穴
Claims (3)
- ショベル機械のバケットの先端部に設けられたツース部材取付体と、このツース部材取付体に着脱可能に嵌装するツース部材との間に介在させるバケット用ツース部材の間隙調整体であって、ステンレス材により形成したことを特徴とするバケット用ツース部材の間隙調整体。
- ショベル機械のバケットの先端部に設けられたツース部材取付体と、このツース部材取付体に着脱可能に嵌装するツース部材との間に介在させるバケット用ツース部材の間隙調整体であって、ショットピーニング法にて表面処理したステンレスショット材により鞘形状に形成したことを特徴とするバケット用ツース部材の間隙調整体。
- 前記ステンレスショット材のビッカース硬さは、その表面から10乃至150(μm)の距離の範囲の測定値が541乃至443(Hv)の範囲であることを特徴とする請求項2記載のバケット用ツース部材の間隙調整体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003271519U JP3100771U (ja) | 2003-09-30 | 2003-09-30 | バケット用ツース部材の間隙調整体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003271519U JP3100771U (ja) | 2003-09-30 | 2003-09-30 | バケット用ツース部材の間隙調整体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3100771U true JP3100771U (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=43254377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003271519U Expired - Lifetime JP3100771U (ja) | 2003-09-30 | 2003-09-30 | バケット用ツース部材の間隙調整体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3100771U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023114154A1 (en) * | 2021-12-13 | 2023-06-22 | Esco Group Llc | Wear assembly and removal system |
-
2003
- 2003-09-30 JP JP2003271519U patent/JP3100771U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023114154A1 (en) * | 2021-12-13 | 2023-06-22 | Esco Group Llc | Wear assembly and removal system |
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