JP3099367U - 間伐材の回収装置 - Google Patents

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清水 幸丸
吉田 孝男
石綿 幸雄
Original Assignee
清水 幸丸
特定非営利活動法人環境資源保全研究会
イシワタ産業株式会社
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Abstract

【課題】山中の間伐材の回収作業が困難である。
【解決手段】回収装置10は、山の斜面1の上方に配されている搬入部11と、搬入部11に一体形成されている袋ユニット12Aと、この袋ユニット12Aの下部に連結されている他の1以上の袋ユニット12Bと、この袋ユニット12Bの下部に連結されている下部の袋ユニット12Cと、この袋ユニット12Cの下部に一体形成されて斜面1の下方の緩斜面に配されている搬出部13とを備えている。間伐材2は搬入部11から搬入される。従って、間伐材2は各袋ユニット内を滑落することになる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、山中の間伐材を回収するための装置に関し、特に間伐材を滑落させて回収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では石油に代わるエネルギー資源が各種提案されているが、その一つとして間伐材が注目されている。
このような間伐材は、間伐作業の終了後、そのまま山中に放置され、自然に朽ちさせているのが現状である。
ところで、間伐材をエネルギー資源として活用するためには、その回収作業が必要となる。即ち、間伐材が林道等の作業道の近傍に放置されている場合には、人的又は機械的に拾い集めることでその回収を比較的簡単に行うことができる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、多くの間伐材は山中に存在するため、その搬出作業には熟練した多数の作業者を必要とし、従って、回収に多大な費用を要し、又特に急峻な斜面に放置されている間伐材を搬出するためには、間伐材が大きな重量を有することから作業者に多大な負担と危険を強いる欠点がある。
本考案は、山中の間伐材を簡単かつ作業性よく、しかも安全、安価に搬出することが可能な間伐材の回収装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案はこのような課題を解決するため次のような構成を具備している。
即ち、本考案は、山の斜面の上方に配されて間伐材が搬入される搬入口を有する搬入部と、搬入された間伐材を斜面に沿って下方まで滑落させる滑落部と、滑落した間伐材を搬出するための搬出口を有する搬出部と、少なくとも搬入部及び搬出部を支持する支持手段とを含むことを特徴とする。
上記滑落部は、斜面に上下方向に沿って配され、相互に連結される袋状布部材から成る複数の袋ユニットから形成してもよい。
各袋ユニットに、間伐材に滑りを付与する補強材を設けてもよい。
また、本考案では、山中の立木に傷を付さないように装着される装着体と、装着体に連結されて搬入部等を支持する支持ロープとから支持手段を構成してもよい。
更に、搬入口の近傍に配置される鼓型ローダ等の牽引機を含んでもよく、この場合間伐材を引き上げるために利用する。
【0005】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施形態を図面を参照して説明する。
図6には本考案に係る回収装置の概略構成が示されている。
この回収装置10は、山の斜面1の上方に配されている搬入部11と、搬入部11に一体形成されている袋ユニット12Aと、この袋ユニット12Aの下部に連結されている他の1以上の袋ユニット12Bと、この袋ユニット12Bの下部に連結されている下部の袋ユニット12Cと、この袋ユニット12Cの下部に一体形成されて斜面1の下方の緩斜面に配されている搬出部13とを備えている。図7は回収すべき間伐材2を示し、この間伐材2は図6に示すように、搬入部11から搬入される。従って、間伐材2は上記各袋ユニット内を滑落することになる。
【0006】
図1は搬入部11の平面図である。この搬入部11は、ラッパ状に形成され、その開口から成る搬入口20と、本体を支持する折り曲げ可能なポリエステル繊維の編組体から成る支持ベルト21と、各支持ベルト21の先端に設けられている連結リング22と、斜面上を伸びて該斜面に適宜の手段で固定される開口保持部23とを備えている。連結リング22には支持ロープ30の一端が連結され、各支持ロープ30の他端は後述する支持手段50に連結される。
尚、搬入部11の天布11aには上部受布11bが一体形成され、上部受布11bは連結リング22に連結されているロープ11cにより張架されている。
【0007】
搬入部11には袋ユニット12Aが一体形成されている。
この袋ユニット12は、図2に示すように天布24の長手方向に沿った両端部に固定されている折り曲げ可能な上記編組体から成る支持ベルト25と、これら支持ベルト25,25により支持されている袋布26と、袋布26の内周面に固定されている補強布27とを有している。天布24及び袋布26は耐摩耗性、耐経年変化、耐強度の優れている、例えば、肉厚のポリエステルから形成されている。補強布27は、例えば袋布26と同一厚さを有し、滑材の混入されたポリエステルから形成されている。
この袋ユニット12は、例えば20〜50mの長さ寸法を有し、支持ベルト25に設けられる連結リング28に連結されている支持ロープ30及び支持手段50により斜面上で支持される。
尚、他の袋ユニット12B,12Cも袋ユニット12Aと同一構造を有しているので、その説明を省略する。
【0008】
図3は袋ユニットの相互の連結構成を示す斜視図である。即ち、この連結構造は、下方の袋ユニット12Bの各支持ベルト25端部に取り外し可能に取付けられたシャックル31と、上方の袋ユニット12Aの各支持ベルト25端部に設けられてシャックル31に連結されている輪部25aと、下方の袋ユニット12Bの袋布26端部に一体形成されている補強連結材32と、上方の袋ユニット12Aの袋布26端部の内方に一体形成されている補強連結材33と、両補強連結材32,33を相互に連結している通し紐34とを備え、上方の袋ユニット12Aの袋布26端部26aが下方の袋ユニット12Bの袋布26端部に挿入されている。
【0009】
図4は上記搬出部13の斜視図である。この搬出部13は、袋ユニット12Cの開口から成る搬出口35と、袋ユニット12Cの天布から一体的に下方に伸びる略台形状の受布36と、受布36の支持ベルト37,37の先端に止め輪を介して取付けられている滑車38と、滑車38に差掛けられている張設ロープ39を牽引するための滑車40と、この滑車40を止め輪等を介して斜面近傍に保持する固定ブロック41とを備えている。従って、受布36の先端が斜面に接近するので、滑落してくる間伐材2が受布36に当接してその位置で止まることになる。
【0010】
次に、図5は、上記搬入部11、各袋ユニット及び搬出部13をそれぞれ支持ロープ30により支持するための支持手段50の斜視図である。
この支持手段は山中の適宜の立木3に巻き付けて取付けられる装着体51を有している。この装着体51は袋状に形成されて内部に粗毛フェルト材が緩衝材として充填され、立木3に巻き付けられてベロクロファスナ52により固定されている。装着体51の上下の外周面にはベルト53,53の挿通される挿通部54,54が設けられている。各ベルト53の一端の輪部53aには他端側のベルト部分が通され、他端には支持ロープ30の釣金具が係合される輪部53bが設けられている。従って、間伐材2の滑落で支持ロープ30に不規則な張力や揺動力が加わった場合には、ベルト53,53が装着体51上で回動し、しかも粗毛フェルト材が衝撃力を吸収するので、立木3に局部的な力が加わることがなく、従って、立木3の樹皮を保護することができる。
尚、各袋ユニットは斜面から充分に離間する高さ位置で支持手段50により支持される。
【0011】
次に、本考案の回収装置の使用態様を説明する。
先ず、各袋ユニット12A,12B,12Cを折り畳み、支持手段50、支持ロープ30等をそれぞれ別体として現場まで自動車等により搬送する。
次に、2名〜3名の作業者により袋ユニット等を斜面上まで運び、袋ユニット12A,12B及び12Cの順で支持手段50、支持ロープ30により支持する等により、本考案の回収装置10を組み立てる。尚、袋ユニットを2〜3m間隔で支持ロープ30により支持することが好ましく、これにより立木に加わる張力を小さくすることが可能となる。
そして、作業者が間伐材2を斜面上の搬入部11に、図6に示すように、搬入する。これにより、間伐材2は各袋ユニットを滑落し、搬出部13まで搬出される。斜面の下方の作業者は、搬出された間伐材2を自動車等まで運び、積み上げる。
間伐材2の回収作業が終了した場合には、本考案の回収装置を分解し、各袋ユニットを折り畳んで、下山する。
【0012】
上記実施例の連結構成(図3)において、各袋ユニットの袋布26の端部26aにベロクロファスナを設けて更に連結を強固にしてもよい。また、各端部26aに折り返し型のベロクロファスナを設け、各ファスナ間を連結用リングにより連結してもよい。
また、斜面の上方まで自動車により移動が可能であれば、自動車に鼓型ローダ(船舶用の巻上げ機:(株)工進製)を搭載し、このローダによりロープを介して近傍に放置されている間伐材2を引き上げるようにしてもよい。
更に、上記鼓型ローダを袋ユニットの支持組立及び分解時に袋ユニットへ張力を付与する手段として利用してもよく、これにより安全に組立作業等を行うことができる。
【0013】
【考案の効果】
本考案によれば、山の斜面で組み立て及び分解が簡単な構造で、しかも間伐材を滑落させる構造を有する回収装置を提供できるので、熟練していない少数の作業者であっても間伐材を安全かつ作業性よく回収することができ、従って、回収に要する費用も少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る搬入部の平面図である。
【図2】図1のA−A線断面で示す袋ユニットの斜視図である。
【図3】本考案に係る袋ユニットの連結構造を示す斜視図である。
【図4】本考案に係る搬出部の斜視図である。
【図5】本考案に係る支持手段の斜視図である。
【図6】本考案に係る回収装置の概念図である。
【図7】間伐材の斜視図である。
【符号の説明】
11 搬入部
11a 天布
11b 上部受布
11c ロープ
12A 袋ユニット
20 搬入口
21,25 支持ベルト
22 連結リング
23 開口保持部
24 天布
28 連結リング
30 支持ロープ

Claims (6)

  1. 山中の間伐材を回収するための装置であって、
    山の斜面の上方に配されて前記間伐材が搬入される搬入口を有する搬入部と、前記搬入された間伐材を前記斜面に沿ってその下方まで滑落させる滑落部と、滑落した前記間伐材を搬出するための搬出口を有する搬出部と、少なくとも前記搬入部及び搬出部を支持する支持手段とを含むことを特徴とする間伐材の回収装置。
  2. 前記滑落部は、前記斜面に上下方向に沿って配され、相互に連結される袋状布部材から成る複数の袋ユニットから成ることを特徴とする請求項1記載の間伐材の回収装置。
  3. 前記袋ユニットは、内周に間伐材に滑りを付与する補強材が設けられていることを特徴とする請求項2記載の間伐材の回収装置。
  4. 前記支持手段は、立木に着脱可能に装着される装着体と、該装着体に連結されて前記搬入部及び搬出部を支持する支持ロープとを有することを特徴とする請求項1記載の間伐材の回収装置。
  5. 前記搬入口の近傍に配置されて前記斜面上の間伐材をロープを介して引き上げる牽引機を更に含むことを特徴とする請求項1記載の間伐材の回収装置。
  6. 前記牽引機は鼓型ローダであることを特徴とする請求項5記載の間伐材の回収装置。
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