JP3098967U - 可撓性x線マーカー - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で、簡単且つ取り扱いやすく、正確なX線マーカーを提供する。
【解決手段】予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性の可撓性マトリックス構造を有する可撓性X線マーカー、あるいは、可撓性基板に、予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性のマトリックス構造を可撓性基板上あるいは前記可撓性基板中に設けた。
【選択図】 図3
【解決手段】予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性の可撓性マトリックス構造を有する可撓性X線マーカー、あるいは、可撓性基板に、予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性のマトリックス構造を可撓性基板上あるいは前記可撓性基板中に設けた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、医療において患部のX線撮影の際に用いられるX線マーカーに関するもので、より詳しくは、患部のX線撮影の際に患部を覆うように配置され、患部と共にX線撮影され、結果として得られる患部の映像に重乗された前記マーカーの映像を読むことにより、患部の正確な位置を知ることができるX線マーカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
手術、カテーテルの挿入などの医療行為を行う前に、患部の位置を正確に知ることは効率的な医療行為、正確な医療行為のために非常に大切である。このため、最近では、デジタル化が急速な進展を遂げていることと機器類の著しい発展により、更に、X線の撮影の仕方、画像処理の仕方などの改良も加わり、患部の位置を正確に把握できる方法が発達して、正確な医療行為の向上が著しい。
【0003】
しかし、かかる装置、方法は非常に高価なために、大病院での使用に限定される傾向にあるが、大病院でさえ、医療行為直前、直後に簡単に検査することは困難である。このため、簡易な方法が提案され医療行為の精度と効率向上の試みが行われている。たとえば、アイ・ビー・ティー社が発売しているX線不透過性のマトリックス構造をもつX線グリッドなどが知られている。あるいはたとえば、実用新案登録第3065768号に開示されたX線不透過性の目盛りを備え接着剤を層設した粘着シートを患部あるいは患部近辺に貼付し、X線撮影することにより、患部の位置を正確にしかも簡単に知ろうとする試みが行われている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
これら公知の簡便な手段は、価格と簡便さ故に、好意的に受け入れられているが、一方、その改良が痛切に望まれている。ひとつにX線撮影の部位が限られる、あるいは、部位によっては、正確な位置を知ることはかえって困難になる、あるいは、取り扱いが結構難しいなどの改善点が使用するに際して目立ってきている。
【0005】
たとえば、アイ・ビー・ティー社製のものは、リジッドな(硬い)ために、凹凸がある患部には不適切であり、たとえば、患部に当接する傾斜角を希望の角度で一定に保持することが困難である。前記実用新案登録にはリジッドなものとフレキシブルなものの両方が記載されているが、この内リジッドのものは、前記欠点を有している。一方、前記実用新案登録記載のフレキシブルなものは、接着剤層を患部に貼付したときに患部に沿って目盛が大きく不規則に変形されるために、撮影後の像の読み取りにおいて、正確度、精密度を求めるのが難しい。もちろん両者とも、最適の限られた用途では、その有効性は発揮する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、かかる状況に鑑み、予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性の可撓性マトリックス構造を有することを特徴とする可撓性X線マーカー、あるいは、可撓性基板に、予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性のマトリックス構造を前記可撓性基板上あるいは前記可撓性基板中に設けたことを特徴とする可撓性X線マーカーが、前記改善点に対して非常に有用、有効であることを発見した。 前記縦横長が等しくない可撓性X線マーカーも好ましく用いられる。
【0007】
【考案の実施の態様】
本考案において、可撓性とは、硬すぎず、柔らかすぎず、適度の弾性を有するもので、自重で撓む程度の柔らかさを有するが、凹凸部に沿ってしまわない硬さを有するものである。たとえば、65%湿度で、A列の通常の複写紙において、20キログラム紙〜150キログラム紙といわれる程度のしなやかさ、即ちその程度の柔軟性と弾性を有するものに相当する。また、マトリックス構造とは、正方形、長方形の升目を有する構造であって、各桝目の縦の長さと横の長さは、それぞれ数ミリから数センチメートルの範囲で用いられ、同一の可撓性X線マーカーの中では前記桝目の縦と横の長さは一定であり、好ましくは、5ミリメートル前後のものである。また、前記桝目の縦と横の比率は1:20〜20:1の範囲で好ましく用いられる。
【0008】
X線不透過性のマトリックス構造を得るには、X線不透過性の金属、あるいは非金属の粉を樹脂に混練した樹脂塗布液を用いて、基板にグラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷手法により縦横の升目を印刷することにより簡単に作成できる。この基板は好ましくは、樹脂のシート類が用いられるが、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフェニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などのもので、樹脂の硬さによって厚さは異なるが、前記可撓性を有するような厚みが選択される。好ましくは、可視光に透明なものが選ばれ、患部の位置に置いて用いる際に使用しやすい。また、X線透過性であることが必要である。
【0009】
X線不透過性の金属としては、鉛、金などの金属も用いることができるが、タングステンが価格、環境の点で好ましい。非金属としては、硫酸バリウムなどが良く知られている。これら金属、非金属は、粉状のものを結合剤、溶媒などを用いて、塗布液の形で印刷用に用いることができる。もちろん、タングステンなどの金属線を用いて、これを縦横の升目に溶接などの方法で接着して得られるマトリックス構造を樹脂シートの中に入れる方式で、樹脂シートを形成することもできるし、この金属線のマトリックス構造を前記塗布液に浸漬し、前記金属線マトリックス構造の金属線を樹脂で覆って、基板を用いない可撓性のマトリックス構造体を作ることもできる。このときの可撓性は、前記したものであって、金属線の種類、太さ、樹脂の種類、厚さで調整される。
【0010】
本考案に係る可撓性X線マーカーは、患部に乗せてX線撮影がされるが、この撮影の際に、患者の予期しない動きで移動する恐れのある場合には、絆創膏などで一部を患部に貼付すると良い。本考案の可撓性から、患部によっては、自重で撓みができるが、その程度は、撮影の際に測定可能であるから、この撓みを考慮して、読み取ることにより、正確な術部を知ることができる。
【0011】
本考案に係る可撓性X線マーカーは、どんな患部にも適用できるが、特に、子供、たとえば、一歳の幼児のような子供の胸部、心臓部の撮影に好ましく用いられる。頭部など、色々なところで使用できるが、子供のように静止が難しい場合には、少しの動きにも、位置のさほどのずれが生ぜずに好ましく使用される。リジッドであると撮影は困難なものでも、本考案の可撓性マーカーは有用である。
【0012】
本考案に係る可撓性X線マーカーは、2枚を併用することができ、特に縦横比の異なる2個の同一可撓性X線マーカーを90度の角度をもって、クロスさせ、患部の表面と裏面にそれぞれ用いて、X線撮影をすることによって、クロスする2種のマトリックスを、濃度の違いを利用して、表面、裏面を区別して読み取ることによって、術部の位置が深さ方向を含めてよく読める利点もある。
【0013】
本考案の可撓性X線マーカーは、前記実用新案登録のように、接着層を全体に持たないものであるが、一部に接着剤を用意しても良い。特に中心部、両端部に接着機能をもたせるために両面接着テープのようなものを用意してもよい。しかし、望ましくは、接着層を有さず、必要な場合には、絆創膏のような接着テープを一時的に用いるのが好ましい。絆創膏のような接着テープは安全性が確認されているものが利用できる上に、接着性に関して、充分な性能の確認されているものが利用できる。
【0014】
前記実用新案登録のように、接着層を設けたものは、接着力の関係で、使用回数が限定されるばかりではなく、患部によっては、接着剤による細菌の汚染防止のために、使用は、一回に限る必要が生ずる。そのためにも、本考案に係る可撓性X線マーカーは接着層がないものが望ましい。また、この接着層のあるタイプは、剥離紙のような接着層を保護するものが必要であり、余分な資材による環境問題があるばかりではなく、使用時、使用後にこの接着層が周囲に接触すると接着することがあって、その取り扱いは不便である。
【0015】
本考案に係る可撓性X線マーカーの大きさ、サイズは、従来存在するサイズと同じ大きさの各種が使用できる。例えば、前記X線グリッドタイプのものと同じ大きさが用意できるが、もっと小さいサイズも使用でき、これは、本考案にかかる可撓性X線マーカーの特性によるところが大である。前記X線グリッドは、その使用される目的、用途から、大きな患部、例えば、大人の胸部とか腹部とかの用途のために大きなサイズが望ましい。一方、また、前記実用新案登録の場合には、接着層が患部に貼付されるために、小サイズのものであって、例えば手首、足などのX線撮影用である。本考案に係るものは、大きなサイズから小さなサイズまで、換言すれば、大患部用から小患部用、大人用から小児用まで用意できる。
【0016】
【実施例】
以下、本考案を実施例で、図1乃至6により更に具体的に説明する。図1は、本考案に係る1実施例にかかる可撓性マトリックス構造の可撓性X線マーカーの概念斜視図である。図2は、図1の可撓性X線マーカーの断面図である。1は、タングステンの線を網目状に構成し、縦横比が1.5で一定にし、縦の長さが4ミリメートルで、横の長さが6ミリメートルの一定の升目を有している。前記タングステン線は太さが0.02ミリメートルで、ポリエチレン樹脂で覆われている。タングステン線への樹脂被覆は、ポリエチレン樹脂溶液に前記網目を浸漬し、乾燥して作成された。前記網目への樹脂厚は、0.05ミリメートルになるように調整した。この可撓性X線マーカーのサイズは縦30センチメートルで横24センチメートルであった。
【0017】
図3は、他の実施例の概念斜視図であり、図4は、その右側面図である。ポリテレフタレート樹脂の厚さ0.15ミリメートルの透明なシートからなる基板3の上に、マトリックスの線4が印刷されたものである。表面処理された基板上に、着色されたポリエチレン樹脂インクにタングステンの粉を50重量%で混練したインクを用いて、印刷したものである。縦24センチメートル、横18センチメートルの大きさで作成した。基板3の上のマトリックスは正方形から構成され、桝目の縦と横はそれぞれ、5ミリメートルであった。
【0018】
図5は、他の実施例にかかる可撓性X線マーカーの例で、概念斜視図は図3のようで、その右側面図が図5である。厚さ0.06ミリメートルの透明な2枚のポリエステルフイルムの間に図1に用いたタングステンの網を挟んで成型したものである。網目の大きさ、線の太さは図1のものと同一である。この可撓性X線のサイズは、14インチの正方形であった。
【0019】
これら各実施例にかかる可撓性X線マーカーは、図6のように用いた。図6において、5は、子供の胸部で、この上にX線マーカー6を乗せて撮影した。このとき胸部の中央部の横端を絆創膏で止めておくと子供のわずかな動きに前記X線マーカーは位置ずれをおこすことなく用いられた。なお、絆創膏を使用しなくても硬い従来のグリッドが起こしたような大きな問題は生じなかった。また、接着剤が全面に塗られていないために、取り扱いが非常に容易であった。結果として、望む術部の患部での位置が明確にわかった。
【0020】
【考案の効果】
本考案は以上のように構成されるから、硬いリジッドなものや、接着剤を全面に使用した従来のものに比較し、患者の動きに対して、正確に術部を見つけやすくなったばかりではなく、その取り扱いは格段に向上した。また、マトリックス構造以外の部分を可視的にも透明に構成できるから、患部への適応が楽に行える利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の1実施例の概念斜視図である。
【図2】上記実施例の右側面図である。
【図3】本考案にかかる他の実施例の概念斜視図である。
【図4】図3の実施例の右側面図である。
【図5】本考案にかかる他の実施例の右側面図である。
【図6】本考案にかかる可撓性X線マーカーの使用概念図である。
【符号の説明】
1 可撓性X線マーカー
2 タングステン線
3 基板
4 マトリックス構造
5 胸部断面
6 可撓性X線マーカー
11 爪部の凹部
【考案の属する技術分野】
本考案は、医療において患部のX線撮影の際に用いられるX線マーカーに関するもので、より詳しくは、患部のX線撮影の際に患部を覆うように配置され、患部と共にX線撮影され、結果として得られる患部の映像に重乗された前記マーカーの映像を読むことにより、患部の正確な位置を知ることができるX線マーカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
手術、カテーテルの挿入などの医療行為を行う前に、患部の位置を正確に知ることは効率的な医療行為、正確な医療行為のために非常に大切である。このため、最近では、デジタル化が急速な進展を遂げていることと機器類の著しい発展により、更に、X線の撮影の仕方、画像処理の仕方などの改良も加わり、患部の位置を正確に把握できる方法が発達して、正確な医療行為の向上が著しい。
【0003】
しかし、かかる装置、方法は非常に高価なために、大病院での使用に限定される傾向にあるが、大病院でさえ、医療行為直前、直後に簡単に検査することは困難である。このため、簡易な方法が提案され医療行為の精度と効率向上の試みが行われている。たとえば、アイ・ビー・ティー社が発売しているX線不透過性のマトリックス構造をもつX線グリッドなどが知られている。あるいはたとえば、実用新案登録第3065768号に開示されたX線不透過性の目盛りを備え接着剤を層設した粘着シートを患部あるいは患部近辺に貼付し、X線撮影することにより、患部の位置を正確にしかも簡単に知ろうとする試みが行われている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
これら公知の簡便な手段は、価格と簡便さ故に、好意的に受け入れられているが、一方、その改良が痛切に望まれている。ひとつにX線撮影の部位が限られる、あるいは、部位によっては、正確な位置を知ることはかえって困難になる、あるいは、取り扱いが結構難しいなどの改善点が使用するに際して目立ってきている。
【0005】
たとえば、アイ・ビー・ティー社製のものは、リジッドな(硬い)ために、凹凸がある患部には不適切であり、たとえば、患部に当接する傾斜角を希望の角度で一定に保持することが困難である。前記実用新案登録にはリジッドなものとフレキシブルなものの両方が記載されているが、この内リジッドのものは、前記欠点を有している。一方、前記実用新案登録記載のフレキシブルなものは、接着剤層を患部に貼付したときに患部に沿って目盛が大きく不規則に変形されるために、撮影後の像の読み取りにおいて、正確度、精密度を求めるのが難しい。もちろん両者とも、最適の限られた用途では、その有効性は発揮する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、かかる状況に鑑み、予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性の可撓性マトリックス構造を有することを特徴とする可撓性X線マーカー、あるいは、可撓性基板に、予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性のマトリックス構造を前記可撓性基板上あるいは前記可撓性基板中に設けたことを特徴とする可撓性X線マーカーが、前記改善点に対して非常に有用、有効であることを発見した。 前記縦横長が等しくない可撓性X線マーカーも好ましく用いられる。
【0007】
【考案の実施の態様】
本考案において、可撓性とは、硬すぎず、柔らかすぎず、適度の弾性を有するもので、自重で撓む程度の柔らかさを有するが、凹凸部に沿ってしまわない硬さを有するものである。たとえば、65%湿度で、A列の通常の複写紙において、20キログラム紙〜150キログラム紙といわれる程度のしなやかさ、即ちその程度の柔軟性と弾性を有するものに相当する。また、マトリックス構造とは、正方形、長方形の升目を有する構造であって、各桝目の縦の長さと横の長さは、それぞれ数ミリから数センチメートルの範囲で用いられ、同一の可撓性X線マーカーの中では前記桝目の縦と横の長さは一定であり、好ましくは、5ミリメートル前後のものである。また、前記桝目の縦と横の比率は1:20〜20:1の範囲で好ましく用いられる。
【0008】
X線不透過性のマトリックス構造を得るには、X線不透過性の金属、あるいは非金属の粉を樹脂に混練した樹脂塗布液を用いて、基板にグラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷手法により縦横の升目を印刷することにより簡単に作成できる。この基板は好ましくは、樹脂のシート類が用いられるが、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリフェニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などのもので、樹脂の硬さによって厚さは異なるが、前記可撓性を有するような厚みが選択される。好ましくは、可視光に透明なものが選ばれ、患部の位置に置いて用いる際に使用しやすい。また、X線透過性であることが必要である。
【0009】
X線不透過性の金属としては、鉛、金などの金属も用いることができるが、タングステンが価格、環境の点で好ましい。非金属としては、硫酸バリウムなどが良く知られている。これら金属、非金属は、粉状のものを結合剤、溶媒などを用いて、塗布液の形で印刷用に用いることができる。もちろん、タングステンなどの金属線を用いて、これを縦横の升目に溶接などの方法で接着して得られるマトリックス構造を樹脂シートの中に入れる方式で、樹脂シートを形成することもできるし、この金属線のマトリックス構造を前記塗布液に浸漬し、前記金属線マトリックス構造の金属線を樹脂で覆って、基板を用いない可撓性のマトリックス構造体を作ることもできる。このときの可撓性は、前記したものであって、金属線の種類、太さ、樹脂の種類、厚さで調整される。
【0010】
本考案に係る可撓性X線マーカーは、患部に乗せてX線撮影がされるが、この撮影の際に、患者の予期しない動きで移動する恐れのある場合には、絆創膏などで一部を患部に貼付すると良い。本考案の可撓性から、患部によっては、自重で撓みができるが、その程度は、撮影の際に測定可能であるから、この撓みを考慮して、読み取ることにより、正確な術部を知ることができる。
【0011】
本考案に係る可撓性X線マーカーは、どんな患部にも適用できるが、特に、子供、たとえば、一歳の幼児のような子供の胸部、心臓部の撮影に好ましく用いられる。頭部など、色々なところで使用できるが、子供のように静止が難しい場合には、少しの動きにも、位置のさほどのずれが生ぜずに好ましく使用される。リジッドであると撮影は困難なものでも、本考案の可撓性マーカーは有用である。
【0012】
本考案に係る可撓性X線マーカーは、2枚を併用することができ、特に縦横比の異なる2個の同一可撓性X線マーカーを90度の角度をもって、クロスさせ、患部の表面と裏面にそれぞれ用いて、X線撮影をすることによって、クロスする2種のマトリックスを、濃度の違いを利用して、表面、裏面を区別して読み取ることによって、術部の位置が深さ方向を含めてよく読める利点もある。
【0013】
本考案の可撓性X線マーカーは、前記実用新案登録のように、接着層を全体に持たないものであるが、一部に接着剤を用意しても良い。特に中心部、両端部に接着機能をもたせるために両面接着テープのようなものを用意してもよい。しかし、望ましくは、接着層を有さず、必要な場合には、絆創膏のような接着テープを一時的に用いるのが好ましい。絆創膏のような接着テープは安全性が確認されているものが利用できる上に、接着性に関して、充分な性能の確認されているものが利用できる。
【0014】
前記実用新案登録のように、接着層を設けたものは、接着力の関係で、使用回数が限定されるばかりではなく、患部によっては、接着剤による細菌の汚染防止のために、使用は、一回に限る必要が生ずる。そのためにも、本考案に係る可撓性X線マーカーは接着層がないものが望ましい。また、この接着層のあるタイプは、剥離紙のような接着層を保護するものが必要であり、余分な資材による環境問題があるばかりではなく、使用時、使用後にこの接着層が周囲に接触すると接着することがあって、その取り扱いは不便である。
【0015】
本考案に係る可撓性X線マーカーの大きさ、サイズは、従来存在するサイズと同じ大きさの各種が使用できる。例えば、前記X線グリッドタイプのものと同じ大きさが用意できるが、もっと小さいサイズも使用でき、これは、本考案にかかる可撓性X線マーカーの特性によるところが大である。前記X線グリッドは、その使用される目的、用途から、大きな患部、例えば、大人の胸部とか腹部とかの用途のために大きなサイズが望ましい。一方、また、前記実用新案登録の場合には、接着層が患部に貼付されるために、小サイズのものであって、例えば手首、足などのX線撮影用である。本考案に係るものは、大きなサイズから小さなサイズまで、換言すれば、大患部用から小患部用、大人用から小児用まで用意できる。
【0016】
【実施例】
以下、本考案を実施例で、図1乃至6により更に具体的に説明する。図1は、本考案に係る1実施例にかかる可撓性マトリックス構造の可撓性X線マーカーの概念斜視図である。図2は、図1の可撓性X線マーカーの断面図である。1は、タングステンの線を網目状に構成し、縦横比が1.5で一定にし、縦の長さが4ミリメートルで、横の長さが6ミリメートルの一定の升目を有している。前記タングステン線は太さが0.02ミリメートルで、ポリエチレン樹脂で覆われている。タングステン線への樹脂被覆は、ポリエチレン樹脂溶液に前記網目を浸漬し、乾燥して作成された。前記網目への樹脂厚は、0.05ミリメートルになるように調整した。この可撓性X線マーカーのサイズは縦30センチメートルで横24センチメートルであった。
【0017】
図3は、他の実施例の概念斜視図であり、図4は、その右側面図である。ポリテレフタレート樹脂の厚さ0.15ミリメートルの透明なシートからなる基板3の上に、マトリックスの線4が印刷されたものである。表面処理された基板上に、着色されたポリエチレン樹脂インクにタングステンの粉を50重量%で混練したインクを用いて、印刷したものである。縦24センチメートル、横18センチメートルの大きさで作成した。基板3の上のマトリックスは正方形から構成され、桝目の縦と横はそれぞれ、5ミリメートルであった。
【0018】
図5は、他の実施例にかかる可撓性X線マーカーの例で、概念斜視図は図3のようで、その右側面図が図5である。厚さ0.06ミリメートルの透明な2枚のポリエステルフイルムの間に図1に用いたタングステンの網を挟んで成型したものである。網目の大きさ、線の太さは図1のものと同一である。この可撓性X線のサイズは、14インチの正方形であった。
【0019】
これら各実施例にかかる可撓性X線マーカーは、図6のように用いた。図6において、5は、子供の胸部で、この上にX線マーカー6を乗せて撮影した。このとき胸部の中央部の横端を絆創膏で止めておくと子供のわずかな動きに前記X線マーカーは位置ずれをおこすことなく用いられた。なお、絆創膏を使用しなくても硬い従来のグリッドが起こしたような大きな問題は生じなかった。また、接着剤が全面に塗られていないために、取り扱いが非常に容易であった。結果として、望む術部の患部での位置が明確にわかった。
【0020】
【考案の効果】
本考案は以上のように構成されるから、硬いリジッドなものや、接着剤を全面に使用した従来のものに比較し、患者の動きに対して、正確に術部を見つけやすくなったばかりではなく、その取り扱いは格段に向上した。また、マトリックス構造以外の部分を可視的にも透明に構成できるから、患部への適応が楽に行える利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の1実施例の概念斜視図である。
【図2】上記実施例の右側面図である。
【図3】本考案にかかる他の実施例の概念斜視図である。
【図4】図3の実施例の右側面図である。
【図5】本考案にかかる他の実施例の右側面図である。
【図6】本考案にかかる可撓性X線マーカーの使用概念図である。
【符号の説明】
1 可撓性X線マーカー
2 タングステン線
3 基板
4 マトリックス構造
5 胸部断面
6 可撓性X線マーカー
11 爪部の凹部
Claims (4)
- 予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性の可撓性マトリックス構造を有することを特徴とする可撓性X線マーカー。
- 可撓性基板に、予め定められた縦横比と縦横長を有するX線不透過性のマトリックス構造を設けたことを特徴とする可撓性X線マーカー。
- 前記可撓性基板上に前記マトリックス構造が設けられたことを特徴とする請求項2記載の可撓性X線マーカー。
- 前記縦横長が等しくないことを特徴とする請求項1または請求項2記載の可撓性X線マーカー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003004318U JP3098967U (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 可撓性x線マーカー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003004318U JP3098967U (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 可撓性x線マーカー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3098967U true JP3098967U (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=43252706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003004318U Expired - Lifetime JP3098967U (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 可撓性x線マーカー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3098967U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018130526A (ja) * | 2017-02-15 | 2018-08-23 | 静岡県 | 放射線撮像用マーカ及び放射線撮像用マーカの製造方法 |
JP2019535467A (ja) * | 2016-10-31 | 2019-12-12 | ドリアン・アベルブフDorianAVERBUCH | 医用イメージング用治具およびその使用方法 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003004318U patent/JP3098967U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019535467A (ja) * | 2016-10-31 | 2019-12-12 | ドリアン・アベルブフDorianAVERBUCH | 医用イメージング用治具およびその使用方法 |
JP2018130526A (ja) * | 2017-02-15 | 2018-08-23 | 静岡県 | 放射線撮像用マーカ及び放射線撮像用マーカの製造方法 |
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