JP3098583B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP3098583B2
JP3098583B2 JP03233399A JP23339991A JP3098583B2 JP 3098583 B2 JP3098583 B2 JP 3098583B2 JP 03233399 A JP03233399 A JP 03233399A JP 23339991 A JP23339991 A JP 23339991A JP 3098583 B2 JP3098583 B2 JP 3098583B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式による現
像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】少なくとも弾性層を有する現像剤担持体
を使用し現像する現像装置としては、USP31520
12、特開昭47−13088、特開昭54−1395
52、特開昭55−77764、特開平1−19188
0、特開平2−259785、特願平2−58321等
が提案されている。前記の如き現像装置は、現像剤を潜
像担持体に接触し現像する現像装置であり、少なくとも
弾性層を有する現像剤担持体を使用することにより、現
像ギャップの厳密な管理が不要であり、現像ニップも広
くすることが可能であり、現像剤の薄層を容易に形成
し、かつ現像剤を均一に現像領域へ搬送することが可能
であり、高品質な画像を安定して現像することが可能で
ある。特に、弾性層が発泡体により構成される場合は硬
度の極めて低い現像剤担持体となり広い現像領域でのソ
フトな接触が可能となり、さらに高精細な画像の現像が
可能となる。
【0003】現像剤担持体の表面部分の電気抵抗を規定
した従来例としては、特開昭62−118372、特開
昭63−311367、特開平1−191880等が挙
げられる。特開昭62−118372は、反転現像にお
ける現像剤の電荷維持を目的とするものであり、具体的
には、表面部分の体積抵抗率を108(Ω・cm)以上
としている。また、特開昭63−311367は、画像
濃度と階調性を両立させることを目的とするものであ
り、現像剤担持体の表面部分の厚さ及び体積抵抗率につ
いて規定し、具体的には、例えば、表面部分の厚さ10
-1(cm)の場合、体積抵抗率は108〜1011(Ω・
cm)としている。また、特開平1−191880は、
周知の現像電極効果あるいは現像バイアス効果を得るこ
とを目的とするものであり、具体的には、導電層の体積
抵抗率を109(Ω・cm)以下としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】少なくとも弾性層を有
する現像剤担持体としては、潜像担持体に接触するため
硬度が極めて低いこと、現像剤担持体は局部的な圧縮変
形及び変形からの回復を繰り返すため圧縮永久歪が極め
て小さいことが要求される。さらに、潜像担持体とニッ
プを確保しつつ安定的に接触させるために、小偏心、高
真円度な現像剤担持体の形成が容易であり、また、安定
した現像剤搬送を行うために、現像剤担持体の表面粗さ
の制御が容易であること、すなわち、現像剤担持体の加
工が容易であること等が要求される。しかし、現像剤担
持体が極めて低硬度の弾性体により構成される場合は、
現像剤担持体表面の研磨等の加工が困難であり、さら
に、弾性体として圧縮永久歪が小さい材料は極めて限定
されるという問題がある。
【0005】少なくとも弾性層を有する現像剤担持体に
おいて、画像濃度を確保し、さらに、細線及び網点の再
現性が良好な、高解像度の画像形成を可能とするために
は、現像剤担持体が導電性であることが要求される。し
かし、導電性を付与するために、多量の導電性粒子を添
加することにより、現像剤担持体の弾性が失われ、潜像
担持体と現像剤担持体が充分なニップを確保することが
不可能となるという問題がある。現像剤担持体の弾性を
維持しつつ、導電性粒子を添加するためには、可塑剤
(例えば、ステアリン酸、ヒマシ油等の脂肪油系、パイ
ンタール等の松根油系、パラフィン等の石油系、クマロ
ン・インデン樹脂等のコールタール系、DOP等の合成
樹脂系、シリコーンオイル、フッ素オイル等)を多量に
添加することが不可欠であるが、可塑剤が徐々に現像剤
担持体表面に滲み出すことにより、現像剤担持体の弾性
が失われ、潜像担持体と現像剤担持体がニップを確保し
つつ、安定的に接触することが不可能となり、また、潜
像担持体や現像剤に可塑剤が移行し、潜像担持体の劣化
(潜像担持体表面において潜像担持体を構成する樹脂が
可塑剤により膨潤あるいは溶解することによる軟化。潜
像担持体表面に付着した可塑剤が現像剤を構成する樹脂
を膨潤あるいは溶解することにより軟化した現像剤が潜
像担持体へ付着あるいはフィルミング。可塑剤が潜像担
持体に浸透することによる潜像担持体の抵抗低下に起因
する潜像の乱れやコントラスト低下等。また、潜像担持
体が感光体である場合には、ホールあるいは電子である
キャリアの移動の阻害による潜像担持体の光感度の低下
による潜像のコントラストの低下等。)、現像剤の軟化
・凝集、現像剤担持体への現像剤のフィルミングが生じ
るという問題がある。
【0006】また、導電性の弾性層は、一般的に、導電
性粒子を分散させた弾性材料を金型に流し込み、硬化
(発泡体の場合は同時に発泡)させることにより形成さ
れるが、導電性粒子の分散ムラや金型に流し込む場合の
ムラ(例えば、複数の流し込み口から金型に弾性材料を
流し込んだ場合に別々の流し込み口から流し込まれた弾
性材料が金型内部で形成する界面等のムラ)により、弾
性層の抵抗が部分的にバラツキを生じ、その結果、現像
剤担持体に現像バイアスを印加した際に、現像剤担持体
の軸方向(長手方向)に不均一な現像電界が形成され、
画像に濃度ムラが生じるという問題がある。さらに、弾
性層の抵抗は、一般的に、外圧による弾性層の変位量や
湿度に影響され、例えば、現像剤担持体を潜像担持体に
一定の圧力で接触させながら現像を行う場合、温度変化
に応じて弾性層の硬度が変動することにより、現像剤担
持体と潜像担持体の接触部分における現像剤担持体に変
位量が変化することで、現像剤担持体の抵抗が変化し、
その結果、画像濃度が不安定となる等の問題がある。
【0007】本発明の現像装置は、少なくとも弾性層を
有する現像剤担持体において、弾性層外周面をチューブ
により被覆することにより、上記の問題である、弾性層
を有する現像剤担持体の表面の加工性を改善するもので
ある。弾性層外周面の被覆手段として周知の方法として
は、塗装による塗膜の形成が挙げられるが、弾性層が表
面に開放孔を有する発泡体である場合には、弾性層表面
の開放孔において塗膜が形成されなかったり、塗料の弾
性層内部への浸入により弾性層が硬化したりするという
問題があるが、本発明においては、弾性層外周面をチュ
ーブにより被覆することにより、弾性層が表面に開放孔
を有する発泡体である場合においても、弾性層外周面を
完全に被覆することが可能である。
【0008】さらに、本発明の現像装置は、現像剤担持
体の構成を弾性及び導電性について機能分離することに
より、上記の問題を改善するものであり、弾性層外周面
に導電層を形成された構成の現像剤担持体であり、前記
弾性層の外周面をチューブにより被覆し、前記チューブ
を導電層として機能させるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の現像装置は、弾
性層中の可塑剤の現像剤担持体表面への滲み出しを防止
するものであり、そのためには、前記チューブを導電層
として機能させるために前記チューブに添加される導電
性粒子の吸油性及び添加量を管理することが必要である
ことを明らかにしたものであり、前記チューブが少なく
とも導電性粒子を含み、かつ、前記導電性粒子のDBP
(フタル酸ジブチル)吸油量Oab(ml/100g)と前記
チューブ中の前記導電性粒子の含有率w(重量%)が
式: Oab×w2≦8×104 を満足し、かつ、充分な画像濃度及び良好な細線再現性
を得るためには、現像剤担持体における前記弾性層の外
周面を被覆し導電層として機能する前記チューブの体積
抵抗率のみならず、前記チューブの厚さも管理すること
が必要不可欠であることを明らかにしたものであり、少
なくとも弾性層を有する現像剤担持体において、前記弾
性層の外周面がチューブにより被覆され、前記チューブ
の体積抵抗率ρ(Ω・cm)と厚さd(cm)の積ρ×
d(Ω・cm2)が式: ρ×d≦2×106 を満足し、かつ、前記チューブの体積抵抗率ρ(Ω・c
m)が式: ρ≦1×109 を満足し、かつ、弾性層の抵抗の部分的バラツキや環境
による画像濃度の変動を改善するものであり、弾性層の
抵抗バラツキや環境に依存せず、画像濃度を安定的に維
持するためには、前記弾性層及び前記チューブの体積抵
抗率の両方を管理する必要があることを明らかにしたも
のであり、前記チューブの体積抵抗率ρ(Ω・cm)と
前記弾性層の体積抵抗率ρe(Ω・cm)が式: 0<log(ρe/ρ) を満足することを特徴とする。
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】本発明の現像装置によれば、体積抵抗率ρ(Ω
・cm)と厚さd(cm)の積ρ×d(Ω・cm2)が
式: ρ×d≦2×106 を満足し、かつ、体積抵抗率ρ(Ω・cm)が式: ρ≦1×109 を満足するチューブにより弾性層の外周面を被覆する構
成の現像剤担持体により、前記チューブが導電層として
機能するため、周知の現像電極効果により、良好な細線
再現性が得られる。また、前記チューブが絶縁層の場合
は、現像剤担持体と現像剤、弾性ブレード等の現像剤搬
送量規制部材あるいは潜像担持体との摩擦帯電等によ
り、現像剤担持体が経時的に電荷を蓄積し、現像剤担持
体・潜像担持体間に印加される現像バイアスの実効値が
減少し、画像濃度が低下してしまうが、本発明の現像装
置によれば、現像剤担持体の前記チューブが導電層とし
て機能するため、現像剤担持体が電荷を蓄積することが
無く、したがって、現像バイアスの実効値が一定に維持
されるため、画像濃度を長期間安定させることが可能と
なる。また、本発明の現像装置によれば、現像剤担持体
の(導電層として機能する)前記チューブが比較的高抵
抗である場合には、前記チューブの厚さを薄くすること
により、現像剤担持体・潜像担持体間に印加される現像
バイアスによる現像剤担持体・潜像担持体間の現像電流
の時定数を充分に小さくし、潜像を現像する現像剤量を
充分に確保することが可能となり、したがって、画像濃
度の高い画像を形成することが可能となる。
【0013】また、本発明の現像装置によれば、現像剤
担持体の前記チューブの体積抵抗率ρ(Ω・cm)及び
前記弾性層の体積抵抗率ρe(Ω・cm)について、
式: 0<log(ρe/ρ) を満足させることにより、例えば、現像剤担持体を構成
するシャフト等の基体から現像バイアスを印加する場
合、印加された現像バイアスは、弾性層における低抵抗
部あるいは最短経路を通じて弾性層外周面を被覆し導電
層として機能するチューブに達し、さらに、チューブを
通じて速やかに現像剤担持体の軸方向に均一な現像バイ
アスが印加されることとなり、その結果、弾性層の製造
上の欠陥による部分的な抵抗のバラツキや温度、湿度等
の環境の変動による弾性層の抵抗の変動には影響されず
に、現像剤担持体の軸方向に均一な現像電界を形成し、
さらに、画像濃度ムラの無い画像を安定して形成するこ
とが可能となる。尚、チューブに直接的に現像バイアス
を印加した場合も同様である。
【0014】また、本発明の現像装置によれば、現像剤
担持体の前記チューブに含まれる導電性粒子のDBP吸
油量Oab(ml/100g)及び前記チューブ中の前記導電
性粒子の含有率(重量%)について、式: Oab×w2≦8×104 を満足させることにより、弾性層に含まれる可塑剤がチ
ューブ内部の導電性粒子を伝わって、現像剤担持体表面
に滲み出すことを防止し、長期間安定して画像を形成す
ることが可能となる。
【0015】以下、実施例により本発明の詳細を示す。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の現像装置における現像剤担
持体の断面概略図である。
【0017】現像剤担持体2は、シャフト等の基体3の
外周に弾性層4、チューブ5を順にそれぞれ同心円状に
配設したものである。
【0018】弾性層4としては、公知のゴム、エラスト
マー、発泡体を形成可能なプラスチック材料を使用する
ことが可能である。例えば、天然ゴム、スチレン・ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリ
ルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、エチレン
・プロピレンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、スチロール樹脂、塩化ビニル、ポリ
ウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエチレン、メタクリル樹脂等を適用することが
可能である。尚、弾性層4を構成する弾性体のゴム硬度
(JIS-A)は、60(゜)以下であることが望ましい。
また、チューブ5と弾性層4の密着性を充分に確保する
ために、また、弾性層4の表面の凹凸に起因するチュー
ブ5被覆後の現像剤担持体2の表面の凹凸を防止するた
めに、弾性層4に発泡体を使用する場合には、発泡体表
面にスキン層が形成されていることが望ましい。
【0019】チューブ5を構成する樹脂としては、ポリ
アミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・フッ化プロピレン
共重合体、ニトリル・ブタジエンゴム、塩化ビニル、ポ
リカーボネート等が挙げられる。尚、チューブを構成す
る樹脂としては、ポリウレタン、ポリアミドが特に望ま
しい。チューブを構成する樹脂をポリウレタンあるいは
ポリアミドとすることにより、導電性粒子の分散性が良
好であるため、極めて低い体積抵抗率のチューブを作製
することが可能であり、また、耐オゾン性、耐摩耗性等
に優れたチューブを作製することが可能であり、また、
接着加工性が良好であるため、磁界発生層、現像剤付着
防止層、帯電制御層等の機能層をさらにチューブの外周
に形成することが極めて容易であり、また、導電性粒子
以外の添加物を溶解・分散することも容易であり、帯電
制御剤や磁性粉等を添加することにより、チューブ自身
に導電性以外の機能を付加することも極めて容易であ
る。
【0020】チューブ5を構成する導電性粒子として
は、Cu、Ni、Au、Ag、Fe、Pt、ステンレ
ス、SnO2、InO、カーボンブラック等が挙げられ
る。
【0021】尚、本発明の現像装置に使用される現像剤
担持体は、上記の構成及び材料に限定されるものではな
く、例えば、現像剤担持体の構成としては、弾性層4と
チューブ5の間、あるいは、チューブ5の外周面に接着
層、表面保護層等の機能層があってもよく、また、チュ
ーブ5に導電性以外の、例えば、磁界発生、帯電制御等
の機能を付加すること目的として、磁性粉、帯電制御剤
等が添加されてあってもよい。
【0022】(実施例1〜5)実施例1〜5において
は、チューブ5中の導電性粒子の添加量wを変化させる
ことによりチューブ5の体積抵抗率ρを変化させるとと
もに、それぞれの体積抵抗率ρのチューブ5について、
その膜厚を変化させた。
【0023】ゴム硬度(JIS-A)20(゜)、体積抵抗
率9×109(Ω・cm)のシリコーンゴムのスキン層
付き発泡体を弾性層4とし、表1に示す体積抵抗率ρ
(Ω・cm)及び膜厚d(cm)のチューブ5を弾性層
4に被覆した構成の直径20(mmφ)の現像剤担持体
2を作製した。
【0024】チューブ5は塩化ビニル中にDBP吸油量
114(ml/100g)のカーボンブラックを分散させた
熱収縮チューブである。表1にカーボンブラックの添加
量w(重量%)を示す。
【0025】熱収縮前のチューブ5の内径は、22(m
mφ)であり、熱収縮前のチューブ5内部に弾性層4を
挿入した後、環境を減圧し、さらに100(℃)に加熱
することにより、チューブ5を弾性層4に被覆し、現像
剤担持体2を作製した。
【0026】尚、表1中の体積抵抗率ρ、膜厚dはチュ
ーブ5を熱収縮により弾性層4に被覆させた後の値(測
定環境:温度25(℃)、湿度50(%RH))である。
【0027】
【表1】
【0028】図2は、少なくとも弾性層を有する現像剤
担持体を使用し、現像剤を潜像担持体に接触し現像する
現像装置の断面概観図である。
【0029】本実施例においては、本発明の特徴である
現像剤担持体2を図2に示される現像装置に使用して画
像の形成を行った。尚、本発明の現像装置は、図2に示
される現像装置において、現像剤担持体2以外の構成要
素に限定されるものではない。
【0030】現像剤担持体2に保持された現像剤1は、
金属や樹脂で構成される薄板状の弾性ブレード7で均一
に薄層化され、現像剤担持体2の回転によって、支持電
極8上に静電像保持層9を形成した潜像担持体10と現
像剤担持体2とが現像剤1を介して接触している現像領
域まで搬送される。
【0031】さらに、現像剤1は、潜像担持体10の電
位コントラスト及び、現像バイアス印加手段11によ
り、潜像担持体10の支持電極8と現像剤担持体2の基
体3に印加されたバイアスにより形成される現像電界に
応じて、潜像担持体10に付着し静電潜像が顕像化され
る。尚、本実施例においては、基体3はステンレス製シ
ャフトとした。また、本実施例においては、現像電界を
形成するためのバイアスを基体3に印加したが、弾性ブ
レード7をリン青銅等の導電性材料により構成し、弾性
ブレード7にバイアスを印加することも可能である。
尚、本実施例において、現像剤1は、1成分非磁性トナ
ーである。
【0032】本実施例1〜5の現像剤担持体2を使用し
て、潜像担持体10上に形成されたライン潜像及びソリ
ッド潜像の現像を行った結果(環境:温度25(℃)、
湿度50(%RH))を表2に示す。
【0033】表2中、「画像濃度」は初期のソリッド画
像の画像濃度である。また、「ライン画像」は、つぶれ
やカスレが無く形成されたライン画像の解像度(DP
I)である。尚、本実施例における最も解像度の高いラ
イン画像のパターンは600DPIである。また、「濃
度変化」は、A4サイズ紙100枚相当の画像を連続し
て形成した場合のソリッド画像における画像濃度の変化
量である。尚、画像濃度(OD値)は、マクベス反射濃
度計により測定した。
【0034】表2中、「評価」における◎は、画像濃度
1.5以上、再現可能なライン画像600DPI、濃度
変化±0.05未満をすべて満たす場合を示す。また、
○は、画像濃度1.4以上、再現可能なライン画像60
0DPI、濃度変化±0.1未満をすべて満たす場合を
示す。また、△は、画像濃度1.4未満、600DPI
のライン画像再現不可、濃度変化0.1以上のいずれか
を満たす場合を示す。また、×は、画像濃度1.4未
満、600DPIのライン画像再現不可、濃度変化0.
1以上のすべてを満たす場合を示す。
【0035】
【表2】
【0036】上記に示されるように、本実施例において
は、潜像担持体10上に600DPIのライン画像がつ
ぶれることなく形成され、また、OD値1.4以上の高
濃度なソリッド画像を形成することができた。さらに、
A4サイズ紙100枚相当の画像を連続して形成した
が、潜像担持体10上に600DPIのライン画像はつ
ぶれることなく形成され、また、ソリッド画像における
画像濃度の低下は0.1以下であり、画像を安定して形
成することができた。
【0037】(比較例1〜5)比較例1〜5は、実施例
1〜5に対応するものであり、比較例1〜5において
は、チューブ5中の導電性粒子の添加量wを変化させる
ことによりチューブ5の体積抵抗率ρを変化させるとと
もに、それぞれの体積抵抗率ρのチューブ5について、
その膜厚を変化させた。
【0038】実施例1〜5同様に、表3に示すカーボン
ブラック添加量w(重量%)、体積抵抗率ρ(Ω・c
m)及び膜厚d(cm)のチューブ5を弾性層4に被覆
した構成の直径20(mmφ)の現像剤担持体2を作製
した。
【0039】
【表3】
【0040】実施例1〜5同様に、本比較例の現像剤担
持体2を図2に示される現像装置に使用して画像の形成
を行った結果を表4に示す。尚、表4は表2に対応する
ものである。
【0041】
【表4】
【0042】上記のように、比較例1〜4においては、
潜像担持体10上に600DPIのライン画像は目視で
識別不能であり、ライン画像の再現性は不良であった。
比較例1,2においては、ソリッド画像におけるOD値
は1.2未満であり、画像濃度不足であった。さらに、
A4サイズ紙100枚相当の画像を連続して形成したと
ころ、比較例1〜5において、ソリッド画像における画
像濃度の低下は0.1以上であり、画像を安定して形成
することが不可能であった。
【0043】(実施例6〜15)実施例6〜15におい
ては、体積抵抗率ρ及び膜厚を変化させたチューブ5を
体積抵抗率ρeを変化させた弾性層4に被覆したもので
ある。
【0044】ゴム硬度(JIS-A)40(゜)のクロロプ
レンゴムを弾性層4とする。表5に弾性層4の体積抵抗
率ρe(Ω・cm)を示す。ただし、本実施例における
クロロプレンゴムは、カーボンブラックを分散させるこ
とにより、導電性を付与しているが、カーボンブラック
をクロロプレンゴム中に分散させる際の混練時間を通常
よりも短時間にしたため、カーボンブラックの分散状態
が不均一となっており、弾性層4の体積抵抗率に局部的
なバラツキが生じている。本実施例の弾性層4の体積抵
抗率の局部的なバラツキは体積抵抗率ρeに対して±約
102(Ω・cm)である。
【0045】チューブ5はポリエチレンテレフタレート
中にDBP吸油量114(ml/100g)のカーボンブラ
ックを分散させたチューブである。表3にチューブ5の
体積抵抗率ρ(Ω・cm)カーボンブラックの添加量w
(重量%)を示す。尚、被覆後のチューブ5の膜厚dは
3×10-3(cm)である。
【0046】本実施例においては、チューブ5の内側で
クロロプレンゴムを成形し、融着することにより、チュ
ーブ5を弾性層4に被覆した構成の直径20(mmφ)
の現像剤担持体2を作製した。
【0047】表5中の体積抵抗率等の値は、温度25
(℃)、湿度50(%RH)における測定値である。
【0048】
【表5】
【0049】実施例1〜5同様に、本実施例の現像剤担
持体2を図2に示される現像装置に使用して画像の形成
を行った。本実施例6〜15の現像剤担持体2を使用し
て、潜像担持体10上に形成されたライン潜像及びソリ
ッド潜像の現像を行った結果(環境:温度25(℃)、
湿度50(%RH))を表6に示す。尚、表6中「濃度ム
ラ」は、ソリッド画像における濃度の最大値と最小値の
差を示す。
【0050】表6中、「評価」における◎は、画像濃度
1.5以上、濃度ムラ0.05未満、濃度変化±0.0
5未満をすべて満たす場合を示す。また、○は、画像濃
度1.4以上、濃度ムラ0.1未満、濃度変化±0.1
未満をすべて満たす場合を示す。また、△は、画像濃度
1.4未満、濃度ムラ0.1以上、濃度変化0.1以上
のいずれかを満たす場合を示す。また、×は、濃度ムラ
0.1以上であり、かつ画像濃度1.4未満あるいは濃
度変化0.1以上の少なくとも1つを満たす場合を示
す。
【0051】
【表6】
【0052】上記に示すように、本実施例においては、
OD値1.4以上の高濃度なソリッド画像を形成するこ
とができ、さらに、弾性層4の体積抵抗率ρeの部分的
バラツキによるソリッド画像の濃度ムラは、0.1以下
であった。また、潜像担持体10上に600DPIのラ
イン画像がつぶれることなく形成された。さらに、A4
サイズ紙100枚相当の画像を連続して形成したが、潜
像担持体10上に600DPIのライン画像はつぶれる
ことなく形成され、また、ソリッド画像における画像濃
度の低下は0.1以下であり、画像を安定して形成する
ことができた。
【0053】また、さらに、画像形成時の環境を温度1
0(℃)、湿度10(%RH)として、同様に画像の形成
を行った結果を表7に示す。
【0054】
【表7】
【0055】上記に示されるように、画像形成時の環境
を温度10(℃)、湿度10(%RH)として、同様に画
像の形成を行った場合においても、画像にほとんど変化
は認められず、細線再現性に優れ、画像濃度の高い、高
品質な画像が形成された。
【0056】(比較例6〜10)比較例6〜10は、実
施例6〜15に対応するものであり、比較例6〜10に
おいては、体積抵抗率ρ及び膜厚を変化させたチューブ
5を体積抵抗率ρeを変化させた弾性層4に被覆したも
のである。
【0057】本比較例においては、実施例6〜15同様
に、表8に示すカーボンブラック添加量w(重量%)、
体積抵抗率ρ(Ω・cm)のチューブ5を表8に示す体
積抵抗率ρe(Ω・cm)の弾性層4に被覆した構成の
直径20(mmφ)の現像剤担持体2を作製した。尚、
被覆後のチューブ5の膜厚dは3×10-3(cm)であ
る。
【0058】また、弾性層4は、実施例6〜15と同様
にして作製された、カーボンブラックを分散させること
により導電性を付与したクロロプレンゴムであり、カー
ボンブラックの分散状態が不均一であるために、弾性層
4の体積抵抗率に局部的なバラツキが生じており、その
体積抵抗率の局部的なバラツキは体積抵抗率ρeに対し
て±約102(Ω・cm)である。
【0059】
【表8】
【0060】実施例6〜15同様に、本比較例の現像剤
担持体2を図2に示される現像装置に使用して、潜像担
持体10上に形成されたライン潜像及びソリッド潜像の
現像を行った結果(環境:温度25(℃)、湿度50
(%RH))を表9に示す。尚、表9は表6に対応するも
のである。
【0061】
【表9】
【0062】上記に示すように、潜像担持体10上のソ
リッド画像は、弾性層4を構成するクロロプレンゴムの
成型時のムラに起因する抵抗値のばらつきに応じて、画
像に濃淡が生じ、そのOD値の差は0.1以上であっ
た。
【0063】(実施例16〜31)実施例16〜31に
おいては、DBP吸油量Oabの異なる導電性粒子を含有
率wを変化させながら添加したチューブ5を弾性層4に
被覆したものである。
【0064】弾性層4を表10に示す弾性体によりそれ
ぞれ作製し、表11に示すチューブ5を被覆し、直径2
0(mmφ)の現像剤担持体2を作製した。
【0065】
【表10】
【0066】チューブ5はポリウレタン中に表11に示
されるDBP吸油量Oab(ml/100g)の導電性粒子を
分散させた熱収縮チューブである。表11にチューブ5
の導電性粒子の含有率w(重量%)、体積抵抗率ρ(Ω
・cm)を示す。
【0067】熱収縮前のチューブ5の内径は、22(m
mφ)であり、熱収縮前のチューブ5内部に弾性層4を
挿入した後、環境を減圧し、さらに100(℃)に加熱
することにより、チューブ5を弾性層4に被覆し、現像
剤担持体2を作製した。
【0068】尚、表11中の体積抵抗率ρはチューブ5
を熱収縮により弾性層4に被覆させた後の値(測定環
境:温度25(℃)、湿度50(%RH))である。
【0069】また、チューブ5の膜厚dは、チューブ5
を熱収縮により弾性層4に被覆させた後の値(測定環
境:温度25(℃)、湿度50(%RH))であり、膜厚
d=2×10-3(cm)である。
【0070】
【表11】
【0071】実施例1〜5同様に、本実施例の現像剤担
持体2を図2に示される現像装置に使用して、潜像担持
体10上に形成された600DPIのライン潜像及びソ
リッド潜像の現像を行った(環境:温度25(℃)、湿
度50(%RH))ところ、潜像担持体10上に600D
PIのライン画像がつぶれることなく形成され、また、
OD値1.4以上のソリッド画像を形成することができ
た。さらに、A4サイズ紙1000枚相当の画像を連続
して形成させたが、画像に変化は認められなかった。
【0072】また、画像形成時の環境を温度50
(℃)、湿度80(%RH)として、同様に画像の形成を
行ったが、画像に変化は認められなかった。さらに、A
4サイズ紙1000枚相当の画像を連続して形成させた
が、画像に変化は認められなかった。
【0073】(比較例11〜21)比較例11〜21
は、実施例16〜31に対応するものであり、比較例1
1〜21においては、DBP吸油量Oabの異なる導電性
粒子を含有率wを変化させながら添加したチューブ5を
弾性層4に被覆したものである。
【0074】実施例16〜31において使用した弾性体
A〜Dに、実施例16〜31同様に作製したチューブ5
を弾性層4に被覆し、直径20(mmφ)の現像剤担持
体2を作製した。
【0075】本比較例におけるチューブ5は熱収縮チュ
ーブであり、表12に本比較例におけるチューブ5に添
加した導電性粒子のDBP吸油量Oab(ml/100g)、
チューブ5における導電性粒子の含有率w(重量%)、
体積抵抗率ρ(Ω・cm)を示す。尚、膜厚d=2×1
-3(cm)である。また、本比較例においては、導電
性粒子として、カーボンブラックを使用した。
【0076】
【表12】
【0077】実施例16〜31同様に、本比較例の現像
剤担持体2を図2に示される現像装置に使用して、潜像
担持体10上に形成されたライン潜像及びソリッド潜像
の現像を行った。
【0078】本比較例においては、実施例16〜31同
様に、画像形成時の環境を温度25(℃)、湿度50
(%RH)及び温度50(℃)、湿度80(%RH)とし
て、それぞれの環境下において、A4サイズ紙1000
枚相当の画像を連続して形成させた。
【0079】画像形成時の環境を温度25(℃)、湿度
50(%RH)として、画像形成を行った結果、画像形成
1回目においては、潜像担持体10上に600DPIの
ライン画像がつぶれることなく形成され、また、OD値
1.4以上のソリッド画像を形成することが可能であっ
たが、比較例11〜15においては、A4サイズ紙90
0枚相当の画像を形成した時点で、ソリッド画像に点状
の画像抜けが認められ、900枚以後は急速に画像抜け
の数量が増大し、1000枚相当の画像を形成した時点
では、ソリッド画像1(cm2)当り1箇所以上の画像
抜けが認められた。また、比較例16、17、19、2
0においては、A4サイズ紙500枚相当の画像を形成
した時点で、ソリッド画像に点状の画像抜けが認めら
れ、以後は急速に画像抜けの数量が増大し、1000枚
相当の画像を形成した時点では、ソリッド画像1(cm
2)当り4箇所以上の画像抜けが認められた。また、比
較例18、21においては、A4サイズ紙300枚相当
の画像を形成した時点で、ソリッド画像に点状の画像抜
けが認められ、以後は急速に画像抜けの数量が増大し、
1000枚相当の画像を形成した時点では、ソリッド画
像1(cm2)当り10箇所以上の画像抜けが認められ
た。
【0080】さらに、本比較例においては、実施例16
〜31同様に、画像形成時の環境を温度50(℃)、湿
度80(%RH)として、画像形成を行ったところ、比較
例11〜15においては、画像形成1回目においては、
潜像担持体10上に600DPIのライン画像がつぶれ
ることなく形成され、また、OD値1.4以上のソリッ
ド画像を形成することが可能であったが、A4サイズ紙
400枚相当の画像を形成した時点で、ソリッド画像に
点状の画像抜けが認められ、以後は急速に画像抜けの数
量が増大し、1000枚相当の画像を形成した時点で
は、ソリッド画像1(cm2)当り5箇所以上の画像抜
けが認められた。また、比較例16、17、19、20
においては、画像形成1回目から、ソリッド画像に点状
の画像抜けが認められ、画像形成とともに急速に画像抜
けの数量が増大し、1000枚相当の画像を形成した時
点では、ソリッド画像1(cm2)当り20箇所以上の
画像抜けが認められた。また、比較例18、21におい
ては、画像形成1回目から、現像剤が非画像部へ線状
(現像剤担持体の軸方向)に付着しており、さらに、ソ
リッド画像には画像抜けが認められた。非画像部への線
状の現像剤付着は、現像装置停止時に現像剤担持体が潜
像担持体に接触していた部分であり、潜像担持体の当該
部分に常に現像剤が付着することにより発生したもので
あった。また、ソリッド画像における画像抜けは、画像
形成とともに急速に数量が増大し、1000枚相当の画
像を形成した時点では、ソリッド画像1(cm2)当り
30箇所以上の画像抜けが認められた。
【0081】尚、画像抜けが発生した時の現像剤担持体
2表面には現像剤担持体2の弾性層4に含まれる可塑剤
である、エチレングリコール、ファクチース、DOPに
より軟化した現像剤の付着(フィルミング)が認められ
た。また、非画像部の現像剤付着が発生した時の潜像担
持体102表面には現像剤担持体2の弾性層4に含まれ
る可塑剤である、エチレングリコール、ファクチース、
DOPの付着が認められた。
【0082】(実施例32、33)実施例32、33に
おいては、チューブ5を構成する樹脂を変化させた。
【0083】本実施例においては、ゴム硬度(JIS-A)
20(゜)、体積抵抗率ρeが109(Ω・cm)のシリ
コーンゴムのスキン層を有する発泡体を弾性層4とす
る。
【0084】チューブ5は導電性粒子としてDBP吸油
量Oabが114(ml/100g)であるカーボンブラック
を分散させた熱収縮チューブである。
【0085】本実施例においては、チューブ5を弾性層
4に被覆し、直径20(mmφ)の現像剤担持体2を作
製した。
【0086】熱収縮前のチューブ5の内径は、22(m
mφ)であり、熱収縮前のチューブ5内部に弾性層4を
挿入した後、環境を減圧し、さらに100(℃)に加熱
することにより、チューブ5を弾性層4に被覆し、現像
剤担持体2を作製した。
【0087】チューブ5を構成する樹脂、チューブ5の
体積抵抗率ρ(Ω・cm)を表13に示す。尚、表13
中の体積抵抗率ρはチューブ5を熱収縮により弾性層4
に被覆させた後の値(測定環境:温度25(℃)、湿度
50(%RH))である。また、チューブ5の膜厚dは、
チューブ5を熱収縮により弾性層4に被覆させた後の値
(測定環境:温度25(℃)、湿度50(%RH))であ
り、膜厚d=2×10-3(cm)である。
【0088】
【表13】
【0089】実施例1〜5同様に、本実施例の現像剤担
持体2を図2に示される現像装置に使用して、潜像担持
体10上に形成されたライン潜像及びソリッド潜像の現
像を行った(環境:温度25(℃)、湿度50(%R
H))ところ、潜像担持体10上に600DPIのライ
ン画像がつぶれることなく形成され、また、実施例32
におけるソリッド画像の画像濃度は1.54、実施例3
2におけるソリッド画像の画像濃度は1.51であり、
高濃度なソリッド画像を形成することができた。
【0090】さらに、A4サイズ紙10000枚相当の
画像を連続して形成させたが、画像に変化は認められな
かった。また、現像剤担持体2にも、傷、表面の研磨等
の変化は認められなかった。
【0091】また、現像剤担持体2をオゾン濃度5pp
mの環境中に24時間放置したが、現像剤担持体2に変
化は認められなかった。
【0092】(実施例34)本実施例においては、チュ
ーブ5表面にさらに機能層として磁界発生層を形成した
現像剤担持体の例を示す。
【0093】図3は、本実施例における現像剤担持体の
断面概略図である。
【0094】現像剤担持体2は、シャフト等の基体3の
外周に弾性層4、チューブ5、磁界発生層6を順にそれ
ぞれ同心円状に配設したものである。
【0095】本実施例においては、ゴム硬度(JIS-A)
40(゜)、体積抵抗率ρeが106(Ω・cm)のシリ
コーンゴムを弾性層4とする。
【0096】本実施例におけるチューブ5は実施例32
と同様にして作製した、ポリウレタンにカーボンブラッ
クを分散させた熱収縮チューブである。
【0097】チューブ5に分散させたカーボンブラック
のDBP吸油量Oabは、114(ml/100g)である。
また、チューブ5を熱収縮により弾性層4に被覆させた
後の、チューブ5の体積抵抗率ρは、3×102(Ω・
cm)、膜厚dは、2×10-3(cm)である(測定環
境:温度25(℃)、湿度50(%RH))。
【0098】本実施例における熱収縮前のチューブ5の
内径は、22(mmφ)であり、熱収縮前のチューブ5
内部に弾性層4を挿入した後、環境を減圧し、さらに1
00(℃)に加熱することにより、チューブ5を弾性層
4に被覆した。さらに、チューブ5外周面に磁性粉、カ
ーボンブラック、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及び
ポリウレタンから構成される磁界発生層6を形成し、直
径約20(mmφ)の現像剤担持体2とした。尚、本実
施例の磁界発生層6における磁性粉はCo被着酸化鉄で
あり、磁界発生層における含有率は60(重量%)、体
積抵抗率は、1×102(Ω・cm)、膜厚dは、約2
0(cm)である。また、磁界発生層は、磁性粉、導電
性粒子及び結着用樹脂をメチルエチルケトン、トルエン
等からなる混合有機溶媒に溶解・分散した磁性塗料をロ
ーラーコーティング装置により塗布し、さらに、硬化・
乾燥させることにより作製した。
【0099】本実施例においては、本発明の特徴である
現像剤担持体2を図4に示される現像装置に使用して画
像の形成を行った。尚、本発明の現像装置は、図4に示
される現像装置において、現像剤担持体2以外の構成要
素に限定されるものではない。
【0100】現像剤担持体2に保持された現像剤1は、
磁性もしくは非磁性の金属や樹脂で構成される薄板状の
弾性ブレード7で均一に薄層化され、現像剤担持体2の
回転によって、支持電極8上に静電像保持層9を形成し
た潜像担持体10と現像剤担持体2とが現像剤1を介し
て接触している現像領域まで搬送される。尚、本実施例
における現像剤1は、1成分磁性現像剤である。
【0101】さらに、現像剤1は、潜像担持体10の電
位コントラスト及び、現像バイアス印加手段11によ
り、潜像担持体10の支持電極8と現像剤担持体2の基
体3に印加されたバイアスにより形成される現像電界に
応じて、潜像担持体10に付着し静電潜像が顕像化され
る。尚、本実施例においては、基体3はステンレス製シ
ャフトとした。
【0102】本実施例の現像剤担持体2を使用して、潜
像担持体10上に形成された600DPIのライン潜像
及びソリッド潜像の現像を行った(環境:温度25
(℃)、湿度50(%RH))ところ、潜像担持体10上
に600DPIのライン画像がつぶれることなく形成さ
れ、また、OD値1.58の高濃度なソリッド画像を形
成することができた。さらに、A4サイズ紙100枚相
当の画像を連続して形成したが、潜像担持体10上に6
00DPIのライン画像はつぶれることなく形成され、
また、ソリッド画像における画像濃度の低下は0.03
であり、画像を安定して形成することができた。
【0103】(実施例35)本実施例においては、チュ
ーブ5に導電性以外の機能を付加した例として、チュー
ブ5が磁界発生層としても機能する現像剤担持体の例を
示す。
【0104】本実施例においては、実施例34同様の弾
性層4を使用する。
【0105】本実施例におけるチューブ5は実施例33
と同様にして作製した、ポリアミドにDBP吸油量Oab
114(ml/100g)のカーボンブラックを導電性粒子
として分散させた熱収縮チューブであるが、本実施例に
おいては、さらに、Co被着酸化鉄を磁性粉として分散
させている。尚、チューブ5における磁性粉の含有率は
50(重量%)である。
【0106】また、チューブ5を熱収縮により弾性層4
に被覆させた後の、チューブ5の体積抵抗率ρは、3×
104(Ω・cm)、膜厚dは、2×10-3(cm)で
ある(測定環境:温度25(℃)、湿度50(%R
H))。
【0107】実施例1〜5同様に、本実施例の現像剤担
持体2を図2に示される現像装置に使用して、潜像担持
体10上に形成されたライン潜像及びソリッド潜像の現
像を行った(環境:温度25(℃)、湿度50(%R
H))ところ、潜像担持体10上に600DPIのライ
ン画像がつぶれることなく形成され、ソリッド画像の画
像濃度は1.55であり、高濃度なソリッド画像を形成
することができた。尚、本実施例においては、1成分磁
性現像剤を使用した。
【0108】以上実施例を述べたが、本発明は以上の実
施例のみならず、広く電子写真等の現像装置、特にプリ
ンタ、複写機、ファクシミリ等の現像装置に応用でき
る。尚、応用可能な現像方法としては、1成分非磁性現
像法、1成分磁性現像法、2成分磁性現像法のいずれも
可能である。ただし、チューブ5による現像電極効果を
最も発揮させるためには、チューブ5を潜像担持体に近
接させることが必要であり、したがって、現像剤を現像
剤担持体上に薄層にして搬送し、潜像担持体に接触し現
像する現像方法が最も望ましい。そのような現像方法と
しては、1成分非磁性または磁性現像剤を使用した接触
現像法が最も適している。
【0109】チューブ5の製造方法としては、公知の樹
脂成形方法が適用可能であるが、チューブ成形法として
は最も広範囲に行われている押し出し成形が最も簡便か
つ低コストであり、また、量産性にも優れており、チュ
ーブ5の製造方法として最も望ましい。
【0110】また、弾性層4外周面に被膜を形成する方
法としては、チューブによる被覆以外には、塗装による
被膜の形成が公知であり、一般的ではあるが、塗装では
弾性層4が表面にスキン層がない発泡体である場合には
被膜の形成が実用上不可能であり、また、被膜の塗装、
乾燥等に比較的大きな設備を要し、さらに、被膜形成に
要する工程が長いという問題があるが、チューブ被覆に
より弾性層4外周面に被膜を形成する場合は、弾性層4
の構成に関係なく、被覆が可能であり、また、チューブ
5内部で弾性層4を形成することによりチューブ5と弾
性層4の一体成型が可能であり、また、チューブ5を熱
収縮チューブとすることにより短時間かつ単純な加熱処
理のみで被覆が可能であり、低コストかつ簡単な工程
で、現像剤担持体を製造することが可能である。
【0111】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の現像装置に
おいては、体積抵抗率ρ(Ω・cm)と厚さd(cm)
の積ρ×d(Ω・cm2)が式: ρ×d≦2×106 を満足し、かつ、体積抵抗率ρ(Ω・cm)が式: ρ≦1×10 を満足するチューブにより弾性層の外周面を被覆する構
成の現像剤担持体を使用することにより、細線の再現性
が良好であり、かつ、ソリッド部分の画像濃度が高い画
像を形成することが可能である。
【0112】また、本発明の現像装置においては、前記
チューブの体積抵抗率ρ(Ω・cm)及び前記弾性層の
体積抵抗率ρe(Ω・cm)について、式: 0<log(ρe/ρ) を満足させることにより、弾性層の製造上の欠陥による
部分的な抵抗のバラツキや温度、湿度等の環境の変動に
よる弾性層の抵抗の変動には影響されずに、現像剤担持
体の軸方向に均一な現像電界を形成し、さらに、画像濃
度ムラの無い画像を安定して形成することが可能とな
る。
【0113】また、本発明の現像装置においては、前記
チューブに含まれる導電性粒子のDBP吸油量Oab(m
l/100g)及び前記チューブ中の前記導電性粒子の含有
率(重量%)について、式: Oab×w2≦8×104 を満足させることにより、弾性層に含まれる可塑剤がチ
ューブ内部の導電性粒子を伝わって、現像剤担持体表面
に滲み出すことを防止し、可塑剤による現像剤担持体や
潜像担持体の劣化を防止することにより、長期間安定し
て画像を形成することが可能となる。
【0114】上記のように、本発明によれば、高品質な
画像を安定して現像することが可能であり、また、寿命
が極めて長い、現像装置を低コストかつ簡単な工程で製
造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の現像装置の現像剤担持体の断面概略
図。
【図2】 少なくとも弾性層を有する現像剤担持体を使
用し、現像剤を潜像担持体に接触し現像する現像装置の
断面概観図。
【図3】 本発明の実施例における現像剤担持体の断面
概略図。
【図4】 少なくとも弾性層、磁界発生層を有する現像
剤担持体を使用し、現像剤を潜像担持体に接触し現像す
る現像装置の断面概観図。
【符号の説明】
1 現像剤 2 現像剤担持体 3 基体 4 弾性層 5 チューブ 7 弾性ブレード 8 支持電極 9 静電像保持層 10 潜像担持体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性粒子を含む弾性層を有
    し、かつ前記弾性層の外周面を導電層により被覆された
    現像剤担持体を、潜像担持体上に形成した潜像を顕像化
    すべく、前記潜像担持体に接触させる現像装置におい
    て、前記導電層が少なくとも導電性粒子を含み、かつ、
    前記導電層中の前記導電性粒子のDBP(フタル酸ジブ
    チル)吸油量Oab(ml/100g)と前記導電層中の前記
    導電性粒子の含有率w(重量%)が、式: Oab×w2
    ≦8×104 を満足し、かつ、前記導電層の体積抵抗率ρ(Ω・c
    m)と、前記弾性層の体積抵抗率ρe(Ω・cm)と、
    前記導電層の厚さ厚さd(cm)が、 ρ≦1×109 、かつ ρ×d≦2×106、かつ 0<log(ρe/ρ) を満足することを特徴とする現像装置。
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