JP3097999U - 育苗ポット - Google Patents
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Abstract
【課題】育苗ポットへ培土を充填し苗木を植え付ける作業を簡単にでき、緑化工事を安価に効率よく行える育苗ポットに関する。
【解決手段】下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋め込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポット1において、前記育苗ポットは垂直方向に二分され、且つ2個の分割部材1a,1bは一側の縦縁部の上下方向に形成された薄肉ヒンジ4により開閉可能に繋ぎ合わされていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋め込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポット1において、前記育苗ポットは垂直方向に二分され、且つ2個の分割部材1a,1bは一側の縦縁部の上下方向に形成された薄肉ヒンジ4により開閉可能に繋ぎ合わされていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、公園緑地や道路の路肩、造成地の法面等に苗木を植え付ける緑化工事に使用する育苗ポットの技術分野に属し、更に云えば、育苗ポットへ苗木を植え付ける作業が簡単で緑化工事を安価に効率よく行える育苗ポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、緑化工事において、草木の種子や苗木を地面に植え付ける様々な育苗ポットが開発され、実用に供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、円筒体の胴部と円錐形状に尖った底部とを備え、前記胴部外周に螺旋状のねじれ凸部又は凹部と貫通穴とを設けた、苗木等の植え付けに用いられる育苗ポット(容器)が開示されている。
【0004】
特許文献2は、本出願人所有の登録意匠公報であって、緑化工事の現場に敷設した防草シートの上から直接地面へ打ち込んで前記防草シートを固定する機能を兼ねた育苗ポットが開示されている。この育苗ポットは、下端部が尖った四角錐体形状の筒体から成り、上端外周部の四辺にフランジを有すると共に、筒壁部にスリット状の通孔と、地中に当該育苗ポットを打ち込んだ際に抜け止め機能を働く掛け止め部が設けられている。
【0005】
特許文献3も、本出願人所有の特許公報であり、緑化工事の現場の地面に敷設した防草シートの上から地面へ打ち込んで前記防草シートを固定する機能を兼ねた育苗ポットが開示されている。この育苗ポットは、円錐形又は角錐形、若しくは柱状体を斜めに切断した形状から成り、壁部に植物の根張りのために複数の通孔が設けられている。
【0006】
上述した特許文献1〜3に開示された育苗ポットはそれぞれ有用であるが、いずれも上端の開口から苗木及び培土を充填する構成である。しかし、育苗ポットの多くは開口部の直径が約5cm、高さ14cm程度に小さいものが一般的である。小さく狭い上端開口部から筒体内へ培土を充填し、且つ苗木を程よく中央部へ植え込む作業は非常に面倒で作業性が悪いという問題があった。
【0007】
前記問題点を解決するために、本出願人の出願に係る特願2003−49084の明細書及び図面には、図8に示すように、垂直方向に二分した2個の分割部材8a、8bの組合せからから成り、開口上部を閉じる蓋部分80が一体形成され、その中央部に苗木2の茎部分を導き出す孔部81が設けられている。また、分割部材8a、8bの外周縁の全長に、一定以上の幅のフランジ82が形成され、接合手段として、掛止め部材83、リング部材84を設けた育苗ポットが開示されている。2個の分割部材8a、8bへ別々に苗木2及び培土3を充填した後、当該分割部材8a、8bを組み合わせることにより、簡易に能率の良い作業を行うことができる。
【0008】
【特許文献1】
特許第2726253号公報
【特許文献2】
意匠登録第1072239号公報
【特許文献3】
特開平11−229385号公報
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記特許出願に係る発明にも問題点がある。二分した2個の分割部材へ別々に苗木および培土を充填した後、対応する2個の分割部材をぴったり組み合わせる作業をするが、その際に、組合せの相手を探すという作業が必要となる。双方の分割部材に充填された培土の量が丁度良い分量であることを確認して、両部材をぴったり合致させるが、その際に、培土がこぼれたり苗木の植込位置がずれたりすることも少なくなく、作業が面倒である。一つの緑化工事では、苗木等を充填した育苗ポットを数百〜数千個を使用するのが一般的である。よって1回1回前記のような要領で分割部材同士を組み合わせる作業は非常に面倒である。
【0010】
本考案の目的は、育苗ポットを垂直方向に二分した分割部材を予め薄肉ヒンジで開閉可能に繋ぎ合わせた構成とし、各分割部材へ培土を充填し苗木を植え付ける作業を簡単にし、もっては緑化工事の作業効率を高めた育苗ポットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するために手段】
上記した従来の技術の課題を解決する手段として、請求項1に記載した考案に係る育苗ポットは、
下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋め込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
前記育苗ポットは垂直方向に二分され、2個の分割部材は一側の縦縁部の上下方向に形成された薄肉ヒンジにより開閉可能に繋ぎ合わされていること、
を特徴とする。
【0012】
請求項2記載の考案は、請求項1に記載した育苗ポットにおいて、
前記分割部材には、開口上部を閉じる蓋部と、そのほぼ中心部に苗木の茎部分を導き出す孔部とが二分した形状に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の考案は、請求項1又は2に記載した育苗ポットにおいて、
前記分割部材の筒壁部には、培土が漏れない形状、大きさで複数の通孔が形成され、その他の部位に、当該育苗ポットを地中へ埋込んだ際に抜け止め機能を働く形状の抜止め部が外方へ突き出されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の考案は、請求項1〜3のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、
2個の分割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が開放側縁部に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の考案は、請求項1〜4のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、
育苗ポットの組み合わせ状態を保持する手段として、外壁部を締め付ける環状の締付部材が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の考案は、請求項1〜5のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、
締付部材の上縁外周の全長にわたり相当幅のフランジが設けられていることを特徴とする。
【0017】
【考案の実施形態及び実施例】
以下、図面に基づいて請求項1〜6に記載した考案に係る育苗ポットの実施形態を説明する。
【0018】
本考案の育苗ポット1は、図1に完成状態を、図2に使用時の状態を示したように、下端部が尖った円錐型形状の筒体を垂直方向に二分したに等しい同形、同大の2個の分割部材1a、1bの組み合わせで構成されており、筒内に苗木2及び培土3を充填して地面へ埋込み、前記苗木2の植え付けを行うものである。図示した分割部材1a、1bは、好ましい実施例として略二等割した形態を示している。いずれか一方が大きく、他方が小さい大小の関係に分割しても良い。
【0019】
この育苗ポット1の形状は、その下部が地面に打ち込むのに適した錐形状であれば良く、図1に示したような円錐型形状に限らない。例えば四角錐体や多角錐型形状或いは、柱状体を斜めに切断したような形状でも良い。前記育苗ポット1の材質は通常のプラスチックのほか、生分解性プラスチック又は崩壊性プラスチックを使用することも好ましい。前記生分解性プラスチック又は崩壊性プラスチックを使用した育苗ポットは、地面に打ち込まれると、半年〜数年で分解され土化するので、植え付けた苗木2が成長と共に根を張り茎が太くなってもその成長を当該育苗ポット1が妨害する虞はない。また、発泡した又は発泡しない通常の樹脂、或いはセメント、粘土、紙や樹皮等動植物からの腐食材料等で同様に育苗ポット1を製造することもできる。
【0020】
分割部材1a、1bの、高さは通例約15cm程度である。勿論植え付ける苗木2や種の大きさによって適切に設計される。
【0021】
育苗ポット1は、図1、2に示すように、垂直方向に二分されていると共に、2個の分割部材1a、1bは、一側の縦縁部の上下方向に長く形成した薄肉ヒンジ4…により開閉可能に繋ぎ合わされている。つまり、2個の分割部材1a、1bは、製造時から使用時まで薄肉ヒンジ4…により対の関係で繋がっている。そして、培土3及び苗木2を充填した分割部材1aと1bはそのままぴったりと閉じて円錐体に組み合わせられる。したがって、分割部材1a、1bへ苗木2及び培土3を充填した後、組合せの相手を探すことは必要なく、前記分割部材1a、1bを閉じるだけの簡単な方法でぴったり組み合わせることができ、培土のこぼれや苗木の植込の位置ずれを防止できる。組合せの相手が当初より決まっているから、培土の充填量も加減して行える。斯くして、緑化工事の作業効率を高めることが可能となる。
【0022】
各分割部材1a、1bには、上端より少し下った位置に開口部を閉じる分割形状の蓋部分5が一体的に形成されている。蓋部分5は培土3に草が発生することを防ぐためのものである。蓋部分5を上端部より少し低く設けた理由は、育苗ポット1の上端部に窪みを設け、この窪みに雨水を溜めて苗木2の根本の培土3へ水を供給するためである。勿論、蓋部分5を上端部レベルに設けてもさして支障はない。
【0023】
上述した蓋部分5のほぼ中央部分には、育苗ポット1に植え付ける苗木2の茎を導き出すための孔部6が、やはり二分した切り欠き形状(半円形に設けられている)に設けられている(請求項2記載の考案)。
【0024】
前記孔部6の寸法又は直径は植え付ける苗木3の茎の太さを許容して、茎と孔部6との間にできるだけ隙間が生じないように設計される。つまり、隙間から太陽光が入って雑草が発生するのを防いで苗木2の成長を促進し、雑草の除草作業を軽減するためである。
【0025】
また、分割部材1a、1bの筒壁部には、充填した培土3が漏れない形状、大きさの複数の通孔7…が形成されている(図1)。通孔7は、育苗ポット1内の培土3の空気の通気、水分の排水性を保つと共に、苗木2の成長に伴う根の伸び出しを許容する。
【0026】
よって、図1等に示したようなスリット形状に限定されず、例えば円形又は楕円形状の通孔でも好適に実施できる。
【0027】
分割部材1a、1bの筒壁部の他の部位には、更に育苗ポット1を地中へ埋め込んだ際に抜け止め機能を働く形状、例えば 形状の抜止め8が複数外方へ突き出されている(図1)(請求項3記載の考案)。
【0028】
前記抜止め8の一部は、前記分割部材1aの一側の開放外縁部に当該開放外縁部と平行方向に複数設けられている。この分割面に設けられた抜止め8は当該分割面と平行方向に幅広に形成され、2個の分割部材1a、1bを組み合わせる際に当接面を兼ねる構成とされる。抜け止め8は上下方向に3個ずつ設けられている。
【0029】
前記開放外縁部に設けた前記抜止め8のうち、下方側2個ずつの当接面には、当該分割部材1a、1bを組み合わせ状態を保持する結合手段として掛止め部9が設けられている(請求項4記載の考案)。
【0030】
図3に示すように、前記掛止め部9は、一方の分割部材1aに鉤形状の雄型突起9aを、他方の分割部材1bには前記雄型突起9aを受け入れる雌型突起9bとで構成されている。
【0031】
図4に示すように、雄型突起9a、雌型突起9bが、2個の分割部材1a、1bが向かい合わせに組み合わされた際に、しっかりと嵌り合って当該2個の分割部材1a、1bの結合状態を保持する。
【0032】
また、図2に示すように、育苗ポット1には、2個の分割部材1a、1bの組み合わせ状態を保持する手段として、外壁部を締め付ける環状の締付部材10を使用する(請求項5記載の考案)。締付部材10の形態は図示した筒形状からなる環状形態のみならず、ゴムバンドやプラスチックバンド等の締め付け力を発揮する形態であれば良く、取付場所も筒体の上下何れの場所でも良い。
【0033】
前記締付部材10の上縁外周には、その全長にわたって一定幅(例えば、10mm位)のフランジ11が連続して設けられている(請求項6記載の考案)。
【0034】
前記フランジ11は、緑化工事の際にシート材100を押さえると共に、破断したシート材100から地面が露出することを防ぐ効果を発揮する。図示例の場合、前記締付部材10は育苗ポット1の下方へ嵌め込んだ場合を示している。
【0035】
図5には、上記構成の育苗ポット1を使用した緑化工事の一実施例を示している。
上記構成の育苗ポット1は、図2に示したように、培土3を密実に充填した苗木2を植え付けた2個の分割部材1a、1bを閉じて相向かいに組合せ、掛止め部9により結合させ、更に必要に応じて締付部材10を嵌めて拘束させ、図1のように完成する。
【0036】
緑化工事においては、地面に敷かれた防草シート等のシート材100の上から、例えば育苗ポット1と略同形、同大の孔あけ機を用いて防草シート100及び地面に育苗ポット1とほぼ同形、同大の穴をあけ、その中へ埋込まれる。前記育苗ポット1は、例えば30cm間隔ぐらいで地面へ複数埋込み、苗木2を植える目的と同時に前記シート材100を地面に固定する目的を達成する。地面が柔らかい場合には、シート材100の上から育苗ポット1をハンマー等を用いて直接埋め込むことにより実施される。
【0037】
以上に実施形態に基づいて説明したが、本考案は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計の変更、応用のバリエーションを含むことを念のため言及する。例えば、フランジを設けずに実施することも可能であり、更に結合手段として結合機能と締付け力を兼ね備えた締付留具を用いることも可能である。
【0038】
図6、図7は、四角錐型形状において実施される一実施例を示した図である。四角錐型形状の育苗ポット1’は、図7に示すように対角線方向に二分した分割部材1a’、1b’の一側の縦縁部に薄肉ヒンジ4’を設け、必要に応じて締付部材10’およびフランジ11’を嵌め込むことによって実施される。
【0039】
【考案が奏する効果】
請求項1〜6に記載した考案に係る育苗ポットは、育苗ポットを垂直方向に二分した分割部材を予め薄肉ヒンジで開閉可能に繋ぎ合わせた構成とし、各分割部材へ培土を充填し苗木を植え付ける作業を簡単にし、もっては緑化工事の作業効率を高めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る育苗ポットの使用状態の概略を示した斜視図である。
【図2】本考案に係る育苗ポットの使用状態における構造の概略を示した分解斜視図である。
【図3】図2のB−B線矢視の断面図である。
【図4】図1のA−A線矢視の端面図である。
【図5】本考案に係る育苗ポットをシート材の上から地面へ埋め込んだ使用状態を示した図である。
【図6】本考案の他の実施形態の概略を示した斜視図である。
【図7】本考案の他の実施形態の概略を示した分解斜視図である。
【図8】従来の育苗ポットの使用状態における構造の概略を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
1 育苗ポット
1a、1b 分割部材
2 苗木
3 培土
4 薄肉ヒンジ
7 通孔
8 抜止め部
10 締付部材
11 フランジ
【考案の属する技術分野】
この考案は、公園緑地や道路の路肩、造成地の法面等に苗木を植え付ける緑化工事に使用する育苗ポットの技術分野に属し、更に云えば、育苗ポットへ苗木を植え付ける作業が簡単で緑化工事を安価に効率よく行える育苗ポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、緑化工事において、草木の種子や苗木を地面に植え付ける様々な育苗ポットが開発され、実用に供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、円筒体の胴部と円錐形状に尖った底部とを備え、前記胴部外周に螺旋状のねじれ凸部又は凹部と貫通穴とを設けた、苗木等の植え付けに用いられる育苗ポット(容器)が開示されている。
【0004】
特許文献2は、本出願人所有の登録意匠公報であって、緑化工事の現場に敷設した防草シートの上から直接地面へ打ち込んで前記防草シートを固定する機能を兼ねた育苗ポットが開示されている。この育苗ポットは、下端部が尖った四角錐体形状の筒体から成り、上端外周部の四辺にフランジを有すると共に、筒壁部にスリット状の通孔と、地中に当該育苗ポットを打ち込んだ際に抜け止め機能を働く掛け止め部が設けられている。
【0005】
特許文献3も、本出願人所有の特許公報であり、緑化工事の現場の地面に敷設した防草シートの上から地面へ打ち込んで前記防草シートを固定する機能を兼ねた育苗ポットが開示されている。この育苗ポットは、円錐形又は角錐形、若しくは柱状体を斜めに切断した形状から成り、壁部に植物の根張りのために複数の通孔が設けられている。
【0006】
上述した特許文献1〜3に開示された育苗ポットはそれぞれ有用であるが、いずれも上端の開口から苗木及び培土を充填する構成である。しかし、育苗ポットの多くは開口部の直径が約5cm、高さ14cm程度に小さいものが一般的である。小さく狭い上端開口部から筒体内へ培土を充填し、且つ苗木を程よく中央部へ植え込む作業は非常に面倒で作業性が悪いという問題があった。
【0007】
前記問題点を解決するために、本出願人の出願に係る特願2003−49084の明細書及び図面には、図8に示すように、垂直方向に二分した2個の分割部材8a、8bの組合せからから成り、開口上部を閉じる蓋部分80が一体形成され、その中央部に苗木2の茎部分を導き出す孔部81が設けられている。また、分割部材8a、8bの外周縁の全長に、一定以上の幅のフランジ82が形成され、接合手段として、掛止め部材83、リング部材84を設けた育苗ポットが開示されている。2個の分割部材8a、8bへ別々に苗木2及び培土3を充填した後、当該分割部材8a、8bを組み合わせることにより、簡易に能率の良い作業を行うことができる。
【0008】
【特許文献1】
特許第2726253号公報
【特許文献2】
意匠登録第1072239号公報
【特許文献3】
特開平11−229385号公報
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記特許出願に係る発明にも問題点がある。二分した2個の分割部材へ別々に苗木および培土を充填した後、対応する2個の分割部材をぴったり組み合わせる作業をするが、その際に、組合せの相手を探すという作業が必要となる。双方の分割部材に充填された培土の量が丁度良い分量であることを確認して、両部材をぴったり合致させるが、その際に、培土がこぼれたり苗木の植込位置がずれたりすることも少なくなく、作業が面倒である。一つの緑化工事では、苗木等を充填した育苗ポットを数百〜数千個を使用するのが一般的である。よって1回1回前記のような要領で分割部材同士を組み合わせる作業は非常に面倒である。
【0010】
本考案の目的は、育苗ポットを垂直方向に二分した分割部材を予め薄肉ヒンジで開閉可能に繋ぎ合わせた構成とし、各分割部材へ培土を充填し苗木を植え付ける作業を簡単にし、もっては緑化工事の作業効率を高めた育苗ポットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するために手段】
上記した従来の技術の課題を解決する手段として、請求項1に記載した考案に係る育苗ポットは、
下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋め込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
前記育苗ポットは垂直方向に二分され、2個の分割部材は一側の縦縁部の上下方向に形成された薄肉ヒンジにより開閉可能に繋ぎ合わされていること、
を特徴とする。
【0012】
請求項2記載の考案は、請求項1に記載した育苗ポットにおいて、
前記分割部材には、開口上部を閉じる蓋部と、そのほぼ中心部に苗木の茎部分を導き出す孔部とが二分した形状に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の考案は、請求項1又は2に記載した育苗ポットにおいて、
前記分割部材の筒壁部には、培土が漏れない形状、大きさで複数の通孔が形成され、その他の部位に、当該育苗ポットを地中へ埋込んだ際に抜け止め機能を働く形状の抜止め部が外方へ突き出されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の考案は、請求項1〜3のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、
2個の分割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が開放側縁部に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の考案は、請求項1〜4のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、
育苗ポットの組み合わせ状態を保持する手段として、外壁部を締め付ける環状の締付部材が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の考案は、請求項1〜5のいずれか一に記載した育苗ポットにおいて、
締付部材の上縁外周の全長にわたり相当幅のフランジが設けられていることを特徴とする。
【0017】
【考案の実施形態及び実施例】
以下、図面に基づいて請求項1〜6に記載した考案に係る育苗ポットの実施形態を説明する。
【0018】
本考案の育苗ポット1は、図1に完成状態を、図2に使用時の状態を示したように、下端部が尖った円錐型形状の筒体を垂直方向に二分したに等しい同形、同大の2個の分割部材1a、1bの組み合わせで構成されており、筒内に苗木2及び培土3を充填して地面へ埋込み、前記苗木2の植え付けを行うものである。図示した分割部材1a、1bは、好ましい実施例として略二等割した形態を示している。いずれか一方が大きく、他方が小さい大小の関係に分割しても良い。
【0019】
この育苗ポット1の形状は、その下部が地面に打ち込むのに適した錐形状であれば良く、図1に示したような円錐型形状に限らない。例えば四角錐体や多角錐型形状或いは、柱状体を斜めに切断したような形状でも良い。前記育苗ポット1の材質は通常のプラスチックのほか、生分解性プラスチック又は崩壊性プラスチックを使用することも好ましい。前記生分解性プラスチック又は崩壊性プラスチックを使用した育苗ポットは、地面に打ち込まれると、半年〜数年で分解され土化するので、植え付けた苗木2が成長と共に根を張り茎が太くなってもその成長を当該育苗ポット1が妨害する虞はない。また、発泡した又は発泡しない通常の樹脂、或いはセメント、粘土、紙や樹皮等動植物からの腐食材料等で同様に育苗ポット1を製造することもできる。
【0020】
分割部材1a、1bの、高さは通例約15cm程度である。勿論植え付ける苗木2や種の大きさによって適切に設計される。
【0021】
育苗ポット1は、図1、2に示すように、垂直方向に二分されていると共に、2個の分割部材1a、1bは、一側の縦縁部の上下方向に長く形成した薄肉ヒンジ4…により開閉可能に繋ぎ合わされている。つまり、2個の分割部材1a、1bは、製造時から使用時まで薄肉ヒンジ4…により対の関係で繋がっている。そして、培土3及び苗木2を充填した分割部材1aと1bはそのままぴったりと閉じて円錐体に組み合わせられる。したがって、分割部材1a、1bへ苗木2及び培土3を充填した後、組合せの相手を探すことは必要なく、前記分割部材1a、1bを閉じるだけの簡単な方法でぴったり組み合わせることができ、培土のこぼれや苗木の植込の位置ずれを防止できる。組合せの相手が当初より決まっているから、培土の充填量も加減して行える。斯くして、緑化工事の作業効率を高めることが可能となる。
【0022】
各分割部材1a、1bには、上端より少し下った位置に開口部を閉じる分割形状の蓋部分5が一体的に形成されている。蓋部分5は培土3に草が発生することを防ぐためのものである。蓋部分5を上端部より少し低く設けた理由は、育苗ポット1の上端部に窪みを設け、この窪みに雨水を溜めて苗木2の根本の培土3へ水を供給するためである。勿論、蓋部分5を上端部レベルに設けてもさして支障はない。
【0023】
上述した蓋部分5のほぼ中央部分には、育苗ポット1に植え付ける苗木2の茎を導き出すための孔部6が、やはり二分した切り欠き形状(半円形に設けられている)に設けられている(請求項2記載の考案)。
【0024】
前記孔部6の寸法又は直径は植え付ける苗木3の茎の太さを許容して、茎と孔部6との間にできるだけ隙間が生じないように設計される。つまり、隙間から太陽光が入って雑草が発生するのを防いで苗木2の成長を促進し、雑草の除草作業を軽減するためである。
【0025】
また、分割部材1a、1bの筒壁部には、充填した培土3が漏れない形状、大きさの複数の通孔7…が形成されている(図1)。通孔7は、育苗ポット1内の培土3の空気の通気、水分の排水性を保つと共に、苗木2の成長に伴う根の伸び出しを許容する。
【0026】
よって、図1等に示したようなスリット形状に限定されず、例えば円形又は楕円形状の通孔でも好適に実施できる。
【0027】
分割部材1a、1bの筒壁部の他の部位には、更に育苗ポット1を地中へ埋め込んだ際に抜け止め機能を働く形状、例えば 形状の抜止め8が複数外方へ突き出されている(図1)(請求項3記載の考案)。
【0028】
前記抜止め8の一部は、前記分割部材1aの一側の開放外縁部に当該開放外縁部と平行方向に複数設けられている。この分割面に設けられた抜止め8は当該分割面と平行方向に幅広に形成され、2個の分割部材1a、1bを組み合わせる際に当接面を兼ねる構成とされる。抜け止め8は上下方向に3個ずつ設けられている。
【0029】
前記開放外縁部に設けた前記抜止め8のうち、下方側2個ずつの当接面には、当該分割部材1a、1bを組み合わせ状態を保持する結合手段として掛止め部9が設けられている(請求項4記載の考案)。
【0030】
図3に示すように、前記掛止め部9は、一方の分割部材1aに鉤形状の雄型突起9aを、他方の分割部材1bには前記雄型突起9aを受け入れる雌型突起9bとで構成されている。
【0031】
図4に示すように、雄型突起9a、雌型突起9bが、2個の分割部材1a、1bが向かい合わせに組み合わされた際に、しっかりと嵌り合って当該2個の分割部材1a、1bの結合状態を保持する。
【0032】
また、図2に示すように、育苗ポット1には、2個の分割部材1a、1bの組み合わせ状態を保持する手段として、外壁部を締め付ける環状の締付部材10を使用する(請求項5記載の考案)。締付部材10の形態は図示した筒形状からなる環状形態のみならず、ゴムバンドやプラスチックバンド等の締め付け力を発揮する形態であれば良く、取付場所も筒体の上下何れの場所でも良い。
【0033】
前記締付部材10の上縁外周には、その全長にわたって一定幅(例えば、10mm位)のフランジ11が連続して設けられている(請求項6記載の考案)。
【0034】
前記フランジ11は、緑化工事の際にシート材100を押さえると共に、破断したシート材100から地面が露出することを防ぐ効果を発揮する。図示例の場合、前記締付部材10は育苗ポット1の下方へ嵌め込んだ場合を示している。
【0035】
図5には、上記構成の育苗ポット1を使用した緑化工事の一実施例を示している。
上記構成の育苗ポット1は、図2に示したように、培土3を密実に充填した苗木2を植え付けた2個の分割部材1a、1bを閉じて相向かいに組合せ、掛止め部9により結合させ、更に必要に応じて締付部材10を嵌めて拘束させ、図1のように完成する。
【0036】
緑化工事においては、地面に敷かれた防草シート等のシート材100の上から、例えば育苗ポット1と略同形、同大の孔あけ機を用いて防草シート100及び地面に育苗ポット1とほぼ同形、同大の穴をあけ、その中へ埋込まれる。前記育苗ポット1は、例えば30cm間隔ぐらいで地面へ複数埋込み、苗木2を植える目的と同時に前記シート材100を地面に固定する目的を達成する。地面が柔らかい場合には、シート材100の上から育苗ポット1をハンマー等を用いて直接埋め込むことにより実施される。
【0037】
以上に実施形態に基づいて説明したが、本考案は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計の変更、応用のバリエーションを含むことを念のため言及する。例えば、フランジを設けずに実施することも可能であり、更に結合手段として結合機能と締付け力を兼ね備えた締付留具を用いることも可能である。
【0038】
図6、図7は、四角錐型形状において実施される一実施例を示した図である。四角錐型形状の育苗ポット1’は、図7に示すように対角線方向に二分した分割部材1a’、1b’の一側の縦縁部に薄肉ヒンジ4’を設け、必要に応じて締付部材10’およびフランジ11’を嵌め込むことによって実施される。
【0039】
【考案が奏する効果】
請求項1〜6に記載した考案に係る育苗ポットは、育苗ポットを垂直方向に二分した分割部材を予め薄肉ヒンジで開閉可能に繋ぎ合わせた構成とし、各分割部材へ培土を充填し苗木を植え付ける作業を簡単にし、もっては緑化工事の作業効率を高めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る育苗ポットの使用状態の概略を示した斜視図である。
【図2】本考案に係る育苗ポットの使用状態における構造の概略を示した分解斜視図である。
【図3】図2のB−B線矢視の断面図である。
【図4】図1のA−A線矢視の端面図である。
【図5】本考案に係る育苗ポットをシート材の上から地面へ埋め込んだ使用状態を示した図である。
【図6】本考案の他の実施形態の概略を示した斜視図である。
【図7】本考案の他の実施形態の概略を示した分解斜視図である。
【図8】従来の育苗ポットの使用状態における構造の概略を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
1 育苗ポット
1a、1b 分割部材
2 苗木
3 培土
4 薄肉ヒンジ
7 通孔
8 抜止め部
10 締付部材
11 フランジ
Claims (6)
- 下端部が尖った錐体形状の筒体内に苗木及び培土を充填して地面へ埋め込み前記苗木の植え付けを行う育苗ポットにおいて、
前記育苗ポットは垂直方向に二分され、且つ2個の分割部材は一側の縦縁部の上下方向に形成された薄肉ヒンジにより開閉可能に繋ぎ合わされていることを特徴とする、育苗ポット。 - 前記分割部材には、開口上部を閉じる蓋部と、そのほぼ中心部に苗木の茎部分を導き出す孔部とが二分した形状に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載した育苗ポット。
- 前記分割部材の筒壁部には、培土が漏れない形状、大きさで複数の通孔が形成され、その他の部位に、当該育苗ポットを地中へ埋込んだ際に抜け止め機能を働く形状の抜止め部が外方へ突き出されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した育苗ポット。
- 2個の分割部材の組み合わせ状態を保持する結合手段が開放側縁部に設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した育苗ポット。
- 育苗ポットの組み合わせ状態を保持する手段として、外壁部を締め付ける環状の締付部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した育苗ポット。
- 締付部材の上縁外周の全長にわたり相当幅のフランジが設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した育苗ポット。
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---|---|---|---|
JP2003002917U JP3097999U (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 育苗ポット |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007026417A1 (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-08 | Maruwa Biochemical Co., Ltd. | 花卉植栽構造 |
JP2011167093A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Nihon Univ | 植物成育用成形体 |
CN112021034A (zh) * | 2020-09-23 | 2020-12-04 | 内蒙古自治区林业科学研究院 | 移苗支架及移苗方法 |
-
2003
- 2003-05-22 JP JP2003002917U patent/JP3097999U/ja not_active Expired - Lifetime
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