JP3097663U - ラック用転倒防止具 - Google Patents

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大石 修三
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有限会社大石製作所
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Abstract

【課題】パソコンやオーディオ装置を始め各種物品を載置するラックにおいて、壁や床等を傷つけることなく安定して支持することができ、地震発生時において当該ラックの転倒防止を確実に図ることができる、ラック用転倒防止具を得る。
【解決手段】ラックの脚3の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴に、当該ラックの脚の長さより長く且つ脚の幅より広い転倒防止具4を固定することにより、ラック全体としての幅と奥行を拡大させる。また、ラック自体の幅が狭い場合には、ラックの脚の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴に、当該ラックの幅より長い補助具と前記転倒防止具とを井桁状に組み合わせて固定することにより、ラック全体としての幅と奥行を拡大させる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、パソコンやオーディオ装置を始め各種物品を載置するラックにおいて、地震発生時における当該ラックの転倒防止を図ることができる、ラック用転倒防止具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パソコンやオーディオ装置を始め各種物品を載置するスチールパイプ製や木製のラックの脚にはキャスターが取り付けられ、移動が容易に行える構造になっている。また、ラックの設置場所を確定した後は、ストッパーを有するキャスターの場合には当該ストッパーによりキャスターの回転をロックして、移動防止を図っている。更にはラックの転倒防止を行う場合には当該ラックの支柱と壁や床等をベルトで縛ったりL字型金具により固定を行っている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、キャスターのストッパーの強度はそれ程強いものではなく、比較的大きな地震の場合には当該ラックが容易に移動したり転倒してしまうため、その機能を十分に果たすことができないといった問題点があった。
【0004】
また、ラックの支柱をベルトやL字型金具により壁や床等に固定する場合には壁や床等にネジ孔を開けなければならず、ラックの配置替えのたびに壁や床等を傷つけてしまうといった問題点があった。特に、賃貸住宅の場合において部屋を引払う時には、室内を借りた時の元の状態にして返すのが基本となっているため、安易にネジ締めを行うことができないといった問題点があった。更にはラックの設置場所により、例えば畳敷きの和室の場合には室内の構造上の制約により壁や床等から固定することができないといった問題点もあった。
【0005】
本考案は、以上のような問題点を解決するために成されたものであり、パソコンやオーディオ装置を始め各種物品を載置するラックにおいて、壁や床等を傷つけることなく安定して支持することができ、地震発生時において当該ラックの転倒防止を確実に図ることができる、ラック用転倒防止具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本考案のラック用転倒防止具においては、ラックの脚の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴に、当該ラックの脚の長さより長く且つ脚の幅より広い転倒防止具を固定することにより、ラック全体としての幅と奥行を拡大させる。また、ラック自体の幅が狭い場合には、ラックの脚の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴に、当該ラックの幅より長い補助具と前記転倒防止具とを井桁状に組み合わせて固定することにより、ラック全体としての幅と奥行を拡大させる。
【0007】
【考案の実施の形態及び実施例】
本考案の実施の形態及び実施例を図を用いて説明する。図1は本考案のラック用転倒防止具を固定したパソコンラックの斜視図であり、図2は本考案のラック用転倒防止具の平面図及びA−A断面図である。なお、ラックとしてパソコンラック1を例に挙げて説明する。
【0008】
図1に示すように、本考案のラック用転倒防止具4は、当該パソコンラック1の柱2の下部を固定する脚3の長さより長く且つ脚3の幅より広い平板であり、該転倒防止具4をパソコンラック1の脚3の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴(図示せず)に固定することにより、パソコンラック1全体としての幅と奥行を拡大させ、パソコンラック1を安定して支持することができるものである。
【0009】
パソコンラック1の脚3の長さはメーカーにより異なるため、図2に示す転倒防止具4の前部に長さ調整用の前部固定穴5を開け、後部に脚固定用の後部固定穴6を開ける。前部固定穴5の幅はパソコンラック1の脚の底面にある前部キャスター取付け用のネジ穴(図示せず)の位置に合わせるため適度な長さを有した長円である。また、後部固定穴6はパソコンラック1の脚3の底部にある後部キャスター取付け用のネジ穴(図示せず)に固定するため、位置は固定とする。なお、前部固定穴5,後部固定穴6ともに転倒防止具4の底面側はネジの頭や座金等を隠すため、前部固定穴5,後部固定穴6より幅の広い凹部7,8を削成する。
【0010】
また、図3は本考案のラック用転倒防止具を固定したパソコンラックの正面図であり、図4は本考案のラック用転倒防止具を固定したパソコンラックの側面図である。
【0011】
前記図1においては転倒防止具4の上面の端部は特に処理を施してないが、図3では転倒防止具4の上面側部の淵に丸みを持たせた側部傾斜部9を形成し、図4では転倒防止具4の上面前部の淵に丸みを持たせた前部傾斜部10を形成した状態を示している。このように転倒防止具4の淵に丸みを持たせると、人が足を当てた場合等において怪我を防止することができて好ましい。
【0012】
ここで、本考案の転倒防止具4をパソコンラック1に固定したことによる効果を検証する。まず、地震による水平加速度によりパソコンラック1が転倒する場合のロッキング加速度αは数式1により算出される。
【0013】
【数1】
α=(D/2hg)×G
ここで、hg:重心の高さ
D:パソコンラックの幅
G:重力加速度(=980gal)とする。
【0014】
例1.
重心の高さが60cm,転倒防止具4を取付けていない奥行が40cmのパソコンラック1のロッキング加速度α1は
α1=(400/2×600)×980=326gal
【0015】
例2.
重心の高さが60cm,転倒防止具4を取付けて奥行が90cmとなったパソコンラック1のロッキング加速度α2は
α2=(900/2×600)×980=735gal
【0016】
以上のことから、奥行きが40cmのパソコンラック1の場合は326gal(震度6弱)までしかもたないものが、本考案の転倒防止具4を取付けて奥行を90cmに延ばすことにより735gal(震度7以上)まで転倒防止を図ることができるようになる。なお、重心の位置を下げるという観点から、転倒防止具4自体の重量を重くすることにより効果は増加する。
【0017】
また、図5は本考案のラック用転倒防止具に補助具を取付けて固定したパソコンラックの斜視図であり、図6は本考案のラック用転倒防止具用の補助具の平面図及び側面図である。
【0018】
図5に示すように、パソコンラック1の幅が狭い場合には、パソコンラック1の脚3の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴(図示せず)に、当該パソコンラック1の幅より長い補助具11と前記転倒防止具4とを井桁状に組み合わせて固定することにより、パソコンラック1全体としての幅と奥行を拡大させ、パソコンラック1を安定して支持することができるものである。
【0019】
パソコンラック1の幅はメーカーにより異なるため、図6に示す補助具11の両端部にパソコンラック1の脚3の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴(図示せず)の位置に合わせるため適度な長さを有した長円の固定穴12を開け、更に当該固定穴12の外側に転倒防止具4の厚さ分をカバーして床に載置させるためのアジャスター13を配設する。このように、幅の狭いパソコンラック1に補助具11を固定することにより、幅が補助具11の長さまで拡大させることができ、安定して支持することができる。
【0020】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案のラック用転倒防止具をパソコンやオーディオ装置を始め各種物品を載置するラックに取付けるようにすれば、壁や床等を傷つけることなく安定に保持することができ、地震発生時において当該ラックの転倒防止を確実に図ることができるという効果を奏する。例えば、重心の高さが60cm,転倒防止具を取付けて奥行90cmとなったパソコンラックでは震度7以上まで転倒防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のラック用転倒防止具を固定したパソコンラックの斜視図である。
【図2】本考案のラック用転倒防止具の平面図及びA−A断面図である。
【図3】本考案のラック用転倒防止具を固定したパソコンラックの正面図である。
【図4】本考案のラック用転倒防止具を固定したパソコンラックの側面図である。
【図5】本考案のラック用転倒防止具に補助具を取付けて固定したパソコンラックの斜視図である。
【図6】本考案のラック用転倒防止具用の補助具の平面図及び側面図である。
【符号の説明】
1 パソコンラック
2 柱
3 脚
4 転倒防止具
5 前部固定穴
6 後部固定穴
7 凹部
8 凹部
9 側部傾斜部
10 前部傾斜部
11 補助具
12 固定穴
13 アジャスター

Claims (2)

  1. ラックの脚の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴に、当該ラックの脚の長さより長く且つ脚の幅より広い転倒防止具を固定することにより、ラック全体としての幅と奥行を拡大させることができることを特徴とした、ラック用転倒防止具。
  2. ラック自体の幅が狭い場合には、ラックの脚の底面にあるキャスター取付け用のネジ穴に、当該ラックの幅より長い補助具と前記転倒防止具とを井桁状に組み合わせて固定することにより、ラック全体としての幅と奥行を拡大させることができることを特徴とした、請求項1に記載のラック用転倒防止具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014084682A (ja) * 2012-10-26 2014-05-12 Innovation co ltd 建築物の屋外部における家具の固定方法

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