JP3097344U - クレープ布地及びクレープ肌着 - Google Patents

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高橋 環
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タマキニット株式会社
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Abstract

【課題】吸湿性のみならず、抗菌性及び清涼感にすぐれる竹繊維を含有する糸を平織りして得られるクレープ布地及び該布地を裁断、縫製して得られるクレープ肌着を提供する。
【解決手段】クレープ布地1は、竹繊維を含有する糸を縦糸2及び/又は横糸3に用いて平織りし、エンボス加工を施すことにより得ることができる。また、クレープ肌着は、上記クレープ布地を裁断、縫製して得られる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【考案の属する利用分野】
本考案は、竹繊維を含有する糸を平織りし、エンボス加工を施すことによって得られるクレープ布地及び該布地を縫製して得られるクレープ肌着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に肌着等に用いられるクレープ布地は、縦糸と横糸の両方に綿糸(横糸は強撚糸)を使用した平織り布地にエンボス加工を施すことにより得られる。
クレープ布地に裁断や縫製を施すことによって、クレープ肌着等が作成される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
綿糸を用いた肌着は、吸湿性にはすぐれるが、抗菌性は十分ではなかった。このため、布地又は肌着に抗菌加工を施す必要があった。
【0004】
本考案の目的は、吸湿性のみならず、抗菌性及び清涼感にすぐれる竹繊維を含有する糸を平織りして得られるクレープ布地及び該布地を裁断、縫製して得られるクレープ肌着を提供することである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
上記課題を解決するために、本考案のクレープ布地は、竹繊維を含有する糸を縦糸及び/又は横糸に用いて平織りし、エンボス加工を施した。
また、本考案のクレープ肌着は、上記クレープ布地を裁断、縫製して得られる。
【0006】
【作用及び効果】
本考案のクレープ布地は、含有する竹繊維によりすぐれた抗菌性を有するため、従来のように抗菌加工を施さなくても、抗菌加工済みの綿糸布地と同等又はそれ以上の抗菌性を有している。従って、この布地を用いて作成された肌着は、発汗等による雑菌の増殖等を抑制し、清潔感を保つ。
さらに、クレープ布地としてエンボス加工を施して、布地表面に凹凸を設けることにより、使用者の肌に触れたときに、エンボス加工未処理の布地よりも接触面積が小さく、清涼感も高いものとなる。
【0007】
また、本考案のクレープ布地は、綿糸布地に比べて吸湿性、放湿性が高く、これを用いて裁断、縫製することにより、蒸れの少ないクレープ肌着を得ることができる。
【0008】
竹繊維の含有量を変えることにより、布地の硬さを変えることができるので、張りの異なる肌着を作ることができる。これにより、使用者の感触の好みに合わせて肌着を作ることができる。
【0009】
さらに、竹繊維は、すぐれた防臭性を有するため、竹繊維を含有するクレープ布地を用いて作成された肌着は、使用者に爽快感を与える。
【0010】
【考案の実施の形態】
竹繊維を含有する糸は、竹を細かく裁断又は削り取って得られた竹繊維を、溶剤で溶かして紡糸することにより得ることができる。
竹繊維を含有する糸は、撚糸して使用することが望ましい。撚りの回数を変えることにより、作成されたクレープ布地及びクレープ肌着の伸びを適宜調節することができる。
【0011】
竹繊維を含有する糸は、綿糸、麻糸等と撚って使用したり、竹繊維に綿、麻等の繊維を混紡してもよい。なお、抗菌性、清涼感及び防臭性を高めるために、糸に含まれる竹繊維は、約40%以上とすることが望ましく、約60%以上とすることがより望ましい。
【0012】
竹繊維を含有する糸を縦糸及び/又は横糸として用い、平織りすることにより、布地が作成される。作成された布地にエンボス加工を施し、表面に凹凸を形成することによって、本考案のクレープ布地が作成される。
平織りを行なう際に、縦糸及び横糸の両方に竹繊維を含有する糸を用いることが、抗菌性及び清涼感を高める上で望ましい。
しかしながら、縦糸又は横糸の何れか一方に竹繊維を含有する糸を用いても、十分な抗菌性及び清涼感を得ることができる。この場合、他方の糸として、綿糸、麻糸、シルク糸等の天然繊維、レーヨン糸、ポリエステル糸等の化学繊維を用いることができる。
【0013】
竹繊維を含有する糸を用いたクレープ布地及びクレープ肌着の抗菌性は著しく向上するが、抗菌性及び防臭性をさらに高めるために、クレープ布地に抗菌加工を施してもよい。なお、抗菌加工は公知の方法により施すことができる。
【0014】
本考案のクレーム布地は、適当な大きさに裁断し、縫製することにより外衣、内衣等の幅広い被服、シーツ、ベッドカバー等の寝装具などに適用できる。
本考案のクレープ布地は、上述のように抗菌性、清涼感及び防臭性にすぐれるため、特に肌着に好適である。作成されるクレープ肌着として、アンダーシャツ、パンツ、ズボン下、股引、パジャマ等を例示できる。
【0015】
【実施例】
<実施例1>
縦糸(2)に竹繊維を含有する糸、横糸(3)に綿糸を用いて、図1及び断面図2に示すように平織りし、得られた布地にエンボス加工及び抗菌加工(ノニオン弱カチオン系の抗菌剤の入った溶液に浸漬)を施して、クレープ布地(1)を作成した(本考案布地A)。
比較のため、縦糸(2)及び横糸(3)の両方に綿糸を用いて平織りし、上記と同様にエンボス加工及び抗菌加工を施したクレープ布地(1)を作成した(比較用布地B)。
【0016】
上記布地A及びBを裁断、縫製して、半袖肌着(「本考案肌着A」、「比較用肌着B」と称する)を作成し、5人の被験者に本考案肌着Aと比較用肌着Bを夫々一週間ずつ試着してもらい、着心地(清涼感、吸放湿性及び防臭性)を比較した。
【0017】
清涼感について、被験者全員が本考案肌着Aの方が、比較用肌着Bよりも、清涼感にすぐれるとの感想を得た。
また、吸放湿性は、被験者5人中3人が本考案肌着Aの方がすぐれると回答し、残り2名は両者の違いを殆んど感じないと回答した。
防臭性については、被験者5人中3人が本考案肌着Aの方がすぐれると回答し、残り2名は両者の違いを殆んど感じないと回答した。
【0018】
上記から、本考案肌着Aは、竹繊維を含有することにより、比較用肌着Bよりも清涼感にすぐれ、また、吸放湿性、防臭性も向上したことがわかる。
【0019】
<実施例2>
上記実施例1に使用した本考案布地Aについて、抗菌性を示す試験を行なったので結果を以下に示す。
【0020】
試験方法:抗菌効果測定試験(JIS−L 1902 繊維製品の抗菌試験準拠) 使用菌種:Staphylococcus aureus
試料:未洗濯の上記本考案布地A
【0021】
試験の結果、菌の増減値差は4.7であった。本試験の場合、増減値差が1.6以上であれば抗菌効果があるとされている。つまり、本考案布地Aは、この基準値を大きく上回っており、すぐれた抗菌効果を有していることがわかる。
【0022】
上記実施例の説明は、本考案を説明するためのものであって、実用新案登録請求の範囲に記載の考案を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本考案の各部構成は上記実施例に限らず、実用新案登録請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】平織り構造を示す平面図である。
【図2】図1の線X−Xに沿う断面図である。
【符号の説明】
(1)  布地
(2)  縦糸
(3)  横糸

Claims (4)

  1. 竹繊維を含有する糸を縦糸及び横糸に用いて平織りし、エンボス加工を施したことを特徴とするクレープ布地。
  2. 竹繊維を含有する糸を縦糸又は横糸の一方に用いて平織りし、エンボス加工を施したことを特徴とするクレープ布地。
  3. 抗菌加工が施されている請求項1又は請求項2に記載のクレープ布地。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載のクレープ布地を裁断、縫製して得られるクレープ肌着。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016183426A (ja) * 2015-03-25 2016-10-20 株式会社ヤギ 寝装寝具用織物地
JP2019528384A (ja) * 2016-08-30 2019-10-10 アドヴィテックス ゲーエムベーハー テキスタイル要素
CN110409037A (zh) * 2019-08-14 2019-11-05 吴江市布步高纺织整理有限公司 高质量提花印花绉布

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